(1) 業績
当期のわが国経済は、各種経済政策を背景に、企業収益の改善により民間設備投資の増加基調が続くとともに、雇用・所得環境が改善する中で個人消費も底堅く推移するなど、全体として緩やかな景気の回復が続きました。しかしながら、期後半においては、アジア新興国の景気が下振れするなど、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
また、箱根エリアにおいて、昨年5月以降、大涌谷周辺での火山活動が活発化しておりましたが、同年11月には噴火警戒レベルが1に引き下げられております。
このような状況のもと、当社グループでは各事業にわたり積極的な営業活動を行った結果、流通業や不動産業等で増収となったことから、営業収益は5,298億1千2百万円と、前連結会計年度に比べ110億9千7百万円の増加(前期比2.1%増)となりました。
これに伴い、営業利益は529億3千4百万円と、前連結会計年度に比べ30億7千6百万円の増加(前期比6.2%増)、経常利益は456億9千5百万円と、前連結会計年度に比べ15億9千7百万円の増加(前期比3.6%増)となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益の減少等により、274億9千7百万円と、前連結会計年度に比べ26億4千9百万円の減少(前期比8.8%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 運輸業
鉄道事業につきましては、輸送面において、最重要課題である当社線近郊区間の複々線化の早期完成に向け、東北沢~世田谷代田間において、下北沢駅周辺及び京王井の頭線交差部の緩行線トンネル構築工事や駅舎工事が進捗したほか、複々線化事業の効果を最大化するため、登戸駅下り1番線整備工事に着手いたしました。また、ロマンスカー60000形(MSE)を新造したほか、通勤車両1000形をリニューアルするなど、輸送サービスの向上に努めました。さらに、本年3月には複々線完成を見据えたダイヤ改正を実施し、当社で開発を進めている海老名と大山の最寄り駅である伊勢原を新たにロマンスカーの停車駅とすることにより、通勤や観光の際の利便性を一層高めたほか、東京メトロ千代田線直通列車や快速急行を増発するなど、都心部へのアクセス向上を図りました。
営業面においては、箱根フリーパスについて、成田空港から都心へのリムジンバス乗車券と組み合わせた企画乗車券の発売や海外販路の拡大等により収益の確保に努めたほか、特急券の予約・購入サービス「e-Romancecar」や箱根フリーパスの外国語パンフレットのさらなる多言語対応を推進するなど、増加する外国人旅行客の需要を捉えた諸施策を実施いたしました。また、行楽シーズンにおける臨時列車の運行や映画とタイアップした各種企画の実施等により、箱根、江の島・鎌倉エリア等への積極的な旅客誘致に努めました。さらに、本年3月に「小田急・東京メトロ PASMO 二区間定期券」の発売を開始するなど、お客さまの利便性向上を図りました。
施設面においては、列車運行の安全性を一層高めるため、導入工事を進めていた新列車制御システム「D-ATS-P」の設置が完了し、昨年9月より全線で運用を開始したほか、厚木~本厚木間及び多摩線等で耐震補強工事を鋭意推進いたしました。また、駅施設の改良に努め、新宿駅西口地下及び本厚木駅中央口の改修工事のほか、お客さまトイレの全駅洋式化に向けた工事を推進いたしました。
自動車運送事業につきましては、小田急箱根高速バス㈱において、昨年10月より東京駅、御殿場駅、及び箱根桃源台等を結ぶ「東京線」の運行を開始したほか、各社でお客さまのニーズに対応した路線の開設やダイヤ改正を実施いたしました。また、立川バス㈱において、昨年6月よりIC定期券の発売を開始するなど、さらなる利便性の向上に努めました。
以上の結果、当社の鉄道事業や自動車運送事業におけるバス輸送のほか、江の島・鎌倉方面の観光輸送が好調に推移いたしました。しかしながら、自動車運送事業において、前期に石油販売の営業を終了したほか、箱根大涌谷周辺での火山活動の活発化に伴う影響を受けた箱根方面の観光輸送においては、昨年11月の噴火警戒レベル1への引下げ以降に改善が見られたものの、箱根各社における輸送人員が減少したことなどから、営業収益は1,683億3百万円と、前連結会計年度に比べ29億7千3百万円の減少(前期比1.7%減)となりました。
一方、営業利益につきましては、当社の鉄道事業や自動車運送事業における費用が減少したことなどから、297億9千5百万円と、前連結会計年度に比べ6億4千5百万円の増加(前期比2.2%増)となりました。
(業種別営業成績表)
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業種別 |
当連結会計年度 (27.4.1~28.3.31) |
|
|
営業収益(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
|
鉄道事業 |
129,233 |
0.1 |
|
自動車運送事業 |
36,501 |
△2.7 |
|
タクシー事業 |
3,072 |
△0.4 |
|
航路事業 |
1,529 |
△26.4 |
|
索道業 |
777 |
△67.5 |
|
その他運輸業 |
1,127 |
△6.3 |
|
消去 |
△3,937 |
― |
|
営業収益計 |
168,303 |
△1.7 |
(提出会社の鉄道事業運輸成績表)
|
種別 |
単位 |
当連結会計年度 (27.4.1~28.3.31) |
||
|
|
対前期増減率(%) |
|||
|
営業日数 |
|
日 |
366 |
0.3 |
|
営業キロ |
|
キロ |
120.5 |
0.0 |
|
客車走行キロ |
|
千キロ |
176,224 |
0.8 |
|
|
定期 |
千人 |
458,190 |
2.2 |
|
輸送人員 |
定期外 |
〃 |
286,184 |
2.0 |
|
|
計 |
〃 |
744,374 |
2.1 |
|
|
定期 |
百万円 |
45,907 |
2.0 |
|
旅客運輸収入 |
定期外 |
〃 |
68,973 |
0.7 |
|
|
計 |
〃 |
114,880 |
1.2 |
|
運輸雑収 |
|
〃 |
3,683 |
△2.4 |
|
運輸収入合計 |
|
〃 |
118,564 |
1.1 |
|
乗車効率 |
|
% |
47.6 |
― |
(注) 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)×100
② 流通業
百貨店業につきましては、㈱小田急百貨店の新宿店において、本年2月に婦人服売場のフロア再編成を実施するなど、回遊性の向上や新規顧客の取込みを図りました。また、全店において、韓国「新韓(シンハン)カード」が発行するハウスカードの取扱いを開始するなど、拡大する訪日外国人需要の取込みを図りました。
ストア業等につきましては、小田急商事㈱が運営するスーパーマーケット「Odakyu OX」において、玉川学園店が新装オープンしたほか、各店で買い回りしやすい売り場づくりや地域特性に応じた商品・サービスの提供に努めるなど、事業基盤の強化及び店舗の活性化を図りました。また、お買上げ商品のお届けやカタログ商品の発送など、当社の「小田急くらしサポート」との連携も図りながら宅配サービスの拡充を一層推進し、お客さまの利便性向上に努めました。
以上の結果、百貨店業において、小田急百貨店新宿店での訪日外国人による免税売上が増加したことや、ストア業等においても増収となったことなどから、営業収益は2,250億1千2百万円と、前連結会計年度に比べ23億2千7百万円の増加(前期比1.0%増)となりました。
これに伴い、営業利益につきましても、39億1千1百万円と、前連結会計年度に比べ7億5千1百万円の増加(前期比23.8%増)となりました。
(業種別営業成績表)
|
業種別 |
当連結会計年度 (27.4.1~28.3.31) |
||
|
営業収益(百万円) |
対前期増減率(%) |
||
|
|
小田急百貨店新宿店 |
94,936 |
2.4 |
|
|
小田急百貨店町田店 |
37,566 |
0.6 |
|
百貨店業 |
小田急百貨店藤沢店 |
13,738 |
△3.6 |
|
|
その他 |
7,473 |
△0.5 |
|
|
計 |
153,716 |
1.3 |
|
ストア業等 |
|
78,643 |
0.6 |
|
消去 |
|
△7,347 |
― |
|
営業収益計 |
225,012 |
1.0 |
|
③ 不動産業
不動産分譲業につきましては、小田急不動産㈱において、「リーフィア湘南鵠沼海岸」等の戸建住宅や、「リーフィアレジデンス世田谷桜丘」をはじめとするマンションを分譲するなど、収益の確保に努めたほか、本年2月には今春販売開始予定の「リーフィアレジデンス世田谷砧」を含む複数の新規プロジェクトの合同説明会を開催するなど、積極的な営業活動も実施いたしました。
不動産賃貸業につきましては、当社において、駅直結型の商業施設「小田急マルシェ玉川学園前」や「相模大野ステーションスクエア」のグランドフロアがリニューアルオープンするなど、施設の充実及び活性化を図りました。また、昨年6月には座間駅前のリノベーション賃貸住宅「ホシノタニ団地」をオープンいたしました。
以上の結果、住宅販売戸数が増加した不動産分譲業や、前期から当期にかけて開業した物件の賃料収入が寄与した不動産賃貸業において増収となったことに加え、その他不動産業において、前期に子会社化したUDS㈱の売上が寄与したことなどから、営業収益は730億2百万円と、前連結会計年度に比べ121億5千9百万円の増加(前期比20.0%増)となりました。
これに伴い、営業利益につきましても、131億9千万円と、前連結会計年度に比べ16億1千3百万円の増加(前期比13.9%増)となりました。
(業種別営業成績表)
|
業種別 |
当連結会計年度 (27.4.1~28.3.31) |
|
|
営業収益(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
|
不動産分譲業 |
33,905 |
28.0 |
|
不動産賃貸業 |
40,272 |
1.7 |
|
その他 |
2,976 |
― |
|
消去 |
△4,151 |
― |
|
営業収益計 |
73,002 |
20.0 |
④ その他の事業
ホテル業につきましては、㈱ホテル小田急が運営する「ハイアット リージェンシー 東京」において、訪日外国人客の増加等を背景とした堅調な宿泊需要に対応し、客室稼働率を維持しながら平均客室単価の向上に努めることで、収益の最大化を図りました。また、㈱小田急リゾーツが運営する「小田急 山のホテル」において、大浴場や客室等の改修工事が完了したほか、「小田急ホテルセンチュリー相模大野」においては、よりグレードの高い客室やレディース専用フロアの新設を伴う全客室の改装を実施し、昨年9月にリニューアルオープンいたしました。
レストラン飲食業につきましては、ジローレストランシステム㈱及び㈱小田急レストランシステムにおいて、新規業態の開発とあわせ、両社で14店舗の新規出店、9店舗の改装を実施するなど、集客力の強化を図りました。
しかしながら、箱根大涌谷周辺での火山活動の活発化に伴う影響を受けたホテル業のリゾートホテル等において、昨年11月の噴火警戒レベル1への引下げ以降、客室稼働率等に改善が見られたものの減収となったことなどから、営業収益は1,001億2千8百万円と、前連結会計年度に比べ8千7百万円の減少(前期比0.1%減)となりました。
一方、営業利益につきましては、「ハイアット リージェンシー 東京」等のシティホテルにおいて、平均客室単価が上昇した宿泊部門を中心に好調に推移したことなどから、58億7千2百万円と、前連結会計年度に比べ6千3百万円の増加(前期比1.1%増)となりました。
(業種別営業成績表)
|
業種別 |
当連結会計年度 (27.4.1~28.3.31) |
||
|
営業収益(百万円) |
対前期増減率(%) |
||
|
|
ハイアット リージェンシー 東京 |
11,832 |
7.4 |
|
|
ホテルセンチュリー静岡 |
3,049 |
0.7 |
|
ホテル業 |
小田急ホテルセンチュリー サザンタワー |
3,805 |
12.6 |
|
|
その他 |
9,206 |
△2.1 |
|
|
計 |
27,893 |
4.0 |
|
レストラン飲食業 |
21,192 |
△0.1 |
|
|
旅行業 |
5,135 |
△19.3 |
|
|
ビル管理・メンテナンス業 |
20,122 |
2.9 |
|
|
その他 |
31,586 |
△0.2 |
|
|
消去 |
△5,801 |
― |
|
|
営業収益計 |
100,128 |
△0.1 |
|
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益425億7千5百万円に減価償却費や法人税等の支払額などを加減した結果、787億2百万円の資金収入と、前連結会計年度に比べ、75億7千6百万円の資金収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、492億7千6百万円の資金支出と、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ、60億8千1百万円の資金支出の増加となりました。この結果、これらを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは294億2千6百万円の資金収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や社債の償還による支出の減少等により、214億7千3百万円の資金支出と、前連結会計年度に比べ、175億2千4百万円の資金支出の減少となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べ79億5千4百万円増加し、273億2千6百万円となりました。
当社グループの主たる事業は、鉄道事業を中核とする運輸業、百貨店業を中核とする流通業、建物の賃貸、土地及び建物の販売を行う不動産業及びその他の事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、生産及び受注の状況を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(1) 中長期的な経営戦略
当社は、グループ経営の方向性を明確にするために、当社グループが事業を通じて果たすべき役割・責任や社会に存在する意義を示した「グループ経営理念」を掲げ、この理念を実現しグループ価値の最大化を図ることを経営の基本方針としております。
「グループ経営理念」の内容は以下のとおりであります。
|
<グループ経営理念> |
|
1 経営理念 小田急グループは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献します。 2 行動指針 私たちは、経営理念の実現のため、3つの精神を忘れることなく、お客さまに「上質と感動」を提供します。 (真摯) 私たちは、安全・安心を基本にすべての事業を誠実に推進します。 (進取) 私たちは、前例や慣習にとらわれず、よりよいサービスの追求に挑戦します。 (融和) 私たちは、グループ内に留まらない外部との連携、社会・環境との共生に取り組みます。 |
当社では、事業環境の変化に対応し、グループ経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、平成32年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」を策定しております。
当社グループは、「グループ経営理念」及び「長期ビジョン2020」に従って、グループ各社がそれぞれの役割を確実に実行するとともに、グループの協働を通じて将来にわたるキャッシュ・フローを最大化させ、企業価値の向上を目指してまいります。
<長期ビジョン2020>
① 基本方針
|
「わたしたちの挑戦」 経営理念である『お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現』に向けて、2020年度までに事業基盤をより強固なものとし、成長の種を蒔き育て、躍動的な企業グループを目指して、挑戦します。 |
② グループ成長戦略
基本方針を踏まえ、2つのテーマを設定し、沿線の既存事業に再投下すべき資本を継続的に確保するとともに、沿線外への進出や新規事業の開発に対する資本も確保し、新たな収益源を獲得していくことで、経営理念の実現に向けた強固な成長サイクルを確立いたします。
|
テーマⅠ 沿線における複々線完成後のグループ収益を最大化する |
平成29年度に予定している当社線近郊区間における複々線での営業運転開始という大きな機会を捉え、強みのある既存事業やターミナル駅周辺再開発の推進を通じて沿線の魅力を高めるとともに、人口流入を促進することで、グループ各社の主要な事業エリアである沿線における事業基盤を磐石なものとすることを目指してまいります。
|
テーマⅡ 2020年度までに成長の種を蒔き育てる |
市場での成長性や競争力の高い既存事業については、外部パートナーとの連携やM&A等を通じて、沿線外や海外の優良なマーケットエリアに進出し、事業規模を拡大いたします。同様に、新規事業についても、外部パートナーとの連携やM&A等を通じて、変化するお客さまのニーズを捉え、既存事業周辺で不足しているグループ機能を充足させるなど、開発を推進いたします。
③ 事業成長に向けた取組み
上述した「長期ビジョン2020」におけるテーマに対して以下の取組みを行うことで事業成長を達成します。
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ミッション① 既存事業の選択的強化 |
沿線においては、鉄道事業を中心とした運輸業と不動産業が連携して、強固な事業基盤を整備することで、複々線完成後の収益最大化を目指してまいります。鉄道事業において複々線完成後の戦略的なダイヤを策定し、新規利用客の誘引を図るとともに、駅周辺の整備・再開発や、交通ネットワークの拡充に向けたバス路線との連携について検討を進めてまいります。
箱根、江の島・鎌倉等の観光エリアにおいては、旺盛な旅行需要を的確に捉え、観光地間競争に打ち勝つための既存コンテンツの強化・利便性向上策を推進いたします。
また、多様化する顧客ニーズに対応すべく、流通業、その他の事業等において駅周辺立地における最適なビジネスモデルを追求するなどしてサービスの拡充を図ってまいります。特に環境変化として重要な就労女性・高齢者・訪日外国人の増加等に対しては各事業でサービスを拡充するとともに収益性を強化いたします。
|
ミッション② 中核駅周辺再開発の推進 |
駅周辺の大規模再開発の実施可能性が高い沿線の中核駅について、再開発計画を検討、推進いたします。また、国内最大のターミナルである新宿駅周辺においてグループ収益の最大化を図るため、新宿駅西口の再開発計画の検討を進めてまいります。
|
ミッション③ 既存事業の沿線外進出 |
事業成長が見込まれ競争優位に立てる事業については、外部パートナーとの連携やM&Aの活用等を通じて、沿線外や海外の優良なマーケットエリアへ進出し、収益を拡大してまいります。
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ミッション④ 新規事業の開発 |
既存事業の周辺関連分野において、外部パートナーとの連携やM&Aの活用等を通じて、変化する顧客ニーズを捉え、新規事業開発による収益の拡大を図るとともに、人材やビジネスノウハウ等の経営資源を獲得してまいります。
また、「長期ビジョン2020」では、平成32年度までを「収益基盤を強化し事業成長すべき期間」と位置づけており、連結の営業収益・EBITDA・有利子負債/EBITDA倍率を重要な経営指標として設定するほか、ROA・ROEについても注視し、効率的な経営に努めてまいります。
④ 平成32年度連結数値目標
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営業収益 |
EBITDA |
有/E倍率 |
|
6,000億円 |
1,000億円 |
7.0倍(上限) |
※ 成長投資枠として、400億円を設定(有/E倍率7.0倍を上回らない範囲)
(2) 対処すべき課題
① 長期ビジョン2020の実現
当社グループでは、お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献することを経営理念として定めております。この経営理念と平成32年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」のもと、以下の内容を中期経営計画における重要な経営課題と認識し取り組んでまいります。
(沿線における事業基盤の強化)
平成29年度に予定している当社線近郊区間における複々線での営業運転開始という大きな機会を捉え、強みのある既存事業やターミナル駅周辺再開発の推進を通じ、沿線の魅力を高めるとともに、人口流入を促進し、グループ各社の主要な事業エリアである沿線における事業基盤を磐石なものとすることを目指してまいります。
複々線での営業運転開始後の運行ダイヤ策定にあたっては、利用状況の分析や将来の人口予測等を踏まえながら、お客さまの利便性・快適性の向上に努めてまいります。加えて、駅周辺の整備・再開発、バスをはじめとする交通ネットワークの拡充により、複々線化効果の最大化を目指してまいります。
また、沿線における開発計画の推進については、下北沢地区上部利用計画の深度化を図るほか、駅周辺の大規模再開発の実施可能性が高い中核駅における再開発計画等についても行政と積極的に協議を行ってまいります。さらに、グループ収益の最大化を図るため、国内最大のターミナルである新宿駅西口の再開発計画の検討を進めてまいります。当期については、下北沢地区上部利用区間において、ファミリーを意識した賃貸住宅「リージア代田テラス」が完成いたしました。また、当社線海老名駅とJR相模線海老名駅との間に位置する当社保有地の開発に係る基本計画について、その概要を決定したことから、今後は平成37年度の事業完成に向け、行政と一体となって魅力ある街づくりを進めてまいります。
さらに、多様化する顧客ニーズへの対応については、子育て世代や高齢者向けの住宅や施設を整備するほか、箱根、江の島・鎌倉等の観光エリアに加え、百貨店やホテルにおいて、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、ハード・ソフト両面の充実を図ることで、訪日外国人の誘客や観光需要の取込みを強化いたします。また、小田急ポイントカードや「小田急くらしサポート」を通じ、グループ全体の連携強化に努めることで、相乗効果を最大限に発揮してまいります。当期については、シニアレジデンス事業の拡充に向けて新たに新百合ヶ丘及び藤沢においてサービス付き高齢者向け住宅の建設工事に着手したほか、「小田急くらしサポート」のサービスエリアを町田・相模大野・大和等の一部に拡大いたしました。また、外国語翻訳機能等を備えたタブレット端末を駅係員及び乗務員に配備したほか、無料公衆無線LANサービス「odakyu Free Wi-Fi」を「新宿ミロード」や「小田急百貨店新宿店」で新たに導入するなど、各事業において増加する訪日外国人客の受入体制の整備を図りました。さらに、箱根登山鉄道㈱において、昨年11月に小田原駅東口に商業施設「トザンイースト」を開業したほか、箱根観光船㈱において、本年1月に箱根町港に和カフェとお土産処等を集めた商業施設「茶屋本陣「畔屋」」を開業いたしました。
なお、㈱小田急ライフアソシエが運営する保育事業については、昨年10月に㈱木下ホールディングスへ譲渡するとともに、当社と同社との間で業務提携基本契約を締結しております。当社では、子育て支援施設を沿線における重要なサービス機能として位置づけており、今後も両社グループが保有する経営資源を相互に活用し、当該施設の拡充を実現してまいります。
(新たな収益源の獲得に向けた取組み)
平成32年度までに成長の種を蒔き育てていくため、今後の市場成長性が高く競争優位に立てる既存事業の沿線外進出を進めるとともに、変化する顧客ニーズに対応した新規事業の開発を推進してまいります。なお、これらの取組みを確実に推進していくため、成長投資枠(平成32年度までに400億円)を設定するほか、積極的な外部パートナーとの連携やM&Aの活用を図ってまいります。
既存事業の沿線外進出については、ホテル業、ストア業及びレストラン飲食業において出店を強化するほか、当社グループの成長に資する新規物件の取得等を進めてまいります。当期については、㈱北欧トーキョーやジローレストランシステム㈱等で新規店舗を開業したほか、本年1月にはUDS㈱が運営する「ホテルカンラ京都」及び隣接する教育施設の土地・建物を取得し、当該教育施設についてホテルへのコンバージョン工事に着手いたしました。
新規事業の開発については、既存事業の周辺関連分野での事業開発を推進し、不足している当社グループ機能の充足を図ってまいります。当期については、神奈川中央交通㈱との共同事業としてアグリビジネスに参入し、栽培施設の新設工事に着手いたしました。また、㈱小田急百貨店において、自主編集ショップの「Desk my Style」やサテライト店「小田急百貨店オアシスあつぎ」を出店するなど、小型店ビジネスの新規展開を推進いたしました。
② 社会的責任を果たすための取組み
当社グループでは、経営理念の実現を通じて社会とともに持続的に発展していくことが社会的責任(CSR)であると捉えており、以下の内容に重点的に取り組んでまいります。
運輸業においては、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な社会的責任であると捉え、各社で制定している 「安全管理規程」に基づき、安全の重要性を強く認識し日々の業務にあたるとともに、事故防止対策を含めた安全管理体制の継続的な確認や見直し・改善を実施するほか、施設面についても安全の質を高める諸施策に積極的に取り組んでまいります。当期については、新列車制御システム「D-ATS-P」の全線への設置が完了したほか、鉄道構造物の耐震補強工事を引き続き実施いたしました。
また、環境面の取組みについては、「小田急グループ環境戦略」に基づき、当社において、地球温暖化対策や列車運行に係る騒音・振動の低減策を進めるなど、環境負荷の低減に向けた取組みに引き続き注力してまいります。さらに、沿線各地の豊かな自然環境を活かした地域団体との協働による各種イベントや、「小田急クリーンキャンペーン」をはじめとする美化活動等を通じて自然との共生にも鋭意取り組んでまいります。当期については、当社のリニューアルした通勤車両1000形が「エコプロダクツ大賞 優秀賞」を、また小田急百貨店新宿店が「省エネ大賞(資源エネルギー庁長官賞)」を受賞するなど、当社グループにおける環境負荷低減等の取組みが高く評価されました。
このほか、沿線における将来の人口動態を見据え、幅広い世代に対する暮らしやすい環境の提供にも引き続き努めてまいります。
これらの諸課題を着実に遂行することで、「日本一暮らしやすい沿線」を目指してまいります。
(3) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針等
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
公開会社である当社の株式については、株主及び投資家のみなさまによる自由な取引が認められている以上、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。また、当社は、当社株式について大規模な買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て重要な営業用資産を売却処分するなど企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるもの、買収提案の内容や買収者自身について十分な情報を提供しないもの、被買収会社の取締役会が買収提案を検討し代替案を株主に提供するための時間的余裕を与えないもの、被買収会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするものなど、被買収会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社の企業価値の源泉は、(ア).安全輸送を担う技術と人材、(イ).長年にわたって構築された沿線エリアのお客さま・自治体等との信頼関係、(ウ).(ア)、(イ)を基礎として長期間にわたり醸成されてきた「小田急ブランド」にあると考えておりますが、当社株式の大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の内容を理解するのは勿論のこと、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠です。かかる当社の企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させることができなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。また、買収者からの大規模な買付けの提案を受けた際に、株主のみなさまが最善の選択を行うためには、当社の企業価値を構成する有形無形の要素を適切に把握するとともに、買収者の属性、大規模な買付けの目的、買収者の当社の事業や経営についての意向、お客さま、取引先及び従業員等のステークホルダーに対する対応方針等の買収者の情報も把握したうえで、大規模な買付けが当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を判断する必要があり、かかる情報が明らかにされないまま大規模な買付けが強行される場合には、当社の企業価値・株主共同の利益が毀損される可能性があります。
当社としては、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模な買付けに対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
② 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組
み
昭和2年4月に新宿~小田原間の営業を開始して以来、当社グループは、鉄道事業をはじめとする運輸業を基軸に、長期的な視点にたち、小田急線沿線地域を中心として、流通、不動産、ホテル、レストランなど暮らしに密着した様々な事業を営むとともに、沿線エリアの発展に寄与する様々な施策を実施することにより、企業価値・株主共同の利益の持続的向上に努めてまいりました。
当社グループでは、安全を第一に快適で良質な輸送サービスを提供することが最も重要な社会的責任であると考えており、安全管理体制の強化や、街の集客拠点としての駅の機能強化等により、安全・便利で最もサービスの良い交通ネットワークの構築を目指してまいります。
また、当社では、事業環境の変化に対応し、グループ経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、平成32年度までに取り組むべき方向性を示した「長期ビジョン2020」を策定しております。当社グループは、「グループ経営理念」及び「長期ビジョン2020」にしたがって、グループ各社がそれぞれの役割を確実に実行するとともに、グループの協働を通じて将来にわたるキャッシュ・フローを最大化させ、企業価値の向上を目指してまいります。「長期ビジョン2020」においては、「沿線における複々線完成後のグループ収益を最大化する」、「2020年度までに成長の種を蒔き育てる」という2つのテーマをグループ成長戦略として設定し、沿線の既存事業に再投下すべき資本を継続的に確保するとともに、沿線外への進出や新規事業の開発に対する資本も確保し、新たな収益源を獲得していくことで、経営理念の実現に向けた強固な成長サイクルを確立いたします。また、平成32年度までを「収益基盤を強化し事業成長すべき期間」と位置づけており、連結の営業収益・EBITDA・有利子負債/EBITDA倍率を重要な経営指標として設定するほか、ROA・ROEについても注視し、効率的な経営に努めてまいります。
さらに、当社におけるコーポレート・ガバナンスの充実・強化については、重要な戦略を効率的かつ迅速に決定、実行していく機能と、業務執行に対する監督機能の強化という点を重要課題として認識し、各種施策に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを
防止するための取組み
ア 当社株式の大規模買付行為に関する対応策の継続の目的
当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。そして、こうした不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大規模な買付けを抑止するためには、当社株式に対する大規模な買付けが行われる際に、当社取締役会が株主のみなさまに代替案を提案したり、あるいは株主のみなさまがかかる大規模な買付けに応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために交渉を行うこと等を可能とする仕組みが必要不可欠であると判断いたしました。
イ 当社株式の大規模買付行為に関する対応策の概要
当社は、平成24年6月28日開催の第91回定時株主総会決議に基づき「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)を継続的に導入しましたが、本プランの有効期間が平成27年6月26日開催の第94回定時株主総会(以下「同定時総会」といいます。)の終結の時までとされていたため、本プランの失効に先立ち、平成27年5月20日開催の取締役会及び同定時総会において、所要の修正を行った上で、本プランを継続することを決定いたしました。なお、本プランの有効期間は、同定時総会終了後から平成30年3月期に係る当社定時株主総会の終結時までです。
本プランは、(ア).当社が発行する株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得、(イ).当社が発行する株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け、もしくは、(ウ).上記(ア)または(イ)に掲げる各行為がなされたか否かにかかわらず、当社の特定株主グループが、当社の他の株主(複数である場合を含みます。以下、本(ウ)において同じとします。)との間で、当該他の株主が当該特定株主グループに属する株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、または当該特定株主グループと当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配しもしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定株主グループに属するすべての株主と当該他の株主との株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります。)のいずれかに該当する買付けその他の取得もしくはこれに類似する行為またはこれらの提案(以下、あわせて「大規模買付行為」といいます。)を適用対象としています。
本プランでは、株主のみなさまが適切なご判断を行うための十分な情報及び時間を確保するため、当社取締役会が、大規模買付行為を行おうとする者(以下「大規模買付者等」といいます。)に対して本プランに定める大規模買付情報の提供を要請し、当社社外取締役、当社社外監査役及び社外の有識者から構成される独立委員会が当該大規模買付行為の内容の評価、検討等を行うための手続きを定めています。
独立委員会は、(ア).①大規模買付者等が本プランに定められた手続きを遵守せず、または②大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合等本プランに定められる要件に該当すると独立委員会が判断し、かつ(イ).独立委員会が当該大規模買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに取得することができる旨の取得条項等が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、当社取締役会に対し、本新株予約権の無償割当てを実施すべき旨の勧告を行います。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重し、会社法上の機関として、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施に関する決議を行います。当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての実施を決議した場合、当社は、本新株予約権を当該決議によって定める全ての株主に対して無償割当ての方法により割り当てます。
④ 上記記載の取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記②に記載した企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの充実・強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上させるものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。したがって、当該取組みは、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
また、上記③記載の取組みである本プランは、当社株券等に対する大規模買付行為が行われる場合に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断することを可能とし、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主のみなさまのために大規模買付者等と協議・交渉等を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保、向上させるための枠組みであり、基本方針に沿うものであると考えております。
さらに、本プランは、(ア).経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足し、また、株式会社東京証券取引所の「有価証券上場規程」第440条に定められる買収防衛策の導入に係る尊重事項を全て充足していること、(イ).株主意思を重視するものであること、(ウ).独立性の高い社外役員等のみから構成される独立委員会の判断が最大限尊重されることとされており、かつその判断の概要については株主のみなさまに情報開示をすることとされていること、(エ).合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、(オ).第三者専門家の意見の取得ができるものであること、(カ).デッドハンド型(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)やスローハンド型(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を防止するのに時間を要する買収防衛策)の買収防衛策に該当しないこと等の理由から、株主共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
本プランの内容の詳細等につきましては、平成27年5月20日付当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ホームページ:http://www.odakyu.jp/ir/index.html)
当社グループでは、「小田急グループリスクマネジメント方針」に基づきグループ全体のリスクマネジメント体制を構築し、企業経営に重大な影響を与えるリスクの対策を検討・推進する取組みを行っております。これらを通じて把握したリスクのうち、投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。また、以下のリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではありませんのでご留意ください。
(1)災害等
① 大規模な地震・津波の発生
当社グループは、大規模地震や津波を想定した様々な施策を講じておりますが、大規模な地震等が発生した場合、当社グループの各事業において、人的被害、建物・設備が損傷する等の直接的被害のほか、電力不足等による営業への制約、消費マインドの冷え込みによる収益の減少といった間接的被害により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの事業エリアの一部は東海地震に関する地震防災対策強化地域に含まれております。
② 自然災害の発生
当社グループでは、集中豪雨及び暴風等、自然災害の発生を想定した様々な施策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生した場合、当社グループの各事業において、人的被害、建物・設備の損傷、被害箇所の復旧等に伴う費用の増大等のほか、発生の恐れがある場合に生じる消費マインドの冷え込み等による収益の減少により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 感染症の流行
当社グループは、鉄道・バス・商業施設など多数のお客さまが利用される施設を多く保有しております。当社グループの事業エリアにおいて、新型インフルエンザ等の感染症が大規模に流行した場合、施設を利用されるお客さまの減少や、鉄道の列車運行等の事業運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事故等
① 事故等の発生
当社グループでは、運輸サービス、食品等の安全性の確保、ビル等における火災防止のため様々な取組みを実施しておりますが、人為的なミスや機器の誤作動、テロ等の不法行為等によって大きな事故や火災等が発生した場合、人的被害や事業の中断等が生じるとともに、被害者に対する損害賠償責任や施設の復旧等に伴う費用が発生すること、また、顧客の信頼及び社会的評価の低下により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 保有資産及び商品の瑕疵・欠陥
当社グループが保有する資産に、瑕疵や欠陥が見つかった場合又は健康や周辺環境に影響を与える可能性等が指摘された場合、改善・原状復帰、補償等にかかる費用が発生する可能性があります。また、当社グループにおいて販売した商品等について瑕疵や欠陥が見つかった場合についても、改善及び補償等に伴う費用の発生や信用低下等に伴い当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ システム障害の発生
当社グループの事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しています。そのため、事業活動に不可欠なシステムやネットワークの安定稼動に必要な対策を実施していますが、コンピューターウイルス等の第三者による妨害行為、自然災害及び人為的ミス等により重大な障害が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)企業の社会的責任等
① コンプライアンス
当社グループでは、コンプライアンスを「法令、社内規則、社会通念等のルールを守るとともに、誠実に事業活動を実践していくための考え方及びその取組み」と定め、推進しておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、社会的制裁等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報管理
当社グループはクレジットカード事業を行っているほか、各種事業において顧客情報等の個人情報を保有しております。個人情報については厳正に管理しておりますが、何らかの理由で情報の漏洩等の事態が生じた場合、損害賠償や信用の低下等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報開示
当社グループは、それぞれの事業特性に応じた内部統制の整備、運用に努めることで、適時適切な情報開示に取り組んでおりますが、人為的ミス等により不適切な情報開示等があった場合、顧客の信頼及び社会的評価の低下等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)経営環境等
① 人材の確保
当社グループの事業は労働集約型の事業が多く、労働力として質の高い人材の確保が重要となります。そのため、優秀な人材を確保、育成し、働きやすい職場環境の確保と健全な労働環境の維持に努めておりますが、これを達成できない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制
当社グループは、鉄道事業法、道路運送法、大規模小売店舗立地法、建築基準法等の各種法令や排ガス規制をはじめとした公的規制のもと様々な事業を展開しておりますが、これらの法令・規制、特に東京都・神奈川県における諸制度の変更は当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、鉄道事業における運賃制度については以下のとおりであります。
鉄道運送事業者は、旅客の運賃の上限を定め、又は変更しようとする場合、国土交通大臣の認可を受けなければならないことが法定されております(鉄道事業法第16条第1項)。
また、その上限の範囲内での運賃等の設定・変更並びに特急料金等その他の料金の設定・変更については、事前の届出で実施できることとなっております(鉄道事業法第16条第3項及び第4項)。
③ 金利の変動
当社グループは鉄道事業を中心に継続的な設備投資を行っているため、借入金や社債等により資金を調達しております。よって、金利の変動及び当社の格付の変更が、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 重要な訴訟
当社が当事者となる重要な訴訟はありません。なお、当社の複々線化事業に関連するものとして、関東地方整備局長を被告とする行政訴訟(代々木上原~梅ヶ丘間における都市計画事業認可の無効確認)が提起されておりましたが、当該訴訟は原告側の取下げをもって平成28年4月1日に終了いたしました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に際し、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針及び見積りには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① たな卸資産の評価
当社グループは、多くのたな卸資産を保有しており、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成20年9月26日)を適用しております。また、当社では複々線化事業により取得した用地を固定資産に計上しておりますが、工事が終了した区間の当該用地など分譲用と判断した土地については、たな卸資産に振替えたうえで同様に評価しております。
② 有価証券の減損
当社グループは、金融機関や取引先の有価証券を保有しております。これらのうち、時価のある有価証券については、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
これらの有価証券は価格変動リスクを負っているため、損失が発生する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づき算出しているため、前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取り崩しが必要となる場合があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
(2) 財政状態及び経営成績
(財政状態)
総資産は1兆2,573億3千2百万円となり、前連結会計年度末と比べ34億8千3百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金の増加によるものであります。また、負債の部は、9,403億8百万円となり、前連結会計年度末と比べ、53億3千万円減少いたしました。これは、主に借入金の返済等によるものであります。
純資産の部は、3,170億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ88億1千3百万円増加いたしました。
(経営成績)
① 営業収益及び営業利益
当連結会計年度は、各事業にわたり積極的な営業活動を行った結果、流通業や不動産業等で増収となったことから、営業収益は5,298億1千2百万円と、前連結会計年度に比べ110億9千7百万円の増加(前期比2.1%増)となりました。これに伴い、営業利益は、529億3千4百万円と、前連結会計年度に比べ30億7千6百万円の増加(前期比6.2%増)となりました。なお、各セグメントの営業収益及び営業利益の分析については、「1 業績等の概要」に記載しております。
② 営業外損益及び経常利益
営業外費用の増加により営業外損益が悪化したものの、営業利益の増加に伴い、経常利益は456億9千5百万円(前期比3.6%増)となりました。
③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度に比べて62億8千万円の悪化となりました。これは、前期に比べ、特別利益が減少したことに加え、固定資産の減損処理に伴う特別損失が増加したことによるものであります。
これらの結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は425億7千5百万円となり、ここから法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は274億9千7百万円(前期比8.8%減)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 設備投資による資本の投下
当社グループは、鉄道事業において、安全防災対策に積極的に取り組みながら、快適且つスピーディーな鉄道運行の実現に努めているほか、他の事業においても、沿線の魅力を高めることを目指して継続的な設備投資を行っております。当連結会計年度においては総額596億1千9百万円の設備投資を実施いたしました。
なお、各セグメントの設備投資等の概要については、「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」に記載しております。
② 資金調達
当社グループの資金調達は、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。また、現在推進中の複々線化工事については、「特定都市鉄道整備積立金制度」や鉄道建設・運輸施設整備支援機構の「民鉄線方式」などの公的助成制度を活用しております。
なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入し、資金繰の波動により、短期的な資金需要が発生する場合には、極力グループ内資金を活用するほか、コマーシャルペーパー(CP)の発行も行っております。
③ 資金の流動性
当社グループは、鉄道事業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。
(4) 経営指標
当社グループでは、経営指標としてROA・ROEのほか、健全性指標として有利子負債/EBITDA倍率を重視しております。当連結会計年度については、以下のとおりであります。
(ROA・ROE)
|
|
前連結会計年度 (%) |
当連結会計年度 (%) |
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ROA(総資産営業利益率)(注) |
4.1 |
4.4 |
|
ROE(自己資本当期純利益率)(注) |
11.9 |
10.1 |
(注) 総資産、自己資本からその他有価証券の時価評価による影響額を除いて算出しております。
(有利子負債/EBITDA倍率)
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
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借入金・社債 |
609,681 |
605,033 |
|
鉄道・運輸機構長期未払金(注1) |
120,694 |
110,842 |
|
有利子負債計(注2) |
730,375 |
715,876 |
|
EBITDA(注3) |
96,549 |
100,242 |
|
有利子負債/EBITDA倍率 |
7.6倍 |
7.1倍 |
(注) 1 鉄道・運輸機構長期未払金は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表〔借入金等明細表〕」における鉄道・運輸機構長期未払金の額とは異なり、上表では消費税等相当額を加えております。
2 リース債務及び社内預金は除いております。
3 EBITDAは、営業利益に減価償却費を加えたものであります。