(1) 業績
当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日、以下、「当期」という)のわが国経済は、個人消費の増加や企業収益の改善、設備投資の持ち直しがあるなかで、景気は緩やかに回復した。先行きについては、当面、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待されている。
このような経済情勢の下、「2013-15年度ANAグループ中期経営戦略」で掲げている持株会社制への移行を契機としてグループ経営体制の強化に努めた。コスト構造改革については、外部環境の変化を踏まえて施策の見直しを行い、目標の達成に向けて遂行している。また、アジア航空市場の拡大を、航空に関連する事業のビジネスチャンスと捉え、引き続き戦略的投資を推進する。
以上の結果、当期における連結業績は、売上高は1兆6,010億円(前期比7.9%増)となったが、航空事業を中心に費用が増加したことから営業利益は659億円(同36.4%減)、経常利益は429億円(同44.2%減)、当期純利益は188億円(同56.2%減)となった。
セグメント別の概況は以下のとおりである。
なお、当期より報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりである。
◎航空事業
当期の航空事業における売上高は1兆3,952億円(前期比7.9%増)となったが、事業規模拡大に伴う費用増に加え、為替の影響により燃油費が増加したこと等の結果、営業利益は653億円(前期比26.6%減)となった。概要は以下のとおりである。
なお、英国スカイトラックス社(航空業界の格付会社)から、顧客満足度で最高評価の「5STAR」に、前期に続き2年連続で認定された。
<国内線旅客>
国内線旅客は、ボーイング787型機の運航停止による影響を最小限に抑えた他、ビジネス需要が期を通じて堅調に推移し、プレジャー需要についても着実に取り込んだ結果、旅客数・収入ともに前期を上回った。
路線ネットワークでは、サマーダイヤから秋田=札幌線、成田=広島線を新規開設するとともに、羽田=石垣線、長崎・熊本=沖縄線を再開した他、ウィンターダイヤから羽田=広島・徳島線、伊丹=福岡・秋田線、札幌=仙台線を増便し、ネットワークの充実を図った。
営業面では、新運賃「旅割60」、「旅割21」、「旅割75」の発売や、「旅割」、「特割」各種運賃の予約・購入期間を最大6カ月先の便まで拡大した他、「特割」運賃を全路線に展開する等、需要喚起を図った。その他、ボーイング747-400型機の退役を記念した「THANKS JUMBO!キャンペーン」を9月以降展開し、過去の就航地への里帰りフライト等を実施した。
サービス面では、機内販売等において電子マネー「楽天Edy」をご利用いただけるようにした他、羽田空港第2ターミナルで搭乗エリアを4色に色分けして案内表示の視認性を高め、スムーズな搭乗を可能とする等、利便性の向上に努めた。また、福岡空港及び千歳空港のANAラウンジをリニューアルし、羽田空港のANAラウンジにおいて、日本のお酒“國酒”をお楽しみいただける特設コーナーを設置する等、快適性の向上をはかり、競争力の強化に努めた。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,266万人(前期比3.8%増)となり、収入は6,751億円(同1.4%増)となった。
<国際線旅客>
国際線旅客は、ネットワークを拡充した北米線をはじめ、ビジネス需要・プレジャー需要ともに堅調に推移した結果、旅客数・収入ともに前期を上回った。中国線については、日本発プレジャー需要の落ち込みが継続しているものの、中国発が回復したことや北米間の接続需要を取り込んだことに加え、ビジネス需要が堅調に推移したこと等により、当期の中国線の旅客数・収入ともに反日デモ発生前の第62期(平成24年3月期)実績を上回った。
路線ネットワークでは、6月より成田=シアトル・サンノゼ線を再開したことに加え、9月より成田=シカゴ線の増便や成田=ヤンゴン線の機材を大型化しデイリー運航を行う等、ネットワークの充実をはかった。また、需要が旺盛なアジア方面において、ウィンターダイヤより機材の大型化を行う等、需給適合に努めた。
営業面では、「ビジ割」や「エコ割」等の各種割引運賃を全方面に設定する等、日本発プレジャー需要の喚起に努めるとともに、海外のお客様に対してANAブランドの訴求に努め、拡大基調にある訪日需要や北米=アジア間の接続需要の取り込みを強化した。
サービス面では、Facebookで投票を実施した「ANA機内食総選挙」の結果を、12月よりエコノミークラス(日本発)のメニューに反映させたことに加え、本年3月より一部の機材で機内インターネット「ANA Wi-Fiサービス」を開始する等、競争力の強化に努めた。
以上の結果、当期の国際線旅客数は633万人(前期比1.0%増)となり、収入は3,953億円(同13.5%増)となった。
<貨物>
国内線貨物は、陸送へのシフトや競合他社との競争激化により、上半期は需要が伸び悩んだ。10月以降は、札幌・沖縄線を中心に宅配貨物が堅調に推移したことや、期末の消費税率引き上げ前の駆け込み需要等により、輸送重量は前期を上回ったが、収入は単価下落等の影響により前期を下回った。
以上の結果、当期の国内線貨物輸送重量は47万7千トン(前期比2.9%増)となり、収入は321億円(同0.4%減)となった。国内郵便輸送重量は3万2千トン(同3.2%増)となり、収入は35億円(同1.2%減)となった。
国際線貨物は、日本発北米向けの自動車関連部品等が堅調に推移したことに加え、沖縄貨物ハブを活用した欧米発アジア・中国向け及びアジア・中国発欧米向けの三国間輸送等を取り込んだ他、需要にあわせた臨時便を積極的に設定した。また、8月より成田-中部-沖縄線を新規開設し、貨物便ネットワークの充実をはかった。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は71万トン(前期比14.3%増)となり、収入は1,047億円(同21.0%増)となった。国際郵便輸送重量は3万3千トン(同7.5%増)となり、収入は51億円(同33.6%増)となった。
<その他>
航空事業におけるその他の収入には、マイレージ、整備受託、機内販売、バニラ・エア株式会社等の収入が含まれており、当期の収入は1,791億円(前期比17.8%増)となった。
10月にエアアジアブランドでの運航を終了したエアアジア・ジャパン株式会社は、11月に「バニラ・エア株式会社」に商号変更し、成田空港を拠点として12月より順次、沖縄線・台北(桃園)線・札幌線・ソウル(仁川)線に就航した。
当期における輸送実績は、エアアジアブランドとして運航した4月1日から10月26日については、国内線の旅客数は364千人、座席キロは581,562千席キロ、旅客キロは388,205千人キロ、利用率は66.8%、国際線の旅客数は162千人、座席キロは331,796千席キロ、旅客キロは219,578千人キロ、利用率は66.2%となった。バニラ・エア株式会社が運航を開始した12月20日から3月31日については、国内線の旅客数は119千人、座席キロは249,827千席キロ、旅客キロは176,431千人キロ、利用率は70.6%、国際線の旅客数は75千人、座席キロは164,520千席キロ、旅客キロは141,450千人キロ、利用率は86.0%となった。
◎航空関連事業
千歳空港、関西空港、成田空港等における旅客の搭乗受付や手荷物・貨物搭載等の空港地上支援業務の受託が増え、また株式会社OCSの売上が増加し、更には4月より新たに営業を開始したANAエアポートサービス株式会社の収入を計上したこと等の結果、当期の航空関連事業における売上高は1,896億円(前期比6.4%増)、営業利益は27億円(前期比57.1%減)となった。
◎旅行事業
国内旅行は、東京ディズニーリゾート等を目的とした関東方面や、新石垣空港の開港等による沖縄方面の旅行需要が拡大し、主力商品の「ANAスカイホリデー」やダイナミックパッケージ「旅作」が堅調に推移したこと等の結果、当期の国内旅行売上高は前期を上回った。
海外旅行は、「旅作」や「ANAワンダーアース」が好調に推移した他、10月以降に「ANAハローツアー」のハワイ・アメリカ方面の商品を拡充したこと等により、当期の海外旅行売上高は前期を上回った。また、訪日旅行については、東南アジアからの訪日ビザ発給要件が緩和されたことを受け、取り込みを強化したこと等により取扱高が大きく伸び、過去最高となった。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,734億円(前期比7.7%増)となったが、為替の影響により海外旅行商品の原価が増加したこと等により、営業利益は44億円(前期比1.1%減)となった。
◎商社事業
リテール部門では、空港物販店「ANA FESTA」が堅調に推移したことに加え、訪日外国人の増加により空港免税店「ANAデューティーフリー」の販売が好調だった他、通販サイト「ANAショッピングastyle」では企画商品の拡充等により取扱高が増加した。食品部門では、主力商品であるバナナの他、ドライフルーツ、ナッツ等の販売も好調に推移した。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,102億円(前期比12.8%増)、営業利益は33億円(前期比14.5%増)となった。
◎その他
ビルメンテナンス事業や不動産事業等が好調に推移し増収となったこと等の結果、当期のその他における売上高は301億円(前期比4.4%増)、営業利益13億円(前期比24.4%増)となった。
(2) 連結貸借対照表
資産の部は、航空機を中心とした投資を継続して進めた結果、総資産は前期末に比べて363億円増加し、2兆1,736億円となった。
負債の部は、借入金等の返済を行う一方、社債の発行による資金調達や新会計基準適用に伴う退職給付に係る負債の計上により、前期末に比べて581億円増加し、1兆4,223億円となった。なお、有利子負債は、前期末に比べて623億円減少し、8,347億円となった。
純資産の部は、当期純利益を計上したものの、配当金の支払いや新会計基準適用に伴う退職給付に係る調整累計額の計上により、前期末に比べて218億円減少し、7,512億円となった。この結果、自己資本比率は34.3%となった。
(3) 連結キャッシュ・フロー計算書
税金等調整前当期純利益363億円に減価償却費等の非資金項目や営業関連に係る債権・債務の加減算などを行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは2,001億円の収入となった。
投資活動においては、航空機・部品等の取得や子会社株式の取得等があったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは649億円の支出となった。これらの結果、フリー・キャッシュフローは1,352億円の収入となった。
財務活動においては、新規の借入や社債の発行を行う一方、借入金の返済や社債の償還、配当金の支払い等を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは855億円の支出となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は前期末に比べ496億円増加し、2,409億円となった。
(1) セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
航空事業 |
|
|
|
|
|
国内線 |
|
|
|
|
|
旅客収入 |
665,968 |
37.9 |
675,153 |
35.6 |
|
貨物収入 |
32,231 |
1.8 |
32,116 |
1.7 |
|
郵便収入 |
3,636 |
0.2 |
3,592 |
0.2 |
|
小計 |
701,835 |
39.9 |
710,861 |
37.5 |
|
国際線 |
|
|
|
|
|
旅客収入 |
348,319 |
19.8 |
395,340 |
20.8 |
|
貨物収入 |
86,589 |
4.9 |
104,736 |
5.5 |
|
郵便収入 |
3,839 |
0.2 |
5,129 |
0.3 |
|
小計 |
438,747 |
24.9 |
505,205 |
26.6 |
|
航空事業収入合計 |
1,140,582 |
64.8 |
1,216,066 |
64.1 |
|
その他の収入 |
152,137 |
8.7 |
179,145 |
9.4 |
|
航空事業小計 |
1,292,719 |
73.5 |
1,395,211 |
73.5 |
|
航空関連事業 |
|
|
|
|
|
航空関連収入 |
178,164 |
10.1 |
189,639 |
10.0 |
|
航空関連事業小計 |
178,164 |
10.1 |
189,639 |
10.0 |
|
旅行事業 |
|
|
|
|
|
パッケージ商品収入(国内) |
129,785 |
7.4 |
139,980 |
7.4 |
|
パッケージ商品収入(国際) |
22,297 |
1.3 |
23,247 |
1.2 |
|
その他の収入 |
8,919 |
0.5 |
10,251 |
0.5 |
|
旅行事業小計 |
161,001 |
9.2 |
173,478 |
9.1 |
|
商社事業 |
|
|
|
|
|
商社事業収入 |
97,759 |
5.6 |
110,278 |
5.8 |
|
商社事業小計 |
97,759 |
5.6 |
110,278 |
5.8 |
|
報告セグメント計 |
1,729,643 |
98.4 |
1,868,606 |
98.4 |
|
その他 |
|
|
|
|
|
その他の収入 |
28,853 |
1.6 |
30,119 |
1.6 |
|
その他小計 |
28,853 |
1.6 |
30,119 |
1.6 |
|
営業収入合計 |
1,758,496 |
100.0 |
1,898,725 |
100.0 |
|
セグメント間取引 |
△274,915 |
- |
△297,712 |
- |
|
営業収入(連結) |
1,483,581 |
- |
1,601,013 |
- |
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっている。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含んでいる。
3.バニラ・エア株式会社(11月1日付でエアアジア・ジャパン株式会社から商号変更)による旅客収入は、航空事業のその他の収入に含まれている。
4.上記の金額には、消費税等は含まない。
(2) セグメント別取扱実績
① 航空事業
イ.輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりである。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
|
|
国内線 |
|
|
|
|
旅客数 |
(人) |
41,089,086 |
42,668,588 |
|
座席キロ |
(千席キロ) |
58,508,475 |
61,046,582 |
|
旅客キロ |
(千人キロ) |
36,333,481 |
37,861,806 |
|
利用率 |
(%) |
62.1 |
62.0 |
|
有効貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
1,905,748 |
1,973,754 |
|
貨物輸送重量 |
(トン) |
463,473 |
477,081 |
|
貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
460,508 |
473,294 |
|
郵便輸送重量 |
(トン) |
31,313 |
32,327 |
|
郵便トンキロ |
(千トンキロ) |
31,691 |
31,956 |
|
貨物重量利用率 |
(%) |
25.8 |
25.6 |
|
国際線 |
|
|
|
|
旅客数 |
(人) |
6,276,633 |
6,336,335 |
|
座席キロ |
(千席キロ) |
37,947,153 |
41,451,861 |
|
旅客キロ |
(千人キロ) |
28,545,898 |
30,613,595 |
|
利用率 |
(%) |
75.2 |
73.9 |
|
有効貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
3,958,271 |
4,530,716 |
|
貨物輸送重量 |
(トン) |
621,487 |
710,610 |
|
貨物トンキロ |
(千トンキロ) |
2,469,943 |
2,937,564 |
|
郵便輸送重量 |
(トン) |
31,437 |
33,783 |
|
郵便トンキロ |
(千トンキロ) |
136,942 |
146,002 |
|
貨物重量利用率 |
(%) |
65.9 |
68.1 |
ロ.運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりである。
|
項目 |
前連結会計年度 (自 平成24年4月1日 至 平成25年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) |
||
|
国内線 |
国際線 |
国内線 |
国際線 |
|
|
運航回数(回) |
357,183 |
50,667 |
376,114 |
51,846 |
|
飛行距離(km) |
291,373,319 |
191,957,517 |
310,010,593 |
211,945,643 |
|
飛行時間(時間) |
506,924 |
270,103 |
540,752 |
293,989 |
(注)1.国内線旅客実績にはアイベックスエアラインズ株式会社、株式会社AIRDO、スカイネットアジア航空株式会社及び株式会社スターフライヤーとのコードシェア便実績を含む。
2.国際線旅客実績には、平成26年3月30日以降のヴァージンアトランティック航空とのコードシェア便を含む。
3.国際線運航実績は、コードシェア便実績を除く。
4.国内線、国際線ともに不定期便実績を除く。
5.国内線貨物及び郵便実績には、株式会社AIRDO、スカイネットアジア航空株式会社及びオリエンタルエアブリッジ株式会社とのコードシェア便実績及びエアラインチャーター便実績を含む。
6.国内線深夜貨物定期便実績を含む。
7.国際線貨物及び郵便輸送実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含む。
8.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(㎞)を乗じた数値の合計。
9.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(㎞)を乗じた数値の合計。
10.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じている。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれている。
11.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(㎞)を乗じた数値の合計。
12.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値。
13.バニラ・エア株式会社(11月1日付でエアアジア・ジャパン株式会社から商号変更)の実績は含まない。
14.バニラ・エア株式会社(11月1日付でエアアジア・ジャパン株式会社から商号変更)は貨物・郵便の取り扱いをしていない。
② 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示していない。
③ 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示していない。
④ 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示していない。
⑤ その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示していない。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、グループの使命・存在意義である経営理念として「安心と信頼を基礎に 世界をつなぐ心の翼で 夢にあふれる未来に貢献します」を掲げている。数あるエアライングループのなかで、お客様に選ばれ、世界の航空業界をリードする確固たる地位を築くことを目指し、グループ経営ビジョンとして「ANAグループは、お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します」と定めている。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
航空業界は、企業の業績改善、訪日外国人の増加、アジアの経済成長等を背景として、首都圏をはじめとする航空需要の拡大が見込まれる一方で、既存のエアライン、新規参入と事業規模拡大をはかるLCC、新幹線の延伸等による他交通機関との競争が激化しており、厳しい環境下におかれている。
このような中で、今後想定される航空業界の激しい競争を勝ち抜き、更なる成長を実現するための指針として、「2014-16年度ANAグループ中期経営戦略」を取りまとめた。羽田空港国際線の発着枠拡大を契機として、日本及びアジアの成長を大きく取り込んでいくために最適な事業運営を行い収入を最大化するとともに、コスト構造改革を推進し、2016年度には連結営業利益1,300億円、連結営業利益率7%を目指す。更には、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて動きはじめた、首都圏空港の機能強化等の取り組みの中で、将来の成長に向けた準備を進める。
① 戦略の全体像
これまで推進してきた「マルチブランド戦略の確立」、「グループ経営体制改革」、「構造改革によるコスト競争力と財務体質の強化」を踏襲した上で、本中期経営戦略の3本の柱として、「コア事業の強化」、「収益ドメインの拡大・多様化」、「コスト構造改革の進化」に取り組む。
② 戦略の骨子
1)コア事業の強化
(ⅰ)FSC(フルサービスキャリア)事業
・ANA国内線旅客事業は、訪日外国人の利用促進や、羽田空港を乗り継ぎ地とした国際線利用旅客の国内需要の取り込みをはかりつつ、あらゆる視点で低コストオペレーションを追求し、グループ最大の収益源を堅持する。
・ANA国際線旅客事業は、日系企業の海外展開や訪日外国人の増加による需要増に加え、首都圏空港発着枠の拡大を契機として、グループの中期的な成長ドライバーとして事業規模を拡大する。
(ⅱ)貨物事業
本年4月より総合航空物流会社として営業を開始した株式会社ANA Cargoが、企画・マーケティングからロジスティクス等、貨物事業を一体的に運営することで意思決定の迅速化を図るとともに、間接業務の削減等を進め、効率的な事業運営を目指す。また、本邦唯一のコンビネーションキャリア(貨物便+旅客便)の強みも最大限に発揮し、グループ全体収益の拡大に貢献する。
2)収益ドメインの拡大・多様化
(ⅰ)LCC事業
プレジャー・リゾート路線を中心にネットワークを拡充し、日本を含めたアジアにおける新規需要を取り込むとともに、費用の圧縮に努めることにより、早期に収益事業としての基盤を確立する。
(ⅱ)多角化事業
グループ各社は、それぞれの事業特性を踏まえたコスト構造改革や外部収益の拡大を推進し、グループ全体としての価値向上へ貢献する。
(ⅲ)航空関連事業(戦略的投資)
高い経済成長が期待されるアジアを中心に機動的な戦略的投資を行い、グループ収益機会の多様化へと繋げる。
3)コスト構造改革の進化
現在取り組んでいるコスト構造改革については、2014年度で860億円のコスト削減目標達成に向けて取り組みを継続する。更には、業務プロセス改革を通じた間接固定費の削減等により、2015-16年度の2年間で新たに500億円相当のコスト削減策に取り組む。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 景気が低迷するリスク
航空産業は、景気動向の影響を受けやすい業界であり、国内外の景気が低迷すると、個人消費の落ち込みや企業収益の悪化による航空需要の低下を引き起こす可能性がある。なお、国際貨物事業については、中国やその他アジア・北米への依存度が高いため、当該地域の経済状況により、輸送重量の減少及び輸送単価の低下の影響を受ける可能性がある。
(2) 経営戦略に関わるリスク
① フリート戦略に関わるリスク
当社グループは、航空事業において、経済性の高い機材の導入、機種の統合、中・小型機の活用を軸としたフリート戦略に則ってボーイング社、ボンバルディア社、三菱航空機株式会社、エアバス社から航空機の導入を進めているが、納期が財務上その他の理由により遅延した場合、当社グループの中長期的な事業に支障を及ぼす可能性がある。
さらに、かかる戦略は以下の要因により奏功せず、また、その所期する効果が減殺される可能性がある。
1) ボーイング社への依存
当社は、平成26年3月末日現在、上記のフリート戦略に従って導入を計画している機材の大部分をボーイング社に対して発注している。したがって、ボーイング社が財政上その他の理由により当社又は同社製品の保守管理等を行う会社との間の契約を履行できない場合には、当社グループのフリート戦略に沿った機材の調達又は保守管理等ができず、当社グループの中長期的な事業に影響を及ぼす可能性がある。
2) 三菱航空機株式会社による機材開発計画の進行遅延等
当社は、三菱航空機株式会社が開発中の「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の導入を決定しているが、引き渡し時期について、当初の予定から約3年半の遅延が決定している。今後更なる遅延が発生した場合には、当社グループの中長期的な事業に支障をきたす可能性がある。
② 発着枠に関わるリスク
当社グループは、羽田空港・成田空港の発着枠拡大を最大のビジネスチャンスと捉え、各種投資や事業運営体制の整備を図っている。羽田空港の年間発着枠については、44.7万回へ増枠が行われたが、国際線定期便については、一部の発着枠が未配分のまま残っている状況にある。また、成田空港の発着枠については、現在の27万回から平成26年度末に30万回に増枠される予定である。以上の状況を踏まえ、首都圏における両空港(羽田・成田)の発着枠の割当てや、運航時期、当該路線の収支状況等が当社グループの想定と異なった場合においては、当社グループの経営計画の達成に影響を及ぼす可能性がある。
③ LCC事業に関わるリスク
LCC事業については、当該事業進出の目的である新規航空需要の創出に至らないことや、国内外の他のLCCとの競争激化、ANAからの過度の旅客転移の発生等により、所期する効果が得られない可能性、各出資会社の利益が一致せず、当社が適切と考える方法による合弁会社の運営ができない可能性、及び合弁会社の経営が悪化した場合に当社が経済的負担を負う可能性がある。また、当社以外の出資会社の経営悪化や同事業からの離脱の可能性がある。
④ 投資に関するリスク
当社グループは、更なる成長領域の拡大のために、新たな事業への進出あるいは他企業等への出資又は企業買収を行うことがあるが、これら出資等の展開が所期する効果を得られない可能性がある。また、アジアを中心とした海外諸国での展開や、航空事業との関連性が低い事業への進出については、事前に認識することができなかった不利益等を被る可能性がある。
(3) 原油価格変動によるリスク
航空機燃料は原油精製による製品のため、その価格は原油価格に連動する傾向がある。産油国での政情不安、新興国の急激な経済成長に伴う原油需要の増加、石油備蓄量又は埋蔵量の低下、原油への投機的な投資行動、自然災害等の要因により原油価格が当社グループの予測を超えて変動した場合には、当社グループの経営に以下のような影響を及ぼす可能性がある。
① 原油価格が上昇した場合のリスク
原油価格が上昇すると、基本的に航空機燃料の価格も上昇するため、当社グループにとって大きな負担となる。このため、航空機燃料の価格変動リスクを抑制し、営業利益の安定化を図ることを目的として原油ならびにジェット燃料のコモディティ・デリバティブを利用して一定期間のうちに計画的、継続的にヘッジ取引を実施しているが、原油価格が短期間で高騰した場合、当社グループが実施しているコスト削減や運賃及び料金等への転嫁には限界があるため、ヘッジポジションの状況等によっては価格高騰の影響を完全には回避できない可能性がある。
② 原油価格が急落した場合のリスク
当社グループは原油価格の変動に対してヘッジを実施しているため、原油価格が期中で急落した場合、ヘッジポジションの状況等によっては市況下落の効果を即座に業績に反映することができず、直ちに利益に寄与しない可能性がある。
(4) 新型インフルエンザ等の感染症に関わるリスク
新型インフルエンザをはじめ重大な感染症が発生・蔓延した場合の被害増大は、国際線のみならず全事業の需要減退リスクになり得る。風評による顧客の航空利用の意欲の低下を含め、感染拡大や被害増大により、国内線及び国際線の利用客数が激減し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
また、感染力が強い新型インフルエンザ等が流行し、予想を超える社員・委託先での罹患者の大量発生や毒性の変化が生じ強毒化した場合等は、事業継続面で影響を及ぼす可能性がある。
(5) 為替変動によるリスク
当社グループの費用項目で大きなウエイトを占める航空機燃料の購入を外貨建てで行っていること等から、円安になった場合には収支に与える影響は少なくない。一方で、国際線収入の増加に伴い、円高になった場合の収入への影響も拡大している。これらのことから、同種通貨間においては、収入で得た外貨を可能な限り外貨建て支出に充当し、為替相場の変動によるリスクの抑制に努めている他、航空機燃料及び航空機材の調達に必要な外貨の一部については、為替相場変動による影響を緩和し支払額の平準化ならびに抑制を図るべく、先物為替予約及び通貨オプション取引を活用し、為替変動が当社グループの営業損益に与えるリスクの軽減を図っている。
(6) 国際情勢等の影響によるリスク
現在、当社グループは北米・欧州・中国・アジア方面を中心に国際線を展開している。今後、当社グループ就航地域で政情不安、国際紛争、大規模なテロ事件等が発生した場合、就航国との外交関係が悪化した場合等、当該地域路線の需要の減少等により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(7) 法的規制に関わるリスク
当社グループは、航空運送事業者として航空事業関連法規の定めに基づき事業運営を行っている。また、旅客・貨物を含めた国際線事業においては、条約、二国間協定、IATA(国際航空運送協会)及びICAO(国際民間航空機関)の決定事項その他の国際的取決めに従った事業運営が求められている。これらの規制により、当社グループの事業における運賃、飛行空域、運航スケジュール、安全管理等について様々な制約を受ける。更に、当社グループの事業は、運賃及び料金の設定につき独占禁止法その他諸外国の類似の法令の制約を受けることがある。
(8) 訴訟に関わるリスク
当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループは以下の事象について、今後訴訟の提起等を受ける可能性があり、あわせて他の国及び地域においても同様の調査が開始される可能性がある。
米国司法省から提起されていた国際航空貨物・旅客輸送にかかわる価格調整等の容疑については、諸般の事情を総合的に勘案した結果、司法取引に合意しているが、提起されている旅客輸送に関する集団民事訴訟については、現時点では具体的な請求額の明示はなく、詳細の把握及び分析は困難な状況である。
(9) 公租公課等に関わるリスク
航空事業に関する公租公課等として航空機燃料税や着陸料、航行援助施設利用料等があげられるが、航空機燃料税及び着陸料については現在、国の時限的な軽減措置を受けており、今後、軽減措置の縮小・廃止が行われた場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(10) 環境規制に関わるリスク
近年、地球環境保全の一環として、航空機による騒音、温暖化ガス(CO2等)の排出量、環境汚染物質の使用ならびに処理、主な事業所におけるエネルギー使用等にかかわる数多くの国内・海外法規制が導入、又は強化されつつある。当社グループは、これらの法規制を遵守するため多額のコストを負担しているが、2020年に向けて導入が決定されている国際的な温暖化ガスの取引スキームにより、世界共通の環境税等の新たな規制が導入された際には、事業活動が制限され、又は多額の追加的費用を負担しなければならない可能性がある。
(11) 航空業界を取り巻く環境のリスク
日本国内における航空政策の方針転換や競合他社の状況等、今後、現在の競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(12) 競合リスク
今後、燃油費、資金調達コスト、環境規制への対応その他の要因により、当社グループの事業にかかるコストが上昇する可能性は否定できない。かかる場合、当社グループが利益を確保するためには、間接固定費の削減、機種統合による効率化の推進等のコスト削減を実施するとともに、かかるコストを運賃・料金等に転嫁する必要がある。しかしながら、当社は国内外の同業他社やLCCの他、一部の路線については新幹線等の代替交通機関と競合関係にあるため、かかるコストの転嫁により価格競争力が低下し、又は競合相手との価格競争上かかるコスト転嫁が大きく制約を受ける結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(13) 提携戦略が奏功しないリスク
当社グループは、スターアライアンスに加盟している。また、ATI(独占禁止法適用除外)認可に基づき、アジア米州間ネットワークにおいてはユナイテッド航空と、日欧間ネットワークにおいてはルフトハンザドイツ航空、ルフトハンザグループであるスイス インターナショナル エアラインズ、オーストリア航空との共同事業を実施している。
しかしながら、各国の独占禁止法の制約によりアライアンスの解体を余儀なくされた場合、他のアライアンスパートナーが、スターアライアンスを脱退し、もしくは事業方針を変更した場合、他のアライアンス・グループが競争力を強化した場合、又は2社間提携の解消や経営悪化・再編、提携先の信用力の低下等が発生した場合、もしくは外的要因で提携活動に対する規制が強化されるようなことがあった場合等には、提携効果が低下し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(14) 運航リスク
① 航空機事故等
当社グループ運航便及びコードシェア便で航空機事故が発生した場合、当社グループに対するお客様の信頼や社会的評価が失墜し、事故直後から中長期的に需要が低下して当社グループの経営に大きな影響を及ぼす可能性がある。なお、平成24年6月20日にANA956便の機体が着陸時の衝撃により一部損傷した件、及び平成25年1月16日にANA692便が緊急着陸した件等については、現在国土交通省運輸安全委員会により原因の究明が続けられているが、今後、最終的な調査結果が発表される予定である。
また、他社において大規模な航空機事故が発生した場合においても、同様に航空需要が低下して当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。なお、航空機事故が発生した場合、損害賠償や運航機材の修復・買換え等に多額の費用が発生するが、これらの直接的費用のすべてが航空保険にて填補されるわけではない。
② 耐空性改善通報等
航空機の安全性を著しく損なう問題が発生した場合、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報等が発出され、機体や装備品に対し指示された改善策を施すまで同型式機材の運航が認められない場合がある。また、法令に基づく耐空性改善通報等が発出されない場合であっても、技術的見地から安全性が確認できない場合、自主的に同型式機材の運航を見合わせ、修理又は交換を行うことがある。このような事態が発生した場合、当社グループの航空機の安全性に関する信用及び経営に影響を及ぼす可能性がある。特に、当社グループは、ボーイング787型機等、新型機種への集約を進めているが、当社グループが依存する新型機種について設計上の欠陥又は技術的な問題が発生した場合には、当社グループの経営により深刻な影響を及ぼす可能性がある。
(15) 顧客情報漏洩リスク
当社グループは、ANAマイレージクラブの会員数約2,639万人(平成26年3月末日現在)に関わる会員情報をはじめ、膨大な顧客に関する情報を保持している。個人情報保護法により、これらの個人情報を適切に管理することが求められている。当社グループにおいては、プライバシーポリシーを定め、個人情報の取り扱いに関する当社グループの姿勢・考え方を広くお客様に告知するとともに、システム対策を含め情報セキュリティについては想定しうる対策を講じている。また、セキュリティーホールをなくすべく、業務手順の改定やシステム改修を継続的に実施しているが、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、多額の損害賠償費用が発生し、また、信用失墜により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
(16) 災害等リスク
地震、津波、洪水、台風、積雪、火山噴火、感染症、ストライキ、暴動等により空港が長期間閉鎖される場合や飛行経路が制限を受ける場合には、その間当該空港又は当該経路を利用する運航便に影響が生じ、又は航空需要が大幅に減退することにより、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
特に、当社グループがデータセンターを首都圏に設置していること、国内線・国際線全便の運航管理を羽田空港にて実施していること、及び当社グループの旅客の大半が首都圏空港を利用していること等により、地震、台風等の大規模災害が発生した場合、当該施設において火災等の災害が発生した場合、又はストライキ等により空港もしくはそのアクセスが閉鎖された場合、当社グループのシステムもしくは運航管理機能又は運航そのものが長期間停止し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性がある。
(17) 損益構造に関わるリスク
当社グループは、航空機材費等の固定費、ならびに主として機種によって定まる燃料費及び空港使用料等、搭乗率の影響を受けない費用が全体のコストに占める割合が高く、経済状況に即応した事業規模調整の自由度が低位なため、旅客数あるいは貨物輸送量が減少した場合、損益に与える影響が大きくなる可能性がある。
また、当社グループの航空旅客事業は夏場に売上が増加する傾向があるため、かかる時期において需要が大きく減少した場合には、その事業年度における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(18) IT(システム)リスク
当社グループは、お客様へのサービス及び運航に必要な業務等、システム依存度が高い業種といえる。自然災害、事故、コンピュータ・ウィルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電等によりかかるシステムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合、お客様へのサービス及び運航の維持が困難になるとともに、信用失墜により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループのシステムは他提携航空会社においても使用されており、その影響範囲は自社グループ内にとどまらなくなる可能性がある。
(19) 人事・労務に関わるリスク
当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しており、当社グループの従業員が集団的にストライキ等を行った場合、当社グループの航空機の運航に影響を与える可能性がある。
(20) 人材確保に関わるリスク
LCCの運航開始等により運航乗務員等に対する需要が高まっている一方、運航乗務員等の育成には一定期間の教育訓練等が必要であり、当社グループが適時に適切な数の適正能力を有する運航乗務員等を確保できない場合には、当社グループの経営が影響を受ける可能性がある。
(21) 財務に関わるリスク
① 資金調達コストの増加
当社グループは、機材調達等のため銀行借入・増資・社債発行等により資金調達を行っている。しかしながら、今後、航空業界の事業環境が悪化した場合、金融市場が混乱した場合、税制、政府の金利政策や政府系金融機関の保証制度等が変更された場合、もしくは当社の信用格付けが格下げされた場合等においては、当社にとって有利な条件による資金調達が困難又は不可能となる結果、資金調達コストが増加し、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある。
② 資産減損等のリスク
当社グループは、その事業の性質上多くの固定資産を保有しているが、今後各種事業収支が悪化した場合、あるいは資産売却を決定した場合等には、固定資産の減損又は固定資産の売却損の計上が必要となる可能性がある。
(1) AirAsia Berhadとの共同事業の解消の件
当社は、平成23年7月21日付でAirAsia Berhadとの間で締結した株主間協定書(Shareholders Agreement)に基づく共同事業について、平成25年6月25日付で共同事業解消に伴う契約を締結し、同事業により設立したエアアジア・ジャパン株式会社を当社の完全子会社とした。
① 共同事業解消の理由
当社とAirAsia Berhad双方で運営を行っていたエアアジア・ジャパン株式会社について、日本マーケットに合致したビジネスモデルに改め、当社が主体的に当該社の運営を行えるようにするため。
② 共同事業解消の主な内容
1) エアアジア・ジャパン株式会社を当社の100%子会社とする。
2) エアアジア・ジャパン株式会社がエアアジアブランドで運航する期限を平成25年10月31日とする。
③ 共同事業解消の相手先の概要(平成24年12月31日現在)
1) 商 号:AirAsia Berhad
2) 所 在 地:クアラルンプール(マレーシア)
3) 資 本 金:277百万リンギット
4) 代 表 者:グループCEO トニー・フェルナンデス
5) 事業内容:航空運送事業
④ 共同事業会社の概要(平成25年6月30日現在)
1) 商 号:エアアジア・ジャパン株式会社
2) 所 在 地:千葉県成田市
3) 資 本 金:25億円
4) 代 表 者:代表取締役社長 兼 CEO 小田切義憲
5) 事業内容:航空運送事業等
6) 株主構成:当社 100%
なお、平成26年3月31日現在の商号はバニラ・エア株式会社、資本金は75億円、代表者は石井知祥である。
(2) 株式譲渡契約締結の件
当社は、平成25年7月30日開催の取締役会において、米国に本社のあるPan Am Holdings,Inc.の全株式を取得し完全子会社化することを決議し、同日付けで株式譲渡に関する契約を締結の上、8月22日に完全子会社化した。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合関係)」に記載のとおりである。
(3) 営業に関する重要な契約
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契約会社名 |
契約の種類 |
契約先 |
対象区間 |
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全日本空輸㈱ |
スターアライアンスへの加盟 |
スターアライアンス |
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Joint Venture契約 |
ルフトハンザグループ |
日本~欧州 |
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ユナイテッド航空 |
アジア~米州(北米・カリブ・南米諸国) |
(4) 航空機のリース契約
航空機のリース契約については「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況 (2) 航空機」に記載している。
航空事業セグメントにおいては、より安全で快適かつ効率的な航空事業を提供するための多様な改良・改善活動を推進している。
また、航空事業をはじめ各セグメントにおける事業活動が及ぼす環境負荷の逓減活動も推進している。
なお、上記活動に関して「研究開発費等に係る会計基準」に定義する研究開発費に該当するものはない。
当社グループは、グループ経営ビジョンの中で掲げた「お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループ」を目指し、持株会社制への移行を契機としてグループ経営体制の強化に努めた。また、首都圏空港の発着枠拡大に向け、航空機等の必要な投資を継続した。これらの結果、当社グループの総資産は、当連結会計年度末において2兆1,736億円となった。
収入面においては、国際線、国内線ともに路線ネットワークの充実を進めた。また、営業面で各種割引運賃の設定を拡大する等、需要喚起策を講じたことにより、売上高は大幅に増加した。
費用面においては、「2013-15年度ANAグループ経営戦略」で掲げているコスト削減を遂行し、収益の確保に努めたが、事業規模拡大に伴う費用増に加え、為替の影響により燃油費が増加した。結果として、営業費用の増加が営業収入の伸びを上回ったことにより、前連結会計年度に比べて減益となった。
財政状態及び経営成績の分析については以下のとおりである。
(1) 連結貸借対照表
①資産の部
流動資産は航空機を中心とした投資を継続して進め、手元資金が減少した結果、前連結会計年度末に比べて214億円減少し、6,962億円となった。
固定資産は、当連結会計年度において航空機取得を進めたことにより、有形固定資産が増加したことに加え、時価評価による投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ581億円増加し、1兆4,760億円となった。
以上により、当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比べて363億円増加し、2兆1,736億円となった。
②負債の部
借入金は、新規借入による資金調達を行った一方で、約定弁済等を着実に進めた結果、前連結会計年度末に比べて644億円減少し、6,681億円となった。社債は前連結会計年度末に比べて100億円増加し、1,350億円となった。リース債務は前連結会計年度末に比べて78億円減少し、315億円となった。これらの結果、リース債務を含む有利子負債は前連結会計年度末に比べて623億円減少し、8,347億円となった。また、新会計基準適用に伴う退職給付に係る負債を計上したことなどから、負債合計は前連結会計年度末に比べて581億円増加し、1兆4,223億円となった。
なお、オフバランスの未経過リース料が1,852億円(前連結会計年度末に比べて69億円減少)あり、これを含めた実質的な有利子負債残高は1兆199億円(前連結会計年度末に比べて692億円減少)となった。
③純資産の部
利益剰余金は当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べて51億円増加し、1,558億円となった。
その他の包括利益累計額は新会計基準適用に伴う退職給付に係る調整累計額の計上などにより、前連結会計年度末に比べて213億円減少し、△41億円となった。
これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末と比べて218億円減少し、7,512億円となった。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.6ポイント低下して34.3%となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは1.1倍(前連結会計年度末は1.2倍)となった。また、当連結会計年度末の1株当たり純資産額は前連結会計年度末とほぼ変わらず213.82円であった。
(2) 連結損益計算書
①営業損益
当連結会計年度の売上高は、ビジネス需要、プレジャー需要ともに堅調に推移した結果、前連結会計年度に比べ1,174億円増加し、1兆6,010億円となった。詳細は「第2 事業の状況 1 業績等の概要」及び「同 2 生産及び販売の状況」に記載している。
営業費用は、コスト削減に努めたが、国際線をはじめとした生産量の拡大や為替の影響により燃油費等が増加したことから、売上原価は前連結会計年度に比べ1,209億円増加し、1兆2,691億円となった。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ343億円増加し、2,658億円となった。結果として、営業費用全体では前連結会計年度に比べて1,552億円増加して1兆5,350億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べて378億円減少し、659億円となった。
②経常損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べて20億円増加し、122億円となった。これは、航空機等の資産売却益が前連結会計年度に比べて19億円増加したことなどが主な要因である。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて17億円減少し、353億円となった。これは、前連結会計年度に比べ、支払利息が減少したこと等が主な要因である。金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△151億円となった。
以上により、経常利益は前連結会計年度と比べて340億円減少し、429億円となった。
③特別損益
特別利益は、前連結会計年度に比べて28億円増加し、35億円となった。これは、和解金の受け取りなどが主な要因である。
特別損失は、前連結会計年度に比べて33億円増加し、100億円となった。これは、年金制度改定関連費用を計上したことなどが主な要因である。
以上により、当期純利益は前連結会計年度に比べて242億円減少し、188億円となった。
(3) 連結キャッシュ・フロー計算書
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益363億円に、減価償却費等非資金性項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは2,001億円の収入となった。前連結会計年度に比べて269億円増加している。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
主として航空機受領時の支払いや予備部品の購入、今後導入予定の航空機に対する前払い等の有形固定資産やソフトウェア投資等の無形固定資産の取得による支出のほか、3ヶ月を超える運用の減少があったことなどの結果、投資活動によるキャッシュ・フローは649億円の支出(前連結会計年度に比して2,688億円減少)となった。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
新たな借入、社債発行による資金調達を行った一方、借入金の返済、リース債務の返済等から、財務活動によるキャッシュ・フローは855億円の支出となった。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは1,352億円の収入となった。また、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べて496億円増加し、2,409億円となった。
当連結会計年度末における今後の経済見通しについては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による影響が次第に薄れ、各種経済政策効果の発現による緩やかな回復が期待されている。
このような状況の下、当社グループは、「コア事業の強化」「収益ドメインの拡大・多様化」「コスト構造改革の進化」を3本の柱とした「2014-16年度ANAグループ経営戦略」の遂行により、「お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指す」という経営ビジョンの達成を目指す。