当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の日本経済は、個人消費には足踏みがみられるものの、各種政策の効果などにより、企業収益や雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、中国をはじめとする新興国の経済、英国のEU離脱、米国の経済・金融政策の動向などによる不確実性や、金融市場の変動の影響など、留意が必要な状況が続きました。
このような状況の中で、「安全・安心・快適・便利」に対する社会的ニーズはますます多様化・高度化しており、当社グループは、“いつでも、どこでも、誰もが安全・安心に暮らせる社会”を実現する「社会システム産業」の構築を目指し、セキュリティサービス事業をはじめ、防災事業、メディカルサービス事業、保険事業、地理情報サービス事業、情報通信事業および不動産・その他の事業で、お客様のニーズに合致した、質の高いサービス・商品を提供することに努めました。また、更なる成長に向けて、各事業のサービスがそれぞれ自立しつつも、相互の連携を更に深め、より一層の相乗効果を生み出すことを目的に、“ALL SECOM”(セコムグループ総力の結集)を継続的に推進しました。さらに、今後の日本の社会を見据えて、「セキュリティ」をベースに「超高齢社会」、「災害・BCP(事業継続計画)・環境」といったキーワードを切り口として、“ALL SECOM”により新たなサービスを創出する取り組みを推進しました。
平成28年9月には、G7伊勢志摩サミットの警備でその有効性が実証された高精度な3D立体画像を警備計画に利用する「セコム3Dセキュリティプランニング」の本格販売を開始しました。また、平成28年12月には、当社グループの「安全・安心」に関わる幅広いサービスメニューの強みを生かし、リストバンド型ウェアラブル端末を用いた健康管理・救急対応サービス「セコム・マイドクターウォッチ」を平成29年夏から提供開始することを発表しました。
この結果、当連結会計年度における連結売上高は9,280億円(前期比5.3%増加)となり、営業利益は1,310億円(前期比1.9%増加)となりました。経常利益は営業外収益として米国などにおける投資事業組合運用益144億円(前連結会計年度は11億円)を計上したことなどにより、1,470億円(前期比9.1%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は841億円(前期比9.3%増加)となりました。なお、売上高、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を達成することができました。
事業別にみますと、セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、常駐警備や現金護送のサービスを提供するとともに、安全商品を販売しております。当連結会計年度も、お客様のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提供することにより、お客様の満足度向上とリレーション強化につなげ、長期にわたりお客様に「安全・安心・快適・便利」を提供することに努めました。
事業所向けでは、当連結会計年度も高度な画像認識技術を搭載した「セコムAX」、出入管理機能によって労務管理などを効率化しお客様のコスト削減を可能にする「セコムLX」、設備制御機能を持つ「セコムFX」など、付加価値の高いオンライン・セキュリティシステムの拡販に努めました。また当連結会計年度は、大規模イベント向けのサービスやシステムを拡充し、「安全・安心」なイベント開催・運営を支援しました。警備計画立案においては、「セコム3Dセキュリティプランニング」を活用して、最適な警備計画の立案をサポートし、また、警備実施においては、セコムの常駐警備員とイベント会場を上空から見守る「セコム気球」と地上の「仮設監視カメラ」、「ウェアラブルカメラ」、「セコム・ドローン検知システム」など、最新のセキュリティシステムが連携する「立体セキュリティ」により、「安全・安心」なイベント運営に貢献しました。
家庭向けでは、ご家庭の「安全・安心・快適・便利」なサービスへの高いニーズが続いており、当連結会計年度もホームセキュリティに生活に身近なサービスを提供する機能を付加した「セコム・ホームセキュリティ G-カスタム」の拡販に努めました。また、スマートフォンアプリで「セコム・ホームセキュリティ」の操作が行えるセコム公式アプリ「セコム・ホームセキュリティアプリ」の配信を開始しました。加えて、大手総合通信会社より平成29年1月に発売された新しいジュニア向けスマートフォンに、GPSと携帯電話基地局を使った位置検索と、セコムの緊急対処員による現場急行サービスを組み合わせた「ココセコム」サービスの提供を開始しました。
海外では、経済発展が続く東南アジアや中国を中心に、緊急対処サービスを特徴とする「セコム方式」のセキュリティサービスの拡販に努めました。また、海外進出する日本企業への提案活動の強化を図りました。その他、英国におけるサービス体制の拡充を図るために、英国子会社のセコムPLCが、北アイルランドに拠点を有するスキャンアラーム Ltd.の株式100%を取得しました。
当連結会計年度は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)や、出入管理システムなどの安全商品の販売が好調だったことおよび平成27年12月より連結子会社となった株式会社アサヒセキュリティの寄与もあり、売上高は5,342億円(前期比8.4%増加)となり、営業利益は1,135億円(前期比1.3%増加)となりました。
防災事業では、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅といったさまざまな施設に対し、お客様のご要望に応えた高品質な自動火災報知設備や消火設備等の各種防災システムを提供しております。当連結会計年度も、国内防災業界大手2社である能美防災株式会社およびニッタン株式会社が、それぞれの営業基盤や商品開発力などを活かした防災システムの受注に努めました。
当連結会計年度は積極的な営業活動に努めましたが、前連結会計年度に大型案件の計上があったため、売上高は1,262億円(前期比4.2%減少)となり、営業利益は131億円(前期比5.2%減少)となりました。
メディカルサービス事業では、訪問看護サービスや薬剤提供サービス等の在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテの提供、医療機器・医薬品等の販売、介護サービス、医療機関向け不動産賃貸等さまざまなメディカルサービスを提供しております。
当連結会計年度は医薬品などの販売が好調に推移したことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt.Ltd.が新たに連結子会社となったことなどにより、売上高は668億円(前期比4.4%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇などにより、46億円(前期比10.0%減少)となりました。
保険事業では、当連結会計年度もセキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した事業所向けの「火災保険セキュリティ割引」や家庭総合保険「セコム安心マイホーム保険」、ガン治療費の実額を補償する「自由診療保険メディコム」、セコムの緊急対処員が要請に応じて事故現場に急行するサービスを付帯した自動車総合保険「セコム安心マイカー保険」等、当社グループならではの保険の販売を推進しました。
当連結会計年度はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が順調に推移したことなどにより、売上高は419億円(前期比4.4%増加)となり、営業利益は21億円(前期比16.0%増加)となりました。
地理情報サービス事業では、航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、さらには新興国や発展途上国を含めた諸外国政府機関に提供しております。当連結会計年度も国内外の社会インフラ整備や維持管理、リスク・災害対策など、多様化・高度化したニーズに空間情報技術で応えることに注力しました。
当連結会計年度は海外部門の減収により、売上高は516億円(前期比1.8%減少)となりましたが、営業利益は原価率が改善したこと、販売費及び一般管理費の減少などにより、12億円(前期比47.4%増加)となりました。
情報通信事業では、データセンターを中核に、セコムならではのBCP(事業継続計画)支援や情報セキュリティ、クラウドサービスを提供しております。当連結会計年度は、複雑・巧妙化するサイバー攻撃への抜本的な安全対策として、1台のPCで「業務環境」と「インターネット環境」を分離する「セコム・プレミアムネット・リモートブラウザ」を販売開始しました。
当連結会計年度は前連結会計年度より販売開始した「セコムあんしんマイナンバーサービス」の寄与などにより、売上高は498億円(前期比2.8%増加)となり、営業利益はデータセンターの運営費用の減少などにより、69億円(前期比34.0%増加)となりました。
不動産・その他の事業には、防犯・防災対策を充実させたマンションの開発・販売、不動産賃貸および建築設備工事などが含まれます。
当連結会計年度は不動産開発・販売事業が増収となったことなどにより、売上高は573億円(前期比12.0%増加)となり、営業利益は52億円(前期比5.5%増加)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の状況は、以下のとおりであります。
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|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
136,734 |
171,121 |
34,386 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△129,247 |
△ 42,964 |
86,282 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△ 26,849 |
△ 55,942 |
△ 29,092 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△ 805 |
△ 979 |
△ 174 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
△ 20,168 |
71,234 |
91,402 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
241,716 |
221,760 |
△ 19,956 |
|
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 |
212 |
― |
△ 212 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
221,760 |
292,994 |
71,234 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,711億円の資金の増加(前連結会計年度は1,367億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益1,418億円、減価償却費556億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額400億円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で429億円の資金の減少(前連結会計年度は1,292億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出460億円、投資有価証券の取得による支出317億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入432億円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で559億円の資金の減少(前連結会計年度は268億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、配当金の支払額305億円、短期借入金の減少額127億円、長期借入金の返済による支出65億円であります。また、主な資金の増加要因は、長期借入れによる収入31億円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ712億円増加して2,929億円となりました。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
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セキュリティサービス事業 |
7,483 |
13.7 |
2,611 |
△ 10.2 |
|
防災事業 |
131,117 |
2.8 |
62,084 |
8.5 |
|
地理情報サービス事業 |
51,815 |
△ 0.3 |
20,136 |
0.1 |
|
情報通信事業 |
6,421 |
5.6 |
1,006 |
57.7 |
|
不動産・その他の事業 |
9,804 |
1.5 |
3,112 |
△ 29.2 |
|
合計 |
206,642 |
2.3 |
88,950 |
4.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前期比(%) |
|
セキュリティサービス事業 |
534,295 |
8.4 |
|
防災事業 |
126,231 |
△ 4.2 |
|
メディカルサービス事業 |
66,839 |
4.4 |
|
保険事業 |
41,965 |
4.4 |
|
地理情報サービス事業 |
51,609 |
△ 1.8 |
|
情報通信事業 |
49,834 |
2.8 |
|
不動産・その他の事業 |
57,323 |
12.0 |
|
合計 |
928,098 |
5.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社業を通じて社会に貢献することを企業理念とし、セキュリティサービスをはじめとするさまざまなサービスを複合的・融合的に提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、さまざまな経営環境に対応すべく、指標経営にとらわれない柔軟な経営判断を行うことにしております。「社会システム産業」の構築を目指し、リスクを把握しつつ、柔軟かつ迅速な事業展開を図ります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
社会システム産業の構築に邁進する中で、外部環境が大きく変化し、不確実性の増す今日において、当社は、2030年を一つのターゲットとして、「セコムグループ2030年ビジョン」を策定し、その中で「あんしんプラットフォーム」構想の実現を目指しております。
これまでセコムが培ってきた社会とのつながりをベースに、セコムと想いを共にするパートナーが参加して、様々な技術や知識を持ち寄り(“共想”戦略)、セコムとともに暮らしや社会に安心を提供する社会インフラが「あんしんプラットフォーム」です。セコムはこの「あんしんプラットフォーム」を通して、きめ細やかな切れ目のない安心を提供していきます。そのために、“ALL SECOM”(セコムグループ総力の結集)を継続的に推進し、当社グループが展開するさまざまな事業間の連携をこれまで以上に進め、社員一人ひとりが、当社グループの総合力を最大限活用できる環境整備に努めております。加えて、最新情報技術を活用したビッグデータ分析によりお客様の潜在ニーズに応えるとともに、日常のお困りごとに対しても、更なる付加価値として快適・便利なサービスを提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会の構築を目指してまいります。
また、海外でも高まる安心ニーズに対して、課題先進国日本で培ったノウハウを活かし、地域ごとに応じたサービスを展開していきます。
社会が変わりゆく中で、それらを捉えて、あるいは先んじて、変わらぬ安心を提供し続けます。そのためにセコムはこれからも変わり続けていきます。セコムは、「あんしんプラットフォーム」構想の実現により、社会とのつながりを強め、さまざまな社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
また、以上のような経営戦略のもと、実効性のあるコーポレートガバナンスの実現など、様々なESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)課題にも適切に対処してまいります。
当社グループ(当社および連結子会社)の事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断に影響を与えると考えられる事項については、積極的な情報開示という観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の早期対応に努める所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが予測したものであります。
①信用リスク
当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生するさまざまな信用リスクにさらされています。当社グループは、その状況を定期的に見直し、必要な引当金等の検討ならびに計上を行っておりますが、今後、取引先の財政状態が悪化した場合は、貸倒引当金の積み増しをせざるを得なくなり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、警備契約やリース契約などにおいて、当社グループとの契約期間中に契約先が不測の事態に陥った場合、当社の初期投資等が損失になる可能性があります。しかしながら、特定の大口契約を有していないため、リスクは分散されております。
②投資リスク
当社グループは、株式等、価格変動リスクを有するさまざまな有価証券を有しております。従いまして、保有する有価証券の価値が下落した場合、評価損が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう審査の上、総合的な経営判断のもと、投資を決定しております。
③不動産価値変動のリスク
当社グループは、不動産開発・販売および不動産賃貸事業等において、さまざまな不動産を有しております。不動産の価値は、マクロ経済などさまざまな要因により変動するリスクを有しており、当該価値の変動により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、そのさまざまな要因やその資産の活用状況、タイミングなどを総合的に勘案し、取得・保有・売却などの意思決定を行っております。
④金利変動のリスク
当社グループは、資金を金融機関からの借入および社債の発行などにより調達しており、金利変動リスクにさらされています。従いまして、金利変動により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金利負担を最小に抑えつつ、将来の金利変動に伴うキャッシュ・フローの変動を管理するために、借入の一部について金利スワップ契約を利用しています。変動金利支払分を受け取り、固定金利を支払う受取変動・支払固定の金利スワップ契約により、キャッシュ・フローを固定しております。
⑤年金債務
当社グループの年金資産の時価が下落し、年金資産の運用利回りが期待運用収益率を下回った場合や、予定給付債務を計算する基礎となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、数理計算上の差異が発生することから、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
厚生年金基金の代行部分を国に返上したことや、退職給付制度を確定拠出型年金制度およびキャッシュバランス制度(在籍期間中の年収に応じて毎年累積した額に10年国債応募者利回り3年平均の利息を付与する制度)に移行したことにより、将来の数理計算上の差異発生リスクを低減しております。
⑥メディカルサービス事業におけるリスク
当社グループは、メディカルサービス事業において、在宅医療サービス、シニアレジデンスの運営、医療機器・器材の販売および医療機関向け不動産の賃貸を実施しております。また、当事業に関連し、医療機関に対し貸付および債務保証等を実施しております。診療報酬の引き下げなど医療制度の改定等による激しい事業環境変化が発生した場合には、当社グループのメディカルサービス事業および取引先である医療機関の業績が悪化し、その結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの事業運営においては、事業環境変化への柔軟かつ迅速な対応、医療機関の経営状況の継続的な監視および経営改善支援等を行うことにより、適正なリスクコントロールに努めております。
⑦保険事業における流動性リスクおよび自然災害・大規模災害リスク
当社グループは、保険事業において積立保険を含む損害保険を販売しております。積立保険の契約期間は主に5年であり、満期および解約時に返戻金を支払う必要があります。市場の混乱等により資金回収が遅延した場合や、予期せぬ多額の保険金支払および大量解約等により資金流出が発生した場合には、流動性が損なわれ、予定外の運用資金の回収を行う必要があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
資金運用にあたっては、さまざまなリスクを考慮し、償還期限に合わせた運用を行っており、流動性の確保に努めております。
また、地震・風水害などの自然災害、火災その他の大事故により、保険事業における業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは保険引受にあたっては、「契約引受規定」に基づき引受を行い、継続的な損害率の検証を行うなど、適正なリスクコントロールに努めており、また巨大災害・集積リスクについては再保険カバーにより対応しております。
⑧競争激化のリスク
当社グループの各事業分野への新規参入企業の増加により、価格の低下、あるいはマーケットシェアが低減する可能性があります。また、既存企業による低価格戦略の採用、顧客からの値下げ圧力等により当社グループの提供するサービス・商品が価格競争に巻き込まれる可能性があります。競争の激化に伴い、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
ただし、当社グループの主要事業であるセキュリティサービス事業への新規参入は、設備投資等の初期投下資本額が膨大な額となることやノウハウの取得が困難であることなどから、容易ではないものと考えております。また、価格競争による収益性の低下に対しては、よりきめ細かいサービスの提供により価格下落を防ぐとともに、充分なコスト管理により収益の確保に努めます。
⑨法規制の変更
「安全・安心」というサービスを主に提供している当社グループの事業は、その性質上、厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されています。このような法令や規制に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、大きな負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
法規制の変更に基づくリスクを回避するため、当社グループでは関係当局の今後の動向を注視し、適時適切に対応する所存であります。
⑩災害・大事故等の発生
大規模な地震や風水害などの自然災害(気候変動の進行が原因となるものを含む)、火災や大規模停電、インフラ損壊などの大事故、伝染病等の社員への集団感染などの事態が発生した場合、当社グループのサービス提供や事業遂行などに支障をきたす可能性があります。また、オンライン・セキュリティシステムの契約先に設置されている当社グループ資産の警報機器等が災害等により損傷し、修理・交換等の対応を余儀なくされる可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これら災害等の発生時に備え、当社グループのノウハウを盛り込んだマニュアルの整備、対策品の備蓄、機動的な対応体制、訓練の実施などの対応策を講じております。
⑪顧客情報の管理
当社グループは、セキュリティサービス契約に関するものをはじめとし、膨大な顧客情報を取り扱っており、このような情報の機密保持が極めて重要な課題となっております。万一、顧客情報が外部に漏洩した場合には、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、セキュリティサービスを中心に「安全・安心」を提供する企業体として、厳格な顧客情報管理体制を構築しています。外部からのネットワーク不正侵入への対策はもとより、内部からの情報漏洩防止のため、「情報セキュリティ方針」に基づいた厳格なシステム操作権限の設定、徹底した社員教育、情報漏洩を防止するシステムの導入等を行うとともに、「個人情報取扱規程」をはじめ「個人情報に関する問い合わせ対応マニュアル」等を整備し、情報流出の防止に努めております。
⑫人材の確保
当社グループは、セキュリティサービス事業をはじめ、さまざまな事業を展開しており、その持続的成長を担う人材を確保する必要がありますが、少子化の進行等に伴い、人材確保における競争は高まっています。当社グループが展開している各事業に必要な人材を確保できない場合、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕事を通じた自己実現で得られる社員満足度の向上を重視する経営方針の下、グループ横断的な採用活動や人事異動を実施するとともに、社員の職種や成長段階に応じた独自の研修・教育体系を整備し人材育成を行うなど、必要な人材の確保・維持に努めております。さらに、先端技術を活用した業務の効率化や生産性の向上に努めております。
⑬技術環境の変化
当社グループは、社会変化や犯罪動向、技術の進展などを見据え、社会のニーズに合致したサービスやシステムを迅速かつ的確に創出することが重要であると考えています。当社グループが展開している事業分野において、新しい技術の急速な発展や技術環境の大きな変化により、急激で大規模な開発・投資が必要となった場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、研究部門(IS研究所)や開発部門(開発センター)などの研究開発体制を有しています。IS研究所では、未来を見据えた最先端の技術動向を捉え、「社会システム産業」の構築に必要な基盤技術の研究に取り組んでいます。開発センターでは、その基盤技術を生かしてお客様の声を反映させた独創的で信頼性の高いシステム開発を行っています。さらに、当社グループの技術のみならず、他社との連携を進めることで、最先端技術等を広く積極的に活用して、お客様にとって最適なサービスやシステムの創出に努めております。
⑭国際的な事業活動におけるリスク
当社グループは、グローバルな事業展開を重要な戦略のひとつとして、20以上の国と地域に進出しています。海外では、政治、経済および社会情勢の動向、現地における労使関係、商慣習および文化等の相違、外資規制をはじめとする法規制の変更、電気や通信などのインフラの整備状況、テロや紛争の発生など、国内とは異なるさまざまなリスクがあります。このようなリスクに直面した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外進出時には進出先において起こり得る各種リスクの十分な検討を行い、進出後はそれらリスクの動向をいち早く察知し迅速に対応できるよう、現地での不断の情報収集に努めております。
なお、セコムの連結財務諸表は、日本円での表示となっているため、主に米ドル、英国ポンド、人民元、豪ドル、タイバーツ、韓国ウォンおよび台湾ドルといった通貨の円換算時の為替レートの変動による影響を受けます。
(1) セコムSCセンターの賃貸借契約
当社は平成8年4月23日に研究・情報の拠点として、日鉄鉱業株式会社と三鷹日新ビル(呼称:セコムSCセンター)および敷地等の賃貸借契約を締結いたしました。また、平成22年より賃貸借契約を締結した三鷹日新ビルアネックス(呼称:セキュアデータセンター)を含めて表示しております。
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( |
賃貸借契約に関する内容) |
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①
|
賃貸借期間
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平成8年5月1日より30年間 |
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② |
敷地面積 |
15,040㎡ |
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③ |
建築延床面積 |
29,874㎡ |
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④ |
月額賃料 |
79百万円 |
(2) セコム本社ビルの賃貸借契約
当社は平成12年12月8日に、有限会社原宿ビルの不動産信託受託者である住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)と、セコム本社ビルおよびその敷地等の賃貸借契約を締結いたしました。
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( |
賃貸借契約に関する内容) |
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① |
賃貸借期間 |
平成12年12月8日より20年間 |
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② |
敷地面積 |
2,031㎡ |
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③ |
建築延床面積 |
20,542㎡ |
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④ |
月額賃料 |
109百万円 |
当社グループ(当社および連結子会社)は、安全を核とする社会システム産業を確立させるために、提出会社において研究部門と開発部門を組織し、必要な技術の研究、開発に積極的に取り組んでおります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額6,516百万円であり、以下に記載している防災事業に係る研究開発費1,951百万円、地理情報サービス事業に係る研究開発費911百万円を除き、その大部分は提出会社におけるセキュリティサービス事業に係る研究開発費用および各事業部門に配分できない基礎研究費用であります。
研究部門(IS研究所)では、当社の成長の原動力となるべく、未来を見据えた研究活動を行っております。
平成29年2月に開催された「東京マラソン2017」では、これまでIS研究所で培ってきた高度な画像認識技術を適用し、安全な大会運営に貢献しました。
また、未来の社会に必要となるサービスを創造するための最適アプローチとして、当社の技術と世の中の技術の融合を加速させるためのオープンイノベーションを推進しています。人工知能、IoTなどこれからの技術動向を捉え、最先端の技術開発に取り組んでいるIS研究所はその中心的な役割を果たしております。研究所がこれまでに築き上げた外部組織との幅広い繋がりをもとに、産学官連携を強力に推し進めております。
今後、将来に向けて、当社が目指す、安全・安心で快適・便利な社会の実現に向け、最先端の技術の力でサービス提供にかかる貴重な「人の力」を大きく増幅させる研究開発により、「セキュリティ」「超高齢社会」「災害・BCP(事業継続計画)・環境」分野でのサービスイノベーションを推進していきます。
① 画像監視の高度化に対応するための空間認識技術、対象物検知技術、人物追跡技術、行動認識技術、バイオメトリクス(生体認証)応用技術、それらの核となる画像先端技術の研究等
② 光、スペクトル情報、電磁波、可聴音、超音波など多様な領域のセンシング技術および各種センサーの融合活用技術の研究等
③ インターネット上の安全を確保するための新たな暗号・認証技術、サイバーセキュリティ技術の研究等
④ ビッグデータを活用した高度なサービス実現のための高速かつ高信頼のネットワーク基盤技術ならびに分散処理技術の研究等
⑤ 地理情報システムGISや3次元建物情報モデルBIM(Building Information Modeling)などを統合した空間情報およびその応用技術の研究等
⑥ サービス品質・効率向上のためのオペレーション解析・最適化技術・シミュレーション技術に関する研究等
⑦ 将来の超高齢社会を見据えた遠隔医療、医療の質向上・経営効率化の為の病院内のデータ分析技術の研究等
⑧ 将来の社会システムへの影響の大きい環境エネルギーなどの社会的課題や新たな犯罪・事故の芽を察知するための研究等
⑨ 犯罪・事故、重要な社会現象に関するリスクマネジメント的観点からの研究等
⑩ 画像処理技術、センシング技術、通信技術、空間情報に係る研究成果を融合した小型飛行監視ロボットの研究等
開発部門(開発センター)では、社会システム産業の基幹となる技術やシステムの開発を行っております。例えば、ご契約先での異常発生を感知するセンサーの開発、家庭向けから大規模施設向けにいたる幅広い用途に応じたセキュリティシステム、出入管理システム、消火システム、そして医療・健康関連システムにいたるまで、社会のニーズに適合した商品を開発しております。
社会のニーズを先取りし、独創性と高い信頼性を誇るシステムを開発するという開発センターの方針から生まれたシステム・機器には、画像処理技術を活かした防犯用のセンサー、携帯電話のインフラとGPS技術を活かしたシステム、様々な方式の非接触カードに対応したICカードリーダーおよびIT技術を駆使したコントロールセンターとの通信機器などがあります。
また、防災事業では、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築および機器の開発を行っております。地理情報サービス事業では、パスコ総合研究所が中心となって基礎技術や応用技術の研究開発を行い、プロジェクトチームを編成して、新製品の開発および既存商品の機能強化等を行っております。
提出会社における研究開発分野および研究開発体制は、下図のとおりであります。

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概況
当社グループは、セキュリティサービスを中心に防災、メディカルサービス、保険、地理情報サービス、情報通信、不動産開発・販売、不動産賃貸などの事業活動全般にわたってサービスの拡充、営業の拡大、システムの構築、商品の開発に努めるなど、積極的な事業展開を図ってまいりました。
当連結会計年度の売上高は9,280億円(前期比5.3%増加)となり、営業利益は1,310億円(前期比1.9%増加)となりました。経常利益は営業外収益として米国などにおける投資事業組合運用益144億円(前連結会計年度は11億円)を計上したことなどにより、1,470億円(前期比9.1%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は841億円(前期比9.3%増加)となりました。
②売上高
セキュリティサービス事業、メディカルサービス事業、保険事業、情報通信事業および不動産・その他の事業の増収により、売上高は前期比5.3%増加の9,280億円となりました。各事業セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティサービス事業が57.6%、防災事業が13.6%、メディカルサービス事業が7.2%、保険事業が4.5%、地理情報サービス事業が5.5%、情報通信事業が5.4%、不動産・その他の事業が6.2%となりました。
③売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前期比5.9%増加の6,214億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の66.6%から67.0%に上昇しました。
販売費及び一般管理費は、前期比5.9%増加の1,756億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の18.8%から18.9%になりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,310億円(前期比1.9%増加)となりました。
④経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度は、米国などにおける投資事業組合運用益の増加などにより、営業外収益が前期比109億円(96.6%)増加したことにより、経常利益は1,470億円(前期比9.1%増加)となりました。
なお、前連結会計年度の特別損失に固定資産の減損損失115億円を計上したことなどにより、税金等調整前当期純利益は1,418億円(前期比16.8%増加)となりました。
法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計は前期比70億円(18.3%)増加の456億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は前連結会計年度の31.8%から32.2%に上昇しました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比62億円(108.6%)増加の119億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は841億円(前期比9.3%増加)となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度の8.7%から9.1%に上昇しました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の352.97円から385.64円となりました。
⑤セグメント別経営成績
セキュリティサービス事業は、お客様のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提供することにより、お客様の満足度向上とリレーション強化につなげ、長期にわたりお客様に「安全・安心・快適・便利」を提供することに努めました。
事業所向けでは、当連結会計年度も高度な画像認識技術を搭載した「セコムAX」、出入管理機能によって労務管理などを効率化しお客様のコスト削減を可能にする「セコムLX」、設備制御機能を持つ「セコムFX」など、付加価値の高いオンライン・セキュリティシステムの拡販に努めました。また当連結会計年度は、大規模イベント向けのサービスやシステムを拡充し、「安全・安心」なイベント開催・運営を支援しました。警備計画立案においては、「セコム3Dセキュリティプランニング」を活用して、最適な警備計画の立案をサポートし、また、警備実施においては、セコムの常駐警備員とイベント会場を上空から見守る「セコム気球」と地上の「仮設監視カメラ」、「ウェアラブルカメラ」、「セコム・ドローン検知システム」など、最新のセキュリティシステムが連携する「立体セキュリティ」により、「安全・安心」なイベント運営に貢献しました。
家庭向けでは、ご家庭の「安全・安心・快適・便利」なサービスへの高いニーズが続いており、当連結会計年度もホームセキュリティに生活に身近なサービスを提供する機能を付加した「セコム・ホームセキュリティ G-カスタム」の拡販に努めました。また、スマートフォンアプリで「セコム・ホームセキュリティ」の操作が行えるセコム公式アプリ「セコム・ホームセキュリティアプリ」の配信を開始しました。加えて、大手総合通信会社より平成29年1月に発売された新しいジュニア向けスマートフォンに、GPSと携帯電話基地局を使った位置検索と、セコムの緊急対処員による現場急行サービスを組み合わせた「ココセコム」サービスの提供を開始しました。
海外では、経済発展が続く東南アジアや中国を中心に、緊急対処サービスを特徴とする「セコム方式」のセキュリティサービスの拡販に努めました。また、海外進出する日本企業への提案活動の強化を図りました。その他、英国におけるサービス体制の拡充を図るために、英国子会社のセコムPLCが、北アイルランドに拠点を有するスキャンアラーム Ltd.の株式100%を取得しました。
当連結会計年度は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)や、出入管理システムなどの安全商品の販売が好調だったことおよび平成27年12月より連結子会社となった株式会社アサヒセキュリティの寄与もあり、売上高は5,460億円(前期比8.2%増加)となり、営業利益は1,135億円(前期比1.3%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の22.2%から20.8%に低下しました。
防災事業は、積極的な営業活動に努めましたが、前連結会計年度に大型案件の計上があったため、売上高は1,296億円(前期比4.3%減少)となり、営業利益は131億円(前期比5.2%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の10.3%から10.2%になりました。
メディカルサービス事業は、医薬品などの販売が好調に推移したことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt.Ltd.が新たに連結子会社となったことなどにより、売上高は670億円(前期比4.4%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇などにより、46億円(前期比10.0%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の8.1%から7.0%に低下しました。
保険事業は、セコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が順調に推移したことなどにより、売上高は450億円(前期比4.5%増加)となり、営業利益は21億円(前期比16.0%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の4.3%から4.8%に上昇しました。
地理情報サービス事業は、海外部門の減収により、売上高は518億円(前期比1.7%減少)となりましたが、営業利益は原価率が改善したこと、販売費及び一般管理費の減少などにより、12億円(前期比47.4%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の1.6%から2.4%に上昇しました。
情報通信事業は、前連結会計年度より販売開始した「セコムあんしんマイナンバーサービス」の寄与などにより、売上高は568億円(前期比1.6%増加)となり、営業利益はデータセンターの運営費用の減少などにより、69億円(前期比34.0%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の9.3%から12.3%に上昇しました。
不動産・その他の事業は、不動産開発・販売事業が増収となったことなどにより、売上高は592億円(前期比10.4%増加)となり、営業利益は52億円(前期比5.5%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の9.3%から8.9%に低下しました。
なお、以上のセグメント売上高および営業損益はセグメント間取引を含む数値であり、第2[事業の状況]1[業績等の概要]に記載した売上高(セグメント間取引を含まない外部顧客に対する売上高)とは一致しません。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の総資産は、前期末比821億円(5.2%)増加の1兆6,501億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が739億円(32.3%)増加の3,023億円、リース債権及びリース投資資産が44億円(11.2%)増加の439億円、有価証券が50億円(14.7%)減少の293億円となり、流動資産合計は前期末比720億円(10.4%)増加の7,618億円となりました。
固定資産は、投資有価証券が165億円(6.3%)増加の2,809億円、無形固定資産が73億円(6.2%)減少の1,121億円となり、固定資産合計は前期末比100億円(1.1%)増加の8,883億円となりました。
②負債
当連結会計年度末の負債は、前期末比120億円(1.9%)増加の6,369億円となりました。
流動負債は現金護送業務用預り金が65億円(6.5%)増加の1,078億円、未払法人税等が52億円(23.4%)増加の275億円、設備未払金等のその他流動負債が48億円(23.4%)増加の255億円、短期借入金が103億円(18.7%)減少の449億円となり、流動負債合計は前期末比63億円(1.8%)増加の3,539億円となりました。
固定負債は、繰延税金負債が79億円(56.4%)増加の219億円、保険契約準備金が65億円(4.1%)増加の1,661億円、長期借入金が59億円(29.5%)減少の141億円、社債が12億円(15.1%)減少の70億円、長期預り保証金が10億円(3.1%)減少の339億円となり、固定負債合計は前期末比57億円(2.1%)増加の2,829億円となりました。
③純資産
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が541億円(7.3%)の増加、退職給付に係る調整累計額が52億円(664.9%)の増加、非支配株主持分が113億円(10.4%)の増加となり、純資産合計は前期末比701億円(7.4%)増加の1兆132億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の53.1%から54.1%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,817.82円から4,086.87円となりました。
(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当社グループは、柔軟な事業活動を行い、強固な財務基盤を保つために、高い流動性を維持することを基本方針としております。また、営業活動から得た資金で積極的に事業投資活動を行っております。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が400億円となりましたが、税金等調整前当期純利益が1,418億円、減価償却費が556億円となったことなどにより、全体では1,711億円の資金の増加となりました。
前連結会計年度との比較では、受取手形及び売掛債権の増減が前連結会計年度の83億円の増加に対し1億円の減少、未払消費税等の純減額の減少が61億円、仕入債務の増減が前連結会計年度の6億円の減少に対し29億円の増加、たな卸資産の増減が前連結会計年度の24億円の増加に対し3億円の減少となったことなどにより、営業活動から得た資金は前期比343億円(25.1%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が432億円となりましたが、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出が460億円、投資有価証券の取得による支出が317億円となったことなどにより、全体では429億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、投資有価証券の売却及び償還による収入の減少が117億円となりましたが、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得の減少が731億円、投資有価証券の取得による支出の減少が176億円となったことなどにより、投資活動に使用した資金は前期比862億円(66.8%)の減少となりました。
この結果、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額)は、1,281億円の資金の増加(前連結会計年度は74億円の資金の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が31億円となりましたが、配当金の支払額が305億円、短期借入金の減少額が127億円、長期借入金の返済による支出が65億円となったことなどにより、全体では559億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金の収支純額の減少が209億円、リース債務の返済による支出の増加が32億円となったことなどにより、財務活動に使用した資金は前期比290億円(108.4%)の増加となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比712億円(32.1%)増加の2,929億円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
|
|
第52期 |
第53期 |
第54期 |
第55期 |
第56期 |
|
自己資本比率(%) |
53.6 |
55.0 |
56.7 |
53.1 |
54.1 |
|
時価ベースの |
84.7 |
97.7 |
124.2 |
116.4 |
105.4 |
|
債務償還年数(年) |
0.5 |
0.7 |
0.6 |
0.8 |
0.5 |
|
インタレスト・ |
130.9 |
113.1 |
137.0 |
149.3 |
173.8 |
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。