第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期におけるわが国経済は、上期に、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減があったが、下期には、原油安や円安・株高が進んだ。また、好調な米国経済に支えられ、輸出企業を中心に業績が上向くなど、今後の景気回復に期待が持てる年となった。

こうした経営環境において、当社グループは、長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、積極的に事業活動を展開してきた。

当期の売上高は、ガス販売量が減少したものの、原料費調整制度に基づき都市ガスの販売単価が高めに推移したことなどにより、前期に比べて155億8千2百万円増(+1.0%)の1兆5,281億6千4百万円となった。経常利益は、ガス事業での増益等により、21億2千9百万円増(+2.0%)の1,081億7千3百万円となった。また、当期純利益は、投資有価証券売却益の計上や前期の減損損失の影響等により、349億8千3百万円増(+83.8%)の767億9百万円となった。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりである。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前期との比較は、変更後の報告セグメントに基づいている。

①  ガス

お客さま数(取付メーター数)は、前期末に比べて0.8%増722万4千戸となった。

ガス販売量は、前期に比べて3.1%減82億9千万m3となった。このうち、家庭用ガス販売量は、冬場の気温が前年に比べて高く推移し暖房需要が減少したことなどにより、前期に比べて0.5%減21億9千6百万m3となった。

業務用その他のガス販売量については、工業用における一部の発電設備の自社電源化やお客さま設備の稼働減少等、商業用及び公用・医療用における冷房需要の減少等により、前期に比べて4.0%減60億9千5百万m3となった。

売上高は、原料費調整制度に基づき都市ガスの販売単価が高めに推移したことなどにより、前期に比べて174億4千8百万円増(+1.6%)の1兆1,369億7千5百万円となった。セグメント利益は、前期に比べて182億1千6百万円増(+56.8%)の502億9千3百万円となった。

 

②  LPG・電力・その他エネルギー

売上高は、LPG事業の減収等により、前期に比べて173億1千4百万円減(△6.6%)の2,437億4千6百万円となり、セグメント利益は、前期に比べて36億4千8百万円減(△8.0%)の416億9千7百万円となった。

 

③  海外エネルギー

売上高は、前期に比べて3億4千1百万円増(+2.6%)の137億1千4百万円となった。セグメント利益は、当社子会社が出資するフリーポートLNGデベロップメント社の気化事業整理に伴う一時的な減益等により、前期に比べて69億6千8百万円減(△84.7%)の12億6千1百万円となった。

 

④  ライフ&ビジネス ソリューション

売上高は、活性炭の製造・販売を行うJacobi Carbons ABを新規連結したことなどにより、前期に比べて109億7千4百万円増(+5.6%)の2,075億2千1百万円となった。セグメント利益は、同社の、のれん償却等により、前期に比べて23億1千9百万円減(△12.3%)の165億8千1百万円となった。

 

(注) 1  上記のセグメント別売上高、セグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。

2  本報告書では、ガス量はすべて1m3当たり45MJ(メガジュール)で表示している。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べて724億3千3百万円増加して1,627億9千3百万円となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益が増加したことなどにより、たな卸資産の増加や法人税等の支払額の増加影響はあったものの、当期において営業活動の結果得られた資金は1,569億8百万円となり、前期に比べて26億8千3百万円の収入の増加となった。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の売却による収入や投資有価証券の売却による収入が増加したこと、前期に計上した子会社株式の取得による支出が減少したことなどにより、当期において投資活動に使用した資金は1,107億4百万円となり、前期に比べて648億8千7百万円の支出の減少となった。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

長期借入金の返済による支出が減少したことなどにより、当期における財務活動は228億9千2百万円の収入となり、前期に比べて187億2千8百万円の収入の増加となった。

 

以上の3つのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額を合計した当期の連結キャッシュ・フローは、プラスの724億3千3百万円となった。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループにおいては、ガス事業セグメントにおいて当社及び名張近鉄ガス㈱等が営むガス販売が、生産・販売活動の中心となっている。また、当該セグメント以外のセグメントが生産・販売する製品やサービスは広範囲かつ多様であり、受注形態をとらないものも多い。

このため、以下は、ガス事業セグメントにおけるガス販売について記載している。

(1) 生産実績

(ガス)

当連結会計年度における生産実績は次のとおりである。

 

製品

生産量(千m3)

前期比(%)

ガス

8,411,903

△3.3

 

 

(2) 受注状況

(ガス)

ガス販売については、その性質上受注生産は行わない。

 

 

(3) 販売実績

(ガス)

製造所から導管により直接お客さまに販売しているが、一部については卸供給を行っている。

当連結会計年度における販売実績は次のとおりである。

 

項目

数量(千m3)

金額(百万円)

 

家庭用

2,195,524

(△0.5)

392,485

(+3.4)

ガス販売量

業務用その他

6,094,612

(△4.0)

550,894

(+2.1)

 

8,290,137

(△3.1)

943,379

(+2.6)

ガスお客さま数

 

7,224千戸

(+0.8)

 

1戸当たり月平均使用量

 

105.8

m3

(△3.8)

 

 

(注) 1  (  )内数値は前期比(%)である。

2  セグメント間取引を含んでいる。

 

(4) 生産、受注及び販売等に関する特記事項

①  ガス料金(当社)
a  平成26年4月1日から平成26年4月30日までの適用料金

供給約款料金に対しては、消費税率の改定を反映した下記の料金表が適用される。また、原料費調整(スライド)制度により、調整の必要がある場合は、下記の基準単位料金に代えて調整単位料金が適用される。なお、供給約款料金以外の料金として選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向けの料金がある。

(a) 料金表(供給約款料金)

ガス料金は基本料金及び従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・E・Fのいずれかの料金表が適用される。

 

月間使用量区分

料金表A

料金表B

料金表C

料金表D

料金表E

料金表F

(月間使用量20m3まで)

(月間使用量20m3超50m3まで)

(月間使用量50m3超100m3まで)

(月間使用量100m3超200m3まで)

(月間使用量200m3超500m3まで)

(月間使用量500m3超)

基本料金
(1ヶ月当たり)(円)

745.20

1,296.00

1,481.14

1,748.57

3,281.14

6,654.85

基準単位料金
(1
m3当たり)(円)

175.42

147.88

144.18

141.51

133.84

127.10

 

(注) 1  基本料金は、ガスメーター1個についての料金であり、従量料金は、使用量に基準単位料金又は調整単位料金を乗じて算定する。

2  延滞利息制度

    ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%(年率約10%)の率で算定した延滞利息が発生する。

 

(b) 原料費調整(スライド)制度

原料費調整(スライド)制度とは、LNGやLPG等の原料価格の変動に応じて、ガス料金の基準単位料金を調整するしくみである。

平成26年4月は、上記a(a)料金表の基準単位料金に対し、次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用された。

 

検針月

1m3当たり調整額
(円/m3)<税込>

平成26年4月

+17.40

 

 

 

b  平成26年5月1日から平成26年12月31日までの適用料金

供給約款料金に対しては、石油石炭税率の改定を反映した下記の料金表が適用される。また、原料費調整(スライド)制度により、調整の必要がある場合は、下記の基準単位料金に代えて調整単位料金が適用される。なお、供給約款料金以外の料金として選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向けの料金がある。

(a) 料金表(供給約款料金)

ガス料金は基本料金及び従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・E・Fのいずれかの料金表が適用される。

 

月間使用量区分

料金表A

料金表B

料金表C

料金表D

料金表E

料金表F

(月間使用量20m3まで)

(月間使用量20m3超50m3まで)

(月間使用量50m3超100m3まで)

(月間使用量100m3超200m3まで)

(月間使用量200m3超500m3まで)

(月間使用量500m3超)

基本料金
(1ヶ月当たり)(円)

745.20

1,296.00

1,481.14

1,748.57

3,281.14

6,654.85

基準単位料金
(1
m3当たり)(円)

175.63

148.09

144.39

141.72

134.05

127.31

 

(注) 1  基本料金は、ガスメーター1個についての料金であり、従量料金は、使用量に基準単位料金又は調整単位料金を乗じて算定する。

2  延滞利息制度

ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%(年率約10%)の率で算定した延滞利息が発生する。

 

(b) 原料費調整(スライド)制度

原料費調整(スライド)制度とは、LNGやLPG等の原料価格の変動に応じて、ガス料金の基準単位料金を調整するしくみである。

平成26年5月から平成26年12月は、上記b(a)料金表の基準単位料金に対し、次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用された。

 

検針月

1m3当たり調整額
(円/m3)<税込>

平成26年5月

+19.85

〃   6月

+20.64

〃   7月

+20.29

〃   8月

+19.59

〃   9月

+18.80

〃   10月

+17.49

〃   11月

+16.88

〃   12月

+16.62

 

 

c  平成27年1月1日から平成27年3月31日までの適用料金

供給約款料金に対しては、ガス料金改定(平成27年1月1日実施)後の下記の料金表が適用される。また、原料費調整(スライド)制度により、調整の必要がある場合は、下記の基準単位料金に代えて調整単位料金が適用される。なお、供給約款料金以外の料金として選択約款料金及び個別の交渉に基づく大口需要家向けの料金がある。

 

(a) 料金表(供給約款料金)

ガス料金は基本料金及び従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・E・F・G・Hのいずれかの料金表が適用される。

 

月間使用量区分

料金表A

料金表B

料金表C

料金表D

料金表E

料金表F

料金表G

料金表H

(月間使用量20m3まで)

(月間使用量20m3超50m3まで)

(月間使用量50m3超100m3まで)

(月間使用量100m3超200m3まで)

(月間使用量200m3超350m3まで)

(月間使用量350m3超500m3まで)

(月間使用量500m3超1,000m3まで)

(月間使用量1,000m3超)

基本料金
(1ヶ月当たり)(円)

745.20

1,337.40

1,595.90

2,021.90

3,423.90

3,738.90

6,818.90

7,138.90

基準単位料金
(1
m3当たり)(円)

191.14

161.53

156.36

152.10

145.09

144.19

138.03

137.71

 

(注) 1  基本料金は、ガスメーター1個についての料金であり、従量料金は、使用量に基準単位料金又は調整単位料金を乗じて算定する。

2  延滞利息制度

ガス料金の支払いが支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した場合に、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%(年率約10%)の率で算定した延滞利息が発生する。

 

(b) 原料費調整(スライド)制度

原料費調整(スライド)制度とは、LNGやLPG等の原料価格の変動に応じて、ガス料金の基準単位料金を調整するしくみである。

平成27年1月から平成27年3月は、上記c(a)料金表の基準単位料金に対し、次のとおりの調整を行った調整単位料金が適用された。

 

検針月

1m3当たり調整額
(円/m3)<税込>

平成27年1月

+1.04

〃   2月

+3.84

〃   3月

+7.26

 

 

②  原料(当社)

最近2事業年度における原料の受入量、払出量及び在庫量の推移は次のとおりである。

 

原料名

平成25年度
(平成25年4月から平成26年3月)

平成26年度
(平成26年4月から平成27年3月)

受入量

払出量

期末在庫量

受入量

払出量

期末在庫量

LNG(千t)

7,062

7,129

387

7,046

6,890

543

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 経営課題

当社グループは、エネルギー政策において重要なエネルギー源と位置付けられる天然ガスを中心に、電力やLPGを含めたエネルギーと関連サービス、及び材料や情報等のエネルギー以外の様々な商品とサービスを通じて、お客さまや社会に価値を提供していくことを目指している。そして、国内外の景気や電力・ガスシステム改革等の政策の動向等、経営環境の変化に的確に対応し、経営効率化を進めることにより、持続的な成長を実現することが最大の経営課題であると認識している。

(2) 大阪ガスグループ企業理念

平成27年3月、従来の経営の基本理念等を整理し、「大阪ガスグループ企業理念」を取りまとめた。

「暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループ」となることを目指し、「お客さま価値」の創造を第一に、これを「社会価値」「株主さま価値」「従業員価値」の創造につなげるよう、事業活動を進めていく。

(3) 平成27年度重点課題

長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、以下のとおり、課題に取り組む。

①  エネルギー事業

電力・ガスシステム改革を成長のチャンスととらえ、ガス・電力等のエネルギー供給に、ガス機器やサービスを組み合わせて提供する「総合エネルギー事業」として、お客さまの様々なニーズにお応えしていく。

a  安定的、経済的な原料調達、アップストリーム(開発・生産)・液化事業の推進

多数の生産者から分散して調達することにより、天然ガス等の原料の安定確保に努めるとともに、契約価格指標の多様化により、市場競争力を高める原料調達を目指す。

また、天然ガスの安定調達と収益獲得のため、現在取り組んでいる液化事業・ガス田等のプロジェクトや、非在来型ガス開発プロジェクトも含めた新規権益の取得等、アップストリーム事業を着実に推進していく。

b  電力事業の拡大

LNG火力発電・石炭火力発電・再生可能エネルギー発電・電源コージェネレーションシステム等、全国での新規電源の開発等を通じて、電力事業の拡大に向けた取り組みを進める。

c  安定供給と保安の確保

ガス製造・供給設備、発電設備等の維持・増強・改修、地震・津波対策等に継続的に取り組む。また、万一のガス漏れ等緊急時への対応を引き続き行い、お客さま先の保安の確保に貢献していく。

d  国内外でのエネルギービジネス拡大

燃料電池等のガスコージェネレーションシステムやガス冷暖房の普及等を通じた天然ガスの利用拡大を進め、お客さまの快適な生活、省エネルギーや災害時の事業継続に貢献していく。

また、保有する事業ノウハウを活用し、国内外で幅広くエネルギービジネスを拡大する。

国内では、各地のエネルギー事業者との連携を図るとともに、自社のガス高圧導管の利用等により、天然ガス・LPGの普及活動を進める。

海外でも、ガス事業・電力事業・エネルギーサービス事業等の運営と新規案件の開発に、着実に取り組む。

e  電力・ガスシステム改革への対応

電力・ガス小売全面自由化による競争環境の変化に向けた組織体制等の見直しや、業務フロー・ITシステムの整備を進めるとともに、ガス導管事業の中立性を一層向上させる取り組みを進めていく。

②  ライフ&ビジネス ソリューション事業

エネルギー事業で培った技術と知見を基盤に、お客さまの豊かな暮らしやビジネスの発展に貢献していく。材料・情報・都市開発等の事業では、固有の強みを活かした商品・サービスを提供することで、国内外のお客さまの快適・便利・健康の実現に貢献していく。

③  経営基盤
a  技術開発の推進

燃料電池をはじめとするガス機器・設備の更なる高効率化とコストダウン、水素・材料・情報に関する技術開発、資源開発・発電等の分野におけるエンジニアリング技術の活用を推進する。

b  CSRへの取り組み

「大阪ガスグループCSR憲章」に基づき、グループ全体のCSR水準を一層高め、お客さまや社会からの更なる信頼獲得に努めるとともに、国内外において当社グループのサプライチェーンに関わる皆さまにもご理解いただくよう努める。

c  人材・組織の強化

持続的な成長の実現に向け、人材の育成を進めていく。また、人材の多様性を高め、新しい価値を生み出せる柔軟で強靭な組織を目指す。

(4) おわりに

グループの内部統制システムの運用状況の確認及び評価を継続的に行い、所要の措置を講じることにより、実効性の高い内部統制を行っていく。これらの仕組みのもと、以上の課題に対処するとともに、「大阪ガスグループ企業理念」を実践し、持続的成長に向けて不断の努力を続けていく。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。

(1) 当社グループの事業全体に関するリスク

①  経済金融社会情勢、景気等の変動、市場の縮小

国内、海外における経済、金融、社会情勢、景気等の悪化による、売上高の減少や資金調達の不調、共同事業者、取引先の倒産、人口減少や工場の海外移転等

②  為替、調達金利の変動
③  大規模な災害、事故、感染症等の発生

大規模な自然災害、テロ、事故の発生、新型インフルエンザ等感染症の大規模な流行

④  各種政策、法令、制度等の変更

ガス事業法、電気事業法、会社法、金融商品取引法や、環境に関する法令等、国内外の政策、法令、制度等の変更

⑤  競争の激化

ガス事業をはじめとするあらゆる事業分野における、他事業者との競争激化

⑥  基幹ITシステムの停止、誤作動

ガスの製造、供給や料金に関するシステム等、基幹的なITシステムの停止、誤作動

⑦  情報漏洩

当社グループが保有するお客さま情報、技術情報をはじめとする、業務上取り扱う重要情報の社外流出

⑧  コンプライアンス違反、取扱商品・サービスの品質に関するトラブル

法令等に反する行為が発生した場合、及び当社グループが取り扱う商品・サービスに関する品質上のトラブルが発生した場合における、対応に要する費用の支出や社会的信用の低下

 

(2) 当社グループの主要な事業に関するリスク

①  国内エネルギー事業
a  気温、水温の変動によるエネルギー需要への影響
b  原燃料費の変動

原油価格、為替相場の変動、調達先との契約更改や価格交渉の動向等による原燃料費の変動

※LNG価格の変動については、原料費調整制度の適用によりガス販売価格に反映して概ね相殺することが可能だが、反映までのタイムラグや、原料調達先の構成により影響を受ける可能性がある。

c  原燃料調達に関するトラブル

ガス、電力の原燃料であるLNG等の、調達先の設備や操業等に関するトラブル

d  ガスの製造、供給に関するトラブル

自然災害や事故等による、ガスの製造、供給に関するトラブル

e  発電、電力の供給に関するトラブル

自然災害や事故、燃料調達トラブル等による、発電、電力の供給に関するトラブル

f  ガス消費機器、設備に関するトラブル

ガスの消費機器、設備に関する重大なトラブル

②  海外エネルギー事業

当社グループが事業を行っている国における政策、規制の実施や変更、経済社会情勢の悪化等によるプロジェクトの遅延・中止や採算の悪化等の事業環境の変化、又は資源開発事業における技術等の要因

 

当社グループは、以上のリスクに備え、為替、原料等のデリバティブ、災害保険等の各種保険、基幹ITシステムのセキュリティ向上、コンプライアンスや情報管理の徹底、業務執行状況の適切な把握と監督、保安、災害対策、事業継続計画の策定・見直し等によって、リスク発生時の業績への影響を低減するように努める。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

6 【研究開発活動】

当社において、研究開発は最も重要な成長戦略の一つである。保安の確保・向上はもちろんのこと、業務の効率化や設備関連費用の低減、需要家サービスの向上、更にはクリーンエネルギー=天然ガスの効率的な利用の拡大を目指して、様々な新技術の研究開発、実用化に積極的に取り組んでいる。

当社は、コア技術として、石炭・石油から都市ガスを製造していた時代からの触媒技術や環境浄化技術、炭素系材料技術に加え、LNG気化器やPC(プレストレスト・コンクリート)型LNGタンク、LNG冷熱発電等、LNG受入基地の設計・建設技術を保有している。また、我が国で最初に実用機を設置した天然ガスコージェネレーションシステムに関連する技術、燃料電池関連技術、低炭素化社会に対応した技術として再生可能エネルギーを利用したシステム開発、スマート関連技術の実証実験、将来のエネルギー供給形態として注目されている水素に関する技術、排水・廃棄物からエネルギーを取り出す技術の開発にも注力している。

更に最近では、これらのコア技術に加えて、有機材料・活性炭等各種材料の開発、情報通信技術等、エネルギー分野にとどまらず、ライフ&ビジネス ソリューション分野への取組みを進めている。知的財産分野では、保有特許分析等に基づく戦略的な知的財産戦略を展開している。また、当社保有技術と外部の保有技術を積極的に融合・活用することにより、開発の加速と効率化、新規技術・商品開発の創出を図る「オープン・イノベーション」活動を積極的に推進している。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は114億3千4百万円で、各セグメント別の研究目的・主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりである。

(ガス)

当社は、ガスの製造、供給及び拡販に寄与する研究開発を行っている。

ガス製造分野では、安定操業・安定供給を確保するためのLNG基地製造設備の建設・診断・評価技術に取り組んでいる。

ガスの輸送・供給分野では、保安レベルの維持・向上や災害発生時の迅速な復旧を目的とした研究開発、非開削工法・検査・修繕技術等ガス導管の建設・保全費用の低減を目指した研究開発を行っている。

家庭用ガス利用分野では、小型で高効率な燃料電池やガスエンジンを用いた家庭用コージェネレーションシステムの推進に取り組んでいる。更に、家庭用燃料電池と太陽光電池と蓄電池等を組み合わせることによって、エネルギーの「見える化」や最適制御等更なる省エネルギーを実現する「スマートエネルギーハウス」、実験集合住宅(NEXT21)における停電時の影響や電力需給逼迫を緩和するエネルギーシステムの実証実験を行っている。また、スマートコンロ等のガラストップコンロ、高効率給湯器、床暖房、ミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機等の家庭用ガス機器の開発、ガス機器とスマートフォンとの連携等のICTを活用した先進的なガス機器開発等にも取り組んでいる。

業務用・産業用ガス利用分野では、様々なニーズに応えるバーナ・工業炉の開発や、ガスコージェネレーションシステム・ガスヒートポンプを用いた空調機等、省エネルギーに貢献する機器の更なる高効率化、生ごみ等からバイオガスを発生させるバイオガス化装置の開発、遠隔モニタリングを活用した省エネ支援サービス向けのシステム開発等、エネルギービジネスの推進を図るための商品開発を実施している。近年では、再生可能エネルギーとコージェネから生み出される電力と熱を広域的に融通して、ICTで最適制御することにより、システム全体のエネルギー使用量、CO2排出量の最小化を目指すとともに、電力の安定供給、災害時のエネルギーセキュリティにも貢献する次世代エネルギーシステム「スマートエネルギーネットワーク」の実証実験や、その成果を活用し、電力需給逼迫時にお客さまのガスコージェネレーションの運転を促すことにより、受電電力を低減する新しいエネルギーサービスの試行にも取り組んでいる。

また、当社が保有する技術を活用し、今後普及が見込まれる燃料電池自動車に燃料を供給する水素ステーション等に導入可能な水素製造装置の商品化開発、バイオガス等の新エネルギーに関する研究開発にも取り組んでいる。

当セグメントにおける研究開発費は87億8千5百万円である。

(LPG・電力・その他エネルギー)

㈱リキッドガスは、産業ガスや水素オンサイト事業の需要拡大に繋がるシステム技術や新商品の開発、冷熱を利用した各種樹脂・食品原料の低温粉砕に関する技術開発を行っている。当セグメントにおける研究開発費は7千8百万円である。

 

(ライフ&ビジネス ソリューション)

Jacobi Carbons ABを含む大阪ガスケミカルグループでは、有機材料・炭素材料・光電子材料・活性炭・保存剤等に係る研究開発を、㈱KRIはナノ材料や次世代電池等の先進材料・新エネルギーに係る研究開発を、オージス総研グループではソフトウェア及び情報システムに係る研究開発を行っている。当セグメントにおける研究開発費は25億7千万円である。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 経営成績の分析

①  概要

当期におけるわが国経済は、上期に、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減があったが、下期には、原油安や円安・株高が進んだ。また、好調な米国経済に支えられ、輸出企業を中心に業績が上向くなど、今後の景気回復に期待が持てる年となった。

こうした経営環境において、当社グループは、長期経営ビジョン「Field of Dreams 2020」・中期経営計画「Catalyze Our Dreams」の実現に向け、積極的に事業活動を展開してきた。

当期の売上高は、ガス販売量が減少したものの、原料費調整制度に基づき都市ガスの販売単価が高めに推移したことなどにより、前期に比べて155億円増(+1.0%)の1兆5,281億円となった。経常利益は、ガス事業での増益等により、21億円増(+2.0%)の1,081億円となった。また、当期純利益は、投資有価証券売却益の計上や前期の減損損失の影響等により、349億円増(+83.8%)の767億円となった。

 

②  売上高

売上高は前期に比べ155億円増(+1.0%)の1兆5,281億円となった。当社グループのセグメント別売上高の中で最も大きな割合を占めるガス事業セグメントの売上高は、原料費調整制度に基づき都市ガスの販売単価が高めに推移したことなどにより、前期に比べて174億円増(+1.6%)の1兆1,369億円となった。

ガス販売量の状況を用途別に見ると、家庭用ガス販売量は、冬場の気温が前年に比べて高く推移し暖房需要が減少したことなどにより、前期に比べて0.5%減21億9千6百万m3となった。業務用ガス販売量は、工業用における一部の発電設備の自社電源化やお客さま設備の稼働減少等、商業用及び公用・医療用における冷房需要の減少等により、前期に比べて4.4%減56億2千1百万m3となった。他ガス事業者向けのガス販売量は、前期に比べて1.0%増4億7千4百万m3となった。これらの結果、ガス販売量は、前期に比べて3.1%減82億9千万m3となった。

ガス機器販売の状況を見ると、家庭用のガス機器については、給湯、暖房、調理等の機器・設備に加え、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」や、これと太陽光発電システムを組み合わせた「ダブル発電」等の商品の開発及び販売拡大に努めた。

平成26年9月には、「エネファーム」の累計販売台数が3万台を突破した。また、機能やデザインを進化させたSiセンサーコンロ「スマートコンロ」を発売した。

業務用のガス機器については、コージェネレーションシステム、冷暖房システム、厨房機器、ボイラ、工業炉・バーナ等の商品の開発、高効率化及び販売拡大に努めた。これらの機器に加えて、これまで蓄積してきたエンジニアリング力を活用し、お客さまのニーズに応じた高付加価値のソリューションの提供に努めた。

また、平成27年1月、京セラドーム大阪(大阪市西区)の隣接地である当社発祥の地において、食と住まいの情報発信拠点「hu+gMUSEUM(ハグミュージアム)」をオープンした。

LPG・電力・その他エネルギー事業セグメントの売上高は、LPG事業の減収等により、前期に比べて6.6%減2,437億円となった。

電力事業については、泉北天然ガス発電所等の火力発電設備や、各地の風力発電設備・太陽光発電設備が引き続き順調に稼働した。

平成27年3月、山口県宇部市における石炭火力発電設備(発電容量1,200MW級予定)による発電事業の検討及び準備を進めるため、当社、電源開発株式会社及び宇部興産株式会社の共同出資により、山口宇部パワー㈱を設立した。

平成26年7月、広島ガス株式会社との間で、当社が平成28年から約15年間にわたり同社に液化天然ガス(LNG)を供給する契約を締結した。また、平成27年3月、静岡ガス株式会社へのLNGの供給を開始した。同社に対し、当社が購入するLNGの一部を20年間にわたり供給する予定である。

海外エネルギー事業セグメントの売上高は、前期に比べて2.6%増137億円となった。

米国フリーポートLNGプロジェクトについて、平成26年7月、米国連邦エネルギー規制委員会が建設許可を発行し、主要な許認可が出揃った。また、このプロジェクトにおいて、同年10月、プロジェクトファイナンスによる融資契約を締結するなど、液化事業の開始に向けて着実に準備を進めている。

また、平成27年6月、米国・メリーランド州においてセントチャールズ天然ガス火力発電所を建設中であるCPV Maryland,LLCの持分25.0%を、丸紅株式会社の100%子会社であるMC St Charles, LLCから取得した。

ライフ&ビジネス ソリューション事業セグメントの売上高は、活性炭の製造・販売を行うJacobi Carbons ABを新規連結したことなどにより、前期に比べて5.6%増2,075億円となった。

材料ソリューション事業を展開する大阪ガスケミカル㈱は、平成27年4月、無機系吸着剤や樹脂添加剤等の製造・販売を行う水澤化学工業株式会社の株式54.2%を、武田薬品工業株式会社から取得した。

また、㈱オージーキャピタルは、平成26年6月、地域情報誌「ぱど」等のフリーペーパー事業等を展開する㈱エルネットの全株式を譲渡するとともに、平成27年3月、ブライダル事業等を展開する㈱プラネットワークの全株式を譲渡し、選択と集中を着実に進めている。

 

③  売上原価、供給販売費及び一般管理費

売上原価は前期に比べてほぼ前年並みの1兆710億円となった。供給販売費及び一般管理費は前期に比べて102億円増(+3.0%)の3,520億円となった。

 

④  営業利益

ガス事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて164億円増(+48.2%)の505億円となった。

LPG・電力・その他エネルギー事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて23億円減(△5.2%)の422億円となった。

海外エネルギー事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて54億円減△62億円となった。

ライフ&ビジネス ソリューション事業セグメントでは、営業利益は、前期に比べて24億円減(△13.2%)の162億円となった。

以上の結果、営業利益は前期に比べ、56億円増(+5.7%)の1,050億円となった。

 

⑤  営業外損益、経常利益

営業外収益は、前期に比べて52億円増228億円となった。これは為替差益が増加したことなどによるものである。

営業外費用は、前期に比べて88億円増197億円となった。これは雑支出が増加したことなどによるものである。

この結果、営業利益に営業外損益を加えた経常利益は、前期に比べて21億円増(+2.0%)の1,081億円となった。

 

⑥  特別損益

特別利益は、前期に比べて99億円増159億円となった。これは当期に投資有価証券売却益を計上したことなどによるものである。

特別損失は、前期に比べて274億円減26億円となった。これは前期に減損損失(注) を計上したことなどによるものである。

(注)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 e 連結損益計算書関係」の「※5 減損損失」を参照。 

 

⑦  当期純利益

以上の結果、当期純利益は、前期に比べて349億円増(+83.8%)の767億円となった。連単倍率は、前期に比べて0.58ポイント低下し、1.09となった。1株当たり当期純利益は、前期の20.04円に対し、当期は36.86円となった。

 

(注)  上記のセグメント別売上高、営業利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。

 

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①  キャッシュ・フロー

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前期に比べて26億円増1,569億円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益1,214億円が前期に比べて395億円増加したこと、たな卸資産の増加額149億円が前期に比べて177億円増加したこと、法人税等の支払額389億円が前期に比べて93億円増加したことなどによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて648億円支出減1,107億円の支出となった。これは、有形固定資産の売却による収入82億円が前期に比べて71億円増加したこと、投資有価証券の売却による収入141億円が前期に比べて64億円増加したこと、前期に計上した連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出398億円が減少したことなどによるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べて187億円収入増228億円の収入となった。これは、長期借入金の返済による支出174億円が前期に比べて194億円減少したことなどによるものである。

以上の活動の結果に、現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた当期のキャッシュ・フローは724億円のプラスとなり、前期に比べて915億円の収入の増加となった。

なお、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期に比べて724億円増1,627億円となった。

 

②  資産・負債及び純資産

当期末の総資産は1兆8,622億円となり、前期に比べて1,938億円増加した。これは、固定資産が建設仮勘定や投資有価証券の増加等により前期に比べて968億円増加したこと、流動資産が現金及び預金の増加等により前期に比べて969億円増加したことによるものである。

当期末の負債は9,433億円となり、前期に比べて1,035億円増加した。これは、長期借入金が増加したことなどによるものである。

当期末の純資産は9,188億円となり、前期に比べて903億円増加した。これは株主資本が利益剰余金の増加等により前期に比べて614億円増加したこと、その他の包括利益累計額が保有株式の時価上昇等により前期に比べて280億円増加したことなどによるものである。

以上の結果、当期末の自己資本比率は47.7%となり、前期に比べて0.2ポイント低下した。

 

③  財務政策

財務分野の活動については、当社グループの事業戦略を実現するために、グループ全体の財務体質の維持・向上、必要資金の最適な調達、財務上のリスクへの適切な対応に取り組んでいる。平成26年3月に平成26年度から平成28年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Catalyze Our Dreams」を策定し、新たに経営目標を定めた。財務の健全性を維持する指標としては、グループの〔有利子負債/自己資本〕の比率を0.7程度、自己資本比率を50%以上に維持することを目安としている。

これまでの取組みとして、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)等のグループ全体の資金効率向上策、フリーキャッシュフローを活用した有利子負債の削減や自己株式取得等の投下資本効率の向上策の実施のほか、事業遂行上の様々なリスクによる収益変動をヘッジするための財務リスクマネジメントへの取組みなどに注力し、財務体質の強化を図ってきた。

当期においては、有利子負債は前期に比べて603億円増加する一方、利益剰余金の増加により自己資本は増加し、〔有利子負債/自己資本〕の比率は0.7、自己資本比率は47.7%となっており、財務体質の健全性を維持している。

今後も当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力と健全な財務状況を有することにより、将来にわたり企業成長に必要な資金調達が可能であると考えている。