第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 中長期的な経営戦略

当社は、グループ経営の方向性を明確にするために、当社グループが事業を通じて果たすべき役割・責任や社会に存在する意義を示した「グループ経営理念」を掲げ、この理念を実現しグループ価値の最大化を図ることを経営の基本方針としております。

「グループ経営理念」の内容は以下のとおりです。

<グループ経営理念>

1  経営理念

小田急グループは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献します。

2  行動指針

私たちは、経営理念の実現のため、3つの精神を忘れることなく、お客さまに「上質と感動」を提供します。

(真摯)

私たちは、安全・安心を基本にすべての事業を誠実に推進します。

(進取)

私たちは、前例や慣習にとらわれず、よりよいサービスの追求に挑戦します。

(融和)

私たちは、グループ内に留まらない外部との連携、社会・環境との共生に取り組みます。

 

当社では、事業環境の変化に対応し、グループ経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、2020年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」を策定しております。

当社グループは、「グループ経営理念」及び「長期ビジョン2020」に従って、グループ各社がそれぞれの役割を確実に実行するとともに、グループの協働を通じて将来にわたる

キャッシュ・フローを最大化させ、企業価値の向上を目指してまいります。

<長期ビジョン2020>

① 基本方針

「わたしたちの挑戦」

経営理念である『お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現』に向けて、2020年度までに事業基盤をより強固なものとし、成長の種を蒔き育て、躍動的な企業グループを目指して、挑戦します。

 

② グループ成長戦略

基本方針を踏まえ、2つのテーマ及び当社グループのありたい姿を示す「未来

フィールド」を設定し、沿線の既存事業に再投下すべき資本を継続的に確保するととも

に、沿線外への進出や新規事業の開発に対する資本も確保し、新たな収益源を獲得していくこ

とで、経営理念の実現に向けた強固な成長サイクルを確立いたします。

 

テーマⅠ 沿線における複々線完成後のグループ収益を最大化する

複々線完成という大きな機会を捉え、強みのある既存事業やターミナル駅周辺再開発の推進を通じて沿線の魅力を高めるとともに、人口流入を促進することで、グループ各事業の主戦場である沿線エリアの事業基盤を磐石なものとします。

 

テーマⅡ 2020年度までに成長の種を蒔き育てる

市場での成長性や競争力の高い事業については、外部パートナーとの連携やM&A等を通じて、沿線外や海外の優良なマーケットエリアに進出し、事業規模を拡大します。同様に、新規事業についても、外部パートナーとの連携やM&A等を通じて、変化するお客さまのニーズを捉え、既存事業周辺で不足しているグループ機能を充足させるなど、開発を推進します。

当社グループにおいては、複々線での営業運転開始という大きな節目を迎えましたが、今後ま

すます不確実性が高まると予測される事業環境において、時代の変化へ対応し「新しい小田急」

へと変革していくためには、既存の枠組みや考え方に捉われず、将来のありたい姿を描いたうえ

で、その実現に向けた挑戦を繰り返すことが必要と考えております。こうした認識のもと、当社

グループが取り組むべき新たな方向性について、当社グループの各社・各組織の社員で討議を重

ね、5つの「未来フィールド」を設定いたしました。「未来フィールド」は、当社グループが

「お客さまや社会にどのような価値を生み出していきたいのか」、「そのために自らがどのよう

な組織でありたいか」という当社グループのありたい姿を示すものであり、各未来フィールドが

目指すありたい姿は以下のとおりです。

 

モビリティ × 安心・快適 ~新しい“モビリティ・ライフ”をまちに~

 

90年間積み上げてきた安心・快適という普遍的な価値を揺るぎない土台としながら、これからのテクノロジーを活かして、「会いたいときに、会いたい人に、会いに行ける」、次世代の“モビリティ・ライフ”をまちに生み出します。

まちづくり × 愛着 ~まちの“新しい物語”を紡ぎ出す~

 

まちの個性や特徴を活かした職、住、商、学・遊のシーンを創り出し、まちとつながる愛着や誇りをお客さまとともに育みます。お客さまや地域社会の課題解決を通じて、まちの“新しい物語”を紡ぎ出していきます。

くらし × 楽しさ ~何気ない日々に“心が動く瞬間”を~

 

変化するトレンドや多様化するお客さまの欲求をスピーディーに捉え、スポーツや音楽、食事、買い物など、何気ない日々を彩る時間や空間をさまざまなパートナーと共創することにより、安心感を上回る“心が動く瞬間”を演出していきます。

観光 × 経験 ~ここでしか得られない“特別な想い出”を~

 

地域の方々とともにその土地ならではの過ごし方や楽しみ方を発掘し、日本はもちろん、世界から訪れるゲストに“特別な想い出”として心に残る経験のお手伝いをすることで、日本、地域、まちの発展に貢献していきます。

わくわく × イノベーション ~いつの時代もお客さまに“わくわく”を~

 

社員一人ひとりが、主体性と創造性と情熱を解放し、“わくわく”をアイデアの源泉とします。お客さまに新たな価値をお届けするために、いつの時代も変化を楽しみ、未知への挑戦を続けます。

③ 2020年度の連結数値目標

2020年度までを「収益基盤を強化し事業成長すべき期間」と位置づけており、連結の

EBITDA・有利子負債/EBITDA倍率を目標とする経営指標として設定するほか、

ROA・ROEについても注視し、効率的な経営に努めてまいります。

 

EBITDA

有利子負債

/EBITDA倍率

1,115億円

6.7倍

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

① 長期ビジョン2020の実現

当社グループでは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念として定めております。この経営理念と2020年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」のもと各未来フィールドの実現に向けて、以下の内容を中期経営計画における重要な経営課題と認識し取り組んでまいります。

モビリティ × 安心・快適 ~新しい“モビリティ・ライフ”をまちに~

 

鉄道事業において、複々線効果の最大化による鉄道利用の増加、ホームドアの整備等による安全性の向上、及び先進的な技術による高度化や省力化等を推進してまいります。また、大学等との連携による自動運転バスの実証実験を行うなど、次世代のテクノロジーを活用した移動サー

ビスの実現に向けた取組みも進めてまいります。

 

まちづくり × 愛着 ~まちの“新しい物語”を紡ぎ出す~

複々線完成後の下北沢エリアや海老名駅間地区「ⅤⅰNA GARDENS」等において、まちの個性や特徴を活かした開発計画を推進するとともに、本年3月に開業した学生レジデンス

「NODE GROWTH 湘南台」等も活用しながら、地域の賑わいや交流を創出するさま

ざまな仕掛けづくりを進めてまいります。また、不動産業については、積極的な成長投資を行

うとともに組織能力を向上させ、事業規模のさらなる拡大に努めてまいります。

くらし × 楽しさ ~何気ない日々に“心が動く瞬間”を~

㈱小田急百貨店において、抜本的なリニューアル等により新たな商業施設への転換を推進するとともに、当社及び小田急商事㈱においては、本年3月に㈱セブン&アイ・ホールディングスと締結した業務提携に関する基本合意に基づき多様化する顧客ニーズへの対応を強化するなど、将来にわたりお客さまから支持される商業への変革を目指してまいります。また、大人のための学びと旅を提案する当社のオリジナル企画「小田急まなたび」を通じて、豊かで楽しいライフスタイル実現の機会と体験、集いの場を提供してまいります。このほか、当社の歴史や魅力の発信によるファンづくりの一環として、「ロマンスカーミュージアム」の開業(2021年予定)に向けた

準備を進めてまいります。

 

観光 × 経験 ~ここでしか得られない“特別な想い出”を~

御殿場プレミアム・アウトレット敷地内に「HOTEL CLAD」の建設を進めるほか、沖縄等において複数のホテルの開業を予定しており、地域の魅力を引き出す個性的なホテルの出

店を進めてまいります。

また、バンコク及びパリに開設した駐在員事務所や新宿に開設した「INBOUND

LEAGUE」等の情報拠点を活用しながら、新たな商品・サービスの開発に取り組むととも

に、沿線観光地における魅力を発信してまいります。

 

わくわく × イノベーション ~いつの時代もお客さまに“わくわく”を~

事業アイデア公募制度の導入等、新規事業創造やイノベーションにつながる人材とアイデアを育てる仕組みを構築するとともに、働き方改革や業務効率化及び多様な人材が活躍できる基盤づくり等を通じて、社員一人ひとりの考え方や能力等を最大限活かすための環境整備を進めてま

いります。

 

② 社会的責任を果たすための取組み

当社グループでは、経営理念の実現を通じて社会とともに持続的に発展していくことが社会的

責任(CSR)であると捉えており、以下の内容に重点的に取り組んでまいります。

運輸業においては、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な社会的責任であると捉え、各社で制定している「安全管理規程」に基づき、安全の重要性を強く認識し日々の業務にあたるとともに、事故防止対策を含めた安全管理体制の継続的な確認や見直し・改善を実施するほか、施設面についても安全の質を高める諸施策に積極的に取り組んでまいります。当期については、当社において、大規模地震における被害を最小限に抑えるため鉄道構造物の耐震補強工事を引き続き実施したほか、ホームからの転落を防止するため新宿駅、小田原駅、藤沢駅、片瀬江ノ島駅、唐木田駅の5駅のホーム終端部に固定柵を設置いたしました。今後は、ホームドアについて、2020年度までに代々木八幡駅~梅ヶ丘駅の6駅に設置するとともに、2022年度までに1日の利用者数10万人以上の駅へ優先して設置することを予定しており、さらなる安全性の向上を図ってまいります。

また、環境面については、「小田急グループ環境戦略」に基づき、当社において、地球温暖化対策や列車運行に係る騒音・振動の低減策を進めるなど、環境負荷の低減に向けた取組みに引き続き注力してまいります。さらに、沿線各地の豊かな自然環境を活かした地域団体との協働による各種イベントや、「小田急クリーンキャンペーン」をはじめとする美化活動等を通じて自然との共生にも鋭意取り組んでまいります。

このほか、沿線における将来の人口動態を見据え、幅広い世代に対する暮らしやすい環境の提供にも引き続き努めてまいります。

 

これらの諸課題を着実に遂行することで、「日本一暮らしやすい沿線」を目指してまいります。

(3) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、2006年6月29日開催の第85回定時株主総会決議に基づき、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させることを目的として、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入いたしました。その後、2009年6月26日開催の第88回定時株主総会、2012年6月28日開催の第91回定時株主総会及び2015年6月26日開催の第94回定時株主総会において、同対応策を継続的に導入することについて株主のみなさまのご承認をいただいてまいりましたが、2018年5月18日開催の当社取締役会において同対応策を継続しないことを決議し、2018年6月28日開催の第97回定時株主総会終結の時をもって、その有効期間は満了いたしました。2018年6月28日現在における基本方針は、以下のとおりです。

 

① 基本方針の内容

当社は、公開会社である当社の株式については、株主及び投資家のみなさまによる自由な取引が認められている以上、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。

しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て重要な営業用資産を売却処分するなど企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるもの、株主のみなさまが最善の選択を行うために必要な情報が十分に提供されないものなど、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあります。

当社としては、このような大規模な買付けに対しては、株主のみなさまのために適切な措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

ア 「長期ビジョン2020」の実現

当社グループでは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念として定めております。この経営理念と2020年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」のもと、「沿線における複々線完成後の収益を最大化する」、「2020年度までに成長の種を蒔き育てる」の2つのテーマ及び当社グループのありたい姿を示す「未来フィールド」を掲げ、各施策の推進を通じて、経営理念の実現に向けた強固な成長サイクルを確立いたします。

イ 運輸業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上

当社グループでは、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な社会的責任であると考えております。

ウ コーポレート・ガバナンスの充実・強化

当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、重要な戦略を効率的かつ迅速に決定、実行していく機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでおります。

 

当社は、以上の諸施策を着実に実行し、当社の企業価値・株主共同の利益の確保、向上を図っていく所存であります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されること

を防止するための取組み

当社取締役会は、当社株式に対する大規模買付行為を行おうとする者に対しては、株主のみなさまが適切なご判断を行うための必要かつ十分な情報の提供を求め、評価、検討したうえで当社取締役会の意見等を開示し、また、必要に応じて当該大規模買付者と交渉を行うほか、株主のみなさまの検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、採り得る措置を講じてまいります。

 

④ 上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記②に記載した「長期ビジョン2020」の実現、運輸業における安全対策の強化と輸送サービスの品質向上及びコーポレート・ガバナンスの充実・強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。

また、上記③に記載した取組みは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために当該大規模買付者と交渉を行うこと等の措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させるためのものであり、基本方針に沿うものです。

したがって、当社取締役会は、上記②及び③の取組みは、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

2【事業等のリスク】

当社グループでは、「小田急グループリスクマネジメント方針」に基づきグループ全体のリスクマネジメント体制を構築し、企業経営に重大な影響を与えるリスクの対策を検討・推進する取組みを行っております。これらを通じて把握したリスクのうち、投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。また、以下のリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではありませんのでご留意ください。

(1)災害等

① 大規模な地震・津波の発生

当社グループは、大規模地震や津波を想定したさまざまな施策を講じておりますが、大規模な地震等が発生した場合、当社グループの各事業において、人的被害、建物・設備が損傷する等の直接的被害のほか、電力不足等による営業への制約、消費マインドの冷込みによる収益の減少といった間接的被害により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの事業エリアの一部は東海地震に関する地震防災対策強化地域に含まれております。

② 自然災害の発生

当社グループでは、集中豪雨及び暴風等、自然災害の発生を想定したさまざまな施策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生した場合、当社グループの各事業において、人的被害、建物・設備の損傷、被害箇所の復旧等に伴う費用の増大等のほか、発生の恐れがある場合に生じる消費マインドの冷込み等による収益の減少により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③ 感染症の流行

当社グループは、鉄道・バス・商業施設など多数のお客さまが利用される施設を多く保有しております。当社グループの事業エリアにおいて、新型インフルエンザ等の感染症が大規模に流行した場合、施設を利用されるお客さまの減少や、鉄道の列車運行等の事業運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事故等

① 事故等の発生

当社グループでは、運輸サービス、食品等の安全性の確保、ビル等における火災防止のためさまざまな取組みを実施しておりますが、人為的なミスや機器の誤作動、テロ等の不法行為等によって大きな事故や火災等が発生した場合、人的被害や事業の中断等が生じるとともに、被害者に対する損害賠償責任や施設の復旧等に伴う費用が発生すること、また、顧客の信頼及び社会的評価の低下により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 保有資産及び商品の瑕疵・欠陥

当社グループが保有する資産に、瑕疵や欠陥が見つかった場合又は健康や周辺環境に影響を与える可能性等が指摘された場合、改善・原状復帰、補償等にかかる費用が発生する可能性があります。また、当社グループにおいて販売した商品等について瑕疵や欠陥が見つかった場合についても、改善及び補償等に伴う費用の発生や信用低下等に伴い当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害の発生

当社グループの事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しています。そのため、事業活動に不可欠なシステムやネットワークの安定稼働に必要な対策を実施していますが、コンピューターウイルス等の第三者による妨害行為、自然災害及び人為的ミス等により重大な障害が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)企業の社会的責任等

① コンプライアンス

当社グループでは、コンプライアンスを「法令、社内規則、社会通念等のルールを守るとともに、誠実に事業活動を実践していくための考え方及びその取り組み」と定め、推進しておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、社会的制裁等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 個人情報管理

当社グループはクレジットカード事業を行っているほか、各種事業において顧客情報等の個人情報を保有しております。個人情報については厳正に管理しておりますが、何らかの理由で情報の漏洩等の事態が生じた場合、損害賠償や信用の低下等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③ 情報開示

当社グループは、それぞれの事業特性に応じた内部統制の整備、運用に努めることで、適時適切な情報開示に取り組んでおりますが、人為的ミス等により不適切な情報開示等があった場合、顧客の信頼及び社会的評価の低下等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)経営環境等

① 人材の確保

当社グループの事業は労働集約型の事業が多く、労働力として質の高い人材の確保が重要となります。そのため、優秀な人材を確保、育成し、働きやすい職場環境の確保と健全な労働環境の維持に努めておりますが、これを達成できない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 法的規制

当社グループは、鉄道事業法、道路運送法、大規模小売店舗立地法、建築基準法等の各種法令や排ガス規制をはじめとした公的規制のもとさまざまな事業を展開しておりますが、これらの法令・規制、特に東京都・神奈川県における諸制度の変更は当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、鉄道事業における運賃制度については以下のとおりであります。

鉄道運送事業者は、旅客の運賃の上限を定め、又は変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないことが法定されております(鉄道事業法第16条第1項)。

また、その上限の範囲内での運賃等の設定・変更並びに特急料金等その他の料金の設定・変更については、事前の届出で実施できることとなっております(鉄道事業法第16条第3項及び第4項)。

 

③ 金利の変動

当社グループは鉄道事業を中心に継続的な設備投資を行っているため、借入金や社債等により資金を調達しております。よって、金利の変動及び当社の格付の変更が、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 重要な訴訟

当社が当事者となる重要な訴訟はありませんが、通常の業務の過程において第三者から訴訟その他の法的手段を提起されたり、行政等から調査を受けたりする可能性があります。これらの対応の負担に加え、仮に当社に不利な判決、決定等が下された場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 業績

当期のわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に改善の動きが続く中、個人消費が持ち直すなど、全体として緩やかな回復基調が続きました。

このような状況のもと、当社グループでは各事業にわたり積極的な営業活動を行った結果、運輸業やその他の事業で増収となったことから、営業収益は5,246億6千万円と、前連結会計年度に比べ16億2千8百万円の増加(前期比0.3%増)となりました。

これに伴い、営業利益は514億6千4百万円と、前連結会計年度に比べ15億1千7百万円の増加(前期比3.0%増)、経常利益は478億9千1百万円と、前連結会計年度に比べ12億5千3百万円の増加(前期比2.7%増)となったほか、親会社株主に帰属する当期純利益は293億2千8百万円と、前連結会計年度に比べ32億6千万円の増加(前期比12.5%増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

ア 運輸業

鉄道事業につきましては、輸送面において、最重要課題かつ当社グループの長年の悲願である当社線近郊区間の複々線化について、代々木上原~梅ヶ丘間の複々線への切替工事を経て、代々木上原~登戸間で複々線での営業運転を開始いたしました。これにあわせて、複々線を活用したダイヤ改正を実施し、ラッシュ時間帯の混雑緩和や所要時間の短縮、東京メトロ千代田線直通列車増発による都心部へのアクセス向上等を図りました。また、眺望性や快適性をさらに高め、環境面にも配慮した新型ロマンスカー70000形(GSE)1編成を新造したほか、ロマンスカー30000形(EXE)や通勤車両1000形のリニューアルを引き続き実施するなど、輸送サービスの向上に努めました。

営業面においては、外国人旅行客のさらなる誘致に向けて、バンコクに続き、海外2つ目の拠点となる駐在員事務所をパリに開設し、現地旅行代理店との関係性の強化等に努めたほか、新宿駅において従来の外国人旅行客向け案内所の機能を拡張し、同駅南口及び西口に小田急旅行センターを開設することで受入体制の強化を図りました。また、行楽シーズンにおける臨時列車の運行や各種キャンペーンの展開等により、箱根、江の島・鎌倉エリア等への積極的な旅客誘致に努めました。

施設面においては、列車運行の安全性を一層高めるため、新宿駅や大和駅及び多摩線の駅間の高架区間等で耐震補強工事を引き続き推進したほか、栗平駅~黒川駅間等で法面改修工事を実施いたしました。さらに、駅施設の改良に努め、新宿駅西口地下改修工事の進捗にあわせ、改札内のトイレを全面リニューアルし、授乳室や子供用トイレ等の設置により利便性を高めたほか、生花や寄木細工等を活用して安らぎの空間を提供するなど、お客さまへのサービス向上を図りました。

自動車運送事業につきましては、小田急バス㈱等において、車両の更新により輸送サービスの向上を図るとともに、当社線の新ダイヤでの運行開始にあわせて鉄道とバスの接続性を高めたダイヤ改正を実施し、利便性の向上に努めました。

以上の結果、当社の鉄道事業において雇用環境の改善等により定期の輸送人員が増加したほか、箱根エリアの観光需要が好調に推移したことなどから、営業収益は1,761億8千3百万円と、前連結会計年度に比べ33億1千9百万円の増加(前年同期比1.9%増)となりました。

一方、営業利益につきましては、当社の鉄道事業において費用が増加したことなどから、281億2千2百万円と、前連結会計年度に比べ4億7千8百万円の減少(前期比1.7%減)となりました。

 

(業種別営業成績表)

業種別

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

営業収益(百万円)

対前期増減率(%)

鉄道事業

133,383

1.3

自動車運送事業

37,938

2.4

タクシー事業

3,042

△0.5

航路事業

2,429

12.0

索道業

2,288

33.2

その他運輸業

1,330

10.8

消去

△4,229

営業収益計

176,183

1.9

(提出会社の鉄道事業運輸成績表)

種別

単位

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

 

対前期増減率(%)

営業日数

 

365

0.0

営業キロ

 

キロ

120.5

0.0

客車走行キロ

 

千キロ

183,332

0.1

 

定期

千人

465,889

0.9

輸送人員

定期外

289,439

0.6

 

755,328

0.8

 

定期

百万円

46,871

1.2

旅客運輸収入

定期外

70,451

0.8

 

117,322

0.9

運輸雑収

 

3,895

6.4

運輸収入合計

 

121,217

1.1

乗車効率

 

46.6

(注) 乗車効率の算出方法

乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)×100

イ 流通業

百貨店業につきましては、㈱小田急百貨店新宿店の食料品フロアにおいて、2016年10月の和洋菓子売場に続き、和惣菜・弁当売場及び洋・中華惣菜売場をリニューアルするなど、既存顧客の支持拡大や新規顧客の取込みを図りました。また、全店において、催事をはじめとする各種営業施策を積極的に展開するなど、収益の確保に努めました。

ストア業等につきましては、小田急商事㈱が運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」において、秦野店が新規オープンしたほか、各店で買い回りのしやすい売場づくりや全国各地から厳選した付加価値の高い商品の提供等に努めました。また、新業態の展開にも取り組むなど事業基盤の強化及び店舗の活性化を図りました。

以上の結果、百貨店業において訪日外国人客による免税売上が増加したものの、ストア業等において、外部への株式譲渡に伴いホームセンター事業を営む㈱ビーバートザンが連結除外となったことなどから、営業収益は2,144億7千9百万円と、前連結会計年度に比べ48億6百万円の減少(前期比2.2%減)となりました。

一方、営業利益につきましては、百貨店業において費用が減少したことなどから、46億4千7百万円と、前連結会計年度に比べ14億7千2百万円の増加(前期比46.4%増)となりました。

 

(業種別営業成績表)

業種別

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

営業収益(百万円)

対前期増減率(%)

 

小田急百貨店新宿店

94,346

3.2

 

小田急百貨店町田店

35,656

△1.5

百貨店業

小田急百貨店藤沢店

13,036

△1.0

 

その他

7,490

0.4

 

150,530

1.5

ストア業等

 

71,126

△9.1

消去

 

△7,178

営業収益計

214,479

△2.2

 

ウ 不動産業

不動産分譲業につきましては、小田急不動産㈱において、「リーフィア町田小山ヶ丘」等の戸建住宅や、「リーフィアレジデンス栗平」をはじめとするマンションを分譲するなど、収益の確保に努めました。また、住まいや暮らしに関するサービスをワンストップで提供する「小田急 住まいのプラザ」の新規出店と「ベンリー小田急」の開業により、リフォームや住替え支援、生活支援等の地域ニーズに即した商品やサービスの提供・開発を推進いたしました。

不動産賃貸業につきましては、当社において、海老名駅間地区「ⅤⅰNA

GARDENS」における飲食店中心の商業施設「TERRACE」が昨年11月に開業したほ

か、商業施設「小田急本厚木ミロード2」のリニューアルを実施するなど、施設の充実及び

活性化を図る施策を推進いたしました。

以上の結果、不動産分譲業において住宅販売戸数が増加したほか、不動産賃貸業において前期に取得した物件の賃料収入が寄与したものの、UDS㈱を不動産業からその他の事業へセグメント変更したことなどから、営業収益は685億7千8百万円と、前連結会計年度に比べ13億3千1百万円の減少(前期比1.9%減)となりました。

一方、営業利益につきましては、不動産賃貸業における増益が寄与したことなどから、125億3千8百万円と、前連結会計年度に比べ1億6千万円の増加(前期比1.3%増)となりました。

 

(業種別営業成績表)

業種別

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

営業収益(百万円)

対前期増減率(%)

不動産分譲業

32,342

6.8

不動産賃貸業

41,994

2.0

その他

△100.0

消去

△5,758

営業収益計

68,578

△1.9

 

なお、前連結会計年度の実績に対しUDS㈱のセグメント変更を考慮した場合、前連結会計

年度に比べ、営業収益は22億1千1百万円の増加(前期比3.3%増)、営業利益は2億6千5

百万円の増加(前期比2.2%増)となります。

 

エ その他の事業

ホテル業につきましては、㈱ホテル小田急が運営する「ハイアット リージェンシー 東京」において客室のリニューアルを引き続き実施したほか、㈱ホテル小田急サザンタワーが運営する「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」においてレストランのリニューアルを実施するなど、各ホテルで施設のさらなる充実を図るとともに、訪日外国人客の宿泊需要を適切に取り込み、客室稼働率・平均室料の向上に努めることで、収益の最大化を図りました。

レストラン飲食業につきましては、ジローレストランシステム㈱及び㈱小田急レストランシステムにおいて、新規業態の開発とあわせ、両社で6店舗の新規出店、12店舗の改装を実施するなど、集客力の強化を図りました。

以上の結果、UDS㈱を不動産業からその他の事業へセグメント変更したことによる影響のほか、ホテル業において、「ハイアット リージェンシー 東京」で、前期に実施した改修工事に伴う売止めによる反動があったことに加え、箱根のリゾートホテルも好調に推移したことなどから、営業収益は1,050億2千3百万円と、前連結会計年度に比べ55億1千1百万円の増加(前期比5.5%増)となりました。

これに伴い、営業利益は59億6千7百万円と、前連結会計年度に比べ3億6百万円の増加(前期比5.4%増)となりました。

 

(業種別営業成績表)

業種別

当連結会計年度

(2017.4.1~2018.3.31)

営業収益(百万円)

対前期増減率(%)

 

ハイアット リージェンシー 東京

11,197

1.5

 

ホテルセンチュリー静岡

3,098

0.2

ホテル業

小田急ホテルセンチュリー

サザンタワー

3,779

1.1

 

その他

12,599

28.3

 

30,675

10.8

レストラン飲食業

20,423

△1.4

旅行業

5,314

△1.8

ビル管理・メンテナンス業

20,875

△2.0

その他

33,502

12.2

消去

△5,768

営業収益計

105,023

5.5

 

なお、前連結会計年度の実績に対しUDS㈱のセグメント変更を考慮した場合、前連結会

計年度に比べ、営業収益は17億8千3百万円の増加(前期比1.7%増)、営業利益は2億

1百万円の増加(前期比3.5%増)となります。

② キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益439億4千万円に減価償却費や法人税等の支払額などを加減した結果、853億9千4百万円の資金収入と、前連結会計年度

に比べ、58億9千9百万円の資金収入の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、526億8千1百万円の資金支出と、有形固定資産の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ、143億7千1百万円の資金

支出の減少となりました。

この結果、これらを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは327億1千2百万円の資金収

入となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、80億9千9百万円の資金支出と、前連結会計年度に

比べ、123億7千4百万円の資金支出の減少となりました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ246億1千3

百万円増加し、439億7百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの主たる事業は、鉄道事業を中核とする運輸業、百貨店業を中核とする流通業、建物の賃貸、土地及び建物の販売を行う不動産業及びその他の事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産及び受注の実績を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

そのため生産、受注及び販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針及び見積りには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

ア たな卸資産の評価

当社グループは、多くのたな卸資産を保有しており、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2008年9月26日)を適用しております。また、当社では複々線化事業により取得した用地を固定資産に計上しておりますが、工事が終了した区間の当該用地など分譲用と判断した土地については、たな卸資産に振り替えたうえで同様に評価しております。

イ 有価証券の減損

当社グループは、金融機関や取引先の有価証券を保有しております。これらのうち、時価のある有価証券については、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。

これらの有価証券は価格変動リスクを負っているため、損失が発生する可能性がありま

す。

ウ 固定資産の減損

当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等多くの前提条件に基づき算出しているため、前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。

エ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取り崩しが必要となる場合があります。

オ 退職給付債務及び費用

従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。

 

② 財政状態及び経営成績

(財政状態)

総資産は1兆2,973億3千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ272億3千2百万円増加

いたしました。これは、主に現金及び預金の増加によるものであります。また、負債の部は、

9,308億6千7百万円となり、前連結会計年度末と比べ、5億3千1百万円減少いたしました。

これは、主に前受金の減少によるものであります。

純資産の部は、3,664億6千6百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により

利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ277億6千3百万円増加いたしま

した。

(経営成績)

ア 営業収益及び営業利益

当連結会計年度は、各事業にわたり積極的な営業活動を行った結果、運輸業やその他の事業で増収となったことから、営業収益は5,246億6千万円と、前連結会計年度に比べ16億2千8百万円の増加(前期比0.3%増)となりました。これに伴い、営業利益は、514億6千4百万円と、前連結会計年度に比べ15億1千7百万円の増加(前期比3.0%増)となりました。なお、各セグメントの営業収益及び営業利益の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

イ 営業外損益及び経常利益

営業外損益は悪化したものの、営業利益の増加に伴い、経常利益は478億9千1百万円(前期比2.7%増)となりました。

ウ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度に比べて29億7千5百万円の改善となりました。これは、前期に比べ、特別利益が増加したことによるものであります。

これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は439億4千万円となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は293億2千8百万円(前期比12.5%増)となりました。

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

ア 設備投資による資本の投下

当社グループは、鉄道事業において、安全防災対策に積極的に取り組みながら、快適かつスピーディーな鉄道運行の実現に努めているほか、他の事業においても、沿線の魅力を高めることを目指して継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては総額682億8千8百万円の設備投資を実施いたしました。

なお、各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」に記載しております。

イ 資金調達

当社グループの資金調達は、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。

なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム

(CMS)を導入し、資金繰の波動により、短期的な資金需要が発生する場合には、極力グ

ループ内資金を活用するほか、コマーシャルペーパー(CP)の発行も行っております。

ウ 資金の流動性

当社グループは、鉄道事業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。

 

④ 経営指標

当社グループでは、連結のEBITDA・有利子負債/EBITDA倍率を目標とする経営指標として設定しているほか、ROA・ROEについても注視しております。当連結会計年度

については、以下のとおりであります。

(EBITDA・有利子負債/EBITDA倍率)

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

借入金・社債

601,735

611,474

鉄道・運輸機構長期未払金(注1)

100,842

107,723

有利子負債計(注2)

702,578

719,197

EBITDA(注3)

96,883

96,811

有利子負債/EBITDA倍率

7.3倍

7.4倍

(注) 1 鉄道・運輸機構長期未払金は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表〔借入金等明細表〕」における鉄道・運輸機構長期未払金の額とは異なり、上表では消費税等相当額を加えております。

2 リース債務及び社内預金は除いております。

3 EBITDAは、営業利益に減価償却費を加えたものであります。

(ROA・ROE)

 

前連結会計年度

(%)

当連結会計年度

(%)

ROA(総資産営業利益率)(注)

4.1

4.2

ROE(自己資本当期純利益率)(注)

9.0

9.4

(注) 総資産、自己資本からその他有価証券の時価評価による影響額を除いて算出しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。