第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

業績等の概要については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは電気通信事業等の事業を行っており、生産、受注といった区分による表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注及び販売の状況については「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

NTTグループは、100年以上の永きにわたりわが国の電気通信の発展を支えてきた自信・実績と世界をリードする研究開発力を基盤として「これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでも皆さまに信頼される企業としてお役に立ち続ける」ために、激しい競争環境の中でそれぞれの事業において求められる法の責務や社会的な使命を果たしながら、多様化し、増大するICTのニーズに応えられるよう積極的に事業を展開し、お客さまや株主の皆さまから常に高い信頼を得て持続的な発展をめざしてまいります。

上記の経営の基本方針の下、NTTグループは市場のグローバル化やクラウドサービスの進展に対応するため、平成27年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定・公表し、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくとともに、B2B2Xモデルを更に推進して、新たな取り組みを実行していきます。

 

(2)経営環境

情報通信市場では、クラウドサービスやAI、ビッグデータ、IoTの活用がさらに加速するなど、新たな技術の進展が見込まれています。また、新たなプレイヤーの参入により、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携も進展すると考えられます。こうした変化に伴い、情報通信に求められる役割はますます拡大するとともに、重要になると考えられます。

 

(3)対処すべき課題

《中期経営戦略に基づく事業展開》

NTTグループは、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、事業構造の変革による利益成長に主眼を置きつつ、自己株式取得などによる資本効率の向上を図ることにより、平成29年度までにEPS(1株当たり当期純利益)を400円以上に成長させるよう引き続き努めてまいります。

 

○グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組み

海外事業における着実な成長を実現していくために、グローバルビジネス推進体制の更なる強化に加え、

サービスやプロダクトの強化に取り組んでまいります。また、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの推進など、セールスおよびマーケティングを強化してまいります。さらに、徹底したコスト効率化や、グループガバナンスおよびリスクマネジメントの強化など、事業構造の改革にも引き続き取り組んでまいります。

○国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組み

競争環境の厳しい国内の固定通信および移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けた取り組みを引き続き実行してまいります。

具体的には、設備投資の効率化について、ネットワークのシンプル化・スリム化に加え、ソフトウェアコントロール技術などの研究開発成果を活用し、既存設備の利用効率の更なる向上を図るとともに、調達コストの低減に向けた調達物品の仕様統一や機種の絞り込みなどに取り組んでまいります。また、ITシステムについても、仮想化などの最新技術を活用して、共通基盤化による効率化を図ってまいります。

コスト削減についても、より一層の作業の標準化・システム化による業務改善など、引き続き取り組みを強化してまいります。コスト削減により商品やサービスの競争力を高め、ユーザーサービスの向上やお客さま還元の強化につなげるとともに、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえ、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けても取り組んでまいります。

 

○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」をゴールドパートナーとして通信サービスの分野で支えるとともに、官民が連携して推進しているSociety 5.0の実現に向けた取り組みをグループの総合力を活かす大きなチャンスと捉え、全国規模の固定/移動のブロードバンドネットワークや情報システム分野における技術・ノウハウなどを有機的に活用してまいります。特に、他分野の事業者や自治体とのコラボレーションを拡大して、B2B2Xモデルへの転換を加速し、社会的課題の解決などに向けた新たな価値や感動を創造してまいります。こうした取り組みにより、次世代に受け継がれるスタンダードとなるようなサービスを創出し、国内ビジネスの持続的な成長につなげてまいります。

 

《基盤的研究開発の推進》

中期経営戦略の達成に必要なクラウド、セキュリティ、AI、IoTなどの軸となる技術を開発し、利益創出スピードの加速に貢献していくほか、ネットワーク装置の機能を細かく分けることによる装置コストの削減やネットワークの構築・保守・運用の稼動削減などを実現する技術の開発に取り組んでまいります。あわせて、新たな価値の創出に向けた他企業とのコラボレーションを推進し、研究開発成果の着実な事業化と国内外への展開を積極的に進めてまいります。

 

《持続的な企業価値向上に向けた取り組み》

「NTTグループCSR憲章」を指針として、国内外の社会・環境課題の解決に貢献し、NTTグループ一体となって企業価値向上と社会の持続的発展に向けた取り組みを推進してまいります。

 

○サイバーセキュリティへの取り組み

国際的なイベントや政府・企業などに対して多様化・大規模化するサイバー攻撃に引き続き対応するため、最新の研究開発成果の導入を推進するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化してまいります。

○多様な人材の活躍に向けた取り組み

社員の多様な価値観や個性の尊重・活用に向けて、性別や年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認などによらない多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組むとともに、全ての社員がワーク・ライフ・マネジメントに対する理解を深められるよう取り組みを進め、「働き方改革」を推進してまいります。

○環境への取り組み

「NTTグループ環境宣言」のもと、ICTサービスをはじめとする、グループ各社が提供するサービス・技術による環境負荷低減や気候変動に対する適応への貢献、ビジネスパートナーや地域社会など、ステークホルダーの皆様と協働した生態系の保全などの取り組みを推進するとともに、事業活動全体にわたるエネルギー効率化、資源循環にも引き続き取り組んでまいります。

 

上記のほか、ネットワークの高い安定性と信頼性の確保に向けて、日々のネットワーク運用のノウハウ蓄積や、外部機関との協力体制に基づく訓練の実施などを通じて、一層の安心・安全なサービス提供に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめております。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでおります。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

 

《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》

○NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。

 

NTTグループは、世界各地で事業を展開しております。

世界各地での景気後退や経済成長の減速といった状態等により、NTTグループが提供するサービスに対する需要や、NTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。

また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しております。

景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施しており、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。

以上の結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、このようなリスクを踏まえ、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めております。また、資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めております。

 

○市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。

 

情報通信市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及、ワイヤレスブロードバンドの高速化、クラウドサービスやAI、ビッグデータ、IoTの利用拡大等が進行しております。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展しているほか、固定通信サービスと移動通信サービスの組み合わせによるFMCサービスの展開が加速しており、通信サービスにおける市場構造は大きく変化しています。さらに、既存の通信事業者との競争も継続しており、競争環境は一段と厳しくなっています。また、情報サービス市場では、ソリューション事業が有力な成長分野であると目されており、ハードウェアベンダー等もビジネスの主軸として取り組んでおります。その他の市場においても、NTTグループは様々な事業を営んでおり、それぞれの市場において、市場構造の変化に伴う厳しい競争が進展しています。

このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。情報通信市場では、NTTグループが期待する水準で契約数を獲得・維持できない場合や、各種料金・割引サービスの契約率や定額制サービスへ移行する契約数の動向等が想定した通りにならない場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国といった新興国の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定した通りの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、平成27年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定し、バリューパートナーへの自己変革を加速し、グループ全体をさらなる利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しております。具体的には、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大するとともに、国内ネットワーク事業の収益力を強化する取り組みを推進し、更にB2B2Xビジネスの拡大による新たな市場の創出をめざして取り組んでおります。

 

(注)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。

 

○グローバルビジネスの成長が、想定通り進展しない可能性があります。

 

NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しております。

しかしながら、これらの取り組みが想定通り進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定通り拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、海外事業における着実な成長を実現していくために、グループ全体でのサービスやプロダクトの強化を図るとともに、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの更なる推進など、セールス/マーケティングを強化しております。また、グループ各社におけるサービス/オペレーションの効率化・最適化や、調達コストの低減等、徹底したコスト効率化にも取り組んでおります。さらに、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。

 

○NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。

 

NTTグループは、国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでおります。

しかしながら、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定通りに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、設備投資の効率化について、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用効率の向上や調達コストの削減に取り組んでおります。ITシステムについても、最新技術を活用して共通基盤化を進めております。あわせて、コスト削減に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでおります。また、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。

 

○国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。

 

NTTグループは、市場構造の変化やお客さまニーズに速やかに対応するため、特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しております。

しかしながら、NTTグループが既に出資をしているまたは出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。また、海外子会社の増加により事業戦略に関する意思統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営を円滑に行うことが困難となる場合があります。海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、買収後には定期的なモニタリングを実施するなど、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化についても取り組んでおります。

 

 

○事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。

しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。

また、NTTグループ各社による海外企業の買収などに伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。

これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施するなど、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じております。

 

○人材の確保が想定通りに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。

こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取り組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めております。また、各社員の業務内容や職場環境、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談等を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施することで人材流出の未然防止に努めております。

 

《業務運営に係るリスク》

○サイバー攻撃により、サービス停止やサービス品質の低下が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えいなどの事件が社会問題となるなど、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっております。

このような中、NTTグループの通信ネットワークやサーバー等に対する不正アクセス等のサイバー攻撃によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があり、これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、最新の研究開発成果の導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化しております。なお、主な取り組み内容につきましては「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

 

○自然災害等によるシステム・ネットワーク障害や、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しております。

これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、新型インフルエンザ等伝染病の大規模な流行、想定を上回るトラヒックの増加、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。特に、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、設備増強によるネットワーク耐力の強化、故障対応の迅速化、社員の安否確認訓練など、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じております。

また、NTTグループは、システムインテグレーションビジネスにおいてお客さまにシステム・サービスを提供・納品しており、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っています。

このため、当初想定していた見積りからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、一定規模以上の案件の受注にあたっては、見積もり価格やプロジェクト計画の妥当性を審査委員会で審査しているほか、受注後もプロジェクトの進捗状況のモニタリングを実施しています。

 

○国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。

 

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。

これらの様々な法令・規制等に関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、近年の米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおります。

また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっております。

しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化するなど、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理などに努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでおります。

 

 

○NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。

 

NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。

これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待通り獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取り組みを進めております。

 

○訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。

 

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。

NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、またはそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じております。

 

《規制等、政府との関係に係るリスク等》

○通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。

 

日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきております。

政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っております。

規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

 

○NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。

 

NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。

スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラヒック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定通りに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。更には、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めております。

詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。

 

 

○NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。

 

NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本および海外の環境に関する法令・規制の適用を受けております。

将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、高効率電源の導入や通信設備のリユース・リサイクル等の様々な先進的な取り組みにより、環境負荷の低減に努めております。

 

○政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しております。

 

政府は現在当社の発行済株式の32.39%(自己株式除き発行済株式総数の33.70%、議決権比率33.74%)を保有しております。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しております。しかしながら、政府は平成9年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。

 

(参考情報)当社事業にかかる法規制等

 

(1)規制

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されております。昭和60年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進するさまざまな措置を講じております。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しております。

当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在いたします。その概要は次のとおりであります。

 

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)

電気通信事業法による規制は次のとおりです。

(a) 全ての電気通信事業者に課される規制

a 電気通信事業の開始等

・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)

ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっております(第16条)。

・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)

・ 電気通信事業の休廃止についての総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条)

b 利用者料金その他の提供条件の設定等

・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)

基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 消費者保護関連

電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の3)等が課されています。

(注)

基礎的電気通信役務    国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。

c 相互接続

・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)

d ユニバーサルサービス基金制度

ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。

このユニバーサルサービス基金制度については、平成18年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。

東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、平成28年度と平成29年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ68億円、69億円となっています。

 

 

(b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制

a 利用者料金その他の提供条件の設定

・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)

 第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)

 特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。

(注)

・第一種指定電気通信設備  各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。

・指定電気通信役務     第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。

・特定電気通信役務     指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。

・基準料金指数       特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。

・プライスキャップ規制   料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、平成28年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。

b 相互接続等

・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)

東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっております。

 

(電話接続料)

平成10年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、平成12年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(平成16年10月の情報通信審議会答申)。

なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。

平成28年度以降の接続料については、平成27年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、平成28年度から平成30年度まで適用することとされました。

 

(光ファイバ接続料)

東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられております。

加入者光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、平成28年度から平成31年度までの4年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。

なお、加入者光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(平成24年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

 

・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)

 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)

 東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。

・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

 

c 禁止行為

東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。

また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。

したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。

 

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制

a 相互接続等

・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)

 株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされております。

第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)

 株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。

 

 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

b 禁止行為

株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止(第30条)されております。

(注)

・第二種指定電気通信設備   電気通信事業者の設置する携帯電話機に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。

 

(d) 今後の動向等

 情報通信審議会は平成26年12月に「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について答申を行いました。本答申を踏まえ、電気通信事業の公正な競争の促進や電気通信サービスの利用者の保護を図るために、東西地域会社の光回線の卸売サービス等に関する制度整備や初期契約解除制度の導入等を行う電気通信事業法等の一部を改正する法律が平成28年5月に施行されました。

 また、その中で、政府は、法施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとされていますが、NTTグループへの影響については、現時点では不明です。

 

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)

(a) 概要

 平成9年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、平成11年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は平成13年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。

一 目的

1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。

2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。

二 事業

1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。

(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること

(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと

(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと

(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務

2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。

3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。

(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)

イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県

ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県

(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務

4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。

(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務

(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務

5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

三 責務

 当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。

 

(b) 総務大臣の認可を必要とする事項

・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)

(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)

・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)

(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない

・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)

・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)

・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条)

 

(c) その他総務大臣に対する義務

・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)

・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)

・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条)

 

③ 電波法(昭和25年法律第131号)

(a)総務大臣の免許を必要とする事項

・ 無線局の開設(第4条)

 

(b)総務大臣の許可を必要とする事項

・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条)

 

(携帯電話の周波数帯割当て)

移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。

(2)当社株式に係る事項

① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)

  当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。

  (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人

二 外国政府又はその代表者

三 外国の法人又は団体

四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体

なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、およびその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しております。

 

② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)

政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。

  (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)

・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。

・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。

平成29年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は2,096,394,470株であり、同日現在の政府保有株式数は679,123,568株、即ち、発行済株式総数の32.39%(自己株式除き発行済株式総数の33.70%)となっております。

(注)当社は平成12年12月に公募増資により30万株(平成21年1月4日付の株式分割および平成27年7月1日付の株式分割後に換算すると6,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。

NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われております。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。

 

③ 政府保有株式の売却について

  政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)

・ 売却の経緯及び売却方針について

 当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、昭和61~63年度において売却されました。

 また、平成2年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、平成9年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)

 平成10年度においては、平成10年12月に100万株について売却が実施されました。

 平成11年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については平成11年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については平成11年11月に売却が実施されました。また、上記の平成2年12月に示された売却方針については終了しました。

 平成12年度においては、平成12年11月に100万株の売却が実施されました。

 平成14年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については平成14年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

 平成15年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については平成15年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

 平成16年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については平成16年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

平成17年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて平成17年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。

平成23年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については平成23年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については平成24年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

平成25年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については平成26年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

平成26年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については平成26年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については平成26年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

平成28年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については平成28年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社は、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき様々な研究開発に取り組みました。NTTグループのAI技術の総称として「corevo®(コレボ)」ブランドを立ち上げ、様々な業界の皆様とのコラボレーションを推進しました。また、開発成果の事業化にあたっては、総合プロデュース制による、市場動向を踏まえたビジネスプランの策定や実用化開発を行いました。

 

○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み

・IoT時代のリアルタイムかつ多様なデータ処理を実現するエッジコンピューティング技術について、製造業分野の最適化に向けファナック株式会社との協業に、コネクティッドカー分野において、トヨタ自動車株式会社と技術開発・技術検証に向けた協業に、それぞれ合意しました。

・社会基盤などの産業機器に対するサイバー攻撃を自動検知し防御策を施す制御システム向けの試作機を、三菱重工業株式会社とともに開発しました。

・物体をどの方向から撮影しても高精度に認識・検索する「アングルフリー物体検索技術(corevo®)」を活用
し、コンビニ店内の商品情報の検索・提供について株式会社セブン&アイ・ホールディングスと、地下鉄駅構内の案内看板撮影による現在位置情報の提供や広告ポスター撮影による期間限定特典の提供について東京地下鉄株式会社(東京メトロ)と共同実験を行いました。

・生産設備の稼働率や製品品質の向上をめざし、生産設備機器の稼動音と故障の特性を、客観的に可視化・解析する「異常音検知技術(corevo®)」を日立造船株式会社に提供しました。

・コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携技術(corevo®)を用いたサービスの実現に向けて、グループ6社による合同実証実験を行いました。

 

○国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた研究開発

・他社を含めた通信事業者・サービス提供事業者のサービスをカタログ化し、複数サービスを申し込みからサービス開始・保守まで一元的に管理することで光コラボレーション事業者などのコスト低減を可能とする「オペレーション連携機能」を開発しました。

・データセンターなどで活用されている汎用製品で高品質で低コストなネットワークサービスを可能とするソフトウェアを開発しました。

・ネットワークの障害原因と装置から発せられるアラームの因果関係を自律的に抽出し、原因調査にかかる時間の大幅な短縮を可能にする「障害原因推定技術(corevo®)」を開発しました。

 

○深い感動・新しい体験を提供する研究開発

・投手の球筋を臨場感高く体感可能な「スポーツ一人称視点合成技術」を用いたプロ野球選手向けトレーニングシステムを開発し、株式会社楽天野球団(東北楽天ゴールデンイーグルス)とともに実証実験を行いました。

・車いす利用者への道案内に必要な、段差や階段などのバリアフリー情報を専門知識がない人でも簡単に収集可能な技術「MaPieceTM」および、訪日外国人にもわかりやすい平易な立体地図表示を実現する「2.5D地図表現技術」を開発しました。

・あたかもその場にいるような超高臨場感を配信する技術「Kirari! ®」を用いて、松竹株式会社が米国ネバダ州ラスベガスにて公演を行った「KABUKI LION 獅子王」を日本へ配信したほか、米国テキサス州オースティンでの「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2017」において日本のスタジオ映像を米国へ配信し、海外とのリアルタイム配信技術実証を行いました。

・人間の感性や感情に訴えかける全く新しいサービスや2020年に向けた公共空間における新しい感動体験の創造をめざし、世界的なメディアアート研究機関アルスエレクトロニカ・フューチャーラボと共同研究を開始しました。

・快適・安全な都市機能実現のため、災害時の一斉情報配信や外国人観光客の言語・位置に応じた情報などを提供するデジタルサイネージの実証実験を行いました。

 

○最先端研究の推進

・創薬のための化合物探索など、通常のコンピューターでは解くことが困難な問題を、光を使って高速に解く全く新しい原理の計算機「量子ニューラルネットワーク」を開発しました。

・電子1個に現れる量子力学的な振る舞いが、日常見るような巨視的なものにも現れるのか、という巨視的実在性問題を世界ではじめて解決しました。

・優れたアスリートの脳はどのように精神状態を調節し、身体運動を制御して最高のパフォーマンスを発揮するのか、その脳の情報処理を解明し「脳を鍛えて勝つ」ことをめざす「スポーツ脳科学プロジェクト」を発足、研究開発を開始しました。

 

 

これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当連結会計年度において要した費用の総額は1,047億円(前期比1.0%減)となり、その対価として、基盤的研究開発収入999億円(前期比2.0%減)を得ました。

 

 

なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額

(百万円)

摘 要

地域通信事業

91,298

IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等

長距離・国際通信事業

15,976

IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等

移動通信事業

83,050

通信事業の競争力強化に向けた移動通信ネットワークの高機能化、及びスマートライフ事業の拡大をめざしサービスやデバイスの分野においてイノベーション創出に向けた研究開発等

データ通信事業

12,360

システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等

その他の事業

108,932

ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等

小計

311,616

 

セグメント間取引消去

△100,000

 

合計

211,616

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)営業実績

当連結会計年度における情報通信市場では、固定/移動ブロードバンドを活用した様々な機器の普及・浸透に加え、クラウドサービスやAI、ビッグデータ、IoTなどの技術の進歩による新たなサービスの登場を通じて、人々の生活における利便性や各産業における生産性の向上など、幅広い変化が起きています。一方で、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対するセキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や安心・安全な社会システムの運営など、情報通信の役割はより重要となってきています。こうした動きは世界的な広がりを見せています。

 

このような事業環境のなか、NTTグループは、平成27年5月に策定・公表した中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、「バリューパートナー」としての自己変革を加速し、グループ全体を利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しました。

 

《グローバルビジネスの拡大・利益創出に向けた取り組みの状況》

グローバル・クラウドサービスを事業の基軸として拡大するとともに、利益創出スピードを加速する取り組みを強化しました。

 

○セキュリティ・サービスのグローバルでの提供力を強化するため、NTTセキュリティ株式会社を設立し、NTTグループのセキュリティ専門技術・サービスプラットフォームなどを一元的に集約しました。

○グローバルネットワーク、クラウドマイグレーション、ITアウトソーシング案件を中心に、グループ会社間の連携によるクロスセルを推進し、オーストラリアのビクトリア州交通局のほか、金融業や製造業、運送業など、世界各地の様々な業種のお客さまから受注を獲得しました。

○グローバル・クラウド事業におけるサービスやオペレーションの効率化・最適化を図るとともに、調達についても、物品の仕様統一や機種の絞り込みなどを推進して調達コストの低減を行うなど、NTTグループトータルの競争力強化のための事業構造の改革に取り組みました。

 

《国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた取り組みの状況》

国内ネットワーク事業における、付加価値の高いサービスの創出や、設備投資の効率化およびコスト削減による利益成長に向けた取り組みを強化しました。

 

○様々な事業者とのコラボレーションを推進する「光コラボレーションモデル」や「+d」の取り組みを通じて、付加価値の高いサービスの創出に努めました。

○ネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用率の向上や調達コストの削減など、設備投資の効率化を推進しました。

○「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや業務効率化など、継続的なコスト削減に取り組みました。

 

加えて、これらを支える仕組みとして、海外子会社を含め、グループ経営情報の見える化、会計基準の統一、資金効率の向上などに向けて取り組みました。また、平成27年度に立ち上げたプロジェクトチームを通じて、徹底したコスト削減や利益創出に向けた取り組みを推進しました。

《B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組みの状況》

日本政府が「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(注)」と「地方創生」を軸に、各種政策を策定・遂行していることを捉え、B2B2Xモデルへの転換をさらに加速し、他分野の事業者や自治体とともに次世代に受け継がれるスタンダードとなるサービスの創出をめざした取り組みを強化しました。

 

○スポーツビジネスで、Jリーグや英国Perform Groupとのコラボレーションにより、B2B2Xビジネスを展開しました。先行ケースとして、Jリーグ大宮アルディージャのNACK5スタジアム大宮でスマートスタジアム化を推進し、スマートフォンなどでの新たな観戦体験や、周辺店舗との相互顧客創造によるホームタウンの地域活性化に取り組みました。

また、全国のJリーグのスタジアムのスマート化の取り組みを開始し、その第一弾として、ユアテックスタジアム仙台のWi-Fi環境整備を実施しました。さらに、Jリーグの試合映像を含む新たなスポーツコンテンツ配信サービスを開始し、スマートフォンユーザー向けに「DAZN for docomo」の提供を、光IPテレビユーザー向けに「ひかりTV」で「DAZN for docomo」と「DAZN」に対応しました。

○NTTグループが持つ最先端の視覚・聴覚の認知技術と歌舞伎とのコラボレーションによる共同実験を松竹株式会社との間で展開するなど、伝統芸能などのエンタテインメント分野でのコラボレーションを推進しました。

○エッジコンピューティング技術とアプリケーション配信技術を活用した工場のスマート化に係る協業についてファナック株式会社と合意したほか、センサー情報やドローン空撮、画像解析などによる生育管理などの農業のスマート化に取り組むなど、様々な産業分野とのコラボレーションも推進しました。

○NTTグループのICT技術を通じて、地域における社会的課題の解決に取り組むため、観光・スポーツをはじめ、交通・雪対策、健康・子育ての分野での札幌市のICT活用を目的として、平成28年7月に「札幌市ICT活用プラットフォーム検討会」を設立しました。札幌市や地場商業施設のビッグデータ(観光客を中心とした人の流れ・購買データなど)を収集・解析し、札幌市の観光分野でのICT活用を推進しました。また、札幌の観光・スポーツのブランドの確立に向けて、平成29年2月に開催された2017冬季アジア札幌大会において、先進的なICTを活用した新しいスポーツ観戦モデルを提供し、スポーツツーリズムの活性化に取り組みました。

 

(注) NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ゴールドパートナー(通信サービス)です。

 

以上の取り組みの結果、当連結会計年度の営業実績は次のとおりとなりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

当連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

115,410

113,910

△1,500

△1.3%

 固定音声関連収入

13,300

12,339

△961

△7.2%

 移動音声関連収入

8,378

8,653

275

3.3%

 IP系・パケット通信収入

37,578

38,090

511

1.4%

 通信端末機器販売収入

9,530

8,065

△1,465

△15.4%

 システムインテグレーション収入

30,635

30,416

△219

△0.7%

 その他の営業収入

15,988

16,348

359

2.2%

営業費用

101,928

98,512

△3,416

△3.4%

営業利益

13,481

15,398

1,916

14.2%

営業外損益

△189

△120

69

36.4%

税引前当期純利益

13,293

15,278

1,985

14.9%

法人税等

3,548

4,684

1,135

32.0%

持分法による投資利益(△損失)

58

△0

△58

当期純利益

9,802

10,594

792

8.1%

控除:非支配持分に帰属する当期純利益

2,425

2,592

168

6.9%

当社に帰属する当期純利益

7,377

8,001

624

8.5%

 

営業収益

NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しております。

平成29年3月期の営業収益は、前期比1.3%減少し、11兆3,910億円となりました。これは、移動通信事業セグメントにおけるモバイル通信サービス収入の拡大や海外事業における連結拡大があったものの、円高による為替影響を受けたことなどによるものです。

平成29年3月期における各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。

 

・固定音声関連収入

固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送など、地域通信事業セグメントと長距離・国際通信事業セグメントの一部が含まれております。

平成29年3月期における固定音声関連収入は、前期比7.2%減少し、1兆2,339億円(営業収益の10.8%に相当)となりました。これは、携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したことなどによるものです。

 

・移動音声関連収入

移動音声関連サービスには、LTE(Xi)における音声通話サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。

平成29年3月期における移動音声関連収入は、前期比3.3%増加し、8,653億円(営業収益の7.6%に相当)となりました。これは、音声ARPUの増加などによるものです。

 

・IP系・パケット通信収入

IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」などの地域通信事業セグメントの一部、Arcstar Universal One、IP-VPN、OCNなどの長距離・国際通信事業セグメントの一部、LTE(Xi)におけるパケット通信サービスなどの移動通信事業セグメントの一部が含まれております。

平成29年3月期におけるIP系・パケット通信収入は、前期比1.4%増加し、3兆8,090億円(営業収益の33.4%に相当)となりました。これは、地域通信事業セグメントにおいて「光コラボレーションモデル」への転用の進展による収入の減少があったものの、移動通信事業セグメントにおいて料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」におけるパケット利用拡大や「ドコモ光」の契約者数拡大が進んだことなどによるものです。

 

・通信端末機器販売収入

通信端末機器販売には、地域通信事業セグメント、移動通信事業セグメントの一部などが含まれております。

平成29年3月期における通信端末機器販売収入は、前期比15.4%減少し、8,065億円(営業収益の7.1%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業セグメントにおけるスマートフォンなどの携帯電話端末の卸売販売台数が減少したことによるものです。

 

・システムインテグレーション収入

システムインテグレーションには、データ通信事業セグメント及び長距離・国際通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれております。

平成29年3月期のシステムインテグレーション収入は、前期比0.7%減少し、3兆416億円(営業収益の26.7%に相当)となりました。これは、国内事業・海外事業ともに成長したものの、海外事業において為替影響を受けたことなどによるものです。

 

・その他の営業収入

その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、移動通信事業セグメントにおけるスマートライフ領域などが含まれております。

平成29年3月期のその他の営業収入は、前期比2.2%増加し、1兆6,348億円(営業収益の14.4%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業セグメントにおけるスマートライフ領域に関する収益が増加したことなどによるものです。

 

営業費用

平成29年3月期の営業費用は前期比3.4%減少し、9兆8,512億円となりました。主な要因は以下のとおりであります。なお、下記の人件費、経費は、連結損益計算書上のサービス原価、通信端末機器原価、システムインテグレーション原価、販売費及び一般管理費に含まれております。

 

・人件費

平成29年3月期の人件費は、前期比1.0%減少し、2兆2,768億円となりました。データ通信事業セグメントの人件費が連結拡大により増加したものの、地域通信事業セグメントの人件費が退職等により減少したことなどにより、人件費は前期と比較して減少しております。

 

・経費

平成29年3月期の経費は、前期比1.1%減少し、5兆6,120億円となりました。海外子会社の連結拡大などによる経費の増加があったものの、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメントなどにおける業務効率化の取り組み等による経費の削減により、経費は前期と比較して減少しております。

 

・減価償却費

平成29年3月期の減価償却費は、前期比17.2%減少し、1兆4,622億円となりました。これは、減価償却方法を定率法から定額法に変更したこと、及び地域通信事業セグメントや移動通信事業セグメントにおいて設備投資を効率化したことなどに伴って減価償却費が減少したことによるものです。

 

営業利益

以上の結果、平成29年3月期の営業利益は、前期比14.2%増加し、1兆5,398億円となりました。

 

営業外損益

平成29年3月期の営業外損益は、前期の△189億円に対し△120億円となりました。

 

税引前当期純利益

以上の結果、平成29年3月期の税引前当期純利益は前期比14.9%増加し、1兆5,278億円となりました。

 

法人税等

平成29年3月期の法人税等は、前期比32.0%増加し、4,684億円となりました。これは、税引前当期純利益が増加したことのほか、平成28年3月期において、西日本電信電話株式会社および株式会社NTTドコモが繰延税金資産の実現可能性の見積もりを変更したことに伴い、評価性引当金が減少したため、「法人税等:繰延税額」が減少したことなどによるものです。この結果、平成28年3月期と平成29年3月期の税負担率は、それぞれ26.69%、30.66%となっております。

 

持分法による投資利益(△損失)

平成29年3月期の持分法による投資利益(△損失)は、前期の58億円に対し△0億円となりました。

 

当社に帰属する当期純利益

以上の結果、平成29年3月期の当期純利益は前期比8.1%増加し、1兆594億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期純利益を控除した当社に帰属する当期純利益は、前期比8.5%増加し、8,001億円となりました。

 

 

 

 

(2)セグメント情報

NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、移動通信事業セグメント、データ通信事業セグメントおよびその他の事業セグメントに区分しております。(連結財務諸表の注記18参照)

地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。

長距離・国際通信事業セグメントには、主に固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、システムインテグレーションサービス、その他が含まれております。

移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、その他が含まれております。

データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションサービスが含まれております。

また、その他の事業セグメントには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、リース、研究開発等に係るその他のサービスが含まれております。

 

各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含んでおります。

 

①地域通信事業セグメント

地域通信事業セグメントでは、光アクセスサービスなどを様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」によるB2B2Xビジネスの展開などの取り組みを行いました。

 

○「光コラボレーションモデル」において、通信業界、エネルギー業界、不動産業界、警備業界などの事業者のほか、当連結会計年度は住宅業界やメディア業界など異業種の事業者との協業がさらに広がり、卸サービスを提供している事業者数は当連結会計年度末時点で約550社となりました。また、住宅業界においては、同モデルとHEMSサービスや生活関連サービスを組み合わせて住宅購入後の生活も含めてトータルでサポートする新たな活用事例が生まれました。こうした取り組みにより、同モデルにおける光アクセスサービスの契約数は874万契約となりました。

○「光コラボレーションモデル」の進展に伴い、マーケティングコストの継続的な削減に取り組みました。また、ネットワークのシンプル化・スリム化や、既存設備の利用率の向上など、設備投資の効率化を推進しました。

○企業や自治体が自らの情報サービスの有力なツールとして積極的に導入を進めているWi-Fiについて、増加する訪日外国人旅行者の利便性向上に向けて、様々な地域における面的拡大に引き続き取り組んだ結果、Wi-Fiのエリアオーナー数は557となりました。

 

《主なサービスの提供状況》

○「フレッツ光」   :2,005万契約(対前連結会計年度: +79万契約)

(再掲)「コラボ光」: 874万契約(対前連結会計年度: +405万契約)

○「ひかり電話」   : 1,776万ch(対前連結会計年度: +38万ch)

○「フレッツ・テレビ」: 152万契約(対前連結会計年度: +9万契約)

(注)「フレッツ光」、「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ」は、「光コラボレーションモデル」を活用してNTT東日本およびNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスの契約数を含めて記載しております。

 

セグメント業績の概要(平成28年4月1日~平成29年3月31日)                (単位:億円)

 

平成28年3月期

連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

平成29年3月期

連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

34,079

33,082

△996

△2.9%

固定音声関連サービス

12,980

12,106

△875

△6.7%

IP系・パケット通信サービス

15,644

15,408

△236

△1.5%

システムインテグレーションサービス

1,612

1,662

50

3.1%

その他

3,842

3,906

64

1.7%

営業費用

31,429

29,487

△1,942

△6.2%

営業利益

2,650

3,595

945

35.7%

 

地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連サービス収入が減少したことなどに伴い3兆3,082億円(前期比2.9%減)となりました。

一方、当連結会計年度の営業費用は、「光コラボレーションモデル」の進展に伴うマーケティングコストのコントロールや継続した業務効率化などによる経費の削減、減価償却方法見直しに伴う減価償却費の減少などにより2兆9,487億円(前期比6.2%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は3,595億円(前期比35.7%増)となりました。

 

地域通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は以下のとおりです。

 

(固定音声関連サービス)

本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比875億円(6.7%)減少の1兆2,106億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。

 

加入電話やINSネットについて、お客さまニーズが携帯電話、IP電話、ブロードバンドアクセスサービス、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスなどへと移行していることなどに伴い、平成29年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比1,382千契約減少し、21,336千契約となりました。

加入電話とINSネットの契約数は、次のとおりです。

(単位:千加入/回線)

サービスの種類

平成28年3月31日

現在

平成29年3月31日

現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 加入電話

9,875

9,315

△559

△5.7%

 INSネット

1,414

1,293

△121

△8.6%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 加入電話

10,068

9,482

△586

△5.8%

 INSネット

1,361

1,246

△116

△8.5%

(注)1.加入電話は、一般加入電話とビル電話を合算しております(加入電話・ライトプランを含む)。

2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれております。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しております(INSネット64・ライトを含む)。

 

平成29年3月期における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が40円(1.5%)減少し2,610円、NTT西日本が30円(1.1%)減少し2,580円となりました。これらの原因は、移動体通話への移行、高利用者層のIP電話への移行などによるものです。

なお、ARPUについては、「(注)2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」をご参照ください。また、固定電話総合ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。

 

(IP系・パケット通信サービス)

本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比236億円(1.5%)減少の1兆5,408億円となりました。これは主に以下の要因によるものです。

 

「光コラボレーションモデル」によるB2B2Xビジネスの展開などに取り組んだ結果、平成29年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、前期比794千契約(4.1%)増加し20,053千契約、「ひかり電話」の契約数は、前期比385千チャネル(2.2%)増加し17,759千チャネル、「フレッツ・テレビ」の契約数は、前期比89千契約(6.2%)増加し1,521千契約となりました。

 

「フレッツ光(コラボ光含む)」、「フレッツADSL」および光IP電話「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」の契約数は、次のとおりです。

(単位:千契約)

サービスの種類

平成28年3月31日

現在

平成29年3月31日

現在

増減

増減率

(NTT東日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

10,666

11,173

507

4.8%

 フレッツ・ADSL

475

411

△64

△13.5%

 ひかり電話(千チャネル)

9,123

9,369

246

2.7%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

910

951

42

4.6%

(NTT西日本)

 

 

 

 

 フレッツ光(コラボ光含む)

8,593

8,880

287

3.3%

 フレッツ・ADSL

577

508

△70

△12.1%

 ひかり電話(千チャネル)

8,252

8,390

139

1.7%

 フレッツ・テレビ伝送サービス

522

570

48

9.2%

(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」はNTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。

2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。

 

平成29年3月期におけるフレッツ光ARPUは、前期に比べ、NTT東日本が260円(4.7%)減少し5,250円、NTT西日本が190円(3.5%)減少し5,280円となりました。これは、「光コラボレーションモデル」の進展に伴う単金減などによるものです。

フレッツ光ARPUの算定式については、「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。

 

(その他)

システムインテグレーションサービス、その他については、企業や自治体などのお客様に対し、お客さまごとの課題やニーズに応じたサービスを提供し、ICTの利活用促進に取り組みました。

 

②長距離・国際通信事業セグメント

長距離・国際通信事業セグメントでは、ネットワーク、セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力を強化したほか、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化を図りました。

 

《主な取り組み内容》

○より信頼性の高い国際ネットワークを基盤としたICTソリューションを企業のお客さまに提供していくため、新たな大容量光海底ケーブル「Asia Pacific Gateway」を平成28年10月より運用開始しました。また、世界各地でのクラウドサービスやデータセンターの需要に対応するため、市場拡大の続く米国において「バージニア アッシュバーン 2 (VA2) データセンター」の提供を開始したことに加え、強固なセキュリティや高水準な省エネを実現する仕組みを備えた「バージニア アッシュバーン 3 (VA3) データセンター」の建設を開始するなど、様々なバリエーションのデータセンターの提供に取り組むことを通じて、クラウド基盤の積極的な拡充を推進しました。こうした取り組みにより、米国のTeleGeography社レポート(平成28年11月発行)において、NTTグループのデータセンターは、総床面積およびサーバー設置可能面積ともに世界トップクラスに位置づけられています。

○英国の大手保険事業者ReAssure UK Services LimitedからITアウトソーシングを受注し、同社サーバーのクラウド化を含めたインフラサービスやセキュリティ監視サービスなどの提供を開始しました。

 

《主なサービスの提供状況》

○クラウドサービスお客さま数: 9,000件(対前連結会計年度:  700件)

○「ひかりTV」       :302万契約(対前連結会計年度:△3万契約)

 

セグメント業績の概要(平成28年4月1日~平成29年3月31日)                (単位:億円)

 

平成28年3月期

連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

平成29年3月期

連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

22,509

21,293

△1,217

△5.4%

固定音声関連サービス

2,851

2,626

△225

△7.9%

IP系・パケット通信サービス

3,719

3,972

254

6.8%

システムインテグレーションサービス

14,253

13,033

△1,220

△8.6%

その他

1,686

1,662

△25

△1.5%

営業費用

21,542

20,884

△658

△3.1%

営業利益

967

408

△559

△57.8%

 

長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、データネットワークの増収やデータセンター事業を中心とした国内外ビジネスの成長はあったものの、為替影響や固定音声関連サービス収入の減少などにより2兆1,293億円(前期比5.4%減となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、コンシューマ向けサービスの販売コストの効率化などによる経費の減少や為替影響による減少があったものの、ディメンションデータの構造改革に伴う一時費用やのれんなどの減損等があったことから、2兆884億円(前期比3.1%減となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は408億円(前期比57.8%減となりました。

 

長距離・国際通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。

 

(固定音声関連サービス)

本セグメントにおける固定音声関連サービス収入は、前期比225億円(7.9%)減少の2,626億円となりました。これは、主に携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスの増加などにより固定電話の契約数が減少したことなどによるものです。

 

(IP系・パケット通信サービス)

本セグメントにおけるIP系・パケット通信サービス収入は、前期比254億円(6.8%)増加の3,972億円となりました。これは、主に以下の取り組みによるものです。

 

個人のお客さま向けには、NTTコミュニケーションズのLTE対応モバイルデータ通信サービス「OCN モバイル ONE」において、無料で接続できるWi-Fiスポットや大容量かつシェアできる料金プランを提供開始するなど、新たな機能や料金プランの追加などで契約者数を増加させました。

法人のお客さま向けには、NTTコミュニケーションズの企業向けネットワークサービス「Arcstar Universal One」において、オンデマンドに即時開通や帯域変更が可能となるオプション機能を強化するなど、先進的な機能の提供などで契約数の増加に努めました。

 

長距離・国際通信事業セグメントにおけるIP系・パケット通信関連サービスの契約数は、次のとおりです。

(単位:千契約)

サービスの種類

平成28年3月31日

現在

平成29年3月31日

現在

増減

増減率

ネットワークサービス(VPN)(注1)(千回線)

339

353

14

4.2%

OCN(ISP)

8,046

7,739

△307

△3.8%

ぷらら(ISP)(注2)

3,005

3,106

101

3.4%

ひかりTV(注2)

3,052

3,023

△29

△0.9%

(注1)「ネットワークサービス(VPN)」には、Arcstar Universal One、ArcstarグローバルIP-VPNなどが含まれております。

(注2)「ぷらら」及び「ひかりTV」に係る収入は、その他の営業収入に含まれております。

 

(システムインテグレーションサービス)

本セグメントにおけるシステムインテグレーションサービス収入は、グローバル・クラウドサービスをNTTグループ全体の事業の基軸として拡大させる取り組みを強化したものの、為替影響により、前期比1,220億円(8.6%)減少の1兆3,033億円となりました。

主な取り組みとして、フルスタック・フルライフサイクルでのサービス提供力をさらに強化するため、データセンターなどのクラウド基盤の拡充や、ネットワーク・セキュリティなどを組み合わせたシームレスICTソリューションの提供力の強化、クラウドサービスやITアウトソーシングといった成長分野でのサービス提供力の強化などを図りました。

具体的には、NTTコミュニケーションズの総合リスクマネジメントサービス「WideAngle」について、マネージドセキュリティサービス運用基盤に搭載した人工知能を拡充し、サイバー攻撃分析ロジックを大幅に強化したほか、NTTセキュリティ株式会社と連携し、ますます巧妙化・悪質化が予想されるセキュリティ脅威への対策とリスクマネジメントを総合的に支援するサービスの提供を行いました。

 

③移動通信事業セグメント

移動通信事業セグメントでは、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」や「ドコモ光」の販売を推進したほか、様々な事業者とのコラボレーションを推進し、新たな付加価値の提供を行うなど、スマートライフ領域の収益力強化を図りました。

 

《主な取り組み内容》

○お客さまのライフステージに合わせながら、長期にわたりお得にお使いいただける「カケホーダイ&パケあえる」の販売を引き続き推進したほか、平成28年11月より「ドコモ 子育て応援プログラム」を提供するなど、お客さま還元の強化に取り組みました。その結果、「カケホーダイ&パケあえる」の契約数は3,707万契約となりました。

○地域通信事業セグメントの「光コラボレーションモデル」を活用し、光アクセスサービスとインターネット接続サービス、モバイルサービスを一括して提供する「ドコモ光パック」の販売を推進しました。その結果、「ドコモ光」の契約数は340万契約となりました。

○スマートライフ領域の収益力強化に向け、様々な事業者とのコラボレーションを通じて新たな付加価値を協創する「+d」の取り組みを推進し、コンテンツサービスや金融・決済サービスなどを拡充しました。具体例として、Perform Groupと協業してスポーツライブストリーミングサービス「DAZN for docomo」の提供を開始したほか、ポイントサービス「dポイント」の加盟店拡大などに取り組みました。

 

 

《主なサービスの提供状況》

○携帯電話サービス          :7,488万契約(対前連結会計年度: +392万契約)

(再掲)カケホーダイ&パケあえる  :3,707万契約(対前連結会計年度: +736万契約)

(再掲)LTE(Xi)サービス   :4,454万契約(対前連結会計年度: +587万契約)

(再掲)FOMAサービス      :3,034万契約(対前連結会計年度: △195万契約)

(注)  携帯電話サービス契約数、LTE(Xi)サービス契約数およびFOMAサービス契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。

 

セグメント業績の概要(平成28年4月1日~平成29年3月31日)                (単位:億円)

 

平成28年3月期

連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

平成29年3月期

連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

45,271

45,846

574

1.3%

移動音声関連サービス

8,494

8,752

258

3.0%

IP系・パケット通信サービス

19,548

21,013

1,465

7.5%

その他

17,229

16,081

△1,148

△6.7%

営業費用

37,388

36,329

△1,058

△2.8%

営業利益

7,884

9,516

1,633

20.7%

 

移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、端末卸売台数の減少はあるものの、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」におけるパケット利用が進んだことや「ドコモ光」の契約者数が拡大したことなどに加え、スマートライフ領域が成長したことなどに伴い、4兆5,846億円(前期比1.3%増となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、「ドコモ光」の拡大やスマートライフ領域の成長による収益連動費用の増加などがあったものの、コスト効率化の推進や減価償却方法見直しに伴う減価償却費の減少などにより、3兆6,329億円(前期比2.8%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は9,516億円(前期比20.7%増となりました。

 

移動通信事業セグメントにおける各サービス分野別の営業の状況は次のとおりです。

 

(移動音声関連サービス/IP系・パケット通信サービス)

 

本セグメントにおける移動音声関連サービス収入は、前期比258億円(3.0%)増加の8,752億円となりました。これは、主に音声ARPUが増加したことによるものです。また、IP系・パケット通信サービス収入は、前期比1,465億円(7.5%)増加の2兆1,013億円となりました。これは、お客さま還元強化による減収影響はあるものの、「カケホーダイ&パケあえる」におけるパケット利用が進んだこと、スマートフォン利用やタブレット端末などの2台目需要が拡大したことによりパケットARPUが増加したことや、「ドコモ光」の契約者数が拡大したことなどによるものです。

平成29年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は、7,488万契約と前期末時点の7,096万契約から1年間で392万契約増加いたしました。また、解約率は前期比0.03ポイント低下し、0.59%となりました。

 

 

移動通信事業セグメントの契約数および市場シェアは、次のとおりです。

(単位:千契約)

サービスの種類

平成28年3月31日

現在

平成29年3月31日

現在

増減

増減率

携帯電話サービス(注1)

70,964

74,880

3,916

5.5%

 (再掲)カケホーダイ&パケあえる

29,704

37,066

7,362

24.8%

  LTE(Xi)サービス

38,679

44,544

5,865

15.2%

  FOMAサービス

32,285

30,336

△1,949

△6.0%

携帯電話市場シェア(注2)

45.3%

46.0%

0.7ポイント

spモードサービス

32,463

35,921

3,458

10.7%

iモードサービス

18,770

15,493

△3,277

△17.5%

(注1)携帯電話サービス契約数、LTE(Xi)サービス契約数及びFOMAサービス契約数には、通信モジュールサービス契約数を含めて記載しております。

(注2)他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しております。

 

平成29年3月期における携帯電話総合ARPUは4,430円と、前期の4,170円に比べ260円(6.2%)増加しました。これは、音声ARPUが、お客さま還元強化による減収影響はあるものの、「カケホーダイ&パケあえる」への継続的な移行による影響などにより1,250円と前期の1,210円に比べて40円(3.3%)増加したこと、データARPUが、お客さま還元強化による減収影響はあるものの、スマートフォン利用やタブレット端末などの2台目需要の拡大に加え、「ドコモ光」契約者数の拡大により3,180円と前期の2,960円に比べて220円(7.4%)増加したことによります。

携帯電話サービスにおけるMOUについては「(注)1.MOU(Minutes Of Use)」を、また、ARPUの算定式については「(注)3.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照下さい。

 

下の表は、携帯電話サービスにおけるARPUおよびMOUに関するデータを示しております。

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

総合ARPU(円)

4,170

4,430

260

6.2%

 音声ARPU(円)

1,210

1,250

40

3.3%

 データARPU(円)

2,960

3,180

220

7.4%

  パケットARPU(円)

2,910

2,990

80

2.7%

  ドコモ光ARPU(円)

50

190

140

280.0%

MOU(分)

133

137

4

3.0%

 

(その他)

本セグメントにおけるその他の収入は、前期比1,148億円(6.7%)減少の1兆6,081億円となりました。これは、スマートライフ領域の成長による増加があったものの、端末販売台数が減少したことによるものです。

 

スマートライフ事業においては、お客さまの健康や生活に密接したサービスを新たに提供するため、dマーケットのラインナップの充実などに取り組みました。

 

④データ通信事業セグメント

データ通信事業セグメントでは、お客さまのグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したシステムインテグレーションなどの多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。

 

《主な取り組み内容》

○北米を中心とした事業基盤獲得によるプレゼンスの向上を図ると同時に、クラウドサービスやBPOサービスを強化することを目的として、ヘルスケア業界向けの業界特化型のデジタルソリューションやBPOサービスの提供などでお客さまから高い評価を獲得しているDell Services 部門の事業などを譲り受けました。

○オープンイノベーションを通じて新たな金融関連サービスを創出することを目的として、ベンチャー企業や地方銀行とともに「BeSTA FinTech Lab」を立ち上げ、位置情報を活用した情報配信サービスの実証実験を実施するなど、FinTechを活用した新規サービスの提供に向けて取り組みました。

○世界規模の地理空間情報の利用拡大、市場創出ならびに関連産業の振興をめざし、一般財団法人リモート・センシング技術センターと開発した世界最高精度の「AW3D®全世界デジタル3D地図」を、平成28年4月より全世界エリアで提供開始しました。

 

セグメント業績の概要(平成28年4月1日~平成29年3月31日)                (単位:億円)

 

平成28年3月期

連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

平成29年3月期

連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

16,168

17,187

1,019

6.3%

営業費用

15,041

16,108

1,067

7.1%

営業利益

1,127

1,079

△49

△4.3%

 

データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、為替影響による減少はあったものの、Dell Services 部門の譲り受けによる連結拡大影響や、流通・サービス業界や中央府省向けのビジネス規模拡大などにより1兆7,187億円(前期比6.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、不採算案件の影響縮小はあったものの、連結子会社の拡大などに伴う経費や人件費の増加、M&Aに関連する一時的な費用の発生などにより1兆6,108億円(前期比7.1%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,079億円(前期比4.3%減)となりました。

 

⑤その他の事業セグメント

その他の事業セグメントでは、主に不動産事業、金融事業、建築・電力事業、システム開発事業に係るサービスを提供しました。

 

《主な取り組み内容》

○不動産事業

オフィスビル・商業施設を中心としたオフィス・商業事業や、マンションブランド「Wellith(ウエリス)」を主体とした住宅事業を推進しました。また、これらの事業で培ったノウハウを活用し、グローバル事業やホテル・リゾート事業などにも取り組みました。

○金融事業

情報関連機器分野を中心としたリース・割賦やファイナンスなどの金融サービス、通信サービス料金などの請求・回収、クレジットカードの決済サービスの提供を行いました。

○建築・電力事業

「ICT・エネルギー・建築」の技術を最大限に融合・活用し、大規模な太陽光発電システムやデータセンターの設計および構築などを行いました。

○システム開発事業

最適で高品質なICTサービスを提供するため、ネットワークのオペレーションシステムやアプリケーションサービスの開発などに取り組みました。

 

セグメント業績の概要(平成28年4月1日~平成29年3月31日)                (単位:億円)

 

平成28年3月期

連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

平成29年3月期

連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

12,945

12,823

△122

△0.9%

営業費用

12,204

12,050

△155

△1.3%

営業利益

740

773

33

4.4%

 

その他の事業セグメントにおいては、建築・電力事業における売上高の減少などにより、当連結会計年度の営業収益は1兆2,823億円(前期比0.9%減)となりました。一方、当連結会計年度における営業費用は、収益連動経費の減少などにより、1兆2,050億円(前期比1.3%減)となりました。この結果、営業利益は773億円(前期比4.4%増)となりました。

 

(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで)

当連結会計年度

(平成28年4月1日から

平成29年3月31日まで)

増減

増減率

営業収益

115,410

113,910

△1,500

△1.3%

国内

96,462

95,564

△898

△0.9%

海外

18,948

18,346

△602

△3.2%

(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しております。

 

国内における当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連収入や通信端末機器販売収入の減収などにより9兆5,564億円(前期比0.9%減)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、連結拡大影響による増収はあったものの、為替影響による減収などにより1兆8,346億円(前期比3.2%減)となりました。

 

(注)

1.MOU(Minutes Of Use):1利用者当たり月間平均通話時間

 

2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入

1契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの平均的な月間営業収益を計るために使われます。固定通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、固定電話(加入電話およびINSネット)並びに「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。移動通信事業の場合、ARPUは、移動通信事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(LTE(Xi))、携帯電話(FOMA)、及び「ドコモ光」のサービス提供により発生する通信サービス収入(一部除く)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料などは除いています。こうして得られたARPUは各月のお客さまの平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えております。なお、ARPUの分子に含まれる収入は米国会計基準による連結決算値を構成する財務数値により算定しております。

 

3.ARPUの算定式

(a) NTT東日本、NTT西日本

NTT東日本およびNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算をしております。

・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、およびIP系収入に含まれる「フレッツADSL」、「フレッツISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。

・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、および附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。

※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」および「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しております。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しております。

※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)およびフレッツ光ARPUには相互接続通話料が含まれておりません。

※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上の契約数は、固定電話(加入電話及びINSネット)の契約数であります。

※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、INSネット1500の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)いずれについてもINSネット64の10倍程度であることから、INSネット1500の1契約をINSネット64の10倍に換算しております。

 

※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」は、NTT東日本の「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「Bフレッツ」、「フレッツ・光プレミアム」、「フレッツ・光マイタウン」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含む)であります。

※6 NTT東日本およびNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は以下のとおりであります。

通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計

 

(b) NTTドコモ

NTTドコモのARPUの計算式は、以下のとおりであります。

・総合ARPU:音声ARPU+パケットARPU+ドコモ光ARPU

※1 ・音声ARPU:音声ARPU関連収入(基本使用料、通話料)/稼動利用者数

・パケットARPU:パケットARPU関連収入(月額定額料、通信料)/稼動利用者数

・ドコモ光ARPU:ドコモ光ARPU関連収入(基本使用料、通話料)/稼動利用者数

なお、パケットARPUとドコモ光ARPUの合算値をデータARPUと称します。

※2 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は以下のとおりであります。

通期実績:4月~3月までの各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計

※3 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。

利用者数 = 契約数

-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数

-Xi契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数

 

なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びに仮想移動体通信事業者(MVNO)へ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入は、ARPUの算定上、収入に含まれておりません。

 

(3)流動性及び資金の源泉

 

資金調達及び資金の源泉と使途

当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、2兆9,174億円となり、前連結会計年度の2兆7,118億円から2,055億円増加しております。これは、当連結会計年度の売掛金の回収が前連結会計年度に比べて増加したこと等によるものであります。

NTTグループは、営業活動によって得たキャッシュ・フローを主に設備の取得、新規連結子会社の取得、自己株式の取得等に充てました。

当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、2兆893億円となり、前連結会計年度の1兆7,598億円から3,295億円増加しております。これは、有形固定資産、無形固定資産に対する投資が現金支出ベースで643億円増加したことに加え、新規連結子会社の取得による支出が2,084億円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度の有形固定資産、無形固定資産に対する投資の増加は、地域通信事業において光関連投資が減少した一方で、移動通信事業において設備の集約化・大容量化施策により投資が増加したことに加え、データ通信事業において大型案件の規模拡大により投資が増加したこと等によります。なお、当連結会計年度の発生主義に基づく設備投資額1兆7,000億円の主な内訳は地域通信事業が5,834億円、移動通信事業が5,971億円でした。

当連結会計年度に財務活動に充てたキャッシュ・フローは、9,815億円となり、前連結会計年度の7,076億円から支出が2,739億円増加しております。これは、短期借入債務及び長期借入債務の返済による支出が純額で1,759億円減少した一方で、自己株式の取得による支出が純額で2,805億円増加したことに加え、非支配持分からの子会社株式の取得による支出が1,402億円増加したこと等によります。なお、当連結会計年度の長期借入による資金調達額の内訳は、社債による調達1,283億円、金融機関借入による調達1,922億円となっております。

また、平成29年3月31日現在のNTTグループの有利子負債残高は4兆882億円であり、平成28年3月31日現在の4兆1,633億円から751億円減少しました。平成29年3月31日現在の有利子負債の株主資本に対する比率は45.2%(平成28年3月31日現在は47.1%)となりました。なお、平成29年3月31日現在の有利子負債は、連結財務諸表の注記11に記載されている短期借入債務及び長期借入債務に加え、金銭消費寄託契約に基づく預り金106億円を含んでおります。

NTTグループは、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、銀行やその他の金融機関からの借入金、あるいは、資本市場における株式や債券の発行により、将来にわたって現在予測される設備投資とその他の支出や負債の支払に必要な財源が確保できると確信しております。

翌連結会計年度は、地域通信事業においてネットワーク増強関連投資が減少することに加え、移動通信事業においてLTE基地局構築の効率化により投資が減少する一方で、データ通信事業において当連結会計年度に連結子会社となったDell Services 部門の通年化影響や大型案件の規模拡大により投資が増加すること等により、発生主義に基づく設備投資額を当連結会計年度と同額の1兆7,000億円と見込んでおります。その内訳は、地域通信事業が5,550億円、移動通信事業5,700億円等となっております。設備投資は確実な予測が困難な需要動向、競争環境及びその他の要因に影響を受けるため、予想とは異なることもありえます。なお、NTTグループの実際の資金調達額は、将来の事業運営、市場状況、その他の要因によって変化するため、正確に予測することは困難であります。

 

流動性

平成29年3月31日現在のNTTグループの現預金及び現金同等物(期間3ヶ月以内の短期投資を含む)残高は9,252億円であり、平成28年3月31日現在の1兆883億円から1,631億円減少しました。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。

 

契約上の債務

下記の表は、平成29年3月31日現在におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。

(単位:百万円)

 

負債・債務の内訳

支払い期限ごとの債務額

総 額

1年以内

1年超

3年以内

3年超

5年以内

5年超

契約上の債務

 

 

 

 

 

長期借入債務 (注)1

 

 

 

 

 

社債

1,574,339

425,215

499,489

369,688

279,947

銀行からの借入金

2,276,043

256,689

591,253

470,586

957,515

長期借入債務に係る支払利息

195,594

40,747

58,428

36,840

59,579

キャピタル・リース債務 (注)2

48,276

16,840

20,120

8,291

3,025

オペレーティング・リース債務

165,290

41,176

54,907

30,366

38,841

購入債務 (注)3

222,087

134,541

80,850

4,275

2,421

その他の固定負債 (注)4

合 計

4,481,629

915,208

1,305,047

920,046

1,341,328

(注)1.長期借入債務の詳細については、連結財務諸表の注記11参照。

2.キャピタル・リース債務には利息相当額を含んでおります。

3.購入債務は主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入債務を含んでおりますが、解約可能な購入債務を除いております。

4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載しておりません。なお、連結財務諸表の注記12に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計16,531百万円の拠出を見込んでおります。

 

平成29年3月31日現在、NTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約2,221億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。

 

(4)オフバランスシートアレンジメント(簿外取引)

平成29年3月31日現在、保証債務等に関する偶発債務は758億円であります。

 

(5)最重要の会計方針

NTTグループの連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計基準(米国会計基準)に準拠して作成しております。連結財務諸表の注記3には、財務諸表作成に用いられた重要な会計方針の要約が記載されております。当社は、重要な会計方針のうち以下に記載した事項は、より高度な判断もしくは複雑さを伴うものと考えております。

 

・収益の認識

固定音声関連収入、移動音声関連収入、IP系・パケット通信収入及びその他の通信サービスに係る収益は、顧客にサービスが提供された時点で認識しております。契約事務手数料等の初期一括収入は繰り延べ、サービス毎に最終顧客(契約者)の見積平均契約期間にわたって収益として認識しております。また、関連する直接費用も、初期一括収入の金額を限度として繰り延べ、同期間で償却しております。当該処理方法は、当期純利益には重要な影響を与えないものの、収益及び原価の計上額は、初期一括収入及び関連する直接費用、ならびに収益・費用の繰り延べの基礎となる顧客の見積平均契約期間によって影響を受けます。顧客の平均契約期間の見積りに影響を与える要因としては、解約率、新規のまたは予想されうる競合商品・サービス・技術等があげられます。現在の償却期間は、過去のトレンドの分析と経験に基づき算定されております。通信端末機器販売収入は、顧客(販売代理店等)への引渡時に代理店手数料及びお客さまに対するインセンティブの一部を控除した額を収益として認識しております。当該引渡日とは、製品の所有権が販売代理店に移転し、所有によるリスクと便益が実質的に移転したとみなされる日であります。システムインテグレーション収入に関しては、損失の発生が予測される場合の損失引当は、損失の発生が最初に予測され、損失の額が合理的に見積り可能となった日の属する連結会計年度において行っております。NTTグループは、給付完了時に見込まれる全ての収益及び費用の見積りに基づいて損失を認識しております。これにより、給付が完了するまでの様々な段階で収益及び費用の合理的見積りが可能となります。認識された損失は、契約の進捗にしたがって見直すことがあり、その原因となる事実が判明した連結会計年度において計上されます。

・有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産及び耐用年数を特定できない無形資産

NTTグループは、連結会計年度に計上すべき減価償却費を決定するために、有形固定資産、ソフトウェアその他の償却可能無形資産の耐用年数及び残存価額を見積っております。耐用年数及び残存価額は、資産が取得された時点で、類似資産における過去の経験に基づくほか、予想される技術その他の変化を考慮に入れて見積っております。技術上の変化が予想より急速に、あるいは予想とは異なった様相で発生した場合には、当該資産に適用された耐用年数を短縮する必要が生じる可能性があります。その場合、結果として、将来において減価償却費を増加修正する必要が生じる可能性があります。なお、従来、当社及び国内連結子会社は、有形固定資産の減価償却方法として、原則として定率法を採用しておりましたが、平成28年4月1日より原則として定額法に変更しております。また、減価償却方法の変更にあわせて残存価額等についても検証し、一部の資産について見直しを行っております。これにより、従来の方法に比べ、当連結会計年度の減価償却費は2,442億円減少しています。

NTTグループは、その帳簿価額が回復不能であることを示唆する事象や環境の変化がある場合、常に減損の検討を行っております。仮に、割引前将来キャッシュ・フロー見積額が資産の帳簿価額を下回る場合には、当該資産の帳簿価額と割引キャッシュ・フロー、市場価額及び独立した第三者による評価額等により測定した公正価値との差額を「減損損失-その他」として計上することとしております。また、耐用年数を特定できない無形資産は償却をせず、年1回以上、減損テストを実施することとしております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「減損損失-その他」は、それぞれ280億円及び206億円であります。

 

・営業権

営業権については、少なくとも年に一度、減損の兆候があればそれ以上の頻度で、事業セグメントまたはそれより一段低いレベルの報告単位毎に、当該報告単位の公正価値の見積りから始まる二段階の減損テストを行っております。減損テストの第一段階では、報告単位の公正価値と営業権を含む帳簿価額を比較し、報告単位の公正価値については、割引キャッシュ・フロー等に基づき算定しております。第二段階では、報告単位の営業権の帳簿価額とこの時点で改めて算定された営業権の公正価値を比較し、帳簿価額が公正価値を上回っている金額を減損損失として計上することとしております。二段階の減損テストの前に、報告単位の公正価値が帳簿価額を下回る可能性が50%以下であると結論づける場合、当該報告単位の二段階の手続きによる減損テストは要求されません。

営業権の公正価値の測定にあたっては、当該報告単位の将来の事業利益及びキャッシュ・フローの創出能力に対する経営陣の見通し、ならびに当社の事業目標における報告単位の戦略的重要性等がその決定要素となっております。また、耐用年数を特定できない無形資産は償却をせず、年1回以上、減損テストを実施することとしております。NTTグループは、現時点で合理的であると判断される一定の前提に基づき公正価値の測定を行っておりますが、将来の予測不能な事業上の環境の変化により見通しと異なることがあります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「減損損失-営業権」は、それぞれ47億円及び533億円であります。重要な報告単位は長距離・国際通信事業セグメントにおけるDimension Data及びデータ通信事業セグメントにおけるグローバルビジネスです。平成29年3月31日現在、Dimension Dataに帰属する営業権は、当連結会計年度の年次減損テストの結果、488億円の減損損失を計上したことにより、2,357億円となっております。データ通信事業セグメントにおけるグローバルビジネスに帰属する営業権は3,962億円であり、当連結会計年度の年次減損テストの結果、報告単位の公正価値は帳簿価額を13.3%上回っております。

 

・投資

NTTグループは、他企業に対して投資を行っており、原価法、持分法及び公正価値に基づいて会計処理しております。また、NTTグループは、投資価値が帳簿価額を下回り、その下落が一時的でない場合は減損損失を認識し、新たな取得原価を計上しております。一時的な下落か否かを判断するにあたっては、投資価値が帳簿価額を下回る程度及び期間、出資先企業及び事業分野の財務状況、ならびに投資を維持する能力及び意図を考慮しております。NTTグループは、投資の簿価が回復できない可能性を示唆する事象や環境の変化が発生したときは、常に減損の要否について検討を行っております。さらに、NTTグループは、評価を行うにあたり、キャッシュ・フロー予測、外部の第三者による評価、ならびに適用可能である場合は株価分析を含む様々な情報を活用しております。

当該予測及び評価には、統計(人口、普及率及び普及速度、解約率等)、技術革新、設備投資、市場の成長及びシェア、ARPU及び残存価値に係る推定が必要になります。前連結会計年度及び当連結会計年度に計上された「市場性のある投資有価証券及びその他の投資」の減損損失は、それぞれ約60億円及び約30億円であります。また、関連会社の市場を取り巻く最近の経済、財政状況により、投資先の価値が一時的ではない下落が生じていないか判断するため、投資先の事業の見通しを検討しております。当連結会計年度においてHutchison Telephone Company Limitedを含む関連会社投資について239億円の減損額を計上しております。

過去において、NTTグループはいくつかの「関連会社投資」について多額の減損処理を実施し、その減損額はそれぞれの会計期間における「持分法による投資損益」に計上されました。今後においても「市場性のある有価証券及びその他の投資」及び「関連会社投資」について同様の減損が発生する可能性があります。また、今後、投資持分の売却に際して多額の売却損益を計上する可能性もあります。

・退職給付会計

NTTグループにおける前連結会計年度及び当連結会計年度の退職給付費用は、それぞれ営業費用合計の概ね0.9%及び1.0%となっております。従業員に対する退職給付制度に係る費用及び債務の連結財務諸表計上額は、多くの仮定を用いた数理計算により決定されております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、長期期待運用収益率、割引率、予定昇給率、平均残存勤務期間等があり、そのなかでも長期期待運用収益率と割引率は重要な仮定といえます。これらの仮定は、少なくとも年1回は見直され、また重要な仮定に大きな影響を与えることが想定される出来事が起こるか、あるいは環境が変化した場合にも見直しが行われます。仮定と実績との差異は、米国会計基準に従い、数理計算上の差異として将来にわたって繰延償却処理されます。平成29年3月31日現在、NTTグループの退職給付制度に関連する数理計算上の差異の合計額は4,209億円であり、このうち退職給付債務又は年金資産の公正価値の10%を超える金額は、予測平均残存勤務期間にわたって償却するため、将来の年金費用に対し増加影響が生じることとなります。

NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率として、前連結会計年度及び当連結会計年度において2.0-2.5%を採用しております。NTTグループは、年金資産の長期期待運用収益率の決定に際し、現在及び将来の年金資産のポートフォリオや、各種長期投資の過去の実績利回り分析を基にした期待収益とリスクを考慮しております。NTTグループは、年金資産のポートフォリオについて、年金資産の種類別の期待収益を考慮するとともに、年金資産から生ずる収益を安定化させリスクを軽減するため、制度毎に政策的資産構成割合を定めております。当連結会計年度第4四半期において、NTTグループは、より安定的な年金財政の運営を目的として、年金資産の政策的資産構成割合を変更しております。この変更により期待運用収益率は2.0-2.5%から1.0-1.9%へ低下しておりますが、当連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は軽微であるため、退職給付費用の算定に使用した期待運用収益率を変更しておりません。制度毎の政策的資産構成割合は、退職一時金及び規約型企業年金においては、国内債券、国内株式、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ65.0%、10.0%、5.0%、20.0%、NTT企業年金基金においては、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、生保一般勘定に、それぞれ55.8%、15.0%、6.2%、10.6%、12.4%(加重平均)の年金資産の配分としております。平成29年3月31日現在の年金資産残高は、概ね目標配分比率に整合するものとなっており、平成30年3月期における政策的資産構成割合も同水準になると予測されます。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における年金資産の実際運用収益率は、それぞれ約0%、約3%となっており、将来においても、その時々の市場環境により、大きく増減する可能性があります。年金資産の公正価値は測定日現在の市場価格を用いて測定しております。

もう一つの重要な仮定は、退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる割引率であります。NTTグループは、退職給付費用の決定に際して、前連結会計年度においては1.0%の割引率を使用し、当連結会計年度においては0.5%の割引率を使用しております。また、退職給付債務の決定に際して、平成28年3月31日現在においては0.5%の割引率を使用し、平成29年3月31日現在においては0.7%の割引率を使用しております。NTTグループは、割引率の決定に際して、年金給付満期までの見積り期間と同じ期間の優良確定利付債券の利率に関し利用可能な情報を考慮しております。

平成29年3月31日現在のNTTグループの年金制度において、その他全ての仮定を一定としたままで、割引率及び長期期待運用収益率を変更した場合の状況を示すと次のとおりであります。

(単位:億円)

 

仮定の変更

退職給付債務

退職給付費用

(税効果考慮前)

その他の包括利益

(損失)累積額

(税効果考慮後)

割引率が0.5%増加/低下

△/+2,400

+/△60

+/△1,700

長期期待運用収益率が0.5%増加/低下

△/+110

 

 

・法人税等

NTTグループは、資産・負債の帳簿価額と税務申告上の価額との間の一時差異及び繰越欠損金に対する税効果について、繰延税金資産及び負債を認識しております。繰延税金資産及び負債の金額は、一時差異が解消する期間及び繰越欠損金が利用可能な期間において適用が見込まれる法定実効税率を用いて計算しております。法定実効税率が変更された場合には、税率変更のあった日が属する連結会計年度において、税金費用の計上を通じて繰延税金資産及び負債を調整しております。

平成28年3月29日、「所得税法等の一部を改正する法律」等が成立し、平成28年4月1日以降開始する連結会計年度より法人税率等が変更されることとなりました。この税率変更による繰延税金資産(純額)の減少額は327億円であり、前連結会計年度の連結損益計算書「法人税等:繰延税額」に計上しております。また、前連結会計年度の当社に帰属する当期純利益は237億円減少しております。

 

NTTグループは、将来の実現可能性を考慮し、繰延税金資産に対して評価性引当金を計上しております。評価性引当金を適切に決定するため、予想される将来の課税所得水準及び利用可能なタックスプランニングを考慮に入れております。将来の課税所得が予想を下回った場合、またはタックスプランニングが期待通りに利用可能とならなかった場合には、その判断がなされた連結会計年度において、税金費用の計上を通じて評価性引当金を追加計上する可能性があります。平成28年3月31日及び平成29年3月31日現在、NTTグループは、それぞれ1兆5,618億円及び1兆7,323億円の繰延税金資産を有しており、その資産に対して、それぞれ1,671億円及び3,795億円の評価性引当金を計上しております。当該評価性引当金は、主に将来の実現が見込めない税務上の欠損金を有する当社及び特定の子会社の繰延税金資産に関するものであります。評価性引当金の変動額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ988億円の減少及び2,123億円の増加となっております。前連結会計年度における評価性引当金の減少額には、NTT西日本において、将来課税所得の発生見通しが改善したことに伴う地方税に係る評価性引当金の減少額437億円と、NTTドコモにおいて、慎重かつ実行可能なタックスプランニング戦略を考慮したことに伴う評価性引当金の減少額327億円が含まれております。当連結会計年度における評価性引当金の増加額は、主にNTT America, Inc.による子会社Verio Inc.の吸収合併の影響によるものであります。詳細は財務諸表注記の注13に記載しております。

 

・ポイントプログラム引当金

NTTグループは、携帯電話やフレッツ光等の利用に応じて付与するポイントと引き換えに、商品購入時の割引等の特典等を提供しており、顧客が獲得したポイントについてポイントプログラム引当金を計上しております。平成28年3月31日現在及び平成29年3月31日時点におけるポイントプログラム引当金は短期、長期合わせてそれぞれ941億円及び1,146億円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において計上されたポイントプログラム経費は、それぞれ603億円及び947億円であります。

ポイントプログラム引当金の算定においては、将来の解約等による失効部分の見積りが可能である場合には、その失効部分を反映したポイント利用率等の見積りが必要となります。実際のポイント利用率が当初見積りよりも多い場合等において、将来において追加的な費用の計上や引当金の計上を実施する必要が生じる可能性があります。

平成29年3月31日現在の携帯電話の利用に応じて付与するポイントに対する引当金において、その他全ての仮定を一定としたままで、ポイント利用率が1%上昇した場合の引当金への影響は軽微であります。

 

 

(6)最近公表された会計基準

顧客との契約から生じる収益

平成26年5月28日、FASBはASU2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。当該基準は、企業が、約束した財又はサービスの支配を顧客へ移転したときに認識することを要求しております。収益は、財又はサービスとの交換から獲得すると見込んでいる対価を反映した金額で認識されます。また、企業は、財務諸表の利用者が、顧客との契約から生じる収益、ならびにキャッシュ・フローの性質、金額、認識時期、及び不確実性を理解するのに十分な定量的及び定性的情報を開示することを要求されます。当該基準が適用になると、現在の米国会計基準の収益認識に係るガイダンスの大部分が当該基準の内容に置き換わります。また、平成28年3月にASU2016-08「本人か代理人かの検討(収益の総額表示か純額表示)」、平成28年4月にASU2016-10「履行義務の識別及びライセンス付与」、平成28年5月にASU2016-12「限定的な改善及び実務上の処理」、平成28年12月にASU2016-20「顧客との契約から生じる収益―技術的な修正及び改善」、平成29年2月にASU2017-05「資産の認識中止ガイダンスの範囲及び非金融資産の部分的な売却の会計処理の明確化」が公表となり、当該基準の一部が修正されております。

平成27年8月12日、FASBはASU2015-14「顧客との契約から生じる収益―適用日の延期」を公表し、当該基準の適用を1年延期しました。このため、当該基準は、平成29年12月16日以降に開始する年度から適用され、NTTグループにおいて平成30年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお、平成29年4月1日に開始する連結会計年度からの早期適用も認められております。

当該基準適用時の移行方法は、完全遡及アプローチ及び修正遡及アプローチの2つの方法が認められております。完全遡及アプローチにおいては、表示される全ての報告期間が当該基準の適用により更新され、報告期間以前の期間における累積影響の調整は、報告期間初年度の期首利益剰余金に計上されます。修正遡及アプローチにおいては、適用初年度が当該基準の適用により更新され、適用初年度以前の期間における累積影響の調整は、適用初年度の期首利益剰余金に計上され、当該基準適用による影響額に関連する開示が要求されます。

当社は、当該基準適用時の移行方法の選択は実施しておらず、NTTグループの連結財務諸表及び関連する注記に与える影響について、現在検討しております。現時点において、当該基準の適用により影響が及ぶと考えられる項目は以下の通りであります。

・当該基準は、契約獲得の増分コスト及び契約履行コストを資産計上することを要請しております。現行の会計基準においては、地域通信事業、長距離・国際通信事業、及び移動通信事業において提供する通信サービスに係るそれらのコストを、初期一括収入を上限として資産計上し見積り平均契約期間で償却しておりました。当該基準の適用後は、それらのコスト全額を資産計上することになるため、従来は費用処理していた一部の販売手数料等を追加的に資産計上することとなります。当連結会計年度において、現行の会計基準に基づき費用として計上された主な代理店手数料は、移動通信セグメントにおいて計上された320,800百万円であります。

・当該基準では、企業が顧客との契約の一部として、企業から追加的な財又はサービスを値引き価格で購入できるオプションを顧客に付与した場合は、オプションを付与した時点では別個の履行義務として識別し、取引対価の一部を契約負債として認識し、将来の財又はサービスが顧客に移転した時点、または行使期限が終了した時点で収益を認識することが要請されています。従来はサービスの利用に応じて顧客が獲得したポイントに対して引当金を計上しておりましたが、当該基準適用後は、ポイントを付与した時点でサービスの取引対価の一部を契約負債として計上し、ポイントを行使した時点で収益が認識されることとなります。当連結会計年度において、現行の会計基準に基づき計上された主なポイントプログラムに係る費用は、移動通信セグメントにおいて計上された94,291百万円であります。

NTTグループは、新しい収益認識に係る基準の適用に向けて、業務プロセス及び内部統制の構築を進めております。

 

・金融資産及び金融負債の認識並びに測定

平成28年1月5日、FASBはASU2016-01「金融資産及び金融負債の認識並びに測定」を公表しました。当該基準は、金融商品の会計処理、表示及び開示の改善を目的としております。当該基準は、ほとんどの持分投資を公正価値で測定し、当期純利益に公正価値の変動を認識することを要求しております。なお、持分法で連結され、会計処理される投資の会計処理には影響を与えません。また、当該基準は、公正価値オプションを選択した金融負債の公正価値の変動の認識ならびに金融商品の表示及び開示の要求を変更するものであります。当該基準は、平成29年12月16日以降に開始する年度から適用され、NTTグループにおいて平成30年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。当社は、当該基準の適用による影響について、現在検討しております。

 

・リース

平成28年2月25日、FASBはASU2016-02「リース」を公表しました。当該基準は、原則として、すべてのリースの借手に対し、使用権資産とリース負債の計上を要求しております。当該基準は、平成30年12月16日以降に開始する年度から適用され、NTTグループにおいて平成31年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお早期適用も認められております。

当該基準の適用により、リースに係る使用権資産とリース負債について新たに認識することが想定されますが、現在、その対象範囲及び金額について検討しております。

 

・営業権の減損テストの簡略化

平成29年1月26日、FASBはASU2017-04「営業権の減損テストの簡略化」を公表しました。当該基準は、営業権の減損テストの第二段階の手続きを削除し、報告単位の公正価値と営業権を含む帳簿価格を比較し、報告単位の帳簿価額が公正価値を上回っている金額を減損として認識することを要求しております。当該基準は、平成31年12月16日以降に開始する年度から将来に向かって適用され、NTTグループにおいて平成32年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお、平成29年1月2日以降を基準日とする減損テストからの早期適用も認められています。当社は、当該基準の適用による影響について、現在検討しております。

 

・期間年金費用及び期間退職後給付費用の表示の改善

平成29年3月10日、FASBはASU2017-07「期間年金費用及び期間退職後給付費用の表示の改善」を公表しました。当該基準は、期間年金費用及び期間退職後給付費用について、勤務費用要素を他の人件費の含まれる営業損益項目に表示し、勤務費用以外の要素は営業損益以外の項目に表示することを要求しております。また、退職給付費用のうち勤務費用要素のみ資産計上が適格であることを明示しております。勤務費用とそれ以外の費用の要素を区分開示する規定は遡及適用し、勤務費用要素のみを資産計上する規定は将来に向かって適用されます。当該基準は、平成29年12月16日以降に開始する年度から適用され、NTTグループにおいて平成30年4月1日に開始する連結会計年度から適用されます。なお、平成29年4月1日に開始する連結会計年度からの早期適用も認められています。当社は、当該基準の適用による影響について、現在検討しております。