当連結会計年度におけるわが国経済は、期初には消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動もあったものの、雇用情勢の持ち直しなどにより、緩やかな回復傾向が続きました。このような状況の中、当社、連結子会社および持分法適用関連会社は、「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」のもと、鉄道事業や生活サービス事業、Suica事業を中心に様々な施策を着実に展開しました。
この結果、当連結会計年度の営業収益は、定期外収入を中心として当社の運輸収入が増加したことなどにより、前期比2.0%増の2,756,165百万円となり、営業利益は前期比5.1%増の427,521百万円となりました。また、経常利益は、支払利息の減少などにより、前期比8.9%増の361,977百万円となりましたが、当期純利益については、山田線宮古・釜石間の経営移管等に向けた特別損失の計上や、法人税法等の改正に伴う繰延税金資産取崩しで法人税等調整額が増加したことなどにより、前期比9.8%減の180,397百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
運輸業においては、鉄道事業を中心に、安全・安定輸送の確保とお客さま満足の向上を前提として、新幹線・在来線ネットワークの利用促進策の展開などにより収入確保に努めました。
安全面では、「究極の安全」に向けて、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しました。具体的には、平成26年2月に発生した京浜東北線川崎駅構内での列車脱線事故を受けて、軌陸車および工事用重機械を建築限界内に進入させる際の取扱いの見直しや、線路閉鎖工事における関係者間の指揮命令系統の明確化、列車を止める手段の強化など、安全性を向上させる対策を講じ、同種事故の再発防止に努めました。また、首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進めました。具体的には、高架橋や橋脚、電化柱のほか、中央線御茶ノ水駅付近盛土などの耐震補強工事を推進し、当連結会計年度末で全体計画数量の約5割が完了しました。さらに、地震観測体制の強化を図るため、地震計観測値の高速伝送化を一部先行開始するとともに、海底地震計のデータ受信に向けた準備を進めました。加えて、踏切事故対策として、4種踏切の1種化や踏切の整理統廃合、踏切支障報知装置や障害物検知装置の増設などに引き続き取り組みました。そのほか、ホームドアについては、山手線において、新たに五反田駅や田端駅など7駅で使用を開始し、当連結会計年度末の累計設置駅数は18駅となったほか、八高線拝島駅において、新たな昇降式ホーム柵を試行導入しました。
サービス品質面では、「顧客満足度 鉄道業界No.1」の実現に向けた施策を推進しました。輸送品質向上の取組みとして、京葉線、総武本線、常磐線等で防風柵を使用開始したほか、平成26年2月に発生した大雪による大規模輸送障害の振返りを踏まえ、新幹線および首都圏在来線の体制・設備強化などの雪害対策を講じました。また、個々のお客さまへのタイムリーな情報提供を目的に、平成26年3月からサービスを開始したスマートフォン用「JR東日本アプリ」については、平成27年3月には英語版も追加し、当連結会計年度末の累計ダウンロード数が約110万件に達しました。さらに、列車運行情報サービス「どこトレ」については、地方を中心に案内対象線区を拡大しました。加えて、武蔵野線で「サービス品質よくするプロジェクト」を継続実施し、ホームベンチや待合室を新設するとともに、サービス品質向上の取組みに関する情報を発信しました。そのほか、他の鉄道事業者等と連携し、エスカレーターの安全な利用を呼びかける「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンを実施したほか、国土交通省のキャンペーンの一環として、「ベビーカー利用安全教室inてっぱく」を開催しました。
輸送面では、平成27年3月のダイヤ改正から、北陸新幹線金沢開業に伴い、速達タイプ「かがやき」および停車タイプ「はくたか」の運転を開始し、東京・金沢間を最速2時間28分で結びました。また、新潟・上越妙高等の間で、えちごトキめき鉄道株式会社と共同で北陸新幹線へのアクセス特急「しらゆき」の運転を始めるなど、鉄道ネットワークの拡充による地域間の流動拡大に努めました。さらに、上野東京ラインを開業し、宇都宮線、高崎線と東海道線との相互直通運転や、品川駅までの常磐線の直通運転を開始したほか、武蔵野線や京葉線の増発等により、「東京メガループ」の利便性向上を図りました。
営業面では、観光流動創出と地域活性化を目的として、新潟および山形の「デスティネーションキャンペーン」や「行くぜ、東北。」キャンペーンを展開しました。また、平成26年3月から全列車で時速320km運転を開始した「はやぶさ・こまち」の利用促進を図りました。さらに、乗ること自体が目的となる列車として、足湯を備えた山形新幹線「とれいゆ つばさ」や信越・飯山線での「越乃Shu*Kura」等を運転するとともに、磐越西線「フルーティアふくしま」や飯山線「おいこっと」の平成27年4月の運転開始に向けた準備を進めました。加えて、北陸新幹線金沢開業に合わせて、「Japanese Beauty Hokuriku」キャンペーンを展開するとともに、「びゅうばす天空の飛騨回廊号」を運行開始するなど、信越・北陸地方の広域観光周遊ルートの構築に取り組みました。そのほか、旺盛なインバウンド需要を取り込むため、グループ会社を通じて台湾現地旅行会社に経営参画するとともに、台湾・香港向けの「東日本鐵道假期(東日本鉄道ホリデー)」や東南アジア向けの「Tokyo Rail Days」の販売促進を図りました。また、新宿駅に「JR EAST Travel Service Center」を新設するなど、海外からのお客さまの受入れ態勢の整備を進めました。
Suicaについては、奥羽本線山形駅、信越本線柏崎駅、篠ノ井線松本駅など13線区36駅や、富士急行線および気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)において新たに利用可能としました。また、平成26年10月より、「iPhoneTM」からSuicaへの入金を可能とするなど、お客さまの利便性のさらなる向上に取り組みました。なお、Suicaの発行枚数は、当連結会計年度末で約5,070万枚となりました。
東京駅開業100周年記念Suicaについては、平成26年12月の発売当日に、多数のお客さまが東京駅に来駅されたことから、お客さまの安全を確保するため、同日に発売中止としました。その後、購入を希望する全てのお客さまに販売することとし、増刷などの対応を進めました。
海外鉄道プロジェクトへの参画については、都市鉄道「パープルライン」(タイ・バンコク)の平成28年営業開始に向けて、車両供給および鉄道システムのメンテナンス業務の準備を進めました。また、平成26年9月に世界最大級の鉄道見本市「イノトランス2014」(ドイツ・ベルリン)に出展するなど、当社グループの技術に関する情報発信に努めました。さらに、今後のグローバル展開を担う人材の育成に向けて、「グローバル人材育成プログラム Ever Onward」を推進し、海外留学や海外鉄道コンサルティング業務OJTトレーニーなどを引き続き拡大しました。
この結果、当社の鉄道輸送量は前期を下回ったものの、運輸業の売上高は前期比1.3%増の1,907,263百万円となり、営業利益は前期比10.2%増の294,606百万円となりました。
東日本大震災により甚大な被害を受けた太平洋沿岸線区の復旧については、地域全体の復興やまちづくりの計画策定と一体となって進めるべく、国や関係自治体との協議を実施しています。特に、山田線宮古・釜石間については、三陸鉄道株式会社による南北リアス線との一体運営を関係自治体等に提案しておりましたが、平成26年12月に大筋合意し、平成27年2月に基本合意書および覚書を締結しました。また、石巻線については、浦宿・女川間の復旧工事を進め、平成27年3月21日に全線で運転を再開しました。仙石線については、平成27年5月30日の全線運転再開に向けて、高城町・陸前小野間における復旧工事等を進め、あわせて東北本線との接続線「仙石東北ライン」の同日の運転開始に向けた整備を行いました。常磐線については、平成26年6月に、福島第一原子力発電所20km圏内を含む広野・竜田間において鉄道運転を再開するとともに、平成27年1月より、竜田・原ノ町間で代行バスの運行を開始しました。さらに、平成29年春の運転再開に向け、相馬・浜吉田間において復旧工事を進めました。なお、福島第一原子力発電所20km圏内の今後の方針としては、避難指示解除準備区域では、沿線地域の除染や住民帰還に向けた準備開始など必要な環境整備について国・自治体の協力をいただき、運転再開の準備を進めます。帰還困難区域では、被災施設の復旧と合わせ、国・自治体の支援・協力のもと、通行に必要な除染や異常時の利用者の安全確保対策を完了した後、開通させることをめざします。加えて、BRTによる仮復旧については、鉄道との乗換えの利便性向上を目的に、気仙沼駅において、平成26年4月に気仙沼線BRT、平成27年3月に大船渡線BRTの乗入れをそれぞれ開始しました。
また、岩泉線については、平成26年3月31日をもって鉄道営業を終了し、翌4月1日から地元バス事業者が路線バス「岩泉茂市線」の運行を開始しました。なお、当社は当該路線バスの運行に必要な支援を行っています。
駅スペース活用事業では、平成26年12月の東京駅開業100周年に合わせて、東京駅を含む周辺エリアの価値向上に向けた情報発信や賑わい創出に取り組みました。また、コンビニエンスストア「NEWDAYS(ニューデイズ)」においては、新宿駅等に新デザイン店舗を開業したほか、カウンターコーヒー「EKI na CAFE(エキナカフェ)」の新規展開や商品の品揃え強化など、多様化するお客さまニーズへの対応を図りました。さらに、「地域再発見プロジェクト」の一環として、上野駅などにおいて各地の産直市を開催し、地産品や観光のPRに取り組みました。加えて、農林漁業の「6次産業化」に向けて、「十日町すこやかファクトリー」(新潟)において米粉を用いた菓子の製造・販売を開始しました。
これに加え、「エキュート東京」(東京)などの好調による増収があったものの、工事支障による閉店の影響などにより、売上高は前期比0.9%減の411,998百万円となり、営業利益は前期比4.2%減の34,539百万円となりました。
ショッピング・オフィス事業では、「CIAL桜木町」(神奈川)、「nonowa武蔵小金井(第1期)」(東京)および「MIDORI長野」(長野)を開業するとともに、中央線武蔵境・東小金井間では、高架下空間を活用した「ののみち」(東京)を開業し、一体的な回遊空間を創出しました。また、「セレオ甲府」(山梨)などにおいてリニューアルを実施したほか、既存店舗の活性化および集客力のあるテナントの導入を図りました。さらに、平成27年4月18日開業の「nonowa国立(第1期)」(東京)、平成28年春完成予定の新宿駅新南口ビル(仮称)や仙台駅東口開発の建設工事を進めました。加えて、平成28年度開業予定の熱海駅ビル(仮称)や平成29年度開業予定のJR船橋駅南口駅ビル(仮称)のほか、東京急行電鉄株式会社および東京地下鉄株式会社との共同事業として、平成31年度完成予定の渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)の建設工事に着手しました。
これに加え、株式会社ルミネなどの売上が好調であったことや、前期に開業した「JR大塚南口ビル」(東京)の増収効果などにより、売上高は前期比1.8%増の266,556百万円となり、営業利益は前期比0.4%増の72,324百万円となりました。
ホテル業では、三陸沿岸地域の観光流動の創出をめざし、平成27年3月に「ホテルフォルクローロ三陸釜石」(岩手)を開業しました。また、北陸新幹線金沢開業や善光寺御開帳に合わせて、「ホテルメトロポリタン長野」(長野)のリニューアルを進めるとともに、「ホテルメトロポリタン」(東京)の客室や婚礼施設を改装するなど、既存ホテルの競争力強化を図りました。広告代理業では、大型液晶ディスプレイを用いた駅広告媒体「J・ADビジョン」を長野駅等に新たに設置したほか、車内映像広告「トレインチャンネル」などの販売促進に努めました。
クレジットカード事業では、「デスティネーションキャンペーン」やGALA(ガーラ)湯沢開業25周年など、各種イベント等に連動した企画を展開し、さらなる利用促進と会員数拡大を図りました。Suica電子マネーについては、全日本空輸株式会社の国内線での機内販売や、任天堂株式会社のゲーム機での決済サービスを開始するなど、さらなる利用の拡大・促進に取り組みました。これらの取組みの結果、Suica電子マネーが利用可能な店舗等の数は当連結会計年度末で約29万店舗となりました。
このほか、スポーツ事業では、運動型通所介護施設の2号店として「ジェクサー・プラチナジム武蔵境」(東京)を平成26年7月に開業するとともに、子育て支援と高齢者福祉の複合施設「COTONIOR(コトニア)赤羽」(東京)の平成27年4月の開業に向けた準備を進めました。
この結果、情報処理業や広告代理業の増収などにより、売上高は前期比6.7%増の614,195百万円となったものの、営業利益は、クレジットカード事業の関連経費の増加などにより、前期比15.9%減の27,490百万円となりました。
(注) 1 当社は、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)および「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)におけるセグメント利益について、各セグメントの営業利益としております。
2 「iPhone」は、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
当社の鉄道事業の営業実績
当社の鉄道事業の最近の営業実績は次のとおりであります。
区分 | 単位 | 第27期 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | 第28期 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | |||
営業日数 | 日 | 365 | 365 | |||
営業キロ | 新幹線 | キロ | 1,134.7 | 1,194.2 | ||
在来線 | 〃 | 6,377.9 | 6,264.0 | |||
計 | 〃 | 7,512.6 | 7,458.2 | |||
客車走行キロ | 新幹線 | 千キロ | 482,824 | 502,361 | ||
在来線 | 〃 | 1,789,632 | 1,787,115 | |||
計 | 〃 | 2,272,456 | 2,289,476 | |||
輸送人員 | 定期 | 千人 | 3,875,382 | 3,826,707 | ||
定期外 | 〃 | 2,371,613 | 2,391,838 | |||
計 | 〃 | 6,246,995 | 6,218,546 | |||
輸送人キロ | 新幹線 | 定期 | 千人キロ | 1,731,936 | 1,675,389 | |
定期外 | 〃 | 19,131,148 | 19,238,713 | |||
計 | 〃 | 20,863,085 | 20,914,102 | |||
在来線 | 関東圏 | 定期 | 〃 | 69,670,828 | 68,375,586 | |
定期外 | 〃 | 34,554,720 | 34,935,178 | |||
計 | 〃 | 104,225,549 | 103,310,764 | |||
その他 | 定期 | 〃 | 3,225,569 | 3,068,782 | ||
定期外 | 〃 | 2,796,787 | 2,775,333 | |||
計 | 〃 | 6,022,356 | 5,844,116 | |||
計 | 定期 | 〃 | 72,896,397 | 71,444,369 | ||
定期外 | 〃 | 37,351,507 | 37,710,511 | |||
計 | 〃 | 110,247,905 | 109,154,880 | |||
合計 | 定期 | 〃 | 74,628,334 | 73,119,759 | ||
定期外 | 〃 | 56,482,656 | 56,949,224 | |||
計 | 〃 | 131,110,990 | 130,068,983 | |||
乗車効率 | 新幹線 | % | 57.2 | 55.2 | ||
在来線 | 〃 | 45.6 | 44.3 | |||
計 | 〃 | 47.1 | 45.8 | |||
(注) 1 乗車効率は次の方法により算出しております。
乗車効率= | 輸送人キロ | ×100 |
客車走行キロ×客車平均定員 |
2 「関東圏」とは、当社東京支社、横浜支社、八王子支社、大宮支社、高崎支社、水戸支社および千葉支社管内の範囲であります。
区分 | 単位 | 第27期 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | 第28期 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | |||
旅客運輸収入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 22,857 | 23,232 | |
定期外 | 〃 | 484,331 | 497,997 | |||
計 | 〃 | 507,189 | 521,229 | |||
在来線 | 関東圏 | 定期 | 〃 | 439,289 | 448,259 | |
定期外 | 〃 | 676,035 | 683,445 | |||
計 | 〃 | 1,115,325 | 1,131,705 | |||
その他 | 定期 | 〃 | 18,639 | 18,725 | ||
定期外 | 〃 | 55,294 | 54,241 | |||
計 | 〃 | 73,934 | 72,967 | |||
計 | 定期 | 〃 | 457,929 | 466,985 | ||
定期外 | 〃 | 731,329 | 737,687 | |||
計 | 〃 | 1,189,259 | 1,204,672 | |||
合計 | 定期 | 〃 | 480,787 | 490,217 | ||
定期外 | 〃 | 1,215,661 | 1,235,685 | |||
計 | 〃 | 1,696,449 | 1,725,902 | |||
荷物収入 | 〃 | 74 | 72 | |||
合計 | 〃 | 1,696,523 | 1,725,974 | |||
鉄道線路使用料収入 | 〃 | 6,376 | 6,743 | |||
運輸雑収 | 〃 | 160,264 | 162,595 | |||
収入合計 | 〃 | 1,863,165 | 1,895,313 | |||
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の支払額が減少したことなどにより、流入額は前連結会計年度に比べ59,998百万円増の622,762百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、工事負担金等受入による収入が減少したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ2,146百万円増の476,844百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の返済による支出が減少したことなどにより、流出額は前連結会計年度に比べ4,730百万円減の86,636百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ59,113百万円増の245,170百万円となりました。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高は3,275,522百万円であります。
当社および当社の連結子会社の大多数は、受注生産形態をとらない業態であります。
なお、販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。
当社グループは、「変わらぬ使命」を果たし続けること、そして「無限の可能性の追求」により成長をめざすことを経営の重要な柱と位置づけております。今後も、鉄道、当社グループ、そして社員一人ひとりの未来を切り拓くため、グループ全社員の総力を結集し、「限りなき前進」を続けていきます。
[変わらぬ使命]
「お客さまの求める安全で品質の高いサービスを提供する」、そして「鉄道サービス・生活サービスの提供を通じて、地域の発展に貢献する」という基本的な使命はいつの時代も変わりません。これらを、改めて経営の重要な柱に位置づけるとともに、社会的な要請にしっかりと応えることができる内容・レベルとするために、不断の努力を続けます。
① 「究極の安全」に向けて ~災害に強い鉄道づくり~
② サービス品質の改革 ~鉄道ネットワークの拡充等~
③ 地域との連携強化 ~震災からの復興、観光流動の創造と地域の活性化~
[無限の可能性の追求]
3つの「変わらぬ使命」を、将来にわたって果たし続けていくためには、グループのさらなる成長が不可欠です。激しい変化の中で、現状にとどまることは後退することを意味し、常に新たな目標に挑戦し続けなければ、成長は成し遂げられません。以下の3つの観点から、当社グループ、そしてそこで働く社員一人ひとりが持つ「無限の可能性」を追求していきます。
① 技術革新 ~エネルギー・環境戦略の構築、ICTの活用、高速化~
② 新たな事業領域への挑戦 ~グローバル化~
③ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
当社グループは、「グループ経営構想Ⅴ」の実現に向けた取組みを加速させるため、特に力を込めて推進を図る項目として、平成25年10月に「今後の重点取組み事項」を策定し、その後1年の進捗を踏まえ、さらに更新しました。鉄道という社会インフラを担う企業として、安全・安定輸送や快適なサービスの提供に向けた日々の業務の着実な遂行に取り組み、その上で中期的な観点から、「今後の重点取組み事項」を推進していきます。
[変わらぬ使命]
① きわめる~ 「究極の安全」に向けて
○ 災害に強い鉄道づくり
・ 耐震補強対策について平成28年度末までに計画の約8割を完了見込み
・ 構造物、軌道設備、駅舎などの老朽設備の適切な更新
○ ホームドア第2期整備計画の策定
・ お客さまのご利用が多い駅を優先に山手線以外の駅への整備を推進
・ 施工が容易な新たな方式のホームドア導入の試行などによるコストダウン
○ グループ安全計画2018の確実な推進
② みがく~ サービス品質の改革
○ 輸送品質のさらなる向上
・ 雪害対策の推進などによる輸送障害の発生防止
・ 折返し運転・別線運転の強化などによる輸送障害発生時の影響拡大防止
・ 列車運行情報サービスの案内線区拡大などによる輸送障害発生時の情報提供の充実
○ 東京圏鉄道ネットワークの拡充
・ 上野東京ラインの運行体系整備などの東京圏鉄道ネットワークのブラッシュアップ
・ 羽田空港アクセス線構想の具体化に向けた事業スキーム等の検討
・ 地域と連携した戦略的新駅の候補地選定・実現
○ 北陸新幹線の利用促進および北海道新幹線の開業に向けて
・ 北陸新幹線金沢開業に伴うご利用しやすい運行体系の整備と提供サービスの充実
・ 金沢開業に合わせた着地観光開発の推進、広域観光ルートの整備および「Japanese Beauty Hokuriku」などのキャンペーン展開
・ 北海道新幹線新函館北斗開業に向けた着実な準備
○ ICTを活用したチケッティングの利便性向上
・ Suica利用可能箇所の拡大
・ モバイル端末を利用したSuicaの利便性向上
③ ともにいきる~ 地域との連携強化
○ 「3つのまちづくり」の着実な推進
・ 品川駅などターミナル駅におけるブランド確立による魅力・利便性向上
・ 中央ラインモールプロジェクト推進などの選ばれる沿線ブランドの確立
・ コンパクトシティ構想を踏まえた地方中核駅におけるまちづくりの展開
○ 「のもの」や産直市の展開による地域経済の活性化
・ 首都圏における地産品の販路拡大・情報発信強化
・ 「のもの1-2-3プロジェクト」など農林漁業の「6次産業化」の推進
○ 観光立国の推進
・ 台湾現地旅行会社への経営参画などによる旺盛なインバウンド需要の取込み
・ 「東日本版ゴールデンルート」の立上げ
・ クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」の導入準備
[無限の可能性の追求]
① ひらく~ 技術革新
○ エネルギー・環境戦略の推進
・ 電力安定供給とCO2排出量削減をめざした自営電力網の整備
・ 交流区間乗入れ用の蓄電池駆動電車の導入に向けた準備
・ 北東北の「再生可能エネルギー基地」化
・ 回生電力の有効活用などによる鉄道へのスマートグリッド技術導入
○ ICTを活用した業務革新
・ 現業機関でのタブレット端末の活用推進や好事例等の水平展開
・ 触車事故防止に向けた無線を活用した列車接近警報装置の開発
・ モニタリング装置のモデル線区への導入などによるメンテナンス業務革新
・ 駅遠隔操作システム導入などによるICTを活用した新たな駅業務体制の構築
・ 無線式列車制御システムの導入による輸送システムの変革
○ 現場第一線の社員による技術革新
② のびる~ 新たな事業領域への挑戦
○ 海外プロジェクトへの挑戦
・ タイ・バンコク都市鉄道「パープルライン」の開業に向け、車両供給および鉄道システムのメンテナンス業務を着実に推進
・ インドネシア鉄道事業者への技術支援の深度化
・ 積極的な情報収集・発信による新たな海外案件の獲得に向けた取組み
○ 生活サービスにおける新たな事業領域への挑戦
・ エキナカ事業を基盤としたグループ一体となった新業態・サービスの推進
・ 生活サービス事業の海外展開
○ 社外の優れた技術・製品の導入
○ 「経営の第4の柱」鉄道車両製造事業の確立
・ ステンレス車両「sustina(サスティナ)」の積極的展開による国内外案件の獲得
・ 日本のLRT市場等における海外メーカーとの協業
・ 鉄道車両製造事業の効率的な業務運営の追求
③ はばたく~ 人を伸ばし、人を活かす企業風土づくり
○ 社員の意欲を引き出しさらなる成長機会を提供
・ 公募制の人事異動や研修制度の充実
・ 多様な海外派遣メニューの継続展開によるグローバル人材の育成強化
・ 新中期アクションプラン策定などによるダイバーシティの推進
○ 一体感のあるグループ経営の推進
・ グループ内のポイント共通化による魅力的なサービスの構築
・ グループのヘビーユーザー向けの新たなクレジットサービスの展開
○ ワークスタイル改革、組織運営の効率化
・ コンパクトでより生産性の高い業務執行体制の追求
・ グループ一体となった受委託業務の効率性・生産性の向上
◆ 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えて
○ 安全かつスムーズ・快適な移動サービスの提供
・ 輸送力の増強や会場最寄駅等の設備強化
・ 昇降設備や多機能トイレなどのバリアフリーの推進
・ 無料公衆無線LAN拡充などによる海外からのお客さまの受入れ態勢の充実
○ 東京圏の観光流動活性化と地方への誘客
○ ターミナル駅開発の推進による東京の魅力向上
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、鉄道事業者として鉄道事業法の定めに基づき事業運営を行っております。また、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」の適用対象からは除外されているものの、同法の附則に定められた「当分の間配慮すべき事項に関する指針」等に配慮した事業運営が求められております。これらの詳細については、以下のとおりです。
① 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)
鉄道事業者は本法の定めに従い、営業する路線および鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、旅客の運賃および新幹線特急料金の上限について国土交通大臣の認可を受け、その範囲内での設定・変更を行う場合は、事前届出を行うこととされております(第16条)。また、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止の場合は廃止日の1年前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。
② 「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」(以下「JR会社法」という)(昭和61年法律第88号)
改正前のJR会社法は、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社および九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という)ならびに日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という)の出資・設立を定めるとともに、その目的および事業範囲について規定していました。本法により、各社は鉄道事業法の規制に加えて、経営上の重要事項に関して国土交通大臣の認可を必要とするなどの規制を受けるとともに、各社の社債権者が他の債権者に先立って弁済を受ける権利(一般担保)等の特例措置が講じられてきました。
(a) 平成13年12月1日に施行された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律」(以下「JR会社法改正法」という)(平成13年法律第61号)により、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社および西日本旅客鉄道株式会社(以下「本州旅客会社」という)については、JR会社法の適用対象から除外され、それまでJR会社法で定められていた規制が撤廃されました。
(b) また、JR会社法改正法では、本州旅客会社およびその鉄道事業の全部または一部を譲受・合併・分割・相続により施行日以後経営するもののうち国土交通大臣が指定するもの(以下「新会社」という)が事業を営むに際し、当分の間配慮すべき事項に関する指針(以下「指針」という)を定める(附則第2条第1項)こととされております。この指針については、平成13年11月7日に告示され、平成13年12月1日より適用となっております。
(c) 指針に定められた事項は以下の3点です。
・会社間(新会社の間または新会社と新会社以外の旅客会社および貨物会社との間をいう。以下同じ)における旅客の運賃および料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携および協力の確保に関する事項
・日本国有鉄道の改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持および駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項
・新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害またはその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項
(d) 国土交通大臣は、指針を踏まえた事業経営を確保する必要があるときには新会社に対し指導および助言をすることができ(附則第3条)、さらに正当な理由がなく指針に反する事業経営を行ったときには勧告および命令をすることができる(附則第4条)とされております。
(e) 指針に定められているこれらの事項については、当社は従来から十分留意した事業運営を行っており、今後も当然配慮していくこととなるため、経営に大きな影響をおよぼすものではありません。
(f) その他、JR会社法改正法では、その施行日前に本州旅客会社が発行した社債について、施行日以後もJR会社法第4条の一般担保の効力を有するとする(附則第7条)など、必要な経過措置等についても定められております。
当社の鉄道事業における運賃・料金の設定、変更に際しては、鉄道事業法により必要な手続きが定められています。これらの手続きが変更される場合、または何らかの理由により手続きに基づいた運賃・料金の変更を機動的に行えない場合には、当社の収益に影響を与える可能性があります。なお、手続きの詳細については以下のとおりです。
鉄道運送事業者は、旅客の運賃および新幹線特急料金(以下「運賃等」という)の上限を定め、または変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないことが法定されております(鉄道事業法第16条第1項)。
また、その上限の範囲内での運賃等の設定・変更ならびに在来線特急料金等その他の料金の設定・変更については、事前の届出で実施できることとなっております(鉄道事業法第16条第3項および第4項)。
鉄道運送事業者の申請を受けて国土交通大臣が認可するまでの手続きは、大手民営鉄道事業者における近年の例によれば次のようになっております。

(注) 1 鉄道事業法第64条の2に基づく手続きであります。また、国土交通省設置法(平成11年法律第100号)第23条では、運輸審議会が審議の過程で必要があると認めるときまたは国土交通大臣の指示等があったときに公聴会が開かれることが定められております。
2 鉄道営業法第3条第2項で、運賃その他の運送条件の加重をなす場合に7日以上の公告をしなければならないことが定められております。
なお、各旅客会社における独自の運賃改定の実施の妨げとなるものではありませんが、国鉄改革の実施に際し利用者の利便の確保等を図るため、旅客会社では、現在、2社以上の旅客会社間をまたがって利用する旅客および荷物に対する運賃および料金に関し、旅客会社間の契約により通算できる制度とし、また、運賃については、遠距離逓減制を加味したものとしております。
a 当社では、昭和62年4月の会社発足以降、消費税等を転嫁するための運賃改定(平成元年4月、平成9年4月および平成26年4月)を除くと、これまで運賃改定を実施しておりません。
当社では、運賃値上げに依存しない強固な経営基盤を確立すべく、収入の確保と経費削減による効率的な事業運営に努めておりますが、経営環境の変化等により適正な利潤を確保できない場合は、運賃改定を適時実施する必要があると考えております。
b 適正な利潤については、効率的な事業運営に努めることを前提とした上で、株主の皆さまに対する利益還元に加え、将来の設備投資や財務体質の強化等を可能なものとする水準にあることが是非とも必要であると考えております。
c 鉄道事業の資本費用に大きな影響を与える設備投資については、安全・安定輸送を確保し、質の高いサービスを提供すること等により強固な経営基盤を確立するという観点から実施しております。なお、当社としましては、事業者の明確な経営責任のもとで主体的に設備投資に取り組むことが必要であると認識しております。
当社の運賃改定に関し、国土交通省からは、次のような考え方が示されております。
a 東日本旅客鉄道株式会社を含む鉄道事業の運賃の上限の改定に当たっては、鉄道事業者の申請を受けて、国土交通大臣が、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの(以下「総括原価」という)を超えないものかどうかを審査して認可することとなっている(鉄道事業法第16条第2項)。
なお、原価計算期間は3年間とする。
b 総括原価を算定するに当たっては、他の事業を兼業している場合であっても鉄道事業部門のみを対象として、所要の株主配当を含めた適正な利潤を含む適正な原価を算定することとなっている。
また、通勤・通学輸送の混雑等を改善するための輸送力の増強、旅客サービス向上等に関する設備投資計画の提出を求め、これについて審査を行い、必要な資本費用については原価算入を認めているところである。
c 総括原価を算定する方法としては、当該事業に投下される資本に対して、機会費用の考え方による公正・妥当な報酬を与えることにより資本費用(支払利息、配当等)額を推定するレートベース方式を用いる方針であり、総括原価の具体的な算定は以下によることとしている。
総括原価=営業費等(注1)+事業報酬
・ 事業報酬=事業報酬対象資産(レートベース)×事業報酬率
・ 事業報酬対象資産=鉄道事業固定資産+建設仮勘定+繰延資産+運転資本(注2)
・ 事業報酬率=自己資本比率(注3)×自己資本報酬率(注4)+他人資本比率(注3)×他人資本報酬率(注4)
(注) 1 鉄道事業者間で比較可能な費用について、経営効率化を推進するため各事業者間の間接的な競争を促す方式(ヤードスティック方式)により、比較結果を毎事業年度終了後に公表するとともに、原価の算定はこれを基に行うこととしている。
2 運転資本=営業費および貯蔵品の一部
3 自己資本比率30%、他人資本比率70%
4 自己資本報酬率は、公社債応募者利回り、全産業平均自己資本利益率および配当所要率の平均、他人資本報酬率は借入金等の実績平均レート
d なお、認可した上限の範囲内での運賃等の設定・変更、またはその他の料金の設定・変更は、事前の届出で実施できることとなっているが、国土交通大臣は、届出された運賃等が、次の(a)または(b)に該当すると認めるときは、期限を定めてその運賃等を変更すべきことを命じることができるとされている(鉄道事業法第16条第5項)。
(a) 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
(b) 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。
整備新幹線とは、全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)に基づき整備計画が決定された新幹線鉄道であります。昭和48年に東北新幹線(盛岡市~青森市)、北陸新幹線(東京都~長野市~富山市~大阪市)、九州新幹線(福岡市~鹿児島市)などについて整備計画が定められました。国鉄の分割民営化後、当社は、北陸新幹線(高崎市~上越市)および東北新幹線(盛岡市~青森市)の営業主体とされ、平成9年10月1日に北陸新幹線高崎・長野間が、平成14年12月1日に東北新幹線盛岡・八戸間が、平成22年12月4日に東北新幹線八戸・新青森間が、平成27年3月14日に北陸新幹線長野・上越妙高間がそれぞれ開業しました。
当社管内以外では、現在、北海道新幹線新青森・札幌間、北陸新幹線金沢・敦賀間、九州新幹線武雄温泉・長崎間の整備が進められております。
a 整備新幹線の建設は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行っており、その費用については国、地方公共団体およびJRが負担することとされておりますが、JRの負担については、次の(a)および(b)を充てることとされております。
(a) 整備新幹線の営業主体となるJRが支払う貸付料等
(b) 既設の新幹線鉄道施設の譲渡収入の一部
b 平成9年10月の北陸新幹線高崎・長野間の開業に伴い、整備新幹線の営業主体であるJRが支払う貸付料の額の基準が新たに設けられ、現在は「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令」第6条に規定されております。
同施行令において、貸付料の額は、当該新幹線開業後の営業主体の受益に基づいて算定された額に、貸付けを受けた鉄道施設に関して独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が支払う租税および同機構の管理費の合計額を加えた額を基準として、同機構において定めるものとされています。このうち受益については、新幹線が開業した場合の当該新幹線区間および関連線区区間の収支と、開業しなかったと仮定した場合の並行在来線および関連線区区間の収支を比較し、前者が後者より改善することにより営業主体が受けると見込まれる利益とされており、具体的には、開業後30年間の需要予測および収支予測に基づいて算定されることとなります。なお、この受益に基づいて算定される額については、開業後30年間は定額とされております。また、租税および同機構管理費相当額については、営業主体の当該新幹線開業後の経費として、受益算定の際に算入されているため、新幹線開業に伴う営業主体の負担は受益の範囲内であります。
平成9年10月に開業した北陸新幹線高崎・長野間の貸付料の額については、当社は、日本鉄道建設公団(現独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)により算定された具体的な貸付料の額が当該新幹線開業に伴う当社の受益の範囲内にあると判断し、平成9年9月に同公団との合意に至りました。また、当該貸付料の額について、同公団は平成9年9月に運輸大臣の認可を受けております。なお、平成26年度分の貸付料の額は、受益に基づいて算定された定額部分175.0億円、租税および管理費相当額33.3億円の計208.3億円であります。
平成14年12月に開業した東北新幹線盛岡・八戸間の貸付料の額については、同様に平成14年11月に当社と同公団とが合意に至るとともに、当該貸付料の額について、同公団は平成14年11月に国土交通大臣の認可を受けております。なお、平成26年度分の貸付料の額は、受益に基づいて算定された定額部分79.3億円、租税および管理費相当額25.4億円の計104.7億円であります。
平成22年12月に開業した東北新幹線八戸・新青森間の貸付料の額については、同様に平成22年12月に当社と独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構とが合意に至るとともに、当該貸付料の額について、同機構は平成22年12月に国土交通大臣の認可を受けております。なお、平成26年度分の貸付料の額は、受益に基づいて算定された定額部分70.0億円、租税および管理費相当額12.2億円の計82.2億円であります。
平成27年3月に開業した北陸新幹線長野・上越妙高間の貸付料の額については、同様に平成27年3月に当社と独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構とが合意に至るとともに、当該貸付料の額について、同機構は平成27年3月に国土交通大臣の認可を受けております。なお、当社が支払う各年度の貸付料の額は、受益に基づいて算定された定額部分165.0億円に租税および管理費相当額を加えた額となりますが、平成26年度分の貸付料の額については年度途中の開業のため日割計算となり、その額は、定額部分8.1億円、租税および管理費相当額0.0億円の計8.1億円であります。
c 開業の初期等の単年度においては、整備新幹線の建設がない場合と比較して、車両の償却負担等により、整備新幹線に関連する当社の収支に影響を与える場合もありますが、上記bの貸付料の性格からみて、開業後30年間の累積では収支に影響を与えないものと考えられます。
平成9年10月に開業した北陸新幹線高崎・長野間においては、開業時に、信越線横川・軽井沢間は廃止、同軽井沢・篠ノ井間は当社から経営分離されました。また、平成14年12月に開業した東北新幹線盛岡・八戸間においては、開業時に東北線盛岡・八戸間が、平成22年12月に開業した東北新幹線八戸・新青森間においては、開業時に東北線八戸・青森間が、平成27年3月に開業した北陸新幹線長野・上越妙高間においては、開業時に信越線長野・直江津間が、それぞれ当社から経営分離されました。
平成12年12月の「政府・与党申合せ」において、JRから経営分離された並行在来線上を引き続きJR貨物が走行する場合には、線路使用実態に応じた適切な線路使用料を確保することとし、これに伴うJR貨物の受損については、必要に応じこれに係る新幹線貸付料収入の一部を活用して調整する措置を講じることが決定されました。
これに基づき、平成14年10月に全国新幹線鉄道整備法施行令が改正され、従来は新幹線の建設費用に充当することが原則とされていたJRが支払う貸付料について、JR貨物への調整措置に必要な額にも充当できることとされました。
整備新幹線建設にあたって、当社としては、
a 営業主体となるJRが負担することになるのは、新幹線開業に伴って生じる受益を限度とした、上記貸付料等のみであり、この貸付料等以外の負担は一切生じないこと
b 整備する線区の並行在来線を当社から経営分離することについて、地元の同意が確認できていること
の二点が必須の条件と考えており、従来も、今後も、この条件が厳守されることをもって営業主体としての責務を果たすことを基本方針としております。
整備新幹線の建設に関する上記の2つの条件が変更された場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
鉄道事業においては、自然災害や人為的ミス、犯罪・テロ行為等によって事故が発生した場合、または原子力発電所の事故や感染症の大規模な流行等が発生した場合、大きな損害が出る可能性があります。
当社グループは、安全を経営の最重要課題と位置づけ、ハード、ソフトの両面からより安全性の高い鉄道システムづくりに取り組み、第6次安全5ヵ年計画「グループ安全計画2018」に基づく施策を着実に実施しました。
具体的には、平成26年2月に発生した京浜東北線川崎駅構内での列車脱線事故を受けて、軌陸車および工事用重機械を建築限界内に進入させる際の取扱いの見直しなど、安全性を向上させる対策を講じ、同種事故の再発防止に努めました。また、首都直下地震等を想定し、平成24年度から平成28年度を重点整備期間とする総額3,000億円の耐震補強対策等を着実に進め、全体計画数量の約5割が完了しました。さらに、地震観測体制の強化を図るため、地震計観測値の高速伝送化の技術仕様の検討や海底地震計情報の活用に向けた協議を進めました。加えて、帰宅困難者対策として、主要ターミナル駅30駅の非常用電源の24時間化について順次設計および工事を進めました。そのほか、踏切事故対策に引き続き取り組み、踏切支障報知装置や障害物検知装置の増設などを進めました。ホームドア整備については、新たに山手線の五反田駅や田端駅など7駅で使用を開始したほか、八高線拝島駅における新たな昇降式ホーム柵の試行導入を進めました。
平成27年4月に山手線神田・秋葉原間で電化柱が倒壊し線路を支障する重大インシデントを発生させたことを踏まえ、当社管内の全電化柱を対象に緊急点検を実施しました。また、このような事態を二度と発生させぬよう、鉄道安全推進委員会に鉄道事業本部長を主査とする検討委員会を設置し、事実関係の調査、背後要因を含めた原因の究明を行ったうえで、対策を実施しております。さらに、全ての現業機関において緊急安全総点検を実施しており、全社を挙げて安全上の弱点を洗い出し、これを克服すべく取り組んでいます。今後とも、信頼の回復に向け全力を尽くしてまいります。
当社グループは、現在、鉄道事業、生活サービス事業およびSuica事業の様々な業務分野で、多くの情報システムを用いております。また、当社グループと密接な取引関係にある他の旅行会社や鉄道情報システム株式会社等においても、情報システムが重要な役割を果たしております。自然災害や人為的ミス等によってこれらの情報システムの機能に重大な障害が発生した場合、当社グループの業務運営に影響を与える可能性があります。また、コンピュータウイルスの感染や人為的不正操作等により情報システム上の個人情報等が外部に流出した場合やデータが改ざんされた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、日常より情報システムの機能向上や関係する社員の教育など、障害対策およびセキュリティ対策を講じるとともに、万一問題が発生した場合においても速やかに初動体制を構築し、各部署が連携して対策をとることで、影響を最小限のものとするよう努めております。また、社内規程を整備し、個人情報の適正な取扱いについて定め、個人情報を取り扱う者の限定、アクセス権限の管理を行うほか、社内のチェック体制を構築するなど、個人情報の厳正な管理・保護に努めております。
当社グループは、生活サービス事業を経営の柱の一つと位置づけ、駅スペース活用事業、ショッピング・オフィス事業、その他の事業(ホテル業、広告代理業など)の展開を行っています。
生活サービス事業については、景気低迷や天候不順などを理由とした消費低迷により、ショッピングセンター、オフィスビル、駅構内小売・飲食店舗、ホテルなどの収益の減少や広告の販売不振、テナントによる賃料減額要求が生じる可能性があります。さらに、食中毒事故などの製造・販売商品の瑕疵による売上の減少や当社グループに対する信頼の低下、テナントや取引先企業等の倒産などの発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループは、1日約1,700万人(平均輸送人員)のお客さまがご利用になる「駅」という当社最大の経営資源を十分活用した事業展開を図るとともに、衛生管理や取引先情報の管理などを徹底することにより、収益向上とお客さまからの信頼の確保に努めております。
当社グループは、鉄道事業において、他の鉄道および航空機、自動車、バス等の対抗輸送機関と競合しているほか、生活サービス事業においても、既存および新規の事業者と競合しております。これら鉄道事業、生活サービス事業における今後の競合状況が当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
鉄道事業においては、首都圏の他の鉄道事業者における大規模改良工事の進展や格安航空会社(LCC)の路線拡大、高速道路料金の割引施策などに伴う交通市場の競争激化が、同事業の収益等に影響をおよぼす可能性があります。また、生活サービス事業においては、他社の新規進出や既存商業施設のリニューアルなどに伴う競争激化が、同事業の収益等に影響をおよぼす可能性があります。
当連結会計年度末の有利子負債残高は、3兆2,755億円であります。また、当連結会計年度の支払利息は819億円であり、これは営業利益の19.2%に相当します。
当社グループは、有利子負債の削減、低利の融資への借換えなどを今後とも進めてまいりますが、想定外の事由によりフリー・キャッシュ・フローが減少する場合、または今後の金利動向により調達金利が変動する場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループは、鉄道事業、生活サービス事業およびSuica事業などの様々な業務分野において、鉄道事業法をはじめとする関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生した場合、行政処分や社会的信用の失墜などにより、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、「法令遵守及び企業倫理に関する指針」を策定しているほか、法令遵守に関する社員教育の強化、業務全般に関わる法令の遵守状況の点検を進めるなど、コンプライアンスの確保に努めております。
(1) 当社は、「新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律」(平成3年法律第45号)に基づき、東北および上越新幹線鉄道に係る鉄道施設(車両を除く)を平成3年10月1日、新幹線鉄道保有機構より3兆1,069億円で譲り受け、このうち2兆7,404億円については25.5年、3,665億円については60年の元利均等半年賦により鉄道整備基金に支払うことなどに関して、新幹線鉄道保有機構との間に契約を結んでおります。なお、新幹線鉄道保有機構は平成3年10月1日に解散し、その一切の権利および義務は鉄道整備基金に承継され、さらに鉄道整備基金は平成9年10月1日に解散し、その一切の権利および義務は運輸施設整備事業団に承継されました。また、運輸施設整備事業団は平成15年10月1日に解散し、同日に解散した日本鉄道建設公団とともに、その一切の権利および義務は、法律により国が承継する資産を除き、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構へ承継されております。
(2) 当社は、乗車券等の相互発売等旅客営業に係る事項、会社間の運賃および料金の収入区分ならびに収入清算の取扱い、駅業務ならびに車両および鉄道施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、他の旅客会社との間に契約を結んでおります。
なお、上記の契約では、2社以上の旅客会社間をまたがって利用する旅客および荷物に対する運賃および料金の算出に当たっては、通算できる制度によることとし、かつ、旅客運賃については、遠距離逓減制が加味されたものでなければならないこと、また、旅客会社において、他の旅客会社に関連する乗車券類を発売した場合は、当該他の旅客会社は、発売した旅客会社に販売手数料を支払うものとされております。
(3) 当社は、貨物会社が当社の鉄道線路を使用する場合の取扱い、駅業務ならびに車両および鉄道施設の保守等の業務の受委託、会社間の経費清算の取扱い等に関して、貨物会社との間に契約を結んでおります。
なお、上記の契約では、貨物会社が鉄道線路を使用するために当社に支払う線路使用料は、貨物会社が当社鉄道線路を使用することにより追加的に発生する額とされております。
(4) 当社は、旅客会社6社共同で列車の座席指定券等の発売を行うためのオンラインシステム(マルスシステム)の使用、各旅客会社間の収入清算等の計算業務の委託等に関して、鉄道情報システム株式会社との間に契約を結んでおります。
(5) 当社は、平成26年12月17日開催の取締役会において、山田線宮古・釜石間の鉄道事業を三陸鉄道株式会社に経営移管することを決議し、平成27年2月6日に沿線自治体および三陸鉄道株式会社との間で鉄道復旧に関する基本合意書および覚書を締結いたしました。
経営移管の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループでは当連結会計年度において、運輸業を中心に、JR東日本研究開発センターを主要な拠点として、「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」に掲げた「変わらぬ使命」を果たし、当社グループが持つ「無限の可能性」を追求するため、様々な分野における技術革新をめざし各分野の研究開発に取り組みました。
当連結会計年度の研究開発費総額は、16,424百万円であります。また、主な研究開発状況は次のとおりであります。
① 「究極の安全」に向けて
「グループ経営構想Ⅴ ~限りなき前進~」に掲げた「究極の安全に向けて ~災害に強い鉄道づくり~」をめざして研究開発に取り組みました。具体的には、突風対策としてドップラーレーダーなどの観測結果を列車運行判断に用いる可能性についての研究や、地震観測体制の強化を図るため、海底地震計情報の活用に向けた検討を進めました。また、鉄道の安全性の評価手法やヒューマンエラーを防止するための研究に取り組みました。
② エネルギー・環境戦略の構築
太陽光発電にて得られた電力の余剰分を自営の配電線路に連系し、遠方の駅などで有効に活用するための研究を進めました。
交流区間乗入れ用の蓄電池駆動電車の導入に向けた準備の推進および「架線レス化」の実現に向けた検討を進めました。
鉄道電力システムへのスマートグリッド技術の導入に向けた検討を進め、デマンド制御を先行3駅(恵比寿、国分寺、西船橋)に導入し、効果の検証を進めました。
③ ICTの活用
ICTを活用したお客さまサービスの向上をめざし、お客さまからのご要望が多い駅構内案内について、スマートフォン向けのナビゲーションアプリ「東京駅構内ナビ」の実証試験を行いました。
定時間制御論理を内蔵した新型電子踏切の開発などを進めました。
現場のメンテナンス業務を支援するため、営業列車による高頻度なデータ測定とその取得データの分析をベースに、日々のメンテナンスや設備の更新を最適化する仕組みの構築をめざして研究開発を進めました。具体的には、営業列車で線路状態の測定が可能な線路設備モニタリング装置の実用化にむけた開発を進めました。
④ 新幹線のさらなる高速化
時速360kmでの営業運転をめざして、高速走行時の安定性向上や沿線の環境負荷低減に向けた研究開発を進めました。
⑤ その他
自社の研究開発のみならず、外部の開発力や知的財産を活用する「オープンイノベーション」を推進しました。より基礎的な分野の研究開発は、「研究開発等に関する協定」に基づき公益財団法人鉄道総合技術研究所にも委託しており、当連結会計年度における同研究所に対する負担金は、5,781百万円であります。
また、現場第一線の技術革新を担う人材育成のため、研究開発部門への社内公募制インターンシップ制度としてイノベーションカレッジを開講しました。
そのほか、研究開発の成果を技術論文誌「JR EAST Technical Review」にまとめ、国内外への情報発信を行いました。
特に記載する事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
① 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、駅スペース活用事業の売上が減少したものの、運輸業、ショッピング・オフィス事業、その他の事業の売上が増加したことにより、前期比2.0%増の2兆7,561億円となりました。
運輸業の外部顧客への売上高は、前期比1.3%増の1兆8,520億円となりました。
これは、当社の鉄道事業における旅客運輸収入が、新幹線および在来線において増加したことなどにより、前期比1.7%増の1兆7,259億円となったことなどによるものであります。
新幹線に関しては、北陸新幹線金沢開業や訪日旅行者の利用増を受けて、輸送人キロは前期比0.2%増の209億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前期比1.6%増の232億円となりました。定期外収入は、前期比2.8%増の4,979億円となり、全体では前期比2.8%増の5,212億円となりました。
関東圏の在来線に関しては、輸送人キロは前期比0.9%減の1,033億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前年度に前受運賃に関する見積り方法を変更した影響などにより前期比2.0%増の4,482億円、定期外収入は前期比1.1%増の6,834億円となり、全体では前期比1.5%増の1兆1,317億円となりました。
関東圏以外の在来線に関しては、輸送人キロは前期比3.0%減の58億人キロとなりました。旅客運輸収入のうち、定期収入は前年度に前受運賃に関する見積り方法を変更した影響などにより前期比0.5%増の187億円、定期外収入は前期比1.9%減の542億円となり、全体では前期比1.3%減の729億円となりました。
運輸業以外の事業の外部顧客への売上高については、以下のようになりました。
駅スペース活用事業では、既存商業施設の好調による増収があったものの、工事に伴う閉店の影響などにより、前期比1.1%減の3,963億円となりました。
ショッピング・オフィス事業では、既存商業施設の好調による増収や、前連結会計年度におけるオフィスビルやショッピングセンターの開業の平年度効果などにより、前期比1.6%増の2,549億円となりました。
その他の事業では、情報処理業や広告代理業の増収などにより、前期比13.1%増の2,527億円となりました。
② 営業費用
営業費用は、前期比1.4%増の2兆3,286億円となりました。営業収益に対する営業費用の比率は、前連結会計年度の84.9%に対して、当連結会計年度は84.5%となりました。
運輸業等営業費及び売上原価は、前期比0.7%増の1兆8,061億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
販売費及び一般管理費は、前期比4.2%増の5,224億円となりました。これは、物件費が増加したことなどによるものであります。
③ 営業利益
営業利益は、前期比5.1%増の4,275億円となり、5期連続の増益となりました。営業収益に対する営業利益の比率は、前連結会計年度の15.1%に対し、当連結会計年度は15.5%となりました。
④ 営業外損益
営業外収益は、前期比9.8%増の208億円となりました。これは、持分法による投資利益が増加したことなどによるものであります。
営業外費用は、前期比7.4%減の864億円となりました。これは、支払利息が減少したことなどによるものであります。
なお、受取利息などの金融収益から、支払利息などの金融費用を差し引いた金融収支は、782億円のマイナスとなり、前連結会計年度から8.3%改善しております。
⑤ 経常利益
経常利益は、前期比8.9%増の3,619億円となり、5期連続の増益となりました。営業収益に対する経常利益の比率は、前連結会計年度の12.3%に対し、当連結会計年度は13.1%となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、前期比21.6%増の667億円となりました。これは、工事負担金等受入額が増加したことなどによるものであります。
特別損失は、前期比80.6%増の1,133億円となりました。これは、山田線宮古・釜石間の経営移管等に向けた特別損失の計上や、工事負担金等圧縮額が増加したことなどによるものであります。
⑦ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前期比2.9%減の3,153億円となりました。営業収益に対する税金等調整前当期純利益の比率は、前連結会計年度の12.0%に対し、当連結会計年度は11.4%となりました。
⑧ 当期純利益
当期純利益は、法人税法等の改正に伴う繰延税金資産取崩しで法人税等調整額が増加したことなどにより、前期比9.8%減の1,803億円となり、4期ぶりの減益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の506.77円に対し、当連結会計年度は458.95円となりました。また、営業収益に対する当期純利益の比率は、前連結会計年度の7.4%に対し、当連結会計年度は6.5%となりました。
① キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より599億円多い6,227億円の流入となりました。これは、法人税等の支払額が減少したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より21億円多い4,768億円の流出となりました。これは、工事負担金等受入による収入が減少したことなどによるものであります。
なお、設備投資の概要は以下のとおりです。
運輸業に関しては、安全・安定輸送対策を中心に、競争力の高い輸送ネットワーク構築を目的とした設備投資を行いました。駅スペース活用事業に関しては、武蔵浦和駅における駅構内の開発や、既存店舗のリニューアル工事などを行いました。ショッピング・オフィス事業については、「CIAL桜木町」、「nonowa武蔵小金井(第1期)」、「MIDORI長野」などの設備投資を実施するとともに、「セレオ甲府」などのリニューアル工事などを行いました。その他の事業については、システムの開発および機能増強等の設備投資を実施するとともに、「ホテルフォルクローロ三陸釜石」の建設や既存ホテルのリニューアル工事などを行いました。
また、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度より578億円増加し、1,459億円の流入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より47億円少ない866億円の流出となりました。これは、有利子負債の返済による支出が減少したことなどによるものであります。
なお、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の1,860億円から591億円増加し、2,451億円となりました。
② 財務政策
当連結会計年度末の有利子負債残高は、3兆2,755億円であります。
新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金は、元利均等半年賦支払であり、以下の3つに区分されます。
a 変動利率(当連結会計年度については年利4.13%)により平成29年3月31日までに支払われる1,018億円
b 年利6.35%の固定利率により同日までに支払われる941億円
c 年利6.55%の固定利率により平成63年9月30日までに支払われる3,387億円
また、このほか、当連結会計年度末現在、当社が秋田新幹線に関連するものとして79億円、東京モノレール㈱が24億円の鉄道施設購入長期未払金を有しております。
当社は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の同意を得て、平成9年度より、新幹線鉄道施設に関連する鉄道施設購入長期未払金について期限前弁済(以下「早期弁済」という)を行っており、平成26年度は179億円の早期弁済を行いました。
当社グループは平成13年度よりキャッシュマネジメントシステムを導入し、それまで各社が個別に行っていた余裕資金の運用と資金調達の管理を一括して行い、有利子負債削減に努めております。また、グループ間の支払いを相殺して決済したり、グループ内の支払業務を集約する支払代行制度を利用したりするなど資金管理手法を向上させております。
当社は、当連結会計年度に国内において償還期限を平成29年から平成57年の間とする7本の無担保普通社債を総額1,200億円発行いたしました。これらの社債は、株式会社格付投資情報センターよりAA+の格付けを取得しております。また、当社はスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社よりAA-、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりAa3の長期債格付けを取得しております。
また、短期資金の需要に対応するため、主要な銀行に総額3,300億円の当座借越枠を設定しております。コマーシャル・ペーパーについては、株式会社格付投資情報センターよりa-1+、ムーディーズ・ジャパン株式会社よりP-1の短期債(CP)格付けを取得しております。なお、当連結会計年度末における当座借越残高およびコマーシャル・ペーパーの発行残高はありません。
さらに、平成27年4月より、銀行からのコミットメント・ライン(一定条件のもと契約内での借入れが自由にできる融資枠)を600億円設定しております。