当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動がある中、個人消費には一部弱さがみられたものの、年度後半にかけては企業収益に改善の動きがみられるなど、景気は、緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような経済情勢の中、当社(連結子会社を含む)は、将来の持続的な成長を目指すべく、中期3か年経営計画「~創る、繋ぐ、拓く~」を推進し、当連結会計年度は着実に計画目標を達成するため、お客さまの視点に立った事業連携を強化し、連結収益の最大化を目指してまいりました。
当連結会計年度の営業収益は、不動産事業において、前年度の大型集合住宅(マンション)販売の反動減などにより、1兆670億9千4百万円(前年同期比1.5%減)となりましたが、交通事業や不動産事業における経費の削減などにより、営業利益は、715億1千4百万円(同15.0%増)となりました。経常利益は、負ののれん償却額の計上が前年度に終了したことなどにより、666億1千9百万円(同6.4%増)、当期純利益は、前年度に計上した東急不動産グループの再編に伴う持分変動利益や固定資産売却益の反動減などにより、410億5千1百万円(同27.3%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであり、各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含んで記載しております。なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。
(交通事業)
昨年2月15日に発生した東横線元住吉駅での列車衝突事故につきましては、同年7月に自社内の調査及び鉄道総合技術研究所との共同調査による中間とりまとめを行いました。この調査結果を踏まえた対応及び降雪期における安全輸送の確保に向けたその他の取り組みをまとめ、同年12月に公表いたしました。本年2月には、今後このような事故を二度と起こさないという強い決意と反省のもと、事故の概要と及ぼした影響を再認識し、そこから得た教訓、気付き及び他社の取り組み事例を学ぶ「東急安全の日」を実施いたしました。社員一人ひとりが事故を振り返り、向き合うことで、安全最優先の文化を継承してまいります。
当連結会計年度は、大規模地震の減災対策として、駅、高架橋・橋梁などの耐震補強工事を推進するとともに、構築物の健全性向上のために高架橋やトンネル等の長寿命化工事を実施いたしました。また、異常気象対策の検討を推進し、避雷設備の増強などに取り組みました。
ホーム上の安全対策については、東横線代官山駅、武蔵小杉駅及び横浜駅にホームドアを設置いたしました。また、踏切事故を防ぐために、歩行者を検知しやすい3D式の障害物検知装置への更新を順次進めたほか、非常ボタンの増設、監視カメラの新設などを行いました。
東横線・田園都市線渋谷駅については、エスカレーターやエレベーターなどの増設や、バリアフリールートを増やすことによる利便性の向上を行い、サイン増設による案内強化やコンシェルジュによるご案内等と合わせて、施設面・サービス面の双方で、より一層お客さまが安心・快適にご利用いただけるように整備を進めております。昨年4月には駅施設のリニューアルの実施に合わせて、トイレ・授乳室・女性パウダールームなどの複合機能を有した「渋谷ちかみちラウンジ」をオープンいたしました。
また、列車の運行支障時や災害時に、支障区間、原因、運転再開見込みや振替ルートなどを迅速に分かりやすくご案内できるよう、鉄道線全駅及び世田谷線の一部の駅に「お知らせモニター」を設置いたしました。
快適性向上の面では、混雑緩和と遅延抑制を重要な課題と位置づけており、昨年6月と本年3月にダイヤ改正を実施いたしました。田園都市線では準急の設定時間帯の拡大を行い、都市間移動の利便性向上を図るとともに、朝・夕夜間の各時間帯で列車を増発し、混雑緩和を図りました。また、大井町線や目黒線などにおいて行先延長や列車本数見直しを行い、さらなる利便性向上を図りました。
当社の鉄軌道業における輸送人員は、前連結会計年度に比べて、沿線人口の増加や、雇用状況の改善等があったものの、消費税増税に伴う先買いの反動減などにより、定期で0.2%増加、定期外で0.3%減少し、全体でも0.0%の減少となり、旅客運輸収入についても、0.1%の減少となりました。
連結子会社の輸送人員は、伊豆急行㈱で0.6%減少、上田電鉄㈱で0.7%増加いたしました。
バス業では、東急バス㈱の輸送人員が2.4%減少いたしました。
交通事業全体の営業収益は、当社の鉄軌道業において、消費税増税に伴う先買いの反動減や、広告収入の減少などにより、1,912億6千万円(同0.4%減)となりましたが、経費等の減少などにより、営業利益は258億5千4百万円(同22.0%増)となりました。
(当社の鉄軌道業の営業成績)
種別 | 単位 | 第145期 | 第146期 | |
25.4.1~26.3.31 | 26.4.1~27.3.31 | |||
営業日数 | 日 | 365 | 365 | |
営業キロ程 | キロ | 104.9 | 104.9 | |
客車走行キロ | 千キロ | 143,292 | 146,654 | |
輸送人員 | 定期外 | 千人 | 450,458 | 449,040 |
定期 | 千人 | 666,175 | 667,269 | |
計 | 千人 | 1,116,633 | 1,116,309 | |
旅客運輸収入 | 定期外 | 百万円 | 73,466 | 73,507 |
定期 | 百万円 | 60,146 | 60,032 | |
計 | 百万円 | 133,612 | 133,539 | |
運輸雑収 | 百万円 | 18,938 | 18,184 | |
収入合計 | 百万円 | 152,550 | 151,723 | |
一日平均収入 | 百万円 | 418 | 416 | |
乗車効率 | % | 51.5 | 50.3 | |
(注) 乗車効率の算出方法 | 乗車効率 | = | 輸送人員 | × | 平均乗車キロ | × 100 |
客車走行キロ | 平均定員 |
(不動産事業)
不動産事業では、「東急多摩田園都市」の開発をはじめとする「街づくり」を事業活動の中心におき、さまざまな領域での不動産事業を総合的に展開しております。
将来の安定的かつ継続的な収益の確保とさらなる沿線価値の向上を目指し、渋谷・二子玉川の大規模開発プロジェクトや、オフィス・商業施設の開発・運営、不動産ソリューション事業などを推進しております。
渋谷駅周辺開発事業では、平成24年に開業したリーディングプロジェクト「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、「渋谷駅街区」と「渋谷駅南街区」を都市再生のモデル的プロジェクトとして推進しております。東棟・中央棟・西棟からなる「渋谷駅街区」は、昨年8月に東棟の工事に本格着手いたしました。
田園都市線たまプラーザ駅に直結する商業施設「たまプラーザ テラス」では、昨年4月から12月の累計で過去最高のテナント売上高を達成しました。本年1月・2月には、一部店舗をクローズした上で平成22年のグランドオープン以来最大規模となるリニューアルに着手し、3月以降新店舗を順次開業いたしました。
不動産事業全体の営業収益は、当社の不動産販売業において、前年度の大型集合住宅(マンション)販売の反動減などにより、営業収益は1,758億円(同8.9%減)となりましたが、当社の不動産販売業における販売原価・広告宣伝費などの減少や、当社の不動産賃貸業における費用の減少などにより、営業利益は333億5千8百万円(同10.7%増)となりました。
(生活サービス事業)
当社は、生活サービス事業を街の生活基盤として沿線価値の向上に寄与するものと位置づけるとともに、収益力の向上に取り組んでまいりました。同事業は、魅力ある施設づくりに加えて、お客さまの期待を上回る商品やサービスの提供に努めるとともに、交通事業、不動産事業をはじめとする各事業との相乗効果を発揮するため、グループ間連携をさらに促進しております。
百貨店業の㈱東急百貨店では、昨年10月に、服飾雑貨に特化した新業態の小型専門店「mikke by Tokyu Department Store(ミッケ バイ トウキュウ デパートメント ストア)」を蒲田駅直結のショッピングセンター「東急プラザ 蒲田」に出店いたしました。また、渋谷3店舗(本店、東横店、ShinQs(シンクス))と札幌店で免税カウンターを設置、東横店では訪日外国人旅行者向けのお土産ショップを開設するなど、訪日外国人旅行者対応を強化いたしました。なお、渋谷駅周辺開発の進捗に伴い、東横店は平成25年4月に東館を閉館し、西館・南館へ集約・再編して営業を行っております。
チェーンストア業の㈱東急ストアでは、昨年4月に、新業態「東急ストア フードステーション中延店」をオープンいたしました。65歳以上の居住者や単身者世帯が多い地域特性に合わせ、小型店舗でありながらスーパーマーケットに加えてコンビニエンスストアのサービス機能を提供しております。
ケーブルテレビ事業のイッツ・コミュニケーションズ㈱では、ケーブルテレビ・インタ―ネット・電話等の各種サービスにおいて、加入者及び利用料収入ともに、順調に増加しております。また、公衆無線LANサービスの拡充を進めるとともに、自治体と連携した防災情報や生活情報をタイムリーに配信する「イッツコム テレビ・プッシュ」を本年1月に開始いたしました。また、本年2月には、スマートフォンやタブレットを使って、外出先から家の中の様子を確認し、見守りなどに役立てることができるスマートホームサービス「イッツコム インテリジェント ホーム」の提供を開始いたしました。
生活サービス事業全体の営業収益は、㈱東急百貨店において、前年度に東横店を一部閉館し、売場を縮小したことや、消費税増税、天候不順の影響などもあり、5,201億7千6百万円(同0.9%減)となりましたが、㈱東急ストアにおいて、閉鎖店舗による費用の減少や粗利益率の改善などにより、営業利益は69億9千7百万円(同19.0%増)となりました。
(ホテル・リゾート事業)
ホテル業の㈱東急ホテルズでは、インバウンドなど海外マーケットが依然好調であり、客室部門を中心に好調に推移いたしました。昨年10月には、北陸新幹線開業を半年後に控えた金沢で「金沢エクセルホテル東急」を大規模リニューアルし、「金沢東急ホテル」としてグランドオープンいたしました。
ホテル・リゾート事業全体の営業収益は、㈱東急ホテルズにおいて、客室の稼働率とともに販売単価も増加したことなどにより、960億8千1百万円(同3.9%増)、営業利益は31億9千1百万円(同110.7%増)となりました。なお、㈱東急ホテルズ直営店舗の客室稼働率は、84.7%(同0.7P増)となりました。
(ビジネスサポート事業)
広告業の㈱東急エージェンシーでは、交通広告と屋外広告を統合した広告媒体ブランド「TOKYU OOH(トウキュウ オーオーエイチ)」の強化を継続して進め、本年3月には渋谷駅及び二子玉川駅に設置の国内最大級の広告用デジタルサイネージが新たにラインナップに加わりました。
ビジネスサポート事業全体の営業収益は、商社業の東急ジオックス㈱における、建設資材の販売強化等により1,604億1千7百万円(同0.4%増)となりましたが、㈱東急エージェンシーにおける前年度受注したイベントの反動減などにより、営業利益は19億5千9百万円(同43.3%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は407億5百万円となり、前連結会計年度に比べて139億9千5百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益619億4千3百万円に減価償却費700億4千1百万円、固定資産除却損110億5千万円、たな卸資産の減少額84億7千8百万円などを調整し、1,639億6千5百万円の収入となりました。前連結会計年度に比べ、売上債権の増加額が減少したことなどにより、72億6千2百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が925億2千万円となり、合計で752億3千5百万円の支出となりました。前連結会計年度に比べ、固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、308億9千3百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び社債の償還による支出などにより、1,030億6千4百万円の支出となりました。
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
当社および連結子会社は、将来の大きな飛躍に向け、財務健全性を確保しつつ、既存事業・プロジェクトの強化、当社の強みを生かすことのできる新規領域への積極的進出や成長領域への重点投資を実施し、収益性、効率性双方の向上の実現を目指した、平成27年度を初年度とする中期3か年経営計画「STEP TO THE NEXT STAGE」を策定いたしました。
この経営計画につきましては、「次なる飛躍へのステップとして、沿線を深耕するとともに、新たな成長にチャレンジする」を基本方針とし、前中期計画に引き続き「東急沿線が“選ばれる沿線”であり続ける」「“ひとつの東急”として強い企業集団を形成する」という2つの長期ビジョンの実現を目指し、具体的には次の4つの重点施策を実施してまいります。
(1)「安心感と満足感のより一層の充実」
ホームや踏切などの安全性を高める設備の充実や、事故・異常時における対応力強化を通じ、更に安心で安全な鉄道を追求するとともに、交通・リテール・生活サービスを一体的に展開させ、広域の移動を促進、街や地域を活性化させてまいります。
(2)「沿線開発と不動産事業の更なる推進」
沿線再開発に加え、駅周辺における総合開発を引き続き推進するとともに、沿線資産活用コンサルティング事業の強化や投資循環型事業モデルによる賃貸事業の更なる拡充を図ってまいります。
(3)「ライフスタイル&ワークスタイル・イノベーションの推進」
ライフスタイル・イノベーションについては、新たに取り組む電力小売事業を含めた東急グループのさまざまな家ナカサービスを便利に、お得に利用できるよう「バンドル化」いたします。また、鉄道やバスで貯まる「交通ポイント」など、TOKYUポイントの新たなサービスを導入し、お客さまに新たな生活価値を提供してまいります。
ワークスタイル・イノベーションについては、当社が関わる開発プロジェクトにおいて創造・交流施設を整備し、多様なワークスタイルへの対応をサポートすると同時に、当社グループ内におけるダイバーシティマネジメントや、社内起業家育成制度などを推進し、社員がいきいきと輝ける環境づくりを実現してまいります。
(4)「グループ経営資源を活かした新たな取り組み」
リテール事業では、各連結リテール事業を束ねる「リテール事業部」を設置し、強力なヘッドクオーター機能を置くことにより、グループとしての総合力を発揮できる体制を構築いたします。
インバウンド施策では、羽田空港アクセスの向上や観光・貸切バス網の拡充、免税・多言語対応、観光コーディネート機能の強化など、インバウンド旅客を渋谷や沿線地域、国内グループ施設へ誘致する環境を整備してまいります。
ホテル事業は、お客さま視点でホテルブランドを再編するとともに、インバウンド需要を見据え、大都市や観光拠点での新規出店を推進してまいります。
海外展開では、東南アジアにおける経済成長力を取り込むため、これまで国内外の事業から培ったノウハウを活用し、現地パートナーとの連携などによる事業推進・事業機会の拡大を図ってまいります。
また、当社は、株主の皆さまへの適切な利益還元を経営上の重要政策と位置づけ、安定かつ継続的な配当を基本方針とし、配当政策を以下のとおりとしております。
本経営計画期間中、連結自己資本配当率(※)2%を目処におき、安定・継続的な配当を実施いたします。
※ 配当金総額÷期中平均連結自己資本×100
さらに当社および連結子会社は、かねてより企業市民として、その社会的責任の重要性を認識し、グループ全体でコンプライアンスに取り組むとともに、地球環境保全活動や各種社会貢献活動を継続するなど、CSR経営を積極的に推進しております。今後も、時代の変化に即したCSR活動を推進し、さまざまなステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションをより一層緊密にするとともに、経営の透明性、業務の適正性を向上させるべく実効的なコーポレートガバナンスの充実を図ってまいります。
株式会社の支配に関する基本方針については、当社の株式は上場されており、当社株式の大量取得を目的とする買付であっても、それが当社の企業価値・株主の共同の利益に資すると判断される限り否定されるべきものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案について対抗措置をとるべきとの判断には、最終的には合理的手続きを経て確定される株主全体の意思が反映されるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量取得行為の中にはその目的・手法などから見て、企業価値・株主の共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、例えば短期的な利益追求を目的とすることなどにより鉄道事業の安全確保に悪影響を及ぼす可能性があるもの、また、買収を二段階で行い、最初の買付に応じなければ不利益になる、あるいはそのような危惧を抱かせる状況を作り出し、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等、不適切な方法による、あるいは不適切な者による企業買収の存在は否定できません。また、株式の大量取得行為の提案がなされた場合において、これの是非を判断する十分な情報や代替案を株主の皆さまが持ち合わせていないにも関わらず、そのまま買収が行われてしまう場合もあり得ます。
当社事業にとって重要なステークホルダーの利益を考慮しつつ、このような買収から企業価値・株主の共同の利益を守り、これらに資するよう行動することは、当社の経営を負託された者として当然の責務であると認識しております。
現時点において、当社は具体的にこのような買収の脅威にさらされているとの認識はありませんが、当社株式の取引や株主の異動の状況を常にチェックするとともに、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合に、判断の客観性を担保しつつ、企業価値・株主の共同の利益を保全・確保および向上させるために必要な措置が取れるよう、社内における体制を整え、役割分担や行うべき対応を明確にしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、当社グループ(当社及び連結子会社)は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意下さい。
当社グループは、大規模地震や台風等の自然災害の発生を想定したさまざまな施策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事故、テロ等の不法行為による災害、設備や情報システムの故障、食品、建設工事等の品質問題、その他の理由によるトラブルの発生を想定したさまざまな施策を講じておりますが、重大な事故等が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鉄軌道事業、不動産事業をはじめとする各種事業において、関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、お客さまや取引先の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鉄軌道事業、不動産事業をはじめとする各種事業において、鉄道事業法、建築基準法等の法令・規則等の適用を受けておりますが、これらの法的規制が変更された場合には、規制を遵守するための費用の増加や活動の制限により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の消費動向の悪化、人口の減少、人口動態の変化(少子高齢化)等が起こった場合には、収益が減少し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、「中期3か年経営計画」を策定し、各種施策を実施しておりますが、経済情勢の変化等によって、これらの計画が予定通り進捗しない場合や、想定した収益や期待した効果を生まない場合があり、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業遂行上必要な多くの不動産(販売用及び事業用)を保有しており、不動産市況の低迷その他の理由に起因して不動産価格が下落した場合には、収益の減少や評価損、売却損の計上により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、株式等の投資有価証券を保有しており、企業年金資産、退職給付信託等においても多くの株式・債券等を保有しており、株式・債券市況の低迷や投資先の自己資本の悪化等が生じた場合には、評価損や売却損の計上により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これまで鉄軌道事業をはじめとする各事業の必要資金の多くを、社債や金融機関からの借入により調達しており、有利子負債(※)は総資産に比して高い水準にあるため、固定金利による調達や有利子負債の抑制を行っていますが、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化したりすることにより、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内のみならずベトナム等の海外においても事業活動を行っており、紛争又は戦争、テロ事件、伝染病の流行などの国際情勢の変化が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、為替相場に変動があった場合には、当社グループの円貨での業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、4億3千1百万円であり、その全額がビジネスサポート事業における研究開発費であります。
主な研究開発活動は、㈱東急総合研究所において、経済、社会、地域等に関する消費研究や消費構造、消費者の意識・行動に関する調査・研究を行っております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度の営業収益は、当社の不動産販売業において、前年度の大型集合住宅(マンション)販売の反動減などにより、前連結会計年度の1兆830億円から159億円減少し、1兆670億円となりました。営業利益につきましては、当社の鉄軌道業における経費等の減少や、当社の不動産販売業における販売原価・広告宣伝費の減少などにより、前連結会計年度の621億円から93億円増加の715億円となりました。
営業外収益は、負ののれん償却額の計上が前年度に終了したことなどにより、前連結会計年度の164億円から44億円減少し、119億円となりました。営業外費用は、前連結会計年度の159億円から8億円増加し、168億円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度の626億円から40億円増加の666億円となりました。
特別利益は、工事負担金等受入額の減少や、前年度に計上した持分変動利益の反動などにより、前連結会計年度の311億円から262億円減少し、48億円となりました。特別損失は、工事負担金等圧縮額が減少したことなどにより、前連結会計年度の154億円から59億円減少し、95億円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の783億円から163億円減少の619億円となり、当期純利益は、前連結会計年度の564億円から154億円減少し、410億円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や、繰延税金資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末の2兆217億円から192億円減少し、2兆25億円となりました。
負債は、有利子負債(※)が減少したことなどにより、前連結会計年度末の1兆4,840億円から611億円減少し、1兆4,229億円となりました。
純資産は、自己株式の取得及び消却による資本剰余金の減少や、退職給付会計基準等の適用による利益剰余金の減少などがあったものの、当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末の5,377億円から418億円増加し、5,795億円となりました。
この結果、自己資本比率は27.5%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇いたしました。また、1株当たり純資産額は442.86円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,639億円の収入となりました。主に売上債権の増加額が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ72億円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、752億円の支出となりました。主に固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ308億円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,030億円の支出となりました。主に借入金の返済による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ807億円の支出増となりました。
営業活動によって獲得された1,639億円のキャッシュは、主に設備投資として投資活動に振り向けられるとともに有利子負債(※)の削減のため財務活動に振り向けられました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は407億円となり、前連結会計年度末に比べて139億円減少いたしました。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計