当連結会計年度の経済及び情報サービス産業における事業環境は以下のとおりです。
国内の経済は、企業収益が改善を続け、設備投資も増加基調にあるなど、緩やかな回復を続けています。また、景気の先行きにつきましても、海外経済の弱さが国内の景気を下押しするリスクに留意する必要があるものの、緩やかに回復していくとみられています。
国内の情報サービス産業においては、法規制の新規施行やそれに伴う制度変更への対応、お客様企業におけるエンドユーザー接点の強化や、新サービスによるビジネスの成長を目的としたIT投資が進み、市場は緩やかな回復をみせています。一方、保守・運用コストの削減ニーズ、価格競争の厳しさは依然として続くものとみられています。
海外の経済は、弱さがみられるものの、緩やかに回復しています。また、景気の先行きにつきましても、金融資本市場の変動や、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き及び地政学的リスクや今後の政策の動向による海外経済の不確実性の高まりについて留意する必要があるものの、緩やかな回復が続くとみられています。
海外の情報サービス産業においては、米国市場では緩やかな成長持続が見込まれています。また、欧州市場においては堅調に推移しているものの、世界経済の不確実性の高まりに伴うIT投資への影響について注視していく必要があります。なお、中国のIT投資需要は底堅さを維持しており、特にデジタル関連投資には高い需要が見込まれています。
[当社グループを取り巻く状況と対処すべき課題]
当社グループはグローバル市場でのビジネス拡大を図り、グローバルのカバレッジ(※)を広げ事業基盤を確立してきました。一方、日本やドイツ、スペイン、イタリアを除き、各国市場ではプレゼンスが低い状況にあります。堅調な拡大を続けるグローバル市場で成長を継続するためには、ローカルプレゼンスを向上し、世界各国のお客様から認知されるグローバルブランドの確立が課題と認識しています。そのため当社グループはグローバルブランドの確立を果たし、連結売上高 2兆円超、国内と海外の売上高比を概ね50:50にすることをGlobal 2nd Stageと定義し、2020年頃の到達を目指してきました。今般の大型M&Aの効果を踏まえ、各国でのローカルプレゼンスの確実な向上を推進し、2018年度にてGlobal 2nd Stageの到達を目指します。
また、技術の加速度的な進展によるデジタル化の波が到来しており、ITの戦略的活用による事業拡大や新規事業創出に対するニーズが高まっています。このようなニーズに十分対応していくことも課題と認識しています。このため、デジタル化に対応するソリューションの「生産技術の革新」と「最先端技術の活用」を積極的に推進し、新しい市場における価値提供力を強化します。
※2017年3月31日時点においては、51ヵ国・地域、210都市まで拡大しています。
(中期経営計画)
上記のような課題を踏まえ、当社グループは「2016年度~2018年度:3ヵ年」の中期経営計画を以下のとおり策定しました。
<基本方針>
NTT DATA : ASCEND (Rise and grow our global brand)をキーワードに、NTT DATAグループは、世界各地域での事業成長を追求し、ローカルプレゼンスの向上により、グローバルブランドとしてブランド価値の向上を図ります。
<基本戦略>
■リマーケティングのさらなる深化
環境変化や技術革新を捉え、既存市場におけるシェア拡大とお客様のニーズを先取りした新規市場創出を行う「リマーケティング」については、前中期経営計画期間において、電力業界への参入、オムニチャネルシステムの構築、デジタルアーカイブ事業の拡大等、着実に成果を上げてきました。
今後も環境変化や技術革新がますます加速している状況を好機と捉え、世界各国の市場環境に則した既存市場におけるシェア拡大と新規市場創出を加速し、ローカルプレゼンスを向上します。また、グローバルでのカバレッジを活かし、シナジーを効かせていくことで、提供ソリューション/サービスの拡充、お客様のグローバルプロジェクトへの当社グループの対応力向上を推進し、各地域における競争力を高めます。
■技術革新による価値創造
激しい環境変化に直面しているお客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供できるよう、これまで開発してきた生産技術とデジタル社会に対応する新しい生産技術を組み合わせた、生産技術のさらなる革新を推進します。
また、お客様のITの戦略的活用へのニーズの高まりに応えるため、当社グループの知見や人財、拠点等の研究開発リソースをグローバルに適正配置することにより、デジタル領域の技術力強化を行います。加えて、高い技術力を保有する他社との連携も推進することにより、常に最先端技術を取り入れていきます。これらの取組を通じたお客様との共創により、ビジネスへの最先端技術の適用を実現することで、これまでにない新しいしくみや価値を創造していきます。
<中期経営目標>
デジタル社会への変化に向けた新規領域への積極的な投資を行い、リマーケティングのさらなる深化と技術革新による価値創造により、Global 2nd Stageの到達を目指して事業成長を追求します。
|
連結売上高 |
2兆円超 |
|
調整後連結営業利益額 |
50%増※ |
※対2015年度(調整項目:新規領域への投資増分)
上記の中期経営計画策定後、1年が経過し、リマーケティングのさらなる深化については、IoT関連等の新規事業への参入、オムニチャネルシステムの構築、バンキング事業の拡大等、着実に成果を上げています。また、技術革新による価値創造についても、システム開発の高速化・高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発や、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」に取り組むなど、着実に進捗しています。
なお、これまで不採算案件抑制と海外事業の利益改善が重要経営課題でした。不採算案件抑制については、プロジェクト審査委員会等の様々な対策の効果により一定範囲内に抑えられているものの、さらなる抑制が必要と認識しています。また、海外における利益改善の取組を進めているものの、目標としている成果を上げるまで至ってはいません。したがって、引き続きいずれも重要な経営課題であると認識しています。
[事業活動の取組状況及び各セグメントの業績]
お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応した多様なITサービスの拡大と安定的な提供に努めました。
セグメント別の取組及び業績については、以下のとおりです。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績やそこで培ってきたノウハウを活用した国内・海外での案件の創出、マイナンバーの活用ビジネスやIoT関連等の新規ビジネス、ユーティリティ業界における制度変更(電力・ガスシステム改革)への対応等により事業拡大を目指しました。
<政府基幹業務のシステム更改を着実に実施>
・政府の基幹業務を担う官庁会計システム及び歳入金電子納付システムの更改を実施し、サービス提供を開始した。本システムはオープンソースを取り入れ、政府のシステム運用経費を抑制する一方、連携する府省共通システムの普及に応じた機能等の拡張やセキュリティの強化を実現した。今後も政府のIT戦略に対応したシステム間連携の強化を支援していく。
<「AW3D全世界デジタル3D地図」グローバルマーケットへさらなる販路拡大>
・当社及び一般財団法人リモート・センシング技術センターが提供する、衛星画像を活用した世界最高精度の「AW3D全世界デジタル3D地図」(注1)は、災害対策やインフラ整備等を中心に300プロジェクト以上で活用されており、アジア等の新興国を中心に世界70ヵ国以上での利用実績をもつ。本サービスは、㈱日本経済新聞社主催の2016年日経優秀製品・サービス賞にて、「優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞した。また、商用高解像度衛星画像市場を牽引する米国DigitalGlobe社と、販売代理店契約を締結したことにより、グローバルマーケットへのさらなる販路拡大が実現可能となる。今後も、防災・資源・都市計画・電力・通信サービス等、幅広い分野への本サービスの適用を通じ、地理空間情報の利用拡大、市場創出に寄与していく。
<タジキスタンに航空管制シミュレーター「airpalette 3D Simulator」を導入>
・独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「タジキスタン航空管制能力強化プロジェクト」において利用する、航空管制官の訓練用シミュレーター「airpalette 3D Simulator」をJICAより受注した。本製品は、高精度なグラフィックと複数の航空機の挙動を自動で再現するAI技術により、訓練に必要な人手を減らし効率的な航空管制の訓練を実現することで、同国の航空管制官の技術向上・育成に貢献する。今後は、同国において本製品の導入及び関連する各種サポートを行うとともに、各国の航空管制機関に向けて本製品のさらなる展開を推進する。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、ユーティリティ業界向けビジネスにおける減収はあるものの、中央府省向けビジネスの規模拡大等により、455,418百万円(前期比8.2%増)となりました。
・営業利益は、増収及び不採算案件の減少等により、44,165百万円(前期比32.1%増)となりました。
(金融)
国内外における決済高度化ニーズの高まり、規制緩和を契機とした新規サービスの創発、銀証連携等新たなサービス形態の変化及び大手金融機関の海外進出加速等、お客様の環境変化を背景としたビジネス拡大等による成長を目指しました。
<「BeSTA」をベースとした金融機関向け基幹系システムの利用行が拡大>
・当社の標準バンキング・アプリケーション「BeSTA」をベースとした、地銀・第二地銀を中心とする金融機関向け基幹系システムの利用行が拡大した。具体的には、「NTTデータ地銀共同センター」に㈱山陰合同銀行、「STELLA CUBE」に㈱福邦銀行、㈱横浜銀行・㈱北陸銀行・㈱北海道銀行・㈱七十七銀行4行の共同利用システムに㈱東日本銀行の参加が決定した。また、「BeSTAcloud」は㈱あおぞら銀行へサービス提供を開始した。加えて、事業組合システムバンキング九州共同センター(SBK)(注2)の「BeSTAcloud」利用と同時に㈱沖縄海邦銀行のSBKへの参加が決定した。さらに、㈱八千代銀行と㈱新銀行東京が「STELLA CUBE」参加行である東京都民銀行と3行合併することになり、「STELLA CUBE」へシステム統合することが決定した。いずれのシステムについても、将来性・先進性・拡張性・柔軟性等、参加行のビジネス戦略に必要な要件を備えていることや、当社の基幹系システム運営実績等が評価された。今後も、「BeSTA」をベースにした先進システム機能の拡大・拡充を行うとともに、幅広い金融機関に最適なソリューションを提案することで、さらなる利用行の拡大を推進する。
<「BeSTA FinTech Lab」の立ち上げ>
・顧客企業、ベンチャー企業と当社の3者をつなぎ、オープンイノベーションによって、より迅速な新規ビジネスの創発を目指すべく、「豊洲の港から」やビジネスコンテストの開催等、様々な活動に取り組んでいる。その活動をより強化すべく、ベンチャー企業やFinTech企業と地方銀行が集まり、新たな金融関連サービスの創発活動を行う仕組として「BeSTA FinTech Lab」を立ち上げた。当Labの施策として、㈱unerry、㈱アイリッジ及び当社子会社である㈱NTTデータ経営研究所とともに、ビーコン(注3)位置情報を活用したメッセージ・キャンペーン情報配信サービスの実証実験(注4)を実施した。今後も、当Labでは数多くのビジネスアイデアを創発し、実証を通じたトライ&エラーによりサービスを作り上げていく活動を行うとともに、参加行の要望も踏まえ、より魅力的な場を提供し地方銀行との連携を強化していく。また、FinTechの取組として、当社のオープンイノベーション支援プログラム(DCAP)(注5)を活用し、㈱京都銀行の「新規ビジネス創発プロジェクト」の支援を推進している。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、銀行向けビジネスの規模拡大はあるものの、前期における大型案件の反動減等により、518,043百万円(前期比1.1%減)となりました。
・営業利益は、不採算案件の減少、減価償却費等の減少による原価率の改善により、42,397百万円(前期比32.5%増)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルが引き起こすバリューチェーンの変化や、さらなるグローバル展開に向け積極的なIT投資を進めている小売業・流通業・サービス業・製造業のニーズに応えて、法人・ソリューション分野の強みを活かしてお客様の課題をともに解決する事業パートナーとしてのビジネス拡大を目指しました。
<デジタルビジネスへの取組>
デジタル技術を活用した新しい取組にチャレンジするお客様の事業パートナーとして、様々なサービス提供や技術支援を推進している。
・日立造船㈱の有明工場における実証実験の成果を活かし、異音検知ソリューション「Monone」を提供開始した。本製品は、これまでベテラン技術者の耳で判断していた、工場生産現場における設備機器等の稼動音の変化(異音)を、NTTグループで培った音響信号分析技術とAI技術により可視化・解析し、設備機器等の保全業務を効率化・高度化する。
・トヨタ自動車㈱とNTTグループは、コネクティッドカー分野での技術開発・技術検証及びそれらの標準化を目的とした協業に合意した。本協業において、当社は、社会インフラ構築等の経験を活かして、データ収集・蓄積・分析基盤に関する技術を創出する役割を担う。将来的に、当社は本協業で得られた技術・ノウハウを基に、IoT基盤構築等のビジネス展開を目指す。
・IoT社会において必要となるアナリティクス、AI、エッジコンピューティング技術(注6)のノウハウを備えた専門組織として「AI&IoTビジネス部」を設置した。約200名のデータサイエンティスト、コンサルタント及び約1,500名の組み込み技術開発者等を擁し、お客様やその先のエンドユーザーに高い付加価値を提供する。
<三菱重工業との資本提携に関する具体的検討の基本合意>
・当社及び三菱重工業㈱(三菱重工)は、情報システム分野における両社の提携に関し、資本提携を含めた基本合意を締結した。三菱重工の完全子会社であるMHI情報システムズ㈱を母体とした新会社について、2017年10月1日の設立を目指す。製造業のデジタル化・グローバル化が加速する中で、三菱重工グループは、ネットワークサービスやシステムインテグレーション事業における豊富な経験・ノウハウを持つ当社との提携を通じて、ITサービス高度化・グローバル対応力強化をより速く効率的に進めていく。また、当社は、三菱重工グループとの間に長期的なパートナーシップを確立し、ITサービス高度化及びデジタル化・グローバル化においても貢献していく。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、流通・サービス業界向けビジネス、デジタル関連ビジネスの規模拡大等により、425,668百万円(前期比8.6%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、36,382百万円(前期比11.4%増)となりました。
(グローバル)
各リージョンでのオーガニック成長に加え、世界最大のITサービス市場であり、今後も高い成長が見込まれる北米等でのM&Aにより事業基盤や新たな知見を獲得し、事業拡大及び競争力向上を図りました。それと同時に、グローバルで培った強みとグローバルリソースのシナジー発揮による収益力の強化を目指しました。
<Dell Services部門の譲り受けが完了、NTT DATA Servicesとして新体制が発足>
・当社米国子会社であるNTT DATA International, L.L.C.等を通じて、米国時間2017年3月6日までにDell Services部門の譲り受けの99.9%以上(譲り受け資産価額ベース)が完了し、2017年4月より、当社の既存北米組織へと統合した新体制(NTT DATA Services)を開始した。NTT DATA Servicesは、主要顧客として医療保険・医療機関、製造業、サービス業、金融機関や連邦政府等に強固な基盤を持ち、特に医療保険・医療機関向けの業界特化型のデジタルソリューションやBPOサービスの提供において顧客から高い評価を獲得している。本部門譲り受けを通じて、主に北米地域の各業界における事業を拡大すると同時に、クラウドサービスやBPOサービスにおいても、最先端の技術を活用したサービスの強化を目指す。
<スマートカードチケットシステム「myki」の運用を受注、サービス提供開始>
・当社米国子会社であるNTT DATA, Inc.は、オーストラリアビクトリア州政府及びPublic Transport Victoria(ビクトリア州交通局)とスマートカードチケットシステム「myki」の7年間の運用契約を締結し、2017年1月サービス提供を開始した。本契約は、2008年以来「myki」システムの構築、運営を担当し、今日では世界有数の規模となった同システムを支えてきた実績が評価されたものであり、今後も次世代システムの導入等により、さらなる利便性の向上に貢献していく。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、為替による減収影響はあるものの、北米でのDell Services部門の譲り受け、欧州子会社における決算期統一影響及び規模拡大等により、603,339百万円(前期比16.1%増)となりました。
・営業利益(のれん償却前)は、北米でのDell Services部門の譲り受けに係るアドバイザリー費用等はあるものの、当該譲り受けによる利益貢献及び欧州子会社の収益性改善により、13,664百万円百万円(前期比7.5%増)となりました。また、のれん償却後の営業利益は△3,378百万円(前期比-)となりました。
(注1)「AW3D全世界デジタル3D地図提供サービス」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用い、世界で初めて5m解像度の数値標高モデル(DEM)で世界中の陸地の起伏を表現する3D地図として、サービス提供しています。
(注2)システムバンキング九州共同センター(SBK)
㈱福岡中央銀行、㈱佐賀共栄銀行、㈱長崎銀行、㈱豊和銀行、㈱宮崎太陽銀行、㈱南日本銀行向けに基幹系システムの企画・開発・運用等を行う事業組合組織です。
(注3)ビーコン
スマートフォン等のアプリと連動するBluetooth LE(近距離無線規格)デバイスです。
(注4)メッセージ・キャンペーン情報配信サービスの実証実験
各所に設置されているビーコンアンテナによって検知された、アプリ利用者(本実証実験のモニター)の位置情報の履歴から、位置情報との親和性が高いと想定されるキャンペーンやクーポン情報等を、アプリ利用者のスマートフォンにプッシュ通知(配信)する実証実験です。
(注5)Digital Corporate Accelerate Program(DCAP)
一般企業によるベンチャー企業との新規ビジネス創発の取組を支援するサービスです。
(注6)エッジコンピューティング技術
ユーザーに近いところにエッジサーバを分散させることで、高速かつ大量のデータを処理する技術です。
当期における主な海外拠点の状況は以下のとおりです。
|
51ヵ国・地域、210都市、約75,500人体制を確立(日本国内を含むと約110,000人体制)。 |
(2017年3月31日現在)
以上の結果、当連結会計年度における業績につきましては、以下のとおりとなりました。
|
・受注高 |
1,781,565百万円 |
(前年度比 |
7.2%増) |
|
|
|
|
|
|
・売上高 |
1,732,473百万円 |
(同 |
7.3%増) |
|
・営業利益 |
117,109百万円 |
(同 |
16.1%増) |
|
・経常利益 |
112,993百万円 |
(同 |
15.1%増) |
|
・税金等調整前当期純利益 |
105,332百万円 |
(同 |
2.3%減) |
|
・親会社株主に帰属する当期純利益 |
65,686百万円 |
(同 |
3.7%増) |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は260,038百万円と前連結会計年度末に比べ26,485百万円の増加となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益105,332百万円、非現金支出項目である減価償却費154,542百万円等による収入の一方、法人税等の支払が68,197百万円となり、238,552百万円の収入(前期比5,801百万円の収入増加)となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、Dell Services部門の譲り受けに係る連結範囲の変更を伴う子会社持分等の取得による支出348,431百万円、固定資産取得による支出158,081百万円等により、428,354百万円の支出(前期比239,623百万円の支出増加)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは△189,801百万円(前期比44,020百万円の収入に対し、233,822百万円の減少)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、Dell Services部門の譲り受けに充当する資金調達に伴う有利子負債の増加等により、222,076百万円(前期比280,256百万円の収入増加)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
|
公共・社会基盤 |
132,009 |
2.7 |
|
金融 |
121,146 |
3.9 |
|
法人・ソリューション |
65,123 |
△1.7 |
|
グローバル |
863 |
66.2 |
|
その他 |
11,570 |
4.1 |
|
合計 |
330,714 |
2.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
前年同期比 |
||
|
受注高 (百万円) |
期末受注残高 (百万円) |
受注高 (%) |
期末受注残高 (%) |
|
|
公共・社会基盤 |
319,987 |
346,130 |
△20.2 |
△18.1 |
|
金融 |
565,554 |
791,052 |
8.6 |
1.0 |
|
法人・ソリューション |
246,916 |
84,714 |
11.7 |
△3.2 |
|
グローバル |
640,160 |
1,186,861 |
27.3 |
378.4 |
|
その他 |
8,946 |
2,624 |
△46.8 |
△17.3 |
|
合計 |
1,781,565 |
2,411,383 |
7.2 |
56.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 ANSER、CAFISなど利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めていません。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比 |
|
公共・社会基盤 |
376,324 |
8.5 |
|
金融 |
459,680 |
△2.2 |
|
法人・ソリューション |
302,030 |
8.9 |
|
グローバル |
586,327 |
16.2 |
|
その他 |
8,110 |
△49.6 |
|
合計 |
1,732,473 |
7.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
日本市場におけるIT投資は、当面緩やかな成長が続くものと見込まれております。一方、米国市場は堅調な成長が見込まれており、欧州市場も主要国はおおむね成長基調にあります。また、新興国市場はすそ野が広がり、今後本格的な成長が見込まれます。
当社グループはグローバル市場でのビジネス拡大を図り、グローバルのカバレッジ(※)を広げ事業基盤を確立してきました。一方、日本やドイツ、スペイン、イタリアを除き、各国市場ではプレゼンスが低い状況にあります。堅調な拡大を続けるグローバル市場で成長を継続するためには、ローカルプレゼンスを向上し、世界各国のお客様から認知されるグローバルブランドの確立が課題と認識しています。そのため当社グループはグローバルブランドの確立を果たし、連結売上高 2兆円超、国内と海外の売上高比を概ね50:50にすることをGlobal 2nd Stageと定義し、2020年頃の到達を目指してきました。今般の大型M&Aの効果を踏まえ、各国でのローカルプレゼンスの確実な向上を推進し、2018年度にてGlobal 2nd Stageの到達を目指します。
また、技術の加速度的な進展によるデジタル化の波が到来しており、ITの戦略的活用による事業拡大や新規事業創出に対するニーズが高まっています。このようなニーズに十分対応していくことも課題と認識しています。このため、デジタル化に対応するソリューションの「生産技術の革新」と「最先端技術の活用」を積極的に推進し、新しい市場における価値提供力を強化します。
※2017年3月31日時点においては、51ヵ国・地域、210都市まで拡大しています。
[中期経営計画]
上記のような課題を踏まえ、当社グループは「2016年度~2018年度:3ヵ年」の中期経営計画を以下のとおり策定しました。
<基本方針>
NTT DATA : ASCEND (Rise and grow our global brand)をキーワードに、NTT DATAグループは、世界各地域での事業成長を追求し、ローカルプレゼンスの向上により、グローバルブランドとしてブランド価値の向上を図ります。
<基本戦略>
■リマーケティングのさらなる深化
環境変化や技術革新を捉え、既存市場におけるシェア拡大とお客様のニーズを先取りした新規市場創出を行う「リマーケティング」については、前中期経営計画期間において、電力業界への参入、オムニチャネルシステムの構築、デジタルアーカイブ事業の拡大等、着実に成果を上げてきました。
今後も環境変化や技術革新がますます加速している状況を好機と捉え、世界各国の市場環境に則した既存市場におけるシェア拡大と新規市場創出を加速し、ローカルプレゼンスを向上します。また、グローバルでのカバレッジを活かし、シナジーを効かせていくことで、提供ソリューション/サービスの拡充、お客様のグローバルプロジェクトへの当社グループの対応力向上を推進し、各地域における競争力を高めます。
■技術革新による価値創造
激しい環境変化に直面しているお客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供できるよう、これまで開発してきた生産技術とデジタル社会に対応する新しい生産技術を組み合わせた、生産技術のさらなる革新を推進します。
また、お客様のITの戦略的活用へのニーズの高まりに応えるため、当社グループの知見や人財、拠点等の研究開発リソースをグローバルに適正配置することにより、デジタル領域の技術力強化を行います。加えて、高い技術力を保有する他社との連携も推進することにより、常に最先端技術を取り入れていきます。これらの取組を通じたお客様との共創により、ビジネスへの最先端技術の適用を実現することで、これまでにない新しいしくみや価値を創造していきます。
<中期経営目標>
デジタル社会への変化に向けた新規領域への積極的な投資を行い、リマーケティングのさらなる深化と技術革新による価値創造により、Global 2nd Stageの到達を目指して事業成長を追求します。
|
連結売上高 |
2兆円超 |
|
調整後連結営業利益額 |
50%増※ |
※対2015年度(調整項目:新規領域への投資増分)
上記の中期経営計画策定後、1年が経過し、リマーケティングのさらなる深化については、IoT関連等の新規事業への参入、オムニチャネルシステムの構築、バンキング事業の拡大等、着実に成果を上げています。また、技術革新による価値創造についても、システム開発の高速化・高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発や、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」に取り組むなど、着実に進捗しています。
なお、これまで不採算案件抑制と海外事業の利益改善が重要経営課題でした。不採算案件抑制については、プロジェクト審査委員会等の様々な対策の効果により一定範囲内に抑えられているものの、さらなる抑制が必要と認識しています。また、海外における利益改善の取組を進めているものの、目標としている成果を上げるまで至ってはいません。したがって、引き続きいずれも重要な経営課題であると認識しています。
なお、将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末時点で把握可能な情報から判断する一定の前提に基づいており、今後様々な要因によって記載内容とは異なる可能性があることをご承知おき下さい。
[方針]
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、2002年に全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する役員を置くとともに、リスク管理部門及び各部門とグループ会社に「リスクマネジメント推進責任者」を配置し、主体的・自主的に対応できる体制を整備しています。
また、主な重点リスク項目を定め、その目標の達成度・進捗を点検し、各種施策に結果を反映しています。
毎年、年2回の内部統制推進委員会(※)を実施し、リスク低減に関する施策を討議するとともに、有効性に対する評価等を行い、その結果は経営会議、取締役会に報告しています。
なお、当社グループは、多岐にわたるお客様・業界に対し世界中で様々なサービスを提供しており、各事業により事業環境が大きく異なります。そのため、当社取締役会は事業本部長等へ大幅な権限委譲を図ることで、お客様との関係や市場環境等に関連するリスクを適切に把握し、迅速に対応することを可能としています。

※ 内部統制推進委員会におけるマネジメント体制
本社、地域統括会社等、個社において事業に関連するリスクを洗い出し、対策を策定します。上位主体はそれぞれの状況を分析・評価し、適切な管理を実施します。グループ全体の状況については、リスク管理部門等が分析・評価・モニタリングを実施し、さらに、グループ全体に影響を与えるリスクを「グローバル統制リスク」と位置付けて管理し、総括的なリスクマネジメントの徹底を図っています。
また、地域統括会社等において設定した重点リスクを「拠点統制リスク」と位置付けて、対策の実施状況及びリスク発生状況等を踏まえ、評価・改善するサイクルを回しています。


[個別のリスク]
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
(特に重要なリスク)
(1)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について紛失、漏洩等が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本方針とする「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)システム障害リスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあります。これらにおいて障害が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)システム構築リスク
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っております。当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階においてプロジェクト管理等に問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(1)技術革新に関するリスク
当社グループが属する情報サービス産業では、不連続な技術環境の変化が生じることがあります。当社グループでは、先端技術や基盤技術等の多様な技術動向の調査・研究開発に努めておりますが、予想を超える革新的な技術の進展への対応が遅れた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材確保に関するリスク
当社グループの成長と利益は、専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格低下圧力に関するリスク
景況感や企業収益の悪化等によるお客様のIT投資抑制傾向は、コストへの要求やIT投資効果への評価の厳格化となって、当社グループの扱うシステムやサービスの販売価格低下圧力につながり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争激化に関するリスク
当社グループの主要な事業領域は、情報サービス産業の中で有力な成長分野であると目されており、製造業等従来他業種であった企業が参入してきております。また、急成長を継続するインド系企業や既存の大手情報サービス企業がグローバルマーケットへ積極参入をしており、グローバル競争が激化しています。これからのマーケットには先行き不透明な部分があり、競合会社の積極参入による競争激化が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権に関するリスク
当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、商品又はサービスを提供できなくなる可能性があります。また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)社会・制度の変化に関するリスク
当社グループの事業は、電力や通信といった社会基盤、税や各種規制といった法制度等、さまざまな要因の影響下にあります。これらの要因は当社グループが関与し得ない理由によって大きく変化する可能性があり、このような変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模災害や重大な伝染病等に関するリスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあることから、行政のガイドラインに準拠した事業継続のための体制整備や防災訓練を実施しています。しかしながら、大規模な災害や重大な伝染病等が発生した場合には、事業所及びそれらのシステム並びに従業員の多くが被害を受ける可能性があり、その結果として、当社グループの社会的信用やブランドイメージが低下するおそれがあるほか、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされるなど、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)親会社の影響力
当社の親会社である日本電信電話㈱(NTT)は、当連結会計年度末現在、当社の議決権の54.2%を保有している大株主であります。当社はNTT及びその他の子会社から独立して業務を営んでおりますが、重要な問題については、NTTとの協議、もしくはNTTに対する報告を行っております。このような影響力を背景に、NTTは、自らの利益にとって最善であるが、その他の株主の利益とはならないかもしれない行動をとる可能性があります。
日本電信電話㈱(NTT)と当社を含むNTTグループ企業の間で、NTTが行う基盤的研究開発の成果の使用権を得るための契約、及び、相互の自主・自律性を尊重しつつ、NTTグループ全体の利益の最大化を通じて、グループ各社の利益を最大化することを目的としたグループ経営にかかわる契約、を引き続き締結しています。
また、当社は、当社米国子会社であるNTT DATA International, L.L.C.等を通じて、2017年3月までにDell Services部門の99.9%以上(譲り受け資産価額ベース)の譲り受けが完了しました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取組に対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。
さらに、日本電信電話㈱との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。
当連結会計年度の研究開発費は12,359百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション及びグローバルに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。
「生産技術の革新」
当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術のさらなる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取組を進めています。
<主な取組事例>
・さらなるグローバルシナジーの発揮による持続的な成長を見据え、世界各国の当社グループの開発方法論を統合した。2017年4月より、本開発方法論を国内外の開発拠点で共有し、当社グループ内で共通の概念を持つことで、用語に起因する齟齬の発生を防止し、高い生産性と品質を実現するプロジェクト遂行が可能となることを目指す。今後、本開発方法論をベースとし、国内外の当社グループ全社が保有する人財リソースやナレッジをグループ内で有効活用することで、グローバル規模で開発力のさらなる強化を図り、地域によらず高水準で一貫したサービス品質を提供していく。
・全社のシステム開発環境をクラウド上に集約し、システム開発の生産性向上を目指す「統合開発クラウド」の運用を2017年4月に開始した。昨今、既存ビジネスや業務プロセスを効率化する「守りのIT(SoR(注2))」だけでなく、新しいビジネスを創出する「攻めのIT(SoE(注3))」への対応や、その両者をシームレスに連携することが求められている。これらのニーズに応えるため、今後は当社の海外子会社への展開を行うとともに、商用環境(お客様サービス)への適用も順次進めていく。
「最先端技術の活用」
特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注4)として策定・公開する取組を行っています。
<主な取組事例>
・当社及びスペイン子会社であるeveris Groupは、スペイン最大病院であるVirgen del Rocio University Hospital in Sevilleと集中治療室(ICU)向け「スマートアラートソリューション」を開発した。本ソリューションは患者が重篤な合併症を発症するリスクを予測し、情報を速やかに医師等に提供し、医療介入の早期化を図ることを目的としている。今後はスペイン以外の複数国での検証を計画しており、2017年内を目途に商用化し、スペイン、南米、北米から世界各国の病院へと展開を進めていく。
(注1)レガシーモダナイゼーション
長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様の棚卸をして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと刷新することです。
(注2)SoR(Systems of Record)
基幹システム等従来型の業務システム全般を指します。
(注3)SoE(Systems of Engagement)
企業のビジネスプロセス革新や新ビジネス創造等のデジタル革新を実現するシステムを指します。
(注4)NTT DATA Technology Foresight
情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
以下は、前年度実績対比及び2016年11月4日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。なお、当社は以下の状況を踏まえ、2017年4月28日に当期の業績予想を修正しました。
① 売上高の状況
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当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
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1,732,473百万円 |
前年度実績対比 |
117,575百万円 |
7.3%の増加 |
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業績予想(※)対比 |
62,473百万円 |
3.7%の増加 |
※2016年11月4日に公表した業績予想
前年度実績対比においては、為替による減収影響はあるものの、北米でのDell Services部門の譲り受けや日本国内の流通・サービス業界向けビジネス及びデジタル関連ビジネスの規模拡大等により、前連結会計年度を上回りました。また、業績予想(2016年11月4日公表)対比においても、想定為替レートに対する円安の進行に加え、中央府省向けビジネス、流通・サービス業界向けビジネス及びデジタル関連ビジネスの規模拡大等により業績予想を上回りました。
② 営業利益の状況
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当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
|
117,109百万円 |
前年度実績対比 |
16,223百万円 |
16.1%の増加 |
|
業績予想(※)対比 |
12,109百万円 |
11.5%の増加 |
※2016年11月4日に公表した業績予想
前年度実績対比においては、不採算案件の減少、原価率の改善及び増収による増益等により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想(2016年11月4日公表)対比においても、原価率の改善や増収による増益等により業績予想を上回りました。
グローバルセグメントの利益率は他のセグメントに比べて低いため、海外事業の収益性改善については当社の重要な経営課題であると認識しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。なお、不採算案件の抑制も引き続き当社の重要な経営課題であると認識しています。
③ 経常利益の状況
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当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
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112,993百万円 |
前年度実績対比 |
14,834百万円 |
15.1%の増加 |
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業績予想(※)対比 |
14,993百万円 |
15.3%の増加 |
※2016年11月4日に公表した業績予想
前年度実績対比においては、受取保険金の減少等に伴う営業外損益の悪化はあるものの、営業利益の増益により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想(2016年11月4日公表)対比においても、営業利益の増益に加えて、関連会社の子会社化による差益の発生等に伴う営業外損益の改善により業績予想を上回りました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
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当連結会計年度の実績値 |
比較情報 |
増減金額 |
増減率 |
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65,686百万円 |
前年度実績対比 |
2,313百万円 |
3.7%の増加 |
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業績予想(※)対比 |
16,686百万円 |
34.1%の増加 |
※2016年11月4日に公表した業績予想
前年度実績対比においては、買収関連費用及び関係会社再編損の発生等による特別損益の悪化はあるものの、経常利益の増益及び税金費用の減少等により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想(2016年11月4日公表)対比においては、経常利益の増益に加えて、北米のヘルスケア業界向け事業の売却や関係会社再編損の減少に伴う特別損益の改善等により業績予想を上回りました。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当期末の資産の部は、前期末に比べ374,490百万円増加して、2,234,809百万円となりました。これは、Dell Services部門の譲り受けに伴い、Dell Services部門自身が所有する売掛金などの資産を連結したことや、のれん及びその他の無形固定資産を計上したことによるものです。負債の部は、本譲り受けに係る短期借入金及び長期借入金が増加したこと等により、前期末に比べ317,891百万円増加して、1,404,540百万円となりました。これにより、有利子負債は、650,814百万円、D/Eレシオは前期末の0.55から0.81となりました。D/Eレシオの算定上の有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、借入金、社債及びリース債務を対象としています。
また、純資産の部は、利益の積み上げ等により前期末に比べ56,598百万円増加して830,268百万円となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金調達
当連結会計年度において、当社グループは、Dell Services部門の譲り受けなどに充当するため、長期及び短期借入による資金調達を行いました。
なお、当社は低利かつ安定的な資金調達に資するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパーの格付けを取得しています。コマーシャル・ペーパーの発行枠は、150,000百万円を保有しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性を十分確保しています。
また、当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを導入しており、当連結会計年度末時点で、その対象は国内外の子会社69社となっています。グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っています。
この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。