当連結会計年度の経済及び情報サービス産業における事業環境は以下のとおりです。
国内の経済は、企業収益や業況感が改善しており、設備投資が緩やかに増加するなど、緩やかに改善しています。また、景気の先行きにつきましても、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな改善が続くことが期待されます。
国内の情報サービス産業においては、制度変更や法規制の新規施行への対応、お客様企業におけるエンドユーザー接点の強化や、新サービスによるビジネスの成長を目的としたIT投資が進み、市場は緩やかな改善をみせています。一方、保守・運用コストの削減ニーズ、価格競争の厳しさは依然として続くものとみられています。
海外の経済についても、緩やかに改善しています。また、景気の先行きにつきましても、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等について留意する必要があるものの、緩やかな改善が続くことが期待されます。
海外の情報サービス産業においては、米国市場では緩やかな成長持続が見込まれています。また、欧州市場においては堅調に推移しているものの、マクロ経済の不確実性の高まりに伴うIT投資への影響について注視していく必要があります。なお、中国のIT投資需要は底堅さを維持しており、特にデジタル(注1)関連投資には高い需要が見込まれています。
[当社グループを取り巻く状況と対処すべき課題]
当社グループはグローバル市場でのビジネス拡大を図り、グローバルのカバレッジ(※)を広げ事業基盤を確立してきました。一方、日本やドイツ、スペイン、イタリアを除き、各国市場ではプレゼンスが低い状況にあります。堅調な拡大を続けるグローバル市場で成長を継続するためには、ローカルプレゼンスを向上し、世界各国のお客様から認知されるグローバルブランドの確立が課題と認識しています。そのため当社グループはグローバルブランドの確立を果たし、連結売上高 2兆円超、国内と海外の売上高比を概ね50:50にすることをGlobal 2nd Stageと定義し、2020年頃の到達をめざしてきました。今般の大型M&Aの効果を踏まえ、各国でのローカルプレゼンスの確実な向上を推進し、2018年度にてGlobal 2nd Stageの到達をめざします。
また、技術の加速度的な進展によるデジタル化の波が到来しており、ITの戦略的活用による事業拡大や新規事業創出に対するニーズが高まっています。このようなニーズに十分対応していくことも課題と認識しています。このため、デジタル化に対応するソリューションの「生産技術の革新」と「最先端技術の活用」を積極的に推進し、新しい市場における価値提供力を強化します。
※2018年3月31日時点においては、53カ国・地域、214都市まで拡大しています。
[中期経営計画]
上記のような課題を踏まえ、当社グループは「2016年度~2018年度:3ヵ年」の中期経営計画を以下のとおり策定しました。
<基本方針>
NTT DATA : ASCEND (Rise and grow our global brand)をキーワードに、NTT DATAグループは、世界各地域での事業成長を追求し、ローカルプレゼンスの向上により、グローバルブランドとしてブランド価値の向上を図ります。
<基本戦略>
■リマーケティングの更なる深化
環境変化や技術革新を捉え、既存市場におけるシェア拡大とお客様のニーズを先取りした新規市場創出を行う「リマーケティング」については、前中期経営計画期間において、電力業界への参入、オムニチャネルシステムの構築、デジタルアーカイブ事業の拡大等、着実に成果を上げてきました。
今後も環境変化や技術革新がますます加速している状況を好機と捉え、世界各国の市場環境に即した既存市場におけるシェア拡大と新規市場創出を加速し、ローカルプレゼンスを向上します。また、グローバルでのカバレッジを活かし、シナジーを効かせていくことで、提供ソリューション/サービスの拡充、お客様のグローバルプロジェクトへの当社グループの対応力向上を推進し、各地域における競争力を高めます。
■技術革新による価値創造
激しい環境変化に直面しているお客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供できるよう、これまで開発してきた生産技術とデジタル社会に対応する新しい生産技術を組み合わせた、生産技術の更なる革新を推進します。
また、お客様のITの戦略的活用へのニーズの高まりに応えるため、当社グループの知見や人財、拠点等の研究開発リソースをグローバルに適正配置することにより、デジタル領域の技術力強化を行います。加えて、高い技術力を保有する他社との連携も推進することにより、常に最先端技術を取り入れていきます。これらの取り組みを通じたお客様との共創により、ビジネスへの最先端技術の適用を実現することで、これまでにない新しいしくみや価値を創造していきます。
<中期経営目標>
デジタル社会への変化に向けた新規領域への積極的な投資を行い、リマーケティングの更なる深化と技術革新による価値創造により、Global 2nd Stageの到達を目指して事業成長を追求します。
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連結売上高 |
2兆円超 |
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調整後連結営業利益額 |
50%増※ |
※対2015年度(調整項目:新規領域への投資増分)
上記の中期経営計画策定後、リマーケティングの更なる深化については、IoT関連等の新規事業への参入、オムニチャネルシステムの構築、バンキング事業の拡大等、着実に成果を上げており、お客様とのLong-term relationshipsの構築を通じて顧客基盤を強化するとともに、安定した経営基盤を確立しています。また、技術革新による価値創造についても、システム開発の高速化・高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発や、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」に取り組むなど、着実に進捗しています。
なお、これまで不採算案件抑制と海外事業の利益改善が重要経営課題でした。不採算案件抑制については、プロジェクト審査委員会等の様々な対策の効果により一定範囲内に抑えられているものの、更なる抑制が必要と認識しています。また、海外における利益改善のため、ニアショア(注2)・オフショア(注3)拠点の活用、よりフレキシブルなデリバリーモデルへの取り組み等を進めているものの、目標としている成果を上げるまでには至ってはいません。したがって、引き続きいずれも重要な経営課題であると認識しています。
なお、グローバル経営の更なる目標として、Global 3rd Stage「信頼されるブランドの浸透」を掲げ、ローカルプレゼンスの拡大、重要顧客の深耕、迅速・適切なグループ全体の事業状況把握を行うこととし、これに向けたグローバルビジネスの推進・管理体制の強化を2017年7月1日に実施しました。
具体的には、グローバル事業本部内の機能であるグローバルアカウント(グローバル顧客企業のサポート)、オファリング(共通ソリューションの提供)等のグローバル横断機能を、コーポレート組織として新設するグローバルマーケティング本部に移管しました。また、中国・APAC事業本部を新設し、グローバル事業本部から中国とAPAC地域のビジネスを移管するとともに、国内の既存3分野(公共・社会基盤分野、金融分野、法人・ソリューション分野)に中国・APAC地域ビジネスを加えた4分野で連携する組織運営を行っています。
これに伴い、従来「公共・社会基盤」「金融」「法人・ソリューション」「グローバル」としていた報告セグメントを以下のとおり変更しました。
・公共・社会基盤
行政、医療、通信、電力等の社会インフラや地域の活性化を担う、高付加価値なITサービスを提供する事業。
・金融
金融機関の業務効率化やサービスに対して、高付加価値なITサービスを提供する事業。
・法人・ソリューション
製造業、流通業、サービス業等の事業活動を支える高付加価値なITサービス、及び各分野のITサービスと連携するクレジットカード等のペイメントサービスやプラットフォームソリューションを提供する事業。
・北米
北米ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスを提供する事業。
・EMEA・中南米
EMEA・中南米ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスを提供する事業。
このように、海外ビジネスが拡大し、事業範囲や地理的カバレッジが広がっていることから、グローバルビジネスの推進・管理体制を強化することで、Global 2nd Stageの到達とGlobal 3rd Stageに向けた成長を追求していきます。
(注1)デジタル(デジタルトランスフォーメーション)
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。クラウドやモビリティ、ソーシャル技術等により社会システムが使いやすく再構築され、更にIoTにより爆発的に増加するデータが、AIの活用により生活に役立つインテリジェンスへと昇華された社会を実現するものです。
(注2)ニアショア
情報システムやソフトウェア等の開発業務の一部又は全部を、比較的距離の近い遠隔地の事業所等に委託することです。
(注3)オフショア
情報システムやソフトウェア等の開発業務の一部又は全部を、海外の事業者や海外子会社等に委託することです。
なお、将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末時点で把握可能な情報から判断する一定の前提に基づいており、今後様々な要因によって記載内容とは異なる可能性があることをご承知おきください。
[方針]
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、2002年に全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置くとともに、リスク管理部門及び各部門とグループ会社に「リスクマネジメント推進責任者」を配置し、主体的・自主的に対応できる体制を整備しています。
また、主な重点リスク項目を定め、その目標の達成度・進捗を点検し、各種施策に結果を反映しています。
毎年、年2回の内部統制推進委員会(※)を実施し、リスク低減に関する施策を討議するとともに、有効性に対する評価等を行い、その結果は経営会議、取締役会に報告しています。
なお、当社グループは、多岐にわたるお客様・業界に対し世界中で様々なサービスを提供しており、各事業により事業環境が大きく異なります。そのため、当社取締役会は事業本部長等へ大幅な権限委譲を図ることで、お客様との関係や市場環境等に関連するリスクを適切に把握し、迅速に対応することを可能としています。

※ 内部統制推進委員会におけるマネジメント体制
本社、地域統括会社等、個社において事業に関連するリスクを洗い出し、対策を策定します。上位主体はそれぞれの状況を分析・評価し、適切な管理を実施します。グループ全体の状況については、リスク管理部門等が分析・評価・モニタリングを実施し、更に、グループ全体に影響を与えるリスクを「グローバル統制リスク」と位置付けて管理し、総括的なリスクマネジメントの徹底を図っています。
また、地域統括会社等において設定した重点リスクを「拠点統制リスク」と位置付けて、対策の実施状況及びリスク発生状況等を踏まえ、評価・改善するサイクルを回しています。


[個別のリスク]
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
(特に重要なリスク)
(1)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本方針とする「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)システム障害リスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあります。これらにおいて障害が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)システム構築リスク
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っています。当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階においてプロジェクト管理等に問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(1)技術革新に関するリスク
当社グループが属する情報サービス産業では、不連続な技術環境の変化が生じることがあります。当社グループでは、先端技術や基盤技術等の多様な技術動向の調査・研究開発に努めていますが、予想を超える革新的な技術の進展への対応が遅れた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材確保に関するリスク
当社グループの成長と利益は、専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格低下圧力に関するリスク
景況感や企業収益の悪化等によるお客様のIT投資抑制傾向は、コストへの要求やIT投資効果への評価の厳格化となって、当社グループの扱うシステムやサービスの販売価格低下圧力につながり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争激化に関するリスク
当社グループの主要な事業領域は、情報サービス産業の中で有力な成長分野であると目されており、製造業等従来他業種であった企業が参入してきています。また、急成長を継続するインド系企業や既存の大手情報サービス企業がグローバルマーケットへ積極参入をしており、グローバル競争が激化しています。これからのマーケットには先行き不透明な部分があり、競合会社の積極参入による競争激化が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権に関するリスク
当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、商品又はサービスを提供できなくなる可能性があります。また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)社会・制度の変化に関するリスク
当社グループの事業は、電力や通信といった社会基盤、税や各種規制といった法制度等、様々な要因の影響下にあります。これらの要因は当社グループが関与し得ない理由によって大きく変化する可能性があり、このような変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模災害や重大な伝染病等に関するリスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあることから、行政のガイドラインに準拠した事業継続のための体制整備や防災訓練を実施しています。しかしながら、気候変動やその他の原因による大規模な災害や重大な伝染病等が発生した場合には、事業所及びそれらのシステム並びに従業員の多くが被害を受ける可能性があり、その結果として、当社グループの社会的信用やブランドイメージが低下するおそれがあるほか、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされるなど、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)親会社の影響力
当社の親会社である日本電信電話㈱(NTT)は、当連結会計年度末現在、当社の議決権の54.2%を保有している大株主であります。当社はNTT及びその他の子会社から独立して業務を営んでおりますが、重要な問題については、NTTとの協議、もしくはNTTに対する報告を行っています。このような影響力を背景に、NTTは、自らの利益にとって最善であるが、その他の株主の利益とはならないかもしれない行動をとる可能性があります。
[事業活動の取組状況及び各セグメントの業績]
セグメント別の取組及び業績については、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績やそこで培ってきたノウハウを活用した国内・海外での案件の創出、マイナンバーの活用ビジネスやIoT関連等の新規ビジネス、ユーティリティ業界における制度変更(電力・ガスシステム改革)への対応等により事業拡大を目指しました。
<RPAツール「WinActor」のビジネス拡大に向けた取り組みを推進>
・お客様の業務自動化・効率化を強力に支援し、働き方改革の実現に貢献するため、Windows端末のあらゆるアプリケーションの操作を自動化する純国産のRobotic Process Automation(RPA)ソリューション「WinActor」(注1)を800社を超えるお客様へ導入しました。また、操作性の向上・セキュリティの強化等、多様な市場ニーズへのタイムリーな対応を行うとともに、「WinActor」をサーバ上で一元管理・統制する「WinDirector」の提供や、グローバル市場に対して「WinActor」の英語版である「Office Robot」の提供を開始しました。
<中央府省向け更改案件における機能拡充を実施>
中央府省向け既存案件において、更改時に機能拡充を行うことにより、利用者の皆様にとってより利便性の高いサービスの提供に努めました。
・2017年10月、大規模なシステム更改である「第6次NACCS及び第4次CIS」の開発を行い、円滑にサービス開始しました。「第6次NACCS」ではシステムの安定性・信頼性の更なる向上、制度改正対応、官民の総合物流情報プラットフォームとしての機能拡充・利便性向上が実現しました。「第4次CIS」では貿易円滑化の推進・水際取締りの強化を目的とした機能の拡充、システム基盤の統合等による最適化を実現しました。
・「国税電子申告・納税システム」について、2017年6月、9月、2018年1月、3月と4段階で税制改正に向けた対応を着実に実施しました。また、納税者、税務職員等への利便性向上・ユーザビリティ向上に向けた各種機能改善・追加等も併せて実施しました。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、前期における中央府省及びユーティリティ業界向けサービスの反動減等により、443,680百万円(前期比2.6%減)となりました。
・営業利益は、減収及び不採算額の増加等により、38,781百万円(前期比12.2%減)となりました。
(金融)
国内外における決済高度化ニーズの高まり、技術革新・規制緩和を契機とした新規サービスの創発、銀証連携等新たなサービス形態の変化及び大手金融機関の海外進出加速等、お客様の環境変化を背景としたビジネス拡大等による成長をめざしました。
<ブロックチェーン技術を活用した実証実験を推進>
今後のブロックチェーン関連ビジネスの展開に向けて多様なステークホルダーと実証実験を進めました。
・当社を事務局として、企業や業態を跨いだ課題への対応を検討する「ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム」(注2)を2017年8月に発足し、銀行・保険・総合物流・輸出入者等の各業界を代表する14社と共に活動しました。
・当社及び㈱三菱東京UFJ銀行(現 ㈱三菱UFJ銀行)は、シンガポールの貿易プラットフォームであるNational Trade Platform(注3)を推進するNTPプロジェクトオフィスと共に、日本とシンガポールの間でクロスボーダーの貿易文書の電子的交換を実現するための接続実証実験について2017年11月に合意し、開始しました。
・保険業界におけるブロックチェーン活用への取り組みをサポートすることを目的として、保険業界に特化したブロックチェーン技術検証に関する実証実験環境の無償提供を2018年2月より開始しました。
<Fintechに関する取り組みを推進>
Fintechを事業機会と捉え、アプリケーションやプラットフォームの提供により、ITによる金融サービスの利便性向上に貢献しました。
・金融機関とFintech企業が連携する際に必要となる各種API(注4)とAPI管理機能、高い信頼性とセキュリティを有したクラウド基盤である「OpenCanvas」を開発し、クラウド基盤を2017年9月、各種APIとAPI管理機能を2018年3月より提供開始しました。また、オープンイノベーションを創出・推進するビジネス面でのマッチングの場として、OpenCanvasフォーラムを3回開催し、80超の金融機関と25のFintech企業が参加しました。
・銀行等の金融機関向け次世代バンキングアプリ「My Pallete」を2017年8月に提供開始し、10行に導入しました。また、信用金庫向けのバンキング機能付きスマホアプリ「アプリバンキング」を2017年10月に提供開始し、9金庫に導入しました。これらのサービスにより、お客様はインターネットバンキング未契約でもリアルタイムで口座の残高・取引明細の確認等が可能となりました。
※導入実績は2018年3月末時点の情報を記載
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、銀行及び協同組織金融機関向けビジネスの規模拡大等により、559,565百万円(前期比8.0%増)となりました。
・営業利益は、増収及び減価償却費等の減少による原価率の改善に伴い、53,096百万円(前期比25.2%増)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルを活用する流れの加速や、グローバル競争力強化の要請の高まり等、小売業・流通業・サービス業・製造業における事業環境が大きく変化しています。この変化に対応し、デジタル領域における先進技術・ノウハウや、数多くのお客様のシステムをトータルで支援してきた実績等の強みを活かして、お客様と共に新しい価値を生み出す事業パートナーとしてのビジネス拡大を更に進めました。
<三菱重工グループとの間に長期的なパートナーシップを確立>
・当社は三菱重工業㈱と提携し、2017年10月に㈱NTTデータMHIシステムズを発足させました。ネットワークサービスやシステムインテグレーション事業について豊富な実績をもつ当社グループの技術力・組織力を活用することにより、三菱重工グループのITインフラ構築・運用・保守や業務系アプリケーション開発等のITサービスの高度化、並びにグローバル対応力強化をより早く効率的に展開していきます。加えて、三菱重工航空エンジン㈱と、企業における分析業務の自動化をAIを活用して実現する、分析オペレーション自動化フレームワーク「AICYCLE」(注5)を用いて、航空エンジンブレード製造工程における不適合品の早期発見と工程改善の実現に向けた実証実験を2016年から2017年にかけて実施しました。
<様々な決済関連サービスの提供を推進>
「CAFIS」(注6)で培ってきた「実績」「多様性」「安全・安心」及び各種ノウハウをコアに、様々な決済関連サービスの提供を推進しました。
・スマホアプリと銀行口座を連動させたスマホ決済サービスについて、2018年度の商用化に向け、2017年9月より複数の実証実験を開始し、クレジットカード未保有でも銀行口座さえあれば簡単にスマホ決済を利用することができ、かつ生体情報を用いた認証によりセキュリティ面も安心して利用することができる決済サービスの可能性を検証しました。
・訪日外国人を対象としたマーケティング活動と購買促進をサポートする「CAFIS Attendant」の小売事業者向けサービスを2017年9月に提供開始しました。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、M&A等を含むデジタル関連ビジネス及び製造業向けビジネスの規模拡大等により、477,225百万円(前期比12.1%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、40,163百万円(前期比10.4%増)となりました。
(北米)
2017年4月に発足したNTT DATA Servicesの新体制の下、旧Dell Services部門のPMI(M&A成立後の統合プロセス)の着実な推進及び北米を中心とした事業の一体化を進めました。特にヘルスケア、公共、金融の各分野においてアウトソーシング等の豊富な実績や知見を活かした事業の拡大を図るとともに、デジタル領域等への対応力を強化し、更なるローカルプレゼンスの向上をめざしました。
<米国ジョージア州技術局とエンドユーザコンピューティングサービス契約を締結>
・当社子会社であるNTT DATA Servicesは、2018年1月、米国ジョージア州技術局と、仮想デスクトップ(注7)サービス等を新たに含んだエンドユーザコンピューティング(EUC)(注8)サービスの複数年の更改契約を締結しました。本契約では、これまでジョージア州全域に広がる州政府機関等に対してEUCサービスを一貫して提供してきた実績と信頼に加え、ユーザーに対する更なる付加価値向上のため、急速な技術変化に対応する姿勢が高く評価されました。
<特許出願中の自動化技術がビジネストランスフォーメーション関連のアワードを受賞>
・当社子会社であるNTT DATA Services が開発し、特許出願中の自動化技術の一つである「NTT DATA Robotic Context Processor」が、米国の「BTOES18」(注9)において「Best Achievement in Operational Excellence to Deliver Business Transformation」を受賞しました。対象となった本技術は、自動化AIソリューションとして、病院や保険会社間の契約書等の複雑な文書を、ディープラーニングによる自己学習、光学的文字認識(OCR)や自然言語処理(NLP)等の技術によって理解した上で、契約管理業務を実行する機能を備えており、お客様に経営革新をもたらす本技術の開発成功がNTT DATA Servicesの顕著な成果として評価されました。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、旧Dell Services部門の譲り受けによる事業拡大及び決算期統一に伴う連結月数の増等により、472,020百万円(前期比91.6%増)となりました。
・営業利益(のれん償却前)は、旧Dell Services部門の譲り受けによる利益貢献及び決算期統一に伴う連結月数の増等により、18,960百万円(前期比104.4%増)となりました。また、のれん償却後の営業利益は、162百万円(前期比3.0%減)となりました。
(EMEA・中南米)
既存事業の拡大、M&A戦略の推進に加え、特にデジタル等新たな領域でのサービス提供力の強化により、EMEA・中南米におけるローカルプレゼンスの向上を図るとともに、グループ各社がそれぞれのもつ強みやリソースを結集し、シナジーを発揮することで競争力の源をつくり、更なる成長をめざしました。
<スウェーデンEinsvereinte ABの買収等によるSAPビジネスの更なる拡大・強化を実現>
・当社子会社であるドイツのitelligence AGは、2018年3月、スウェーデンのEinsvereinte AB(以下、EINS Consulting社)の発行済み株式100%を譲り受け、資本提携することで最終合意しました。EINS Consulting社は、スウェーデン国内でSAP事業を展開しており、特にアナリティクスやCRM関連のコンサルティング、システム構築に強みをもっています。加えて、2017年5月のオランダGoldfish ICTグループ、2017年6月のインドネシア PT. Abyor社、更に2017年9月のインドvCentric社の買収を通じて、今後もSAPへの高い需要が見込まれる各市場における事業拡大、当社グループが保有する顧客基盤及びソリューションを活用したクロスセル等、更なる成長に向けた取り組みを推進しました。
<EMEA・中南米地域におけるイノベーション等の推進拠点を開設>
当社グループ内のイノベーションに関するベストプラクティスや研究開発成果の適用可能性の実証に取り組むとともに、日本や米国シリコンバレーの研究センタ等の他地域における研究開発チームとも緊密に連携し、お客様やビジネスパートナーと共に革新的アプローチで新しい技術を試す共同作業拠点を開設しました。
・当社と当社子会社であるNTT DATA EMEA LTD.は、Innovation Lab「Ensō」(ドイツ)を2017年10月に開設しました。
・当社子会社であるスペインのeveris Groupは、Industrialization and Digitization Competency Center(チリ)を2017年11月に開設しました。また、2018年1月にGlobal Digital Design Studio「CHAZZ」(スペイン)、2018年2月に「LivingLab」(スペイン)を開設しました。
当期の業績は以下のとおりです。
・売上高は、一部グループ会社の決算期統一に伴う連結月数の増及びスペイン・ドイツ・中南米におけるビジネスの規模拡大等により、423,229百万円(前期比27.9%増)となりました。
・営業利益(のれん償却前)は、一部グループ会社の決算期統一に伴う連結月数の増により、5,084百万円(前期比13.8%増)となりました。また、のれん償却後の営業利益は、△2,506百万円(前期比22.0%増)となりました。
(注1)WinActor
NTTアクセスサービスシステム研究所の技術を核に、NTTアドバンステクノロジ㈱が開発し、当社が販売元として提供しているRPAソリューションです。
(注2)ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアム
日本においては初めての試みとなる、ブロックチェーン技術を活用した貿易業務に関するコンソーシアムです。参加企業は、川崎汽船㈱、㈱商船三井、住友商事㈱、双日㈱、損害保険ジャパン日本興亜㈱、東京海上日動火災保険㈱、豊田通商㈱、日本通運㈱、日本郵船㈱、丸紅㈱、㈱みずほフィナンシャルグループ/㈱みずほ銀行、三井住友海上火災保険㈱、㈱三井住友銀行、㈱三菱東京UFJ銀行(現 ㈱三菱UFJ銀行)、当社(事務局)です。
(注3)National Trade Platform
企業とシンガポール政府の間の貿易トランザクションについて、デジタルデータの共有と再利用を可能とするワンストップの貿易情報エコシステムです。紙文書や貿易・サプライチェーンデータをデジタル化することで生産性が改善されるとともに、紙でのやり取りを前提としていた運用に内在していた不正行為のリスクを最小化します。
(注4)API(Application Programming Interface)
あるシステムで管理するデータや機能等を、外部のシステムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めた規約のことです。
(注5)AICYCLE(アイサイクル)
AIが予測を行う際の判断ロジックとなる「予測モデル」を、様々なビジネス関連データや、AIの予測結果・実績(予測と実績の乖離状況等)データを用いて自動的に評価・更新することにより、予測精度(予測モデルの品質)を維持する技術です。
(注6)CAFIS
当社が提供する、多種多様な決済手段を支える国内最大の決済総合プラットフォームです。
(注7)仮想デスクトップ
パソコン等の各端末で個別に稼動させていたOSやアプリケーション、データ等をサーバ上の基盤に統合し、集中管理を行う仕組みです。
(注8)エンドユーザコンピューティング(EUC)
企業等で情報システムを利用して現場で業務を行う従業員(エンドユーザー)や部門が、自らシステムやソフトウェアの開発・構築や運用・管理に携わることです。
(注9)BTOES18 (The Business Transformation & Operational Excellence World Summit & Industry Awards 2018)
企業等が価値創造に向けて業務プロセスを改善し、現場の業務遂行力を高めることで競争上の優位性を確立する、Operational Excellenceの取り組みを通じて、グローバルで優れた組織の成果を顕彰するために設立された賞です。
当期末における主な海外拠点の状況は以下のとおりです。
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53カ国・地域、214都市、約81,000人体制を確立(日本国内を含むと約118,000人体制)。 |
(2018年3月31日現在)
以上の結果、当連結会計年度における業績につきましては、以下のとおりとなりました。
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・受注高 |
2,021,195百万円 |
(前年度比 |
13.5%増) |
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・売上高 |
2,117,167百万円 |
(同 |
22.2%増) |
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・営業利益 |
123,522百万円 |
(同 |
5.5%増) |
|
・経常利益 |
121,563百万円 |
(同 |
7.6%増) |
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・税金等調整前当期純利益 |
100,083百万円 |
(同 |
5.0%減) |
|
・親会社株主に帰属する当期純利益 |
58,173百万円 |
(同 |
11.4%減) |
|
|
|
|
|
|
・営業利益(のれん償却前) |
150,453百万円 |
(同 |
12.0%増) |
|
・親会社株主に帰属する当期純利益 (のれん償却前) |
85,103百万円 |
(同 |
2.6%増) |
(2) 財政状態の状況
当期末の資産の部は、建設仮勘定等の固定資産の増加がある一方、無形資産(のれん・その他の無形資産)の償却による減少・流動資産の減少等により前期末に比べ4,663百万円減少して、2,234,277百万円となりました。負債の部は、有利子負債の圧縮等により前期末に比べ39,811百万円減少して、1,365,414百万円となりました。
また、純資産の部は、利益剰余金の増加等により前期末に比べ35,147百万円増加して868,863百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は190,070百万円と前連結会計年度末に比べ69,968百万円減少となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益100,083百万円、非現金支出項目である減価償却費160,030百万円等による収入の一方、法人税等の支払が64,091百万円となり、232,282百万円の収入(前期比6,270百万円の収入減少)となりました。
一方、設備投資による支出が202,913百万円となるなど、投資活動によるキャッシュ・フローは、208,030百万円の支出(前期比220,323百万円の支出減少)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは24,252百万円の黒字(前期比214,053百万円増加)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、主に返済に伴う有利子負債の減少及び配当金の支払を実施したこと等により、88,896百万円の支出(前期比310,973百万円の支出増加)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりです。
|
区 分 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
D/Eレシオ (倍) |
0.81 |
0.71 |
(注)D/Eレシオ:有利子負債/自己資本(純資産合計-非支配株主持分)
なお有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、借入金、社債及びリース債務を対象としています。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
|
公共・社会基盤 |
130,387 |
△1.2 |
|
金融 |
130,055 |
7.4 |
|
法人・ソリューション |
83,871 |
28.8 |
|
北米 |
- |
- |
|
EMEA・中南米 |
- |
- |
|
その他 |
4,331 |
△65.2 |
|
合計 |
348,645 |
5.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比 |
||
|
受注高 (百万円) |
期末受注残高 (百万円) |
受注高 (%) |
期末受注残高 (%) |
|
|
公共・社会基盤 |
445,998 |
418,036 |
39.4 |
20.8 |
|
金融 |
408,498 |
808,627 |
△27.8 |
2.2 |
|
法人・ソリューション |
296,451 |
124,471 |
20.1 |
46.9 |
|
北米 |
413,343 |
740,575 |
43.5 |
△21.4 |
|
EMEA・中南米 |
430,227 |
271,023 |
27.9 |
12.0 |
|
その他 |
26,677 |
8,816 |
8.7 |
65.9 |
|
合計 |
2,021,195 |
2,371,551 |
13.5 |
△1.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 ANSER、CAFIS等利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めていません。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
|
公共・社会基盤 |
360,509 |
△4.2 |
|
金融 |
496,065 |
7.9 |
|
法人・ソリューション |
339,303 |
12.3 |
|
北米 |
466,344 |
93.1 |
|
EMEA・中南米 |
419,600 |
28.1 |
|
その他 |
35,343 |
39.5 |
|
合計 |
2,117,167 |
22.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
4 旧Dell Services部門の譲り受けによる事業拡大により、北米セグメントにおいて著しい変動がありました。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 )
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
以下は、前年度実績対比及び2017年5月10日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。
① 売上高の状況
|
当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
|
2,117,167百万円 |
前年度実績対比 |
384,694百万円 |
22.2%の増加 |
|
業績予想対比 |
57,167百万円 |
2.8%の増加 |
前年度実績対比においては、北米での旧Dell Services部門の譲り受けによる事業拡大、一部海外グループ会社の決算期統一に伴う連結月数の増に加え、スペイン・ドイツ・中南米におけるビジネス規模拡大や日本国内のM&A等を含むデジタル関連ビジネス及び製造業向けビジネスの規模拡大等により、前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても、想定為替レートに対する円安の進行に加え、スペイン・ドイツ・中南米におけるビジネス規模拡大及び日本国内の銀行及び協同組織金融機関向けビジネス、デジタル関連ビジネスや製造業向けビジネスの規模拡大等により業績予想を上回りました。
② 営業利益の状況
|
当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
|
123,522百万円 |
前年度実績対比 |
6,413百万円 |
5.5%の増加 |
|
業績予想対比 |
3,522百万円 |
2.9%の増加 |
前年度実績対比においては、大型の不採算案件発生による減益影響はあったものの、金融、法人・ソリューション及び海外事業の増収等により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても、増収による増益等により業績予想を上回りました。
不採算案件の抑制は、引き続き当社の重要な経営課題であると認識しています。また北米、EMEA・中南米の利益率は他のセグメントに比べて低いため、海外事業の収益性改善についても当社の重要な経営課題であると認識しています。詳細は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
③ 経常利益の状況
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当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
|
121,563百万円 |
前年度実績対比 |
8,570百万円 |
7.6%の増加 |
|
業績予想対比 |
5,563百万円 |
4.8%の増加 |
前年度実績対比においては、営業利益の増益に加え、持分法投資利益の増加により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても、営業利益の増益に加えて、受取配当金等の増加に伴う営業外損益の改善により業績予想を上回りました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
|
当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
|
58,173百万円 |
前年度実績対比 |
△7,513百万円 |
11.4%の減少 |
|
業績予想対比 |
△826百万円 |
1.4%の減少 |
前年度実績対比においては、経常利益の増益はあるものの、前期における投資有価証券売却益の影響により前連結会計年度を下回りました。また業績予想対比においても、経常利益の増益はあるものの、北米における関係会社再編損の増加に伴う特別損失の拡大等により業績予想を下回りました。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態の概況については、「業績等の概要 (2) 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「業績等の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金調達
当連結会計年度において、当社グループは借入金利の安定化等のため、前連結会計年度のDell Services部門の譲り受けの際に調達した短期借入金の長期借入金への借換等を実施しました。
なお、当社は低利かつ安定的な資金調達に資するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパーの格付けを取得しています。コマーシャル・ペーパーの発行枠は、150,000百万円を保有しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性を十分確保しています。
また、当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを導入しており、当連結会計年度末時点で、その対象は国内外の子会社69社となっています。グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っています。
日本電信電話㈱(NTT)と当社を含むNTTグループ企業の間で、NTTが行う基盤的研究開発の成果の使用権を得るための契約及び相互の自主・自律性を尊重しつつ、NTTグループ全体の利益の最大化を通じて、グループ各社の利益を最大化することを目的としたグループ経営に関わる契約を引き続き締結しています。
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取り組みに対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。
更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。
当連結会計年度の研究開発費は14,569百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。
「生産技術の革新」
当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術の更なる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取り組みを進めています。
<デジタルトランスフォーメーションへの取り組みを加速>
・企業のデジタルトランスフォーメーション実現のための課題である既存のIT資産の最適化・軽量化のため、デジタル化戦略の策定と既存IT活用のアセスメントを行う「デジタルコンサルティング」、基盤システムをクラウドに移行してコスト削減する「Lift&Shift」、多様なユーザーがあらゆるデータを安全に活用できるようにする「データ民主化」の3点について推進しました。これらを含む、デジタルやレガシーデジタルインテグレーションの技術的なケイパビリティを高めるため、2017年10月にレッドハット㈱、EMCジャパン㈱と連携し、既存IT資産のデジタル化を推進する基盤を一般企業に向けて提供開始するとともに、2017年11月にはPivotalジャパン㈱と、ビジネスパートナー契約を締結しました。
「最先端技術の活用」
特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注2)として策定・公開する取り組みを行っています。
<NTT DATA Technology Foresight 2018を公開>
・海外グループ会社のCTOと連携し、AI等のブレイクスルーの期待が高まっている技術と、それらの技術がもたらす社会発展の方向性に着目し、NTT DATA Technology Foresight 2018を策定・公開しました。今回で7回目となる本取り組みは、認知度も向上しており、お客様のイノベーション創出に繋げる活動として、海外含めて講演会や個別説明会を2017年の1年間で333回実施しました。また、2017年の「技術トレンド」の一つである「人工頭脳の浸透」の実現例として、㈱NTTファシリティーズと共に業界初となる超高層建物の振動制御にAIを活用する新しいアクティブ制振技術(注3)を2017年8月に開発しました。これは、最適な振動制御を学習したAIが、地震のエネルギーを吸収することで建物の揺れを抑える装置(ダンパー)を、地震の揺れに応じて制御する技術であり、従来技術に比べ長周期地震動による超高層建物の揺れを50%以上低減することができます。
(注1)レガシーモダナイゼーション
長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様を棚卸しして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと再構築(刷新)することです。
(注2)NTT DATA Technology Foresight
情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
(注3)アクティブ制振技術
外部からのエネルギーを用いて、揺れの抑制に必要な制御力を建物に与える振動制御方法です。センサにより計測したデータに基づいて制御力を決定し、ダンパーを能動的に動かして建物の揺れを制御します。
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