当期におけるわが国経済は、下期にかけて、原油安の一段の進行や円高・株安の傾向が見られたが、全体としては、企業業績や雇用環境が高水準を維持するなど、緩やかながらも景気の回復基調が続いた。
こうした経営環境において、当社グループは、長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、積極的に事業活動を展開してきた。
当期の売上高は、ガス事業における販売単価の下落及び販売量の減少等により、前期に比べて2,061億5千2百万円減(△13.5%)の1兆3,220億1千2百万円となった。経常利益は、LNG価格の下落に伴う原材料費の減少等によって、ガス事業の利益が増加したことなどにより、268億1千3百万円増(+24.8%)の1,349億8千6百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、上流事業で減損損失を計上したものの、ガス事業の利益が増加したことなどにより、76億1千5百万円増(+9.9%)の843億2千4百万円となった。
セグメントの業績を示すと次のとおりである。
お客さま数(取付メーター数)は、前期末に比べて0.8%増の728万戸となった。
ガス販売量は、前期に比べて2.9%減の80億5千2百万m3となった。このうち、家庭用ガス販売量は、冬場の気温・水温が前年に比べて高く推移し給湯・暖房需要が減少したことなどにより、前期に比べて4.7%減の20億9千2百万m3となった。
業務用その他のガス販売量については、工業用におけるお客さま設備の稼働減少等、商業用及び公用・医療用におけるお客さま設備の稼働減少や暖房需要の減少等により、前期に比べて2.2%減の59億6千万m3となった。
売上高は、ガス事業における販売単価の下落及び販売量の減少等により、前期に比べて1,884億7千4百万円減(△16.6%)の9,485億1百万円となった。セグメント利益は、LNG価格の下落に伴う原材料費の減少等により、前期に比べて454億3千万円増(+90.3%)の957億2千4百万円となった。
売上高は、電力事業及びLPG事業での販売単価の下落等により、前期に比べて373億1千3百万円減(△15.3%)の2,064億3千3百万円となった。セグメント利益は、電力事業での減収影響等により、前期に比べて128億4千5百万円減(△30.8%)の288億5千2百万円となった。
売上高は、前期に比べて49億8千7百万円増(+36.4%)の187億1百万円となったが、原油価格の下落に伴う北海油田の持分法投資利益の減少等により、セグメント損失は2億7千7百万円(前期は12億6千1百万円の利益)となった。
売上高は、材料・情報ソリューション事業の売上増加等により、前期に比べて141億8千万円増(+6.8%)の2,217億2百万円となった。セグメント利益は、前期に比べて22億5千2百万円増(+13.6%)の188億3千4百万円となった。
(注) 1 上記のセグメント別売上高、セグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。
2 本報告書では、ガス量はすべて1m3当たり45MJ(メガジュール)で表示している。
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて465億7千4百万円増加して2,093億6千7百万円となった。
税金等調整前当期純利益が増加したこと、たな卸資産や売上債権が減少したことなどにより、当期において営業活動の結果得られた資金は2,818億1千9百万円となり、前期に比べて1,249億1千万円の収入の増加となった。
長期貸付けによる支出や関係会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、当期において投資活動に使用した資金は1,441億9千8百万円となり、前期に比べて334億9千4百万円の支出の増加となった。
長期借入れによる収入が減少したこと、社債の償還による支出が増加したことなどにより、当期における財務活動は907億1千6百万円の支出となり、前期に比べて1,136億9百万円の支出の増加となった。
以上の3つのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額を合計した当期の連結キャッシュ・フローは、プラスの465億7千4百万円となった。
当社グループにおいては、ガス事業セグメントにおいて当社及び名張近鉄ガス㈱等が営むガス販売が、生産・販売活動の中心となっている。また、当該セグメント以外のセグメントが生産・販売する製品やサービスは広範囲かつ多様であり、受注形態をとらないものも多い。
このため、以下は、ガス事業セグメントにおけるガス販売について記載している。
(ガス)
当連結会計年度における生産実績は次のとおりである。
製品 | 生産量(千m3) | 前期比(%) |
ガス | 8,169,299 | △2.9 |
(ガス)
ガス販売については、その性質上受注生産は行わない。
(ガス)
製造所から導管により直接お客さまに販売しているが、一部については卸供給を行っている。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりである。
項目 | 数量(千m3) | 金額(百万円) | ||||
| 家庭用 | 2,092,298 | (△4.7) | 340,715 | (△13.2) | |
ガス販売量 | 業務用その他 | 5,960,161 | (△2.2) | 418,882 | (△24.0) | |
| 計 | 8,052,459 | (△2.9) | 759,597 | (△19.5) | |
ガスお客さま数 |
| 7,280千戸 | (+0.8) |
| ||
1戸当たり月平均使用量 |
| 101.9 | m3 | (△3.6) |
| |
(注) 1 ( )内数値は前期比(%)である。
2 セグメント間取引を含んでいる。
供給約款料金に対しては、ガス料金改定(平成27年1月1日実施)後の下記の料金表が適用される。また、原料費調整(スライド)制度により、調整の必要がある場合は、下記の基準単位料金に代えて調整単位料金が適用される。なお、供給約款料金以外の料金として選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向けの料金がある。
ガス料金は基本料金及び従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・E・F・G・Hのいずれかの料金表が適用される。
月間使用量区分 | 料金表A | 料金表B | 料金表C | 料金表D | 料金表E | 料金表F | 料金表G | 料金表H | |
(月間使用量20m3まで) | (月間使用量20m3超50m3まで) | (月間使用量50m3超100m3まで) | (月間使用量100m3超200m3まで) | (月間使用量200m3超350m3まで) | (月間使用量350m3超500m3まで) | (月間使用量500m3超1,000m3まで) | (月間使用量1,000m3超) | ||
基本料金 | 税 込 | 745.20 | 1,337.40 | 1,595.90 | 2,021.90 | 3,423.90 | 3,738.90 | 6,818.90 | 7,138.90 |
基準単位料金 | 税 込 | 191.14 | 161.53 | 156.36 | 152.10 | 145.09 | 144.19 | 138.03 | 137.71 |
(注) 1 基本料金は、ガスメーター1個についての料金であり、従量料金は、使用量に基準単位料金又は調整単位料金を乗じて算定する。
2 延滞利息制度
ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%(年率約10%)の率で算定した延滞利息が発生する。
原料費調整(スライド)制度とは、LNGやLPG等の原料価格の変動に応じて、ガス料金の基準単位料金を調整するしくみである。
平成27年4月から平成28年3月は、上記(a)料金表の基準単位料金に対し、次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用された。
検針月 | 1m3当たり調整額 |
平成27年4月 | +8.04 |
〃 5月 | +4.46 |
〃 6月 | △1.40 |
〃 7月 | △9.45 |
〃 8月 | △16.45 |
〃 9月 | △23.36 |
〃 10月 | △25.37 |
〃 11月 | △24.32 |
〃 12月 | △23.10 |
平成28年1月 | △22.57 |
〃 2月 | △23.19 |
〃 3月 | △25.20 |
最近2事業年度における原料の受入量、払出量及び在庫量の推移は次のとおりである。
原料名 | 平成26年度 | 平成27年度 | ||||
受入量 | 払出量 | 期末在庫量 | 受入量 | 払出量 | 期末在庫量 | |
LNG(千t) | 7,046 | 6,890 | 543 | 6,761 | 6,742 | 562 |
当社グループは、エネルギー政策において重要なエネルギー源と位置付けられる天然ガスを中心に、電力やLPGを含めたエネルギーと関連サービス、及び材料や情報等のエネルギー以外の様々な商品とサービスを通じて、お客さまや社会に価値を提供していくことを目指している。そして、国内外の景気や電力・ガスシステム改革等の政策の動向等、経営環境の変化に的確に対応し、経営効率化を進めることにより、持続的な成長を実現することが最大の経営課題であると認識している。
「暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループ」となることを目指し、「お客さま価値」の創造を第一に、これを「社会価値」「株主さま価値」「従業員価値」の創造につなげるよう、事業活動を進めていく。
長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、以下のとおり、課題に取り組む。
多数の生産者から分散して調達することにより、天然ガス等の原料の安定確保に努めるとともに、契約価格指標の多様化により、市場競争力を高める原料調達を目指す。
また、天然ガスの安定調達と収益獲得のため、現在取り組んでいる液化事業・ガス田等のプロジェクトの遂行や、非在来型ガス開発プロジェクトも含めた新規権益の取得等、上流事業を着実に推進していく。
国内外での新規電源(LNG火力発電・石炭火力発電・再生可能エネルギー発電等)の開発等を通じて、競争力のある電源ポートフォリオを構築していく。
ガス製造・供給設備、発電設備等の維持・増強・改修、地震・津波対策等に継続的に取り組む。また、万一のガス漏れ等の緊急時への対応を引き続き行い、お客さま先の保安の確保に貢献していく。
燃料電池等のガスコージェネレーションシステムやガス冷暖房の普及等を通じた天然ガスの利用拡大を進め、お客さまの快適な生活、省エネルギーや災害時の事業継続に貢献していく。
これに加えて、電力販売を一層拡大し、ガス・電力等のエネルギーと様々なサービスを組み合わせてお客さまにご提供していく。さらに、各地のエネルギー事業者との連携等を通じ、国内で幅広くマーケタービジネスを拡大していく。
海外でも、ガス・電力・エネルギーサービス事業の運営や新規案件の開発等に、着実に取り組む。
来年実施される予定のガス小売全面自由化への対応として、業務フロー・ITシステムの整備を進めるとともに、ガス導管事業の中立性を一層向上させる取り組みを進めていく。
エネルギー事業で培った技術と知見を基盤に、お客さまの豊かな暮らしやビジネスの発展に貢献していく。材料・情報・都市開発等の事業では、固有の強みを活かした商品・サービスを提供することで、国内外のお客さまの快適・便利・健康の実現に貢献していく。
燃料電池をはじめとするガス機器・設備の更なる高効率化とコストダウン、水素・材料・情報に関する技術開発、資源開発・発電等の分野におけるエンジニアリング技術の活用を推進する。
「大阪ガスグループCSR憲章」に基づき、グループ全体のCSR水準を一層高め、お客さまや社会からの更なる信頼獲得に努めるとともに、国内外において当社グループのサプライチェーンに関わる皆さまにもご理解いただくよう努める。
持続的な成長の実現に向け、人材の育成を進めていく。また、人材の多様性を高め、新しい価値を生み出せる柔軟で強靭な組織を目指す。
グループの内部統制システムの運用状況の確認及び評価を継続的に行い、所要の措置を講じることにより、実効性の高い内部統制を行っていく。これらの仕組みのもと、以上の課題に対処するとともに、「大阪ガスグループ企業理念」を実践し、持続的成長に向けて不断の努力を続けていく。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
国内、海外における経済、金融、社会情勢、景気等の悪化による、売上高の減少や資金調達の不調、共同事業者、取引先の倒産、人口減少や工場の海外移転等
大規模な自然災害、テロ、事故の発生、新型インフルエンザ等感染症の大規模な流行
ガス事業法、電気事業法、会社法、金融商品取引法や、環境に関する法令等、国内外の政策、法令、制度等の変更
ガス・電力事業をはじめとするあらゆる事業分野における、他事業者との競争激化
ガスの製造、供給や料金に関するシステム等、基幹的なITシステムの停止、誤作動
当社グループが取り扱う商品・サービスに関する品質上のトラブルが発生した場合における、対応に要する費用の支出や社会的信用の低下
当社グループが保有するお客さま情報、技術情報をはじめとする、業務上取り扱う重要情報の社外流出
法令等に反する行為が発生した場合における、社会的信用の低下
原油価格、為替相場の変動、調達先との契約更改や価格交渉の動向等による原燃料費の変動※
※LNG価格の変動については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映して概ね相殺することが可能だが、反映までのタイムラグや、原料調達先の構成により影響を受ける可能性がある。
ガス、電力の原燃料であるLNG等の、調達先の設備や操業等に関するトラブル
自然災害や事故等による、ガスの製造、供給に関するトラブル
自然災害や事故、燃料調達トラブル等による、発電、電力の供給に関するトラブル
ガスの消費機器、設備に関する重大なトラブル
当社グループが事業を行っている国における政策、規制の実施や変更、経済社会情勢の悪化、技術的問題等の要因によるプロジェクトの遅延・中止や採算の悪化等の事業環境の変化
当社グループは、以上のリスクに備え、為替、原料等のデリバティブ、災害保険等の各種保険、基幹ITシステムのセキュリティ向上、コンプライアンスや情報管理の徹底、業務執行状況の適切な把握と監督、保安、災害対策、事業継続計画の策定・見直し等によって、リスク発生時の業績への影響を低減するように努める。
該当事項なし。
当社において、研究開発は最も重要な成長戦略の一つである。保安の確保・向上はもちろんのこと、業務の効率化や設備関連費用の低減、需要家サービスの向上、更にはクリーンエネルギー=天然ガスの効率的な利用の拡大を目指して、様々な新技術の研究開発、実用化に積極的に取り組んでいる。
当社は、コア技術として、石炭・石油から都市ガスを製造していた時代からの触媒・材料技術、LNG気化器・PC(プレストレスト・コンクリート)型LNGタンク・LNG冷熱発電・LNG受入基地等の設計・建設技術、天然ガスコージェネレーション・燃料電池・燃焼技術等のエネルギー利用技術等を保有しており、各々の分野で研究開発を進めている。
最近では、有機材料・活性炭等各種材料の開発、情報通信技術等、エネルギー分野にとどまらず、ライフ&ビジネス ソリューション分野への取組みを進めている。
知的財産分野では、保有特許分析等に基づく戦略的な知的財産戦略を展開している。また、当社保有技術と外部の保有技術を積極的に融合・活用することにより、開発の加速と効率化、新規技術・商品開発の創出を図る「オープンイノベーション」活動を積極的に推進している。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は113億4千万円で、各セグメント別の研究目的・主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりである。
当社は、ガスの製造、供給及び拡販に寄与する研究開発を行っている。
ガス製造分野では、安定操業・安定供給を確保するためのLNG基地製造設備の建設・診断・評価技術に取り組んでいる。
ガスの輸送・供給分野では、保安レベルの維持・向上や災害発生時の迅速な復旧、非開削工法・検査・修繕技術等ガス導管の建設・保全費用の低減を目指した研究開発を行っている。また、需要家サービス向上のため「スマートメーター」の開発へも積極的に取り組んでいる。
家庭用ガス利用分野では、小型で高効率な燃料電池を用いた家庭用コージェネレーションシステムやスマートコンロ等の家庭用ガス機器の開発に加え、ガス機器へIoT(Internet of Things)を活用する先進的な技術開発にも取り組んでいる。また、燃料電池・太陽光電池・蓄電池・空調等の組み合わせで戸建住宅全体の快適性と省エネルギーを両立する「スマートエネルギーハウス」に取り組むとともに、実験集合住宅(NEXT21)では、環境に優しい集合住宅に向けて、エネルギー融通、デマンドレスポンス、逆潮流等の居住実験を進めている。
業務用・産業用ガス利用分野では、様々なニーズに応えるバーナ・工業炉の開発や、ガスコージェネレーションシステム・ガスヒートポンプを用いた空調機等、省エネルギーに貢献する機器の更なる高効率化、遠隔モニタリングを活用した省エネ支援サービス向けのシステム開発等、エネルギービジネスの推進を図るための商品開発を実施している。お客さまのコージェネレーションやガス空調等によるデマンドレスポンス実証事業に参加し、ガス機器の持つ電力需給ひっ迫対策の可能性検証や、将来的なネガワット取引のノウハウ蓄積にも取り組んでいる。
また、当社が保有する技術を活用し、今後普及が見込まれる燃料電池自動車に燃料を供給する水素ステーション等に導入可能な水素製造装置の商品化開発、バイオガス等の新エネルギーに関する研究開発にも取り組んでいる。
当セグメントにおける研究開発費は85億5千3百万円である。
㈱リキッドガスは、産業ガスや水素オンサイト事業の需要拡大に繋がるシステム技術や新商品の開発、冷熱を利用した各種樹脂・食品原料の低温粉砕に関する技術開発を行っている。当セグメントにおける研究開発費は8千3百万円である。
Jacobi Carbons AB及び水澤化学工業㈱を含む大阪ガスケミカルグループでは、炭素材料・光電子材料・活性炭・保存剤・無機吸着剤等に係る研究開発を、㈱KRIはナノ材料や次世代電池等の先進材料・新エネルギーに係る研究開発を、オージス総研グループではソフトウェア及び情報システムに係る研究開発を行っている。当セグメントにおける研究開発費は27億3百万円である。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当期におけるわが国経済は、下期にかけて、原油安の一段の進行や円高・株安の傾向が見られたが、全体としては、企業業績や雇用環境が高水準を維持するなど、緩やかながらも景気の回復基調が続いた。
こうした経営環境において、当社グループは、長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、積極的に事業活動を展開してきた。
当期の売上高は、ガス事業における販売単価の下落及び販売量の減少等により、前期に比べて2,061億円減(△13.5%)の1兆3,220億円となった。経常利益は、LNG価格の下落に伴う原材料費の減少等によって、ガス事業の利益が増加したことなどにより、268億円増(+24.8%)の1,349億円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、上流事業で減損損失を計上したものの、ガス事業の利益が増加したことなどにより、76億円増(+9.9%)の843億円となった。
売上高は、前期に比べ2,061億円減(△13.5%)の1兆3,220億円となった。当社グループのセグメント別売上高の中で最も大きな割合を占めるガス事業セグメントの売上高は、前期に比べて1,884億円減(△16.6%)の9,485億円となった。
ガス販売量の状況を用途別に見ると、家庭用ガス販売量は、冬場の気温・水温が前年に比べて高く推移し給湯・暖房需要が減少したことなどにより、前期に比べて4.7%減の20億9千2百万m3となった。業務用ガス販売量は、工業用におけるお客さま設備の稼働減少等、商業用及び公用・医療用におけるお客さま設備の稼働減少や暖房需要の減少等により、前期に比べて2.3%減の54億9千1百万m3となった。他ガス事業者向けのガス販売量は、前期に比べて1.0%減の4億6千9百万m3となった。これらの結果、ガス販売量は、前期に比べて2.9%減の80億5千2百万m3となった。
ガス機器販売の状況を見ると、家庭用のガス機器については、給湯、暖房、調理等の機器・設備に加え、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」や、これと太陽光発電システムを組み合わせた「ダブル発電」等の商品の開発及び販売拡大に努めた。
平成28年2月、更に高い発電効率とコンパクト化を実現した「エネファームtype S」(固体酸化物形燃料電池)の新商品の開発・発売を発表した(平成28年4月発売)。戸建住宅に比べて設置スペースに制約のあるマンションへの設置や、現在お使いのガス給湯器を利用した発電ユニットのみの設置も可能となり、より幅広いお客さまにお使いいただくことができるようになった。
業務用のガス機器については、コージェネレーションシステム、冷暖房システム、厨房機器、ボイラ、工業炉・バーナ等の商品の開発及び販売拡大に努めるとともに、エンジニアリング力を活用し、お客さまのニーズに応じた高付加価値のソリューションの提供に努めた。
平成27年10月、運転効率を更に向上させた冷暖房システム「GHP XAIR(エグゼア)Ⅱ」を発売した。
LPG・電力・その他エネルギー事業セグメントの売上高は、前期に比べて15.3%減の2,064億円となった。
電力事業については、各地の火力発電設備、風力発電設備、太陽光発電設備が引き続き順調に稼働した。
平成27年9月、㈱ガスアンドパワーは、印南風力発電㈱の株式95%を取得し、和歌山県日高郡印南町に風力発電所(発電容量2.6万kW)の建設を行うことを決定した。
平成28年2月、兵庫県姫路市における天然ガス火力発電事業の検討及び準備を進めるため、当社と出光興産株式会社の共同出資により、姫路天然ガス発電㈱を設立することを決定した(平成28年4月設立)。
また、電力小売の全面自由化を契機に、電力小売事業に参入した。平成28年1月より申込みの受付を開始し、平成28年4月より供給を開始している(平成28年3月末時点の申込み件数:10万7千件)。
海外エネルギー事業セグメントの売上高は、前期に比べて36.4%増の187億円となった。
平成27年4月、米国メリーランド州におけるセントチャールズ天然ガス火力発電事業の事業会社の持分25%を取得することとし、同発電事業に参画した。発電所(発電容量72.5万kW)は現在建設中であり、平成29年の運転開始を予定している。
平成27年11月、タイにおいて、PTT Public Company Limited(タイ石油公社)の子会社との共同出資により、OGP Energy Solutions Co.,Ltd.を設立し、平成28年2月、産業用顧客向けの燃料転換エネルギーサービス事業を開始した。
平成27年12月、イタリアの都市ガス配給会社であるErogasmet S.p.A.に資本参加し、都市ガス配給事業に参画した。
ライフ&ビジネス ソリューション事業セグメントの売上高は、前期に比べて6.8%増の2,217億円となった。
材料ソリューション事業を展開する大阪ガスケミカル㈱は、平成27年4月、無機系吸着剤や樹脂添加剤等の製造・販売を行う水澤化学工業㈱の株式の過半数を取得し、平成28年3月には、同社を完全子会社とした。
売上原価は、前期に比べて2,562億円減(△23.9%)の8,147億円となった。供給販売費及び一般管理費は前期に比べて84億円増(+2.4%)の3,605億円となった。
ガス事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて451億円増(+89.3%)の956億円となった。
LPG・電力・その他エネルギー事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて125億円減(△29.6%)の297億円となった。
海外エネルギー事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて105億円増の43億円となった。
ライフ&ビジネス ソリューション事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて16億円増(+10.0%)の179億円となった。
以上の結果、営業利益は前期に比べ、416億円増(+39.6%)の1,466億円となった。
営業外収益は、前期に比べて129億円減の98億円となった。これは持分法による投資利益が減少したことなどによるものである。
営業外費用は、前期に比べて18億円増の215億円となった。これは持分法による投資損失を計上したことなどによるものである。
この結果、営業利益に営業外損益を加えた経常利益は、前期に比べて268億円増(+24.8%)の1,349億円となった。
特別利益は、前期に比べて134億円減の24億円となった。これは前期に投資有価証券売却益を計上したことなどによるものである。
特別損失は、前期に比べて118億円増の145億円となった。これは当期に上流事業の減損損失(注) を計上したことなどによるものである。
(注)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 e 連結損益計算書関係」の「※5 減損損失」を参照。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べて76億円増(+9.9%)の843億円となった。連単倍率は、前期に比べて0.08ポイント低下し、1.01となった。1株当たり当期純利益は、前期の36.86円に対し、当期は40.53円となった。
(注) 上記のセグメント別売上高、営業利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前期に比べて1,249億円増の2,818億円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益1,228億円が前期に比べて14億円増加したこと、たな卸資産の減少額243億円が前期に比べて392億円増加したこと、売上債権の減少額238億円が前期に比べて197億円増加したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて334億円支出増の1,441億円の支出となった。これは、長期貸付けによる支出77億円が前期に比べて75億円増加したこと、関係会社株式の取得による支出259億円が前期に比べて74億円増加したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて1,136億円支出増の907億円の支出となった。これは、長期借入れによる収入154億円が前期に比べて561億円減少したこと、社債の償還による支出531億円が前期に比べて315億円増加したことなどによるものである。
以上の活動の結果に、現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた当期のキャッシュ・フローは465億円のプラスとなり、前期に比べて258億円の収入の減少となった。
なお、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期に比べて465億円増の2,093億円となった。
当期末の総資産は1兆8,297億円となり、前期に比べて324億円減少した。これは、固定資産が退職給付に係る資産の減少等により前期に比べて107億円減少したこと、流動資産がたな卸資産及び売掛債権の減少等により前期に比べて217億円減少したことによるものである。
当期末の負債は8,939億円となり、前期に比べて493億円減少した。これは、社債が減少したことなどによるものである。
当期末の純資産は9,357億円となり、前期に比べて169億円増加した。これは株主資本が利益剰余金の増加等により前期に比べて629億円増加したこと、その他の包括利益累計額が退職給付に係る調整累計額の減少等により前期に比べて448億円減少したことなどによるものである。
以上の結果、当期末の自己資本比率は49.5%となり、前期に比べて1.8ポイント増加した。
財務分野の活動については、当社グループの事業戦略を実現するために、グループ全体の財務体質の維持・向上、必要資金の最適な調達、財務上のリスクへの適切な対応に取り組んでいる。平成26年3月に平成26年度から平成28年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Catalyze Our Dreams」を策定し、新たに経営目標を定めた。財務の健全性を維持する指標としては、グループの〔有利子負債/自己資本〕の比率を0.7程度、自己資本比率を50%以上に維持することを目安としている。
これまでの取組みとして、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)等のグループ全体の資金効率向上策、フリーキャッシュフローを活用した有利子負債の削減や自己株式取得等の投下資本効率の向上策の実施のほか、事業遂行上の様々なリスクによる収益変動をヘッジするための財務リスクマネジメントへの取組みなどに注力し、財務体質の強化を図ってきた。
当期においては、有利子負債は前期に比べて667億円減少する一方、利益剰余金の増加により自己資本は増加し、〔有利子負債/自己資本〕の比率は0.6、自己資本比率は49.5%となっており、財務体質の健全性を維持している。
今後も当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力と健全な財務状況を有することにより、将来にわたり企業成長に必要な資金調達が可能であると考えている。