当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の財政政策と日銀の金融緩和の効果から円安・株高の状況が続くなか、企業収益の改善及び個人消費の持ち直しの傾向がみられ、景気は、緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような経済情勢の中、当社(連結子会社を含む)は、将来の持続的な成長を目指すべく、中期3か年経営計画「~創る、繋ぐ、拓く~」を推進しており、当連結会計年度は着実に計画目標を達成するため、お客さまの視点に立った事業連携を強化し、連結収益の最大化を目指してまいりました。
当連結会計年度の営業収益は、当社の不動産事業が好調に推移したことや、当社の鉄軌道業において、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転効果や、消費税増税に伴う定期券等の先買いがあったことなどにより、1兆830億7千万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は、621億9千万円(同11.6%増)となりました。経常利益は、持分法による投資利益が増加したことなどにより、626億1千8百万円(同11.3%増)、当期純利益は、持分変動利益を計上したことや、固定資産売却益が増加したことなどにより、564億9千8百万円(同31.2%増)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであり、各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含んで記載しております。なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。
(交通事業)
本年2月15日、東横線元住吉駅において列車衝突事故、同日、こどもの国線こどもの国駅においてホーム屋根落下事故が発生いたしました。事故でお怪我をされたお客さまに心よりお詫び申し上げます。また、ご利用のお客さま、株主の皆さま並びに沿線住民の皆さまにおかれましても、多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことについて深くお詫び申し上げます。列車衝突事故の原因につきましては、現在も国土交通省の運輸安全委員会による調査中でありますが、当社としても、安全に係わる極めて重大な事故と認識し、原因究明に努めております。また、降雪時・積雪時の運行対応の見直しや、さまざまな事象を想定し事故の未然防止を目的とした安全総点検を本社部門及び現業部門が一体となって実施することで、安全体制を更に強化し、事故防止に努めてまいります。事故発生に備え、お客さまへの情報提供、係員による対応の迅速化、関係各所との連携体制の強化もあわせて進めてまいります。「安全」を使命とする公共交通事業者として、今後このような事故を二度と起こさないという強い決意と反省のもと、全社一丸となって安全運行に取り組んでまいります。
当連結会計年度は、大規模な地震に備え、駅・高架橋・トンネルの耐震補強工事など鉄道設備の被害軽減対策を推進いたしました。また、ホーム上の安全対策につきましては、東横線中目黒駅・学芸大学駅にホームドアを設置するとともに、他の駅においてもホームドアが整備されるまでの安全対策として安全柵や非常停止ボタンを増設するなど、さまざまな取り組みを進めております。
利便性向上の面では、昨年3月16日、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始したことにより、渋谷から東京メトロ副都心線を経由して東武東上線、西武有楽町線・池袋線までが一本の路線として結ばれ、広域な鉄道ネットワークが形成されました。これにより、東武線・西武線など各方面から横浜・みなとみらい地区を訪れるお客さまが増えたほか、当社沿線から新宿・池袋方面に向かうお客さまも増加し、東急線の輸送人員・運賃収入は順調に推移しております。
なお、渋谷駅周辺開発の進捗にともない、駅構内の動線が複雑となり、渋谷駅をご利用のお客さまには一時的にご不便をおかけしておりますが、東京メトロと共同でエスカレーターの増設など、開発工事期間中における渋谷駅の利便性向上施策を推進しております。
快適性向上の面では、混雑緩和と遅延抑制を重要な課題と位置づけております。本年3月には、東横線・目黒線・池上線・東急多摩川線でダイヤ改正を実施いたしました。目黒線については朝・夜間の列車増発や急行運転時間帯の拡大等を実施し、また池上線については平日夕・夜間の行先延長や夜間増発を実施し、それぞれ混雑緩和と遅延抑制を図りました。
当社の鉄軌道業における輸送人員は、前連結会計年度に比べて、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転効果などにより、定期で3.7%、定期外で0.8%、全体では2.5%の増加となり、旅客運輸収入についても、2.0%の増加となりました。
連結子会社の輸送人員は、伊豆急行㈱で1.1%減少、上田電鉄㈱で3.3%増加いたしました。
バス業では、東急バス㈱の輸送人員が2.8%増加いたしました。
交通事業全体の営業収益は、当社の鉄軌道業において、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転効果に加えて、消費税増税に伴う定期券等の先買いがあったことなどにより、1,920億9千9百万円(同2.6%増)、営業利益は211億9千1百万円(同17.4%増)となりました。
(当社の鉄軌道業の営業成績)
種別 | 単位 | 第144期 | 第145期 | |
24.4.1~25.3.31 | 25.4.1~26.3.31 | |||
営業日数 | 日 | 365 | 365 | |
営業キロ程 | キロ | 104.9 | 104.9 | |
客車走行キロ | 千キロ | 139,840 | 143,292 | |
輸送人員 | 定期外 | 千人 | 447,003 | 450,458 |
定期 | 千人 | 642,485 | 666,175 | |
計 | 千人 | 1,089,488 | 1,116,633 | |
旅客運輸収入 | 定期外 | 百万円 | 72,789 | 73,466 |
定期 | 百万円 | 58,184 | 60,146 | |
計 | 百万円 | 130,973 | 133,612 | |
運輸雑収 | 百万円 | 17,334 | 18,938 | |
収入合計 | 百万円 | 148,307 | 152,550 | |
一日平均収入 | 百万円 | 406 | 418 | |
乗車効率 | % | 51.3 | 51.5 | |
(注) 乗車効率の算出方法 | 乗車効率 | = | 輸送人員 | × | 平均乗車キロ | × 100 |
客車走行キロ | 平均定員 |
(不動産事業)
不動産事業では、「東急多摩田園都市」の開発をはじめとする「街づくり」を事業活動の中心におき、さまざまな領域での不動産事業を総合的に展開しております。
将来の安定的かつ継続的な収益の確保とさらなる沿線価値の向上を目指し、渋谷駅周辺開発事業や二子玉川における再開発事業(二子玉川ライズ)などの大規模開発プロジェクトを推進しております。
また東横線・目黒線武蔵小杉駅周辺においても開発が進んでおり、昨年4月、駅直結のショッピングセンター「武蔵小杉東急スクエア」をグランドオープンいたしました。地域の皆さまや武蔵小杉駅をご利用されるお客さまの日常生活に彩りを提供する約100店舗を展開しており、テナント売上高は物販、飲食、サービスともに好調に推移しております。
このほか、昭和53年の開業以来多くのお客さまにご利用いただいてきた「東急嶮山スポーツガーデン」を地元地権者と共同でリニューアルし、昨年10月、郊外型商業施設「あざみ野ガーデンズ」を開業いたしました。地域の皆さまが自分の“庭(ガーデン)”のように、気軽にショッピングやお食事、スポーツなどを楽しんでいただける空間を提供しております
不動産事業全体の営業収益は、当社の不動産販売業において、大型集合住宅(マンション)の販売収入が増加したことなどにより、1,930億2千万円(同17.9%増)、当社の不動産賃貸業において、「武蔵小杉東急スクエア」の開業に伴う賃貸収入の増加や、「渋谷ヒカリエ」などの賃貸収入が堅調に推移したことなどにより、営業利益は301億2千8百万円(同12.4%増)となりました。
(生活サービス事業)
当社は、生活サービス事業を街の生活基盤として沿線価値の向上に寄与するものと位置づけるとともに、収益力の向上に取り組んでおります。同事業は、魅力ある施設づくりに加えて、お客さまの期待を上回る商品やサービスの提供に努めるとともに、交通事業、不動産事業をはじめとする各事業との相乗効果を発揮するため、グループ間連携をさらに促進しております。
百貨店業の㈱東急百貨店では、「高付加価値・高効率な新しい成長モデル」を確立し、東急沿線エリアのライフスタイルや生活価値の向上に貢献することを目指しております。東急東横店は、「渋谷駅街区土地区画整理事業」の進捗に伴い、西館・南館への集約・再編を実施し、昨年4月にリニューアルオープンいたしました。また、同社が「渋谷ヒカリエ」内で運営する商業施設「ShinQs(シンクス)」は、開業2周年を迎えた本年4月、2周年記念限定商品を販売するとともに、さまざまな売出しやイベントを開催し、常に「新しさ」を発信することで、引き続き多くのお客さまにご支持いただいております。
チェーンストア業の㈱東急ストアでは、利益構造改革の一環として、不採算店舗を整理する一方、地域特性に応じた商圏分析による品揃えの見直しなどをはじめとした、お客さまのご要望に最大限お応えする売場づくりを進めております。当連結会計年度は、地域住民の皆さまからスーパーマーケットの開業を求める声を多くいただいていたことを踏まえ、田園都市線高津駅高架下に「高津東急ストア」を昨年10月にオープンいたしました。
ケーブルテレビ事業のイッツ・コミュニケーションズ㈱では、お客さまの宅内を中心にテレビ、インターネット、電話などの各サービスを展開しております。当連結会計年度は、営業活動の強化による顧客基盤の拡大により、同社サービスの加入者及び利用料収入ともに、順調に増加しております。また、東急線・みなとみらい線の全駅及び東急グループの主要商業施設において、公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを提供しており、昨年10月には、新たに「SHIBUYA109」等においても同サービスの提供を開始いたしました。
生活サービス事業全体の営業収益は、㈱東急ストアが好調に推移したことや、イッツ・コミュニケーションズ㈱において、サービス利用料収入の増加があったものの、㈱東急百貨店において、東急東横店の一部閉館に伴い売場を縮小した影響などにより、5,248億7千5百万円(同0.5%減)、営業利益は58億8千2百万円(同1.5%減)となりました。
(ホテル・リゾート事業)
ホテル業の㈱東急ホテルズでは、外国人旅行客の増加など事業環境は改善傾向にある中、設備投資による商品力強化と積極的な販売促進により、高稼働を維持しつつ客室単価が増加するなど、客室部門を中心に好調に推移いたしました。
また昨年、㈱東急ホテルズの一部の施設において判明いたしました、実際に使用された食材とメニュー表示が異なっていた件につきましては、お客さまへ深くお詫び申し上げるとともに、再発防止を徹底し信頼回復につとめております。
ホテル・リゾート事業全体の営業収益は、㈱東急ホテルズにおいて、客室の稼働率とともに販売単価も増加したことなどにより、924億5千2百万円(同3.2%増)、営業利益は15億1千4百万円(同5.2%増)となりました。なお、㈱東急ホテルズ直営店舗の客室稼働率は、84.0%(同1.6P増)となりました。
(ビジネスサポート事業)
広告業の㈱東急エージェンシーでは、広告事業者として、生活者基点のマーケティングソリューションをお客さまに提案することを目指しております。当連結会計年度は、東急グループの総合力を活かした営業活動を通じて、当社とともに、交通広告と屋外広告を統合した広告媒体ブランドの強化を継続して進めたほか、渋谷駅ハチ公口交差点前の「QFRONT(キューフロント)」ビル壁面に設置された大型ビジョン「Q‘S EYE(キューズアイ)」の機能更新などに取り組みました。
ビジネスサポート事業全体の営業収益は、商社業の東急ジオックス㈱における前年同期に竣工した大型案件の反動減などにより、1,597億7千2百万円(同9.0%減)となりましたが、鉄道車両関連事業の東急テクノシステム㈱において、利益率が改善したことなどもあり、営業利益は34億5千7百万円(同13.3%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は547億1百万円となり、前連結会計年度に比べて283億3千4百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益783億6百万円に減価償却費727億6千2百万円、固定資産除却損143億4千1百万円、売上債権の増加額153億6千2百万円などを調整し、1,567億3百万円の収入となりました。前連結会計年度に比べ、税金等調整前当期純利益が増加したことや、仕入債務の支払額が減少したことなどにより、341億1千4百万円の収入増となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が1,303億7千8百万円となり、合計で1,061億2千9百万円の支出となりました。前連結会計年度に比べ、貸付金の回収による収入が減少したことなどにより、153億4千5百万円の支出増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び社債の償還による支出などにより、223億2千2百万円の支出となりました。
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
当社および連結子会社は、将来の成長に向けた事業基盤を強固にするとともに、グループ総合力を最大限発揮し、お客さま視点での事業連携を強化することにより、連結収益の最大化を目指すべく、中期3か年経営計画「~創る、繋ぐ、拓く~」を推進しております。
この経営計画につきましては、前期および当期に引き続き、最終年度である平成26年度の目標経営指標を達成するため、「地域の生活価値を創造し続ける事業展開」を基本戦略とし、「東急沿線が選ばれる沿線であり続ける」「“ひとつの東急”として強い企業集団を形成する」という2つのビジョンの実現を目指し、具体的には次の4つの重点施策を実施してまいります。
また、平成27年度を初年度とする次期経営計画では、変化し続ける市場環境に対応し、財務健全性を維持しつつ、更なる成長に向けた戦略を深化させる予定です。
(1)「鉄道ネットワークの整備と安全対策の継続」
これまで、安全確保に対する様々な取り組みを行ってまいりましたが、誠に遺憾ながら本年2月15日に「東横線元住吉駅における列車衝突事故」および「こどもの国駅ホーム屋根落下事故」を起こしてしまいました。当社はこれらを、安全に係わる極めて重大な事故と捉え、これまでの安全管理体制や各種運用方法を再確認し、事故の再発防止および未然防止の取り組みを強化してまいります。
さらに、ホーム上における各種安全対策、大規模地震発生後の初期対応の再構築や減災対策の推進など、より戦略的な安全対策についても継続して実施いたします。
また、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転を、昨年3月16日に開始いたしました。引き続き、相互直通運転を行う各社と連携した様々な施策に取り組み、相鉄・東急直通線をはじめとする今後の鉄道ネットワークの整備についても、更なる利便性の向上と沿線外からのお客さまの誘致促進につなげてまいります。
(2)「渋谷、二子玉川をはじめとする沿線開発の更なる推進」
沿線拠点における大規模開発プロジェクトを引き続き推進し、不動産事業の基盤をより強固にしていくとともに、「選ばれる沿線であり続ける」ための面的開発を推進し、沿線価値の向上を目指してまいります。
(3)「沿線における生活サービス事業の推進および連携強化」
東急沿線において、安心感・利便性・快適性を高める商品・サービスを提供し、沿線にお住まいの方々の生活価値を向上させるとともに、「ひとつの東急」として、グループ内連携をこれまで以上に促進し、「選ばれる沿線であり続ける」ための役割を果たしてまいります。
(4)「沿線開発ノウハウを活かした海外での街づくり事業の展開」
「東急多摩田園都市」の開発などで蓄積してきた当社のノウハウを、ベトナムや西豪州など海外での街づくり事業で活かし、都市開発プロジェクトを実施してまいります。
また、当社は、株主の皆さまへの適切な利益還元を経営上の重要政策と位置づけ、安定かつ継続的な配当を基本方針とし、配当政策を以下のとおりとしております。
本経営計画期間中、連結自己資本配当率(※)2%を目処におき、安定・継続的な配当を実施いたします。
※ 配当金総額÷期中平均連結自己資本×100
さらに当社および連結子会社は、かねてより企業市民として、その社会的責任の重要性を認識し、グループ全体でコンプライアンスに取り組むとともに、地球環境保全活動や各種社会貢献活動を継続するなど、CSR経営を積極的に推進しております。また、「東急グループコンプライアンス指針」および「グループ内部統制ガイドライン」を制定し、グループ各社にコンプライアンスおよびCSRの重要性を周知徹底いたしております。
今後も、時代の変化に即したCSR活動を推進し、さまざまなステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションをより一層緊密にするとともに、経営の透明性、業務の適正を確保し、企業の社会的責任を全うしてまいります。
株式会社の支配に関する基本方針については、当社の株式は上場されており、当社株式の大量取得を目的とする買付であっても、それが当社の企業価値・株主の共同の利益に資すると判断される限り否定されるべきものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案について対抗措置をとるべきとの判断には、最終的には合理的手続きを経て確定される株主全体の意思が反映されるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大量取得行為の中にはその目的・手法などから見て、企業価値・株主の共同の利益に対して明白な侵害をもたらすもの、例えば短期的な利益追求を目的とすることなどにより鉄道事業の安全確保に悪影響を及ぼす可能性があるもの、また、買収を二段階で行い、最初の買付に応じなければ不利益になる、あるいはそのような危惧を抱かせる状況を作り出し、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの等、不適切な方法による、あるいは不適切な者による企業買収の存在は否定できません。また、株式の大量取得行為の提案がなされた場合において、これの是非を判断する十分な情報や代替案を株主の皆さまが持ち合わせていないにも関わらず、そのまま買収が行われてしまう場合もあり得ます。
当社事業にとって重要なステークホルダーの利益を考慮しつつ、このような買収から企業価値・株主の共同の利益を守り、これらに資するよう行動することは、当社の経営を負託された者として当然の責務であると認識しております。
現時点において、当社は具体的にこのような買収の脅威にさらされているとの認識はありませんが、当社株式の取引や株主の異動の状況を常にチェックするとともに、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合に、判断の客観性を担保しつつ、企業価値・株主の共同の利益を保全・確保および向上させるために必要な措置が取れるよう、社内における体制を整え、役割分担や行うべき対応を明確にしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、当社グループ(当社及び連結子会社)は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。なお、以下の記載は、当社グループの事業等のリスクをすべて網羅することを意図したものではないことにご留意下さい。
当社グループは、大規模地震や台風等の自然災害の発生を想定したさまざまな施策を講じておりますが、大規模な自然災害が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事故、テロ等の不法行為による災害、設備や情報システムの故障、食品、建設工事等の品質問題、その他の理由によるトラブルの発生を想定したさまざまな施策を講じておりますが、重大な事故等が発生し、人的被害や事業の中断等が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鉄軌道事業、不動産事業をはじめとする各種事業において、関係法令を遵守し、企業倫理に従って事業を行っておりますが、これらに反する行為が発生し、社会的信頼を損なった場合には、お客さまや取引先の離反等により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鉄軌道事業、不動産事業をはじめとする各種事業において、鉄道事業法、建築基準法等の法令・規則等の適用を受けておりますが、これらの法的規制が変更された場合には、規制を遵守するための費用の増加や活動の制限により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当社鉄道沿線地域に経営資源が集中しており、同地域の消費動向の悪化、人口の減少、人口動態の変化(少子高齢化)等が起こった場合には、収益が減少し、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、「中期3か年経営計画」を策定し、各種施策を実施しておりますが、経済情勢の変化等によって、これらの計画が予定通り進捗しない場合や、想定した収益や期待した効果を生まない場合があり、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業遂行上必要な多くの不動産(販売用及び事業用)を保有しており、不動産市況の低迷その他の理由に起因して不動産価格が下落した場合には、収益の減少や評価損、売却損の計上により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、株式等の投資有価証券を保有しており、企業年金資産、退職給付信託等においても多くの株式・債券等を保有しており、株式・債券市況の低迷や投資先の自己資本の悪化等が生じた場合には、評価損や売却損の計上により、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これまで鉄軌道事業をはじめとする各事業の必要資金の多くを、社債や金融機関からの借入により調達しており、有利子負債(※)は総資産に比して高い水準にあるため、固定金利による調達や有利子負債の抑制を行っていますが、市場金利が上昇した場合や、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合には、相対的に金利負担が重くなったり、資金調達の条件が悪化したりすることにより、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内のみならずベトナム等の海外においても事業活動を行っており、紛争又は戦争、テロ事件、伝染病の流行などの国際情勢の変化が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、為替相場に変動があった場合には、当社グループの円貨での業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、4億1千1百万円であり、その全額がビジネスサポート事業における研究開発費であります。
主な研究開発活動は、㈱東急総合研究所において、経済、社会、地域等に関する消費研究や消費構造、消費者の意識・行動に関する調査・研究を行っております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度の営業収益は、当社の不動産販売業において、大型集合住宅(マンション)の販売収入が増加したことや、当社の鉄軌道業において、東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転効果や、消費税増税に伴う定期券等の先買いがあったことなどにより、前連結会計年度の1兆680億円から150億円増加し、1兆830億円となりました。営業利益につきましては、当社の不動産賃貸業において、「武蔵小杉東急スクエア」の開業に伴う賃貸収入の増加や、「渋谷ヒカリエ」などの賃貸収入が堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度の557億円から64億円増加の621億円となりました。
営業外収益は、受取利息が減少したことなどにより、前連結会計年度の176億円から11億円減少し、164億円となりました。営業外費用は、支払利息が減少したことなどにより、前連結会計年度の170億円から10億円減少し、159億円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度の562億円から63億円増加の626億円となりました。
特別利益は、持分変動利益を計上したことや、固定資産売却益が増加したことなどにより、前連結会計年度の132億円から178億円増加し、311億円となりました。特別損失は、減損損失が減少したことなどにより、前連結会計年度の203億円から48億円減少し、154億円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の491億円から291億円増加の783億円となり、当期純利益は、前連結会計年度の430億円から134億円増加し、564億円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、当社の土地の増加などにより、前連結会計年度末の1兆9,644億円から573億円増加し、2兆217億円となりました。
負債は、有利子負債(※)が減少したものの、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末の1兆4,649億円から191億円増加し、1兆4,840億円となりました。
純資産は、退職給付に係る調整累計額を計上したものの、当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末の4,995億円から381億円増加し、5,377億円となりました。
この結果、自己資本比率は25.3%となり、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント上昇いたしました。また、1株当たり純資産額は407.08円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,567億円の収入となりました。主に税金等調整前当期純利益が増加したことや、仕入債務の支払額が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ341億円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,061億円の支出となりました。主に貸付金の回収による収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ153億円の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、223億円の支出となりました。主に借入金の返済による支出が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ156億円の支出減となりました。
営業活動によって獲得された1,567億円のキャッシュは、主に設備投資として投資活動に振り向けられるとともに有利子負債(※)の削減のため財務活動に振り向けられました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は547億円となり、前連結会計年度末に比べて283億円増加いたしました。
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計