第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境などが改善し、緩やかな回復傾向が続きました。このような状況の中、当社、連結子会社および持分法適用関連会社は、「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」のもと、鉄道や生活サービス、IT・Suicaの各事業を中心に様々な施策を着実に展開しました。

この結果、当連結会計年度の営業収益は、当社の運輸収入が増加したことなどにより、前期比0.5%増の2,880,802百万円となりましたが、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い当社の営業費用が増加したことにより、営業利益は前期比4.4%減の466,309百万円、経常利益は前期比3.9%減の412,311百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の増加の影響などもあり、前期比13.3%増の277,925百万円となりました。

 

重点課題と位置づけている「安全・安定輸送のレベルアップ」については、輸送に係る事故・事象の「再発防止」を徹底するとともに、リスク・弱点の把握による「未然防止」に取り組んでいます。具体的には、弱点克服に向けて電気設備や新幹線設備等の強化を進めました。あわせて、社員一人ひとりが仕事の本質について理解を深めるため、訓練センター、技能教習所および現業区所にシミュレーターなどの訓練設備を導入し、より実践的な安全教育・訓練を実施しました。また、グループ会社等との人事交流を拡大するとともに、パートナー会社との協働により鉄道工事における安全マネジメントの定着に努め、グループ全体での技術力の向上に取り組みました。さらに、安定した輸送サービスの提供に向けて、地上設備や車両の故障防止に努めるとともに、輸送障害発生時においては、影響拡大防止や早期運転再開、迅速なお客さま対応などの取組みを進めました。

インバウンド戦略については、当社グループ全体での商品の充実や受入態勢の整備に取り組みました。具体的には、平成28年4月に北陸新幹線も利用可能な「東京・大阪『北陸アーチパス』」や、北海道新幹線も利用可能な「JR東日本-南北海道レールパス」を発売しました。あわせて、平成28年8月には東北エリア向け新商品「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」を発売し、訪日旅行商品ブランド「東日本鉄道ホリデー」のラインナップを拡充しました。また、訪日旅行に関する情報発信やサポートを目的に、平成28年12月に「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)を開業しました。さらに、首都圏エリアにおいて、駅名標の4ヵ国語表記や、路線記号と駅番号を組み合わせて表示する駅ナンバリングの導入を進めました。加えて、「JR東日本訪日旅行センター」について、池袋駅東口に新設するとともに、東京駅および空港第2ビル駅の窓口を拡充しました。そのほか、低廉な価格で長期滞在できる宿泊施設「Train Hostel(トレインホステル) 北斗星」(東京)を平成28年12月に開業しました。

品川駅・田町駅周辺エリアについては、当社の車両基地から生み出される用地を活用し、国際的に魅力のある交流拠点の創出をめざしています。平成28年4月に国家戦略特別区域の区域計画として認定されたことを踏まえ、国・東京都・関係区等と引き続き連携しながらまちづくりに向けた手続きを進めており、平成29年3月には「品川駅北周辺地区まちづくりガイドライン」を策定しました。なお、品川新駅(仮称)については、2020年春の暫定開業、2024年頃の街びらきに合わせた本開業に向けて、建設工事に着手しました。

当社は、平成28年6月に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「東京2020オフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)」契約を締結し、果たすべき役割を「JR東日本2020Project」として公表しました。これを踏まえ、競技会場周辺等の駅改良工事や鉄道施設のセキュリティ向上など、円滑な大会運営の支援や大会開催の気運醸成に向けて取り組みました。あわせて、質の高いサービスを提供することによりお客さまのご期待に応え、2020年以降の社会に「レガシー(遺産)」を引き継いでいくことをめざし、コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」を平成28年10月に発表しました。

「地方創生」については、観光振興、地域産業活性化および地方中核駅を中心としたまちづくりなどに取り組みました。具体的には、平成29年5月から運転開始のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」について、運行日程・ルートの詳細を公表し、旅行商品のお申込みを受け付けるとともに、上野駅で「新たな旅立ちの13.5番線ホーム」およびラウンジ「PROLOGUE 四季島」の整備を進めました。また、農林漁業の「6次産業化」の取組みとして、株式会社JRとまとランドいわきファームのトマトを活用した様々な商品や、株式会社JR新潟ファームの酒米から醸造した日本酒「新潟しゅぽっぽ」をエキナカ店舗等で販売するとともに、株式会社JRアグリ仙台を地域農業者等と共同で設立しました。さらに、秋田県、秋田市および当社の三者で締結した「地方創生に向けたコンパクトなまちづくりに関する連携協定」を踏まえ、秋田駅において、観光拠点を整備しました。あわせて、平成29年4月開業の西口駐車場ビルや平成30年春完成予定のスポーツ整形クリニック、平成31年冬完成予定のJR秋田ゲートアリーナ(仮称)の準備を進めました。

海外鉄道プロジェクトへの参画については、都市鉄道「パープルライン」(タイ・バンコク)が平成28年8月に開業し、子会社の株式会社総合車両製作所が製造したステンレス車両「sustina(サスティナ)」の運行が開始されました。また、他社と共同出資で設立した現地法人が、鉄道システムのメンテナンス業務を開始しました。さらに、インド高速鉄道について、子会社の日本コンサルタンツ株式会社が「インド国高速鉄道に係る制度整備支援プロジェクト」および「インド国高速鉄道建設事業詳細設計調査」を独立行政法人国際協力機構(JICA)から受注し、コンサルティング業務に取り組みました。当社も新幹線オペレーターとしての経験を活かし、技術的な支援を行いました。加えて、今後のグローバル展開を担う人材の育成に向け、「グローバル人材育成プログラム Ever Onward」を推進しました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

①  運輸業

運輸業においては、鉄道事業を中心に、安全・安定輸送の確保とお客さま満足の向上を前提として、鉄道ネットワークの利用促進策の展開などにより収入確保に努めました。

安全面では、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しました。首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進め、計画通り、当連結会計年度末で全体計画数量の8割が完了しました。また、ホームドアについては、山手線および京浜東北・根岸線大宮・桜木町間の全駅に導入する方針のもと設置工事を進め、山手線品川駅および京浜東北線赤羽駅で使用開始しました。さらに、平成29年1月に発生した京浜東北線蕨駅構内での鉄道人身障害事故を踏まえ、整備時期の前倒しを公表しました。加えて、工期短縮やコストダウンに向け、横浜線町田駅において平成28年12月に新しい形式のホームドアを試行導入しました。そのほか、駅ホームの安全な利用を呼びかける「プラットホーム事故0(ゼロ)運動」を他の鉄道事業者と共同で実施しました。また、踏切事故対策として、踏切の整理統廃合や遮断機設置、踏切支障報知装置や障害物検知装置の増設などに引き続き取り組みました。さらに、保守作業員の安全性向上を目的として、GPSを活用した列車接近警報装置の導入線区を拡大しました。

サービス品質面では、「サービス品質改革中期ビジョン2017」のもと、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現に向けた施策を推進しました。直通ネットワーク拡充を踏まえ、輸送障害発生時の折返し運転の拡大など、輸送品質向上に取り組みました。また、「JR東日本アプリ」については、列車走行位置情報の提供線区を拡大し、当連結会計年度末の累計ダウンロード数は約246万件となりました。さらに、トンネル内における携帯電話不通区間の解消に関係各社等と共同で取り組み、北陸新幹線高崎・安中榛名間、東北新幹線いわて沼宮内・二戸(手前)間、上越新幹線高崎・上毛高原(手前)間、横須賀線東京・品川間および京葉線東京・潮見間において、ご利用いただける環境を整備しました。加えて、「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを初めて全国の鉄道事業者等と共同で実施しました。そのほか、お困りのお客さまにお声かけする「声かけ・サポート」運動について、首都圏の他の鉄道事業者と新たに連携して取り組みました。

輸送面では、平成29年3月のダイヤ改正において、東北新幹線東京・仙台間で「はやぶさ」を増発したほか、訪日旅行者のご利用が多い「成田エクスプレス」の増発・編成増強を実施しました。また、東京メガループの利便性向上の一環として、京葉線を増発しました。

営業面では、地域間の交流人口拡大を目的として、「行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび」や「Japanese Beauty Hokuriku」などの各種キャンペーンを展開しました。また、越後湯沢・新潟間において、アートカフェ新幹線「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」を平成28年4月から運行するとともに、小田原・伊豆急下田間において、伊豆急行株式会社との連携によりリゾート列車「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」の運行を平成28年7月から開始しました。さらに、列車と宿泊施設を自由に組み合わせることができる価格変動型旅行商品「JR東日本ダイナミックレールパック」について、東北・信越エリアから首都圏への観光流動拡大に向けて、新ブランド「ダイナミックTYO」を平成28年11月に立ち上げました。加えて、インターネットJR券申込サービス「えきねっと」について、平成28年12月より北海道エリア全域できっぷの受取りを可能としました。

Suicaについては、平成28年10月から決済サービス「Apple Pay」に対応し、iPhone7等によるご利用を可能としました。なお、Suicaの発行枚数は、当連結会計年度末で約6,398万枚となりました。また、平成29年4月から篠ノ井線、中央本線および磐越西線においてSuicaをご利用可能な駅を拡大するため、準備を進めました。

この結果、当社の鉄道事業の輸送人員は前期を上回り、運輸業の売上高は前期比0.2%増の2,013,012百万円となりましたが、新幹線鉄道大規模改修引当金繰入などに伴い営業費用が増加したことにより、営業利益は前期比6.4%減の326,419百万円となりました。

 

 東日本大震災により甚大な被害を受けた太平洋沿岸線区の復旧については、国や関係自治体と協議しながら、地域全体の復興と一体となって取組みを進めました。山田線宮古・釜石間においては、三陸鉄道株式会社による南北リアス線との一体運営に向けて復旧工事を進めました。また、気仙沼線・大船渡線では、BRTによるサービス改善等を進めました。さらに、常磐線相馬・浜吉田間では平成28年12月に運転を再開しました。

 福島第一原子力発電所20km圏内の方針としては、避難指示解除準備区域では、沿線地域の除染や住民帰還に向けた準備開始など必要な環境整備について国・自治体の協力をいただき、運転再開の準備を進めることとしています。その方針に基づき、常磐線小高・原ノ町間で平成28年7月に運転を再開するとともに、浪江・小高間は平成29年4月、竜田・富岡間は平成29年10月頃の運転再開に向けて、復旧工事等を進めました。また、帰還困難区域では、被災施設の復旧と合わせ、国・自治体の支援・協力のもと、通行に必要な除染や異常時の利用者の安全確保対策の完了後に開通させることをめざしており、平成31年度末までの常磐線富岡・浪江間の運転再開に向けて、復旧工事を進めました。

 

②  駅スペース活用事業

駅スペース活用事業では、新宿駅新南エリアにおいて「NEWoMan(ニュウマン)(第2期)」(東京)を平成28年4月に開業しました。また、東京駅の丸の内地下エリアの「グランスタ丸の内」(東京)および「グランスタ」(東京)新エリアについて、平成28年7月の第1期開業に続き、平成29年4月の第2期開業に向けて準備を進めました。さらに、日本各地の味覚を取り揃えた「駅弁屋 祭 グランスタ店」(東京)を平成28年11月にリニューアル開業しました。加えて、千葉駅・駅ビル建替え計画に伴い、「ペリエ千葉エキナカ(3階)」(千葉)を平成28年11月に開業しました。そのほか、コンビニエンスストア「NewDays(ニューデイズ)」の新デザイン店舗や、駅売店「KIOSK(キオスク)」の新型ショップ「NewDays KIOSK」の展開を継続しました。

これに加え、仙台駅等の店舗の売上が好調であったことなどにより、売上高は前期比0.3%増の417,113百万円となりましたが、工事支障による閉店の影響などにより、営業利益は前期比6.0%減の32,990百万円となりました。

 

③  ショッピング・オフィス事業

ショッピング・オフィス事業においては、当社グループ共通の「JRE POINT(ジェイアールイー・ポイント)」について、「エスパル仙台」(宮城)や「フェザン」(岩手)などでご利用可能とし、駅ビル等71箇所に利用エリアを順次拡大しました。また、平成28年4月に「nonowa国立WEST」(東京)、平成28年6月に「nonowa武蔵境EAST」(東京)をそれぞれ開業し、中央線の沿線価値向上を図りました。さらに、平成28年4月に「アトレ恵比寿西館」(東京)、平成28年9月に「JEBL秋葉原スクエア」(東京)、平成28年11月に「ラスカ熱海」(静岡)をそれぞれ開業しました。加えて、平成29年6月に全面開業予定の「JRさいたま新都心ビル」(埼玉)、平成31年度完成予定の渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)および平成32年開業予定の横浜駅西口開発ビル(仮称)の建設工事を進めました。

これに加え、「JR新宿ミライナタワー」(東京)、「NEWoMan(第1期)」(東京)および「エスパル仙台東館」(宮城)の開業による増収などにより、売上高は前期比4.8%増の280,564百万円となり、営業利益は前期比4.8%増の75,032百万円となりました。

 

 

④  その他

ホテル業では、既存ホテルの競争力強化をめざし、「ホテルメッツ渋谷」(東京)および「ホテルメッツ北上」(岩手)をリニューアル開業しました。また、「ホテルメトロポリタン仙台イースト」(宮城)、「ホテルメトロポリタンさいたま新都心」(埼玉)およびホテルドリームゲート舞浜別館(仮称)の建設工事を進めました。

広告代理業では、他の鉄道事業者も含めた全ての対象路線で中吊り広告を同時展開できる「首都圏11社局中づりドリームネットワークセット」の販売促進に努めました。

クレジットカード事業では、新宿駅や上野駅などの首都圏8駅で海外発行カード専用キャッシュディスペンサーを設置しました。

  Suica電子マネーについては、「Suicaポイントクラブ」をより便利にご利用いただくため、平成28年7月から「Suicaポイントアプリ」の配信を開始しました。また、広域展開するチェーン店への導入を進めるなど、引き続き加盟店開拓に積極的に取り組みました。その結果、Suica電子マネーが利用可能な店舗の数は、当連結会計年度末で約38万店舗となりました。さらに、Suicaポイントを「JRE POINT」に共通化するため、準備を進めました。

このほか、「HAPPY CHILD PROJECT(ハッピーチャイルドプロジェクト)」の一環として、子育て支援と高齢者福祉の複合施設「COTONIOR(コトニア)西船橋」(千葉)および「COTONIOR国立」(東京)を開業しました。また、駅ビル内などにおいて子育て支援施設の整備を進め、当連結会計年度末で累計96箇所となりました。あわせて、平成32年4月までに累計130箇所の開設をめざすことを公表しました。

これに加え、広告代理業、クレジットカード事業の売上増などにより、売上高は前期比0.4%増の636,713百万円となりましたが、北海道新幹線関連のシステムおよび工事の売上反動減などにより、営業利益は前期比0.1%減の34,978百万円となりました。

 

(注) 1 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としております。

2 「Apple Pay」および「iPhone」はApple Inc.の登録商標です。

 

 

(参考)

当社の鉄道事業の営業実績

当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。

①  輸送実績

 

区分

単位

第29期

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

第30期

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

営業日数

366

365

営業キロ

新幹線

キロ

1,194.2

1,194.2

在来線

6,263.1

6,263.1

7,457.3

7,457.3

客車走行キロ

新幹線

千キロ

542,765

546,154

在来線

1,792,626

1,780,059

2,335,392

2,326,213

輸送人員

定期

千人

3,918,281

3,948,555

定期外

2,446,650

2,462,792

6,364,931

6,411,348

輸送人キロ

新幹線

定期

千人キロ

1,740,359

1,754,601

定期外

21,108,139

21,422,218

22,848,498

23,176,819

在来線

関東圏

定期

69,908,852

70,202,368

定期外

35,966,273

36,113,616

105,875,125

106,315,985

その他

定期

3,083,370

3,074,567

定期外

2,621,281

2,530,704

5,704,652

5,605,271

定期

72,992,222

73,276,936

定期外

38,587,555

38,644,321

111,579,777

111,921,257

合計

定期

74,732,581

75,031,537

定期外

59,695,694

60,066,539

134,428,276

135,098,077

乗車効率

新幹線

56.2

56.8

在来線

44.3

45.2

45.9

46.8

 

(注) 1 乗車効率は次の方法により算出しております。

乗車効率=

輸送人キロ

×100

客車走行キロ×客車平均定員

 

2 輸送人員、輸送人キロおよび乗車効率については、従来発売日を基に算出しておりましたが、当連結会計年度より、有効期間開始日を基にした算出方法に変更しております。

3 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。

 

 

②  収入実績

 

区分

単位

第29期

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

第30期

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

旅客運輸収入

新幹線

定期

百万円

23,616

23,878

定期外

554,596

560,507

578,213

584,385

在来線

関東圏

定期

452,336

456,052

定期外

703,850

707,001

1,156,186

1,163,053

その他

定期

18,486

18,477

定期外

52,046

50,292

70,533

68,769

定期

470,822

474,529

定期外

755,896

757,293

1,226,719

1,231,823

合計

定期

494,439

498,408

定期外

1,310,493

1,317,800

1,804,932

1,816,209

荷物収入

72

62

合計

1,805,005

1,816,271

鉄道線路使用料収入

6,481

6,076

運輸雑収

171,945

167,151

収入合計

1,983,431

1,989,500

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の支払額が増加したことなどにより、流入額は前連結会計年度に比べ20,203百万円減の652,906百万円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ57,963百万円増の557,538百万円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローについては、流出額は前連結会計年度に比べ6,014百万円増の116,280百万円となりました。

なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ20,683百万円減の287,125百万円となりました。

また、当連結会計年度末の有利子負債残高は3,211,073百万円であります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社および当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態であります。

なお、販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営の基本方針(グループ理念)

○ 私たちJR東日本グループは、駅と鉄道を中心として、お客さまと地域の皆さまのために、良質で時代の先端を行くサービスを提供することにより、東日本エリアの発展をめざします。

○ 私たちは、「究極の安全」と「サービス品質の改革」に向けて、挑戦を続けます。また、技術革新やグローバル化の推進を通じて、幅広い視野を持つ人材の育成、鉄道の進化の実現、沿線価値の向上など、グループの無限の可能性を追求します。

○ 私たちは、「信頼される生活サービス創造グループ」として、社会的責任の遂行とグループの持続的成長をめざします。

 

(2) 今後の経営環境の変化

わが国の経済情勢は、雇用・所得環境の改善傾向が続く中、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が継続することが期待されます。中長期的には、より一層の人口減少や高齢化、東京圏への人口集中が見込まれるとともに、技術革新やグローバル化の進展なども想定されます。

また、当社グループにおいても、会社発足30年の節目を迎え、社員の世代交代の進展や鉄道ネットワークの拡充など、様々な変化に直面しております。

当社グループは、平成24年10月に「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」を策定し、「地域に生きる。世界に伸びる。」という経営の方向性を定めました。お客さまや地域の皆さまから期待されている「変わらぬ使命」を果たすとともに、「無限の可能性の追求」に向けて、日々挑戦を続けております。さらに、「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、特に力を込めて推進する項目である「今後の重点取組み事項」について、毎年、進捗状況を確認し、施策を更新しており、平成28年10月には、次の3つを「横断的な重点課題」として設定しております。

◇ 安全・安定輸送のレベルアップ

鉄道のシステムチェンジ、「水平分業」の深度化、急速な世代交代の進展など、社内外で新たな「変化点」に直面していることを踏まえ、関係設備の強化や安全教育・訓練の見直しなどにより、課題を主体的に解決していきます。

◇ 収益力向上への挑戦

北海道新幹線開業による鉄道ネットワーク拡充やJR新宿ミライナタワー開業などの実現を踏まえ、当社グループがお客さまに提供する「付加価値」をさらに高めることにより、営業収益の最大化に挑戦していきます。

◇ 「TICKET TO TOMORROW ~未来のキップを、すべてのひとに。~」の推進

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「JR東日本2020Project」を着実に推進します。コミュニケーションスローガン「TICKET TO TOMORROW」のもと、当社グループが一丸となって質の高いサービスを提供することにより、お客さまのご期待に応え、2020年以降の社会に「レガシー」を引き継いでいきます。

旅客鉄道輸送サービスだけではなく全ての事業分野において、社員一人ひとりが変化をチャンスと捉え、自らを変革しチャレンジを続けます。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」

当社グループは、安全・安定輸送などの「変わらぬ使命」を果たし続けること、そして「無限の可能性の追求」により持続的成長をめざすことを経営の重要な柱と位置づけ、以下の6つの基本的な方向性を掲げております。

 

[変わらぬ使命]

◆ 「究極の安全」に向けて ~災害に強い鉄道づくり~

◆ サービス品質の改革 ~鉄道ネットワークの拡充等~

◆ 地域との連携強化 ~震災からの復興、観光流動の創造と地域の活性化~

 

 

[無限の可能性の追求]

◆ 技術革新 ~エネルギー・環境戦略の構築、ICTの活用、高速化~

◆ 新たな事業領域への挑戦 ~グローバル化~

◆ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり

 

(4) グループ経営構想Ⅴ「今後の重点取組み事項」

[変わらぬ使命]

◆ きわめる~ 「究極の安全」に向けて

○ 「グループ安全計画2018」の推進

・ 「再発防止」策の徹底と弱点の把握による「未然防止」

・ より実践的な内容への安全教育・訓練の見直し

・ パートナー会社との協働によるグループ全体での技術力向上

・ 新幹線設備・車両および首都圏電気設備の強化

・ 積極的なホームドア整備など、ホーム上における安全対策の推進

○ 強靭な鉄道づくり

・ 耐震補強対策の着実な推進

・ 新幹線大規模改修や東北新幹線のレール交換など、老朽設備の適切な更新

◆ みがく~ サービス品質の改革

○ 「サービス品質改革中期ビジョン2017」の推進

・ 自然災害対策の推進や設備故障防止などによる輸送障害の発生防止

・ 輸送障害発生時の影響拡大防止、早期運転再開および迅速なお客さま対応

・ 「声かけ・サポート」運動実施など、情報提供・サポートの充実

・ バリアフリー整備をはじめとした駅改良など、「JR東日本2020Project」の推進

○ 鉄道ネットワークの利用促進(キャンペーン展開による観光需要の創出など)

◆ ともにいきる~ 地域との連携強化

○ 「3つのまちづくり」の着実な推進

・ 品川新駅(仮称)および品川駅を中心としたまちづくり計画の推進などによるターミナル駅における  利便性の向上およびブランドの確立

・ 既存店舗リニューアル等による「付加価値」向上

・ 「HAPPY CHILD PROJECT」推進などによる選ばれる沿線ブランドの確立

・ 秋田など地方中核駅における地方自治体等と連携したまちづくりの展開

○ 地域産業の活性化(「6次産業化」の推進など)

○ 観光立国への取組み(インバウンド需要取込みなど)

[無限の可能性の追求]

◆ ひらく~ 技術革新

○ 技術革新の推進

・ リスクの最小化に向けた「安全・安心」分野における保守用車ロケーションシステムの試行および突風探知システムの開発

・ 革新的なサービス提供に向けた「サービス&マーケティング」分野におけるコミュニケーションサイネージの実用化および次世代新幹線の研究開発

・ コスト構造の変革に向けた「オペレーション&メンテナンス」分野における車両、線路・電気設備のスマートメンテナンスの推進および自動運転技術・乗務員支援技術の開発

・ 鉄道エネルギーマネジメントの確立をめざした「エネルギー・環境」分野における自動省エネ列車制御に向けた省エネ走行パターンの開発

・ 上記4分野で技術革新を推進するためのクラウドシステムプラットフォーム構築

○ 環境戦略の推進(2030年度環境目標の達成に向けた取組みなど)

 

◆ のびる~ 新たな事業領域への挑戦

○ 海外プロジェクトへの挑戦

・ インド高速鉄道プロジェクトの推進

・ 英国フランチャイズ参画に向けた取組み強化

・ 「パープルライン」(タイ・バンコク)での質の高いメンテナンスの提供

・ インドネシアでの技術支援等の深度化

○ 生活サービス事業の海外展開(「JAPAN RAIL CAFE」(シンガポール)開業など)

◆ はばたく~ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり

○ 社員の意欲を引き出し、さらなる成長機会を提供

・ 公募制の人事異動や研修制度の充実

・ 多様な海外派遣メニューの継続展開による企業風土のグローバル化

・ ダイバーシティの推進

○ 一体感のあるグループ経営の推進

・ 「グループストレッチ目標」の深度化

・ グループ会社を中心とした働きやすい環境の整備

○ 経営体質の強化(コンパクトでより生産性の高い業務執行体制の追求など)

 

(5) 目標とする経営数値

平成24年10月に発表した「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」のもと、当社グループが達成をめざす数値目標については、対象期間を3年間として設定しております。また、経営環境の変化などを数値目標に適切に反映するために、1年ごとに目標を見直し、新たな3年間を対象とする数値目標を掲げることとしております。

この方針に基づき、第33期(平成31年度)における数値目標を次のとおり設定しております。

 

≪第33期(平成31年度)数値目標≫

 

第33期

(平成31年度)目標

≪参考≫第30期(当連結会計年度)

(平成28年度)実績

連結営業収益

3兆210億円

2兆8,808億円






運輸事業

2兆280億円

1兆9,898億円

流通・サービス事業

5,420億円

5,024億円

不動産・ホテル事業

3,620億円

3,263億円

その他

890億円

622億円

連結営業利益

4,990億円

4,663億円






運輸事業

3,500億円

3,342億円

流通・サービス事業

410億円

368億円

不動産・ホテル事業

890億円

803億円

その他

200億円

165億円

調整額

△10億円

△16億円

連結営業キャッシュ・フロー

(3年間の総額) 2兆1,000億円

6,529億円

連結ROA

6%程度

5.9%

連結ROE

10%程度

10.9%

 

※ 第31期(平成29年度)から第33期(平成31年度)までの総額を記載。

 

 

≪連結設備投資額見込み≫

 

3年間の総額

≪参考≫第30期(当連結会計年度)

(平成28年度)実績




維持更新投資

(うち安全投資)

1兆円

(6,000億円)

3,367億円

(2,357億円)

成長投資

7,000億円

1,699億円

合計

1兆7,000億円

5,067億円

 

※ 第31期(平成29年度)から第33期(平成31年度)までの総額を記載。

 

(注) 第31期(平成29年度)より、経営上の意思決定を行う区分を基礎とするマネジメント・アプローチをさらに徹底し、事業本部を軸としたセグメント区分に変更しております。各区分の概要は次のとおりです。

・運輸事業……………………鉄道事業を中心とした旅客運送事業のほか、旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、設備保守業、鉄道車両製造事業および鉄道車両メンテナンス事業等を展開しております。

・流通・サービス事業………小売・飲食業、卸売業、貨物自動車運送事業および広告代理業等の生活サービス事業を展開しております。

・不動産・ホテル事業………ショッピングセンターの運営事業、オフィスビル等の貸付業およびホテル業等の生活サービス事業を展開しております。

・その他………………………上記のほか、クレジットカード事業等のIT・Suica事業および情報処理業等を展開しております。

なお、第30期(平成28年度)実績のセグメント別内訳は、変更後のセグメント区分に基づき示しております。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業に係る法律関連事項

当社は、鉄道事業者として鉄道事業法の定めに基づき事業運営を行っております。また、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」の適用対象からは除外されているものの、同法の附則に定められた「当分の間配慮すべき事項に関する指針」等に配慮した事業運営が求められております。これらの詳細については、以下のとおりです。

① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)

鉄道事業者は本法の定めに従い、営業する路線および鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、旅客の運賃および新幹線特急料金の上限について国土交通大臣の認可を受け、その範囲内での設定・変更を行う場合は、事前届出を行うこととされております(第16条)。また、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止の場合は廃止日の1年前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。

② 「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(以下「JR会社法」という)(昭和61年法律第88号)

a 制定趣旨・目的等

改正前のJR会社法は、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社および九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という)ならびに日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という)の出資・設立を定めるとともに、その目的および事業範囲について規定していました。本法により、各社は鉄道事業法の規制に加えて、経営上の重要事項に関して国土交通大臣の認可を必要とするなどの規制を受けるとともに、各社の社債権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利(一般担保)等の特例措置が講じられてきました。

b JR会社法の改正等について

(a) 平成13年12月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」(以下「JR会社法改正法」という)(平成13年法律第61号)により、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社および西日本旅客鉄道株式会社(以下「本州旅客会社」という)については、JR会社法の適用対象から除外され、それまでJR会社法で定められていた規制が撤廃されました。

(b) また、JR会社法改正法では、本州旅客会社およびその鉄道事業の全部または一部を譲受・合併・分割・相続により施行日以後経営するもののうち国土交通大臣が指定するもの(以下「新会社」という)が事業を営むに際し、当分の間配慮すべき事項に関する指針(以下「指針」という)を定める(附則第2条第1項)こととされております。この指針については、平成13年11月7日に告示され、平成13年12月1日より適用となっております。

(c) 指針に定められた事項は以下の3点です。

・会社間(新会社の間または新会社と新会社以外の旅客会社および貨物会社との間をいう。以下同じ)におけ

る旅客の運賃および料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携および協力の確保に関する事項

・日本国有鉄道の改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持および駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項

・新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害またはその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項

(d) 国土交通大臣は、指針を踏まえた事業経営を確保する必要があるときには新会社に対し指導および助言をすることができ(附則第3条)、さらに正当な理由がなく指針に反する事業経営を行ったときには勧告および命令をすることができる(附則第4条)とされております。

(e) 指針に定められているこれらの事項については、当社は従来から十分留意した事業運営を行っており、今後も当然配慮していくこととなるため、経営に大きな影響をおよぼすものではありません。

(f) その他、JR会社法改正法では、その施行日前に本州旅客会社が発行した社債について、施行日以後もJR会社法第4条の一般担保の効力を有するとする(附則第7条)など、必要な経過措置等についても定められております。

 

(2) 運賃および料金の設定または変更

当社の鉄道事業における運賃・料金の設定、変更に際しては、鉄道事業法により必要な手続きが定められています。これらの手続きが変更される場合、または何らかの理由により手続きに基づいた運賃・料金の変更を機動的に行えない場合には、当社の収益に影響を与える可能性があります。

なお、鉄道運送事業者の申請を受けて国土交通大臣が認可するまでの手続きは、大手民営鉄道事業者における近年の例によれば次のようになっております。

 


 

(注) 1 鉄道事業法第64条の2に基づく手続きであります。また、国土交通省設置法(平成11年法律第100号)第23条では、運輸審議会が審議の過程で必要があると認めるときまたは国土交通大臣の指示等があったときに公聴会が開かれることが定められております。

 

2 鉄道営業法第3条第2項で、運賃その他の運送条件の加重をなす場合に7日以上の公告をしなければならないことが定められております。

 

  なお、各旅客会社における独自の運賃改定の実施の妨げとなるものではありませんが、国鉄改革の実施に際し利用者の利便の確保等を図るため、旅客会社では、現在、2社以上の旅客会社間をまたがって利用する旅客および荷物に対する運賃および料金に関し、旅客会社間の契約により通算できる制度とし、また、運賃については、遠距離逓減制を加味したものとしております。

① 当社の考え方

a 当社では、昭和62年4月の会社発足以降、消費税等を転嫁するための運賃改定(平成元年4月、平成9年4月および平成26年4月)を除くと、これまで運賃改定を実施しておりません。

当社では、運賃値上げに依存しない強固な経営基盤を確立すべく、収入の確保と経費削減による効率的な事業運営に努めておりますが、経営環境の変化等により適正な利潤を確保できない場合は、運賃改定を適時実施する必要があると考えております。

b 適正な利潤については、効率的な事業運営に努めることを前提とした上で、株主の皆さまに対する利益還元に加え、将来の設備投資や財務体質の強化等を可能なものとする水準にあることが是非とも必要であると考えております。

c 鉄道事業の資本費用に大きな影響を与える設備投資については、安全・安定輸送を確保し、質の高いサービスを提供すること等により強固な経営基盤を確立するという観点から実施しております。なお、当社としましては、事業者の明確な経営責任のもとで主体的に設備投資に取り組むことが必要であると認識しております。

② 国土交通省の考え方

当社の運賃改定に関し、国土交通省からは、次のような考え方が示されております。

a 東日本旅客鉄道株式会社を含む鉄道事業の運賃の上限の改定に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの(以下「総括原価」という)を超えないものかどうかを審査して認可することとなっている(鉄道事業法第16条第2項)。

なお、原価計算期間は3年間とする。

b 総括原価を算定するに当たっては、他の事業を兼業している場合であっても鉄道事業部門のみを対象として、所要の株主配当を含めた適正な利潤を含む適正な原価を算定することとなっている。

また、通勤・通学輸送の混雑等を改善するための輸送力の増強、旅客サービス向上等に関する設備投資計画の提出を求め、これについて審査を行い、必要な資本費用については原価算入を認めているところである。

c 総括原価を算定する方法としては、当該事業に投下される資本に対して、機会費用の考え方による公正・妥当な報酬を与えることにより資本費用(支払利息、配当等)額を推定するレートベース方式を用いる方針であり、総括原価の具体的な算定は以下によることとしている。

総括原価=営業費等(注1)+事業報酬

・ 事業報酬=事業報酬対象資産(レートベース)×事業報酬率

・ 事業報酬対象資産=鉄道事業固定資産+建設仮勘定+繰延資産+運転資本(注2)

・ 事業報酬率=自己資本比率(注3)×自己資本報酬率(注4)+他人資本比率(注3)×他人資本報酬率(注4)

(注) 1 鉄道事業者間で比較可能な費用について、経営効率化を推進するため各事業者間の間接的な競争を促す方式(ヤードスティック方式)により、比較結果を毎事業年度終了後に公表するとともに、原価の算定はこれを基に行うこととしている。

2 運転資本=営業費および貯蔵品の一部

3 自己資本比率30%、他人資本比率70%

4 自己資本報酬率は、公社債応募者利回り、全産業平均自己資本利益率および配当所要率の平均、他人資本報酬率は借入金等の実績平均レート

d なお、認可した上限の範囲内での運賃等の設定・変更、またはその他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっているが、国土交通大臣は、届出された運賃等が、次の(a)または(b)に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃等を変更すべきことを命じることができるとされている(鉄道事業法第16条第5項)。

(a) 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。

(b) 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。

 

(3) 整備新幹線計画

①  整備新幹線の開業区間

  国鉄の分割民営化後、当社は、北陸新幹線(高崎市~上越市)および東北新幹線(盛岡市~青森市)の営業主体とされ、平成9年10月1日に北陸新幹線高崎・長野間が、平成14年12月1日に東北新幹線盛岡・八戸間が、平成22年12月4日に東北新幹線八戸・新青森間が、平成27年3月14日に北陸新幹線長野・上越妙高間がそれぞれ開業しました。

②  整備新幹線の貸付料

a 平成9年10月の北陸新幹線高崎・長野間の開業に伴い、整備新幹線の営業主体であるJRが支払う貸付料の額の基準が新たに設けられ、現在は「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令」第6条に規定されております。

b 同施行令において、貸付料の額は、当該新幹線開業後の営業主体の受益に基づいて算定された額に、貸付けを受けた鉄道施設に関して独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が支払う租税および同機構の管理費の合計額を加えた額を基準として、同機構において定めるものとされています。このうち受益については、開業後30年間の需要予測および収支予測に基づいて算定されることとなります。なお、この受益に基づいて算定される額については、開業後30年間は定額とされております。

(注)  平成28年3月の北海道新幹線新青森・新函館北斗間の開業により、平成22年12月より貸付けを受けている東北新幹線八戸・新青森間の貸付料に付加して支払う額については、平成52年度までの25年間は定額とされております。

c 開業の初期等の単年度においては、整備新幹線の建設がない場合と比較して、車両の償却負担等により、整備新幹線に関連する当社の収支に影響を与える場合もありますが、上記bの貸付料の性格からみて、開業後30年間の累積では収支に影響を与えないものと考えられます。

③  貸付期間終了時の取扱い

北陸新幹線高崎・上越妙高間および東北新幹線盛岡・新青森間の鉄道施設の取扱いについては、貸付けから30年間経過する時点で協議により新たに定めることになっております。なお、貸付けを受けている整備新幹線区間と貸付終了年度は、次のとおりであります。

a 北陸新幹線(高崎・長野間) 平成39年度

b 北陸新幹線(長野・上越妙高間) 平成56年度

c 東北新幹線(盛岡・八戸間) 平成44年度

d 東北新幹線(八戸・新青森間) 平成52年度

 

(4) 安全対策

鉄道事業においては、自然災害や人為的ミス、犯罪・テロ行為等によって事故が発生した場合、または原子力発電所の事故や感染症の大規模な流行等が発生した場合、大きな損害が出る可能性があります。

当社グループは、安全を経営の最重要課題と位置づけ、ハード、ソフトの両面からより安全性の高い鉄道システムづくりに取り組み、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しております。

具体的には、首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進め、全体計画数量の約8割が完了しました。また、ホームドアについては、山手線および京浜東北・根岸線大宮・桜木町間の全駅に導入する方針のもと設置工事を進め、山手線品川駅および京浜東北線赤羽駅で使用開始しました。あわせて、中央線の千駄ケ谷駅や信濃町駅、総武快速線新小岩駅などへの導入準備を進めました。さらに、踏切事故対策として、踏切の整理統廃合や警報機および遮断機の設置、踏切支障報知装置や障害物検知装置の増設などに引き続き取り組みました。加えて、保守作業員の安全性向上を目的として、GPSを活用した列車接近警報装置の導入線区を拡大しました。

 

(5) 情報システム・個人情報保護

当社グループは、現在、鉄道事業、生活サービス事業およびIT・Suica事業の様々な業務分野で、多くの情報システムを用いております。また、当社グループと密接な取引関係にある他の旅行会社や鉄道情報システム株式会社等においても、情報システムが重要な役割を果たしております。自然災害や人為的ミス等によってこれらの情報システムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスの感染や人為的不正操作等により情報システム上の個人情報等が外部に流出した場合やデータが改ざんされた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、日常より情報システムの機能向上や関係する社員の教育など、障害対策およびセキュリティ対策を講じるとともに、万一問題が発生した場合においても速やかに初動体制を構築し、各部署が連携して対策をとることで、影響を最小限のものとするよう努めております。また、社内規程を整備し、個人情報の適正な取扱いについて定め、個人情報を取り扱う者の限定、アクセス権限の管理を行うほか、社内のチェック体制を構築するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めております。

 

(6) 生活サービス事業等の展開

当社グループは、生活サービス事業を経営の柱の一つと位置づけ、駅スペース活用事業、ショッピング・オフィス事業、その他の事業(ホテル業、広告代理業など)の展開を行っています。

生活サービス事業については、景気低迷や天候不順などを理由とした消費低迷により、ショッピングセンター、オフィスビル、駅構内小売・飲食店舗、ホテルなどの収益の減少や広告の販売不振、テナントによる賃料減額要求が生じる可能性があります。さらに、食中毒事故などの製造・販売商品の瑕疵による売上の減少や当社グループに対する信頼の低下、テナントや取引先企業等の倒産などの発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループは、「駅」という当社最大の経営資源を十分活用した事業展開を図るとともに、衛生管理や取引先情報の管理などを徹底することにより、収益向上とお客さまからの信頼の確保に努めております。

 

(7) 他事業者等との競合

  当社グループは、鉄道事業において、他の鉄道および航空機、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合しているほか、生活サービス事業においても、既存および新規の事業者と競合しております。これら鉄道事業、生活サービス事業における今後の競合状況が当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

鉄道事業においては、首都圏の他の鉄道事業者における大規模改良工事の進展や格安航空会社(LCC)の路線拡大、高速道路料金の割引施策などに伴う交通市場の競争激化が、同事業の収益等に影響をおよぼす可能性があります。また、生活サービス事業においては、他社の新規進出や既存商業施設のリニューアルなどに伴う競争激化が、同事業の収益等に影響をおよぼす可能性があります。

 

(8) 有利子負債の削減

当連結会計年度末の有利子負債残高は、3兆2,110億円であります。また、当連結会計年度の支払利息は702億円であり、これは営業利益の15.1%に相当します。

当社グループは、有利子負債の削減、低利の融資への借換えなどを今後とも進めてまいりますが、想定外の事由によりフリー・キャッシュ・フローが減少する場合、または今後の金利動向により調達金利が変動する場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響をおよぼす可能性があります。

 

(9) コンプライアンス

当社グループは、鉄道事業、生活サービス事業およびIT・Suica事業などの様々な業務分野において、鉄道事業法をはじめとする関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生した場合、行政処分や社会的信用の失墜などにより、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
  当社グループでは、「法令遵守及び企業倫理に関する指針」を策定しているほか、法令遵守に関する社員教育の強化、業務全般に関わる法令の遵守状況の点検を進めるなど、コンプライアンスの確保に努めております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、「新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律」(平成3年法律第45号)に基づき、東北および上越新幹線鉄道に係る鉄道施設(車両を除く)を平成3年10月1日、新幹線鉄道保有機構(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)より3兆1,069億円で譲り受け、このうち2兆7,404億円については25.5年、3,665億円については60年の元利均等半年賦により鉄道整備基金(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に支払うことなどに関して、新幹線鉄道保有機構との間に契約を結んでおります。なお、2兆7,404億円については平成29年1月に支払が完了しております。

 

(2) 当社は、乗車券等の相互発売等旅客営業に係る事項、会社間の運賃および料金の収入区分ならびに収入清算の取扱い、駅業務ならびに車両および鉄道施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、他の旅客会社との間に契約を結んでおります。

なお、上記の契約では、2社以上の旅客会社間をまたがって利用する旅客および荷物に対する運賃および料金の算出に当たっては、通算できる制度によることとし、かつ、旅客運賃については、遠距離逓減制が加味されたものでなければならないこと、また、旅客会社において、他の旅客会社に関連する乗車券類を発売した場合は、当該他の旅客会社は、発売した旅客会社に販売手数料を支払うものとされております。

 

(3) 当社は、貨物会社が当社の鉄道線路を使用する場合の取扱い、駅業務ならびに車両および鉄道施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、貨物会社との間に契約を結んでおります。

なお、上記の契約では、貨物会社が鉄道線路を使用するために当社に支払う線路使用料は、貨物会社が当社鉄道線路を使用することにより追加的に発生する額とされております。

 

(4) 当社は、旅客会社6社共同で列車の座席指定券等の発売を行うためのオンラインシステム(マルスシステム)の使用、各旅客会社間の収入清算等の計算業務の委託等に関して、鉄道情報システム株式会社との間に契約を結んでおります。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、IoTやビッグデータ、AI等の技術の進展を見据え、時代を先取りした技術革新の実現に向け、「技術革新中長期ビジョン」を策定しました。その主な内容は以下のとおりであります。

○  IoT、ビッグデータ、AI等を活用して、当社グループが提供するサービスをお客さま視点で徹底的に見直し、従来の発想の枠を超えて「モビリティ革命」の実現をめざします。

○  「安全・安心」、「サービス&マーケティング」、「オペレーション&メンテナンス」、「エネルギー・環境」の4分野において、当社グループのあらゆる事業活動で得られたデータからAI等により新しい価値を生み出します。

○  その実現に向け、世界最先端の技術を取り入れるため、さらなるオープンイノベーションを推進し、モビリティ分野で革新的なサービスを提供し続ける「イノベーション・エコシステム」を構築します。

 

「技術革新中長期ビジョン」の実現をめざし、次のような研究開発を行いました。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、17,913百万円であります。

 

(1) 運輸業

① 「安全・安心」~危険を予測しリスクを最小化する~

a 列車運転規制の実用化のため、突風探知のためのドップラーレーダーを山形県酒田市内に新設し、観測を開始しました。また、地震時の列車安全を高めるために海底地震計情報の活用に向けた検討を進めています。

b 鉄道の安全性の評価手法やヒューマンエラーを防止するための研究を進めました。

 

②  「サービス&マーケティング」~お客さまへ"Now(今だけ),Here(ここだけ),Me(私だけ)"の価値を提供する~

a AIを活用したお問い合わせセンター業務支援システムや、お客さまの声を自動分析し分類するシステムの研究を進めています。
b お客さまや駅のニーズに応じコンテンツを選択できるコミュニケーションサイネージについて、研究開発を
進めています。
c 列車毎の在線位置、遅延情報および乗車人員のデータを、路線図上に重ね合わせることにより、リアルタイ
ムに全体の混雑状況を可視化するシステムの開発を進めました。

 

③  「オペレーション&メンテナンス」 ~生産年齢人口20%減を見据えた仕事のしくみをつくる~

線路や電力設備、車両機器を走行しながらモニタリングする装置を営業列車に搭載し、CBM(Condition Based Maintenance)等のスマートメンテナンスの実現に向けた研究開発等の取組みを進めています。現在はモニタリング装置により得られた高頻度なデータをもとに、各分野におけるデータ分析・評価の手法を検討しています。

 

④ 「エネルギー・環境」~鉄道エネルギーマネジメントを確立する~

a 効率の良い地上用蓄電技術として、列車位置情報を活用した変電所用蓄電装置の研究開発を進めました。

b 自動省エネ列車制御の実現に向け、制御方式や省エネ走行技術の開発を進めています。

c 新幹線散水消雪設備への実導入をめざした「高効率熱源システム」および「高効率制御システム」の研究開発を進めています。

 

⑤  その他

自社の研究開発のみならず、外部の開発力や知的財産を活用する「オープンイノベーション」を推進しました。より基礎的な分野の研究開発は、「研究開発等に関する協定」に基づき公益財団法人鉄道総合技術研究所にも委託しており、当連結会計年度における同研究所に対する負担金は、6,248百万円であります。

また、現場第一線の技術革新を担う人材育成のため、研究開発部門への社内公募制インターンシップ制度としてイノベーションカレッジを引き続き開講しました。

そのほか、研究開発の成果を技術論文誌「JR EAST Technical Review」にまとめ、情報発信を行いました。

 

(2) 駅スペース活用事業、ショッピング・オフィス事業、その他の事業

特に記載する事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

(2) 経営成績の分析

① 営業収益

当連結会計年度の営業収益は、駅スペース活用事業、その他の事業の売上が減少したものの、運輸業、ショッピング・オフィス事業の売上が増加したことにより、前期比0.5%増の2兆8,808億円となり、5期連続の増収となりました。また、過去最高を更新しました。

 

運輸業の外部顧客への売上高は、前期比0.3%増の1兆9,598億円となりました。

これは、当社の鉄道事業における旅客運輸収入が、新幹線および在来線において増加したことなどにより、前期比0.6%増の1兆8,162億円となったことなどによるものであります。

新幹線に関しては、北海道新幹線開業や訪日旅行者の利用増を受けて、輸送人キロは前期比1.4%増の231億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前期比1.1%増の238億円となりました。定期外収入は、前期比1.1%増の5,605億円となり、全体では前期比1.1%増の5,843億円となりました。

関東圏の在来線に関しては、輸送人キロは前期比0.4%増の1,063億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前期比0.8%増の4,560億円、定期外収入は前期比0.4%増の7,070億円となり、全体では前期比0.6%増の1兆1,630億円となりました。

関東圏以外の在来線に関しては、輸送人キロは前期比1.7%減の56億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前期とほぼ同水準の184億円、定期外収入は前期比3.4%減の502億円となり、全体では前期比2.5%減の687億円となりました。

 

運輸業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のようになりました。

駅スペース活用事業では、前連結会計年度における商業施設の開業の平年度効果があったものの、工事支障による閉店の影響などにより、前期比0.1%減の3,996億円となりました。

ショッピング・オフィス事業では、オフィスビルの開業効果やショッピングセンターの開業効果による増収などにより、前期比4.6%増の2,676億円となりました。

その他の事業では、広告代理業、クレジットカード事業の売上増があったものの、北海道新幹線関連のシステムや工事の売上反動減などにより、前期比1.2%減の2,536億円となりました。

 

② 営業費用

営業費用は、前期比1.5%増の2兆4,144億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の83.0%に対して、当連結会計年度は83.8%となりました。
  運輸業等営業費及び売上原価は、前期比0.6%増の1兆8,522億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。

販売費及び一般管理費は、前期比4.4%増の5,622億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。

 

③ 営業利益

営業利益は、前期比4.4%減の4,663億円となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の17.0%に対し、当連結会計年度は16.2%となりました。

 

④ 営業外損益

営業外収益は、前期比6.3%減の202億円となりました。これは、受取保険金及び配当金が減少したことなどによるものであります。
  営業外費用は、前期比7.8%減の742億円となりました。これは、支払利息が減少したことなどによるものであります。

なお、受取利息などの金融収益から、支払利息などの金融費用を差し引いた金融収支は、663億円のマイナスとなり、前連結会計年度から8.4%改善しております。

 

⑤ 経常利益

経常利益は、前期比3.9%減の4,123億円となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の15.0%に対し、当連結会計年度は14.3%となりました。

 

⑥ 特別損益

特別利益は、前期比49.1%増の547億円となりました。これは、固定資産売却益が増加したことなどによるものであります。
  特別損失は、前期比22.3%減の627億円となりました。これは、災害損失引当金繰入額が減少したことなどによるものであります。

 

⑦ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前期比5.0%増の4,042億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の13.4%に対し、当連結会計年度は14.0%となりました。

 

 

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比13.3%増の2,779億円となり、2期連続の増益となりました。また、過去最高益を更新しました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の625.82円に対し、当連結会計年度は713.96円となりました。また、営業収益に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度の8.6%に対し、当連結会計年度は9.6%となりました。

 

(3) 資本の財源および資金の流動性

① キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より202億円少ない6,529億円の流入となりました。これは、法人税等の支払額が増加したことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より579億円多い5,575億円の流出となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものであります。

なお、設備投資の概要は以下のとおりです。

運輸業に関しては、安全・安定輸送対策や大規模地震対策、ホームドア整備、車両新造などの設備投資を実施しました。駅スペース活用事業に関しては、東京駅丸の内地下エリアの「グランスタ丸の内」(東京)や「グランスタ」(東京)新エリア、「ペリエ千葉エキナカ(3階)」(千葉)など、既存店舗の改良や新規店舗の展開などを行いました。ショッピング・オフィス事業に関しては、「ラスカ熱海」(静岡)や「nonowa国立WEST」(東京)、「JEBL秋葉原スクエア」(東京)などの設備投資を実施しました。その他の事業に関しては、風力発電設備の新設や既存ホテルのリニューアル工事などを行いました。

また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度より781億円減少し、953億円の流入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より60億円多い1,162億円の流出となりました。これは、自己株式の取得による支出が増加したことなどによるものであります。

なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の3,078億円から206億円減少し、2,871億円となりました。

 

② 財務政策

当連結会計年度末の有利子負債残高は、3兆2,110億円であります。

新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、年利6.55%の固定利率により平成63年9月30日までに支払われる3,338億円であります。

また、このほか、当連結会計年度末現在、当社が秋田新幹線に関連するものとして56億円、東京モノレール㈱が14億円の鉄道施設購入長期未払金を有しております。

当社グループはキャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しており、CMS参加各社の余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、有利子負債削減に努めております。また、グループ間決済の相殺やグループ内の支払業務を集約する支払代行制度などの資金管理手法を採用しております。

当社は、当連結会計年度に国内において償還期限を平成38年から平成69年の間とする8本の無担保普通社債を総額1,100億円発行いたしました。これらの社債は、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しております。また、当社はスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(現S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社)よりAA-、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりAa3の長期債格付けを取得しております。

また、短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額3,300億円の当座借越枠を設定しております。コマーシャル・ペーパーについては、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりP-1の短期債(CP)格付けを取得しております。なお、当連結会計年度末における当座借越残高およびコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。

さらに、平成27年4月より、銀行からのコミットメント・ライン(一定条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定しております。