(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、昨年来の積極的な金融政策、財政政策等の効果に加えて、海外経済の緩やかな持ち直し、消費増税前の駆け込み需要により、回復傾向となった。
また、我が国のエネルギー市場では、将来を見据えたエネルギーのあり方が改めて問われており、こうした状況の中で、経済性、供給安定性、利便性、環境性に優れた天然ガスに対する社会からの期待はより一層高まっている。
このような経済情勢及び経営環境の下、当社グループは、「エネルギーと未来のために 東京ガスグループが目指すこと。~チャレンジ2020ビジョン~」(以下、「チャレンジ2020ビジョン」)の実現に向けて、「LNGバリューチェーンの高度化」(付加価値の増大・エリアの拡大)を進めている。
こうした懸命な取り組みもあり、発電用ガスの一部をトーリング契約へ変更したこと等によるガス販売量の減少があったものの、円安影響等に伴う原料費調整による売上単価増等により都市ガス売上高が増加したことに加え、LNG販売の増加等によりその他エネルギー売上高が増加したこと等から、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ196,478百万円増加し、2,112,117百万円となった(前期比10.3%増)。
一方、経営効率化の一層の推進を図り、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたものの、円安影響等からガス原材料費が増加したことに加え、LNG販売の増加等に伴いその他エネルギーに関わる費用が増加した結果、営業費用は、前連結会計年度に比べ176,066百万円増加し、1,946,072百万円となった(前期比9.9%増)。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ20,411百万円増加し、166,044百万円となり(前期比14.0%増)、経常利益は159,613百万円(前期比8.2%増)となった。また、当連結会計年度は固定資産売却益1,074百万円を特別利益に、減損損失2,337百万円を特別損失に計上し、法人税等を計上した結果、当期純利益は108,451百万円となった(前期比6.7%増)。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
① 都市ガス
家庭用需要については、前連結会計年度に比べ2.4%減少した。
また、他事業者向け供給は2.8%増加したものの、業務用需要が0.1%減少、工業用需要が8.8%減少したため、ガス販売量合計では4.3%減少し、14,735百万m3となった。ガス販売量は減少したものの、原料費調整による売上単価増等により、売上高は1,505,198百万円となり、前連結会計年度に比べ103,218百万円増加した(前期比7.4%増)。
営業費用については、円安影響等によるLNG価格上昇から原材料費が増加したこと等により91,882百万円増加し(前期比7.3%増)、セグメント利益は152,680百万円と前連結会計年度に比べ11,336百万円増加した。
② 器具及びガス工事
売上高は221,710百万円と前連結会計年度に比べ15,680百万円増加した(前期比7.6%増)。営業費用については12,467百万円増加し(前期比6.2%増)、セグメント利益は7,634百万円と前連結会計年度に比べ3,213百万円増加した。
③ その他エネルギー
売上高は357,569百万円と前連結会計年度に比べ20,894百万円増加した(前期比6.2%増)。営業費用については、14,298百万円増加し(前期比4.6%増)、セグメント利益は32,528百万円と前連結会計年度に比べ6,595百万円増加した。
④ 不動産
売上高は28,316百万円と前連結会計年度に比べ1,940百万円減少した(前期比6.4%減)。営業費用については、2,039百万円減少し(前期比8.3%減)、セグメント利益は5,700百万円と前連結会計年度に比べ99百万円増加した。
⑤ その他
売上高は199,394百万円と前連結会計年度に比べ3,680百万円増加した(前期比1.9%増)。営業費用については、5,515百万円増加し(前期比3.0%増)、セグメント利益は11,695百万円と前連結会計年度に比べ1,835百万円減少した。
(注)1 本書面では、特に記載のある場合を除き、ガス量はすべて1m3当たり45メガジュール換算で表示している。
2 消費税等については税抜方式を採用している。
なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示す。
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
都市ガス |
1,401,980 |
64.6 |
1,505,198 |
65.1 |
|
器具及びガス工事 |
206,030 |
9.5 |
221,710 |
9.6 |
|
その他エネルギー |
336,675 |
15.5 |
357,569 |
15.5 |
|
不動産 |
30,256 |
1.4 |
28,316 |
1.2 |
|
その他 |
195,714 |
9.0 |
199,394 |
8.6 |
|
合計 |
2,170,657 |
100.0 |
2,312,189 |
100.0 |
|
調整額 |
(255,017) |
― |
(200,071) |
― |
|
連結 |
1,915,639 |
― |
2,112,117 |
― |
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益の計上に対し、有形固定資産の取得等があったものの、減価償却費が計上されたこと等により、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,635百万円増加し、当連結会計年度末には150,918百万円となった(前期末比4.6%増)。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において240,993百万円となった。
これは、税金等調整前当期純利益の計上(158,350百万円)に対し、法人税等の支払(47,043百万円)及び売上債権の増加(30,752百万円)等により資金が減少したものの、減価償却費が計上(136,950百万円)されたこと等によるものである。
また、これは、前連結会計年度に比べて23,796百万円の収入の増加となる(前期比11.0%増)。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において235,636百万円となった。
これは、長期貸付金の回収による収入(10,576百万円)等があったものの、日立LNG基地をはじめとする有形固定資産の取得による支出(172,600百万円)及び無形固定資産の取得による支出(72,011百万円)等により資金が減少したことによるものである。
また、これは、前連結会計年度に比べて57,861百万円の支出の増加となる(前期比32.5%増)。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において9,195百万円となった。
これは、長期借入れによる収入(69,547百万円)及び社債の発行による収入(35,000百万円)があったものの、自己株式の取得による支出(36,116百万円)、社債の償還による支出(30,000百万円)及び配当金の支払(26,698百万円)があったこと等によるものである。
また、これは、前連結会計年度に比べて14,017百万円の支出の減少となる(前期比60.4%減)。
当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も少なくない。
また、都市ガス事業が、外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっている。
このため、以下は都市ガス事業について記載している。
(1) 生産実績
最近2連結会計年度のガスの生産実績は次のとおりである。
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
ガス(千m3) |
15,265,605 |
14,667,474 |
(2) 受注状況
ガスについては、その性質上受注生産は行わない。
(3) 販売実績
ガスは、導管を通じて直接需要家に販売しているが、一部については他ガス事業者向け供給を行っている。
① ガス販売実績
最近2連結会計年度のガスの販売実績は次のとおりである。
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
数量(千m3) |
金額(百万円) |
数量(千m3) |
金額(百万円) |
|
|
家庭用 |
3,534,559 |
554,621 |
3,450,082 |
569,694 |
|
その他 |
11,855,036 |
847,359 |
11,285,023 |
935,504 |
|
計 |
15,389,595 |
1,401,980 |
14,735,105 |
1,505,198 |
|
期末需要家件数(千件) |
10,978 |
11,111 |
||
② ガス料金(当社)
平成23年4月1日、藤岡市・高崎市ガス企業団のガス事業を譲り受け、企業団のガス料金表を「群馬南地区」として引き継ぎ、平成24年2月13日、群馬南地区の熱量変更に伴い、一般ガス供給約款の変更を行った。群馬南地区の変更後のガス料金表は、同一熱量でガス料金が等価となるように設定した。
平成24年3月8日、群馬南地区を除く料金地区で料金改定を実施し、ガス料金の引下げに伴う供給約款の変更を行った。本改定において、熊谷地区を東京地区等に統合したため、料金地区は東京地区等、鴻巣中南部地区、群馬地区、群馬南地区の4地区となった。
平成24年10月1日、「地球温暖化対策のための税」導入に伴い、同年12月1日を実施日として全ての料金地区における一般ガス供給約款の変更を行った。
平成25年12月10日、群馬地区、群馬南地区を除く料金地区で料金改定を実施し、ガス料金の引下げに伴う一般ガス供給約款の変更を行った。本改定において、鴻巣中南部地区を東京地区等に統合したため、現在の料金地区は東京地区等、群馬地区、群馬南地区の3地区となった。
平成26年4月1日、消費税増税に伴い、同年4月1日を実施日として全ての料金地区における一般ガス供給約款の変更を行った。同時に群馬地区、群馬南地区で料金改定を実施し、ガス料金の引下げに伴う一般ガス供給約款の変更を行った。
なお、一般ガス供給約款以外の料金として、選択約款による料金や、大口需要家向け料金がある。
<一般ガス供給約款料金表(税込)と原料費調整制度における調整額>
1.東京地区等
平成24年12月1日実施 [45MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
料金表D(円) |
料金表E(円) |
料金表F(円) |
|
月間使用量
20m3まで |
同 20m3超 80m3まで |
同 80m3超 200m3まで |
同 200m3超 500m3まで |
同 500m3超 800m3まで |
同 800m3超
|
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
724.50 |
1,110.90 |
1,312.50 |
1,774.50 |
6,709.50 |
12,589.50 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
153.18 |
133.86 |
131.34 |
129.03 |
119.16 |
111.81 |
平成25年12月10日実施 [45MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
料金表D(円) |
料金表E(円) |
料金表F(円) |
|
月間使用量
20m3まで |
同 20m3超 80m3まで |
同 80m3超 200m3まで |
同 200m3超 500m3まで |
同 500m3超 800m3まで |
同 800m3超
|
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
724.50 |
997.50 |
1,165.50 |
2,005.50 |
6,205.50 |
12,085.50 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
161.17 |
147.52 |
145.42 |
141.22 |
132.82 |
125.47 |
平成26年4月1日実施 [45MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
料金表D(円) |
料金表E(円) |
料金表F(円) |
|
月間使用量
20m3まで |
同 20m3超 80m3まで |
同 80m3超 200m3まで |
同 200m3超 500m3まで |
同 500m3超 800m3まで |
同 800m3超
|
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
745.20 |
1,026.00 |
1,198.80 |
2,062.80 |
6,382.80 |
12,430.80 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
165.78 |
151.74 |
149.58 |
145.26 |
136.62 |
129.06 |
平成25年4月から平成26年3月までのガス料金については、原料費調整制度に基づき、以下のとおり単位料金の調整を行った。
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
平成25年4月 |
+2.41 |
|
10月 |
+15.49 |
|
5月 |
+6.71 |
|
11月 |
+13.86 |
|
6月 |
+10.24 |
|
(改定前)12月 |
+12.14 |
|
7月 |
+12.74 |
|
(改定後)12月 |
-1.62 |
|
8月 |
+14.12 |
|
平成26年1月 |
-3.32 |
|
9月 |
+15.23 |
|
2月 |
-3.07 |
|
|
|
|
3月 |
-0.60 |
2.鴻巣中南部地区
平成24年12月1日実施 [45MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
料金表D(円) |
料金表E(円) |
料金表F(円) |
|
月間使用量
20m3まで |
同 20m3超 80m3まで |
同 80m3超 200m3まで |
同 200m3超 500m3まで |
同 500m3超 800m3まで |
同 800m3超
|
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
735.00 |
810.60 |
894.60 |
936.60 |
1,461.60 |
2,301.60 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
146.89 |
143.11 |
142.06 |
141.85 |
140.80 |
139.75 |
平成25年4月から平成25年12月9日までのガス料金については、原料費調整制度に基づき、以下のとおり単位料金の調整を行った。
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
平成25年4月 |
+2.41 |
|
10月 |
+15.49 |
|
5月 |
+6.71 |
|
11月 |
+13.86 |
|
6月 |
+10.24 |
|
12月 |
+12.14 |
|
7月 |
+12.74 |
|
|
|
|
8月 |
+14.12 |
|
|
|
|
9月 |
+15.23 |
|
|
|
3.群馬地区
平成24年12月1日実施 [43.14MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
|
月間使用量26m3まで |
同 26m3超522m3まで |
同 522m3超 |
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
724.50 |
1,232.28 |
7,151.76 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
124.43 |
104.90 |
93.56 |
平成26年4月1日実施 [43.14MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
|
月間使用量26m3まで |
同 26m3超522m3まで |
同 522m3超 |
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
745.20 |
1,269.62 |
7,470.98 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
130.20 |
110.03 |
98.15 |
平成25年4月から平成26年3月までのガス料金については、原料費調整制度に基づき、以下のとおり単位料金の調整を行った。
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
平成25年4月 |
+0.39 |
|
10月 |
+3.91 |
|
5月 |
+1.51 |
|
11月 |
+3.43 |
|
6月 |
+2.47 |
|
12月 |
+2.95 |
|
7月 |
+3.11 |
|
平成26年1月 |
+2.47 |
|
8月 |
+3.43 |
|
2月 |
+2.55 |
|
9月 |
+3.75 |
|
3月 |
+3.19 |
4.群馬南地区
平成24年12月1日実施 [43.14MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
|
月間使用量23m3まで |
同 23m3超233m3まで |
同 233m3超 |
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
724.50 |
882.00 |
2,457.00 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
112.88 |
106.14 |
99.40 |
平成26年4月1日実施 [43.14MJ]
|
区分 |
料金表A(円) |
料金表B(円) |
料金表C(円) |
|
月間使用量23m3まで |
同 23m3超233m3まで |
同 233m3超 |
|
|
基本料金(1ヶ月当たり) |
745.20 |
907.20 |
2,527.20 |
|
基準単位料金(1m3当たり) |
121.67 |
114.73 |
107.80 |
平成25年4月から平成26年3月までのガス料金については、原料費調整制度に基づき、以下のとおり単位料金の調整を行った。
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
料金適用月 |
単位料金調整額(円/㎥) |
|
平成25年4月 |
+5.42 |
|
10月 |
+5.42 |
|
5月 |
+5.42 |
|
11月 |
+5.42 |
|
6月 |
+5.42 |
|
12月 |
+5.42 |
|
7月 |
+5.42 |
|
平成26年1月 |
+5.42 |
|
8月 |
+5.42 |
|
2月 |
+5.42 |
|
9月 |
+5.42 |
|
3月 |
+5.42 |
(注)1 ガス料金は、ガスメーター1個についての基本料金と従量料金(単位料金×ガスご使用量)の合計で算定され
る。なお、お客さまのガスご使用量に応じて自動的に料金表のA表からF表(群馬地区及び群馬南地区の場合はA 表からC表)を適用する。
2 ガス料金が支払期限日(支払義務発生日の翌日から30日)を経過した後に支払われる場合は、支払期限日の翌日から支払日までの日数に応じて1日当たり0.0274%の率で算定した延滞利息が発生する。
3 「税込」とは、消費税法の規定により課される消費税及び地方税法の規定により課される地方消費税に相当す
る金額を含む金額をいう。なお、平成26年4月以降の料金表は消費税率8%で算定されている。
4 原料費調整制度は、為替レートや原油価格等の変化による原料価格の変動を迅速にガス料金に反映させるため、LNG・LPGの価格変動に応じ単位料金を調整する制度である。
現在、我が国の社会・経済に大きな影響を及ぼすエネルギー政策は大きな転換期を迎えており、将来を見据えたエネルギーのあり方が改めて問われている。
こうした状況の中、首都圏のエネルギー事業者として、天然ガスの安全で安定的な供給、経済的で付加価値の大きい利用等、当社グループに対するお客さまや社会からの期待や要請は、益々高まっている。
当社グループは、「LNGバリューチェーンの高度化」を通じて天然ガスの普及・拡大を進めることにより、こうした期待や要請にお応えしたいという強い想いの下、平成23年11月に策定したチャレンジ2020ビジョンの実現に向けて、より一層のスピード感を持って取り組みを進めていく。
<原料価格の低減、海外事業の拡大>
供給安定性、価格、柔軟性のバランスに配慮しつつ、CBM(コールベッドメタン)・シェールガス等の非在来型ガス、中小規模LNGプロジェクト等への取り組みにより、原料調達や海外上流事業のさらなる多様化・拡大を進め、原料価格の低減を図っていく。あわせて、海外での天然ガス火力発電事業等を拡大することにより、海外にもLNGバリューチェーンを構築するとともに、当社グループの強みを活かせるエネルギーサービスやエンジニアリング事業の海外展開を推進していく。
<安全かつ安定的なエネルギー供給>
日立LNG基地や茨城~栃木幹線の建設により供給インフラ全体の安定性の向上を図るとともに、ガス需要の増加に対応した製造・供給インフラを構築すること等により、関東圏全域のエネルギーセキュリティ向上に貢献する。また、地震発生時の供給停止区域の極小化等を進め、復旧期間の短縮を図る。さらにはLNG基地の地震・津波対策等を推進していく。
<さまざまなニーズに合わせたエネルギーソリューションの提供>
電力ピークカット、省エネ・省CO2に貢献できるエネファームやコージェネレーションといった分散型エネルギーシステム及びガス空調等の普及・拡大を進めていく。また、エネルギーを地域全体で最適に利用するスマートエネルギーネットワークの構築、スマートメーター等を活用した、ご家庭・オフィスビル・工場等のスマート化を推進していく。さらに、扇島パワー3号機の建設を進める等、天然ガス火力発電事業を拡大するとともに、再生可能エネルギーへの取り組み、天然ガスの高度利用、燃料転換を推進していく。
<次世代を見据えた技術開発・IT活用の推進>
2020年以降を見据え、水素・CO2関連の技術開発、メタンハイドレート等に関する研究開発を推進するとともに、ITを活用し、より密接なお客さまとのコミュニケーションを実現していく。
<スリムで強靭な企業体質の実現>
総合力発揮に向けて、関係会社、ライフバルをはじめとした協力企業を含めたグループ全体での最適な業務遂行体制を構築する。なお、当社は、昨年12月、道路埋設のガス管のガス漏れ修理に係る不適切な作業につき、経済産業省から厳重注意を受けた。当社は、本年度を「保安強化実行年」と位置付け、グループ全体として抜本的な保安強化に年間を通じて取り組んでいく。
当社グループは、以上の取り組みを通じて、お客さま・社会・時代のニーズに応え、「豊かで潤いのある生活」「競争力ある国内産業」「環境に優しい安心できる社会」の実現に努力するとともに、企業の社会的責任を自覚し、地域と共生を図りながら、透明で公正な経営を行うことにより、グループの持続的成長を図っていく。
なお、当社は、平成26年4月28日の取締役会において、「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づき、平成26年度における自己株取得枠を400億円又は80百万株とし、その取得期間を平成26年4月30日から平成27年3月31日までとする旨の決議を行い、同年5月7日から6月12日までの期間に70,773千株・39,999百万円を市場買付けの方法により取得した。
当社グループは、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。
株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念及び経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。
当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献する等、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。
当社は、この経営理念及び中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。
当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為又は買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。
当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 事故・災害等
① 原料調達支障
天然ガスをはじめとする都市ガス原料の大半を海外からの輸入に頼っているため、原料輸入先のカントリーリスクやガス田・LNG液化基地でのトラブル、LNG船の運航途上でのトラブル、東京湾での入港規制等により原料が長期にわたり調達できない場合には、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性がある。当社は5カ国10プロジェクトからLNGを輸入し、調達先の分散化を進めるとともに、自社管理LNG船等を活用した柔軟な配船を行う等、安定的かつ柔軟なLNG調達に取り組み原料調達リスクの分散を進めている。
② 自然災害
都市ガスの製造・供給設備を事業活動の基盤としている装置産業であるため、阪神・淡路大震災クラスの大地震でも都市ガスの製造・供給を継続できるよう設備耐震対策、二次災害を防止するための緊急対策等を実施している。また、内閣府想定の大規模地震災害に備えた事業継続計画(BCP・・・Business Continuity Plan)の策定をはじめ、地震、台風、津波等の自然災害に対する非常事態対応体制の整備及び定期的な訓練を実施する等、災害の影響を最小限に止める対策を実施している。しかし、大規模な自然災害が発生した場合、工場等の製造設備や導管等の供給設備等に損害を受け、都市ガスの供給に支障を及ぼす可能性があり、その復旧対応に伴う費用が収支に影響を与える可能性がある。
③ 都市ガス及び電力の製造・供給に伴う事故及び供給支障
お客さまの生活や産業を支える都市ガス及び電力の供給を行っているため、ガスの大規模供給支障事故に備えたBCPの策定をはじめ、各種保安対策を計画的に実施するとともに、非常事態対応体制を整備し、定期的な訓練を実施する等事故・供給支障の防止に取り組んでいる。しかし、都市ガスの製造・供給に伴う大規模な漏洩・爆発事故や供給支障が発生した場合には、その直接的損害に止まらず、社会的責任の発生等有形無形の損害が発生する可能性がある。また、電力の供給支障が発生した場合には、その対応に伴う損害が発生する可能性がある。
④ 不測の大規模停電
当社の工場は信頼性の高い受電系統を配しており、工場への電力供給が停止する可能性は低いと考えられる。また、関東エリアで不測の大規模停電が発生した場合に備えて、BCPの策定をはじめ影響を最小限に止める対策を実施している。さらに、系統電源からの電力供給が停止した場合には、停電によるガス需要減も見込まれるとともに、自家用発電設備で製造設備を稼働することが可能なため、停電時にも一定量のガス送出が可能となっている。しかし、ガスの需要量や製造・供給設備の状況によってはガスの製造・供給に支障を及ぼす可能性がある。
なお、当社の3工場は仮に1工場が停止しても、他の2工場からバックアップが可能であり、ほぼ必要なガスの製造・供給が可能となっている。
⑤ 都市ガスの保安確保・ガス機器等製品品質上の問題
都市ガス供給上の保安責任を負うことから、お客さまへの定期保安点検の体制強化・点検内容の拡大や安全機器への取り替え促進等の安全強化策を実施している。また、連結子会社や協力企業等を通して当社ブランドのガス機器等を販売していることから、高度な安全機能を持つガス機器の開発を進めている。しかし、都市ガス供給に関わる事故やガス機器等に起因する事故が発生した場合には、その対応に伴う直接・間接の損害が発生する可能性がある。
⑥ 他社の都市ガス事故に起因する風評被害
他社における都市ガス事故が都市ガス業界全体の信頼に重大な影響を及ぼし、有形無形の損害を被る事態が発生する可能性がある。
(2) 市場リスク
① 市場価格・金利の変動
所有する不動産・株式・年金資産等の市場価格等が変動した場合に損失を受ける可能性がある。また、有利子負債については金利変動により支払利息が増加する可能性がある。ただし、当社の有利子負債は大部分が長期の固定金利で調達しているため、金利変動による影響は限定的である。
(3) 事業遂行に伴うリスク
① 既存事業に関するリスク
イ 原料費の変動
都市ガス原料であるLNGの調達先との契約更改・価格交渉の動向によっては、収支に影響を及ぼす可能性がある。また、LNGは原油価格に連動して価格が決定されるため、原油価格の変動が収支に影響を及ぼす可能性があることに加え、米ドル建ての売買契約になっているため、円の対米ドル為替レート変動が収支に影響を及ぼす可能性がある。
さらに、長期契約のLNGプロジェクトからの調達量を上回る需要増、出荷基地・輸送上のトラブルの発生、新規LNGプロジェクトの供給開始遅延等が生じ、スポットLNGを調達する場合、スポット市況により、収支に影響を及ぼす可能性がある。
一方、原料費が変動しても「原料費調整制度」により、最大5ヶ月後にはガス料金に転嫁される。ただし、変動幅が基準原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となる。また、会計年度を越えてガス料金に反映される場合には、年度収支に原料費の未回収・過回収による影響が及ぶ可能性がある。
ロ 天候変動によるガス販売量の変動
当社の連結売上高の過半が都市ガスの販売によるものであるため、猛暑や暖冬等の異常気象が発生した場合には、給湯・暖房用を中心とする家庭用ガス販売量やビル空調を中心とする業務用ガス販売量が変動し、収支に影響を及ぼす可能性がある。
ハ 競合激化による需要の減少
当社は、環境性・効率性・快適性の高いガス機器の投入や販売体制の強化をはじめとする営業強化に積極的に取り組んでいるが、他エネルギー企業との競合が激化したり、原油価格の変動等によりLNGそのものが他エネルギーとの競争力を失う場合には、需要が減少し、収支に影響を及ぼす可能性がある。
ニ 既存需要の減少
不況による設備の稼動減や省エネ活動の進展及び産業構造の変化等により工業用・商業用の既存ガス需要の一部が減少する可能性がある。また、世帯人員の減少・生活形態の変化や省エネ機器の普及等により家庭用の既存需要の一部が減少する可能性がある。
ホ コールセンターへの電話不通
当社はお客さまからのお問い合わせの大部分を電話により受け付けているため、コールセンターへの電話が不通となった場合には、お客さまへの対応が広範囲にわたり停滞し、当社グループのブランドイメージの毀損等有形無形の損害が発生する可能性がある。
へ 技術開発の遅延
環境性に優れ、安全性の高い新商品・新技術の開発を進めているが、それらを適時に開発・実用化できない場合には、他エネルギーとの競合力を失い、事業遂行に影響を及ぼす可能性がある。
ト 法令・制度・国及び地方自治体のエネルギー政策の変更
ガス事業法・会社法・金融商品取引法その他の法令や制度及び国・地方自治体のエネルギー政策に基づいて事業を遂行しているため、それらが変更された場合には、影響を受ける可能性がある。
② 新市場開拓の遅延
家庭用燃料電池「エネファーム」や太陽光・太陽熱等の再生可能エネルギーを組み入れたサービス等の普及に取り組み、新市場を開拓していくが、国及び地方自治体のエネルギー政策の変更等の環境変化によっては、新市場の開拓が遅延し、事業戦略の変更を迫られたり、投資が未回収となる可能性がある。
③ 投資未回収
チャレンジ2020ビジョンで掲げた「LNGバリューチェーンの高度化」等に向けた大規模投融資が継続する。当社は設備投資、出資、融資及び債務保証に関する案件に対しては投資評価委員会において採算性及びリスク評価を行い、その結果を踏まえて経営会議若しくは取締役会に付議する等、総合的な経営判断の下に投資を決定している。しかし、パイプラインやLNG基地建設等の安定供給基盤の強化や、電力事業、エネルギーサービス事業、ガス田の開発等の海外事業やLNG輸送事業、IT投資等の既存事業の基盤整備及び保有不動産の活用に係わる大規模投資が、その後の経済情勢の変化等によっては、適切に回収されない、又は所期の成果を生み出せず収支に影響を与える可能性がある。
(4) 情報管理・システム運用に関するリスク
① 個人情報の流出
公益事業としての業務を遂行するためにお客さまの個人情報を収集・管理しているため、グループ全体を対象とした情報セキュリティ推進体制を構築し、情報セキュリティ教育や自主検査を実施するとともに、その構築・運用状況を内部監査により確認し、必要な改善を行う体制を整備する等、個人情報の流出防止に取り組んでいる。しかし、お客さまの個人情報が外部へ流出した場合には、対応に要する直接的な費用に止まらず、他社グループ以上に深刻なお客さまからの信頼の毀損等有形無形の損害が発生する可能性がある。
② ITシステムの停止・動作不良
お客さま受付及びガス料金の計算等の業務でITシステムを使用しているため、不測の事態でも業務への影響を最小限に止めるよう、対障害性・耐災害性に優れた堅牢なデータセンターの設置、各種セキュリティ対策及び定期的な訓練の実施等システムの安定稼動に必要な対策を実施している。しかし、これら業務に関する基幹ITシステムが停止した場合や動作不良を起こした場合には、お客さまへの対応が停滞するばかりでなく、当社グループのブランドイメージの毀損等有形無形の損害が発生する可能性がある。
なお、都市ガスの製造・供給調整に関するITシステムは、独自にバックアップシステムの整備及び自営無線の整備等の安全対策が施されているため、IT障害により都市ガスの製造・供給へ大きな影響が及ぶ可能性は低いものとなっている。
(5) 企業の社会的責任に関するリスク
① 新たな環境規制等への対応
新たな環境関連法規制への対応、又は環境改善のための追加的な義務が発生した場合には、事業運営に影響を及ぼしたり、収支に影響を及ぼす可能性がある。
② コンプライアンス違反
コンプライアンスは業務運営の基盤であるため、社長を委員長とする経営倫理委員会を設置し、同委員会が策定する基本方針の下に、グループ全体でコンプライアンス向上の取組みを実施し、法令・企業倫理・社会的規範の遵守の周知徹底やその状況等を内部監査により確認する等コンプライアンスの推進に取り組んでいる。しかし、法令・約款に照らして不適切な行為、情報開示における不適切な対応、若しくは企業倫理・社会的規範に反する行為等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用に止まらず、社会的制裁を受ける等有形無形の損害が発生する可能性がある。
③ 不十分なCS・お客さま対応
CS(お客さま満足)の向上を経営上の重要課題と位置付けているため、社長を委員長とするお客さま満足度向上委員会が策定する基本方針の下に、グループ全体でCSの向上を進めているが、不適切なお客さま対応等が発生した場合には、企業競争力の低下や、当社グループのブランドイメージの毀損をはじめ有形無形の損害が発生する可能性がある。
該当する事項はない。
当社グループは、研究開発を経営戦略の一つとして位置付け、技術開発本部を中心として、主に以下の観点から取り組んでいる。
・省エネ性・環境調和性等低炭素社会の実現に貢献する天然ガス利用の高度化
・新しい事業機会の創出
・天然ガス事業基盤の拡充(効率的な製造・貯蔵・輸送・供給システムの構築等)
研究開発の推進にあたっては、投入原資の選択と集中を図るとともに、スピードと採算性を重視して取り組んでい
る。
当連結会計年度の研究開発費総額は9,056百万円である。
主な研究開発活動は、次のとおり主力事業であるガス事業を中心に行われており、8,475百万円である。
(1) 環境技術と天然ガス利用の高度化
① 当社は、パナソニックエコシステムズ㈱、大阪ガス㈱及び東邦ガス㈱と共同で、日本で初めて排水工事が不要な「スプラッシュ&マイクロミストサウナ機能付き浴室暖房乾燥機」を開発した。本製品では、新たに開発したマイクロミスト発生方式を採用している。新開発のマイクロミスト発生方式は、高速回転する破砕ディスクにより吸い上げた水を遠心力で破砕面に衝突させて微細化する「遠心破砕方式」を適用したもので、マイクロミスト発生時に従来方式では微細化出来なかった水も再使用して微細化している。これにより、現行品では微細化出来なかった水を排水するために必要だった排水工事が不要になり、施工性が向上した。また、現行品に対して、マイクロミスト運転時の水使用量で約90%の低減、ランニングコストで約25%の低減を達成した。
② 当社は、パナソニック㈱と共同で、マンション向けの家庭用燃料電池「エネファーム」を開発した。マンションのパイプシャフト内に燃料電池ユニット、貯湯ユニット、バックアップ熱源機を全て設置できる仕様として製品化したのは、世界初となる。機器本体の気密性を高めること等により、戸建て住宅に比べて設置条件に制約があるマンションにおいても、開放廊下側のパイプシャフト内への設置が可能となった。また、機器本体をアンカー固定する脚部の強度を向上させて耐震性を高めることで、マンションの設置基準に対応するとともに、給排気構成の変更等により強風時でも運転できるように耐風性を高め、高層階への設置も可能にした。本製品は、火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行う方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%、一次エネルギー消費量を約37%削減することが可能で、モデルケースでは年間光熱費を約3~4万円節約、年間CO2排出量を約1トン削減することが可能となる。
③ 当社は、三菱重工業㈱と共同で、発電出力1,000kWのガスコージェネレーションシステムを開発した。ガスエンジンを従来品の1,500回転/分から1,000回転/分へ低回転化することによって、部品の摩耗速度を低下させてメンテナンスの周期を延長し、メンテナンスコストの低減を実現した。また、シリンダ内をピストンが上下する行程距離(ストローク)を従来品よりも長くすること等により、エンジンを低回転化させながら発電出力を増大させることに成功した。加えて、従来品で使用されていた制御技術をさらに高度化して適用すること等により、定格出力1,000kWクラスで最高水準の発電効率42.3%(LHV)、総合効率78.5%(LHV)を達成した。
④ 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱及び三浦工業㈱と共同で、低燃焼時の出力低減を可能にした、高効率な簡易貫流ボイラを開発した。本製品では、最低出力を25%(従来機は50%)まで低減することを実現した。また、燃焼排ガスを利用して給水加熱する「エコノマイザ」の伝熱面積を増やすことで、定格ボイラ効率を97%まで向上させた。この他に、送風機モータのインバータによる制御等により、従来機と比べてボイラ運転効率の約1~5%向上、送風機の消費電力の約25~50%低減を実現した。
⑤ 当社は、細山熱器㈱及び日本洗浄機㈱と共同で、燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」(細山熱器㈱の登録商標)を内蔵した、省エネ性に優れた業務用食器洗浄機を日本で初めて開発した。従来は、機器外側に設置された「ガスブースター」で60℃の洗浄湯(すすぎ湯は80℃以上)を事前に作り、洗浄タンク内で食器を洗浄するとともに、洗浄タンク内の電気ヒーター等で洗浄湯の保温を行う方式が一般的であった。これに対して本製品では、ガスバーナーとそれを覆うステンレス製の筒で構成した燃焼式小型ヒーター「エコンバスター」をすすぎタンク内に設置することで、高温の筒壁面からの伝熱によってすすぎタンク内の温水を加温し、高温のすすぎタンクの壁面からの伝熱によって洗浄タンク内の洗浄湯を保温する。その他にも、従来と比較して、立ち上がり時間の短縮(21分→11分)や、機器本体の全幅の削減(880mm→690mm)による設置性の向上、洗浄タンク内の清掃性向上を実現した。試算では、従来品と比べてCO2排出量を約12%、一次エネルギー消費量を約12%、年間光熱費を約12%削減することが可能となる。
⑥ 当社は、パナソニック㈱と共同で、停電時でも家庭用燃料電池「エネファーム」の発電を継続し、停電時専用コンセントを通じて電力を家庭内に供給できる「停電時発電機能」を開発した。停電等で系統電力が供給停止になると「エネファーム」は運転を停止するが、本機能により、停電時でも「エネファーム」は発電を継続し、発電した電力は分電盤を通さず専用コンセントに直接供給される。本機能により、停電時でも700W以下の電力を最長約4日間に渡って利用することが可能となる。
(2) 天然ガス事業基盤の拡充
① 当社は、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱、富士電機㈱、パナソニック㈱及び東光東芝メーターシステムズ㈱と共同で、低消費電力の多段中継無線機を開発した。本無線機は、複数のガスメーターを経由しながらガスメーターの指示数等のデータをリレー伝送(多段中継)する近距離通信型の無線機で、無線機間の信号の送受信方式を間欠動作方式にしたこと等により、単三型リチウム一次電池2本で10年間長期駆動を日本で初めて実現した。また、現行の無線機は、路上から無線電波が届く5階建て以下の建物のみに適用可能だったのに対し、本無線機ではデータを多段中継するため、6階建て以上のビルやマンション等においても無線検針が可能となった。さらに、無線状況に応じて経路を自動選択する機能により、高い通信信頼性を実現するとともに、920MHz帯周波数の使用により、通信速度が従来の40倍向上した。本無線機は、NPO法人テレメータリング推進協議会で標準化された無線用通信規格である「Uバスエア」に日本で初めて適合し、将来的にはLPガスや水道のメーター等他のインフラ事業者のメーターにも装着することができる。2014年3月26日から、当社社宅に本無線機を導入し、無線検針の試験を行っている
都市ガス以外の事業については、当該事業を営む連結子会社が中心となって、商品化開発等を行っている。器具及びガス工事事業に係る研究開発費は475百万円、その他エネルギー事業に係る研究開発費は14百万円、その他の事業に係る研究開発費は91百万円である。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
当社グループは、都市ガス、器具及びガス工事、その他エネルギー、不動産並びにその他の5つの事業を行っている。
都市ガス売上高の増加等により、連結売上高は増加した。
円安影響等によるLNG価格上昇等からガス原材料費が増加したことに加え、LNG販売の増加等に伴いその他エネルギーに関わる費用が増加したものの、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたこと等により、営業利益は増益となった。
上記により、前連結会計年度に比べ経常利益も増益となり、さらに当連結会計年度においては、減損損失を特別損失に計上したものの、固定資産売却益を特別利益に計上したため、当期純利益も増益となった。
② ガス販売量
当連結会計年度の家庭用需要は、お客さま件数の増加があったものの、気温影響等による減少があったこと等により、前連結会計年度比2.4%減の3,450百万m3となった。業務用需要は、春先及び初冬の高気温による給湯・暖房需要の減少があったものの、夏場の高気温による冷房需要の増加があったこと等により、ほぼ前年度並みとなり、同0.1%減の2,844百万m3となった。工業用需要は、幹線開通に伴う新規需要や発電用需要の増加等があったものの、発電用ガスの一部をトーリング契約(※)へ変更したこと等により、同8.8%減の6,433百万m3となった。また、他ガス事業者向け供給は、供給先事業者の需要増により、同2.8%増の2,007百万m3となった。これらの結果、当連結会計年度のガス販売量は前連結会計年度と比べ4.3%減少し14,735百万m3となった。
(※)トーリング契約:電力販売者が発電に必要な燃料ガスを調達して発電事業者に渡し、発電事業者はそれを
燃料に受託発電し電力販売者に引渡して受託発電料を得る契約
③ 売上高
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比10.3%増の2,112,117百万円となった。ガス販売量が前連結会計年度を下回ったものの、円安影響等に伴う原料費調整による売上単価増により都市ガス売上高が前連結会計年度比7.4%増加したことに加え、器具及びガス工事売上高も同7.6%増加、LNG販売の増加等によりその他エネルギー売上高も6.2%増加した。
④ 営業費用及び営業利益
売上原価、供給販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比9.9%増の1,946,072百万円となった。
円安影響等からガス原材料費が増加したこと、及びLNG販売の増加等に伴いその他エネルギーに関わる費用が増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比13.6%増の1,489,688百万円となった。経営効率化の一層の推進を図り、諸経費及び人件費等の抑制に最大限の努力を重ねた結果、供給販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比0.5%減の456,384百万円となった。
この結果、営業利益は前連結会計年度比14.0%増の166,044百万円となった。
⑤ 営業外損益及び経常利益
営業外損益純額は、前連結会計年度の1,819百万円から、△6,431百万円となった。
営業外収益の合計は、前連結会計年度の19,420百万円から、16,582百万円となった。これは、雑収入に含まれる専用設備料収入が前連結会計年度比2,277百万円減の562百万円となったことが主な要因である。
営業外費用の合計は、前連結会計年度の17,601百万円から、23,013百万円となった。これは、為替差損が前連結会計年度比4,097百万円増の5,639百万円となったことが主な要因である。
この結果、経常利益は前連結会計年度比8.2%増の159,613百万円となった。
⑥ 特別損益
特別損益純額は、前連結会計年度の2,992百万円から、△1,263百万円となった。
特別利益の合計は、前連結会計年度の4,510百万円から、1,074百万円となった。これは、前連結会計年度に3,490百万円であった関係会社株式売却益の特別利益としての計上がなかったことが主な要因である。
特別損失の合計は、前連結会計年度の1,518百万円から、2,337百万円となった。これは、前連結会計年度に1,518百万円であった減損損失の計上が2,337百万円となったことが要因である。
⑦ 税金等調整前当期純利益、法人税等(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)並びに当期純利益
税金等調整前当期純利益は、経常利益増加に加え、特別利益減少及び特別損失増加の影響を受け、前連結会計年度比5.3%増の158,350百万円となった。法人税等は、同4.3%増の48,530百万円となった。
以上の結果から、当期純利益は同6.7%増の108,451百万円となった。
売上高に対する当期純利益率は、前連結会計年度の5.3%から0.2ポイント減少し、5.1%となった。1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の39円52銭から、43円10銭となった。
⑧ セグメント情報
イ 都市ガス
都市ガス売上高は円安影響等に伴う原料費調整による売上単価増等により、前連結会計年度から103,218百万円(7.4%)増の1,505,198百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の64.6%から65.1%となった。経営効率化の一層の推進を図り、諸経費及び人件費等の抑制に最大限の努力を重ねたものの、円安影響等によるLNG価格上昇に伴い原材料費が増加したこと等により、営業費用は前連結会計年度から91,882百万円(7.3%)増加し、1,352,518百万円となった。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ11,336百万円(8.0%)増加し、152,680百万円となった。
ロ 器具及びガス工事
器具及びガス工事売上高は、前連結会計年度から15,680百万円(7.6%)増加し、221,710百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の9.5%から9.6%となった。営業費用は前連結会計年度から12,467百万円(6.2%)増加し、214,075百万円となり、セグメント利益は、同3,213百万円(72.7%)増加し、7,634百万円となった。
ハ その他エネルギー
エネルギーサービス、液化石油ガス、電力、産業ガス及びLNG販売の売上で構成されるその他エネルギー売上高は、LNG販売売上の増加等により、前連結会計年度から20,894百万円(6.2%)増加し、357,569百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度と同じ15.5%であった。営業費用は前連結会計年度から14,298百万円(4.6%)増加し、325,040百万円となり、セグメント利益は、同6,595百万円(25.4%)増加し、32,528百万円となった。
ニ 不動産
不動産売上高は、前連結会計年度から1,940百万円(6.4%)減少し、28,316百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の1.4%から1.2%となった。営業費用は前連結会計年度から2,039百万円(8.3%)減少し、22,615百万円となり、セグメント利益は、同99百万円(1.8%)増加し、5,700百万円となった。
ホ その他
建設、情報処理サービス、船舶、クレジット・リース及び海外等の売上で構成されるその他売上高は、前連結会計年度から3,680百万円(1.9%)増加し、199,394百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の9.0%から8.6%となった。営業費用は前連結会計年度から5,515百万円(3.0%)増加し、187,699百万円となり、セグメント利益は、同1,835百万円(13.6%)減少し、11,695百万円となった。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
事業推進上の外部リスク要因
① 気温変動リスク
当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受ける。家庭用においては、主なガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合にはガスの販売量が減少し減収・減益要因となる。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれガス販売量が減少し減収・減益要因となる。
当連結会計年度の平均気温(※)は上期で22.3℃、下期で11.6℃(通期で17.0℃)だったが、翌連結会計年度の平均気温は通期で16.6℃を想定している。
(※)平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気
温を平均したもの。
② 原料購入価格変動リスク
当社が供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受ける。また、ドル建てのLNG価格は原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受ける。
ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)でガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生するが、中長期的には収支への影響は軽微である。
為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりである。
為替:1円/ドルの円安により、約1,800百万円減
原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約2,000百万円減
翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が100.17円/ドル、109.99ドル/バレルであったのに対し、それぞれ105.00円/ドル、110.00ドル/バレルを想定している。
(注) 1 ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もある。
2 調整の上限がある。
③ 金利変動リスク
当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微である。しかし、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性がある。
④ 株価変動リスク
当社の保有する株式は、業務上必要な企業との関係を維持するためのものが大部分である。そのうちマーケットリスクにさらされる可能性があるのは、上場株式の株価である。これら株式の扱いについては、管理規則を設けている。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 連結キャッシュ・フロー
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営業活動による |
投資活動による |
財務活動による |
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当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
240,993 |
△235,636 |
△9,195 |
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前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
217,197 |
△177,775 |
△23,212 |
イ 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から23,796万円増加し240,993百万円となった。売上債権の増減額が△30,752百万円と前連結会計年度に比べ19,447百万円減少したことに加え、法人税等の支払額が△47,043百万円と前連結会計年度に比べ18,881百万円減少したものの、たな卸資産の増減額が5,542百万円と前連結会計年度に比べ30,780百万円増加したことに加え、支払債務の増減額が25,971百万円と前連結会計年度に比べ28,344百万円増加したことがキャッシュ・フローの増加の主な要因となっている。
ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の△177,775百万円から△235,636百万円となった。長期貸付金の回収による収入は、前連結会計年度の9,736百万円から10,576百万円となった。一方、日立LNG基地をはじめとする有形固定資産の取得による支出は、前連結会計年度の△153,687百万円から△172,600百万円となった。また、無形固定資産の取得による支出は、前連結会計年度の△22,634百万円から△72,011百万円となった。
ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の△23,212百万円から△9,195百万円となった。長期借入れによる収入は、前連結会計年度の33,019百万円から69,547百万円となった。また、社債の発行による収入は、前連結会計年度の20,000百万円から35,000百万円となった。一方、自己株式の取得よる支出は、前連結会計年度の△5,053百万円から△36,116百万円となった。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末から6,635百万円増加し、150,918百万円となった。
② 資産、負債及び純資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から184,413百万円(9.3%)増加し、2,176,816百万円となった。総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度の5.3%から5.2%に下落した。
③ 固定資産
有形固定資産は、日立LNG基地をはじめとするガス製造設備建設が進んだこと等により、前連結会計年度末から55,484百万円(4.9%)増加し、1,195,487百万円となった。製造設備は既存設備の減価償却が進んだものの工場設備の増強があったことにより、前連結会計年度末から13,769百万円増加し、181,651百万円となった。供給設備は既存設備の減価償却が進んだものの導管網の増強があったことにより、前連結会計年度末から11,362百万円増加し、477,589百万円となった。その他の設備は既存資産の減価償却が進行したこと等により、前連結会計年度末から1,639百万円減少し320,112百万円となった。建設仮勘定は、日立LNG基地をはじめとする製造・供給体制整備のための設備投資が増加したこと等により、前連結会計年度末から34,685百万円増加し、154,384百万円となった。
無形固定資産は、海外投資関連等の増加があったこと等により、前連結会計年度末から67,445百万円(103.9%)増加し、132,327百万円となった。
また、投資その他の資産は、投資有価証券残高の増加等に伴い前連結会計年度末から17,228百万円(7.0%)増加し、264,707百万円となった。
④ 流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から44,256百万円(8.2%)増加し、584,294百万円となった。受取手形及び売掛金は前連結会計年度末と比べ31,066百万円増加し、253,715百万円となった。また、有価証券は前連結会計年度末と比べ13,991百万円増加し、78,000百万円となった。
⑤ 固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から61,495百万円(8.6%)増加し、774,366百万円となった。長期借入金は前連結会計年度末から52,645百万円増加し、309,544百万円となった。また、社債は前連結会計年度末から15,001百万円増加し、336,495百万円となった。
⑥ 流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から39,938百万円(12.0%)増加し、372,957百万円となった。支払手形及び買掛金は前連結会計年度末から20,910百万円増加し、113,064百万円となった。また、その他流動負債は前連結会計年度末から14,329百万円増加し、148,967百万円となった。流動比率は、前連結会計年度末の162.2%から156.7%となった。
⑦ 有利子負債
設備投資等の実施に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ71,273百万円(11.1%)増加し、713,823百万円となった。有利子負債比率は、前連結会計年度末の32.3%から32.8%に上昇した。
⑧ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ82,981百万円(8.8%)増加し、1,029,492百万円となった。これは、自己株式の市場買付35,999百万円、剰余金の配当26,701百万円等があったものの、当期純利益の計上108,451百万円等により株主資本が45,638百万円増加したこと、並びに為替換算調整勘定及びその他有価証券評価差額金残高の増加等によりその他の包括利益累計額が38,514百万円増加したこと等によるものである。自己資本比率は前連結会計年度末の46.6%から46.5%に下落し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の11.5%から11.2%に下落した。
(4) 財務方針について
当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり
当社グループの「財務方針」を決議した。
チャレンジ2020ビジョンに基づき、持続的成長に向け積極的な原資投入を行うとともに、投資・資本効率性、財務体質、株主配分にも留意し、長期的な企業価値向上に資するバランスのとれた財務戦略を実現していく。
① 投資・資本効率性
投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努める。
具体的にはROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2020年度における目標を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図る。
② 財務体質
現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努める。
具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2020年度に至るまで各年度0.8倍程度を目標と定め上記の実現を図る。
③ 株主配分
創出されるキャッシュ・フローを、新たな成長に向けた「LNGバリューチェーンの高度化」に資する投資に
振り向けるとともに、株主の皆さまに経営の成果を適切・タイムリーに配分する。
具体的には、配当に加え、消却を前提とした自社株取得を株主還元策の一つとして位置付け、総分配性向
(連結当期純利益に対する配当と自社株取得の割合)の目標を、2020年度に至るまで各年度6割程度とする。
また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩や
かな増配を実現していく。
n年度総分配性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自社株取得額))÷n年度連結当期純利益