第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

7〔財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕に記載しているとおり、当連結会計年度の連結営業収益は4,079億8千5百万円(前年同期比2.8%増)、連結営業利益は330億7千3百万円(前年同期比18.0%増)、連結経常利益は302億4千4百万円(前年同期比23.3%増)、連結当期純利益は161億9千7百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
 セグメントごとに主な営業成績を以下に記載いたします。

 

〔運輸業〕

① 営業概況

鉄道事業では、調布駅付近連続立体交差事業について、国領駅および布田駅の駅舎本設工事が完了したほか、地下化にともない使用されなくなった地上の鉄道施設の撤去を進めました。京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業については、都市計画事業認可がなされたほか、事業主体である東京都とともに事業実施に向けた手続きを進めました。構造物の耐震性向上については、盛土区間を対象とした耐震補強に着手したほか、引き続き高架橋柱や京王線多摩川橋梁の耐震補強を進めました。ホームドアについては、新宿駅1番線と2番線での使用を開始したことにより、昨年度使用を開始した3番線とあわせ、京王線新宿駅への整備が完了しました。サービス向上策については、「お客さま案内ディスプレイ」の全駅への設置が完了したほか、井の頭線車両の約半数にあたる14編成に設置した車両ビジョンを活用し、ニュースなどの情報番組の放映を本格的に開始するなど、お客様の利便性向上に資する設備の充実をはかりました。営業面では、「高尾山の冬そばキャンペーン」の実施やイメージキャラクター「プラットガール」による広告の展開などにより、お客様の誘致に努めました。このほか、京王の電車・バスが開業100周年を迎えたことを記念して、「子育てファミリーを中心にお楽しみいただける施設」をコンセプトとした、新しい「京王れーるランド」を開業しました。

バス事業では、路線バスにおいて、八幡山駅と小田急線経堂駅を結ぶ共同運行路線を新設しました。また、車内への公衆無線LANサービスの導入を引き続き進め、利便性の向上をはかりました。高速バスにおいては、南大沢駅・立川駅を起点とする飯田線(南大沢・立川~飯田)を新設したほか、松本線(新宿~松本)や富士五湖線(新宿~富士五湖)で増便を行い、利用機会の拡大に努めました。タクシー業では、妊産婦・乳児連れのお客様向けタクシー送迎サービス「はぴママサポートタクシー」を導入しました。

 

業種別

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

前年同期比
(%)

鉄道事業

81,748

1.0

バス事業

33,955

2.7

タクシー業

12,909

△1.7

その他

2,529

2.6

消去

△4,541

営業収益

126,600

1.0

営業利益

11,690

32.1

 

 

(うち鉄道事業)

種  別

単 位

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)

前年同期比
(%)

営業日数

365

営業粁

84.7

客車走行粁

千粁

126,714

3.1

輸送人員

定期

千人

368,582

2.1

定期外

263,305

△0.5

631,887

1.0

旅客運輸収入

定期

百万円

33,593

2.1

定期外

44,707

△0.3

78,301

0.7

乗車効率

41.8

 

(注) 乗車効率の算出は

延人粁

によります。

客車走行粁×平均定員

 

 

② 業績

鉄道事業では、天候不良の影響や井の頭線における減少などがあったものの、雇用情勢の改善や消費税率引上げ前の定期券等の駆け込み購入による増加があったことなどにより、旅客運輸収入は前連結会計年度に比べ0.7%増(うち定期2.1%増、定期外0.3%減)となりました。バス事業でも、路線・高速で増収となりました。これらの結果、営業収益は1,266億円(前年同期比1.0%増)、営業利益は鉄道事業において、昨年度実施した調布駅付近連続立体交差事業の地下線への切替えにともなう固定資産除却費の減少などにより、116億9千万円(前年同期比32.1%増)となりました。

 

〔流通業〕

① 営業概況

百貨店業では、「京王百貨店」新宿店において、開店50周年である平成26年度に向け「新・日常生活へ」をテーマとする全館改装を進めており、当期においては、3階および4階の婦人服フロアをリニューアルいたしました。

ストア業では、生鮮コンビニエンスストア「京王ストアエクスプレス」堀之内店をオープンいたしました。

ショッピングセンター事業では、本年4月、吉祥寺駅に約7割をエリア初出店となる店舗で構成した「キラリナ京王吉祥寺」をオープンいたしました。

生活雑貨関連用品の販売業では、流行の化粧品や文房具などを取りそろえた雑貨店「アートマン アートマン」を「キラリナ京王吉祥寺」内にオープンいたしました。

このほか、有名菓子店が月替わりで出店する「スイーツモード」を「京王八王子ショッピングセンター」内にオープンいたしました。

また、「京王パスポートカード」については、オリジナルカード「京王パスポートキラリナカード」を新たに発行し、新規会員の獲得に努めました。

 

業種別

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

前年同期比
(%)

百貨店業

92,714

2.2

ストア業

37,027

1.5

書籍販売業

9,842

△5.1

駅売店業

7,989

△5.2

ショッピングセンター事業

10,548

0.2

その他

11,577

0.3

消去

△6,460

営業収益

163,239

1.1

営業利益

4,980

△6.5

 

 

② 業績

百貨店業およびストア業では、景気回復を受けて個人消費が堅調に推移したことに加え、消費税率引上げ前の駆け込み需要を確実に取り込んだことなどにより増収となりました。これらの結果、営業収益は1,632億3千9百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は、「キラリナ京王吉祥寺」竣工にともなう不動産取得税の増などにより、49億8千万円(前年同期比6.5%減)となりました。

 

〔不動産業〕

① 営業概況

不動産賃貸業では、池ノ上駅改札階に直結し、住宅とワークスペースを組み合わせたスタイルの集合住宅「IKENOUE04」や、シングルからファミリーまで、さまざまな居室タイプを備えた「アコルト氷川台」が完成し、賃貸を開始するなど、引き続き賃貸資産の拡充に努めました。

不動産販売業では、調布多摩川および八王子みなみ野シティで新築戸建住宅「京王四季の街」を販売したほか、リノベーションを行った集合住宅「リノア相模原」などを販売しました。

業種別

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

前年同期比
(%)

不動産賃貸業

30,211

2.8

不動産販売業

12,432

26.0

その他

1,078

△8.5

消去

△8,346

営業収益

35,375

11.9

営業利益

10,251

10.4

 

 

② 業績

不動産賃貸業では、昨年度に取得した賃貸マンションが通期稼働したことなどにより増収となりました。また、不動産販売業では、「リビタ」で販売戸数が増加したことなどにより増収となりました。これらの結果、営業収益は353億7千5百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は、102億5千1百万円(前年同期比10.4%増)となりました。

 

〔レジャー・サービス業〕

① 営業概況

ホテル業では、「京王プラザホテル(新宿)」において、ビジネス等で訪れる外国人客の満足度を高めることなどを目的として、南館28階から33階の客室および34階のクラブラウンジを改装のうえ、家具やアメニティ等を一新し、「プラザリュクス」、「リュクスラウンジ」としてリニューアルいたしました。また、お客様の利便性向上のため、「京王プラザホテル(新宿)」、「京王プラザホテル八王子」、「京王プラザホテル多摩」の全客室に無線LANを導入したことにより、昨年度導入した「京王プラザホテル札幌」とあわせ、京王プラザホテルチェーン全客室での利用が可能となりました。「京王プレッソイン」については、新宿の全館改装を実施したほか、港区赤坂において新店舗の建設に着手しました。

広告代理業では、京王線新宿駅と井の頭線吉祥寺駅に、大型液晶ディスプレイを新たに設置し、デジタルサイネージ(電子看板)を活用した広告を展開しました。

このほか、千歳烏山駅に来店型保険ショップ「京王ほけん倶楽部」、東京メトロ永田町駅構内にフランチャイズ店「カレーショップC&C」がそれぞれオープンいたしました。

また、高尾山口駅前において、日帰り温浴施設の建設を目的とした、温泉掘削工事を引き続き進めました。

業種別

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

前年同期比
(%)

ホテル業

44,281

5.0

旅行業

16,273

△2.3

広告代理業

11,100

6.5

その他

5,911

△1.3

消去

△9,685

営業収益

67,882

3.4

営業利益

4,763

16.9

 

 

② 業績

ホテル業では、「京王プラザホテル」で外国人個人客の取込み等による客室単価増に加え、客室稼働率が好調に推移したことにより、増収となりました。また、広告代理業では、既存顧客からの受注額の増加や大型案件の受注などにより増収となりました。これらの結果、営業収益は678億8千2百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は47億6千3百万円(前年同期比16.9%増)となりました。

 

〔その他業〕

① 営業概況

ビル総合管理業では、キユーピー株式会社の本社機能を含む複合施設の維持管理業務を開始しました。
 子育て支援事業では、東京都認証保育所「京王キッズプラッツよみうりランド」を開設しました。

沿線住民の暮らしに役立つサービスを提供する「京王ほっとネットワーク」では、多摩ニュータウンを中心としたエリアで、生鮮品をはじめとする食料品などの移動販売を開始しました。

このほか、笹塚駅前の「京王重機ビル」について、建替え工事を引き続き進めました。

業種別

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

前年同期比
(%)

ビル総合管理業

22,511

5.8

車両整備業

8,322

△3.7

建築・土木業

19,247

17.4

その他

6,156

7.5

消去

△2,573

営業収益

53,664

8.0

営業利益

1,755

71.4

 

 

② 業績

ビル総合管理業や建築・土木業では、完成工事高の増加などにより増収となりました。これらの結果、営業収益は536億6千4百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は17億5千5百万円(前年同期比71.4%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、流入額は前連結会計年度に比べ100億6千1百万円増の587億7千2百万円となりました。

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローについては、有形固定資産の取得による支出の減少などにより、流出額は前連結会計年度に比べ91億4千1百万円減の379億3千9百万円となりました。

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出などにより、流出額は331億5千8百万円となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は714億7千3百万円となりました。

また、有利子負債の当連結会計年度末残高は、3,289億4千1百万円となりました。有利子負債の連結会計年度末残高については、第5〔経理の状況〕1〔連結財務諸表等〕(1)〔連結財務諸表〕⑤〔連結附属明細表〕をご参照ください。

(注) 有利子負債は、借入金+社債+鉄道建設・運輸施設整備支援機構未払金により算出しております。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの業種構成はサービス業が中心であり、受注生産形態をとらない会社が多いため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため1〔業績等の概要〕においてセグメントごとに業種別の営業収益を示すこととしております。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループにおける対処すべき課題を以下に記載します。なお、記載内容は有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在のものです。

(1) 対処すべき課題

当社グループでは、グループとしての存在価値を明文化した「京王グループ理念」を制定し、これをグループ内外に発信することで、グループ全体の価値観や方向性の共有化をはかっております。

    <京王グループ理念>

私たち京王グループは、

 つながりあうすべての人に誠実であり、環境にやさしく、

「信頼のトップブランド」になることを目指します。

そして、幸せな暮らしの実現に向かって

生活に溶け込むサービスの充実に日々チャレンジします。

 

この「京王グループ理念」を具現化するため、「京王グループ経営ビジョン」に基づき、当社グループの競争力の強化に取り組むとともに、財務の健全性向上に努め、また法令・倫理を遵守し、地域社会貢献活動を行うなど、企業価値・株主共同の利益および沿線価値の向上に努めております。今後も「京王グループ理念」の具現化を目指し、当社グループが長年培ってきた有形・無形の経営資源を維持・活用してまいります。

当社グループでは、平成22年度を初年度とする「京王グループ中期5カ年経営計画」に基づき、不透明な消費動向や少子高齢化といった社会構造の変化の中でも将来にわたり、発展成長を続ける企業を目指し、各施策に取り組んでまいりました。今後も「京王グループ中期5カ年経営計画」の最終年度における目標達成をグループ一体で目指します。なお、具体的には、以下のような施策を行ってまいります。

 

〔1〕鉄道事業の安全性・収益力の向上

鉄道事業では、社会的使命である「輸送の安全」のための取組みを、引き続きハード・ソフトの両面から進めてまいります。
 ハード面においては、京王線多摩川橋梁の耐震補強を完了するとともに、引き続き高架橋柱や盛土区間を対象とした耐震補強を実施します。
 ソフト面においては、「安全に関する基本方針」の浸透をはかるとともに、事故防止策の実施状況を継続的に確認し、対策を徹底してまいります。
 また、沿線における少子高齢化の影響を受けている鉄道輸送人員の確保は引き続き重要課題であります。これに対応するため、1枚の定期券で都心方面へのアクセスの拠点である「新宿駅」「渋谷駅」のどちらも利用可能な定期券を発売するほか、利便性向上に向けた施策を検討・実施してまいります。加えて、高尾山をはじめとした沿線情報の発信による定期外旅客の誘致をはかることで、輸送人員の確保を目指します。
 京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業については、事業主体である東京都とともに用地取得業務や設計業務などを実施します。

 

〔2〕沿線の活性化

「キラリナ京王吉祥寺」の全館開業を行うほか、調布駅での連続立体交差事業完了後の地上利用計画について、設計業務など具体的な開発手続きを進めてまいります。笹塚駅前の「京王重機ビル」については平成27年春の開業に向けて建替え工事を推進します。
 当社グループの重要拠点である新宿地区については、将来的な再開発による価値向上を目指し、長期的な拠点整備の検討を進めてまいります。
 また、当社沿線の観光資源を活かすべく、高尾山口駅前での日帰り温浴施設の平成27年春の開業に向けた準備や、高尾山口駅のリニューアル工事・駅前広場整備を推進します。そのほか、沿線において増加するシニア層に向けた住宅開発やサービスの具体化などによりさらなる沿線活性化につなげてまいります。

 

〔3〕成長に向けた取組み

ホテル業においては、「京王プレッソイン」の出店を加速していくほか、「京王プラザホテル(新宿)」で客室や料飲施設の改装を実施するなど、引き続き競争力の強化をはかります。既存住宅の再生を行うリノベーション分野では、競合他社との差別化により確固たるブランド価値の確立を進めるとともに、グループをあげた仕入れ体制の強化により、安定的な成長を目指します。
 加えて、次期経営計画の策定に向けて、駅施設周辺スペースの有効活用や収益力向上、インバウンド戦略など、グループ横断で諸課題の検討と具体的な解決策を作成することで、グループの成長を目指します。
 また、グループ各社においては、引き続きローコスト経営を徹底することに加え、それぞれの事業の将来性をふまえた選択と集中により、成長分野に経営資源を集中できる体制を構築し、利益の拡大をはかります。

 

今後も「信頼のトップブランド」の確立を目指し、これらの取り組みをより一層充実させてまいります。

 

(2) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社グループが企業価値・株主共同の利益を向上させていくためには、「輸送の安全性」「経営の安定性」「事業の継続性」を確保し、お客様、お取引先その他のステークホルダーからの信頼を得て、「信頼のトップブランド」を確立することが不可欠であります。また、当社グループにとっては、沿線を中心に関連性の高い事業を多角的に展開することで、沿線価値の向上、京王ブランドの確立に努めるとともに、地域社会の信頼を獲得しながら、各事業の有機的な結びつきにより総合力を発揮させる一体的な経営を行うことが極めて重要であります。これらが当社の株式の買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。したがって、当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保、向上していくことに理解あることが必要であると考えています。

当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社グループの企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものなど、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。また、株主の皆様が、当社の企業価値を構成する要素を十分に把握し、中長期的な観点も考慮に入れたうえで、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を短期間で適切に判断することは、必ずしも容易ではないものと思われます。

こうした事情に鑑み、当社は、当社株式に対する買付が行われた際に、買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うことなどを可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みが必要であると考えます。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

ア.企業価値向上に資する取組み

当社グループでは、「京王グループ理念」の中にかかげる「信頼のトップブランド」の確立を目指して、当社グループの競争力の強化、財務健全性の確保、法令・倫理の遵守、地域社会貢献活動の実施など、企業価値・株主共同の利益の向上に資する経営に努めております。今後もグループ全体の持続的な成長のため、当社グループが長年培ってきた有形・無形の経営資源を維持・活用しながら、以下の施策に取り組んでまいります。

第一に、社会に不可欠なインフラを提供する公共輸送機関として安全確保を最重要課題とし、中長期的な視点で社会的責任を果たしてまいります。

第二に、当社沿線が将来にわたって活力を維持できるよう、拠点開発の推進や地域活性化に多角的に取り組んでまいります。

第三に、お客様の多様化するニーズや生活スタイルの変化を捉えた施策を継続的に実施することで、将来にわたり発展、成長する企業グループを目指してまいります。

第四に、法令の遵守、地球環境への配慮など、企業の社会的責任を果たす取組みを当社グループ全体で続けてまいります。

第五に、企業価値の源泉である「輸送の安全性」の実際の担い手である当社グループの従業員を中長期的な視点で育成するとともに、「安全の確保」を最重要事項と考える企業文化を堅持してまいります。

第六に、長期的視点に立った投資と効率化の推進によるコストダウンにより、財務体質の優位性を堅持するとともに、内部留保の拡充に対応して、自己資本のさらなる有効活用に取り組みます。

 

 

イ.コーポレート・ガバナンスの強化に対する取組み

当社は、「京王グループ理念」に基づき、株主の皆様をはじめつながりあうすべての人からの信頼を確保し、企業価値向上をはかるため、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を推進しております。

取締役会においては、法令で定められた事項はもとより、経営上重要な事項についての決議や業務執行の監督を行っております。経営に対する監督機能の強化をはかるため、社外取締役を選任しているほか、主要なグループ会社の社長等をメンバーに加えております。また、特別取締役を選定し、時機を捉えた迅速な意思決定を行っているほか、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置し、経営の透明性向上に努めております。

監査役監査については、実効性を高めるため、独立性の高い社外監査役、財務・会計に関する相当程度の知見を有する監査役を選任しているほか、監査役会と内部監査・内部統制部門との連携体制を構築しております。各監査役は、法令および諸基準に準拠し、監査役会が定めた基本方針に基づき監査を行うほか、取締役会その他の重要な会議に出席し必要な意見陳述を行っております。

さらに、グループ経営協議会や京王グループ社長会、ならびにグループ監査役会などの定期的な開催により、グループガバナンス体制の充実をはかっております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成25年6月27日開催の第92期定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させていくことを目的とした「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の基本方針」(以下「本基本方針」といいます。)が承認可決されたことを受け、同日開催の当社取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を決議しております。

本プランは、当社株式に対する買付が行われた際に、買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うことなどを可能とすることで、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買付行為を抑止することを目的としております。

本プランは、ア.当社が発行者である株券等について保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付、またはイ.当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け、もしくはこれらに類似する行為またはその提案(以下「買付等」と総称し、買付等を行う者を以下「買付者等」といいます。)を対象とします。

買付者等が買付等を行う場合は、当社取締役会が別途認めた場合を除き、その実行に先立ち、当社に対して、買付等の内容の検討に必要な情報および本プランに定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面を提出するものとし、当社取締役会は速やかにこれを企業価値評価独立委員会(委員は、社外の有識者、社外取締役、社外監査役から選任されるものとし、以下「独立委員会」といいます。)に提供します。独立委員会は、最長60日間の検討期間(必要な範囲で最長30日間延長できる。)を設定し、必要に応じて独立した第三者である専門家の助言を得たうえ、買付等の内容の評価・検討、買付者等との協議・交渉、株主に対する情報開示等を行います。

独立委員会は、買付者等が本プランに定める手続きを遵守しなかった場合、または本プランに定める要件のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると認められる場合には、当社取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施を勧告します。なお、独立委員会は、新株予約権の無償割当ての要件のいずれかに該当する場合であっても、新株予約権の無償割当てを実施することについて株主総会の決議を得ることが相当であると判断するときは、当社取締役会に対して、株主総会の招集、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案の株主総会への付議を勧告するものとします。

当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する決議を速やかに行うものとします。また、当社取締役会は、独立委員会から、株主総会の招集、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案の株主総会への付議を勧告された場合には、実務上株主総会の開催が著しく困難な場合を除き、実務上可能な限り最短の期間で株主総会を開催できるように、速やかに株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議します。当社取締役会は、上記決議を行った場合等には、速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。

以上の新株予約権は、1個当たり1円を下限とし、当社株式1株の時価の2分の1の金額を上限とする金額の範囲内で当社取締役会が新株予約権無償割当ての決議において定める金額を払込むことにより、原則として当社株式1株を取得できるものですが、買付者等による権利行使が認められないという行使条件が付されています。また、当社が買付者等以外の株主から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されており、当社がかかる条項に基づく取得をする場合、新株予約権1個と引換えに、原則として1株が交付されます。

 

本プランの有効期間は、平成25年6月27日開催の定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までになります。ただし、当該有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本基本方針を廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社の株主総会で選任された取締役で構成される当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

本プラン導入時点においては新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、新株予約権の無償割当てが実施された場合には、新株予約権行使の手続きを行わないと、その保有する当社株式全体の価値が希釈化することになります。ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、買付者等以外の株主の皆様が保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じません。

 

④ 上記の各取組みに対する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由

上記②に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、上記①の基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

また、上記③の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、以下の理由から当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

ア.経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した買収防衛策に関する指針に定める三原則を充足していること

イ.本プランは、株主総会において承認された本基本方針に基づくものであり、また、有効期間は約3年間と限定され、かつ、その満了前であっても株主総会において、本基本方針の変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも変更後の基本方針に従うよう速やかに変更または廃止されることになるなど、株主意思を重視していること

ウ.経営陣から独立している委員から構成される独立委員会により新株予約権の無償割当ての実施等の運用に関する実質的な判断が行われ、その判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることが必要とされていること

エ.合理的かつ詳細な客観的要件が設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保していること

オ.独立委員会は、当社の費用で、外部専門家の助言を受けることができるものとされており、その判断の公正性・客観性がより強く担保される仕組みとなっていること

カ.当社取締役の任期は1年であり、毎年の取締役選任を通じて株主の皆様のご意向を反映させることが可能であること

キ.デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを認識した上で、事態の発生の回避に努め、発生した場合には事業への影響を最小限にとどめるべく対策を講じる所存です。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものです。

 

(1)経済情勢

当社グループは、鉄道事業を中心に、当社沿線を主たるマーケットとして事業を展開しており、国内の経済情勢の影響を受けております。消費の低迷、販売価格の低下、賃貸不動産賃料の減額、所有資産の価値低下などが、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)自然災害・事故等

当社グループは、鉄道事業をはじめとする各事業で、多くの施設やコンピューターシステムなどの設備を保有するとともに、多数の従業員が業務に従事しております。また、当社グループが展開する各事業では、不特定多数のお客様を対象顧客としております。地震、台風等の自然災害、テロ等不法行為による災害、人為的要因を含む機器の誤作動などによるトラブルや事故、踏切などにおける第三者に起因する事故、感染症の流行による人的被害等が発生した場合、当社グループの事業運営に支障をきたし、営業休止やお客様の減少等により売上が減少するほか、施設等の復旧費用、損害賠償等による費用が発生するなど、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)少子高齢化の進行

少子高齢化の進行により、安全対策、バリアフリー化などの設備投資の増加が見込まれるほか、将来的な人口の減少により、当社グループの鉄道、バス、タクシー等に対する旅客輸送需要を減退させ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制

鉄道運送事業者の旅客運賃等については、鉄道事業法第16条により、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの(総括原価)を超えないことを、国土交通大臣が審査して認可することとなっております。この規制により、当社の事業活動が制限され、当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、鉄道事業以外でも、当社グループが展開する各事業については、様々な法令・規則等による規制を受けており、これらの規制に重大な変更があった場合、当社グループの事業活動が制限されるほか、法令・規則・開示制度等を遵守するための費用が発生するなど、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)食品の安全性

当社グループは、流通業などで食品の販売等を行っております。当社グループでは、食品の安全性確保に十分留意しておりますが、当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題などが発生した場合、損害賠償等による費用が発生するほか、風評等により売上が減少することなどにより、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)個人情報管理

当社グループは、クレジットカード業などで顧客情報等の個人情報を保有しております。当社グループでは、「京王グループ個人情報保護方針」を公表するとともに、「京王グループ個人情報管理体制」を構築し、個人情報の適正な管理に努めております。しかしながら、個人情報の持ち出しやデータの置き忘れなどの人為的要因ならびにシステム設計不備などの技術的要因により、個人情報が流出した場合、損害賠償等による費用が発生するほか、当社グループの信用の低下等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報開示

当社グループは、当社沿線を中心に様々な事業を行っており、それぞれの業態特性に応じた内部統制の整備・運用に努めることで、適時適切な情報開示に取り組んでおります。しかしながら、内部統制固有の限界などにより、不適切な情報開示などがあった場合、当社グループの信用の低下等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)市場金利の変動および当社格付の低下

当社グループの有利子負債残高の大半は固定金利で調達した長期借入金、社債の長期資金であるため、市場金利の変動による影響は限定的であると考えております。
 また、当社は日本の格付機関よりAAの格付を取得しておりますが、この格付は合理的な説明が付されていない有利子負債の増加などにより、絶えず見直される可能性を有しているため、慎重な対応が必要となっております。格付の引下げが行われた場合、資金調達コストが上昇し、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記は当社グループの事業その他に関し、予想される主なリスクを具体的に示したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。重要な会計方針および見積りには、以下のようなものがあります。

①有価証券の評価損

当社グループは金融機関や取引先の株式を保有しております。これらの株式の評価、時価が著しく下落した場合の回復可能性については、当社グループで定める「金融商品取扱規程」により合理的に判断しておりますが、価格変動リスクを負っているため、将来、損失が発生する可能性があります。

②固定資産の減損損失

当社グループは多くの固定資産を保有しております。これらの価値は個別物件の将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づいて算出しているため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または算出の前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。

③退職給付債務および費用

当社グループの退職給付債務および費用は、年金資産の長期期待運用収益率や割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しているため、実際の結果が前提条件と異なる場合、または算出の前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

① 営業概況

当期のわが国経済は、景気対策や金融政策の効果などを背景に、円安や株高が進行し、雇用状況や企業収益が改善するなど緩やかな回復基調となり、個人消費は消費税率引上げ前の駆け込み需要を含め、持ち直しの動きがみられました。一方、原油や原材料価格の上昇などコスト増加が懸念される状況も生じております。
 このような情勢のもとで、当社グループは、平成22年度を初年度とする「京王グループ中期5カ年経営計画」に基づき、公共輸送機関として欠かすことのできない安全性の向上や沿線の活性化を推進し、各セグメントにおいて「コスト構造の転換」と「財務体質の強化」を重視した着実な事業活動を展開するとともに、「成長へのチャレンジ」にも取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。

なお、京王の電車・バスが開業100周年を迎えたことを記念して、これまでの感謝の気持ちを込めた記念施策を実施いたしました。

 

 

 

前連結会計年度
(24.4.1~25.3.31)
(百万円)

当連結会計年度
(25.4.1~26.3.31)
(百万円)

増 減 額
(百万円)

前年同期比
(%)

連結営業収益

396,860

407,985

11,124

2.8

連結営業利益

28,022

33,073

5,051

18.0

連結経常利益

24,538

30,244

5,705

23.3

連結当期純利益

14,748

16,197

1,448

9.8

連結EBITDA

63,032

67,420

4,387

7.0

連結減価償却費

34,605

33,942

△663

△1.9

 

(注)連結EBITDAは、連結営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額により算出しております。

 

② 業績

連結営業収益は、各セグメントで増収となり4,079億8千5百万円(前年同期比2.8%増)、連結営業利益は、流通業を除く各セグメントで増益となったことから330億7千3百万円(前年同期比18.0%増)となりました。連結経常利益は302億4千4百万円(前年同期比23.3%増)、連結当期純利益は、161億9千7百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
 なお、連結EBITDAは、674億2千万円(前年同期比7.0%増)となりました。
 また、連結減価償却費は、339億4千2百万円(前年同期比1.9%減)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

① 総資産、負債及び純資産の状況

 

前連結会計年度
(平成25年3月31日)
(百万円)

当連結会計年度
(平成26年3月31日)
(百万円)

増 減 額
(百万円)

総資産

793,293

787,825

△5,468

負債

514,459

495,218

△19,241

純資産

278,834

292,607

13,773

負債及び純資産

793,293

787,825

△5,468

 

 

当連結会計年度末の総資産は、短期資金運用を目的とした譲渡性預金の減少や現金及び預金の減少などにより、54億6千8百万円減少し7,878億2千5百万円となりました。

負債は、第23回無担保割引社債等の償還などにより、192億4千1百万円減少し4,952億1千8百万円となりました。

純資産は、連結当期純利益の計上などにより、137億7千3百万円増加し2,926億7百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、1〔業績等の概要〕に記載しております。