第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 経営方針

<会社の経営の基本方針>

当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とする技術やサービスを提供する企業グループを目指し、情報産業において、さまざまな事業に取り組んでいます。

 

<中長期的な会社の経営戦略>

a.モバイルインターネット分野への集中

情報通信市場では、スマートフォンとタブレット端末が急速に普及し(注1)、インターネットにアクセスするための手段がパソコン中心からモバイル端末中心へと移行しています。当社は、この変化に伴い拡大する「モバイルインターネット」の分野で、集中的に事業展開を行うことを戦略の一つとしています。

この戦略に基づき、ネットワークの増強や高速データ通信サービスの提供、スマートフォンやタブレット端末の品揃えの充実、モバイルコンテンツの拡充、イーコマースなど各種サービスのモバイル端末への最適化、クラウドサービスの拡充などに取り組んでいます。当社全体で、モバイルインターネットの利用を促進することで、データ通信料やサービス・コンテンツ利用料などの収入を増加させていきます。

 

(注) 1 矢野経済研究所「スマートフォン・タブレットの世界市場に関する調査結果 2014」。

 

b.戦略的シナジーグループの形成・拡大

技術やビジネスモデル、市場ニーズの変化が早い情報産業で、世界の人々が最も必要とする技術やサービスを提供していくためには、特定の技術やビジネスモデルに固執せず、時代の変遷とともに自己変革を繰り返しつつ業容を拡大・変化させていくことが不可欠です。

当社は、グループ内において新サービスや新規事業を立ち上げることに加え、優れた技術やビジネスモデルを持つ企業への出資や合弁会社の設立を行い、「戦略的シナジーグループ」をグローバル規模で形成・拡大していきます。

戦略的シナジーグループにおいては、各社が自律的に経営の意思決定を行いつつも、それぞれが有する強みを有機的に組み合わせることでシナジー(相乗効果)を創出し、グループ全体として持続的な成長を実現していきます。

 

c.米国進出による事業規模の拡大

米国は携帯電話累計契約者が日本の2倍以上となる約3.5億人(注2)に達しており、モバイルインターネット分野の急速な拡大が見込まれる有望な市場です。当社は、2013年7月10日に米国の大手移動通信事業者であるスプリントの買収を完了しました。この買収を通して米国市場での事業基盤を確立し、事業規模の拡大を図るとともに同市場の成長を取り込んでいきます。

上記の買収完了により、当社は日米市場において最大規模(注2)の顧客基盤を有する移動通信事業者になったことから、携帯端末やネットワーク関連機器の調達はもちろん、グループ会社のゲームや動画等のコンテンツやサービスの提供においても、そのスケールメリットを最大限に生かして事業展開を行っていきます。

 

(注) 2 GSMA Intelligence(2013年12月末時点)。

 

 

(2) 業績

IFRSの適用

ソフトバンク㈱は、当期の第1四半期である2013年6月30日に終了した3カ月間より国際会計基準(以下「IFRS」)を適用しています。IFRSへの移行日は2012年4月1日であり、2013年3月31日に終了した1年間(以下「前期」)についても、IFRSに準拠して表示しています。

日本基準からIFRSへの調整項目の主なものは、以下の通りです。

・連結範囲の差異

‐日本基準において関連会社であったイー・アクセス㈱およびWireless City Planning㈱は、IFRSにおいては子会社としています。

・連結財政状態計算書関係

‐日本基準において金融資産の消滅の要件を満たしていた一部の債権流動化取引は、IFRSにおいては認識の中止の要件を満たさないため、対象となる債権および有利子負債を連結財政状態計算書へ計上しています。

‐子会社が発行した優先出資証券は、日本基準において資本取引として処理し、少数株主持分に計上していますが、IFRSにおいては有利子負債として連結財政状態計算書へ計上しています。

・連結損益計算書関係

‐のれんは、日本基準においては規則的に償却しますが、IFRSにおいては規則的な償却は行わず、少なくとも年に1度減損テストを実施しています。

‐携帯端末販売に関する手数料は、日本基準においては発生時に費用処理しますが、IFRSにおいては収益から控除しています。

これらの調整の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 45.IFRS初度適用」をご参照ください。

 

スプリントの子会社化について

当社は、2013年7月10日に、スプリントの買収を完了し、子会社化しました。これに伴い第2四半期から、新たな報告セグメントとして「スプリント事業」を設けました。

スプリントの子会社化の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(3)スプリント」をご参照ください。

 

 

<業績全般>

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

増減率

売  上  高

3,202,536

6,666,651

3,464,115

108.2%

営 業 利 益

799,399

1,085,362

285,963

35.8%

税 引 前 利 益

715,504

932,367

216,863

30.3%

純  利  益

437,837

586,149

148,312

33.9%

親会社の所有者に
帰属する純利益

372,481

527,035

154,554

41.5%

 

 

当期の業績に関する主な増減要因は、次の通りです。

 

(売上高)

売上高は6,666,651百万円となり、前期と比較して3,464,115百万円(108.2%)増加しました。これは主に、第2四半期より新たに加わったスプリント事業で、2,601,031百万円の売上高を計上したことによるものです。このほか、移動通信事業の売上高が前期と比較して819,888百万円増加しました。これは、2013年4月にガンホー(注3)、同年7月に㈱ウィルコム(注4)、同年10月31日にスーパーセル(注5)、2014年1月30日にBrightstar Corp. (注6)(以下「ブライトスター」)を子会社化した影響に加えて、ソフトバンクモバイル㈱の携帯電話契約数と携帯端末の販売数(注7)が増加し、サービス売上(主に従来の通信料売上)と物販売上(主に従来の携帯端末売上)がいずれも増加したことなどによるものです。また、2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の売上高が通期で計上されたことも、売上高の増加要因となりました。

 

(注) 3 ガンホーの子会社化の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(2)ガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱」をご参照ください。

   4 ㈱ウィルコムの子会社化の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(4)㈱ウィルコム」をご参照ください。

   5 スーパーセルの子会社化の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(5)スーパーセル」をご参照ください。

   6 ブライトスターの子会社化の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(6)ブライトスター」をご参照ください。

   7 販売数:新規契約数と機種変更数の合計値。

 

(売上原価)

売上原価は3,953,170百万円となり、前期と比較して2,342,328百万円(145.4%)増加しました。これは主に、第2四半期よりスプリント事業が新たに加わったことによるものです。このほか、ガンホー、㈱ウィルコム、スーパーセルおよびブライトスターを子会社化したことや、ソフトバンクモバイル㈱でiPhone(注8)をはじめとするスマートフォンの販売数が伸び、商品原価が増加したことも、売上原価の増加要因となりました。また、2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の売上原価が通期で計上されたことも増加につながりました。

 

(注) 8 iPhoneはApple Inc.の商標です。iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は1,826,575百万円となり、前期と比較して1,032,502百万円(130.0%)増加しました。これは主に、第2四半期よりスプリント事業が新たに加わったことによるものです。このほか、ガンホー、㈱ウィルコムおよびスーパーセルを子会社化したことや、ソフトバンクモバイル㈱で販売手数料が増加したことも、販売費及び一般管理費の増加要因となりました。また、2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の販売費及び一般管理費が通期で計上されたことも増加につながりました。

 

(企業結合に伴う再測定による利益)

企業結合に伴う再測定による利益は253,886百万円となり、前期と比較して252,108百万円増加しました。ガンホーおよび㈱ウィルコムの支配獲得時に、当社が既に保有していた両社に対する資本持分を公正価値で再測定したことに伴い、150,120百万円と103,766百万円をそれぞれ計上しました。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(2)ガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱ b.取得対価およびその内訳」および同「(4)㈱ウィルコム b.取得対価およびその内訳」をご参照ください。

 

(その他の営業損益)

その他の営業損益は、55,430百万円の損失となりました(前期は計上なし)。これは主に、減損損失32,090百万円のほか、スプリントにおける人員削減関連費用18,307百万円を計上したことによるものです。これらについての詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 35.その他の営業損益」をご参照ください。

 

(営業利益)

営業利益は1,085,362百万円となり、前期と比較して285,963百万円(35.8%)増加しました。

 

(財務費用)

財務費用は271,478百万円となり、前期と比較して206,181百万円(315.8%)増加しました。これは主に、スプリントの支払利息が加わったほか、ソフトバンク㈱の社債および借入金の支払利息が増加したことによるものです。

 

(持分法による投資損益)

持分法による投資損益は74,402百万円の利益となり、前期から78,065百万円改善しました(前期は3,663百万円の損失)。これは主にAlibaba Group Holding Limitedに係る投資利益66,780百万円を計上したことによるものです。

 

(その他の営業外損益)

その他の営業外損益は44,081百万円の利益となり、前期から59,016百万円改善しました(前期は14,935百万円の損失)。

i. 関連会社株式売却益は前期から32,221百万円増加し、33,058百万円となりました。これは主に、2013年12月にPPLive Corporationの株式を売却したことによるものです。

ii. 受取利息は前期から17,906百万円増加し、21,015百万円となりました。

iii. デリバティブ関連損益は前期から31,465百万円悪化し、19,588百万円の損失となりました。

受取利息とデリバティブ関連損益に関する詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 37.その他の営業外損益」をご参照ください。

 

(税引前利益)

税引前利益は932,367百万円となり、前期と比較して216,863百万円(30.3%)増加しました。

 

(法人所得税)

法人所得税は346,218百万円となり、前期と比較して68,551百万円(24.7%)増加しました。

 

(純利益)

純利益は586,149百万円となり、前期と比較して148,312百万円(33.9%)増加しました。

 

(親会社の所有者に帰属する純利益)

ヤフー㈱、スプリント、ガンホーなど子会社の非支配持分に帰属する純損益を純利益から控除した結果、当期の親会社の所有者に帰属する純利益は527,035百万円となり、前期と比較して154,554百万円(41.5%)増加しました。

 

(包括利益)

包括利益合計は525,570百万円となり、前期と比較して116,617百万円(18.2%)減少しました。このうち、親会社の所有者に帰属する包括利益は451,167百万円(前期比123,975百万円(21.6%)減少)となりました。

 

<セグメントの業績>

当社は当期に報告セグメントの区分および名称を変更し、前期の業績は、当期の報告セグメントに基づき記載しています。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 6.セグメント情報」をご参照ください。

 

a.移動通信事業

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

増減率

売 上 高

2,345,630

3,165,518

819,888

35.0%

セグメント利益

517,120

608,950

91,830

17.8%

 

 

<当事業の業績全般>

当事業の売上高は、前期と比較して819,888百万円(35.0%)増加の3,165,518百万円となりました。これは主に、ガンホー、㈱ウィルコム、スーパーセルおよびブライトスターを子会社化したことに加えて、ソフトバンクモバイル㈱において携帯電話契約数と携帯端末の販売数が増加し、サービス売上(主に従来の通信料売上)と物販売上(主に従来の携帯端末売上)がいずれも増加したことによるものです。2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の売上高が通期で計上されたことも、売上高の増加要因となりました。

営業費用は、前期と比較して728,058百万円(39.8%)増加の2,556,568百万円となりました。これは主に、ガンホー、㈱ウィルコム、スーパーセルおよびブライトスターを子会社化したほか、ソフトバンクモバイル㈱の営業費用が増加したことによるものです。ソフトバンクモバイル㈱の営業費用は、iPhoneをはじめとするスマートフォンの販売が好調に推移したことで、商品原価が増加しました。このほか携帯電話番号ポータビリティー(MNP)制度での顧客獲得競争が進んだ結果、ソフトバンクモバイル㈱の販売手数料増加の要因となりました。また2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の営業費用が通期で計上されたことも、営業費用の増加につながりました。

これらの結果、セグメント利益は、前期と比較して91,830百万円(17.8%)増加の608,950百万円となりました。

 

<当事業の営業概況> 

(契約数)

当期におけるソフトバンクモバイル㈱の純増契約数(新規契約数から解約数を差し引いた契約数)は、3,445千件となりました。これは主に、各種販売促進策(注9)の実施などにより、iPhoneをはじめとするスマートフォンや通信モジュールなどの販売が好調に推移したことによるものです。この結果、2014年3月31日(以下「当期末」)におけるソフトバンクモバイル㈱の累計契約数は35,925千件となりました。

 

(注) 9 新規契約および機種変更時の料金割引や、既存顧客が機種変更する際に、当該顧客の家族が旧機種をそのまま利用(追加の回線契約が必要)すると料金割引を行うなどの、スマートフォンを契約する顧客を対象とした販売促進策。

 

(ARPU)

当期におけるソフトバンクモバイル㈱のARPU(注10)は、前期から100円減少の4,450円となり、そのうちデータARPUは前期から150円増加の2,930円となりました。ARPUの減少は、データARPUの高いスマートフォンの契約数が引き続き増加しデータARPUを押し上げた一方で、ARPUの低い端末が増加したことに加え、音声端末における通話の利用が減少したことなどによるものです。

 

(注) 10 ソフトバンクモバイル㈱のARPU、解約率、機種変更率の定義および算出方法については、「(参考 ソフトバンクモバイル㈱の主要事業データの定義および算出方法)」をご参照ください。

 

(販売数)

当期におけるソフトバンクモバイル㈱の販売数は、前期と比較して1,062千件増加の14,175千件となりました。これは主に、各種販売促進策の実施などにより、iPhoneをはじめとするスマートフォンの販売が引き続き好調に推移したことによるものです。MNP制度での顧客獲得競争が進み、他社からの転入が増加したことも、販売数増加の要因となりました。

 

(解約率および機種変更率)

当期におけるソフトバンクモバイル㈱の解約率(注10)は1.27%となり、前期と比較して0.18ポイント上昇しました。これは主に、2年間契約の満期を迎えた非音声端末の解約が増加したことによるものです。また、MNP制度での顧客獲得競争が進み、他社への転出が増加したことも、解約率上昇の要因となりました。

機種変更率(注10)は1.36%となり、前期と比較して0.17ポイント低下しました。

 

 

(参考 ソフトバンクモバイル㈱の主要事業データの定義および算出方法)

i. ARPU

ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入

                 (10円未満を四捨五入して開示しています)。

 

ARPU=(データ関連収入+基本料・音声関連収入など)÷稼働契約数

 

データARPU=データ関連収入÷稼働契約数

 

稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値。

通信モジュールを除くソフトバンクモバイル㈱の契約数で算出。

データ関連収入:パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料、コンテンツ関連収入など。

通信モジュールに係る収入を含まない。

基本料・音声関連収入など:基本使用料、通話料、着信料収入、端末保証サービス収入、広告収入など。

通信モジュールに係る収入を含まない。

着信料収入:他の通信事業者の顧客がソフトバンク携帯電話へ通話する際に、ソフトバンクモバイル㈱が役務提供している区間の料金として他の通信事業者から受け取る接続料。

 

ii. 解約率

解約率=解約数÷稼働契約数(小数点第3位を四捨五入して開示しています)。

解約数:当該期間における解約総数。

稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値。

ソフトバンクモバイル㈱の全契約数で算出。

 

iii. 機種変更率

機種変更率=機種変更数÷稼働契約数(小数点第3位を四捨五入して開示しています)。

機種変更数:当該期間における機種変更総数。

稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値。

ソフトバンクモバイル㈱の全契約数で算出。。

 

 

b.スプリント事業

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

増減率

売 上 高


2,601,031

2,601,031

-%

セグメント利益
(△損失)

△1,216

△1,216

-%

 

 

(注) 11 スプリント事業において、スプリントの業績は2013年7月11日から反映されています。

 

<当事業の業績全般>

当事業の売上高は2,601,031百万円となりました。これには主に、スプリント・プラットフォーム(注12)に係るサービス売上や、物販売上が含まれています。なお、2013年6月30日のネクステル・プラットフォーム(注13)の停止に伴い、同サービスに係る売上は当期には計上されていません。

営業費用は2,602,247百万円となりました。営業費用には、スプリントの子会社化に伴い計上した顧客基盤(級数法により償却)の償却費129,863百万円が含まれています。

これらの結果、セグメント損失は1,216百万円となりました。なお2014年3月31日に終了した3カ月間(以下「当第4四半期」)におけるセグメント利益は、56,962百万円となりました。

 

(注) 12 スプリントの運営するCDMAおよびLTEネットワークにおける通信サービス。ネクステル・プラットフォーム(注13)の通信サービス、ならびにU.S. Cellular CorporationおよびClearwire Corporation(以下「クリアワイヤ」)の買収により継承した通信サービスを含みません。

     13 iDEN(Integrated Digital Enhanced Network)と呼ばれる無線技術に基づくネットワークにおける通信サービス。2005年、Nextel Corporationの買収によりスプリントが同社から継承。

 

<当事業の営業概況>

2013年7月1日から2014年3月31日の間において、スプリントの契約数(注14)は303千件減少し、当期末における累計契約数は54,887千件となりました。このうちスプリント・プラットフォームの契約数(注15)は204千件増加し、当期末における累計契約数は53,551千件となりました

当第4四半期において、スプリント・プラットフォームのARPU(注16)はポストペイドで63.52米ドルおよびプリペイドで26.45米ドルとなり、同プラットフォームの解約率(注16)は、ポストペイドで2.11%およびプリペイドで4.33%となりました。

 

(注) 14 2013年7月9日に買収したクリアワイヤから継承した契約数1,602千件を含みません。

     15 クリアワイヤに係るMVNO契約数29千件を含みません。

     16 スプリント・プラットフォームのARPUと解約率の定義および算出方法については、「(参考 スプリント・プラットフォームの主要事業データの定義および算出方法)」をご参照ください。

 

 

(参考 スプリント・プラットフォームの主要事業データの定義および算出方法)

i. ARPU

ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入

                 (1セント未満を四捨五入して開示しています)。

 

ARPU=通信サービス売上÷稼働契約数

 

稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値。

 

ii. 解約率

解約率=解約数÷稼働契約数(小数点第3位を四捨五入して開示しています)。

解約数:当該期間における解約総数。ポストペイドおよびプリペイド間における契約形態の変更は含まない。

稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値。

 

 

c.固定通信事業

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

増減率

売 上 高

531,028

548,090

17,062

3.2%

セグメント利益

114,232

108,612

△5,620

△4.9%

 

 

<当事業の業績全般>

当事業の売上高は、前期と比較して17,062百万円(3.2%)増加の548,090百万円となりました。ソフトバンクBB㈱においてADSLサービスの契約数の減少によりブロードバンド事業が減収となったものの、2013年1月に子会社化したイー・アクセス㈱の固定通信部門の売上が通期で計上されたことが寄与し、売上高が増加しました。

セグメント利益は、前期と比較して5,620百万円(4.9%)減少の108,612百万円となりました。これは主に、ソフトバンクBB㈱のブロードバンド事業の減収によるものです。

 

 

d.インターネット事業

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

増減率

売 上 高

356,609

399,869

43,260

12.1%

セグメント利益

180,720

188,949

8,229

4.6%

 

 

<当事業の業績全般>

当事業の売上高は、前期と比較して43,260百万円(12.1%)増加の399,869百万円となりました。ヤフー㈱は、イーコマース事業における新戦略として2013年10月よりストア出店料などを無料化していますが、ディスプレイ広告(注17)やスマートフォン経由の検索連動型広告などの売上が拡大したことで、売上高が増加しました。

営業費用は、前期と比較して35,031百万円(19.9%)増加の210,920百万円となりました。これは主にヤフー㈱において、イーコマース事業に係るプロモーション活動を積極的に展開したことなどにより販売促進費が増加したほか、人件費、業務委託費が増加したことによるものです。

これらの結果、セグメント利益は、前期と比較して8,229百万円(4.6%)増加の188,949百万円となりました。

 

(注) 17 一定のスペースに画像や Flash®、映像を用いて表示される広告。Yahoo! JAPANトップページに掲載される「ブランドパネル」などのプレミアム広告、ユーザーが閲覧中のページ内容や興味関心、属性や地域などをもとに、そのユーザーに最適な広告を表示する「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」を含む。

 

 

(3) 財政状態に関する分析

<資産、負債および資本の状況>

当期末における、資産、負債および資本の状況は、次の通りです。

 

    (単位:百万円)

 

 

前期末
(2013年3月31日)

当期末
(2014年3月31日)

増減

増減率

資 産 合 計

7,218,172

16,684,997

9,466,825

131.2%

負 債 合 計

5,287,732

13,826,327

8,538,595

161.5%

資 本 合 計

1,930,440

2,858,670

928,230

48.1%

 

 

 

a.資産の状況

(流動資産)

 

    (単位:百万円)

 

科目名

前期末

(2013年3月31日)

A

スプリント

支配獲得日の

開始残高(注18)

(2013年7月10日)

B

その他の増減 
 

C

当期末

(2014年3月31日)

D=A+B+C

増減
 

E=B+C

現 金 及 び
現金同等物

1,439,057

447,873

76,560

1,963,490

524,433

営業債権及び
その他の債権

936,307

322,957

410,281

1,669,545

733,238

そ の 他 の
金 融 資 産

229,239

111,764

△176,276

164,727

△64,512

棚 卸 資 産

54,268

105,318

92,091

251,677

197,409

そ の 他 の
流 動 資 産

127,148

42,655

123,418

293,221

166,073

 

 

 

 

 

 

流 動 資 産
合 計

2,786,019

1,030,567

526,074

4,342,660

1,556,641

 

 

(注) 18 スプリント支配獲得日の開始残高については、当期に追加的な情報が新たに得られたため、遡及修正しています。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(3)スプリント f.支配獲得日における資産・負債の公正価値、非支配持分およびのれん」をご参照ください。

 

流動資産合計は4,342,660百万円となり、2013年3月31日(以下「前期末」)と比較して1,556,641百万円(55.9%)増加しました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。

i. 現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は1,963,490百万円となり、前期末から524,433百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化により同社の支配獲得時点で447,873百万円を計上したことによるものです。

ii. 営業債権及びその他の債権

営業債権及びその他の債権は1,669,545百万円となり、前期末から733,238百万円増加しました。これは主に、スプリントおよびブライトスターの子会社化により支配獲得時点でそれぞれ322,957百万円および190,802百万円計上したことによるものです。

iii. その他の金融資産

その他の金融資産は164,727百万円となり、前期末から64,512百万円減少しました。その他の金融資産には、デリバティブ金融資産、定期預金、有価証券などが含まれています。

・スプリントの子会社化により、同社の支配獲得時点で111,764百万円を計上しました。

・前期末はスプリント買収資金に関して170億米ドルの為替予約を締結しており、為替予約の公正価値をデリバティブ金融資産として189,357百万円計上していましたが、同社の買収完了に伴う為替取引の決済により、当該デリバティブ金融資産の認識を中止し、残高が零となりました。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 37.その他の営業外損益」をご参照ください。

 

 

(非流動資産)

 

    (単位:百万円)

 

科目名

前期末

(2013年3月31日)

A

スプリント

支配獲得日の

開始残高(注18)

(2013年7月10日)

B

その他の増減
 

C

当期末

(2014年3月31日)

D=A+B+C

増減
 

E=B+C

有形固定資産

1,830,615

1,291,364

464,348

3,586,327

1,755,712

の れ ん

924,972

275,201

332,132

1,532,305

607,333

無 形 資 産

528,683

5,301,283

347,735

6,177,701

5,649,018

 

FCCライセンス
(注19)

-

3,612,994

96,532

3,709,526

3,709,526

 

顧 客 基 盤

83,876

700,192

△106,574

677,494

593,618

 

商 標 権

3,968

652,859

18,623

675,450

671,482

 

ソフトウエア

411,285

138,330

97,771

647,386

236,101

 

ゲームタイトル

-

-

166,522

166,522

166,522

 

そ の 他

29,554

196,908

74,861

301,323

271,769

持分法で会計処理
されている投資

208,664

-

95,654

304,318

95,654

そ の 他 の
金 融 資 産

634,647

23,938

△256,892

401,693

△232,954

繰延税金資産

175,390

-

△2,658

172,732

△2,658

そ の 他 の
非流動資産

129,182

12,394

25,685

167,261

38,079

 

 

 

 

 

 

非流動資産
合 計

4,432,153

6,904,180

1,006,004

12,342,337

7,910,184

 

 

(注) 19 米国連邦通信委員会(FCC)が付与する、特定の周波数を利用するためのライセンス。

 

 

非流動資産合計は12,342,337百万円となり、前期末と比較して7,910,184百万円(178.5%)増加しました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。

i. 有形固定資産

有形固定資産は3,586,327百万円となり、前期末から1,755,712百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化により、同社の支配獲得時点で1,291,364百万円計上したことによるものです。このほか、主に移動通信事業とスプリント事業における設備投資により、有形固定資産が464,348百万円増加しました。

ii. のれん

のれんは1,532,305百万円となり、前期末から607,333百万円増加しました。

・スプリントの支配獲得時点で同社に関するのれん275,201百万円を計上しました。なお、スプリント買収に関連して締結した為替予約のうち170億米ドルについてヘッジ会計を適用しており、支配獲得日の為替予約の公正価値311,659百万円を、同社の子会社化に伴い発生したのれんの当初認識額から控除しています。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(3)スプリント f. 支配獲得日における資産・負債の公正価値、非支配持分およびのれん(注6)ベーシス・アジャストメント」をご参照ください。

・ガンホー、㈱ウィルコム、スーパーセルおよびブライトスターの子会社化に伴い、支配獲得時点でのれんをそれぞれ146,032百万円、19,143百万円、98,803百万円および59,857百万円計上しました。

iii. 無形資産

無形資産は6,177,701百万円となり、前期末から5,649,018百万円増加しました。

・FCCライセンスを3,709,526百万円計上しました(前期末は計上なし)。これは主に、スプリントの支配獲得時点で3,612,994百万円計上したほか、当期末の為替レートがスプリントの支配獲得時点よりも円安となったことによるものです。なお、FCCライセンスは会計上は非償却資産です。

・顧客基盤は677,494百万円となり、前期末から593,618百万円増加しました。これは主に、スプリントの支配獲得時点で同社の顧客基盤700,192百万円を計上したことによるものです。当期においてスプリント、イー・アクセス㈱および㈱ウィルコムなどの顧客基盤を総額155,017百万円償却しました。

・商標権は675,450百万円となり、前期末から671,482百万円増加しました。これは主に、スプリントの保有する商標権を支配獲得時点で652,859百万円計上したことによるものです。

・ソフトウエアは647,386百万円となり、前期末から236,101百万円増加しました。スプリントの支配獲得時点で138,330百万円計上したほか、主に移動通信事業とスプリント事業における設備投資に伴い97,771百万円増加しました。

・ゲームタイトルを166,522百万円計上しました(前期末は計上なし)。これは主に、2013年4月のガンホーの子会社化により77,796百万円、また同年10月31日のスーパーセルの子会社化により119,099百万円それぞれ認識し、当期において総額35,880百万円償却したことによるものです。

iv. その他の金融資産

その他の金融資産は401,693百万円となり、前期末から232,954百万円減少しました。これは主に、前期末は当社が保有するスプリントの新株予約権付社債および㈱ウィルコムの株式を投資有価証券として計上していましたが、第2四半期に両社を子会社化したことにより、投資有価証券の残高がそれぞれ零となったことによるものです。

 

 

b.負債の状況

(流動負債)

 

    (単位:百万円)

 

科目名

前期末

(2013年3月31日)

A

スプリント

支配獲得日の

開始残高(注18)

(2013年7月10日)

B

その他の増減 
 

C

当期末

(2014年3月31日)

D=A+B+C

増減
 

E=B+C

有 利 子 負 債

1,534,128

86,961

△473,190

1,147,899

△386,229

 

短期借入金

458,313

-

△187,784

270,529

△187,784

 

1年内返済予定の
長 期 借 入 金

631,232

13,380

△251,046

393,566

△237,666

 

1年内償還予定の
社  債

204,837

63,317

△128,854

139,300

△65,537

 

1年内返済予定の
リース債務

192,658

10,264

61,373

264,295

71,637

 

そ の 他

47,088

-

33,121

80,209

33,121

営業債務及び
その他の債務

972,669

632,348

100,939

1,705,956

733,287

そ の 他 の
金 融 負 債

4,833

-

1,014

5,847

1,014

未 払 法 人
所 得 税

182,050

4,553

59,410

246,013

63,963

引 当 金

1,602

106,630

△15,117

93,115

91,513

そ の 他 の
流 動 負 債

142,634

282,501

109,813

534,948

392,314

 

 

 

 

 

 

流 動 負 債
合  計

2,837,916

1,112,993

△217,131

3,733,778

895,862

 

 

流動負債合計は3,733,778百万円となり、前期末と比較して895,862百万円(31.6%)増加しました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。

i. 有利子負債

有利子負債は1,147,899百万円となり、前期末から386,229百万円減少しました。これは主に、スプリント買収に関するブリッジローンおよび既存借入金などの借り換えに伴い、当社が2013年9月に既存借入金の一部を返済したことにより、1年内返済予定の長期借入金が237,666百万円、短期借入金が187,784百万円それぞれ減少したことによるものです。

ii. 営業債務及びその他の債務

営業債務及びその他の債務は1,705,956百万円となり、前期末から733,287百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化により同社の支配獲得時点で632,348百万円計上したほか、ブライトスターの子会社化によるものです。

iii. その他の流動負債

その他の流動負債は534,948百万円となり、前期末から392,314百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化により、同社の支配獲得時点で282,501百万円計上したことによるものです。

 

 

(非流動負債)

 

    (単位:百万円)

 

科目名

前期末

(2013年3月31日)

A

スプリント

支配獲得日の

開始残高(注18)

(2013年7月10日)

B

その他の増減 
 

C

当期末

(2014年3月31日)

D=A+B+C

増減
 

E=B+C

有 利 子 負 債

2,173,725

2,668,163

3,180,266

8,022,154

5,848,429

 

長期借入金

510,856

34,854

1,698,145

2,243,855

1,732,999

 

社  債

791,919

2,590,208

1,360,946

4,743,073

3,951,154

 

リース債務

564,077

43,101

123,737

730,915

166,838

 

そ の 他

306,873

-

△2,562

304,311

△2,562

そ の 他 の
金 融 負 債

38,654

5,662

△3,165

41,151

2,497

確定給付負債

14,506

65,763

△3,228

77,041

62,535

引 当 金

21,765

143,739

△28,584

136,920

115,155

繰延税金負債

120,979

1,409,387

2,655

1,533,021

1,412,042

そ の 他 の
非流動負債

80,187

184,106

17,969

282,262

202,075

 

 

 

 

 

 

非流動負債
合  計

2,449,816

4,476,820

3,165,913

10,092,549

7,642,733

 

 

非流動負債合計は10,092,549百万円となり、前期末と比較して7,642,733百万円(312.0%)増加しました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。

i. 有利子負債

有利子負債は8,022,154百万円となり、前期末から5,848,429百万円増加しました。

・社債は4,743,073百万円となり、前期末から3,951,154百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化により同社の支配獲得時点で2,590,208百万円計上したほか、スプリントの総額90億米ドル(890,850百万円)の普通社債と、ソフトバンク㈱の無担保普通社債450,000百万円および外貨建普通社債324,382百万円の発行によるものです。この一方で、クリアワイヤが社債32.63億米ドル(328,507百万円)を期限前償還しました。

・長期借入金は2,243,855百万円となり、前期末から1,732,999百万円増加しました。これは主に、スプリント買収に関するブリッジローンおよび既存借入金などの借り換えを目的として、当社が2013年9月に1兆9,800億円を借り入れるとともに、既存借入金の一部を返済したことによるものです。

有利子負債の増減の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 19.有利子負債」をご参照ください。

ii. 繰延税金負債

繰延税金負債は1,533,021百万円となり、前期末から1,412,042百万円増加しました。これは主に、スプリントの子会社化に伴い、FCCライセンス、顧客基盤、および商標権に関する一時差異に対して認識したものです。

 

 

c.資本の状況

 

    (単位:百万円)

 

 

前期末
(2013年3月31日)

当期末
(2014年3月31日)

増減

親会社の所有者に
帰 属 す る 持 分

1,612,756

1,955,374

342,618

非 支 配 持 分

317,684

903,296

585,612

 

 

 

 

資 本 合 計

1,930,440

2,858,670

928,230

 

 

資本合計は2,858,670百万円となり、前期末と比較して928,230百万円(48.1%)増加しました。このうち親会社の所有者に帰属する持分は342,618百万円(21.2%)、非支配持分は585,612百万円(184.3%)、それぞれ増加しました。なお親会社の所有者に帰属する持分比率は、前期末から10.6ポイント減少の11.7%となりました。これは、親会社の所有者に帰属する持分は増加したものの、スプリントの子会社化などに伴い資産および負債が増加したためです。

 

(親会社の所有者に帰属する持分)

 

    (単位:百万円)

 

科目名

前期末
(2013年3月31日)

当期末
(2014年3月31日)

増減

資 本 金

238,772

238,772

-

資 本 剰 余 金

436,704

405,111

△31,593

利 益 剰 余 金

712,088

1,193,366

481,278

自 己 株 式

△22,834

△51,492

△28,658

その他の包括利益
累 計 額

248,026

169,617

△78,409

 

 売 却 可 能 金 融 資 産

50,700

14,122

△36,578

 

 キャッシュ・フロー・
 ヘッジ

114,158

△19,942

△134,100

 

 在外営業活動体の
 為 替 換 算 差 額

83,168

175,437

92,269

 

 

 

 

親会社の所有者に
帰属する持分合計

1,612,756

1,955,374

342,618

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分合計は1,955,374百万円となり、前期末から342,618百万円(21.2%)増加しました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。

i. 利益剰余金は1,193,366百万円となり、前期末から481,278百万円増加しました。これは主に、2013年3月期の期末配当金と2014年3月期の中間配当金として総額47,669百万円を計上した一方で、親会社の所有者に帰属する純利益を527,035百万円計上したことによるものです。

ii. その他の包括利益累計額は169,617百万円となり、前期末から78,409百万円減少しました。

・売却可能金融資産は14,122百万円となり、前期末から36,578百万円減少しました。これは主に、前期末において売却可能金融資産として分類した㈱ウィルコムの株式は、公正価値で測定し、取得原価との差額について税効果考慮後の金額をその他の包括利益累計額に計上していましたが、第2四半期に㈱ウィルコムを子会社化したことに伴い、同社株式に関するその他の包括利益累計額を全額取り崩し、連結損益計算書に企業結合に伴う再測定による利益として計上したことによるものです。

・キャッシュ・フロー・ヘッジは19,942百万円のマイナスとなり、前期末から134,100百万円減少しました。これは主に、スプリント買収に関連して締結した為替予約のうち、170億米ドルについてヘッジ会計を適用していましたが、170億米ドルの為替予約から生じたその他の包括利益累計額を第2四半期に取り崩し、同社の買収に伴い発生したのれんの当初認識額から控除したことによるものです。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(3)スプリント f. 支配獲得日における資産・負債の公正価値、非支配持分およびのれん(注6)ベーシス・アジャストメント」をご参照ください。

・在外営業活動体の為替換算差額は175,437百万円となり、前期末から92,269百万円増加しました。これは主に、当期末における為替レートがスプリントの支配獲得時点から円安となったことによるものです。

 

(非支配持分)

非支配持分は903,296百万円となり、前期末から585,612百万円(184.3%)増加しました。これは主にスプリント、ガンホーおよびスーパーセルの子会社化によるものです。

 

 

<キャッシュ・フローの状況>

当期におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りです。
 なお、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末から524,433百万円増加して、1,963,490百万円となりました。

 

    (単位:百万円)

 

 

2013年3月31日に
終了した1年間
(前期)

2014年3月31日に
終了した1年間
(当期)

増減

営業活動による
キャッシュ・フロー

813,025

860,245

47,220

投資活動による
キャッシュ・フロー

△874,144

△2,718,188

△1,844,044

財務活動による
キャッシュ・フロー

471,477

2,359,375

1,887,898

 

    (参考)

営業活動による
キャッシュ・フロー
 - 設備投資額(注20)

223,704

△511,155

△734,859

 

 

(注) 20 有形固定資産及び無形資産の取得による支出額

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、860,245百万円のプラスとなりました(前期は813,025百万円のプラス)。このうち、スプリントの営業活動によるキャッシュ・フロー(2013年7月11日から2014年3月31日までの期間)は24,999百万円のプラスです。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。

i. 純利益を586,149百万円計上しました。

ii. 純利益からの加算項目の主なものとして、減価償却費及び償却費899,904百万円、法人所得税346,218百万円、財務費用271,478百万円を計上しました。

iii. 純利益からの減算項目の主なものとして、企業結合に伴う再測定による利益253,886百万円、持分法による投資損益74,402百万円、その他の営業外損益44,081百万円を計上しました。持分法による投資損益は主に、Alibaba Group Holding Limitedに係る投資利益66,780百万円の計上です。企業結合に伴う再測定による利益の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 5.企業結合(2)ガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱ b. 取得対価およびその内訳」および同「(4)㈱ウィルコム b.取得対価およびその内訳」を、その他の営業外損益の詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 37.その他の営業外損益」をご参照ください。

iv. 利息の支払額は306,697百万円となりました。スプリントの支払利息が加わったほか、ソフトバンク㈱の社債および借入金の支払利息が増加し、前期と比較して234,401百万円増加しました。

v. 法人所得税の支払額は315,377百万円となりました。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,718,188百万円のマイナスとなりました(前期は874,144百万円のマイナス)。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。

i. 子会社の支配獲得による支出1,663,539百万円を計上しました。これは主に、スプリント、ガンホー、スーパーセルおよびブライトスターを子会社化したことによるものです。

ii. 有形固定資産及び無形資産の取得による支出1,371,400百万円を計上しました。このうち、スプリントの有形固定資産及び無形資産の取得による支出(2013年7月11日から2014年3月31日までの期間)は563,849百万円です。

iii. 子会社の支配獲得に係る為替予約の決済による収入310,104百万円を計上しました。これはスプリント買収に関連して締結した185億米ドルの為替予約取引を決済したことによるものです。

 

(参考:スプリント買収に関する投資総額)

  スプリント買収に関する投資総額の内訳および支払時期は次の通りです。

 

投資額

支払時期

米ドル建て

円建て(百万円)

新株予約権付社債の
取得額(注21) A

31億米ドル

249,333

2012年10月

現金出資額 B

185億米ドル

1,875,149

2013年7月

為替予約の決済による
収入額(注22) C

-

310,104

-

株式の追加取得額(注23) D

5億米ドル

49,535

2013年8月~9月

 

 

 

 

合計 E=A+B-C+D

221億米ドル

1,863,913

 

 

 

支配獲得時にスプリントが
保有していた現金及び
現金同等物の額 F

44億米ドル

447,873

 

 

 

(注) 21 2013年7月10日にスプリント株式に転換しています。

     22 スプリント買収に関連して締結した185億米ドルの為替予約取引を決済したことによる収入です。

   23 当社は2013年7月10日にスプリントを子会社化した後、2013年8月1日から9月16日の間にスプリント株式の約2%を追加取得しています。なお、この取得は支配獲得後に行ったため、当該追加取得額は財務活動によるキャッシュ・フローに計上しています。

   24 当期における「子会社の支配獲得による支出」のうち、スプリントの支配獲得による支出は1,427,276百万円です。これは185億米ドルの現金出資額(B)から支配獲得時にスプリントが保有していた現金及び現金同等物(F)を差し引いた金額((B)-(F))です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,359,375百万円のプラスとなりました(前期は471,477百万円のプラス)。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。

 

(キャッシュ・フローの増加項目)

長期有利子負債の収入4,698,294百万円を計上しました。この主な内訳は、次の通りです。

・長期借入れによる収入2,587,755百万円を計上しました。これは主に、スプリント買収に関するブリッジローンおよび既存借入金などの借り換えに伴い、当社が2013年9月に1兆9,800億円の借り入れを実行したことによるものです。

・社債の発行による収入1,665,232百万円を計上しました。これは、スプリントが普通社債総額90億米ドル(890,850百万円)、ソフトバンク㈱が無担保普通社債450,000百万円および外貨建普通社債324,382百万円を発行したことによるものです。

・新規取得設備のセール・アンド・リースバックによる収入445,307百万円を計上しました。

 

(キャッシュ・フローの減少項目)

i. 長期有利子負債の支出1,971,594百万円を計上しました。この主な内訳は、次の通りです。

・長期借入金の返済による支出1,133,313百万円を計上しました。これは主に、スプリント買収に関するブリッジローンおよび既存借入金などの借り換えに伴い、当社が2013年9月に既存借入金の一部を返済したことによるものです。

・社債の償還による支出533,538百万円を計上しました。これは主に、クリアワイヤが社債32.63億米ドル(328,507百万円)を期限前償還したほか、ソフトバンク㈱が無担保普通社債合計205,000百万円を償還したことによるものです。

ii. 短期有利子負債の収支は、201,794百万円の支出となりました。

iii. 非支配持分からの子会社持分取得による支出83,232百万円を計上しました。これは主に、2013年7月10日にスプリントを子会社化した後、2013年8月1日から2013年9月16日の期間に当社がスプリント株式の約2%を49,535百万円で追加取得したことに加え、ヤフー㈱が自己株式30,000百万円を取得したことによるものです。

 

 

(4) 従前の会計基準(日本基準)により作成した要約連結財務諸表

連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(1976年大蔵省令第28号。第7章及び第8章を除く。)に従い、日本基準により作成した要約連結財務諸表は、以下の通りです。

当要約連結財務諸表は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。

また、当要約連結財務諸表は、百万円未満を四捨五入して記載しています。

 

a.要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

2013年3月31日

 

2014年3月31日

(資産の部)

 

 

 

流動資産

2,591,197

 

4,211,106

固定資産

3,924,809

 

11,779,134

 有形固定資産

1,657,640

 

3,388,904

 無形固定資産

1,154,945

 

7,351,370

 投資その他の資産

1,112,224

 

1,038,860

繰延資産

8,880

 

14,553

資産合計

6,524,886

 

16,004,793

 

 

 

 

 

 

 

 

(負債の部)

 

 

 

流動負債

2,590,184

 

3,436,036

固定負債

1,828,243

 

9,592,439

負債合計

4,418,427

 

13,028,475

(純資産の部)

 

 

 

株主資本

1,399,243

 

1,708,216

その他の包括利益累計額

169,842

 

154,395

新株予約権

736

 

1,187

少数株主持分

536,638

 

1,112,520

純資産合計

2,106,459

 

2,976,318

負債純資産合計

6,524,886

 

16,004,793

 

 

 

 

 

 

 

b.要約連結損益計算書および要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

2013年3月31日に
終了した1年間

 

2014年3月31日に
終了した1年間

売上高

3,378,365

 

6,712,189

売上原価

1,590,740

 

3,854,819

売上総利益

1,787,625

 

2,857,370

販売費及び一般管理費

1,042,625

 

2,059,670

営業利益

745,000

 

797,700

営業外収益

19,779

 

91,036

営業外費用

111,565

 

358,426

経常利益

653,214

 

530,310

特別利益

11,383

 

309,004

特別損失

14,103

 

31,176

税金等調整前当期純利益

650,494

 

808,138

法人税等合計

287,174

 

343,606

少数株主損益調整前当期純利益

363,320

 

464,532

少数株主利益

73,916

 

66,114

当期純利益

289,404

 

398,418

 

 

 

 

 

 

要約連結包括利益計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

2013年3月31日に
終了した1年間

 

2014年3月31日に
終了した1年間

少数株主損益調整前当期純利益

363,320

 

464,532

その他の包括利益

190,914

 

△2,936

包括利益

554,234

 

461,596

 

 

 

 

(内訳)

 

 

 

親会社株主に係る包括利益

480,498

 

382,971

少数株主に係る包括利益

73,736

 

78,625

 

 

 

c.要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

2013年3月31日に終了した1年間

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

 

その他の包括
利益累計額

 

新株予約権

 

少数株主持分

 

純資産合計

当期首残高

957,948

 

△21,253

 

898

 

498,047

 

1,435,640

当期変動額

441,295

 

191,095

 

△162

 

38,591

 

670,819

当期末残高

1,399,243

 

169,842

 

736

 

536,638

 

2,106,459

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年3月31日に終了した1年間

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

 

その他の包括
利益累計額

 

新株予約権

 

少数株主持分

 

純資産合計

当期首残高

1,399,243

 

169,842

 

736

 

536,638

 

2,106,459

当期変動額

308,973

 

△15,447

 

451

 

575,882

 

869,859

当期末残高

1,708,216

 

154,395

 

1,187

 

1,112,520

 

2,976,318

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

d.要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

2013年3月31日に
終了した1年間

 

2014年3月31日に
終了した1年間

営業活動によるキャッシュ・フロー

894,460

 

930,372

投資活動によるキャッシュ・フロー

△919,770

 

△2,769,986

財務活動によるキャッシュ・フロー

365,494

 

2,399,631

現金及び現金同等物に係る換算差額

7,928

 

23,103

現金及び現金同等物の増減額(△は減少額)

348,112

 

583,120

新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

3,782

 

-

連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額

△1,823

 

△2,881

現金及び現金同等物の期首残高

1,014,559

 

1,364,630

現金及び現金同等物の期末残高

1,364,630

 

1,944,869

 

 

 

 

 

 

 

e.連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
2014年3月31日に終了した1年間
(a) 連結範囲に関する主要な事項

以下の会社を新たに連結子会社に含めています。

 

ガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱

追加取得および他の株主との議決権の行使に関する合意による

Sprint Corporation
(旧 Sprint Nextel Corporation)

新規取得による

㈱ウィルコム

更生手続きの終結決定による

Supercell Oy

新規取得による

Brightstar Corp.

新規取得による

 

 

(b) 持分法の適用に関する主要な事項

連結子会社化によりガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱を持分法の適用範囲から除外しています。

 

(c) 退職給付に関する会計基準等の適用

「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日。以下「退職給付会計基準」)および「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2012年5月17日。以下「退職給付適用指針」)を2014年3月31日に終了した1年間より適用しています(ただし、退職給付会計基準第35項本文および退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めを除く。)。

これにより、連結財務諸表に与える影響はありません。

 

 

(5) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

2013年3月31日に終了した1年間

「第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記 45.IFRS初度適用」をご参照ください。

 

2014年3月31日に終了した1年間

a. 連結の範囲

Wireless City Planning㈱(以下「WCP」)については、議決権の33.3%を所有しているため、日本基準においては持分法を適用していますが、IFRSの適用にあたり、当社はWCPの取締役会の構成員の過半数を占めていることや、WCPの事業活動は当社に大きく依存していることから、当社がWCPを支配していると判断し、連結しています。

また、イー・アクセス㈱については、議決権の33.3%を所有しているため、日本基準においては持分法適用会社としていますが、IFRSの適用にあたり、当社はイー・アクセスの経済的持分比率の99.5%を保有しており、議決権比率(33.3%)と比較して著しく大きな割合を占めています。また、議決権の分散状況により相対的な議決権保有規模が大きいこと、および当社とグループ外の他社との間で締結された株式譲渡契約により、当社がイー・アクセスの取締役の選解任を実質的に決定可能なことも踏まえ、当社がイー・アクセスを支配していると判断し、連結しています。

 

上記の影響により、IFRSでは日本基準に比べて資産合計が245,183百万円増加、負債合計が268,382百万円増加、資本合計が23,199百万円減少しています。また、売上高が159,977百万円増加、営業利益が2,088百万円減少、親会社の所有者に帰属する純利益が7,395百万円減少しています。

 

b. 収益認識

当社が携帯端末のディーラーに対して支払う手数料のうち、携帯端末の販売に関する部分について、日本基準では発生時に費用処理していますが、IFRSでは収益から控除しています。

この影響により、IFRSでは日本基準に比べて売上高が193,021百万円減少しています。

 

c. のれん(関連会社に対する投資を含む)

のれんは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しますが、IFRSでは規則的な償却はせずに毎期減損テストを行います。同様に、持分法で会計処理されている投資に関連するのれんは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しますが、IFRSでは規則的な償却はせずにのれんを含む関連会社に対する投資全体について毎期減損テストを実施しています。

この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益が108,670百万円増加し、親会社の所有者に帰属する純利益が132,731百万円増加しています。

 

d. 表示の組替

IFRSの規定に準拠するための表示の組替を行っていますが、主なものは以下の通りです。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント㈱および㈱ウィルコムの連結子会社化により生じた企業結合に伴う再測定による利益について、日本基準では特別利益に計上していますが、IFRSでは営業利益に含めています。

この影響により、IFRSでは日本基準に比べて営業利益が253,886百万円増加しています。

 

2 【生産、受注および販売の状況】

当社グループのサービスは広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない事業も多いため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

なお、販売の状況については、「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)業績  <セグメントの業績>」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。

 

 

 

3 【対処すべき課題】

a.国内の移動通信サービスのトラフィック対策

国内においては、2013年3月期、2014年3月期の2期にわたり、広範囲のエリアを効率良くカバーできる900MHz帯に対応する基地局の整備を進めた結果、当社の移動通信サービスの「つながりやすさ」(注1)は大幅に改善しました。今後は、スマートフォンのさらなる普及・性能向上に伴い増加することが予想されるトラフィック(通信量)の対策に重点的に取り組んでいきます。

具体的には、900MHz帯にLTE(注2)を導入することで周波数全体の利用効率を向上させるとともに、トラフィックが著しく多い都市部で小セル化(1基地局のカバー範囲を小さくすること)やWi-Fiスポットの通信品質の向上をさらに進めていく予定です。こうした取り組みにより、定常的なトラフィックだけではなく、瞬間的にトラフィックが急増し、輻輳(通信処理が滞る状態)を引き起こす「バーストトラフィック」への対応力も高めていく予定です。

 

(注) 1 900MHz対応のスマートフォンの通話接続率およびパケット接続率。

2 第3世代携帯電話(3G)方式を発展させた無線通信規格。3G方式に比べて通信速度が速く、周波数の利用効率が良いという特徴を備えている。

 

b.日米市場での事業基盤の強化

当社は、スプリントの買収完了に伴い、日米市場で最大規模(注3)の顧客基盤を有する移動通信事業者になりました。日米両市場にまたがる事業基盤を強化し、世界最大級の「モバイルインターネットカンパニー」としての地歩固めを急ぐ必要があります。

日本市場では、ソフトバンクモバイル㈱をはじめとするグループ会社の総力を挙げて、ネットワークの増強、営業の強化、顧客満足度の向上、コンテンツの充実等の取り組みを一層推し進めることで、事業基盤を盤石にしていきます。

一方の米国市場では、当社が日本市場で培ってきたスマートフォンおよび通信ネットワークに関する知見と、日本の競合他社には見られない大胆でスピーディーな施策を行ってきた経験を生かし、スプリントの競争力を強化し、事業基盤を確立していきます。

 

(注) 3 GSMA Intelligence(2013年12月末時点)。

 

c.純有利子負債の削減

当社の2014年3月期末における純有利子負債(注4)は、7,059,286百万円となり、前期末から4,801,479百万円増加しました。これは主にスプリント買収に係る資金調達を行ったこと、およびスプリントの子会社化に伴い同社の純有利子負債を取り込んだことによるものです。

当社は、移動通信事業を中心に堅調な国内事業で創出される潤沢なキャッシュ・フローを原資として、純有利子負債の削減に取り組んでいきます。

 

(注) 4 純有利子負債=有利子負債-手元流動性
手元流動性=現金及び現金同等物+流動資産に含まれる短期投資

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループは、国内外において多岐にわたる事業を展開しており、これら事業の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合、株式や社債をはじめとするソフトバンク㈱発行の有価証券につき、価格の下落などが生じる可能性があります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。

 

(1) 経済情勢について

当社グループが提供するサービスや商品(例えば、通信サービスやインターネット広告を含みますが、これらに限りません。)に対する需要は、主に日本および米国の経済情勢の影響を受けるため、景気の悪化のほか、日本における高齢化・人口減少といった人口統計上の変化に伴う経済構造の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替の変動について

当社グループは、2013年7月10日より、スプリント・コーポレーション(以下「スプリント」)を連結しました。ソフトバンク㈱は連結財務諸表の作成にあたり、スプリントをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用を四半期中の平均為替レートにより、また資産および負債を期末日の為替レートにより、日本円に換算しています。従って、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、海外企業への投資を行っています。為替相場が投資時から大幅に変動しているときに外貨建て資産を売却した場合、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 他社との競合について

当社グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス・商品・販売手法に関して、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入した場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 技術・ビジネスモデルへの対応について

当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を事業領域としています。今後何らかの事由により、当社グループが時代の流れに適した優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 経営陣について

当社グループの重要な経営陣、特に当社代表取締役社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。

 

(6) 通信ネットワークの増強について

当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に影響を及ぼすほか、追加的な設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 周波数について

当社グループは、移動通信サービスを提供する上で、周波数を利用しています。スマートフォンの普及に伴い移動通信ネットワークのトラフィックは増加の一途をたどっており、事業をさらに拡大させていく上では、LTE(注1)などの導入による周波数の利用効率向上だけではなく、新たな周波数を確保することが不可欠です。今後、必要な周波数を確保できなかった場合、サービスの品質の低下を招き、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内においてはオークション制度の導入などにより、米国においてはオークションでの落札額の高騰などにより新たな周波数の確保に多額の費用を要した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このほか、当社グループが移動通信サービスに利用している周波数が他の電波の干渉を受け、携帯電話基地局や携帯端末において受信障害が発生する可能性があります。影響が広範囲にわたった場合、顧客の獲得・維持や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 1 LTE:第3世代携帯電話(3G)方式を発展させた無線通信規格。
3G方式に比べて通信速度が速く、周波数の利用効率が良いという特徴を備えている。

 

(8) 当社グループの提供するオンラインゲームについて

当社グループのオンラインゲーム関連事業については、売上の大部分を特定のタイトルに依存しています。当該タイトルに対する既存顧客の興味・関心を維持できない場合、または競合他社が当該タイトルよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、当社グループのタイトルの競争力が低下した場合、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果として、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 他社経営資源への依存について

a.他社設備などの利用

当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料(米国におけるスペシャルアクセスレート(詳細は「(20)米国における規制などについて」をご参照ください。)を含みますが、これに限りません。)などが引き上げられた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.各種機器の調達

当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が低下する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.業務の委託

当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

また、ディーラーは当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該ディーラーの信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該ディーラーにおいて法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

d.Yahoo!ブランドの使用

当社グループは、日本国内において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Yahoo! BB」や「Yahoo!ケータイ」など、サービス名称の一部に米国のYahoo! Inc. が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどして「Yahoo!」ブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。

 

e.他社のコンテンツ配信サービスの利用

当社グループは、他社が運営するコンテンツ配信サービス(Apple Inc.の「App Store」、Google Inc.の「Google Play」を含みますが、これらに限りません。)を利用して、オンラインゲームをはじめとするコンテンツを顧客に提供するとともに、課金を行っています。当該サービスの運営会社が取引手数料率を引き上げた場合、または為替の変動などを理由として販売価格を改定した場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 情報の流出などについて

当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループや委託先の関係者の故意・過失、または悪意を持った第三者の攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について

当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) サービスの不適切利用について

当社グループの移動通信サービスなどが振り込め詐欺をはじめとする犯罪行為の道具として利用された場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に影響を及ぼしたりする可能性があります。

 

(13) 自然災害など予測困難な事情について

当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、コンピューターウイルスなどの攻撃により、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。

 

 

(14) 携帯端末の健康への悪影響に関する懸念について

携帯端末から発せられる電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こすとの意見があります。こうした携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

携帯端末と携帯電話基地局から発する電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があります。

 

(15) 投資活動について

当社グループは、新規事業(例えば、自然エネルギーなどによる発電事業を含みますが、これに限りません。)の立ち上げ、既存の事業の拡大などを目的として、企業買収、合弁会社・子会社の設立、事業会社・持ち株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。例えば、近時、当社グループは、スプリントやSupercell Oy、Brightstar Corp.への投資を行っています。これらの投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの投資活動に伴って取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、投資先が内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為を早期に是正できない場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼしたりする可能性があります。

当社グループは、必要と判断した場合、投資先に対し融資や債務保証などの支援を行うことがありますが、当社グループの期待通りに投資先が事業を展開できない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、スプリントについては、当社グループが投資時点においてその想定した通りに事業を展開できない、他の当社グループ会社との間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、同社に対し融資などの支援を行う可能性があります。

新規事業の立ち上げなどにおいて人材などの経営資源を十分に確保できない場合や、投資先および既存事業に対して十分な経営資源を充てることができない場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(16) 資金調達およびリースについて

当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しているほか、リースを活用して設備投資を行っています。金利が上昇した場合、またはソフトバンク㈱および当社グループ会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの金融機関からの借り入れや社債などには各種コベナンツが付されており、当該コベナンツに抵触した場合、金融機関などから繰り上げ弁済を請求される可能性があります。その結果、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、金融市場の環境によっては、資金調達やリース組成が予定通り行えず、当社グループの事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは、スプリント買収のために調達した資金の返済原資に国内事業のキャッシュ・フローを充てる予定です。当社グループが想定した通りに国内事業でキャッシュ・フローを創出できない場合、買収資金の返済原資を捻出するために一部資産の売却などを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) カントリーリスクについて

当社グループは、米国、中国、ラテンアメリカ諸国などの海外の国・地域で事業や投資を行っています。これらの国・地域で法令や各種規制の制定もしくは改正がなされた場合、または従前行われてきた行政の運用に変化・変更があった場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような法令・各種規制の制定および改正によって、当社グループが新規に行おうとする事業や投資が制限される、または期待通りに戦略を展開できない可能性があります。なお、米国固有の規制については、「(20)米国における規制などについて」および「(21)米国の国家安全保障を確保するための方策について」をご参照ください。

このほか、これらの国や地域における、政治・社会情勢、その他さまざまな環境の変化により、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。

 

(18) 法令について

当社グループは、通信事業における日本の電気通信事業法や電波法、および米国のこれらに相当する法令などの事業固有の法令はもとより、企業活動に関わる各国の各種法令(環境、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、租税、為替、輸出入に関する各種関係法令を含みますが、これらに限りません。)の規制を受けています。当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令に違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から罰金などの処分を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令の改正もしくは新たな法令の施行または法令の解釈・適用(その変更を含みます。)により、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。

 

 

(19) 日本における規制などについて

主に以下に掲げる国内の情報通信政策などの変更・決定や、これらに伴う規制の見直し・整備が、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

a.NTT(日本電信電話㈱)グループの事業運営・事業のあり方に関する規制

b.NTT東日本(東日本電信電話㈱)・NTT西日本(西日本電信電話㈱)の第一種指定電気通信設備制度(光ファイバーの設備開放ルール、次世代ネットワーク(NGN)などに関する接続ルール、接続料の算定方法)

c.ユニバーサルサービスの範囲、ユニバーサルサービス基金制度

d.第二種指定電気通信設備制度(移動通信事業者へのドミナント規制ルール、接続料の算定方法など)

e.大規模災害などの緊急時における通信確保のためのトラフィック対策などに関する規制・ルール

f.移動通信サービスの接続料の算定方法に関する規制

g.移動通信事業のビジネスモデルに関する規制・ルール(SIMロック(注2)に関する規制、仮想移動通信事業者の新規参入促進ルール、急増するトラフィックに対応するためのルールなど)

h.電波利用料制度

i.オークション制度の導入などの周波数割当制度

j.新たに割当可能な周波数帯への新規事業者の参入

k.個人情報・顧客情報に関する規制

l.消費者保護に関する規制・ルール

m.電気通信サービスの販売方法および広告表示に関する規制

n.迷惑メールに対する規制

o.インターネット上の違法・有害情報への対応および当該情報へのアクセスに関する規制

p.携帯端末の不正利用に対する規制

q. 大規模通信障害の防止および報告に対する規制

 

(注) 2 SIMロック:携帯端末などにおいて特定の通信事業者のSIMカード(電話番号などの契約者情報を記録したICカード)しか利用できないように制限すること。

 

(20) 米国における規制などについて

FCCおよび連邦・州・地元当局などの行政機関はスプリントの事業に対する監督権を有しており、スプリントの事業見通しや実績に影響を及ぼしうる規制を導入する、あるいはその他の政策を実施する可能性があります。主に以下に掲げる情報通信政策などの変更・決定や、これらに伴う規制の見直し・整備が、スプリントの、ひいては当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

a.移動通信免許など

移動通信システムの許認可、構築、運用、販売、相互接続協定などはFCCおよび州当局、地元当局などの行政機関の規制を受けます。中でもFCCは周波数帯の被許諾者に対して、当該周波数帯の使用方法やサービスの提供方法など、重要な規制を課しています。

当社グループの米国の移動通信事業会社は、FCCから10年間有効でその後の更新が見込まれる移動通信免許を交付されており、取消処分を受ける場合または免許が更新されない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、FCCなどの行政機関の定める規制に従ったことによってネットワーク性能が低下すると、顧客の獲得・維持が困難になり当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、FCCなどの行政機関の定める規制に従ったことにより追加のコストが発生すると、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.通信事業者間精算制度など

通信事業者を含む法人向けに提供される高速大容量回線サービス(スペシャルアクセスサービス)に関して通信事業者などが他の通信事業者に支払う料金(スペシャルアクセスレート)の規則に関するFCCにおける手続きの結果によっては、将来、当社グループが支払うスペシャルアクセスレートが影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、VoIPサービス(注3)の規制上の分類に関する手続きや、高コスト地域のユニバーサルサービス制度や通信事業者間精算制度の改革に関するFCCの2011年提案に対して発生し得る追加的な申立の結果によっては、当社グループが支払う通信事業者間精算料金やユニバーサルサービス基金に対する拠出の水準が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 3 VoIPサービス:音声をパケットという細切れのデジタルデータに変換し、インターネット経由で伝送する技術を利用した通話サービス。

 

c.サービス条件

サービス条件については、多くの州において連邦法とは別個の規制を課すことが検討されています。こうした規制が課されると、現在の戦略の実施が困難になり、または想定以上のコストが生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.ライフライン・アシスタンス・プログラム

ライフライン・アシスタンス・プログラムとは、米国において、通信事業会社が政府関連基金からの補助金を受け、低所得顧客向けに割引サービスを提供するプログラムをいいます。スプリントの子会社は当該プログラムを実行していますが、最近、より厳格な管理を課すために当局において当該プログラムが変更され、また、さらなる変更が議論されています。当該プログラムの変更により、当社グループの顧客の獲得・維持がより困難になる可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 米国の国家安全保障を確保するための方策について

ソフトバンク㈱、Starburst II, Inc.(現Sprint Corporation)およびSprint Nextel Corporation(現Sprint Communications Inc.)(本(21)において「両スプリント」)は、米国国防総省、米国国土安全保障省および米国司法省との間で国家安全保障契約を締結しました。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンク㈱と両スプリントは、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) 知的財産権について

当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、商業的に妥当ではないライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが保有している「ソフトバンク」ブランドおよび「スプリント」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。

 

(23) 訴訟について

当社グループは、顧客、取引先、投資先の株主、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24) 行政処分などについて

当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) スプリント事業に対する投資に関する契約

a.子会社化の概要

ソフトバンク㈱および子会社(以下本(1)において「当社」)とスプリントは、2012年10月15日付で、当社がスプリントの事業に対して投資を行うこと(以下「本取引」)を合意し、その後、両者間の協議を経て2013年6月11日に本取引の内容を一部変更することを合意しました。

ソフトバンク㈱は、2013年7月10日に子会社であるStarburst I, Inc.を通じてStarburst II, Inc.(本取引実行後、Sprint Corporationに社名変更)に対して約185億米ドルを追加出資するとともに、Starburst II, Inc.の子会社であるStarburst III, Inc.を消滅会社、Sprint Nextel Corporationを存続会社とする合併を実施しました。その後、Sprint Nextel CorporationはSprint Communications, Inc.に社名を変更しています。2012年10月22日にStarburst II, Inc.が引き受けたSprint Nextel Corporationの新株予約権付社債(以下「本社債」)31億米ドルと合わせた当社の投資総額は約216億米ドル(約1.8兆円)になり、投資総額のうち約166億米ドルはスプリントの既存株主に支払われ、50億米ドルは同社の財務体質の強化などに使用されます。

本取引では、Sprint Nextel Corporation株式の約72%は1株当たり7.65米ドルの現金と交換され、残りの株式はSprint Nextel Corporationを承継してニューヨーク証券取引所の上場会社となったスプリントの株式に1対1の割合で転換されました。また、Starburst II, Inc.が保有する本社債はスプリント株式に転換されました。

本取引の結果、ソフトバンク㈱は子会社であるStarburst I, Inc.を通じてSprint Communications, Inc.の完全親会社であるスプリントの株式の約78%(完全希薄化ベース(ただし、ストック・オプションのうち行使価格が合併対価である1株7.65米ドルを上回るものについては行使されないことを前提とする。以下同じ))を保有することになり、スプリントはソフトバンク㈱の子会社になりました。

なお、本取引の完了に先立つ2013年7月9日、スプリントは米国の高速無線通信会社であるクリアワイヤを完全子会社化しています。

また、ソフトバンク㈱は、2013年8月1日から2013年9月16日の間に、米国の100%子会社であるGalaxy Investment Holdings, Inc.を通じて、スプリント株式の約2%(取得価額:約5億米ドル)を追加取得しました。その結果、2013年9月30日におけるスプリントの発行済普通株式に占める当社の所有割合が約80%になりました。

 

 本取引完了後のストラクチャー図


 

b.子会社化の目的

(a)本取引により、当社は、世界最大級の「モバイルインターネットカンパニー」としての事業基盤を確立することができます。両社を合計した顧客基盤は日米市場で最大規模(注)になります。

(b)当社のスマートフォンおよび次世代モバイルネットワークに関する知見や既存の大手が存在する成熟した市場において競合してきた経験を、米国市場におけるスプリントの競争力強化に活用することが可能になります。

(c)スプリントは、モバイルネットワークの強化、戦略的投資の実行、バランスシートの改善などに投じ、今後の成長のための経営基盤の強化を進めていくための資金として50億米ドルを調達することができます。

 

(注)2013年6月末の一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)のデータおよび各社開示資料に基づく。

 

c.スプリントの概要

名称

Sprint Corporation

所在地

6200 Sprint Parkway, Overland Park, Kansas

代表者の役職・氏名

Chief Executive Officer and Director
Dan Hesse

事業内容

持株会社
事業子会社を通じて通信サービスを提供

資本金

39,416千米ドル(2014年3月31日現在)

備考

ソフトバンク㈱の代表取締役社長の孫 正義が取締役会長(Chairman of the Board)を、ソフトバンク㈱の取締役のロナルド・フィッシャーが取締役副会長(Vice Chairman of the Board)を務めています。また、米軍統合参謀本部の前議長であるマイク・マレン氏が安全保障を担当する取締役に任命されています。

 

 

(2) スプリント買収資金等のリファイナンス

ソフトバンク㈱は、本取引に係るブリッジローンおよび既存借入金等のリファイナンスを目的として、2013年9月13日、以下の内容の借入(以下「本パーマネントローン」)契約を締結しました。

 

借入人

ソフトバンク㈱

貸付人

㈱みずほ銀行

㈱三井住友銀行

㈱三菱東京UFJ銀行

ドイツ銀行

クレディ・アグリコル銀行

ほか合計19金融機関

借入総額および最終返済日

借入総額1兆9,800億円

(内訳)

ファシリティーA:1兆1,000億円(最終返済日:2018年9月13日)

ファシリティーB:    8,800億円(最終返済日:2020年9月14日)

借入実行日および借入額

2013年9月27日:1兆8,500億円

2013年9月30日:    1,300億円

主な資金使途

スプリント子会社化に係るブリッジローンの返済

ソフトバンク㈱の一部既存借入金の返済

イー・アクセス㈱の一部既存債務の返済

担保

なし

連帯保証人

ソフトバンクモバイル㈱、ソフトバンクテレコム㈱

財務制限条項

パーマネントローンには財務制限条項が付されています。主な内容については、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 19.有利子負債(2)財務制限条項」をご参照ください。

 

 

 

(3)  国家安全保障契約の締結

本取引に関し、ソフトバンク㈱、Starburst II, Inc.(現Sprint Corporation)およびSprint Nextel Corporation(現Sprint Communications Inc.)(以下「両スプリント」)は、米国国防総省、米国国土安全保障省および米国司法省(これらを総称して、以下「米国政府機関」)との間で国家安全保障契約(National Security Agreement)を締結しました。国家安全保障契約は 2013年5月28日に効力が発生し、(i) スプリントによるクリアワイヤの買収(以下「スプリント・クリアワイヤ買収」)後、米国政府機関が両スプリントに対して、クリアワイヤのネットワークにおいて使用されている特定の設備の除去または廃棄を要求できる権利を有すること、(ii) スプリント・クリアワイヤ買収後に、米国政府機関が両スプリントおよびクリアワイヤの特定のネットワーク設備の供給業者や管理サービスの提供者に関し、検討および承認する権利を有すること、(iii)両スプリントのネットワーク運営へのソフトバンク㈱の関与は、国家安全保障契約上に記載され、かつ米国政府機関が満足する特定の制限や制約に服することなどが規定されています。

 

 

6 【研究開発活動】

当期における研究開発費は3,507百万円です。

主に移動通信事業およびスプリント事業において研究開発活動を行いました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当期のソフトバンクグループは、スプリント、ガンホー、ウィルコム、スーパーセルおよびブライトスターを子会社化したほか、ソフトバンクモバイル㈱の業績が好調だったことなどにより、売上高は6,666,651百万円、営業利益は1,085,362百万円、親会社の所有者に帰属する純利益は527,035百万円となりました。

当期末の財政状態については、流動資産は前期末比1,556,641百万円増加の4,342,660百万円、非流動資産は前期末比7,910,184百万円増加の12,342,337百万円、流動負債は前期末比895,862百万円増加の3,733,778百万円、非流動負債は前期末比7,642,733百万円増加の10,092,549百万円、資本は前期末比928,230百万円増加の2,858,670百万円となりました。

当期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが860,245百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが2,718,188百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが2,359,375百万円のプラスとなりました。現金及び現金同等物の期末残高は、前期末から524,433百万円増加して、1,963,490百万円となりました。

詳細は、「1 業績等の概要」をご参照ください。