当連結会計年度の経済及び情報サービス産業における事業環境は以下のとおりです。
国内の経済は、企業収益が改善を続け、設備投資も増加基調にあるなど、緩やかな回復を続けております。また、景気の先行きにつきましても、海外経済の弱さが国内の景気を下押しするリスクに留意する必要があるものの、緩やかに回復していくとみられております。
国内の情報サービス産業においては、金融機関、製造業において、システムの更改プロジェクトやグローバル展開に対応するためなどのIT投資が進み、市場は緩やかな回復をみせております。一方、保守・運用コストの削減ニーズ、価格競争の厳しさは依然として続くものとみられております。
海外の経済は、弱さがみられるものの、緩やかに回復しております。また、景気の先行きにつきましても、金融資本市場の変動や原油価格下落の影響、アメリカの金融政策正常化、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行き、及び地政学的リスク等について留意する必要があるものの、緩やかな回復が続くとみられております。
海外の情報サービス産業においては、アメリカ市場ではIT投資が増加基調にあります。また、欧州市場においては、イギリス・ドイツ・スペインは成長基調にあるほか、イタリアは一部で底打ちの兆しもみられております。なお、中国のIT投資需要は底堅さを維持しているものの、市場成長率は実体経済の減速を反映し、若干鈍化するとみられております。
[経営施策の取組状況]
このような状況のもと、当社グループは、グローバルで多様なITサービスを効率的に提供する企業グループへと進化し、「Global Top 5(売上高1.5兆円超)」「EPS 200円」を実現するべく、2012年度~2015年度の中期経営計画を策定し、注力分野である「新規分野拡大・商品力強化」、「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」、「全体最適の追求」に取り組みました。
具体的な取組については、以下のとおりです。
・「新規分野拡大・商品力強化」
近年の環境変化や情報通信技術の変化による参入機会を捉え、市場成長率以上に売上を拡大するとともに、最新技術を最大限活用し、お客様のニーズを先取りしたこれまでにない市場を創出するリマーケティングを推進。なお、当連結会計年度の具体的な取組については[事業活動の取組状況及び各セグメントの業績]をご覧ください。
開発作業の徹底的な自動化により、開発の高度化、スピード化を実現する生産技術革新と、情報社会の方向性を踏まえて今後の重要技術を見極めた戦略的R&Dを推進。なお、当連結会計年度の具体的な取組については6[研究開発活動]をご覧ください。
・「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」
当社グループ内、さらにはNTTグループとのシナジーを発揮することで、営業力とサービス提供力の強化を図り、各地域におけるビジネスの拡大・充実・強化を推進。また、各地域拠点を活かし、お客様のグローバル市場への進出をサポート。なお、当連結会計年度の具体的な取組については[事業活動の取組状況及び各セグメントの業績]<グローバル>をご覧ください。
・「全体最適の追求」
管理業務に要するコストをスコープに、業務の標準化・効率化・集約化をはじめ、組織の再編・統合やリソースの流動化と最適配置に着実に取り組むことで、グループ全体の管理費等の削減を推進。
国内市場における急速な業界変化やIT技術の進化が想定されるなかで、多様化するお客様や社会の期待に応えるため、これまで以上に事業を跨った連携や迅速な意思決定が求められております。こうした背景から、事業組織の機動性をさらに高めるため、業務執行については事業本部レベルでの意思決定が図られる体制への移行(カンパニー制の廃止、事業本部の再編成)を2015年7月1日に実施しました。
具体的には、事業本部を跨る分野横断的な戦略検討や新規事業創出を担う目的で、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、グローバルの事業分野に再編成しました。また、グローバル事業の伸長や、急速なIT技術の進化に対応するために、技術革新統括本部を新たに設置しました。これにより、グループ全体で生産性の向上を図り、グローバルでの競争力の強化を目指します。
これらの取組により、当連結会計年度にて「売上高1.5兆円超」「EPS 200円」を達成しました。
一方、これまで重要経営課題であった不採算案件抑制と海外事業の利益改善については、プロジェクト審査委員会を通じた不採算抑制の取組をより強化し、また海外における収益性改善の取組を進めたものの、目標としている成果を上げるまで至っておらず、引き続き、重要な経営課題であると認識しております。
[事業活動の取組状況及び各セグメントの業績]
お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応した多様なITサービスの拡大と安定的な提供に努めました。
セグメント別の取組及び業績については、以下のとおりです。
<公共・社会基盤>
中央府省・地方自治体を含めた国家全体のIT戦略推進を背景とした新規ビジネスや、当社グループがこれまでの国内ビジネスで得た実績・ノウハウを活用した海外案件の創出、ユーティリティ業界における制度変更(電力システム改革) 等に伴う市場変化への対応等による事業拡大を目指しました。
・既存のお客様の更改案件を着実に受注。主な案件としては、①特許庁システムの業務アプリケーション・ハードウェア基盤開発、及び運用管理業務の更改案件、②国土交通省自動車登録検査業務における次期MOTAS設計開発・ハード・運用、③財務省における第4次通関情報総合判定システム(第4次CIS)に係る設計・開発・ハードウェア等の賃貸借及び保守、④官庁会計システム等のハード更新に伴う設計等及び機能追加に係る業務・ハードウェア等の賃貸借、⑤国税庁における国税電子申告・納税システム(e-Tax)用機器の借入等が挙げられる。
・開発費用の削減や、短期間でのシステム導入を可能とするIoT(注1)プラットフォーム「ANYSENSE(エニセンス)」を提供開始。ファーストユーザとしてメタウォーター㈱が決定し、同社が提供する上下水道事業者向け監視サービスに適用。当社は「ANYSENSE」を核に、これまで培ってきた監視アプリケーション開発ノウハウや、最新のビッグデータ解析技術も含めたIoTトータルソリューションを社会インフラ向けに提供しており、今後はユーティリティ業界や民間製造業向け等への提供を予定している。
・当社及び一般財団法人リモート・センシング技術センターが提供する、「AW3D全世界デジタル3D地図提供サービス」(注2)が第2回宇宙開発利用大賞において「内閣総理大臣賞」を受賞。本サービスは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星を利用している。また強みは、世界最高精度の3D地図技術力、充実した製品ラインナップ、及び国内外に拡充されたサポート体制であり、世界60カ国でサービスを提供している。その結果、世界各国の産業・行政をはじめとする社会基盤の高度化・効率化を支援していることが、日本の宇宙開発利用の普及啓発への貢献として評価された。今後も新規ビジネスによる海外案件の創出に積極的に取り組み、事業拡大を図る。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、中央府省・テレコム業界向け既存ビジネスの規模縮小があるものの、主にユーティリティ業界向けビジネスの規模拡大等により、420,813百万円(前期比2.9%増)となりました。
・営業利益は、増収影響はあるものの、既存大規模案件の規模縮小及び不採算案件の発生等により、33,441百万円(前期比17.3%減)となりました。
<金融>
金融機関の決済システム24時間/365日化への対応、規制緩和やグローバル展開を契機とした大手銀行のIT投資機会の拡大、及び地方銀行のシステム共同化ニーズの高まり等、お客様の環境変化を背景としたビジネス拡大等による成長を目指しました。
・当社も参画している、日本銀行が運営する「日本銀行金融ネットワークシステム(日銀ネット)」の27年振りの刷新プロジェクトが完了し、全面稼働を開始。
・当社及び当社子会社であるNTT DATA Myanmar Co., Ltd.は、独立行政法人国際協力機構(JICA)による無償資金協力事業であるミャンマー中央銀行のICTシステム整備計画に参画し、外国銀行を含めた市中銀行全38行が接続する国債・資金決済システムの稼働開始に貢献。本システムの開発では、プログラムソースの自動生成技術等、当社が取り組んでいるソフトウェア生産技術を全面的に採用し、短納期・高品質でのシステム提供を実現。本プロジェクトの遂行により、ミャンマーにおけるミッションクリティカル(注3)なシステム開発分野における地歩を固めた。今後、その実績やノウハウを活かし、ミャンマー及びその他の国においてITインフラ整備ビジネスの積極的な拡大を目指す。
・一般企業によるベンチャー企業との新規ビジネス創発の取組を支援するサービス、Digital Corporate Accelerate Programを提供開始し、ファーストユーザとして、Fintech(注4)活用による新たなビジネス創出を目指す㈱みずほ銀行にて実施。また、当社が金融機関に提供する共同利用型の個人向けインターネットバンキングサービス「AnserParaSOL」に、家計簿アプリ等のFintechサービスを接続するAPI(注5)連携サービスの提供を決定(2016年4月に提供開始)。これにより、Fintech事業者は各金融機関の仕様に合わせた個別開発の負担軽減、セキュリティ向上、及び維持費削減が可能となるとともに、金融機関は利用者に対し、より安全でかつ利便性の高いサービス提供が可能となる。今後も当社グループは、Fintech関連ビジネスの促進を進めていく。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、銀行向け新規及び既存ビジネスの規模拡大等により、523,687百万円(前期比5.5%増)となりました。
・営業利益は、増収影響及び不採算案件の減少等により、31,996百万円(前期比55.7%増)となりました。
<法人・ソリューション>
流通・サービス業界におけるオムニチャネル推進や、製造業におけるIoT/IoE(注1)領域等の取組等、法人分野のお客様が取り組む「攻めのIT」領域において、お客様の多様なニーズに対応可能な先進的ソリューションの提供によるビジネス拡大を目指しました。
・コンビニ、スーパー、百貨店などの業態の垣根を越えて、実店舗とECサイト等の販売チャネルを連携させるセブン&アイグループのオムニチャネル化への対応において、各技術分野のトップベンダが集まる「チームIT」の一員として中核的な役割を果たした。同グループ横断ECサイト「omni7」の開設において、当社はプロジェクト全体推進チームとして企画段階から携わり、上流のコンセプトづくりから業務設計、実行までトータルに支援すると共に他のベンダ各社など多くの関係者と連携してグランドオープンに貢献。
・決済手段の多様化、訪日外国人旅行者の増加を見据え、クレジットカード(銀聯、シンハン含む)、デビットカード、電子マネー等の決済サービスに加え、訪日外国人旅行者向けの免税帳票発行機能、駐車券発行機能など様々な機能を有するクラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch」を提供開始。提供機能をCAFIS Archセンタで管理することで、加盟店は1台の端末で必要なサービスを利用できる等、高い拡張性を持つ本サービスの幅広いシーンへの展開を目指す。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、流通・製造業界向けビジネスの規模拡大等により、391,826百万円(前期比7.0%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、32,653百万円(前期比32.7%増)となりました。
<グローバル>
各リージョンでのオーガニック成長に加え、世界最大のITサービス市場であり、かつ今後も高い成長が見込まれる北米等でのM&Aにより、事業基盤や新たな知見の獲得を通じた競争力の強化や事業拡大を図るとともに、日本を含むグローバルで培った強みとグローバルリソースのシナジー発揮による収益力強化を目指しました。
・当社米国子会社であるNTT Data International L.L.C.を通じて、北米地域を中心にITサービス関連事業を手がけるDell Services部門を譲り受けることをDell Inc.と合意。Dell Services 部門は、主要顧客としてヘルスケア、製造、サービス業、金融機関や連邦政府等に強固な基盤を持ち、特にヘルスケア業界向けの業界特化型のデジタルソリューションやBPOサービスの提供において高い評価を獲得しており、本部門譲受けを通じて、主に北米地域の各業界における事業を拡大すると同時に、クラウドサービスやBPOサービスにおいても、最先端の技術を活用したサービスの強化を目指す。
・当社及び当社子会社であるスペインのeveris Groupは、スペイン王室資産等の管理団体であるPatrimonio Nacionalより、スペイン王室図書館等の複数機関で個別に管理されている貴重な書誌や関連コンテンツを対象とするデジタルアーカイブのシステム構築等を受注。everis Groupは、スペインを中心に欧州や中南米に事業基盤を持ち、またドキュメントマネジメント等の数多くのソリューションにおいて豊富な実績を有している。一方、当社の「AMLAD」(注6)を活用したデジタルアーカイブ事業においても、日本国内やバチカン図書館での実績を通じて、長年にわたって蓄積されたノウハウを有している。これらの実績やノウハウを組み合わせ、シナジーを発揮することにより、本件の受注に至った。今後も当社グループ一体となり、グローバルにおける事業拡大をさらに推進していく。
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
・売上高は、欧州における増収及び北米における新規子会社連結等により、519,604百万円(前期比11.9%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、814百万円(前期比-)となりました。
(注1)IoT(Internet of Things)/IoE(Internet of Everything)
IoTは一般に“モノのインターネット”と言われるものです。私たちがインターネット上でお互いの情報を伝達し合って活動するのと同様に、ネットワークに繋がっている「モノ」同士が、情報を共有して、有益な情報を生み出したり、人の手を介することなく動いたりします。また、IoEはIoTを発展させた概念で、「モノ」だけではなく、人、データ等あらゆるすべてがインターネットで繋がっていることです。
(注2)「AW3D全世界デジタル3D地図提供サービス」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS:エイロス)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用い、世界で初めて5m解像度の数値標高モデル(DEM)で世界中の陸地の起伏を表現する3D地図として、サービス提供しているもので、商用衛星画像を使って高精細版サービスも提供開始しました。従来の航空写真等を用いた手法と比べ、精緻かつ低コスト、短納期で3D地図データを入手することが可能となり、特にアジアやアフリカをはじめとする新興国において、地図整備、防災対策、電力分野の発電計画、資源分野の鉱区探査、衛生分野における疫病の感染拡大の対策、都市計画や設備計画等、幅広い分野への利用が広がっています。
(注3)ミッションクリティカル
業務の遂行やサービスに必要不可欠な重大システムにおいて、障害や誤作動等による中断が許されないことです。
(注4)Fintech
Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で金融領域におけるITを活用したサービスのことです。
(注5)API(Application Programming Interface)
あるシステムで管理するデータや機能等を、外部のシステムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のことです。
(注6)AMLAD (Advanced Museum Library Archives Deposit:アムラッド)
当社が保有するソリューションであり、博物館、図書館、公文書館(各種MLA機関)や企業が保有する画像、動画、音声等のデジタルコンテンツをPCやタブレット、スマートフォンといったデバイスから簡単に閲覧・検索できるデジタルアーカイブシステムのことです。
当期における主な海外拠点の状況は以下のとおりです。

以上の結果、当連結会計年度における業績につきましては、以下のとおりとなりました。
・受注高 | 1,662,662百万円 | (前年度比 | 16.3%増) |
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・売上高 | 1,614,897百万円 | (同 | 6.8%増) |
・営業利益 | 100,885百万円 | (同 | 20.1%増) |
・経常利益 | 98,158百万円 | (同 | 26.0%増) |
・税金等調整前当期純利益 | 107,789百万円 | (同 | 45.7%増) |
・親会社株主に帰属する当期純利益 | 63,373百万円 | (同 | 97.1%増) |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は233,553百万円と前連結会計年度末に比べ17,290百万円減少となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益107,789百万円、非現金支出項目である減価償却費147,961百万円等による収入の一方、法人税等の支払が31,808百万円となり、232,751百万円の収入(前期比48,871百万円増加)となりました。一方、設備投資による支出が125,362百万円、Carlisle & Gallagher Consulting Group, Inc.等の子会社株式の取得による支出が28,351百万円となる等、投資活動によるキャッシュ・フローは、188,730百万円の支出(前期比31,593百万円支出増)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは44,020百万円の黒字(前期比17,278百万円増加)となりました。当該フリー・キャッシュ・フローを踏まえ、有利子負債の返済等を純額で40,498百万円実施するとともに、配当金の支払い16,834百万円を実施しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比 |
公共・社会基盤 | 128,592 | 2.5 |
金融 | 116,571 | 1.8 |
法人・ソリューション | 66,239 | 9.6 |
グローバル | 519 | △77.4 |
その他 | 11,112 | △1.1 |
合計 | 323,035 | 2.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっております。
3 金額には、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) | 前年同期比 | ||
受注高 (百万円) | 期末受注残高 (百万円) | 受注高 (%) | 期末受注残高 (%) | |
公共・社会基盤 | 401,121 | 422,762 | 13.0 | 13.4 |
金融 | 520,982 | 783,018 | 43.2 | 17.6 |
法人・ソリューション | 220,985 | 87,499 | 2.2 | 20.1 |
グローバル | 502,757 | 248,090 | 4.9 | 2.5 |
その他 | 16,815 | 3,172 | 15.2 | 26.0 |
合計 | 1,662,662 | 1,544,543 | 16.3 | 13.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 ANSER、CAFISなど利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めておりません。
3 金額には、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比 |
公共・社会基盤 | 346,744 | 1.7 |
金融 | 470,213 | 6.5 |
法人・ソリューション | 277,383 | 5.0 |
グローバル | 504,459 | 12.3 |
その他 | 16,095 | 0.8 |
合計 | 1,614,897 | 6.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
3 金額には、消費税等を含んでおりません。
日本市場におけるIT投資は、当面緩やかな成長が続くものと見込まれております。一方、アメリカ市場は堅調な成長が見込まれており、欧州市場も主要国はおおむね成長基調にあります。また、新興国市場はすそ野が広がり、今後本格的な成長が見込まれます。
各地域におけるお客様の抱える課題は多様化・複雑化しており、それぞれの課題特性に応じた対応が必要となっております。一方で、お客様の事業はますますグローバル化し、ワールドワイドでのサポート能力が求められてきております。また、技術の加速度的な進展により、お客様の事業構造を大きく変えるようなデジタル化の波が到来しており、IT技術の戦略的活用による事業拡大や新規事業創出に対するニーズが高まっております。
当社グループはグループビジョンとして「Global IT Innovator」を掲げ、グローバルのカバレッジを45ヶ国・地域、185都市にまで広げ、グローバルでの事業基盤を確立してきました。今後は、各地域において、より一層当社グループのプレゼンスを高めていき、高付加価値で大規模なプロジェクトにチャレンジしていくことで、お客様のビジネスに貢献してまいります。さらに、グローバルでのシナジーを活かしていくことで、お客様のビジネスの環境変化に対応し、グローバルプレイヤーとしての地位を高めてまいります。
[前中期経営計画の振り返り]
2012年度~2015年度の中期経営計画において、注力分野である「新規分野拡大・商品力強化」、「グローバルビジネスの拡大・充実・強化」、「全体最適の追求」に取り組み、中期経営目標であった「売上高1.5兆円超」「EPS 200円」を当連結会計年度にて達成しました。
一方、これまで重要経営課題であった不採算案件抑制と海外事業の利益改善については、プロジェクト審査委員会を通じた不採算抑制の取組をより強化し、また海外における収益性改善の取組を進めたものの、目標としている成果を上げるまで至っておらず、引き続き、重要な経営課題であると認識しております。
[中期経営戦略]
上記の課題を踏まえ、当社グループは「2016年度(2017年3月期)~2018年度(2019年3月期):3ヵ年」の中期経営戦略を以下の通り策定しました。
<基本方針>
NTT DATA: Ascend |
NTT DATAグループは、世界各地域での事業成長を追求し、ローカルプレゼンスの向上とグローバルシナジーの発揮により、グローバルブランドとしてブランド価値の向上を図ります。
<基本戦略>
■リマーケティングのさらなる深化
環境変化や技術革新をとらえ、既存市場におけるシェア拡大とお客様のニーズを先取りしたこれまでにない新規市場創出を行う「リマーケティング」については、電力業界への参入、オムニチャネルシステムの構築、デジタルアーカイブ事業の拡大等、着実に成果をあげております。環境変化や技術革新がますます加速している状況をふまえ、世界各地域においてシェア拡大と新規市場創出を加速します。
また、グローバルでのカバレッジを活かし、シナジーを効かせていくことで世界的なニーズの変化や技術革新をとらえ、提供ソリューション・サービスの拡充、グローバルプロジェクトへの対応力向上、ユニークな市場創造を図り、各地域における競争力を高めます。
■技術革新による価値創造
これまで開発してきたソフトウェア開発自動化技術と当社グループに蓄積されたソフトウェア資産を組み合わせることで、激しい環境変化に直面しているお客様の競争力のコアとなるシステムやサービスを早期かつ柔軟に提供できるよう、さらなる生産技術革新を図ります。
また、グローバルでの適材適所によるR&Dやオープンイノベーションの推進により、常に最先端技術を取り入れ、それを元に新しい社会ビジョンやコンセプトを着想することで、お客様のニーズを先取りし、これまでにない新しいしくみや価値を創造していきます。
<中期経営目標の考え方>
グローバルブランドとしてブランド価値の向上に向け、各地域の売上拡大とともに、継続的な投資に必要な利益の確保と経営効率の追求を図ってまいります。具体的な財務数値目標については、海外での大型買収についての交渉が完了次第、速やかに公表します。
[方針]
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、2002年に全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進する「リスク管理統括担当役員(CRO)」を置くとともに、リスク管理部門及び各部門とグループ会社に「リスクマネジメント推進責任者」を配置し、主体的・自主的に対応できる体制を整備しています。
また、主な重点リスク項目を定め、その目標の達成度・進捗を点検し、各種施策に結果を反映しています。
毎年、年2回の内部統制推進委員会を実施し、リスク低減に関する施策を討議するとともに、有効性に対する評価等を行い、その結果は経営会議、取締役会に報告しています。
なお、当社グループは、多岐に渡るお客様・業界に対し世界中で様々なサービスを提供しており、各事業により事業環境が大きく異なります。そのため、当社取締役会は事業本部長・グループ会社へ大幅な権限委譲を図ることで、お客様との関係や市場環境等に関連するリスクを適切に把握し、迅速に対応することを可能としています。

[マネジメント体制]
当社、地域統括会社等、個社において事業に関連するリスクを洗い出し、対策を策定します。上位主体はそれぞれの状況を分析・評価し、適切な管理を実施します。グループ全体の状況については、当社のリスク管理部門が分析・評価・モニタリングを実施し、さらに、グループ全体に影響を与えるリスクを「グローバル統制リスク」と位置付けて管理し、総括的なリスクマネジメントの徹底を図っています。

[重点リスク項目の設定プロセス]
当社、地域統括会社等、個社において約50項目のリスク候補をもとに重点リスクを設定し、これら重点リスクへの対策の実施状況及びリスク発生状況等を踏まえ、評価・改善するサイクルを回しています。

[個別のリスク]
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものであります。
(特に重要なリスク)
(1)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について紛失、漏洩等が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本方針とする「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)システム障害リスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあります。これらにおいて障害が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)システム構築リスク
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っております。当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階においてプロジェクト管理等に問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(1)技術革新に関するリスク
当社グループが属する情報サービス産業では、不連続な技術環境の変化が生じることがあります。当社グループでは、先端技術や基盤技術等の多様な技術動向の調査・研究開発に努めておりますが、予想を超える革新的な技術の進展への対応が遅れた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材確保に関するリスク
当社グループの成長と利益は、専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)価格低下圧力に関するリスク
景況感や企業収益の悪化等によるお客様のIT投資抑制傾向は、コストへの要求やIT投資効果への評価の厳格化となって、当社グループの扱うシステムやサービスの販売価格低下圧力につながり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争激化に関するリスク
当社グループの主要な事業領域は、情報サービス産業の中で有力な成長分野であると目されており、製造業等従来他業種であった企業が参入してきております。また、急成長を継続するインド系企業や既存の大手情報サービス企業がグローバルマーケットへ積極参入をしており、グローバル競争が激化しています。これからのマーケットには先行き不透明な部分があり、競合会社の積極参入による競争激化が当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権に関するリスク
当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果、特定の技術、商品又はサービスを提供できなくなる可能性があります。また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)社会・制度の変化に関するリスク
当社グループの事業は、電力や通信といった社会基盤、税や各種規制といった法制度等、さまざまな要因の影響下にあります。これらの要因は当社グループが関与し得ない理由によって大きく変化する可能性があり、このような変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大規模災害や重大な伝染病等に関するリスク
当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあることから、行政のガイドラインに準拠した事業継続のための体制整備や防災訓練を実施しています。しかしながら、大規模な災害や重大な伝染病等が発生した場合には、事業所及びそれらのシステム並びに従業員の多くが被害を受ける可能性があり、その結果として、当社グループの社会的信用やブランドイメージが低下するおそれがあるほか、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされるなど、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)親会社の影響力
当社の親会社である日本電信電話㈱(NTT)は、当連結会計年度末現在、当社の議決権の54.2%を保有している大株主であります。当社はNTT及びその他の子会社から独立して業務を営んでおりますが、重要な問題については、NTTとの協議、もしくはNTTに対する報告を行っております。このような影響力を背景に、NTTは、自らの利益にとって最善であるが、その他の株主の利益とはならないかもしれない行動をとる可能性があります。
日本電信電話㈱(NTT)と当社を含むNTTグループ企業の間で、NTTが行う基盤的研究開発の成果の使用権を得るための契約、及び、相互の自主・自律性を尊重しつつ、NTTグループ全体の利益の最大化を通じて、グループ各社の利益を最大化することを目的としたグループ経営にかかわる契約、を引き続き締結しております。
また、当社は、2016年3月28日に当社子会社であるNTT Data International L.L.C.(President & CEO:John McCain、所在地:米国 ニューヨーク州、北米事業子会社の統括、資本金:1,649百万ドル)を通じて、Dell Services部門を譲り受けることをDell Inc.と合意しました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の緩やかな回復を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされております。そのような環境下で競争に勝ち残っていくために、システム開発の高速化、高品質化など「ソフトウェア工学」に対する研究開発に重点的に取り組んでおります。また、お客様に最先端技術を活用した魅力的なシステムを提案・提供するための「IT基盤技術」、「先進技術」に対する研究開発の強化を進めております。
さらに、日本電信電話㈱との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しております。
当連結会計年度の研究開発費は12,410百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人ソリューション及びグローバルに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしておりません。
[ソフトウェア工学]
当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできました。これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっておりましたが、近年では競合他社でのソフトウェア開発自動化技術への取組も進んできております。そうした中で、自動化技術のさらなる高度化と、社内の開発プロジェクトへの適用率向上が競争上の重要な要素となってきております。
また、今後IT業界でニーズが高まることが予想される新たな技術要素として、レガシーシステムの更改(レガシーモダナイゼーション)があります。過去に開発し、その後度重なる機能追加等を繰り返す中で、お客様自身もシステム仕様の全体像を把握できなくなってしまっているシステムの更改は非常に難易度の高い作業となります。現行システムの老朽化とともに、今後こうした案件が増加していくことが想定されており、レガシーモダナイゼーションを安全・確実に遂行するための方法論の確立が必要とされております。
(主な取組事例)
ソフトウェア開発の自動化技術について、自動化技術を適用可能な案件には原則全て適用する方針とし、自動化技術の普及展開を推進。当連結会計年度は、自動化技術を提供すべき案件を選定するための適用条件定義書の精度向上と、これに基づく普及展開に取り組み、年度通算での適用率は7割に到達。また、当社オープン系システムの開発基盤(アプリケーション・フレームワーク)を刷新し、「TERASOLUNA Server Framework for Java 5」をリリース。世界中で広く利用されているSpring Frameworkを採用し、最新技術への追従や、グローバルでの開発者確保が容易となった。
[IT基盤技術]
お客様がITシステムに期待する柔軟性、高可用性、短期構築を高いレベルで実現するインフラ構築、管理技術がますます重要となってきております。当社は、これまで各種ベンダのクラウド基盤提供サービスにも対応した、IT基盤の標準化に取り組んできております。今後はお客様の要望に合わせて、様々なIT基盤技術を高度に組み合わせたインフラを高信頼かつオンデマンドで提供する技術の確立が必要とされております。
また、当社は、従来からApache Hadoop等をはじめとする大規模分散処理基盤の構築に関する知見を広く社外に公開してきましたが、そのノウハウを社会インフラに適用し、様々な物がITシステムにつながる「IoT」や、「デジタル社会」の実現に貢献していくことが求められていると認識しております。
(主な取組事例)
大規模データを高速に並列分散処理するオープンソースソフトウェアApache Hadoop及び関連製品のApache Sparkにおいて、「プロジェクトマネジメント委員」と呼ばれるコミュニティ運営まで担う主要開発者に、当社社員が日本企業として初就任。同コミュニティに対し、当社の貢献量は世界ランクで第4位であり、実際に運用する中で得た知見のフィードバックを積極的に進めている。これらの活動を通じて得られた成果を活用し、「Apache Sparkの構築・運用ソリューション」としてサービス提供を開始。
[先進技術]
当社では、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、様々な観点から将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注1)として策定・公開する取組を行っております。NTT DATA Technology Foresightが示すトレンド情報を指針として、将来社会に必要とされる先進技術の開発を重点的に進めることが、お客様に魅力的なシステムを提案・提供し続けるための重要な要素となっております。当連結会計年度は、技術トレンドの中でも重要性・注目度が著しく増してきている、コミュニケーションロボットをはじめとした人工知能(AI)技術への取組を強化することとし、AI技術の専門部隊を新設しました。
なお、NTT DATA Technology Foresightは、外部講演やお客様へのプライベートセミナ等を通じて情報を公開し、広く活用頂いております。このような活動を通じて、当社の技術力・先進性を訴求し、ブランドの向上、顧客ロイヤリティの向上を図っております。また、当連結会計年度は、NTT DATA Technology Foresightを活用してお客様と一緒に新たなビジネスアイディアを創出する「共創ワークショップ」の活動が飛躍的に活性化しました。これらの活動を通じて新規案件の受注等も生まれ始めております。
『NTT DATA Technology Foresight 2016』の技術トレンド

(主な取組事例)
コミュニケーションロボットによる「顧客対応業務」の実現を目指した取組として、お客様の来店を自動検知するセンサーデバイスとの協調や音声対話技術を組み込んだクラウドロボティクス基盤(注2)の開発を行い、それを活用した日本科学未来館での来館者へのアンケート対応の実証実験及び㈱りそな銀行の戦略的な店舗である豊洲支店(セブンデイズプラザとよす)での「顧客対応支援」の共同実証実験を実施。実証実験を通じてコミュニケーションロボットの活用ノウハウを蓄積し、店舗における「顧客誘導」「商品紹介」など顧客対応業務の支援の幅を広げて2016年度中の実用化を目指す。
(注1)NTT DATA Technology Foresight
情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリング・議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
(注2)クラウドロボティクス基盤
音声認識、対話制御などロボットに必要な機能等をクラウド上で実現する仕組のことです。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高の状況
当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
1,614,897百万円 | 前年度実績対比 | 103,084百万円 | 6.8%の増加 |
業績予想対比 | 74,897百万円 | 4.9%の増加 |
前年度実績対比においては、日本国内の銀行、流通・製造業界向けビジネスの規模拡大や北米における新規子会社連結等により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても、テレコム・ユーティリティ業界向けビジネスの規模拡大や北米における新規子会社連結等により業績予想を上回りました。
② 営業利益の状況
当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
100,885百万円 | 前年度実績対比 | 16,871百万円 | 20.1%の増加 |
業績予想対比 | 885百万円 | 0.9%の増加 |
前年度実績対比においては、前期並みの不採算案件の発生がありましたが、増収による増益や原価率の改善等により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても、当初想定リスクを超える不採算案件が発生しましたが、増収による増益やコスト削減の取組等により業績予想を上回りました。
不採算案件の抑制は、引き続き当社の重要な経営課題であると認識しております。また、グローバルセグメントの利益率は他のセグメントに比べて低いため、海外事業の収益性改善についても当社の重要な経営課題であると認識しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
③ 経常利益の状況
当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
98,158百万円 | 前年度実績対比 | 20,249百万円 | 26.0%の増加 |
業績予想対比 | 3,158百万円 | 3.3%の増加 |
前年度実績対比においては、営業利益の増益に加えて、固定資産除却損及び損害賠償金の減少等に伴う営業外損益の改善により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても受取保険金の増加等に伴う営業外損益の改善により業績予想を上回りました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
63,373百万円 | 前年度実績対比 | 31,228百万円 | 97.1%の増加 |
業績予想対比 | 7,373百万円 | 13.2%の増加 |
前年度実績対比においては、経常利益の増益に加えて、投資有価証券売却益の計上等による特別損益の改善により前連結会計年度を上回りました。また、業績予想対比においても同様の理由により業績予想を上回りました。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当期末の資産の部は、事業規模の拡大、新規連結子会社の増加、フリー・キャッシュ・フローの創出により資産が前期末に比べ37,482百万円増加して、1,860,319百万円となりました。また、負債の部はフリー・キャッシュ・フローを踏まえ、有利子負債の圧縮をしたものの、退職給付における数理計算上の割引率低下に伴い退職給付負債が増加したこともあり、前期末に比べ70,016百万円増加し、1,086,648百万円となりました。なお、有利子負債につきましては、前述のフリー・キャッシュ・フローを踏まえた社債の償還等により、前期末から39,942百万円減少して407,042百万円となりました。一方、純資産の部は、業績予想を上回る利益の積み上げはあるものの、前述の理由による、退職給付に係る調整累計額の減少に加え、円高による為替換算調整勘定の減少等により前期末に比べ32,534百万円減少して773,670百万円となりました。
その結果、D/Eレシオは前期末の0.58から0.55となりました。D/Eレシオの算定上の有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、借入金、社債及びリース債務を対象としています。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
② 資金調達
当連結会計年度において、当社グループは、運転資金等の為に短期借入金による資金調達を行いました。
なお、当社は低利かつ安定的な資金調達に資するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパーの格付けを取得しております。コマーシャル・ペーパーの発行枠は、150,000百万円を保有しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性を十分確保しています。
また、当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを導入しており、当連結会計年度末時点で、その対象は国内外の子会社67社となっております。グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
この有価証券報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは各社等の登録商標又は商標です。