第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績の概況

以下の業績の概況は、「第1[企業の概況]1[主要な経営指標等の推移]」および「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]」の部とあわせてご覧ください。また、以下の内容には、一部、将来に対する予測が含まれており、その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれています。野村の実際の経営成績はここに記載されている将来に対する予測と大きく異なる可能性があります。

 

事業環境

 

日本

  日本経済は、年度を通して景気の回復を享受しました。景気を牽引したのが、「アベノミクスの3本の矢」と呼ばれる、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、による政策効果です。特に、新体制の下での日本銀行が4月に導入した「量的・質的金融緩和」によって円安と株高が進行した結果、民間消費が上向く一方で、輸出企業の収益は大きく改善しました。また、12年度補正予算による景気刺激策も公共投資の大幅な増加につながり、経済成長を支えました。他方、2014年4月から実施された消費税率の引き上げに先立って駆け込み需要が発生した結果、2014年1-3月期には民間消費が加速しました。こうした結果、2014年3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、2.3%を記録しました。

 

企業業績は、「アベノミクス」による円高修正、海外景気の回復、消費増税を控えた駆け込み需要を受け、2013年度に全ての業種で経常利益は増益もしくは黒字転換となった模様です。増益寄与が大きかったのは自動車や電機・精密など他の業種と比較して為替感応度が大きい業種と、リフレ的環境の恩恵が大きい金融でした。5月12日集計時点の2014年3月期の主要企業(Russell/Nomura Large Cap)の推定経常利益は前期比35%の増益となり、2013年3月期の同13%増益から増益率が高まりました。

 

株式市場は、上述の「量的・質的金融緩和」を受けて株価は大幅上昇した後、2013年6月に発表された成長戦略などを機に株価は調整したものの、円高修正トレンドが継続したことから12月まで上昇傾向が継続しました。しかし、2014年に入ると消費増税による国内景気の減速懸念、日銀による追加金融緩和期待の後退、大寒波による米景気の減速懸念、ウクライナでの地政学リスクの高まりなどを受けて、株式市場は軟調な展開となりました。代表的な株価指数である東証株価指数(以下「TOPIX」)は、2013年3月末の1,034.71ポイントから、2014年3月末には1,202.89ポイントと16.3%上昇しました。一方、日経平均株価は2013年3月末の12,397.91円から2014年3月末には14,827.83円と19.6%上昇しました。

 

新発10年国債利回りは、年度初めに大きく上昇したものの、その後は低下傾向となりました。2013年度に入り0.5%台半ばで始まった新発10年国債利回りは、2013年4月4日に日本銀行が打ち出した「量的・質的金融緩和」が市場予想を大きく上回るものであったため、その公表直後こそ0.3%近くまで低下したものの、その後は日銀緩和の出口を見越して国債を売却する投資家が相次ぎ、需給不安からボラティリティが上昇しました。5月には米連邦準備制度理事会(以下「FRB」)の量的金融緩和第3弾(以下「QE3」)の縮小観測と相俟って、新発10年国債利回りは一時1.0%を付けました。年度半ばにかけては、上記緩和措置による日銀オペの効果が浸透する中で金利は一転じわじわと下がり始め、9月の米QE3縮小延期を経て0.60%付近まで低下しました。12月にQE3縮小開始が発表されると一旦金利は上昇したものの、0.7%台までにとどまりました。2014年1月以降は、寒波による米国景気指標の下振れやウクライナ情勢の不安定化によりグローバルにリスク回避の動きとなり、3月末時点の新発10年国債利回りは再び0.6%台前半となりました。

 

外国為替市場では、円相場が対米ドルでは米経済動向に、対ユーロではユーロ圏の資金動向に影響を受けました。2013年3月末の円の対米ドル、対ユーロはそれぞれ94円台、120円台でした。年度初めより、日銀の「量的・質的金融緩和」や「アベノミクス」への期待から対米ドル・対ユーロ共に円安が進みました。しかし、5月以降、FRBの量的緩和が縮小するとの観測が新興国市場の混乱につながると、市場センチメントが悪化しました。「アベノミクス」への期待も後退しました。9月には政府閉鎖など米財政問題も発生した結果、対米ドルでは6月から11月前半まで100円を下回る局面が長引きました。一方、対ユーロでは、欧州景気が最悪期を脱したことや過剰流動性の縮小に伴う短期金利上昇が緩やかなユーロ高に資する形となり、10月末には135円台となりました。年末にかけて円相場は、対米ドルでは米景気の加速が再確認されたこと、対ユーロでは株式を中心とした旺盛な資金流入や欧州中央銀行の緩和姿勢の弱さ、を背景に円安が進みました。2014年1月以降は、米景気が大寒波の影響で急減速し、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まる中、円相場は対米ドル・対ユーロ共に横這い圏での推移が続きました。2014年3月末における円の対米ドルは103円台、対ユーロは142円台となりました。

 

海外

 

グローバル経済は減速傾向を強めました。特に、米国景気が財政問題の悪影響から力強さに欠ける展開となった点が、先進国経済全体の減速につながりました。一方、米国のQE3による資産買入れプログラムが縮小されるのではないかという観測が金融市場で強まるとともに、一部新興国から一時的に資金が海外に流出しました。これが、新興国における金融引締めの発動をもたらしたことから、新興国の経済成長にマイナスに寄与しました。もっとも、年度後半には、新興国金融市場は徐々に落ち着きを取り戻し、景気も安定に向かいました。

 

米国では、FRBによるQE3の継続等によって住宅価格や株価が上昇し、資産効果を通じて民間消費にプラスの効果をもたらしました。しかし、2013年に連邦政府の緊縮財政が強化されたことや、2013年10月の連邦政府の一時的閉鎖に代表されるような、財政審議にまつわる不透明感などが成長を押し下げました。この結果、米国の実質GDP成長率は2012年の前年比2.8%に対し、2013年には同1.9%に悪化しました。2014年1-3月期についても、寒波や在庫調整の悪影響を強く受ける形で実質GDP成長率は前期比年率ベースで0.1%に低迷しました。米国株式市場は、QE3縮小懸念から2013年の夏場に調整する局面がありましたが、年末に向けて上昇基調を辿りました。2014年に入るとQE3縮小が始まり、米国株式市場は一進一退の推移となりました。ダウ工業平均株価は2013年3月末の14,578.54ドルから2014年3月末には16,457.66ドルと12.9%上昇しました。米国財務省証券10年利回りは、2013年3月末には1.9%程度でしたが、QE3縮小観測が台頭した5月以降、上昇基調となり12月には一時3%を超えましたが、2014年に入ると金利上昇が一服し、3月末には2.7%程度となりました。

 

欧州経済は、ユーロ圏の実質GDP成長率が2012年の前年比△0.6%に続いて2013年も同△0.4%とマイナス成長を記録しました。イタリアやフランスなど一部の国々では、構造問題の存在が景気の足を引っ張る状況が続きました。もっとも、欧州中央銀行のプログラムなどによって金融市場の流動性不安が後退するなかで、2013年夏ごろからはユーロ圏の多くの国々において景気が循環的に底打ちする動きが目立ってきました。ドイツの代表的な株価指数(以下「DAX」)は、日米の株価とほぼ同様な値動きでしたが、景気底打ちが追い風となり、2014年3月末までの1年間で約23%上昇しました。

 

アジア経済は全体として緩やかな減速局面に入りました。このうち、中国経済については、2013年の実質GDP成長率は7.7%と、2012年並みの水準を記録しました。2013年3月に就任した習近平国家主席の下で、経済成長パターンを投資主導から消費主導へと転換させる試みが続いており、その姿勢は同年11月に開催された三中全会でも強調されました。大規模な財政刺激政策が実施されない状況下で、2014年1-3月期には不動産・インフラ関連投資の減速により実質GDP成長率が前年同期比で7.4%へとやや減速しました。一方、米国景気の減速を受けて東南アジアやインドでは2013年後半より景気減速感が強まりました。米国QE3の縮小による悪影響が顕在化したインドネシアやインドなどの国々では、金融引締め政策の採用による投資の減速も景気にマイナス効果をもたらしました。

 

エグゼクティブ・サマリー

 

当期の世界経済を振り返ると、米国においては、家計のバランスシート調整が概ね終了し、民間消費を中心に景気回復が見られました。欧州でも、一部の国においては構造調整を要するものの、一時期の最悪期は脱し、先進国経済は、総じて堅調に推移いたしました。一方で、中国においてはシャドー・バンキングに対する規制強化のほか、労働市場の逼迫や地方政府による公共投資の減少などもあり成長率が鈍化したこと、また昨年後半に生じたウクライナ問題など、新興国を中心に先行きが不透明な要素も生じております。
 

 このような中、日本経済は、「アベノミクス」により、為替が円安に推移し、これによる企業業績の好転から株式市場は大きく上昇しました。さらに昨年9月には2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定もあり、企業や消費者の心理を通じて、実体経済にもプラス効果が波及し、民間消費の改善など、景気は回復基調を辿っております。これらの動きを受けて、東証株価指数(TOPIX)は、期初の1,000ポイントから、5月には1,276ポイントまで上昇しました。夏場には一時停滞する局面もありましたが、年末から年初にかけて1,306ポイントまで回復し、1,202ポイントで当期末を迎えました。また、円ドル相場は、期初の1ドル93円台から円安が進み、2013年12月末には105円台となった後、2014年3月末には103円台となっています。


  また、金融規制に関しては、バーゼルⅢ(金融機関に対する自己資本等に関する規制)の導入がわが国においても開始されるなど、国内外の金融機関に対する監督強化のための広範囲な規制改革が段階的に実施されており、今後も引き続き注意深く対応することが必要となっております。
 

このような環境下、当社では、「すべてはお客様のために」という基本観のもと、お客様にとって付加価値の高い商品・サービスを提供できるよう努め、地域間、ビジネス間での連携強化を図り、収益の拡大に向けて取り組んでまいりました。その結果、当期の収益合計(金融費用控除後)は、野村不動産ホールディングス株式会社が連結子会社となっていた前期と比較して14.1%減の1兆5,571億円、金融費用以外の費用は同24.1%減の1兆1,955億円となりました。税引前当期純利益は3,616億円、当社株主に帰属する当期純利益は2,136億円となり、米国会計基準の適用を開始した2002年3月期以降、2006年3月期に次ぐ高水準となりました。株主資本利益率(ROE)は前期の4.9%から4ポイント改善し、8.9%となりました。また、当期のEPS(注)は55.8円となっております。なお、2014年3月末を基準日とする配当金は、1株当たり9円とし、年間での配当は1株につき17円といたしました。(注)希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益

 

2014年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、主として、株式委託手数料の増加により、前期比28.6%増の5,119億円となりました。また、金融費用以外の費用は同7.6%増の3,199億円、税引前当期純利益は同90.8%増の1,920億円となりました。お客様から信頼いただける証券会社を目指し、お客様一人ひとりの運用ニーズに的確にお応えするため、コンサルティングを中心とする営業活動を継続してまいりました。2014年からスタートした少額投資非課税制度(以下「NISA」)についても、制度開始前に約2,200回のセミナーを開催するなど、より多くのお客様にこの制度をご利用いただくための取組みを行ってまいりました。その結果、お客様からお預かりしている資産の残高は前期末の83.8兆円から91.7兆円に増加し、過去最高水準となりました。また、お客様の口座数も前期末比11.9万口座増の514万口座となり、営業基盤は着実に拡大しております。

 

2014年3月期のアセット・マネジメント部門の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高が増加したことなどにより、前期比16.7%増の805億円となりました。また、金融費用以外の費用は同11.7%増の534億円となりました。その結果、税引前当期純利益は同28.1%増の271億円となりました。投資信託ビジネスでは、株式投資信託を中心に資金が流入したことやマーケット環境の改善を受けて、運用資産残高が増加しました。特に、インフラ関連株式に着目したファンドや、日本株ファンドを中心とした商品が運用資産拡大に寄与しました。また、NISAについても、商品面での対応、セミナーの開催やWebコンテンツの拡充等を通じて、制度の普及促進に向け注力してまいりました。投資顧問ビジネスでは、日本株や海外債券を中心に海外顧客からの運用の受託が増加しました。その結果、2014年3月末の運用資産残高は前期末比2.9兆円増の30.8兆円となりました。

 

2014年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、前期から18.6%増加し、7,651億円となりました。第1四半期は前期から引き続き市場が活況を呈し、日本が収益を牽引しました。第2四半期以降では日本の収益は相対的に低下したものの、海外地域の収益が貢献し、結果として、ホールセール部門全体で、前期比で増収となりました。また、金融費用以外の費用は、主として円安の影響を受け、同14.0%増の6,533億円となりましたが、これまでの損益分岐点の引下げ努力が奏功し、費用の増加幅を抑制することができました。その結果、税引前当期純利益は同56.0%増の1,118億円となりました。

 

 

経営成績

 

損益概況

 

野村の主要な連結損益計算書情報は以下のとおりであります。

 

 

2012年3月期 (百万円)

2013年3月期 (百万円)

2014年3月期 (百万円)

金融収益以外の収益:

 

 

 

委託・投信募集手数料

347,135

359,069

474,557

投資銀行業務手数料

59,638

62,353

91,301

アセットマネジメント業務手数料

144,251

141,029

167,247

トレーディング損益

272,557

367,979

476,356

プライベート・エクイティ投資関連損益

25,098

8,053

11,392

投資持分証券関連損益

4,005

38,686

15,156

その他

563,186

708,767

179,485

金融収益以外の収益合計

1,415,870

1,685,936

1,415,494

純金融収益

119,989

127,695

141,576

収益合計(金融費用控除後)

1,535,859

1,813,631

1,557,070

金融費用以外の費用

1,450,902

1,575,901

1,195,456

税引前当期純利益

84,957

237,730

361,614

法人所得税等

58,903

132,039

145,165

当期純利益

26,054

105,691

216,449

差引:非支配持分に帰属する当期純利益(損失)

14,471

△ 1,543

2,858

当社株主に帰属する当期純利益

11,583

107,234

213,591

自己資本利益率(ROE)

0.6%

4.9%

8.9%

 

 

2014年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2013年3月期の1兆8,136億円から14%減少し、1兆5,571億円となりました。海外地域における円安による為替の影響からの増加があった一方で、野村土地建物株式会社(以下「野村土地建物」)の子会社であった野村不動産ホールディングス株式会社(以下「野村不動産」)の持分法会社化が大きく影響し、対前年で減少となりました。委託・投信募集手数料は、特に日本地域における株式募集買付額の増加により株式関連委託手数料が増えたことなどから前期比32%増加し3,591億円から4,746億円となりました。投資銀行業務手数料は、株式市場の好調を受けた資金調達の活発化を背景に株式引受・売出手数料が増加したことなどから前期比46%増加し、624億円から913億円になりました。アセットマネジメント業務手数料は、資金流入による運用資産残高の拡大などから前期比19%増加し1,410億円から1,672億円になりました。トレーディング損益は、主にグローバル・マーケッツでの株式関連ビジネスからの収益が牽引し前期比30%増加し3,680億円から4,764億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債および公正価値オプションを適用した金融負債に対して認識する自社クレジットの変化による損失額156億円が含まれております。この損失は主にクレジット・スプレッドの縮小に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、主に投資先である足利ホールディングス株式会社の当期における東京証券取引上場による保有株式の評価益などから前期比42%増加し81億円から114億円になりました。その他は、野村不動産の持分法会社化により前期比75%減少し7,088億円から1,795億円になりました。なお、前期のその他に含まれていた野村土地建物およびその連結子会社からの収益は6,635億円でした。

 

2013年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2012年3月期の1兆5,359億円から18%増加し、1兆8,136億円となりました。委託・投信募集手数料は、おもに投資信託の募集・売出に関わる手数料が増えたことから前期比3%増加しました。投資銀行業務手数料は、おもに株式関連の引受・売出手数料が増えたことなどから前期比5%増加しました。アセットマネジメント業務手数料は、前期比2%減少しました。トレーディング損益は、特にグローバル・マーケッツにおけるフィクスト・インカムでのトレーディング収益が増えたことにより前期比35%増加し、3,680億円となりました。またトレーディング損益には、デリバティブ負債および公正価値オプションを適用した金融負債に対して認識する自社クレジットの変化による損失額578億円が含まれております。この損失は主にクレジット・スプレッドの縮小に起因するものであります。プライベート・エクイティ投資関連損益は、前期の自己資金投資先企業の株式譲渡益が影響し前期比68%の減少となりました。その他は、野村土地建物およびその連結子会社からの収益6,635億円を含む7,088億円となりました。このうち、3,369億円は、野村土地建物の子会社であった野村不動産での不動産販売収入になります。この収益は、不動産の引渡しが完了し、買手の初期投資および継続投資額が不動産代金の全額を支払う確約を示すのに十分であり、野村が実質的に対象不動産に関与しなくなった時に認識されております。また、2013年3月に連結子会社としていた野村不動産の保有株式の一部を売却したことに伴い、残存株式の時価評価損益385億円を含む501億円の利益を認識、その他で計上しております。この売却により当社は支配財務持分を持たなくなったため、野村不動産は連結子会社から持分法適用会社となりました。

 

2012年3月期、2013年3月期および2014年3月期の純金融収益は、それぞれ1,200億円、1,277億円、1,416億円でした。純金融収益は、トレーディング資産およびレポ・リバースレポ取引を含む総資産・負債の水準と構成、ならびに、金利の期間構造とボラティリティに左右されます。純金融収益は、トレーディング業務と不可分な一つの要素であり、野村は、特にグローバル・マーケッツについて、純金融収益と金融収益以外の収益との合計額で、ビジネス全体の収益性を評価しております。2014年3月期においては、主に配当収入とリバース・レポにおける金利収入が増加し金融収益が前期比6%増加した一方、主にレポにおける金利費用の増加から金融費用は前期比3%増加、その結果、2014年3月期の純金融収益は2013年3月期から139億円増加しました。2013年3月期においては、主に欧州での配当収入やリバースレポ取引での金利収入減少により金融収益が前期比10%減少した一方、主に欧州でのレポ取引やローンにおける金利費用減少等により金融費用は前期比16%減少しました。その結果、2013年3月期の純金融収益は2012年3月期から77億円増加しました。

 

野村は、投資持分証券関連損益として、2012年3月期、2013年3月期、および2014年3月期に、それぞれ40億円、387億円、152億円を計上しています。この項目は、野村が営業目的で保有する株式等の評価損益と売買損益が含まれます。これらの投資は、取引促進の目的で長期保有する関連会社以外の投資持分証券です。

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、2013年3月期の1兆5,759億円から24%減少し1兆1,955億円となりました。海外地域における円安による為替の影響に伴う増加があった一方で、2013年3月の野村不動産持分法会社化により、その他費用が2013年3月期の6,165億円より67%減少し2,028億円になったことから対前年で減少となりました。なお、2013年3月期のその他費用には野村土地建物及びその連結子会社からの費用が4,816億円含まれておりました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、2012年3月期の1兆4,509億円から9%増加し1兆5,759億円となりました。この増加は主に、野村土地建物の連結対象期間が2012年3月期の10か月から2013年3月期に12か月に伸びた結果、その他費用が前期の4,962億円から24%増加し、6,165億円になったことによります。その他費用に含まれている野村土地建物及びその連結子会社からの費用4,816億円のうち、3,066億円が野村不動産での不動産販売収入に対応する不動産販売原価でした。

 

税引前当期純利益は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ850億円、2,377億円、3,616億円となりました。

 

 

野村は、日本においてさまざまな税金を課されており、日本の税法に基づき連結納税制度を適用しております。この連結納税制度は、国税だけを対象としたものであり、2004年4月1日以降、国内の法定実効税率は約41%となっておりましたが、税制改正により国内の法定実効税率は、2012年4月1日以降2014年3月31日までの間は38%、2014年4月1日以降は36%となっております。海外子会社は現地で課税を受けており、通常国内より低い税率が適用されています。そのため野村の各期の実効税率は、各地域での損益状況や、各地域で適用される特有の税務上の取り扱いにも影響を受けています。

 

2014年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は、1,452億円、実効税率は40.1%となりました。この実効税率40.1%と法定実効税率38%の差異の重要な要因は、損金に算入されない費用項目により7.7%、海外子会社の所得(欠損金)に適用される税率差異により6.3%実効税率が引き上げられた一方で、評価性引当金の増減により9.8%実効税率が引き下げられたことがあげられます。

 

2013年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は、1,320億円、実効税率は55.5%となりました。この実効税率55.5%と法定実効税率38%の差異の重要な要因は、損金に算入されない費用項目により12.8%、海外子会社の所得(欠損金)に適用される税率差異により10.0%実効税率が引き上げられた一方で、益金に算入されない収益項目により9.3%実効税率が引き下げられたことがあげられます。

 

2012年3月期の税引前当期純利益に対する法人所得税等は、589億円、実効税率は69.3%となりました。この実効税率69.3%と法定実効税率41%の差異の重要な要因は、国内の税制改正の影響により45.7%、損金に算入されない費用項目により23.3%、海外子会社の所得(欠損金)に適用される税率差異により14.1%実効税率が引き上げられた一方で、益金に算入されない収益項目により29.7%、評価性引当金の増減により22.5%実効税率が引き下げられたことがあげられます。

 

当社株主に帰属する当期純利益は2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ116億円、1,072億円、2,136億円となりました。自己資本純利益率(ROE)は、それぞれ0.6%、4.9%、8.9%となりました。

 

事業セグメント別経営成績

 

野村の業務運営および経営成績の報告は、営業部門、アセット・マネジメント部門、ホールセール部門の区分で行われており、この部門体制に基づき、事業別セグメント情報を開示しております。投資有価証券の利益(損失)、関連会社利益(損失)の持分額、本社勘定、その他財務調整項目等は、事業セグメント別情報においては、“その他”として表示されています。営業目的で保有する投資持分証券評価損益は、セグメント情報には含まれておりません。なお、事業セグメント別経営成績については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]24  セグメントおよび地域別情報」にも記載がございます。また、そこでは、連結財務諸表数値と事業セグメント別数値の調整計算についても説明がありますのでご参照ください。

 

営業部門

 

野村の営業部門は、お客様へのコンサルティングとそれに基づく運用提案を中心とする営業活動を継続して行っており、その過程の中で手数料等を受け取っております。また、投資信託の運用会社からは野村が販売した投資信託の代行報酬を、保険会社からは野村が代理店として販売した保険の代理店手数料を受け取っております。

 

 

営業部門の経営成績

 

 

(単位:百万円)

 

2012年3月期

 

2013年3月期

 

2014年3月期

金融収益以外の収益

347,385

 

394,294

 

505,911

純金融収益

2,873

 

3,631

 

6,005

収益合計(金融費用控除後)

350,258

 

397,925

 

511,916

金融費用以外の費用

287,128

 

297,297

 

319,915

税引前当期純利益

63,130

 

100,628

 

192,001

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、主に株式委託手数料や投信募集手数料の増加などから2013年3月期の3,979億円から29%増加し、5,119億円となりました。

 

2013年3月期の営業部門の収益合計(金融費用控除後)は、主に投信募集手数料や株式委託手数料の増加などから2012年3月期の3,503億円から14%増加し、3,979億円となりました。

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、人件費の増加やNISA関連費用等から2013年3月期の2,973億円から8%増加し、3,199億円となりました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、人件費やシステム費用の増加等から2012年3月期の2,871億円から4%増加し、2,973億円となりました。

 

税引前当期純利益は2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ631億円、1,006億円、1,920億円となりました。

 

 

下のグラフは、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期の商品別の金融収益以外の収益構成比を示しています。

 


    

 

上記のとおり、2014年3月期は、株式関連の収益構成比が2013年3月期の20%から37%に増加しました。一方、投資信託関連とアセットマネジメント関連の収益構成比は54%から44%に、債券関連の収益構成比は24%から17%にそれぞれ減少しました。また、保険の代理店手数料の収益構成比は2%となりました。

 

 

営業部門顧客資産残高

 

下のグラフは、2012年3月末、2013年3月末、2014年3月末の営業部門顧客資産残高と、その内訳を示しています。なお、営業部門顧客資産残高は、顧客からの預かり資産と保険契約資産残高からなります。

 

 


 

 

2014年3月末の営業部門顧客資産残高は、株式関連資産が2013年3月末の46.7兆円から53.2兆円と大きく増加しました。その他のプロダクトも順調に推移し、資産残高全体では、2013年3月末の83.8兆円から7.9兆円増加し、91.7兆円となりました。2014年3月末の投資信託残高は、2013年3月末の15.5兆円から8%増加し、16.6兆円となりました。こちらは主に資金流入によるものです。

 

2013年3月末の営業部門顧客資産残高は、株式関連資産が2012年3月末の37.2兆円から9.5兆円と大きく増加し、46.7兆になりました。その他のプロダクトも順調に推移し、資産残高全体では、2012年3月末の72.0兆円から11.8兆円増加し、83.8兆円となりました。2013年3月末の投資信託残高は、2012年3月末の13.5兆円から15%増加し、15.5兆円となりました。こちらは1.0兆円の資金流入と1.0兆円の運用増によるものです。

 

 

 

アセット・マネジメント部門

 

アセット・マネジメント部門は、野村アセットマネジメントを中心に、野村證券を含む証券会社や銀行、ゆうちょ銀行・郵便局を通じて販売される投資信託の開発・運用や、内外の年金その他の法人顧客に対する投資顧問業を行い、投資信託の運用報酬や投資顧問報酬を受け取っています。

 

アセット・マネジメント部門の経営成績

 

 

(単位:百万円)

 

2012年3月期

 

2013年3月期

 

2014年3月期

金融収益以外の収益

63,022

 

66,489

 

77,354

純金融収益

2,778

 

2,448

 

3,126

収益合計(金融費用控除後)

65,800

 

68,937

 

80,480

金融費用以外の費用

45,281

 

47,768

 

53,373

税引前当期純利益

20,519

 

21,169

 

27,107

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2014年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大により、2013年3月期の689億円から17%増加し、805億円となりました。

 

2013年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、運用資産残高の拡大により、2012年3月期の658億円から5%増加し、689億円となりました。

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、円安に伴う海外拠点の円建て費用の増加や、保有資産の評価見直しによる一時費用などから2013年3月期の478億円から12%増加し534億円となりました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、保有資産の評価見直しによる一時費用などから2012年3月期の453億円から5%増加し478億円となりました。

 

税引前当期純利益は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ205億円、212億円、271億円となりました。

 

 

下の表は、2012年、2013年、2014年それぞれの3月末時点の、アセット・マネジメント部門の運用会社別の運用資産残高を示しています。

 

 

(単位:十億円)

 

2012年3月31日

 

2013年3月31日

 

2014年3月31日

野村アセットマネジメント

26,994

 

30,685

 

33,843

野村ファンド・リサーチ・アンド・  テクノロジー

2,810

 

2,920

 

2,553

ノムラ・コーポレート・リサーチ・  アンド・アセット・マネジメント

1,504

 

1,821

 

1,629

野村プライベート・エクイティ・キャピタル

579

 

664

 

164

単純合計

31,887

 

36,090

 

38,189

グループ運用会社間の重複資産

△ 7,324

 

△ 8,190

 

△ 7,362

合計

24,563

 

27,900

 

30,827

 

 

 

 

 

 

 

 (注)2012年4月に野村アセットマネジメントがノムラ・アセット・マネジメント・Deutschland KAG mbHを、また、2013年1月に野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジーがノムラ・ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジーズ・アメリカを子会社化したことに伴い、各々の資産残高を過去に遡り合算して記載しております。

 

アセット・マネジメント部門の運用資産は、2014年3月末で30.8兆円で、2012年3月末比で6.3兆円の増加、2013年3月末比で2.9兆円の増加となりました。

 

投資信託ビジネスでは、日本株やインフラ関連株をはじめとした幅広い投資資産のファンドに資金が流入しました。投資顧問ビジネスでは、国内顧客で解約があった一方で海外顧客からの運用の受託が増加しました。2014年3月末において、野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は、マーケットの上昇と資金流入をうけて前期比13%、2.4兆円増加し20.3兆円となりました。その内訳は、1.7兆円の資金流入と0.7兆円の運用増によるものです。個別ファンドでは、「野村ドイチェ高配当インフラ関連株投信」、「野村通貨選択日本株投信」、「野村日本ブランド株」、「野村日本高配当株プレミアム」などの残高が増加しました。2013年3月末において、野村アセットマネジメントの運用資産残高に占める国内投資信託残高は、マーケットの上昇と資金流入をうけて前期比17%、2.6兆円増の17.9兆円となりました。その内訳は、1.1兆円の資金流入と1.5兆円の運用増によるものです。

 

下の表は、2012年、2013年、2014年それぞれの3月末時点の、野村アセットマネジメントの日本の投資信託市場におけるシェア(純資産残高ベース)を示しています。

 

 

2012年3月31日

 

2013年3月31日

 

2014年3月31日

公募投資信託合計

22%

 

22%

 

23%

株式型投資信託

17%

 

18%

 

19%

公社債型投資信託

44%

 

43%

 

42%

 

 

 

ホールセール部門

 

ホールセール部門の経営成績

 

ホールセール部門の経営成績はグローバル・マーケッツとインベストメント・バンキングにより構成されています。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2012年3月期(1)

 

2013年3月期

 

2014年3月期

金融収益以外の収益

428,738

 

491,773

 

637,987

純金融収益

126,311

 

153,083

 

127,110

収益合計(金融費用控除後)

555,049

 

644,856

 

765,097

金融費用以外の費用

592,701

 

573,199

 

653,299

税引前当期純利益(△損失)

△ 37,652

 

71,657

 

111,798

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)2012年4月の組織改正に伴い、ホールセール部門およびその他の報告数値を、当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。

 

2014年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2013年3月期の6,449億円から19%増加し、7,651億円となりました。株式市場が活況となったことからエクイティ収益が大幅に増加、フィクスト・インカムが好調な国内でのビジネスに加え海外フランチャイズの拡充により堅調に推移、加えてインベストメント・バンキングについても投資先である足利ホールディングスの東京証券取引所上場に伴う保有株式からの評価益が寄与し昨年度より収益は改善いたしました。

 

2013年3月期のホールセール部門の収益合計(金融費用控除後)は、2012年3月期の5,550億円から16%増加し、6,449億円となりました。フィクスト・インカムが国内での堅調な収益と海外フランチャイズの拡充により通年で収益を牽引、また株式市場が活況となったことから下期にはエクイティ収益も改善し、インベストメント・バンキングの収益悪化を一部相殺いたしました。

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、2013年3月期の5,732億円から14%増の6,533億円となりました。為替が円安になる中で海外拠点のコストが円建てで増加いたしました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、2012年3月期の5,927億円から3%減の5,732億円となりました。当連結会計年度第2四半期に開始した追加のコスト削減計画が順調に進捗し、全体で減少となりました。

 

税引前当期純利益(損失)は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ△377億円、717億円、1,118億円となりました。

 

 

グローバル・マーケッツ

 

野村は長年にわたって主に国内外の機関投資家を対象として、債券・株式や為替およびそれらの派生商品のセールスとトレーディングをグローバルに展開してきました。近年では、より多様化・複雑化するお客様からのご要望にお応えするため、トレーディング能力と商品組成能力の強化に取り組み、国内外の機関投資家のみならず、営業部門およびアセット・マネジメント部門にさまざまな高付加価値商品を提供すると同時に、インベストメント・バンキングとも協働し、付加価値の高いソリューションを提供しています。また、国内外の機関投資家に加えて、国内の富裕層・諸法人や地域金融機関、国内外の政府機関や金融機関・事業法人などと強固な関係を構築し、ビジネスを拡大しております。これにより、お客さまがどのような商品を求めているかを把握し、そのニーズに合わせた商品を国内外のプロダクトラインにおいて迅速に開発・提供することが可能となっております。

 

(単位:百万円)

 

2012年3月期(1)

 

2013年3月期

 

2014年3月期

収益合計(金融費用控除後)

455,756

 

560,429

 

649,706

金融費用以外の費用

470,360

 

459,715

 

540,386

税引前当期純利益(△損失)

 △ 14,604

 

100,714

 

109,320

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)2012年4月の組織改正に伴い、グローバル・マーケッツの報告数値を当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。

 

2014年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2013年3月期の5,604億円から16%増加し、6,497億円となりました。フィクスト・インカムの2014年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2013年3月期の3,877億円から3,982億円となりました。一年を通じて市場環境が変動する中、適切なリスク管理の下、安定的な顧客フローと高いリサーチ力が収益を牽引し、結果として増収を達成しました。商品別では、金利ビジネスが拡大しました。エクイティの2014年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2013年3月期の1,728億円から2,515億円となりました。特に日本において金融政策の効果等から株式市場が活況となり、日本株関連ビジネスでの収益が大幅に増加しました。なお、組織変更に伴い、過年度のフィクスト・インカムとエクイティの収益について組み替えて表示しております。

 

2013年3月期のグローバル・マーケッツの収益合計(金融費用控除後)は、2012年3月期の4,558億円から23%増加、5,604億円となりました。フィクスト・インカムの2013年3月期の収益合計(金融費用控除後)は、2012年3月期の2,745億円から3,877億円となりました。一年を通じて市場環境が変動する中、適切なリスク管理の下、安定的な顧客フローと高いリサーチ力が収益を牽引し、特に市場環境が安定化してきた下期において収益が増加し、結果として全地域での増収を達成しました。商品別では、金利ビジネスや証券化商品が大きく拡大しました。エクイティの2013年3月期の収益合計(金融費用控除後)は2012年3月期の1,812億円から1,728億円となりました。上期は市場の売買高が低迷したこと等から、顧客フロー関連の収入が低調でありましたが、下半期は日本における政権交代と日本銀行による金融政策の効果等から株式市場は活況となり、特に日本株関連ビジネスでの収益は大幅に増加しました。

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、追加のコスト削減が順調に進捗した一方、円安に伴う海外拠点の円建て費用の増加により、2013年3月期の4,597億円から18%増加し、5,404億円となりました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、同連結会計年度第2四半期より開始した追加のコスト削減計画が順調に進捗、2012年3月期の4,704億円から2%減少し、4,597億円となりました。

 

税引前当期純利益(損失)は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ△146億円、1,007億円、1,093億円となりました。

 

 

インベストメント・バンキング

 

野村は、引受、アドバイザリー等、多様なインベストメント・バンキング・サービスを提供しています。アジア、欧州、米国といった世界の主要な金融市場で、債券、株式、その他の引受業務を行っており、日本国内、クロスボーダーおよび海外のM&A/財務コンサルティング業務を継続的に強化してきました。また、グローバルでのオーダーメイド型サービス提供による、顧客との強固で長期的な関係を構築することを追求しております。

 

 

(単位:百万円)

 

2012年3月期(1)

 

2013年3月期

 

2014年3月期

インベストメント・バンキング(グロス)

141,678

 

143,001

 

184,288

 その他部門等へのアロケーション

△ 66,284

 

△ 70,990

 

△ 86,888

インベストメント・バンキング(ネット)

75,394

 

72,011

 

97,400

その他

23,899

 

12,416

 

17,991

収益合計(金融費用控除後)

99,293

 

84,427

 

115,391

金融費用以外の費用

122,341

 

113,484

 

112,913

税引前当期純利益(△損失)

△ 23,048

 

△ 29,057

 

2,478

 

 

 

 

 

 

 

 

(1)2012年4月の組織改正に伴い、インベストメント・バンキングの報告数値を当期の開示方法と整合させるために過去に遡り組み替えております。

 

2014年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、2013年3月期の844億円から37%増加し、1,154億円と増加しました。2014年3月期のインベストメント・バンキング(ネット)の収益は、当連結会計年度における株式を中心とする資金調達やM&Aの回復を受け、2013年3月期の720億円から974億円に増加しました。2014年3月期のその他の収益は、投資先である足利ホールディングス株式会社上場に伴う保有株式からの評価益が寄与し、124億円から180億円に増加しました。2014年3月期の国内において投資先企業の売却等により10億円の損失を計上した一方、投資先からの評価損益は120億円の利益を認識しました。また、テラ・ファーマ投資における売却による損益は重要な金額でなく、評価益は9億円となりました。

 

2013年3月期のインベストメント・バンキングの収益合計(金融費用控除後)は、2012年3月期の993億円から844億円と減少しました。2013年3月期のインベストメント・バンキング(ネット)は、特に上半期において引き続き株式を中心とする資金調達やM&Aの世界的な停滞が影響したことから、2012年3月期の754億円から720億円に減少しました。2013年3月期のその他は、2012年3月期における自己資金投資先企業の株式譲渡益が影響し239億円から124億円に減少しました。2013年3月期の国内における投資先企業などの売却益は4億円となり、評価損益は107億円の損失となりました。また、テラ・ファーマ投資の売却益は182億円となり、評価損益は6億円の損失となりました。売却益は主にアニントンの売却によるもので、評価損益は主にレジャー・サービス分野における評価損によるものです。2012年3月期の国内における投資先企業などの売却益は337億円となり、評価損益は123億円の損失となりました。また、テラ・ファーマ投資の売却益は5億円となり、評価益は48億円となりました。主に住宅用不動産投資・公益分野における投資案件において売却益および評価益を計上しましたが、レジャー・サービス分野における投資案件においては評価損を計上しました。

 

 

2014年3月期の金融費用以外の費用は、追加コスト削減計画が順調に進捗する一方で、円安に伴う海外拠点の円建て費用の増加により相殺され、2013年3月期の1,135億円から0.5%減少し1,129億円となりました。

 

2013年3月期の金融費用以外の費用は、同連結会計年度第2四半期に開始した追加のコスト削減計画が順調に進捗、2012年3月期の1,223億円から7%減少し1,135億円となりました。

 

税引前当期純利益(損失)は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ△230億円、△291億円、25億円となりました。

 

その他の経営成績

 

その他の経営成績には、経済的ヘッジ取引に関連する損益、営業目的で保有する投資持分証券の実現損益、関連会社損益の持分額、本社勘定、その他の財務調整が含まれております。詳細につきましては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]24 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。なお、2012年4月の組織改正に伴い、ホールセール部門およびその他の損益を組み替えた結果の数値を使用しております。

 

その他の経営成績は、2012年3月期、2013年3月期、2014年3月期、それぞれ352億円、66億円、200億円の税引前当期純利益となりました。

 

2014年3月期に生じた公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失92億円、デリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失66億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する利益74億円がその他の業績に含まれております。
 
 2013年3月期に生じた公正価値オプションを適用した金融負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失307億円、デリバティブ負債に対する自社クレジットの変化に起因する損失291億円、カウンターパーティー・クレジット・スプレッドの変化に起因する利益100億円がその他の業績に含まれております。
 

 

地域別経営成績

地域別の収益合計(金融費用控除後)、税引前当期純利益(損失)については「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]24 セグメントおよび地域別情報」をご参照ください。

 

キャッシュ・フロー

「第2[事業の状況] 6[財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (5)流動性資金調達の管理」をご参照ください。

 

(2) トレーディング業務の概要

トレーディング目的資産負債

トレーディング目的資産および負債の内訳については「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記] 2 公正価値測定および 3 デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。

 

 

トレーディングのリスク管理

野村はトレーディング業務における市場リスクの測定方法として、バリュー・アット・リスク(VaR)を採用しております。

(1) VaRの前提

・信頼水準:99%

・保有期間:1日

・商品の価格変動等を考慮

 

(2) VaRの実績

 

 

2013年3月31日
(億円)

2014年3月31日
(億円)

株式関連

13

13

金利関連

50

40

為替関連

19

28

  小計

82

81

  分散効果

△ 31

△ 29

バリュー・アット・リスク(VaR)

51

52

 

 

 

2014年3月期

最大値(億円)

最小値(億円)

平均値(億円)

バリュー・アット・リスク(VaR)

99

45

67

 

 

 

2 【対処すべき課題】

 

野村グループでは、社会からの信頼および株主・お客様をはじめとしたステークホルダーの満足度の向上を通じて、企業価値を高めることを経営目標として掲げております。企業価値の向上にあたっては、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定的な利益成長を達成するための経営指標として、1株当たり当期純利益(EPS)を重視し、その持続的な改善を図るものとしております。
 
 経営目標の達成に向けて、最重点課題として、全地域、全ビジネスにおける黒字化に取り組んでおります。当期は、海外拠点を中心にビジネスの選択と集中をさらに推し進め、かねてより取り組んでいた10億ドルのコスト削減を完了いたしました。引き続き、海外各拠点の収益力を強化し、グループとしての競争力を高めるための取組みを進めてまいります。
 
 金融規制等への対応も引き続き取り組んでまいります。当社は、昨年3月末からバーゼルⅢ(金融機関に対する自己資本等に関する規制)の適用を受けております。また、国内では金融機関の実効的な破綻処理制度を整備するために預金保険法が改正され、野村グループも危機対応措置の対象に含まれたことから預金保険機構による監督を受けることになりました。加えて、流動性規制に関して市場に与える影響など様々な議論が行われていることや、デリバティブなどの金融取引についても各国で新ルールの適用が始まるなど、グローバルな金融機関に対する規制が実行段階を迎えています。
 
 さらに、欧米では銀行改革と呼ばれる抜本的制度改正として、銀行の業務範囲を制限する規制の導入や大手金融機関に対する追加的な規制を課す動きも活発化しており、欧州では金融取引税も導入される方向となっています。こうした様々な規制強化の動きは、当社に直接影響を与える可能性があるほか、株式、債券、またそれらの派生商品等の取引市場とともに、金融機関の競争条件にも影響を与えるため、当社においても、注意深く対応を進めてまいります。
 
 各部門の課題、取組みは以下のとおりです。

 

[営業部門]

営業部門においては、お客様一人ひとりの悩みやニーズにお応えするため、営業店の窓口、インターネット、コールセンターなどを通して提供するサービスメニューの拡充を図ってまいります。コンサルティング営業を推し進め、お客様のライフプラン、ライフステージに沿った質の高いサービスを提供していくことで、野村グループが、引き続きお客様の信頼できるパートナーであり続けることができるように取り組んでまいります。

 

[アセット・マネジメント部門]

投資信託ビジネスにおいては、投資家の幅広い投資ニーズに応える商品ラインナップの拡充を図り、投資顧問ビジネスにおいては、内外の機関投資家へ付加価値の高い運用サービスを提供することにより、顧客基盤の拡大と運用資産の増加を図ってまいります。アジアに本拠を持ち、幅広い商品・サービスの提供力を有する特色ある運用会社として、運用パフォーマンスの向上に努め、世界の投資家から厚く信頼される存在を目指してまいります。

 

[ホールセール部門]

グローバル・マーケッツにおいては、野村グループのトレーディング力、リサーチ力や販売力などを活用して、お客様への付加価値の高い商品やソリューションの提供に取り組んでおります。また、フィクスト・インカムとエクイティの商品の枠を超えた、総合的なサービス向上を進めております。

 

 

一方、インベストメント・バンキングにおいては、お客様のビジネス活動のグローバル化が進む中、クロスボーダーM&Aや国内外の市場での資金調達、またそれらの取引に付随するソリューション・ビジネスについてもグローバルな体制整備を一段と進めてまいります。

 

ホールセール部門では、お客様のニーズにお応えするために、これら複数のビジネスおよび地域をまたいだ連携が一層重要になっています。特に、中長期的な経済成長が見込め、また当社が地理的にも優位性を持つアジア地域において、今後の成長のためにグループの総合力を発揮するよう努めてまいります。

 

[リスクマネジメント、コンプライアンスなど]

リスクマネジメントについては、グローバルなビジネスが拡大する中、財務の健全性の確保や企業価値の向上に向け、引き続き管理体制の一層の強化と効率化が必要となっております。経営トップ自らがリスクマネジメントに積極的に関与し、的確な判断を下すリスク管理体制の拡充に努めてまいります。

 

コンプライアンスについては、当社がビジネスを展開している各国の法令および規則を遵守するための管理体制の改善に向け、引き続き注力してまいります。加えて、単に法令および規則の遵守にとどまらず、野村グループに対する社会およびお客様からの信頼に応え、金融・資本市場の一層の発展に資するべく、役職員全員がより高い倫理観を持って業務に取り組めるよう社内の制度やルールの見直しを継続的に実施し、実効性をさらに高めてまいります。

 

当社子会社である野村證券株式会社における、2012年の一連の公募増資にかかる課徴金勧告事案については、同年6月29日に公表した改善策をすべて実施しております。改善策を定着させ有効に機能させることにより、再発防止および信頼回復に努めてまいりました。今後も、役員および社員一人ひとりが、資本市場に携わるプロフェッショナルとしての職業倫理観を持ち、顧客への情報伝達や取引推奨における不正防止はもとより、内部管理態勢の一層の強化および充実に取り組んでまいります。
 
 また、高度化したリスク管理の実効性およびガバナンスの有効性を高めるため、インターナル・オーディット(内部監査)の体制の整備を行っております。業務執行からの独立性を高め、内部統制システムがより一層有効に機能するよう強化するとともに、企業行動の適正化を推し進めてまいります。

 

以上の取組みを通じて、当社では、グループ全体の収益力の強化を通じて経営目標の達成と企業価値の極大化を図ってまいります。3部門および地域間の連携を推し進め、アジアに立脚したグローバル金融サービス・グループとして、金融・資本市場の安定とさらなる拡大および発展に尽力してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

投資判断をされる前に以下に述べるリスクについて十分にご検討ください。以下に述べるリスクのいずれかが実際に生じた場合、野村のビジネスや財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。その場合、野村の株式の市場価格が下落し、投資家の皆さまが投資額の全部または一部を失う可能性があります。また、以下に述べられたリスク以外にも、現時点では確認できていない追加的なリスクや現在は重要でないと考えられているリスクも野村に影響を与え、皆さまの投資に影響を与える可能性があります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本有価証券報告書提出日(2014年6月26日)現在において判断したものです。

 

 

野村のビジネスは日本経済および世界経済の情勢および金融市場の動向により重大な影響を受ける可能性があります

2008年のリーマンショックに端を発した世界的金融危機により、グローバルな証券市場のみならずその参加者である金融サービス業界は影響を受け、日本を含む先進国を中心とする経済活動全体にもその影響は及びました。2011年の米国における財政問題や、ギリシャをはじめとするユーロ圏の周縁国における財政問題等は、世界の主要な金融市場に対し大きな影響を与えました。また2013年には、中国における金融引締め政策の実施や、米国における量的緩和政策の縮小等があり、これらの影響を受け、世界経済はなお不透明な状況にあります。
 野村のビジネスや収益は、このような日本経済および世界経済の情勢および金融市場の動向により影響を受ける可能性があります。
 また後述のように、各国の経済情勢や金融市場の動向は、経済的要因だけではなく、戦争、テロ行為、経済・政治制裁、世界的流行病、地政学的リスクの見通しまたは実際に発生した地政学的イベント、あるいは自然災害などによっても影響を受ける可能性があります。
 仮に、このような事象が生じた場合、金融市場や経済の低迷が長期化し、野村のビジネスに影響が及ぶとともに、大きな損失が発生する可能性があります。また、金融市場や経済の低迷が長期化しない場合でも、市場のボラティリティの変化、野村がビジネスを行う国・地域における政府・金融当局による財政および金融政策(例として日本銀行による金融政策)についての変更など、環境の変化が野村のビジネス、財政状態または経営成績に影響を与える可能性があります。
 なお、野村のビジネス・業務運営に影響を与える金融市場や経済情勢に関するリスクには以下のものが含まれます。

 

野村の仲介手数料やアセット・マネジメント業務からの収入が減少する可能性があります

金融市場や経済情勢が低迷すると、野村が顧客のために仲介する証券取引の取扱高が減少するため、仲介業務にかかる収入が減少する可能性があります。また、アセット・マネジメント業務については、多くの場合、野村は顧客のポートフォリオを管理することで手数料を得ており、その手数料額はポートフォリオの価値に基づいています。したがって、市場の低迷によって、顧客のポートフォリオの価値が下がり、解約等の増加や新規投資の減少が生じることによって、野村がアセット・マネジメント業務から得ている収入も減少する可能性があります。

 

 

野村の投資銀行業務からの収入が減少する可能性があります

金融市場や経済情勢の変動によって、野村の行う引受業務や財務アドバイザリー業務などの投資銀行業務における案件の数や規模が変化する可能性があります。これらの業務の手数料をはじめとして、投資銀行業務からの収入は、野村が取り扱う案件の数や規模により直接影響を受けるため、野村の投資銀行業務および当該業務における顧客等に好ましくない形で経済または市場が変動した場合には、これらの収入が減少する可能性があります。例えば、2011年には欧州の財政危機の深刻化および長期化により資金調達活動が低下したことを一因として、野村の2012年3月期および2013年3月期のインベストメント・バンキング収益合計(金融費用控除後)は前年比でそれぞれ15.9%減および15.0%減となりました。

 

野村の電子取引業務からの収入が減少する可能性があります

電子取引システムは、野村のビジネスにとって、少ないリソースで効率的に迅速な取引を執行するために必要不可欠なシステムです。これらのシステムを利用することにより、取引所またはその他の電子取引市場を介して効率的な執行プラットフォームおよびオンライン・コンテンツやツールを顧客に提供することが可能となります。取引手数料やスプレッド等を含むこれらの電子取引業務からの収入は、野村が取り扱う案件の数や規模により直接影響を受けるため、金融市場や経済情勢が変動した結果、顧客の取引頻度の低下または取引額の低下が生じた場合にはこれらの収入が減少する可能性があります。また、さまざまなキャピタルマーケット商品における電子取引の利用が増加しており、野村の電子取引業務の競争が激化することで、取引手数料やスプレッドに対する低下圧力が高まっております。電子取引により取引量は今後増加する可能性がありますが、取引手数料の低下を補填するほど十分でない場合は、野村の収入が減少する可能性があります。野村は今後も効率的な取引プラットフォームの提供に関する技術開発投資を続けていく予定ですが、電子取引の手数料の値下げ圧力が高まった場合には、当該投資から生み出される収益を最大限に確保できない可能性があります。 

 

トレーディングや投資活動から大きな損失を被る可能性があります

野村は自己売買および顧客取引のために、債券市場や株式市場等で大きなトレーディング・ポジションと投資ポジションを保有しております。野村のポジションはさまざまな種類の資産によって構成されており、その中には株式、金利、通貨、クレジットなどのデリバティブ取引、さらに貸付債権および不動産も含まれます。これらの資産が取引される市場の変動は、当該資産の価値に影響を与える場合があります。野村が資産を保有している場合(すなわちロング・ポジション)、これらの資産の価格が下落すると、野村が損失を被る可能性があります。また、野村が資産を保有せずに売却した場合(すなわちショート・ポジション)、それらの資産の価格が上昇すると、潜在的には重大な損失に晒される可能性があります。そのため、野村はさまざまなヘッジ手法を用いてポジションリスクの軽減に努めていますが、それでも資産の価格変動により、損失を被る可能性があります。また、金融市場や経済情勢が急激に変化するような場合には、金融システム全体に過度のストレスがかかり、市場が野村の予測していない動きをすることにより、野村は損失を被る可能性があります。

 

野村のビジネスは市場のボラティリティ水準の変化の影響を既に受けているか、または、将来、受ける可能性があります。野村のトレーディングビジネスの一部であるトレーディングや裁定取引の機会は市場のボラティリティの変化により作り出されます。したがって、ボラティリティが低下した場合、取引機会が減少し、これらのビジネスの結果に影響を与える可能性があります。一方、ボラティリティが上昇した場合は、トレーディング量やスプレッドを増加させることがありますが、これによりバリュー・アット・リスク(VaR)で計測されるリスク量が上昇し、野村はマーケットメイキングや自己勘定投資に伴って高いリスクに晒され、またはVaRの増加を避けるためにこれらのビジネスのポジションまたは取引量を減らすことがあります。

 

 

さらに野村は、資本市場における取引を円滑に進めるために、引受業務やトレーディング業務に伴い比較的大きなポジションを保有することがあります。また、野村が投資商品の開発を目的としてパイロット・ファンドを設定してポジションを保有し、投資商品の設定・維持を目的としてシード・マネーに出資を行うことがあります。野村は市場価格の変動によりこれらのポジションから大きな損失を被る可能性があります。

 

加えて、野村が担保を提供する取引においては、担保資産の価値の大幅な下落や、野村の格付の低下をはじめとした信用力の低下が発生した場合は、追加担保を必要とするなど取引コストの上昇および収益性の低下を招く可能性があります。一方、担保の提供を受ける取引においては、資産価値の下落が顧客取引の減少につながり、それに伴う収益性の低下を招く可能性があります。2014年3月31日現在、1ノッチないし2ノッチの格下げがあり、それ以外の変化はなかったと想定した場合、当社が、デリバティブ契約に関連して、追加担保提供を求められる見積もり合計額は、それぞれ約332億円と約1,228億円です。

 

証券やその他の資産に大口かつ集中的なポジションを保有することによって、野村は大きな損失を被る可能性があります

マーケット・メイク、ブロックトレード、引受業務、証券化商品の組成、第三者割当による新株予約権付社債等の買い取り業務、または、顧客ニーズに対応した各種ソリューション・ビジネス等においては、特定の資産を大口かつ集中的に保有することがあり、大きな損失を被る可能性があります。野村は多額の資金をこれらのビジネスに投じており、その結果、しばしば特定の発行者または特定の業界、国もしくは地域の発行者が発行する証券または資産に大口のポジションを保有することがあります。野村は、一般に、商業銀行、ブローカー・ディーラー、清算機関、取引所および投資会社といった金融サービス業に携わる発行者に対するエクスポージャーが大きくなる傾向があります。また、顧客や取引先とのビジネスにより、特定の国や地域の発行者が発行する証券を保有する場合があります。加えて、住宅および商業用不動産ローン担保証券などの資産担保証券についても、市場価格が変動すると、野村は大きな損失を被る可能性があります。

 

市場低迷の長期化が流動性を低下させ、大きな損失が生じる可能性があります

市場低迷が長期化すると、野村の業務に関連する市場において取引量が減少し、流動性が低下します。この結果、当該市場において、野村は、自己の保有する資産を売却またはヘッジすることが困難になるほか、当該資産の市場価格が形成されず、自己の保有する資産の時価を認識できない可能性があります。特に店頭デリバティブ等においてはポジションのすべてを適切に解消し、またはヘッジすることができない場合に大きな損失を被る可能性があります。さらに、市場の流動性が低下し、自己の保有するポジションの市場価格が形成されない場合、予期しない損失を生じることがあります。

 

ヘッジ戦略により損失を回避できない場合があります

野村はさまざまな方法や戦略を用い、多様な種類のリスクに対するエクスポージャーをヘッジしています。ヘッジ戦略が効果的に機能しない場合、野村は損失を被る可能性があります。野村のヘッジ戦略の多くは過去の取引パターンや相関性に根拠を置いています。例えば、ある資産を保有する場合は、それまでその資産の価値の変化を相殺する方向に価格が動いていた資産を保有することでヘッジを行っています。しかし野村は、さまざまな市場環境においてあらゆる種類のリスクに晒されており、過去の金融危機の際に見られたように、過去の取引パターンや相関性が維持されず、これらのヘッジ戦略が必ずしも十分に効果を発揮しない可能性があります。

 

 

野村のリスク管理方針や手続が市場リスクの管理において十分に効果を発揮しない場合があります

リスクの特定、モニターおよび管理を行うための野村の方針や手続が十分な効果を発揮しない場合があります。例えば、野村のリスク管理方法の一部は過去の金融市場におけるデータの動きに基づいて設計、構築されていますが、将来の金融市場における個々のデータの振る舞いは、過去に観察されたものと同じであるとは限りません。その結果、将来のリスク・エクスポージャーが想定を超えて、大きな損失を被る可能性があります。また、野村が使用しているリスク管理方法は、市場、顧客等に関する公表情報または野村が入手可能な情報の評価をよりどころとしています。これらの情報が正確、完全、最新なものではなく、あるいは正しく評価されていない場合には、野村は、リスクを適切に評価できず、大きな損失を被る可能性があります。加えて、市場の変動などにより野村の評価モデルが市場と整合しなくなり、適正な評価やリスク管理が行えなくなる可能性があります。

 

市場リスクによって、その他のリスクが増加する可能性があります

前述の野村のビジネスに影響を与えうる可能性に加え、市場リスクがその他のリスクを増幅させる可能性があります。例えば、金融工学や金融イノベーションを用いて開発された金融商品に内在する諸リスクは市場リスクによって増幅されることがあります。

 

また、野村が市場リスクによりトレーディングで大きな損失を被った場合、野村の流動性ニーズが急激に高まる可能性があり、一方で、野村の信用リスクが市場で警戒され、資金の調達が困難になる可能性があります。

 

さらに、市場環境が悪化している場合に、野村の顧客や取引相手が大きな損失を被り、その財政状態が悪化した場合には、これらの顧客や取引相手に対する信用リスクのエクスポージャーが増加する可能性があります。

 

連結財務諸表に計上されているのれんおよび有形・無形資産にかかる減損が認識される可能性があります

野村は、事業の拡大等のため、企業の株式などを取得し、または企業グループの一部の事業を承継しており、野村が適切と判断した場合にはこれらを継続して行う見込みです。このような取得や承継は、米国会計原則に基づき、野村の連結財務諸表において、企業結合として認識され、取得価額は資産と負債に配分され、差額はのれんとしています。また、その他にも有形・無形資産を所有しております。

これらの企業結合などにより認識されたのれんおよび有形・無形資産に対して減損損失やその後の取引に伴う損益が認識される可能性があります。その場合、野村の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

流動性リスクによって野村の資金調達能力が損なわれ、野村の財政状態が悪化する可能性があります

流動性、すなわち必要な資金の確保は、野村のビジネスにとって極めて重要です。即時に利用できるキャッシュ・ポジションを確保しておくことに加え、野村は、レポ取引や有価証券貸借取引、長期借入金の利用や長期社債の発行、コマーシャル・ペーパーのような短期資金調達先の分散、流動性の高いポートフォリオの構築などの方法によって十分な流動性の確保に努めています。しかし、野村は一定の環境の下で流動性の低下に晒されるリスクを負っています。

 

その内容は以下のとおりです。

 

野村が債券発行市場を利用できなくなる場合があります

野村は、日常の資金調達に短期金融市場や債券発行市場を継続的に利用しています。長期または短期の債券発行市場で資金を調達できない場合、あるいはレポ取引や有価証券貸借取引ができない場合、野村の流動性は大きく損なわれる可能性があります。例えば、短期または中長期の財政状態に対する評価を理由に、野村がビジネスを行うために必要とする資金調達につき、資金の出し手が資金提供を拒絶する可能性があるのは、次のような場合です。

 

 

・多額のトレーディング損失
 ・市場の低迷に伴う野村の営業活動水準の低下
 ・規制当局による行政処分

 

上記に加え、銀行の不良貸付債権等の増加に伴う貸付余力の低下、クレジットスプレッドの拡大による野村の資金調達コストの上昇を招くような金融市場やクレジット市場における混乱、投資銀行業や証券ブローカレッジ業、その他広く金融サービス業全般に対する否定的な見通しなど、野村に固有でない要因によって、債券市場での資金調達が困難になることもあります。

 

野村が短期金融市場を利用できなくなる可能性があります

野村は、野村のビジネスに必要な無担保短期資金調達につき、主にコマーシャル・ペーパーの発行と銀行からの短期資金借入を利用しています。これらの借入れの継続的な借り換えは、野村の流動性管理において極めて重要です。野村が発行したコマーシャル・ペーパーやその他短期金融商品を保有している投資家は、それらが満期になったときに新たな資金調達(借り換え)に応じる義務を負っているわけではありません。不足分が発生した場合でも、野村は、その不足分を補うための資金を銀行からの短期借入でまかなうことができなくなる可能性があります。

 

野村が資産を売却できなくなる可能性があります

野村が債券発行市場から資金を調達できない、もしくは資金残高が大幅に減少するなどの場合、野村は期限が到来する債務を履行するために資産を売却するなどの手段を講じなければなりません。市場環境が不安定で不透明な場合には、市場全体の流動性が低下している可能性があります。このような場合、野村は資産を売却することができなくなる可能性があり、このことは野村が保有する資産の流動性低下につながるおそれがあります。また、資産を低い価格で売却しなければならなくなる可能性もあり、結果的に野村の経営成績や財政状態に影響を与える場合があります。他の市場参加者が同種の資産を同時期に市場で売却しようとしている場合には、野村の資産売却に影響を及ぼすことがあります。

 

信用格付の低下により、資金調達コストが増加する可能性があります
 野村の資金調達コストや債券発行市場の利用は、信用格付に大きく左右されます。格付機関は野村の格付けの引下げや取消しを行い、または格下げの可能性ありとして「クレジット・ウォッチ」に掲載することがあります。例えば、2012年3月15日Moody's Investors Service社は、当社の長期格付けをBaa2からBaa3に格下げしました。しかしながら、当社の2012年の格下げによる影響は、限定的なものでありました。将来格下げがあった場合、野村の資金調達コストが上昇し、債券発行市場の利用が制約される可能性があります。その結果、野村の経営成績や資金調達に影響を与える可能性があります。
 さらに、日本の国家財政の健全性に対する市場の否定的な見方といった、野村に固有でない要因によっても、野村の資金調達コストが上昇する可能性があります。

 

市場リスクや流動性リスクだけではなく、イベント・リスクも野村のトレーディング資産や投資資産に損失を生じさせる可能性があります

イベント・リスクとは、事前に予測不能な出来事によりマーケットに急激な変動がもたらされた場合に発生する潜在的な損失をいいます。これらには、2001年9月11日の米国同時多発テロ、2007年以降の米国サブプライム問題、2008年秋の金融危機、2011年3月の東日本大震災、2011年に顕在化した米国や欧州諸国における財政問題、および2013年後半に発生したウクライナ問題などの社会的に重大な事象のほか、より個別具体的に野村のトレーディング資産や投資資産に損失を生じさせるおそれのある、次のような出来事が含まれます。

 

 

・主要格付機関による、野村のトレーディング資産や投資資産に関する信用格付の突然かつ大幅な格下げ

・野村のトレーディング戦略を陳腐化させ、競争力を低下させ、または実行不能にするような、トレーディング、税務、会計、金融規制、法律その他関連規則の突然の変更

・野村が関与する取引が予測不能な事由により遂行されないために野村が受取るべき対価を受取れないこと、または野村がトレーディングもしくは投資資産として保有する有価証券の発行会社の倒産や詐欺的行為もしくはこれらに対する行政処分等

 

野村に債務を負担する第三者がその債務を履行しない結果、損失を被る可能性があります

野村の取引先は、ローンやローン・コミットメントに加え、その他偶発債務、デリバティブなどの取引や契約により、野村に対して債務を負担することがあります。これら取引先が法的整理手続きの申請、信用力の低下、流動性の欠如、人為的な事務手続き上の過誤、政治的・経済的事象による制約など、さまざまな理由で債務不履行に陥った場合、野村は大きな損失を被る可能性があります。

 

信用リスクは、次のような場合からも生じます。

 

・第三者が発行する証券の保有

・証券、先物、通貨またはデリバティブの取引において、クレジット・デフォルト・スワップの取引相手であるモノライン(金融保証会社)など野村の取引相手に債務不履行が生じた場合や、決済機関、取引所、清算機関その他金融インフラストラクチャーのシステム障害により所定の期日に決済ができない場合

 

第三者の信用リスクに関連した問題には次のものが含まれます。

 

大手金融機関の破綻が金融市場全般に影響を与え、野村に影響を及ぼす可能性があります

多くの金融機関の経営健全性は、与信、トレーディング、清算・決済など、金融機関間の取引を通じて密接に連関しています。その結果、ある特定の金融機関に関する信用懸念や債務不履行が、他の金融機関の重大な流動性問題や損失、債務不履行を引き起こし、決済・清算機関、銀行、証券会社、取引所といった、野村が日々取引を行っている金融仲介機関にも影響を及ぼす可能性があります。また将来発生しうる債務不履行や債務不履行懸念の高まり、その他類似の事象が、金融市場や野村に影響を及ぼす可能性があります。国内外を問わず、主要な金融機関が流動性の問題や支払能力の危機に直面した場合、野村の資金調達にも影響を及ぼす可能性があります。

 

野村の信用リスクに関する情報の正確性や信用リスクの軽減のために受け入れている担保が十分であるという保証はありません

野村は信用に懸念のある顧客や取引相手、特定の国や地域に対するクレジットエクスポージャーを定期的に見直しています。しかし、債務不履行が発生するリスクは、粉飾決算や詐欺行為のように発見が難しい事象や状況から生じる場合があります。また、野村が取引相手のリスクに関し、すべての情報を手に入れることができない可能性があります。さらに、野村が担保提供を条件として与信をしている場合に、当該担保の市場価格が急激に下落すると、担保価値が減少し、担保不足に陥る可能性があります。

 

 

野村の顧客や取引相手が政治的・経済的理由から野村に対する債務を履行できない可能性があります

カントリー・リスクや地域特有のリスク、政治的リスクは、市場リスクのみならず、信用リスクの構成要素でもあります。現地市場における混乱や通貨危機のように、ある国または地域における政治的・経済的問題はその国や地域の顧客・取引相手の信用力や外貨調達力に影響を与え、結果として野村に対する債務の履行に影響を与える可能性があります。

 

金融業界は激しい競争に晒されています

野村のビジネスは激しい競争に晒されており、この状況は今後も続くことが予想されます。野村は、取引執行能力や商品・サービス、イノベーション、評判(レピュテーション)、価格など多くの要因において競争しており、特に、仲介業務、引受業務などで激しい価格競争に直面しています。

 

商業銀行、大手銀行の系列証券会社や外資系証券会社との競争が激化しています

1990年代後半から、日本の金融業界では規制緩和が進みました。2004年12月1日から施行されている証券取引法の改正(2007年9月30日より金融商品取引法に改称)により、銀行およびその他の金融機関がブローカレッジ業務に参入可能となりました。また、2009年6月1日から施行されている金融商品取引法の改正により、商業銀行と証券会社間のファイアーウォール規制が緩和され、競合他社は関係のある商業銀行とより密接に協業することができるようになり、銀行やその他の金融機関は、規制緩和前に比較して、資金調達や投資信託の分野において競争力を増しています。とりわけ、日本の大手商業銀行の系列証券会社や外資系証券会社は、セールス・トレーディング、投資銀行業務、リテールビジネスの分野において、野村のシェアに影響を及ぼしています。
 

金融業界の統合・再編、各種業務提携や連携の進展により競争が激化しています

金融業界における金融機関同士の統合・再編が進み、大手の商業銀行、その他幅広い業容を持つ金融機関が、その傘下に証券業を有することとなっています。近年では大手金融グループが銀行および証券会社の連携をより一層強化し、ローン、預金、保険、証券ブローカレッジ業務、資産運用業務、投資銀行業務など、グループ内での幅広い種類の商品・サービスの提供を進めており、これら金融機関グループの競争力が野村に対し相対的に高まる可能性があります。これら金融機関グループは、市場シェアを獲得するために、商業銀行業務その他金融サービスの収入により投資銀行業務や証券ブローカレッジ業務を補う可能性があります。また、グループの垣根を越えた商業銀行と証券業との提携等も進むなど、これらの金融機関グループの事業拡大や提携等による収益力の向上などにより、野村の市場シェアが低下する可能性があります。

 

海外の競合他社との競争や経営資源配分の適正化の不結実により、野村のグローバルな経営戦略が功を奏しない可能性があります

海外には多くのビジネスの機会およびそれに伴う競争が存在します。野村は、これらのビジネス機会を有効に活用するため、米国、欧州、アジアなどの重要な海外市場において競合金融機関と競争しています。このような競争に向けて、野村は海外ビジネスの強化のため、2008年にリーマン・ブラザーズの欧州、中東の一部の事業およびアジアの事業を承継し、またそれらの地域および米国において業務の再構築と拡大を行うために多大な経営資源を投資してきました。しかしながら、その後、世界経済が低迷し、金融規制および監督の強化が進展する等の環境変化が生じています。野村は、厳しい環境に対応するため、経営資源配分の適正化および効率性を追求し、収益性の向上に努めています。このような取り組みについて十分な効果が得られなかった場合は、野村のビジネス、財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

野村のビジネスは、重大なリーガル・リスク、規制上のリスクおよびレピュテーション・リスクに影響される可能性があります

野村が重大な法的責任を負うことまたは野村に対する行政処分がなされることにより、財務上の影響を受け、または野村のレピュテーションが低下し、その結果、ビジネスの見通し、財務状況や経営成績に悪影響を与える可能性があります。また、野村や市場に適用される規制に重要な変更がなされた場合、これが野村のビジネスに影響を与える可能性があります。

 

野村はさまざまな法的責任を負う可能性があります

野村は、ビジネスにおいてさまざまなリーガル・リスクに晒されています。これらのリスクには、金融商品取引法およびその他の法令における有価証券の引受けおよび勧誘に関する責任、有価証券その他金融商品の売買から生じる責任、複雑な取引条件に関する紛争、野村との取引にかかる契約の有効性をめぐる紛争ならびにその他の業務に関する法的賠償請求等が含まれます。

 

市場の低迷の長期化または市場に重大な影響を与えるイベントの発生により、野村に対する請求が増加することが予想され、また、重大な訴訟を提起されることもありえます。これらの訴訟費用は高額にのぼる可能性もあり、訴訟により野村のレピュテーションが悪化する可能性もあります。さらに、違法行為にあたると断定できない場合であっても、その取引手法によっては社会的非難の対象となってしまう場合もあります。これらのリスクの査定や数量化は困難であり、リスクの存在およびその規模が認識されない状況が相当期間続く可能性もあります。

 

野村に適用のあるさまざまな規制により業務が制限され、また行政処分等や損失を受ける可能性があります
 金融業界は広範な規制を受けています。野村は、国内において政府機関や自主規制機関の規制を受けるとともに、海外においては業務を行っているそれぞれの国の規制を受けています。また、野村のビジネスの拡大とともに、適用される政府機関や自主規制機関の規制も増加する可能性があります。これらの規制は、広く金融システムの安定や金融市場・金融機関の健全性の確保、野村の顧客および野村と取引を行う第三者の保護等を目的としており、自己資本規制、顧客保護規制、市場行動規範などを通じて野村の活動を制限することがあります。また、野村は法令諸規制を遵守するための対策を講じておりますが、法令諸規制に抵触することを完全には防ぐことができない可能性があり、仮に法令違反等が発生した場合には、罰金、一部の業務の停止、社内管理態勢の改善等にかかる命令、もしくは営業認可の取消しなどの処分を受ける可能性があります。野村が行政上の処分または司法上の決定・判決等を受けた場合、野村のレピュテーションが悪化する可能性があります。また、それらの処分により、顧客、特に公的機関が野村との金融取引を行わない決定をした場合は、たとえ命令等の処分が解除された後であっても、一定期間、野村がビジネスの機会を喪失する可能性があります。

 

金融システム・金融セクターに対する規制強化の進行が、野村のビジネス、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります

野村のビジネスに適用される規制が導入・改正・撤廃される場合、野村は、直接またはその結果生じる市場環境の変化を通じて影響を受けることがあります。規制の導入・改正・撤廃により、野村の全部または一部の事業を継続することの経済合理性がなくなる可能性、もしくは規制の対応に膨大な費用が生じる可能性があります。

 

特に米国におけるドッド・フランク法や欧州連合・英国における各種の金融規制強化策など、さまざまな金融規制改革が進行しています。これらの制度改正の詳細および野村への影響は、政府・監督機関により策定される最終的な規制によります。

 

 

加えて、野村に適用される会計基準や自己資本比率・流動性比率・レバレッジ比率等に関する規制の変更が、野村のビジネス、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、金融庁は、バーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」)によるバーゼルⅢと呼ばれる新しい規制パッケージに対応するため、2012年3月に、最終指定親会社の連結自己資本規制比率に関する改正告示を公表しました。同改正告示は、2013年3月末より段階的に施行されています。新たな規制が完全に施行された場合、当社の連結自己資本規制比率は2013年3月末の水準より低下する可能性があります。バーゼルⅢ以外にも、新たな規制の導入または既存の規制の強化が、G-20、金融安定理事会(以下「FSB」)、証券監督者国際機構(以下「IOSCO」)、バーゼル委員会等の国際組織あるいは野村が業務を行う各国の政府機関や自主規制機関によって検討または決定されております。これらの規制が野村に適用される場合、野村の資金調達コストが上昇する、あるいは野村のビジネス、資金調達活動や野村の株主の利益に影響を及ぼすような資産売却、資本増強もしくは野村のビジネスの制限を行わなければならない可能性があります。なお、金融当局が認定するグローバルにシステム上重要な銀行(以下「G-SIBs」)の対象およびG-SIBsに対する追加的な自己資本規制等は、毎年見直されることがFSBおよびバーゼル委員会により公表されております。さらに、G-20首脳会合は、G-SIBsの枠組を国内のシステム上重要な銀行(以下「D-SIBs」)まで拡張するようFSBおよびバーゼル委員会に対して要請し、2012年10月、バーゼル委員会は、D-SIBs に関する評価手法およびより高い損失吸収力の要件に関する一連の原則を策定し、公表しました。FSBおよびIOSCOによる銀行・保険会社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(以下「NBNI G-SIFIs」)の選定方法についても協議がなされております。今後当社がG-SIBs、D-SIBsもしくはNBNI G-SIFIsの対象となる場合、上記のコスト負担や影響が加重される可能性があります。

 

経営状況、法的規制の変更などにより、繰延税金資産の計上額の見直しが行われ、野村の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります
 野村は、一定の条件の下で、将来における税金負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として連結貸借対照表に計上しております。今後、経営状況の悪化、法人税率の引下げ等の税制改正、会計原則の変更などその回収可能性に変動が生じる場合には、野村の連結貸借対照表に計上する繰延税金資産を減額する可能性があります。その結果、野村の経営成績および財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

役職員または第三者による不正行為や詐欺により、野村のビジネスに影響が及ぶ可能性があります

野村は、役職員または第三者による不正行為というリスクに晒されています。野村の役職員が、上限額を超えた取引、限度を超えたリスクの負担、権限外の取引や損失の生じた取引の隠蔽等の不正行為を行うことにより、野村のビジネスに影響を及ぼす可能性があります。また、不正行為には、インサイダー取引、情報伝達行為や取引推奨行為等の役職員または第三者による非公開情報の不適切な使用・漏洩も含まれ、その結果、野村が行政処分を受け、もしくは法的責任を負う可能性、または野村のレピュテーションや財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2012年8月、当社子会社である野村證券株式会社(「野村證券」)は、公募増資案件に係る法人関係情報に関する管理態勢に不備が認められた等として、金融庁から業務改善命令を受けました。これに対して、野村證券は改善策を策定し、同年12月末までにすべての施策を実施しており、再発防止に向けて内部管理態勢の一層の強化・充実に取り組んでいます。

野村は、不正行為を防止または発見するための対策を講じていますが、これらの対策により役職員による不正行為を常に防止または発見できるとは限らず、また、不正行為の防止・発見のために取っている予防措置がすべての場合に効果を発揮するとは限りません。そのような不正行為の結果として野村に対する行政上の処分または司法上の決定・判決等が行われれば、野村は一定期間、ビジネスの機会を喪失する可能性があり、また、顧客、特に公的機関が野村との取引を行わない決定をした場合は、たとえ処分等が解除された後であっても、ビジネスの機会を喪失する可能性があります。

 

 

また、野村は、第三者が行う詐欺的行為に直接または間接に巻き込まれる可能性があります。野村は、投資、融資、保証、その他あらゆる種類のコミットメントを含め、幅広いビジネス分野で多くの第三者と日々取引を行っているため、こうした第三者による詐欺や不正行為を防止し、発見することが困難な場合があります。

 

 これらによる損失が多額になる可能性があり、また野村に対する信頼が損なわれる虞もあります。

 

不適切な利益相反の処理または特定により、野村に影響を及ぼす可能性があります

野村は、多様な商品およびサービスを個人、企業、他の金融機関および政府機関を含む幅広い顧客に対して提供するグローバルな金融機関です。それに伴い、野村の日々の業務において利益相反が発生するおそれがあります。利益相反は、特定の顧客へのサービスの提供が野村の利益と競合・対立する、または競合・対立するとみなされることにより発生します。また、適切な非公開情報の遮断措置または共有がされていない場合、グループ内で行われる複数の取引について、特定の顧客との取引とグループ各社の取引または他の顧客との取引が競合・対立する、または競合・対立するとみなされることにより利益相反が発生するおそれがあります。野村は利益相反を処理および特定するための利益相反管理体制を整備していますが、適切に対処、特定または開示することができなかった場合、またはできていないとみなされた場合には、野村のレピュテーションが悪化し、現在または将来の顧客を失う可能性があります。また、利益相反の発生により規制措置、または訴訟の提起を受ける可能性があります。

 

野村のビジネスは、さまざまなオペレーショナル・リスクの影響を受けます

野村は、オペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。野村は、例えば、次のようなオペレーショナル・リスクに晒されています。これらのリスクが現実のものとなった場合、野村は経済的損失、事業の中断、第三者からの提訴、行政処分、規制、罰金、またはレピュテーションの悪化といった事態に陥る可能性があります。

 

・有価証券の取引の実行、確認または決済がなされないリスク

・役職員による正確な事務処理がなされないリスク、例えば取引所に対する誤発注のリスク

・策定しているコンティンジェンシープランの想定を上回る規模の災害やテロ行為等により、野村の施設やシステムが被災し、あるいは業務の継続が困難になるリスク

・流行病により業務遂行に支障が生じるリスク

・野村または第三者のコンピューターシステムのダウン、誤作動などシステムの障害またはシステムへの不正侵入、誤用、コンピューターウイルス、もしくはサイバー攻撃によるリスク

 

野村のビジネスは、機密情報を野村のコンピューターシステムにおいて安全に処理、保存、送受信できる環境に依拠しています。野村はセキュリティ・システムの継続的なモニタリングおよびアップデートを行い、リスクを軽減するための策を講じていますが、常に変化するサイバー脅威により、野村へのリスクは増していると認識しています。今後サイバー脅威が高度化するにつれ、野村のシステムを修正するためにより多くの資源を必要とする可能性があり、さらに、野村の対策が十分でない場合には、サイバー攻撃により重大な侵害を受ける可能性があります。

 

野村の保有する個人情報の漏洩により、野村のビジネスに影響が及ぶ可能性があります

野村は業務に関連して顧客から取得する情報を保管、管理しています。近年、企業が保有する個人情報および記録への不正アクセスや漏洩にかかる事件が多数発生していると報じられています。

 

 

野村は個人情報の保護に関する法令諸規則に基づき、個人情報の保護に留意し、セキュリティ対策を講じておりますが、仮に個人情報の重大な不正漏洩が生じた場合には、野村のビジネスにさまざまな点で影響が及ぶ可能性があります。例えば、個人情報の漏洩により顧客に損失が生じた場合には、野村は顧客からクレームや損害賠償請求を受ける可能性があります。また、自主的に、もしくは行政上の命令その他の規制上の措置の対応として行うセキュリティ・システムの変更、または野村のブランド・イメージやレピュテーションの悪化の防止・抑制のために行う広報活動により、追加的な費用が発生する可能性があります。また、不正漏洩の結果、野村に対するレピュテーションが悪化することによって、新規顧客が減少したり既存顧客を喪失したりするとともに、問題に対処するために追加的な費用が発生する可能性があります。

 

当社は持株会社であり、当社の子会社からの支払に依存しています

当社は、配当金の支払や負債の支払の資金について、当社の子会社から受領する配当金、分配金およびその他の支払に依存しています。会社法などの法規制により、子会社への資金移動または子会社からの資金移動が制限される可能性があります。特に、ブローカー・ディーラー業務を行う子会社を含め、多くの子会社は、親会社である持株会社への資金の移動を停止または減少させる、あるいは一定の状況においてそのような資金の移動を禁止するような、自己資本規制を含む法規制の適用を受けています。例えば、当社のブローカー・ディーラー子会社である野村證券、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルInc、ノムラ・インターナショナルPLCおよびノムラ・インターナショナル(ホンコン)LIMITEDは、自己資本規制の適用を受けており、当社への資金移動が制限される可能性があります。これらの法規制は当社の債務履行に必要となる資金調達の方法を制限する可能性があります。

 

プライベート・エクイティ投資において野村が期待する収益を実現できない可能性があります

野村は国内および海外で議決権モデルあるいは変動持分モデルに基づいて連結している連結事業体を通じプライベート・エクイティ投資事業を展開しています。投資先の業績悪化または当該業種の事業環境の悪化により投資先の公正価値が下がり巨額の損失を被る可能性があります。また、野村が期待する水準や期待するタイミングで投資資産を売却できず、野村の経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

投資持分証券・トレーディング目的以外の負債証券について野村が期待する収益を実現できない可能性があります

野村は多額の投資持分証券・トレーディング目的以外の負債証券を保有しています。米国会計原則では、市場環境によって投資持分証券・負債証券にかかる多額の未実現損益が計上されることがあり、このことが野村の損益に大きな影響を与えます。市場の環境によっては、野村はこれらの株式・負債証券を売却したい場合にも、期待どおり迅速には、また望ましい水準では売却できない可能性があります。

 

連結財務諸表に計上されている関連会社およびその他の持分法投資先の株価が一定期間以上大幅に下落した場合には減損が認識される可能性があります

野村は上場している関連会社およびその他の持分法投資先の株式に投資しており、この投資は持分法で連結財務諸表に計上されています。米国会計原則では、野村が保有する関連会社の株式の公正価値(市場価格)が一定期間を超えて下落した場合において、価格の下落が一時的ではないと野村が判断したときには、野村は対応する会計年度に減損を認識しなければなりません。

 

野村が提供したキャッシュ・リザーブ・ファンドや債券に損失が生じることで顧客資産が流出する可能性があります

野村は、リスク許容度の異なる顧客のさまざまなニーズに応えるために多くの種類の商品を提供しています。マネー・マネジメント・ファンド(MMF)やマネー・リザーブ・ファンド(MRF)といったキャッシュ・リザーブ・ファンドは低リスク商品と位置づけられています。このようなキャッシュ・リザーブ・ファンドなどは、金利上昇および資金の解約動向による損失の発生やファンドのポートフォリオに組み込まれた債券がデフォルトに陥ることにより、元本割れを起こす場合があります。さらに、野村が提供した債券が債務不履行に陥り、利息や元本の支払が遅延する場合があります。野村が提供したこれら商品に損失が生じた場合、野村は顧客の信頼を失う可能性があり、ひいては野村が保管する顧客からの預かり資産の流出につながる可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

6 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当期の経営成績の分析

「第2[事業の状況]1[業績等の概要]」をご参照ください。

なお、「第2[事業の状況]2[対処すべき課題]および3[事業等のリスク]」をあわせてご参照ください。

 

(2) 重要な会計方針および見積もり

財務諸表作成上の見積もり

連結財務諸表の作成に際し、経営者は、特定の金融商品と投資の評価、訴訟の結果、税金の見積もり、のれんの帳簿価額の回収可能性、貸付金に対する貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性および資産負債の報告数値ならびに財務諸表の開示内容に影響を与えるその他の事項について見積もりを行っております。これらの見積もりは、その性質上、判断および入手し得る情報に基づいて行われることになります。したがいまして、実際の結果がこれらの見積もり額と異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合や、近い将来調整が生じる可能性があります。

 

金融商品の公正価値

野村の金融商品の大部分は経常的に公正価値で計上され、公正価値の変動は損益もしくはその他の包括利益に計上されます。公正価値評価は米国会計原則により明確に適用が要求される場合と、野村が公正価値オプションを選択できる対象に選択して適用する場合があります。

 

その他の一義的な評価基準が公正価値に基づかない金融資産や負債は非経常的に公正価値評価されます。その場合、公正価値は当初認識以降の減損の測定など限定的な状況で使用されます。

 

編纂書820「公正価値評価と開示」に基づき、公正価値で測定された全ての金融商品はその測定に使用された基礎データの透明度によって三段階のレベルに分類されます。

 

 レベル1

測定日現在の、野村が取引可能な活発な市場における同一の金融商品の未調整の取引価格。

 

 レベル2

活発でない市場における取引価格、または直接・間接を問わず観察可能な他のデータで調整された取引価格。観察可能なデータを使用する評価方法は、金融商品の価格付けに市場参加者により使用される仮定を反映しており、測定日において独立した市場ソースから入手したデータに基づいております。

 

 レベル3

金融商品の公正価値測定に有意な観察不能なデータ。観察不能なデータを用いた評価方法は、類似する金融商品を他の市場参加者が評価する際に使用するであろうと当社が仮定する見積もり、および測定日における利用可能な最善の情報に基づいております。

 

 

市場で観察可能なデータの利用可能性は、商品によって異なり、種々の要素の影響を受ける可能性があります。以下に限りませんが、有意な要素には、特に商品がカスタマイズされたものである場合には市場における類似する商品の普及度、例えば新商品であるかまたは比較的成熟しているかどうかというような市場での商品の様態、現在のデータが取得できる頻度および量などの市場から得られる情報の信頼性などが含まれます。市場が著しく変動している期間は、利用可能な観察可能なデータが減少する場合があります。そのような環境の下では、金融商品は公正価値評価の階層の下位レベルに再分類される可能性があります。

 

金融商品の分類を決定するのに用いる重要な判断には、商品が取引される市場の性質や商品が内包するリスク、市場データの種類と流動性、および類似する商品で観察された取引の性質が含まれます。

 

評価モデルに市場においてあまり観察可能でないデータあるいは観察不能なデータを使用する場合には、公正価値の決定過程には当社の重要な判断が含まれます。そのためレベル3の金融商品の評価は、レベル1やレベル2の金融商品の評価に比べてより多くの判断が含まれます。

 

市場が活発であるかどうかを当社が判断するための重要な基準には、取引数、市場参加者による価格決定の頻度、市場参加者間で取引される価格の多様性、および公表された情報の量などが用いられております。

 

毎期経常的に公正価値評価される資産のうち、デリバティブを除いた資産の合計に対するレベル3に分類された資産の比率は、2014年3月31日現在で2%となりました。

 

 

(単位:十億円)

 

 

2014年3月31日

 

 

レベル1

 

レベル2

 

レベル3

 

取引相手
および
現金担保との相殺

 

合計

 

レベル3
比率

公正価値評価資産
    (除くデリバティブ)

 

10,278

 

8,670

 

386

 

 

 

19,334

 

2%

デリバティブ資産

 

765

 

25,061

 

243

 

△ 23,764

 

2,305

 

 

デリバティブ負債

 

841

 

25,018

 

261

 

△ 24,030

 

2,090

 

 

 

 

詳細につきましては「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1) [連結財務諸表][連結財務諸表注記]2 公正価値測定」をご参照ください。

 

 

プライベート・エクイティ事業

「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:プライベート・エクイティ事業 および 4 プライベート・エクイティ事業」をご参照ください。

 

デリバティブ取引

野村は、トレーディング目的およびトレーディング以外の目的のため、先物取引、先渡取引、スワップ、オプション取引を含むさまざまなデリバティブ取引を行っています。全てのデリバティブは公正価値で評価され、公正価値の変動はデリバティブの使用目的に応じて、連結損益計算書あるいは連結包括利益計算書で認識されます。

 

法的に拘束力のあるマスター・ネッティング契約を交わしたデリバティブの公正価値は、野村の連結貸借対照表では相殺して表示しております。加えて、現金担保の請求権または現金担保の返還義務はそれぞれ、相殺されたデリバティブ負債またはデリバティブ資産と相殺されております。

 

デリバティブ取引は、上場デリバティブおよび店頭デリバティブで構成されております。上場デリバティブの公正価値は、通常取引所価格によって決定されます。店頭デリバティブは、評価モデルを使用して価格評価がなされます。相殺後の上場デリバティブおよび店頭デリバティブの資産および負債は次のとおりであります。

 

 

2013年3月31日
(十億円)

資産

負債

上場デリバティブ

443

559

店頭デリバティブ

1,448

1,326

合計

1,891

1,885

 

 

 

2014年3月31日
(十億円)

資産

負債

上場デリバティブ

 458

535

店頭デリバティブ

1,847

1,555

合計

 2,305

2,090

 

 

 

2014年3月31日現在における、契約上の残存満期年限ごとに分類した店頭デリバティブ資産および負債の公正価値は次のとおりであります。

 

 

2014年3月31日
(十億円)

満期年限

異なる
満期間の
相殺(1)

公正価値の合計

1年以内

1~3年

3~5年

5~7年

7年超

店頭デリバティブ―資産

864

982

1,225

950

2,474

△ 4,648

1,847

店頭デリバティブ―負債

932

883

999

1,003

2,164

△ 4,426

1,555

 

(1) 同じ取引相手先において、異なる満期間の公正価値を相殺する場合の相殺の金額を表示しております。同じ満期間の相殺はその年限内にて相殺しております。また、同じ取引相手先との現金担保の相殺を含んでおります。

 

デリバティブ取引の公正価値にはクレジットリスクに対する調整を含んでおり、これにはデリバティブ資産へのカウンターパーティークレジットリスクとデリバティブ負債への自社クレジットが含まれます。野村はポジションのクレジットリスクを軽減する目的でデリバティブ取引を行っており、この様なポジションとデリバティブのクレジットリスクの変動に関する損益を一体として認識しております。

 

のれん

企業結合の完了時に買収価額と純資産の公正価値との差額がのれんとして認識されます。当初認識以降、のれんは償却されず、減損の判定がレポーティング・ユニットのレベルで毎年第4四半期、あるいは減損の兆候の可能性を示す事象がある場合にはそれ以上の頻度で行われます。野村のレポーティング・ユニットはビジネスセグメントのひとつ下のレベルになります。

 

野村は、それぞれのレポーティング・ユニットにつき、まず定性的に事象を検証し、レポーティング・ユニットの公正価値が簿価を下回っている可能性が高い(50%超)かどうかを判断します。もし公正価値が簿価を下回っていないという判断の場合には、それ以上の分析は必要とされません。もし公正価値が簿価を下回る可能性が高い場合には定量的な2段階のテストを行います。

 

まず第1段階ではのれんを含めたレポーティング・ユニットの簿価を現時点での見積公正価値と比較します。ここでもし公正価値が簿価を下回る場合には、第2段階に進みます。第2段階では、レポーティング・ユニットののれんの暗示的な現時点での公正価値を、あたかもレポーティング・ユニットを企業結合により買収したかのように、レポーティング・ユニットの純資産の公正価値とレポーティング・ユニットの公正価値を比較して決定します。のれんの簿価が暗示的な現時点での公正価値を上回る場合、減損損失が認識されます。

 

2014年3月期にホールセール部門に帰属するのれんの減損2,840百万円を連結損益計算書上、金融費用以外の費用―その他に計上いたしました。これは、経済環境の変化から想定したキャッシュフローを獲得できなくなり、公正価値の減少が起こったレポーティングユニットが生じたことによるものです。なお、公正価値は割引現在価値法(Discounted Cash Flow)により決定されています。

 

 

一定の金融商品および取引先に対するエクスポージャー

市場環境は、野村が一定のエクスポージャーを有する証券化商品やレバレッジド・ファイナンスを含め、様々な金融商品に影響を与え続けています。また、野村は通常の業務においても、特別目的事業体などの取引先に対し、一定のエクスポージャーを有しております。

 

 証券化商品

野村の証券化商品に対するエクスポージャーには、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)、住宅不動産ローン担保証券(RMBS)、商業用不動産担保証券、その他証券化商品が含まれます。野村は、証券化ビジネス、ファイナンス、トレーディング、その他の業務に関連して、このような証券化商品を保有しています。次の表は、2014年3月31日現在における野村の証券化商品に対する原資産の地域別のエクスポージャーを表しています。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

日本

 

欧州

 

米州

 

アジア・
オセアニア

 

合計(1)

 

CMBS(2)

 

2,938

 

19,963

 

81,568

 

 

104,469

 

RMBS(3)

 

21,777

 

50,405

 

321,427

 

 

393,609

 

その他証券化商品(4)

 

225,042

 

18,000

 

158,032

 

3,048

 

404,122

 

合計

 

249,757

 

88,368

 

561,027

 

3,048

 

902,200

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1) 野村が行った金融資産の譲渡のうち、CMBS 21,861百万円については、編纂書860「譲渡ならびにサービシング」(以下「編纂書860」)により、会計上は売却ではなく担保付金融取引として取り扱われ、第三者に受益持分を売却済であることから、野村が継続的に経済的なエクスポージャーを有していないため、金額には含まれておりません。

(2) 2014年3月31日現在、米国におけるCMBS関連ビジネスのエクスポージャーは、ホールローン(コミットメント含む)の9,933百万円です。

(3) 米州のRMBSからは、信用リスクが軽微であると考えられるため、パス・スルー証券および米国政府保証が付されたCMO(Collateralized Mortgage Obligations)1,830,474百万円の残高を除外しております。

(4) その他証券化商品には、CLO(Collateralized Loan Obligations)、CDO(Collateralized Debt
Obligations)、ABS(Asset-Backed Securities)(クレジットカード・ローン、自動車ローン、学生ローン、ホームエクイティ・ローン等)を含みます。

 

次の表は、2014年3月31日現在における野村のCMBSに対する外部格付別および原資産の地域別のエクスポージャーを表しています。格付は、2014年3月31日現在のStandard & Poor's 、Moody's Investors Service、Fitch Ratings Ltd.、 株式会社日本格付研究所、株式会社格付投資情報センターによる格付のうち、最も低い格付を使用しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

 

AAA

 

AA

 

A

 

BBB

 

BB

 

B以下

 

無格付

 

 

合計

 

日本

 

 

 

732

 

 

709

 

1,497

 

 

 

2,938

 

欧州

 

2,675

 

1,378

 

870

 

4,194

 

3,689

 

5,979

 

1,178

 

 

19,963

 

米州

 

17,634

 

728

 

7,918

 

23,366

 

9,020

 

21,476

 

1,426

 

 

81,568

 

合計

 

20,309

 

2,106

 

9,520

 

27,560

 

13,418

 

28,952

 

2,604

 

 

104,469

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レバレッジド・ファイナンス

野村は、顧客にレバレッジド・バイアウト、レバレッジド・バイインにかかる貸付金を提供しています。通常このような資金提供はコミットメントを通じて行われることが多く、野村は実行済および未実行コミットメントの双方においてエクスポージャーを有しております。次の表は、2014年3月31日現在における野村のレバレッジ・ファイナンスのエクスポージャーを対象企業の地域別に表しております。

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

実行済残高

 

未実行
コミットメント残高

 

合計

ヨーロッパ

 

32,787

 

15,874

 

48,661

アメリカ

 

51,557

 

90,880

 

142,437

合計

 

84,344

 

106,754

 

191,098

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別目的事業体

野村が行う特別目的事業体との関与は、これらの事業体を組成すること、またマーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティデリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケットメーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。特別目的事業体とのそのほかの関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。

 

変動持分事業体への関与に関するより詳しい説明は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記]8 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。

 

新しい会計基準の公表

「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:会計方針の変更および新しい会計基準の公表」をご参照ください。

 

 

(3) 繰延税金資産の状況

 

  1) 繰延税金資産・負債の主な発生原因

2014年3月31日現在、連結貸借対照表上、その他の資産―その他として記載されている繰延税金資産、およびその他の負債として記載されている繰延税金負債の内訳は、以下のとおりであります。

                                                                    (単位:百万円)

 

2014年3月31日

繰延税金資産

 

 減価償却、その他の償却、および固定資産の評価

12,604

 子会社・関連会社株式投資

54,678

 金融商品の評価差額

46,321

 未払退職・年金費用

7,850

 未払費用および引当金

102,922

 繰越欠損金

437,899

 その他

3,991

 繰延税金資産小計

666,265

 控除:評価性引当金

△ 490,603

  繰延税金資産合計

175,662

繰延税金負債

 

 子会社・関連会社株式投資

107,020

 金融商品の評価差額

54,524

 海外子会社の未分配所得

736

 固定資産の評価

21,204

 その他

4,899

  繰延税金負債合計

188,383

繰延税金資産(負債)の純額

△ 12,721

 

 

  2) 繰延税金資産の算入根拠

繰延税金資産は、米国会計基準に基づき、将来において実現すると予想される範囲内で認識しており、将来において実現が見込まれない場合には評価性引当金を計上しております。なお、将来の課税所得の見積期間は納税単位ごとに個別に判断し、適正な期間見積もっております。

 

  3) 過去5年間の課税所得および見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額

上記1)に記載されている繰延税金資産のうち、当社およびその子会社である野村證券株式会社(以下「野村證券」)の残高(純額)はそれぞれ17,791百万円、42,102百万円となっており、野村の連結財務諸表における繰延税金資産残高(純額)の大部分を占めております。

 

また、当社は日本にて連結納税制度を採用しており、野村證券も当制度に含まれております。そのため、以下の記載ではこれら両社が含まれる連結納税グループの合算数値を記載しております。

 

過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)

                                        (単位:百万円)

 

2008年度

2009年度

2010年度

2011年度

2012年度

日本の連結納税
グループ合算値

△ 63,244

△ 57,662

47,020

54,192

148,907

 

  (注)法人確定申告書上の繰越欠損金控除前の課税所得であり、その後の変動は反映しておりません。

 

見積もりの前提とした税引前当期純利益、調整前課税所得の見込額

 

日本の連結納税グループについては、5年を課税所得見積もり期間とし、見込み税引前当期純利益合計および見込み調整前課税所得合計はそれぞれ、740,000百万円、648,938百万円となっております。

(4) リスクについての定量・定性的開示

リスク・マネジメント

野村の事業活動は、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、その他外生的事象に起因するリスクなどの様々なリスクに晒されております。野村では、財務の健全性を確保し、企業価値を維持・向上するために、これらのリスクを総合的にコントロールし、モニタリングし、報告するためのリスク管理体制を構築しております。

 

グローバル・リスク管理体制

リスク管理

野村では、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によって生じる不測の損失により当グループの資本が毀損する可能性、自社の信用力の低下または市場環境の悪化により円滑な資金調達ができなくなるという資金流動性リスク、および収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により収益がコストをカバーできなくなるというビジネス・リスクをリスクとして定義しております。

 

その上で、野村では全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、リスクに適切に対処することを基本理念としております。野村では、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつ、リスクをリスク・アピタイトの範囲内に抑制するよう努めております。野村のリスク管理の枠組みはリスク・アピタイト、リスク管理のガバナンスおよび監督、財務的経営資源の管理、全てのリスク・カテゴリーの管理、及びリスクの計測及び管理プロセスで構成されています。これら主要な項目については次に詳述いたします。

 

リスク・アピタイト

野村のリスク・アピタイトは、事業目標を達成するために許容するリスクの種類およびリスク量を定めるものです。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、共同してリスク・アピタイトの提案を行い、統合リスク管理会議の承認を以って決定されます。リスク・アピタイトは定量的項目及び定性的項目で構成され、リスク・カテゴリー全般にわたるリスクの全体像を表します。またリスク・アピタイトの各項目の主管部署は、定期的にモニタリングを行い、違反が発生することがないよう、適切に管理を行う必要があります。

 

野村のリスク・アピタイトについては、統合リスク管理会議において年一回見直しがなされています。見直しは必要に応じて臨時で実施し、当社戦略に重大な変更があった場合には必ず見直しを行うことになっております。リスク・アピタイトは、野村のリスク管理体制の基礎をなすものです。

 

 

リスク管理の組織体制

 

野村では、効果的な事業運営とリスク管理のための会議体が設置されています。リスク管理体制は以下のとおりです。


 

 

 

取締役会

取締役会は、野村の業務執行方針、その他法令に定められた事項について決定し、取締役及び執行役員の職務執行状況を監督します。また取締役会は、経営会議規則の採用、変更または廃止について決定する権限を有しております。

 

経営会議

経営資源の有効活用と業務執行の意思統一を図ることにより、野村における経営戦略及び経営資源の配分ならびに経営にかかる重要事項を審議し、株主価値の増大に努めます。またリスク管理に関する審議事項の決定権限を統合リスク管理会議に委譲します。経営会議の主要な役割は以下のとおりです。

・ 経営資源の配賦 - 各年度の開始にあたり、経営会議は経済資本や無担保調達資金等の各種経営資源の配賦や経営資源のリミットの設定を行います。

・ 事業計画 - 各年度の開始にあたり、経営会議は野村の事業計画や予算を承認します。また、期中における、重要な新規ビジネス、事業計画の変更、予算や経営資源の配賦を承認します。

・ レポーティング - 経営会議は経営会議の内容等を取締役会へ報告します。

 

統合リスク管理会議

業務の健全かつ円滑な運営に資することを目的として、経営会議の委任を受け、野村の統合リスク管理にかかる重要事項を審議、決定します。統合リスク管理会議は、野村のリスク・アピタイトを設定し、それに整合した統合リスク管理の枠組みの整備を行います。また、リスク管理の枠組みを整備することを通じて野村のリスク管理を監督します。リスク管理に関する重要な事項その他議長が必要と認める事項について、取締役会及び経営会議に報告します。
 加えて、統合リスク管理会議は、経営会議の委譲を受け、リスク管理規程を策定し、リスク管理の基本方針を含むグループ全体のリスク管理の枠組みについて定めております。

 

リスク審査委員会

統合リスク管理会議の委任を受けたリスク審査委員会は、統合リスク管理会議が定める野村の戦略的なリスク配分、リスク・アピタイトに基づいて、野村の市場リスク、信用リスク、レピュテーショナル・リスクに係る重要事案を審議・決定し、業務の健全かつ円滑な運営に努めております。審議内容や議長が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。

 

アセット・ライアビリティ・コミッティー

アセット・ライアビリティ・コミッティーは、統合リスク管理会議の委任を受け、統合リスク管理会議が定める野村のリスク・アピタイトに基づきバランス・シート管理体制、財務的経営資源の配賦、流動性管理などを審議します。審議内容や議長が必要と認める事項について、統合リスク管理会議に報告します。

 

グローバル・リスク分析委員会及びモデル・リスク分析委員会

グローバル・リスク分析委員会およびモデル・リスク分析委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、野村におけるリスク・モデル及び評価モデルの開発、管理及び方針に関する重要事項の審議・決定をします。両委員会は、新規モデルや既存モデルの大幅な変更の承認など、リスク・モデルの管理における統制および監督について責任を有します。重要事項の審議や決定について、定期的にリスク審査委員会に報告します。

 

リスク審査委員会トランザクション・コミッティー

リスク審査委員会トランザクション・コミッティーは、リスク審査委員会の委任を受け、野村における健全かつ円滑な業務運営を目的として、リスク・アピタイトの範囲内で個別取引の審議・承認を行います。

 

担保運営管理委員会

担保運営管理委員会は、リスク審査委員会の委任を受け、担保集中、流動性、担保再利用、リミットおよびストレス・テストを通じた担保リスク管理について審議または決定を行います。また野村の担保戦略の方向性を示し、担保の規制要件を確実に遵守します。

 

チーフ・リスク・オフィサー

チーフ・リスク・オフィサー(CRO)は、リスク・マネジメント部門における全般的な戦略および方針を構築する責任を有します。また、野村のリスク・マネジメント部門を統括し、収益責任を負う部門等から独立した立場で、リスク管理の枠組みの有効性を維持する責任を負います。また、リスク管理の状況について、定期的に統合リスク管理会議へ報告するほか、リスク管理上必要な対応策の実施について統合リスク管理会議への付議または報告を行います。

 

財務統括責任者

財務統括責任者(CFO)は、野村全体の財務戦略を統括します。また、経営会議の委任を受け、流動性管理について執行権限および責務を有します。

 

リスク・マネジメント部門

リスク・マネジメント部門は、収益責任を負う部門等から独立して設置された、リスク管理を担当する部署または組織で構成されております。リスク・マネジメント部門は、リスク管理にかかるプロセスの構築と運用、方針及び規程類の整備と周知、手法の有効性の検証に責任を負うほか、グループ各社からの報告の受領や、担当役員および統合リスク管理会議等への報告や、行政当局への報告およびリスク管理手法等の承認申請も必要に応じて行います。リスク管理に関する重要な事項はリスク・マネジメント部門がCROと緊密に連携します。CROやDeputy CROは、定期的に経営会議や統合リスク管理会議にリスクに関する事項を報告します。

 

リスク・ポリシー管理の枠組み

ガバナンス上必要不可欠なツールであるリスク・マネジメント部門の規程や実施手続きには、野村のリスク管理を円滑に行うための基本方針、規則、基準や特定のプロセスが定義されております。リスク・マネジメント部門は、リスク管理に関する規程及び実施手続きを策定するための共通の枠組みとして基本原則、プロセスおよび手続きを明確に規定したリスク・ポリシー管理の枠組みを定めております。リスク管理に関する規程および実施手続はすべて当該枠組みに準拠し、適用除外事項については所定の手続に従うものとします。

モニタリング、報告及びデータ管理

リスクに関する経営情報(以下、「マネジメント・インフォメーション」という。)の算出と集計、報告およびモニタリングは、適切なリスク管理体制に不可欠です。マネジメント・インフォメーションの目的は、適切な上申と意思決定、および対応策の策定に資する情報を提供することです。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、リスク・アピタイトに対応するポジションの状況に関するマネジメント・インフォメーションを定期的に取りまとめる責任を有します。マネジメント・インフォメーションは、リスク・カテゴリー全般にわたる情報を含み、また各リスクの特定および評価のための様々なリスク管理手法を使用して作成されます。リスク・マネジメント部門は、マネジメント・インフォメーションに関するデータを適切に管理する責任を有します。

 

 

財務的経営資源の管理

野村は、財務的経営資源を適切に使用するため、財務的経営資源の管理体制を構築しております。経営会議は、期初に、各部門に財務的経営資源の配賦を行います。各営業部門では、財務的経営資源の配賦により収益予算の策定を行います。財務的経営資源の主要な構成要素は以下のとおりです。

 

リスク・ウェイティド・アセット

経営会議は毎年、連結自己資本比率(連結Tier1比率)の最低基準値を決定します。自己資本比率を算出する際の重要な構成要素はリスク・ウェイティド・アセットとなり、このリスク・ウェイティド・アセットは経営会議により、各営業部門とそれ以下の階層に配賦されております。詳しくは第2「事業の状況」の「連結自己資本規制」の項目をご参照ください。

 

経済資本

野村の経済資本であるNCAT(Nomura Capital Allocation Target)は、野村がビジネスを行うにあたり必要となる資本に関する内部指標であり、野村にとって深刻な不利益を被るシナリオにより1年間に発生しうる予期せぬ損失を吸収するために必要な資本として計測されます。この深刻な不利益を被るシナリオとは、信頼水準99.95%で1年間に発生しうる損失として定量化されるものと定義されます。NCATは、ポートフォリオNCATおよびノン・ポートフォリオNCATにより構成されます。ポートフォリオNCATは、市場リスク、信用リスク、イベント・リスク、集中・流動性リスク、プリンシパル・ファイナンス/プライベート・エクイティに関するリスクおよび投資有価証券に関するリスク等、野村の資産価値に直接影響を及ぼすリスクを構成要素とし、ノン・ポートフォリオNCATは、ビジネス・リスクおよびオペレーショナル・リスク等、特定の資産価値に直接的には影響を及ぼさないリスクを構成要素とします。NCATリミットは経営会議の承認により設定され、各部門やそれ以下の階層に配賦されます。

 

社内資金

財務統括責任者は、野村グループ内に無担保で提供される資金の上限額を決定し、経営会議は各部門へ配分を行います。グローバル・トレジャリーは部門毎の資金使用量をモニタリングし、経営会議に報告します。

 

リスクの分類と定義

野村では、リスクを以下のとおり分類、定義した上で、各リスクを管理する部署または組織を設置しております。

 

リスク・カテゴリー

リスクの概要

市場リスク

市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券の価格等)の変動により、保有する金融資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクをいいます。

信用リスク

債務者またはカウンターパーティーが、債務不履行、破産、または法的手続等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいいます。信用リスクはオンバランス・オフバランス双方のエクスポージャーを含みます。また、当該リスクはカウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメント(CVA)により損失を被るリスクを含みます。

オペレーショナル・リスク

内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクをいいます。当該リスクには、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。

モデル・リスク

モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、損失を被るリスクをいいます。モデル・リスクには、経済的損失、ビジネスや戦略における不適切な意思決定、開示上の修正、規制上のペナルティや会社の信用低下をもたらす虞があります。

資金流動性リスク

自社の信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。

ビジネス・リスク

収益環境の悪化または業務運営の効率性もしくは有効性の低下により、収益がコストをカバーできなくなるリスク。野村の経営陣はビジネス・リスクを管理する責任を有します。

 

 

市場リスク管理

市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券等の価格)の変動により、保有する金融資産及び負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。

 

 市場リスク管理プロセス

市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。
 野村では市場リスクをモデル化し、計測し、集計するために多様な補完的手法を用いておりますが、継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段としては、バリュー・アット・リスク(以下「VaR」)を利用しております。VaRリミットは、野村の経済資本の枠組と整合的になるよう設定されます。またVaRに加えて、感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段として利用しております。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクターに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストおいては、ポートフォリオ・リスクやテイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、グループ全体から各部門、個々のトレーディング・デスクに到るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づいて承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。

 

VaR

VaRは、特定の信頼水準の下で、予め定義された期間における市場の不利な動きにより発生するトレーディング・ポジションの損失額を計測するものです。VaRモデルにより計測される市場リスクは、株価、金利、クレジット・スプレッド、為替レート、コモディティ価格とこれらのボラティリティや相関を含みます。

 

 

VaRメソドロジーの前提

野村は、グループ全体のトレーディングに関するVaRの計測にあたり、グローバルに実装された単一のVaRモデルを利用しています。野村は、将来発生しうる利益あるいは損失を予測するVaRメソドロジーとして、ヒストリカル・シミュレーション法を採用しています。ヒストリカルな(過去の)市場の動きは、野村の現在のエクスポージャーに繰り返し適用され、ポートフォリオ収益の分布を形成します。この分布を利用して、将来発生しうる損失を必要な信頼水準(確率)において推定することが出来ます。

 

野村において、VaRは信頼水準99%で計算されます。保有期間1日のVaRはリスク管理やリスク・リミットに対するモニタリングに利用され、保有期間10日のVaRは規制資本の計算に利用されます。保有期間10日のVaRは、実際の10日間における市場変動のヒストリカル・データを利用して計算されます。

 

野村は、同一のVaRモデルを、社内におけるリスク管理と金融庁向け規制対応報告の双方に使用しています。VaRモデルは過去2年間(520営業日)の市場変動のヒストリカル・データを利用します。野村は、リスク管理ならびにVaRバックテスティングにおいて、重みを付けたVaRを利用しています。重みを付けたVaRとは、直近の市場変動の動きにより比重を置いて計測されるVaRであり、古い時点で使用される比重は、より小さくなります。

 

野村は、更に、バーゼル2.5規制のもとでVaRを補完するために必要な測定方法での計算を行っています。それらのひとつであるストレスVaR(SVaR)はストレス下にある金融市場のある1年間のデータを利用して計測されます。この1年の期間は、野村の現在のポートフォリオに基づいて、SVaRが最大となるよう設定されます。ただしSVaRに利用されるヒストリカル・データは、VaRの場合のように重みを付けていません。全てのVaRとSVaRは同様の前提に基づいて、同じシステムで計算されます。

 

野村のVaRモデルは、可能な限り、個々のアンダーライイングのヒストリカル・データを利用します。ヒストリカル・データで個別のアンダーライイングが存在しない場合(例えば、最近発行された株式のオプション)、VaRモデルは代理変数ロジックに従って当該エクスポージャーに適切なヒストリカル・データを割り当てます。VaRモデルで行われる代理変数の水準は内部のリスク管理プロセスを通じて慎重にモニタリングされると共に、VaR計算に利用されるヒストリカル・データの拡大にも継続的に取り組んでおります。

 

・VaRバックテスティング

野村のVaRモデルのパフォーマンスは、所期の目的に合致し続けるよう、継続的にモニタリングされております。VaR検証に利用される主な方法は、1日分の損益とそれに対応するVaR値の比較です。信頼水準99%のVaRでは、1年間に2回から3回の超過(例:VaRを上回る損失が発生すること)が想定されます。野村は、VaRモデルのバックテスティングを、グループ・レベルのみならず、更に下位のレベルでも行っており、バックテスティングの結果はリスク・マネジメント部門が月次でレビューしております。
 2014年3月期において、グループ・レベルで信頼水準99%のVaRの超過が1回ありました。

 

・VaRの限界と利点

リスク計測手法としてのVaRの主な利点は、他のリスク計測手法ではセンシティビティをそのまま合算できないこととは対照的に、様々な資産区分のリスクの合算が可能であることです。野村の異なる部門のリスクは、VaRを利用することにより、合算され、容易に比較することができます。

 

しかしながら、リスク計測方法としてのVaRには、リスク計測に利用する際に留意すべき点としてよく知られている限界があります。主な限界のひとつは、過去データに基づいたリスク計測であることです。将来の損益を推測するために過去の市場の動きを利用することは、実際に発生した事象のみがポートフォリオのリスクの分析に関係していることを意味します。

 

また、VaRは上述の信頼水準99%の損失を推定するのみであり、VaRを超える損失が発生する際にどの程度の損失が発生しえるのかを推定するものではありません。

 

 

リスク計測手法としてのVaRは流動性のある市場のリスクの把握に最も適しておりますが、これまで発生したことがないような深刻な金融事象のもとで、市場流動性が期待し得なくなった場合の影響は過小評価する可能性があります。特に市場の極端な動きにより、過去データに基づく商品間の相関が崩れることで、VaRの計測上、過去データでは互いに相殺していたポジションが同じ方向に動いてしまい、損失が大きくなる可能性があります。

 

野村はVaRモデルが有する限界を認識しており、VaRを多様なリスク管理プロセスのひとつの要素としてのみ利用しております。VaRを補う目的で利用されるその他の指標としては、ストレス・テストや感応度分析が挙げられます。

 

ストレス・テスト

野村は、VaRや感応度分析が全てのポートフォリオ・リスクやテイル・リスクを捕捉出来ないという限界を有することから、市場リスクのストレス・テストを行っております。このストレス・テストは、日次や週次で行われ、ストレス・シナリオはトレーディング・ストラテジーの特性に応じて柔軟に設定されます。野村では、デスク・レベルのみならず、市場変動が野村全体に与える影響を把握するためにグローバルに統一されたシナリオによるグループ・レベルでのストレス・テストも行っております。

 

ノン・トレーディング・リスク

野村におけるノン・トレーディング・ポートフォリオの主な市場リスクは、取引関係維持やビジネス推進を目的として長期的に保有している投資有価証券にかかるもので、主に日本の株式市場の変動の影響を受けます。このポートフォリオの市場リスクを推定する手法のひとつに、東京証券取引所第一部上場銘柄に対する主要インデックスであるTOPIXの変化に対する市場感応度分析があります。

 

野村では、TOPIXとビジネス推進を目的として保有する株式の直近90日間の市場価格の変動に基づく回帰分析を行います。野村の試算では、取引関係維持やビジネス推進を目的として保有する株式は、TOPIXが10%変動すると、2013年3月末で約153億円、2014年3月末で約197億円の損失が予想されました。TOPIXは2013年3月末が1,034.71ポイント、2014年3月末は1,202.89ポイントで引けております。このシミュレーションは、TOPIXとの回帰分析により算出された結果です。したがって、投資有価証券の個々の株式の価格変動により、実際の結果はこの試算とは異なる点にはご留意ください。

 

信用リスク管理

信用リスクとは、債務者またはカウンターパーティーが、債務不履行、破産、または法的手続等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産に係る損失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティーの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメント(CVA)により損失を被るリスクを含みます。なお、野村では、グローバルおよびリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。

 

信用リスク管理体制

野村における信用リスクの計測、モニタリング及び管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、プロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント部門(以下「CRM」)は、リスク・マネジメント部門内のグローバルな組織として、これらのポリシーやプロシージャーの実装、および維持、管理に責任を負います。信用リスク管理の基本方針を定めたこれらのポリシーは、統合リスク管理会議、グローバル・リスク・ストラテジック・コミッティ(以下「GRSC」)の承認を受けて制定され、それに基づき所定の承認権限を付与されたクレジット・オフィサーの承認により、カウンターパーティーに対するクレジット・リミットを設定しています。

 

信用リスク・エクスポージャーは、CRMならびに、グローバルおよび地域の各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認や、シニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う態勢を確保しています。

 

信用リスク管理プロセス

CRMは、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組織であり、CROに報告します。野村における信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。

 

・ カウンターパーティーの債務不履行の可能性の評価

・ 全てのアクティブなカウンターパーティーに対する内部格付の付与

・ 与信の供与及びクレジット・リミットの設定に関する承認

・ 時価及び将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリング及び管理

・ 契約書における信用リスクに関する条件の設定(担保条件を含む)

・ 一括清算、担保徴求およびヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用

 

 信用リスク管理の対象には、カウンターパーティーとの取引に加えて、債券や株式、さらにローン、プライベート・エクイティ投資、ファンド投資、投資有価証券のほか、信用リスク管理が必要と考えられる取引や商品を含みます。

 

カウンターパーティーの信用力の評価は、対象先の事業環境、競争力、経営陣や財務面での強みや柔軟性に関する詳細なデュー・ディリジェンスや分析に基づき行います。また、クレジット・アナリストは、会社の組織体制や、直接または間接の信用補完も考慮します。なお、CRMは、カウンターパーティーのみでなく、カウンターパーティー・グループ単位でも信用リスクを評価します。

 

CRMは、信用分析の結果に基づき、カウンターパーティー又は債務者のデフォルト確率を評価し、格付機関と同様のアルファベット記号や所定の番号を付与します。クレジット・アナリストは、内部格付を付与するとともに、年1回以上、見直しを行う責任を負います。

 

野村の内部格付制度では、様々な格付モデルを使用して、グローバルに一貫性と正確性を確保しています。これらのモデルは、リスク・メソドロジー・グループにより開発され、見直しが行われています。内部格付は、野村におけるカウンターパーティーの信用リスク管理における重要な構成要素として、以下のように活用されています。

 

・ 個々のカウンターパーティーまたはカウンターパーティー・グループに対して野村が許容するカウンターパーティー・クレジット・リスクの上限額の設定(クレジット・リミットの設定)

・ クレジット・リミット設定の承認権限の委譲に係る基準額の決定(テナーを含む)
・ クレジット・レビュー(クレジット・リミットの見直し)の頻度の決定
・ カウンターパーティー・クレジット・リスクに関する野村のシニア・マネジメント向けの報告
・ カウンターパーティー・クレジット・リスクに関する野村以外の関係者向けの報告

 

信用リスク管理部署(以下、「CRCU」)は、CRMから独立した立場で、野村の内部格付制度に関する検証が適切に実施され、問題の速やかな解決のために、シニア・マネジメントに報告する態勢を確保しています。CRCUは、内部格付制度が正確、かつリスクを予知できるものであることを確認し、シニア・マネジメントに対して報告を行います。

 

野村は、クレジット・リスクを評価するための統一的、網羅的、かつ客観的な枠組みとして、内部格付制度を設置しています。内部格付は、債務者格付、案件格付、特定貸付債権格付に区分され、それぞれの格付は、デフォルト確率、資本構成に基づく回収率の水準、又は特定貸付債権の条件に基づく債務履行の可能性を適切に示す指標として使用されています。

 

野村は、規制自己資本を算出するための信用リスク・アセットの計算において、2011年3月より基礎的内部格付手法を採用しています。なお、信用リスク・アセットの計算において、重要性の低い一部のビジネス又は資産については、標準的手法を採用しています。

 

 

クレジット・リミット / リスク計測

 

内部格付は、カウンターパーティーに対してクレジット・リミットを設定するために必要不可欠なものです。また、野村のクレジット・リミットの枠組みは、リスク・アピタイトに沿って、適切に信用リスクを取ることができるように設計されています。グローバルのクレジット・ポリシーでは、内部格付に基づき、個々のカウンターパーティー・グループに対して設定できるクレジット・リミットおよびテナーの上限を定めた承認権限の表を定めています。
 
 野村では、カウンターパーティー・エクスポージャーは、主にデリバティブ取引、証券貸借取引(以下、総称して「デリバティブ等取引」)により発生しています。カウンターパーティーに対して発生するクレジット・エクスポージャーは、個々のカウンターパーティーの信用力の分析に基づき設定するクレジット・リミットにより管理しています。信用リスクは、設定したクレジット・リミットによるクレジット・エクスポージャーのモニタリングや、カウンターパーティーの信用力に関する継続的なモニタリングを通して、日次で管理しています。特定のカウンターパーティー、セクター、産業又は国に対する野村のリスク・アピタイトを変更させるような状況下では、その内容、程度に応じて、内部格付やクレジット・リミットの変更を行います。
 
 野村のグローバル・クレジット・マネジメント・システムには、カウンターパーティーに対する全てのクレジット・リミット及びクレジット・エクスポージャーが記録されています。これにより、CRMは、クレジット・リミットの使用状況を把握、監視、管理し、リミット超過が発生した場合、適切に報告を行う態勢を確保しています。
 
 野村では、デリバティブ等取引については、主に所定の信頼水準でのポテンシャル・エクスポージャーを計測するモンテ・カルロ・シミュレーション・モデルで信用リスクを計算しています。信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012年12月より、期待エクスポージャー方式による連結自己資本規制比率の算出にも利用されています。
 

なお、ローンおよびローン・コミットメントは、使用分及び未使用分の双方について、計測およびモニタリングを行っています。

 

 ロング・ウェイ・リスク

ロング・ウェイ・リスクは、カウンターパーティーに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティーの信用力の悪化と高い相関関係にある場合に発生するリスクをいいます。野村は、ロング・ウェイ・リスクを管理するためのグローバルのポリシーを設置しています。また、ポートフォリオのロング・ウェイ・リスクの評価ではストレス・テストも活用し、クレジット・エクスポージャーや規制自己資本について必要に応じて調整を行っています。

 

ストレス・テスト

ストレス・テストは、野村の信用リスク管理において必要不可欠であり、定期的に実施するストレス・テストにより、カウンターパーティー、セクター、および地域ごとの信用リスクの評価を行っています。なお、ストレス・テストには、リスク・ファクター、デフォルト確率または格付遷移に一定のストレスを与えることでリスクの集中度合いを確認するテストも含まれます。

 

リスク削減手法

野村では、信用リスク管理において、金融商品、契約書、さらに一般的な取引慣行を活用しています。野村は、多くのカウンターパーティーとの間で、国際スワップデリバティブ協会(以下「ISDA」)の基本契約書、またはそれに準ずる契約書(以下、総称として「マスター・ネッティング契約」)を締結しています。マスター・ネッティング契約を締結することで、債権、債務を相殺し、カウンターパーティーのデフォルトにより発生する潜在的な損失額を減少させています。また、信用リスクを更に削減するため、担保契約も活用し、取引開始時、またはエクスポージャーの水準、格付の変更、もしくはその他の事由が発生した際に、カウンターパーティーから担保を受領できるようにしています。

 

 

デリバティブ等取引における与信相当額

以下は、2014年3月末における野村のトレーディング目的のデリバティブ等取引における与信相当額になります。カウンターパーティーの信用格付と満期までの年限ごとに公正価値で表示しており、これらの信用格付は野村のCRMが付与した内部格付です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:十億円)

 

 

満期までの年限

 

異なる満期間の相殺(1)

 

公正価値
の合計

 

受入

 

再構築

信用格付

 

1年未満

 

1年から

 

3年から

 

5年から

 

7年超

 

 

 

担保額

 

コスト

 

3年

 

5年

 

7年

 

 

 

(a)

 

(b)

 

(a) - (b)
(3)

AAA

 

13

 

32

 

69

 

23

 

66

 

△ 57

 

146

 

48

 

98

AA

 

125

 

286

 

375

 

323

 

675

 

△1,342

 

442

 

27

 

415

A

 

512

 

452

 

548

 

397

 

949

 

△2,205

 

653

 

142

 

511

BBB

 

165

 

155

 

164

 

120

 

408

 

△ 629

 

383

 

136

 

247

BB以下

 

21

 

41

 

38

 

76

 

299

 

△ 255

 

220

 

279

 

0

その他(2)

 

28

 

16

 

31

 

11

 

77

 

△ 160

 

3

 

23

 

0

小計(店頭取引デリバティブ)

864

 

982

 

1,225

 

950

 

2,474

 

△4,648

 

1,847

 

655

 

1,271

上場デリバティブ

 

525

 

160

 

30

 

1

 

 

△ 258

 

458

 

1

 

457

合計

 

1,389

 

1,142

 

1,255

 

951

 

2,474

 

△4,906

 

2,305

 

656

 

1,728

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(1) 同一のカウンターパーティーとのデリバティブ等取引の異なる満期の債権、債務の相殺額を表示しています。また、同一のカウンターパーティーとの同一の満期の取引については、債権、債務の相殺後の金額を各年限の欄に表示しています。なお、編纂書210-20および編纂書815に基づき、デリバティブ等取引に係る現金担保による相殺効果も勘案されています。

(2) 「その他」は、無格付のカウンターパーティーおよび特定のカウンターパーティーを対象としない、ポートフォリオ・レベルでの評価調整を含んでいます。

(3) 受入担保額がデリバティブ等取引の公正価値の合計を上回っている場合、野村の与信相当額を適切に表示しないためゼロと表記しております。

 

特定の欧州周縁国に対するエクスポージャー

野村は、インベントリー・ポジション、カウンターパーティーとの取引又はその他のビジネスもしくは商品により発生するカントリー・リスクを管理しています。過去数年にわたり、欧州では多くの国において金融面で重度のストレスが発生しました。このストレスは、欧州およびグローバルの市場に波及する可能性がありましたが、主に経済や財政面での脆弱性を背景に、ユーロ圏における周縁国、具体的にはギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガルおよびスペイン(以下、総称して「GIIPS」)が、最も大きな影響を受ける結果となりました。

 

GIIPSにおける金融、経済、構造的な問題は、グローバル金融市場に悪影響を与えました。これらの国の市場や経済の低迷が続いた場合、野村のビジネスにも悪影響を与え、多額の損失につながる可能性があります。

 

 

2014年3月31日現在、野村のGIIPSに対するエクスポージャーの状況は以下のとおりです。なお、カントリー・リスク・エクスポージャーは、カウンターパーティー、発行体または裏付資産の所在国に基づき集計しています。
 

 

 

 

 

(単位:十億円)

 

2014年3月31日現在

 

ネット・インベントリー・エクスポージャー

 

ネット・カウンターパーティー・エクスポージャー

 

 

 

債券(1)

 

株式(2)

 

GIIPSを参照するエクイティ・デリバティブおよびクレジット・デリバティブ(3)

 

ローン(4)

 

GIIPSのカウンターパーティ-とのデリバティブ契約(5)

 

証券金融取引(6)

 

グロス・ファンディッド・エクスポージャー

 

アンファンディッド・エスポージャー(7)

 

グロス・エクスポージャー

 

ヘッジ(8)

 

ネット・エクスポージャー

ギリシャ

10

 

1

 

△ 3

 

 

9

 

0

 

17

 

 

17

 

2

 

15

ソブリン

5

 

 

 

 

7

 

 

12

 

 

12

 

2

 

10

ソブリン以外(9)

5

 

1

 

△ 3

 

 

2

 

0

 

5

 

 

5

 

0

 

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイルランド

47

 

△ 0

 

8

 

 

1

 

0

 

56

 

1

 

56

 

0

 

56

ソブリン

11

 

 

9

 

 

0

 

 

20

 

 

20

 

0

 

19

ソブリン以外(9)

36

 

△ 0

 

0

 

 

0

 

0

 

36

 

1

 

37

 

0

 

37

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア

22

 

0

 

24

 

 

50

 

1

 

97

 

 

97

 

32

 

65

ソブリン

△ 35

 

 

28

 

 

34

 

0

 

27

 

 

27

 

31

 

△5

ソブリン以外(9)

57

 

0

 

△ 4

 

 

16

 

1

 

71

 

 

71

 

1

 

70

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポルトガル

1

 

△ 1

 

5

 

 

0

 

0

 

5

 

 

5

 

2

 

3

ソブリン

0

 

 

△ 2

 

 

 

 

△2

 

 

△2

 

1

 

△2

ソブリン以外(9)

1

 

△ 1

 

6

 

 

0

 

0

 

6

 

 

6

 

1

 

6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペイン

256

 

4

 

 △ 219

 

1

 

15

 

1

 

57

 

5

 

63

 

13

 

50

ソブリン

110

 

 

 △ 86

 

 

7

 

 

31

 

 

31

 

8

 

23

ソブリン以外(9)

146

 

4

 

△ 133

 

1

 

8

 

1

 

26

 

5

 

32

 

4

 

27

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合計

336

 

3

 

△ 185

 

1

 

75

 

2

 

232

 

6

 

238

 

49

 

189

ソブリン

90

 

 

△ 51

 

 

48

 

0

 

87

 

 

87

 

42

 

45

ソブリン以外(9)

245

 

3

 

△ 134

 

1

 

27

 

2

 

145

 

6

 

151

 

6

 

144

 

 

(1) GIIPSが発行体の債券のロング・ポジションとショート・ポジションの合計の公正価値。尚、満期保有レポ取引の担保にGIIPSが発行体の債券はありません。

(2) GIIPSが発行体の株式のロング・ポジションとショート・ポジションの合計の公正価値。

(3) ネット・デリバティブは、マーケット・メイクおよびトレーディング目的で行われたGIIPSを参照するもので、単一のクレジットを参照するクレジット・デフォルト・スワップ(以下「CDS」)および複数の資産、指数、参照クレジットを参照するクレジット・デリバティブを含みます。開示金額は、回収ゼロを前提として、公正価値の変動により額面を調整して計算しています。デリバティブ契約が、単一または複数のGIIPSの国あるいはそれらの国のソブリンまたはソブリン以外の参照先を含む、複数の参照先を有する場合には、個々の参照先に分解された結果が含まれています。個々のエクスポージャーは、内部の評価モデルにより、即時のデフォルトおよび回収率ゼロの前提で、商品の時価評価の変化として計算されます。デフォルトの順序や担保の範囲に関する特段の前提はありません。

(4) GIIPSのカウンターパーティーへのローンの公正価値。

(5) GIIPSのカウンターパーティとのデリバティブ取引。カウンターパーティー毎にネットされ、かつ3,608億円の受入現金担保の控除後の金額です。

(6) レポ取引および証券貸借取引の公正価値。カウンターパーティー毎にネットされ、かつ7,381億円の受入れ担保有価証券および現金証拠金の控除後の金額です。

(7) GIIPS借入のアンファンディッド・ローン額面金額。

(8) ヘッジは、野村がGIIPSのネット・カウンターパーティー・エクスポージャーに関するプロテクションを購入する単一参照先のCDSが主なものです。開示金額は、回収率ゼロを前提として、公正価値の変動により額面を調整して計算しています。

(9) ソブリン以外のカウンターパーティーは、主に金融機関となります。

 

ネット・インベントリー・エクスポージャーとヘッジの金額は、野村が売買したGIIPSの単一参照先のCDSを含みます。次の表はこれらの取引のグロスの額面金額と公正価値を示しています。

 

 

 

(単位:十億円)

 

 

 

2014年3月31日現在

 

 

 

プロテクションの購入

 

プロテクションの売却

 

 

 

額面

 

公正価値

 

額面

 

公正価値

 

ギリシャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

 

 

 

 

ソブリン以外

 

59

 

△ 5

 

60

 

5

 

 

 

59

 

△ 5

 

60

 

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイルランド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

175

 

△ 3

 

187

 

3

 

ソブリン以外

 

91

 

△ 7

 

87

 

8

 

 

 

266

 

△ 10

 

274

 

11

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

2,283

 

54

 

2,354

 

△50

 

ソブリン以外

 

579

 

△ 21

 

608

 

25

 

 

 

2,862

 

33

 

2,962

 

△25

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポルトガル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

242

 

2

 

240

 

△3

 

ソブリン以外

 

208

 

△ 13

 

217

 

15

 

 

 

450

 

△ 11

 

457

 

12

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペイン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

1,051

 

△ 6

 

1,252

 

8

 

ソブリン以外

 

404

 

△ 18

 

442

 

20

 

 

 

1,455

 

△ 24

 

1,694

 

28

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合計

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソブリン

 

3,751

 

47

 

4,033

 

△ 41

 

ソブリン以外

 

1,341

 

△ 64

 

1,414

 

72

 

 

 

5,092

 

△ 17

 

5,447

 

31

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの額面と公正価値は、締結済のマスター・ネッティング契約および担保契約の影響を含まないことから、野村の全てのエクスポージャーを示すものではありません。野村のクレジット・デリバティブの詳細につきましては注記3「デリバティブ商品およびヘッジ活動」をご参照ください。

 

また、これらのGIIPSへの直接的なエクスポージャーに加えて、野村には以下のような間接的なエクスポージャーがあります。

・ フランス、ドイツおよびイギリスなどGIIPSのエクスポージャーを有するその他の欧州諸国のソブリンおよびソブリン以外のカウンターパーティーに対するエクスポージャーがあります。これらのGIIPS向けの間接的なエクスポージャーは、信用リスク管理の一環としてモニタリングを行い、必要に応じて削減を行います。

 単一もしくは複数のGIIPSの国、またはGIIPS以外のユーロ圏の国において、ユーロが通貨として使用されなくなることによるデノミネーション・リスクがあります。野村では、シナリオ分析により、GIIPS向けエクスポージャーに与える影響を計量化し、デノミネーション・リスクをモニタリングし、管理しています。

・ GIIPSのカウンターパーティーと取引で発生する追加的な再構築リスクがあります。野村では、イベント発生時において、エクスポージャーを削減し、必要に応じて早期の対応を取るために、最もリスクが高いカウンターパーティーに対するエクスポージャーをモニタリングし、リスクの集中を特定することで、GIIPSのカウンターパーティーとの取引に係る再構築リスクを管理、削減しています。

 

オペレーショナル・リスク管理

野村はオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから損失を被るリスクと定義しています。この定義には、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)は含まれませんが、法令や規制等の違反に係るリスク、オペレーショナル・リスクの顕在化に起因する野村グループ各社のレピュテーションの悪化に係るリスクを含みます。

 

三段階管理

 野村は、業界標準である、以下の三段階管理で、オペレーショナル・リスク管理を行うこととしております。

(1) 第一段階:ビジネス・ユニットは自らリスク管理を行います。

(2) 第二段階:オペレーショナル・リスク管理部署は、オペレーショナル・リスク管理の中長期的方針と枠組みを策定し、その運用を推進します。

(3) 第三段階:内部監査および外部監査は、独立した立場でオペレーショナル・リスク管理の枠組みの確認を行います。
 

野村におけるオペレーショナル・リスク管理の枠組み

  野村は、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレーショナル・リスク管理の枠組みを整備しております。経営会議より委任を受けた統合リスク管理会議がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リスク管理全般を監督しています。オペレーショナル・リスク・アピタイトは、オペレーショナル・リスク管理の枠組の主要項目を用いた定性的リスク・アピタイトおよび定量的リスク・アピタイトにより定義されます。
 
 オペレーショナル・リスク管理の枠組みは、以下のように構成されております。
 

・管理の枠組みの基盤

  ・ポリシー・フレームワークの構築と維持:オペレーショナル・リスク管理に関して定められた各種基本的事項をポリシー等として明文化します。

 ・研修および理解の促進:オペレーショナル・リスク管理について、野村内の認識を高めるための取組みです。

     ・主要な管理活動

 ・RCSA(Risk & Control Self Assessment、リスクとコントロールの自己評価):自らの業務におけるオペレーショナル・リスクや、リスク削減のために導入されているコントロールを特定、評価し、更なるリスク削減に向けた対応策を策定するために、ビジネス・ユニットが用いるプロセスです。

 ・シナリオ分析:低頻度であるが大規模な損失をもたらす、いわゆる「テイル・リスク」を特定、分析するプロセスです。

 ・損失事象等の報告:野村内で発生した事象および他社で発生した事象を収集し、業務改善に資する情報を得るプロセスです。将来における同様な事象の発生を防止または低減するために、適正な対応策を策定する重要なステップとなります。

 ・KRI(Key Risk Indicator、リスク指標):オペレーショナル・リスクにかかる主要な計数の収集と監視を行い、予め定めた水準を超えた場合には必要な対応を行うプロセスです。

・管理活動結果の活用

 ・分析および報告:オペレーショナル・リスク管理部署の主要な役割として、ビジネス・ユニットからもたらされるオペレーショナル・リスク情報について事実確認や原因分析を行った上で経営陣等へ報告を行います。

 ・所要資本の計算と配賦:オペレーショナル・リスクに係る所要自己資本を計算し、各ビジネスに配賦することによりリスク対比で効率的な事業活動を促進します。
 

オペレーショナル・リスクの所要自己資本額計算

野村は、金融庁告示に定められた粗利益配分手法によりオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本額を算出しております。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁に定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額としております。
 
  野村では、所要自己資本額を算出する際に用いる粗利益として、連結ベースの金融費用控除後の収益を用います。ただし、一部の子会社については、売上総利益を粗利益として用いております。これら粗利益を、管理会計上のセグメント情報を用いて、下表の業務区分に配分します。

 

業務区分

内容

掛目

リテール・
バンキング

リテール向け預貸関連業務等

12%

コマーシャル・
バンキング

リテール向け以外の預貸関連業務等

15%

決済業務

顧客の決済に係る業務

18%

リテール・
ブローカレッジ

主として小口の顧客を対象とする証券関連業務

12%

トレーディング
およびセールス

特定取引に係る業務および主として大口の顧客を対象とする証券・為替・金利関連業務等

18%

コーポレート・
ファイナンス

企業の合併・買収の仲介、有価証券の引受け・売出し・募集の取扱い、その他顧客の資金調達関連業務等

18%

代理業務

顧客の代理として行う業務

15%

資産運用

顧客のために資産の運用を行う業務

12%

 

 

・各業務区分に配分された金融費用控除後の収益額と、上表のとおり各区分に設定された掛目をそれぞれ乗じることにより「業務区分配分値」を算出します。いずれの業務区分にも配分されない収益額については18%を乗じ、「配分不能値」を算出します。

・これらの業務区分配分値と配分不能値をすべての業務区分について合計することにより、「年間合計値」を算出します。この年間合計値を直近3年間について計算し、それらの平均値がオペレーショナル・リスクに相当する所要自己資本の額となります。年間合計値が負の場合にはゼロとして平均値を算出します。業務区分配分値を合計する際、ある業務区分配分値が負であった場合には、他の区分における正の業務区分配分値と相殺します。ただし、配分不能値が負の場合には、相殺は行わず、ゼロとして取り扱います。

・オペレーショナル・リスク所要自己資本額の計算基準時点は3月末と9月末であり、年2回計算されます。

 

モデル・リスク管理

モデル・リスクとは、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用から生じるリスクをいいます。モデル・リスクは、経済的損失、ビジネスや戦略における不適切な意思決定、社内報告や社外報告の修正、規制上のペナルティや当社の信用低下をもたらす虞があります。モデルの誤謬は、前提条件を設定し実装するまでのいかなる時点においても、発生する可能性があります。また、モデルの出力結果は入力データの質に依拠しているため、入力データにも注意を払う必要があります。さらに、基本的には妥当なモデルであり、モデルの設計目的に合った正確な出力がされる場合であっても、不適切に使用又は誤って適用された場合、高いモデル・リスクを生じる可能性があります。

 

モデル管理の枠組み

当社のモデル管理の枠組みの下では、モデルは以下のどちらかに該当するものとして定義されます。

• 評価モデル、すなわち、当社が保有するポジションの価格及びリスク感応度を算出するためのモデル

• リスク・モデル、すなわち、リスク・マネジメント部門において、特定のタイプのリスクにより被る潜在的損失を算出しポートフォリオのリスクを定量化するために、また、規制資本及び経済資本算出、リミットのモニタリング、取引承認又は経営陣への報告を行うために使用されるモデル

 

モデルの公式使用に先立ち、モデル検証グループは、モデルの健全性及び包括性について、モデルの開発者から独立した立場で検証を行う責任を有しております。この検証手続きの一環として、グローバル・モデル・バリュエーション・グループは複数の分析を通しモデルの適合性を評価し、モデル・リスクの定量化を図ります。モデル・リザーブや資本調整を適用することにより、モデル・リスクは軽減されることがあります。評価モデルはビジネス部門により、また、リスク・モデルはリスク・マネジメント部門内のリスク・メソドロジー・グループにより開発され、維持管理されます。

またある種のモデルは、外部業者により開発されることもあります。リスク・メソドロジー・グループはリスク・モデルと野村におけるリスク計測メソドロジーの継続的な改良や改善に対して、一義的な責任を担っております。
  全てのモデルはまた、適切性を保つためモデル検証グループによる年次再承認手続きを受けなければなりません。リスク審査委員会からの権限委譲に基づき、モデル・リスク分析委員会とグローバル・リスク分析委員会は、それぞれ評価モデルとリスク・モデルに関するモデル管理の統制、監督に責任を有します。

 

評価モデルとリスク・モデルの変更

野村は統合リスク会議、リスク審査委員会のいずれか、または双方により承認された各種規程類と実施手続を文書化しており、評価モデルまたリスク・モデルの変更時の手続や検証の必要性について規定しております。モデル変更により重要度に関する閾値を超える影響が生じる場合には、モデル承認が必要となります。

この重要度に関する閾値は、モデル検証グループが管理する実施手続において定義され、また野村のモデル・リスク・アピタイトに反映されます。リスク・モデルに対するある種の重要な変更に対しては、新旧モデルの同時運用と新しいモデルのバックテスティングとストレス・テストがモデル承認に先立ち必要とされます。

 

リスク計測と管理手法

 

リミット管理の枠組み

堅牢なリミット・モニタリングおよび管理を構築することは、リスクの適切なモニタリングおよび管理の要となります。リミット管理の枠組みにおいては、適正な水準の権限を有する組織階層においてリミットの承認が行われるように、明確なエスカレーションの方針が策定されます。リスク・マネジメント部門はリミットの承認、モニタリング、必要に応じた報告を含むリミット管理の枠組みの日々のオペレーションに責任を有します。ビジネス部門は、当該リミットを遵守する責任を有します。リミットは、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスクなどの定量的指標に適用されます。

 

ニュー・ビジネス・リスク管理

ニュー・ビジネス承認プロセスは、野村にとっての新規ビジネスに取組む際の最初の手続きであり、経営陣の意思決定を支援し、新商品及び新規ビジネスに関連して確実にリスクを認識し適切な管理を行うためのものです。ニュー・ビジネス承認プロセスは以下の通り2つのプロセスで構成されます。

(1) 個別取引の承認プロセス:個別取引のレビューを実施し、意思決定をするプロセスであり、権限を有する各種の個別取引委員会が設置されます。遵守されない場合の責任についても文書として明確に定められています。

(2) 新商品承認プロセス:ビジネス部門のスポンサーが新商品の取扱を申請し、関連部署から様々な意見を得ることができるプロセスです。新商品や新規ビジネスを実施した結果生じるあらゆるリスクを横断的に把握し、分析することを目的とします。
 

ストレス・テスト

ストレス・テストとは、金融機関の事業全体から部門あるいはデスクのレベルまでの多様な階層において、蓋然性のあるシナリオを利用し、資本や流動性水準の充分性、あるいは損益への影響といった観点から、業務安定性あるいは事業継続可能性を評価するプロセスであり、感応度分析に基づくものを含みます。
 
  野村では、ストレス期間、市場ショックの大きさ、商品またはメソドロジーの対象範囲等、様々な組み合わせからなるトップダウンからボトムアップまでの包括的なストレス・シナリオを用いた、厳格なプログラムに基づくストレス・テストを実施しております。これらのシナリオは適宜に見直しが行われ、定期的に行われるストレス・テストの結果は経営者に報告されるとともに、必要に応じて適切な対応策が実施されます。

 

ストレス・テストは大きく、以下の4つに分類されます。

・ 感応性分析は、特定の個別リスクや潜在的な集中リスクを評価するため、予め定めておいた市場ショックの組み合わせを用いて、1種類、ないしは関連する2種類のリスク・ファクター(例えば株価、ないしは株価とそのボラティリティ)における市場変動の影響を全てのポジションに関して横断的に計測する目的で行われます。

・ シナリオ分析は、ある経済事象が起こった際、様々な資産へのショックを同時に勘案し、野村のポートフォリオへの影響を計量化する目的で利用されます。

・ 野村グループ全体を対象とするストレス・テストでは、市場リスク、クレジット・リスク、オペレーショナル・リスク、ビジネス・リスク、流動性リスクといった様々なリスク・クラスの間に整合性が保たれるようにストレスを加え、非常に厳しい市場シナリオでの当社自己資本の充分性を評価するために行われます。

・ リバースストレス・テストは、野村のビジネス・プランの継続が困難となりえるような非常に厳しいシナリオがどのようなものであるかを分析する目的で行われます。このようなテストでは、自己資本比率の低下または流動性の減少により業務継続が困難となるような状況に至る極端なストレスを、野村のエクスポージャーやビジネスモデルに加えます。

 

ストレス・テストは、野村の通常のリスク管理プロセスの一環として定期的に行われるほか、市場で大きな変動や懸念が生じた際には臨時に行われることもあります。ストレス・テストは野村のリスク管理のガバナンスの根幹をなしており、フォワード・ルッキングなリスク管理や意思決定を行う際のツールとして活用されています。

 

(5)流動性資金調達の管理

資金調達と流動性管理

 

概況

 

  野村では、資金流動性リスクを市況の低迷等に伴う業績の悪化等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰り
がつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被
るリスクと定義しております。このリスクは、市場において有担保あるいは無担保調達が不可能になる、野村の信用
格付けが低下する、予定外の資金需要の変化に対応できない、迅速かつ最小の損失での資産の流動化ができない、あ
るいは、グループ会社間の自由な資金移動が妨げられる規制資本上の制約に関する変化等、市場全体の事情や野村固
有の事情により発生します。流動性リスク管理については、経営会議の委任を受けた統合リスク管理会議が定める流
動性リスク・アピタイトに基づくことを基本方針としております。野村の資金流動性管理は、市場全体が流動性スト
レス下にある場合において、またそれに加えて野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合においても、それぞれ1年間、および1ヶ月間にわたり、無担保による資金調達が困難な場合においても、保有資産を維持しつつ業務を継続することができる充分な資金流動性を常に確保することを主な目的としております。

 

  野村は、主な流動性維持の目的を達成可能とする、様々な流動性リスク管理フレームワークを定めております。こ
のフレームワークには、(1)余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持、(2)資産構成等に見合った資金
調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散、(3)野村グループ各社に対する与信枠の管理、(4)流動性
ストレス・テストの実行、(5) コンティンジェンシー・ファンディング・プランに関することが含まれております。

 

  経営会議は、野村の資金流動性に関する重要事項についての決定権を有しており、CFOは、経営会議の決定に基づ
き、野村の資金流動性管理に関する業務を執行する権限と責任を有しております。

 

1. 余剰資金の集中管理と流動性ポートフォリオの維持
 野村は、野村グループ内で資金流動性を有効に活用することを可能とするため、野村グループ各社の余剰資金の集中管理を行っております。資金の使用に関しても、野村では、無担保で提供される資金を一元的に管理しており、内部で上限を設けております。この上限は、財務統括責任者によって決定され、経営会議において各部門へ配分が行われます。グローバル・トレジャリー部門は、使用状況についてモニタリングを行い、経営会議へ報告しております。

 

また、グループ会社間の資金移動を円滑なものにするため、規制対象ブローカーあるいは銀行における資金調達は限定的にしか行っておりません。野村は、無担保による資金調達の当社あるいは主要規制外発行体への集中を積極的に行っております。このことにより、野村は調達コストを最小化し、投資家からの認知度を高め、様々なグループ会社間の資金供給のフレキシビリティを高めております。

 

潜在的な資金流動性必要額を考慮し、十分な資金流動性を確保するために、野村は、現金ならびに売却や担保提供することで流動性資金を供給することができる流動性の高い担保未提供資産等で構成される流動性ポートフォリオを維持しております。流動性ポートフォリオの金額は、2014年3月31日現在、6兆1,272億円となっており、ストレスシナリオを考慮した資金流動性必要額を満たしております。

 

以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオの内訳をアセットタイプ別に表示したものです。年間平均は月末の残高を用いて算出されております。

                                         (単位:十億円)

 

2013年
3月31日
年間平均

2013年
3月31日

2014年
3月31日
年間平均

2014年
3月31日

現預金(1)

911.1

960.6

1,676.6

1,497.2

国債

4,712.3

4,512.3

4,667.3

4,483.6

その他(2)

480.3

410.6

214.9

146.4

流動性ポートフォリオ

6,103.7

5,883.5

6,558.8

6,127.2

 

 (1) 現預金には、現金、現金同等物および必要に応じて即時利用可能な中央銀行、市中銀行への預金を含みます。

 (2) その他にはMMF、米国政府機関債などのアセットタイプが含まれています。

 

以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオの内訳を表示したものです。年間平均は月末の残高を用いて算出されております。

                                         (単位:十億円)

 

2013年
3月31日
年間平均

2013年
3月31日

2014年
3月31日
年間平均

2014年
3月31日

1,836.6

1,362.2

2,463.3

2,272.3

USドル

2,445.6

2,355.1

2,171.5

2,050.4

ユーロ

816.1

876.5

1,015.0

1,049.0

英国ポンド

695.9

752.6

662.4

568.6

その他(1)

309.5

537.1

246.6

186.9

流動性ポートフォリオ

6,103.7

5,883.5

6,558.8

6,127.2

 

 (1) その他にはカナダドル、豪ドル、スイスフランなどの通貨が含まれています。

 

野村は流動性ポートフォリオの要件をグローバル基準、および各主要オペレーティングエンティティによって評価しています。野村は、主に当社および野村證券株式会社(以下「NSC」)、他の主要なブローカーディーラーおよび銀行子会社で流動性ポートフォリオを管理しています。流動性ポートフォリオの保有量とエンティティを決定する際に、野村グループ内で自由に流動性を移す能力に影響を及ぼすかもしれない法規制、税制を考慮しています。規制の制限の詳細については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表] [連結財務諸表注記]21 法的規制」を参照してください。

 

以下の表は2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の流動性ポートフォリオをエンティティ別に表示したものです。

                                         (単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

当社およびNSC(1)

1,616.9

1,900.9

他の主要なブローカーディーラー

3,179.0

2,815.2

銀行子会社(2)

775.3

1,170.5

その他のグループエンティティ

312.3

240.6

流動性ポートフォリオ

5,883.5

6,127.2

 

 (1) NSCは日本のブローカーディーラーであり、日本銀行に口座を維持し、日本銀行のロンバード貸付制度を直接利用することにより、同日資金調達が可能です。当社における余剰流動性資金は必要な時に即時解約可能な短期社内貸付により、NSCに貸し出しております。

 (2) ノムラ・バンク・インターナショナル PLC(以下「NBI」)、ノムラ・シンガポールLIMITEDおよびノムラ・バンク・ルクセンブルグ S.A.

 

流動性ポートフォリオに加えて、主にトレーディング資産で構成される有担保資金調達の際の追加担保として使用可能な担保未提供資産を2014年3月31日現在、1兆7,203億円所有しております。流動性ポートフォリオとそれ以外の担保未提供資産の合計は、7兆8,475億円となりました。これは、野村の1年以内に満期の到来する無担保債務の合計に対して、264.3%に相当します。

                                         (単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

その他担保未提供資産

1,168.4

1,720.3

流動性ポートフォリオ

5,883.5

6,127.2

合計

7,051.9

7,847.5

 

 

2. 資産構成等に見合った資金調達ならびに調達手段の多様化および調達期間の分散
 
野村は、保有資産を継続して維持していく上で必要となる長期性資金を確保するために、長期無担保債務の額、および株主資本を充分な水準に維持するように努めております。野村は市場の環境変化等に起因して1年間にわたり無担保調達が行えない場合であっても、資産の売却を迫られることなく業務継続を可能としております。長期性資金必要額は、以下の要件を組み込んだ内部モデルに基づいて算出しております。

 

(i)   レポ契約や証券貸付取引等を含む有担保での資金調達能力。長期性資金必要額は、ストレス・シナリオ下で、有担保借入能力の保守的な見積もりを使って計算されております。

(ii)  のれん、認識可能無形固定資産、有形固定資産およびその他低流動性資産

(iii) 野村の信用格付けが2ノッチ格下げされた場合のデリバティブ取引に係る契約上の追加担保要請、および清算・決済機関からの潜在的な追加担保要請。加えて、ほかの契約に関連した担保未提供資産もまた、長期流動性によって資金手当てを受けております。

(iv)  支払要求の可能性を反映した野村が第三者に提供するコミットメント契約の額

(v)   野村規制対象子会社の規制資本等を維持するために必要となる金額

 

野村の内部モデルは、グループ会社間の自由な資金移動に影響を及ぼすかもしれない法規制、税制を考慮に入れて計算されております。

 

野村は、無担保調達資金の借換えリスクを低減させるために、資金調達を行う市場やプロダクト、投資家、通貨および返済期限の分散に努めております。 

 

野村は、様々な種類の債券を発行することによって、資金調達手段の分散を図っております。これらには、仕組ローンや仕組債が含まれます。仕組債は、金利・為替・株式・コモディティやこれらのインデックスにリンクしたリターンが付いた債券です。野村は、資金調達方法の多様性が増すように仕組債を発行しております。これらについて、野村は、通常、デリバティブや原資産に対する支払い義務をヘッジすることにより、無担保調達債務と同様の効果を得ております。なお、日本円以外の長期債務比率は、2013年3月31日現在の29.7%から2014年3月31日現在32.0%に増加しております。

 

2.1 短期無担保債務

野村の短期無担保債務は、短期銀行借入(長期銀行借入のうち、満期まで1年未満のものを含む)、その他の短期借入金、コマーシャルペーパー、銀行業務受入預金、譲渡性預金、および償還まで1年以内の社債で構成されております。銀行業務受入預金および譲渡性預金は、銀行子会社の預金および譲渡性預金を表しております。短期無担保債務には、長期無担保債務のうち残存期間が1年以内となったものを含んでおります。

 

以下の表は、2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の短期無担保債務明細を表示したものです。

 

 

(単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

短期無担保債務

2,293.3

2,969.3

 

短期銀行借入

621.3

722.5

その他の短期借入

42.4

49.2

コマーシャル・ペーパー

296.7

246.9

銀行業務受入預金

781.4

757.7

譲渡性預金

214.5

240.5

償還まで1年以内の社債

337.0

952.5

 

 

 

2.2 長期無担保債務

野村は、常に十分な長期性資金を確保し、適切なコストでの調達および適切な長期債務償還プロファイル維持を満たすために、満期や通貨の分散を行い定期的に長期性資金の調達を行っております。

 

野村の長期無担保債務には、米国発行登録および登録ミディアム・ターム・ノートプログラム、ユーロ・ミディアム・ターム・ノートプログラム、国内発行登録およびさまざまな発行プログラムより発行される普通社債や劣後社債が含まれております。

 

日本のグローバルな金融サービスグループとして、野村は、世界中の様々な市場と資金調達センターへのアクセスを持っております。主として当社、NSC、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンスN.V.(以下「NEF」)およびNBIが外部からの借入、債券発行その他資金調達を行っております。使用通貨や保有資産の流動性に合わせた資金調達や、必要に応じた為替スワップの使用により、調達構造の最適化を図っております。

 

野村は、市場や投資家のタイプごとに、効率的かつ十分に多様化された資金調達を行うために、様々なプロダクトや通貨による調達をしております。野村の無担保債務の大部分は、発行コストの上昇や債務償還満期を早める財務制限条項(格付け、キャッシュ・フロー、決算あるいは財務レシオ)は、付されておりません。

 

以下の表は、2013年3月31日、2014年3月31日現在の野村の長期無担保債務明細を表示したものです。

 

 

(単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

長期無担保債務

6,457.3

6,218.6

 

長期銀行業務受入預金

76.2

116.0

長期銀行借入

2,173.7

2,057.6

その他の長期借入

133.9

129.0

社債(1)

4,073.5

3,916.0

 

(1) 編纂書810に定義される変動持分事業体の要件を満たす“連結変動持分事業体(VIE)が発行する社債”と編纂書860により、会計上担保付金融取引として取り扱われる譲渡取消に伴う担保付借入を含んでおりません。

 

2014年3月期中に、当社は2,149億円の普通社債を、国内・海外で発行いたしました。

 

2.3 償還プロファイル

プレーン・バニラ物(プレーン・バニラ債および長期借入金)の調達に関しては、平均残存年数が3年以上となるように努めております。2014年3月31日現在の平均残存年数(残存期間1年超のものの平均)は、3.8年となっております。また、ミディアム・ターム・ノートの発行については、その大部分が、金利、株価、指標、為替、あるいはコモディティにリンクした仕組債です。それらの償還確率は、内部数理モデルによって継続的に評価され、グローバル・トレジャリー部門によりモニターされております。プレーン・バニラ債や借入は、契約上の満期日をもとに評価しております。予定された満期日以前に償還される可能性のあるものについては、野村の内部ストレスオプション評価モデルにより、評価されております。このモデルは、ストレス市場環境下で、いつその債券が償還される可能性があるかを評価します。

 

上記のモデルに基づき評価された仕組債の平均残存期間(残存期間1年超のものの平均)は、2014年3月31日現在で、6.3年です。野村のプレーン・バニラ物を合わせた長期債務の平均残存期間1年超のものの平均は、2014年3月31日現在で、4.7年です。下図は、野村の長期債券と長期借入の満期の分散状況を示す図です。

 


 

償還足は、個別銘柄毎の償還確率を考慮したものです。

 

2.4 有担保債務

野村は、トレーディング業務のための資金調達活動は、担保付借入、レポ契約、日本の現先レポ取引による有担保ベースで、通常行っております。これらの有担保資金調達は、無担保資金調達に比べコストが低く、格付けの影響を受けにくいものと考えております。レポ契約は、短期のものが多く、オーバーナイトもあります。野村は、有担保調達に伴う流動性リスクを低減させるために、カウンターパーティのグローバルな分散、担保の種類の多様化、そして、一部の取引については、積極的に契約期間を長期のものにするよう努めております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表注記]6 担保付取引」をご参照ください。

 

3. 野村グループ各社に対する与信枠の管理
 
野村は、緊急時の資金調達の一助とするために、金融機関との間で、コミットメント・ファシリティーを締結することがあります。2014年3月31日現在の当社の未使用コミットメント・ファシリティーの総額は2013年3月31日現在の780億円から130億円減少して、650億円になりました。野村は、これらのファシリティーの契約満期日を一時期に集中しないように分散させております。これらのファシリティーそれぞれの貸し出し条件や財務制限状況は異なっておりますが、現時点において、野村はこれらのファシリティー契約における財務制限条項に抵触することにより、ファシリティーの利用が制限される状況にはありません。野村は適宜これらのドローダウンテストを行っております。

 

 

4. 流動性ストレステストの実行
 
野村は、流動性ポートフォリオを維持しており、先に述べた流動性管理方針に沿うよう、一定のストレスシナリオ下でのキャッシュ流出をシミュレートする内部モデルに基づいて流動性をモニターしております。

 

流動性資金必要額は、様々なストレスシナリオ下において、異なるレベルで、様々な時間軸に沿って見積もられております。想定される親会社や子会社レベルでの格下げに起因する、無担保資金調達市場へのアクセスの喪失、有担保資金調達市場での追加担保要求および市場へのアクセスの制限等を含めた、野村固有および市場全体のイベントが発生する状況下での必要額を見積もります。野村では、このリスク分析を「マキシマム・キュームレーティブ・アウトフロー(以下「MCO」)」と呼んでおります。

 

MCOフレームワークは、主たる流動性リスクを考慮したうえで構築し、以下の2つのシナリオに基づいて、キャッシュ・フローをモデル化しております。

 

・ ストレスシナリオ;市場全体が流動性ストレス下にある場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1年間適切な流動性を維持すること。

・ アキュートシナリオ;市場全体が流動性ストレス下にあることに加え、野村の信用リスクに過度なストレスを想定した場合において、無担保による資金調達、資産の売却をすることなく1ヶ月間適切な流動性を維持すること。

 

野村は、これらの各モデルで用いられている時間軸の中で、資産の流動化を行ったり、ビジネスモデルを修正することはできないと想定しております。従って、MCOフレームワークは、ストレス状況下でも、野村が適切と考える流動性リスクアペタイトに基づいた水準に対して、想定される流動性必要額を定義するものです。

 

2014年3月末時点において、野村の流動性ポートフォリオは、上述のシナリオ下で想定された資金流出予想額を上回っておりました。

 

 

野村は、規制環境や市場の変化に基づいた流動性リスクの前提条件を継続的に評価し、調整をしております。ストレスの影響をシミュレートするために用いるモデルでは、以下のような事象を考慮、想定しております。

 

・ 資産の売却ができない状況

・ 追加の無担保調達を行うことができない状況

・ 既存の借入金の返済期日や発行済み社債の償還期日(1年以内)

・ 発行済み社債の買い取りの可能性

・ 流動性の低い資産の資金手当てのための担保付資金調達ラインの想定以上の喪失

・ 通常の事業環境下での運転資金需要の変化

・ ストレス時の現金および担保流出

・ 既存のレポ調達時の担保掛目の拡大

・ 決済銀行からの担保・預託金追加要求

・ コミットメント提供先のドローダウン

・ 損失に伴う資金の喪失

・ 連結会社間の資金や証券の移動を制限する法規制を考慮した資金流出

 

流動性に関する外部規制については、バーゼル委員会を含む監督機関の更なる議論が継続されるものと認識しております。野村が現在行っている既存のモデルやシミュレーションは、これらの議論の結果次第では、見直す必要があるものと考えております。

 

2008年にバーゼル委員会は、流動性フレームワークの基盤となる「健全な流動性リスク管理及びその監督のための諸原則」(「健全な原則」)を公表しました。続いて、バーゼル委員会は資金流動性に係る2つの最低基準を策定し、流動性管理の枠組みをさらに強化しました。これらの基準は、それぞれ独立しているものの相互補完的な2つの目的を達成するために策定されております。

 

第1の基準の目的は、金融機関の流動性リスク態様の短期的強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関が流動性の高い資産を十分に保有し、1ヶ月間継続する強いストレスシナリオに耐える力を持っていることを確保することにあります。バーゼル委員会は、この目的を達成するために流動性カバレッジ比率(以下「LCR」)を策定しました。

 

第2の基準の目的は長期的な強靭性を高めることにあり、その手段として、金融機関に対し、常により安定的な資金調達源を確保したうえで業務を行うことを促すための追加的なインセンティブを設けました。安定調達比率(以下「NSFR」)は、対象期間を1年とし、資産・負債が持続可能な満期構造を保つよう策定されました。

 

これら2つの基準を構成するパラメータは、主として、国際的に統一された既定の数値です。しかしながら、各国固有の状況を反映させるため、一部のパラメータには各国裁量の要素が含まれております。観察期間が終了した後、LCRは必要に応じ修正を加えたうえ、2015年から導入される予定です。また、NSFRは、必要に応じ修正を加えたうえ、2018年までに最低基準とされる予定です。

 

 

5. コンティンジェンシー・ファンディング・プラン
 
野村は、詳細にわたるコンティンジェンシー・ファンディング・プラン(以下「CFP」)を定め、包括的リスク管理の枠組みに組み込むとともに、定量的なコントロールを強化しております。この中で、リクイディティ・イベントの範囲の分析と特定方法を記載しております。その上で、野村固有のあるいは市場全体の影響の可能性を見積もることや、リスクを低下させるために即座にとられるべき対応を特定しております。CFPは、キーとなる内部および外部の連絡先やどの情報を知らせるかを示すプロセスの詳細をリスト化しております。また、野村が規制上、法的、あるいは税務上の制限によって、グループ会社レベルにおける資金へのアクセスができなくなったことを想定し、グループ会社レベルで、個別の資金需要に応えうるように作られております。なお、野村は、定期的に様々な市場や野村固有のイベントに対して本CFPの有効性をテストしております。野村は、日本銀行等中央銀行が行う様々な証券に対して実施する資金供給オペレーションへのアクセスも持っております。これらのオペレーションは、通常のビジネスでも利用しておりますが、市場の悪化による不測のリスクを軽減させる重要な手段のひとつです。

 

キャッシュ・フロー

野村のキャッシュ・フローは、主に顧客ビジネスフローやトレーディングからなる営業活動およびそれと密接な繋がりのある財務活動によりもたらされます。金融機関はビジネスを展開していくことにより営業活動および投資活動において現金支出となる傾向にありますが、野村のキャッシュ・フローは以下に記載しておりますとおり2013年3月期、2014年3月期ともに営業活動において現金収入、投資活動において現金支出となりました。下の表は、野村の2013年3月期および2014年3月期の連結キャッシュ・フロー計算書の抜粋です。

 

 

(単位:十億円)

 

2013年3月期

2014年3月期

営業活動から得た現金(純額)

549.5

457.4

 

当期純利益

105.7

216.4

トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資

△ 1,448.5

△ 485.7

トレーディング負債

248.0

2,007.8

売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券(純額)

1,375.9

△ 183.9

借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金(純額)

863.5

△ 1,604.5

その他(純額)

△ 595.2

507.2

投資活動に使用された現金(純額)

△ 160.5

△ 103.2

財務活動から得た(△財務活動に使用された)現金(純額)

△ 701.6

289.4

 

長期借入の増減(純額)

△ 400.2

546.2

 

その他(純額)

△ 301.5

△ 256.8

現金および現金同等物に対する為替相場変動の影響額

47.2

41.1

現金および現金同等物の増加(△減少)額

△ 265.4

684.7

現金および現金同等物の期首残高

1,070.5

805.1

現金および現金同等物の期末残高

805.1

1,489.8

 

 

 

 詳細につきましては、「第5 [経理の状況]  1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]⑤連結キャッシュ・フロー計算書」をご参照ください。

 

 2014年3月期を通じて、野村の現金および現金同等物は6,847億円増加し1兆4,898億円となりました。長期借入の増加により5,462億円の現金収入があり、財務活動から得た現金(純額)は2,894億円となりました。トレーディングにおいてはトレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加による現金支出がありましたが、トレーディング負債の増加による現金収入の結果、1兆5,221億円の現金収入となりました。一方、売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券や借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金のようなレポ取引、有価証券貸借取引から1兆7,884億円の現金支出がありました。この結果、営業活動から得た現金(純額)は4,574億円となりました。

 

 2013年3月期を通じて、野村の現金および現金同等物は2,654億円減少し8,051億円となりました。長期借入の減少により4,002億円の現金支出があり、財務活動に使用された現金(純額)は7,016億円となりました。トレーディングにおいてはトレーディング負債の増加による現金収入がありましたが、トレーディング資産およびプライベート・エクイティ投資の増加による現金支出の結果、1兆2,005億円の現金支出となりました。一方、売戻条件付買入有価証券および買戻条件付売却有価証券や借入有価証券担保金および貸付有価証券担保金のようなレポ取引、有価証券貸借取引から2兆2,394億円の現金収入がありました。この結果、営業活動から得た現金(純額)は5,495億円となりました。

 

貸借対照表および財務レバレッジ

2014年3月31日現在の資産合計は、2013年3月31日現在の37兆9,424億円に対し、売戻条件付買入有価証券、借入有価証券担保金およびトレーディング資産が増加したこと等により、5兆5,779億円増加し、43兆5,203億円となりました。また、2014年3月31日現在の負債は、2013年3月31日現在の35兆6,235億円に対し、買戻条件付売却有価証券およびトレーディング負債が増加したこと等により、5兆3,436億円増加し、40兆9,671億円となりました。2014年3月31日現在の当社株主資本は、2013年3月31日現在の2兆2,944億円に対し、利益剰余金および累積的その他の包括利益の増加に伴い、前期末比2,193億円増加の2兆5,137億円となりました。

 

野村は、マーケットの極端な変動によってもたらされ得る大きな損失にも耐えられる規模の資本を維持することに努めております。野村の適正資本の維持に係る基本方針は経営会議が決定し、その実践の責任を負います。適正資本の維持に係る基本方針には、適正な総資産規模の水準やそれを維持するために必要な資本規模の決定などが含まれます。当社は、当社のビジネス・モデルに起因する経済的なリスクに耐え得る必要充分な資本を維持しているかにつき、定期的な確認を行っておりますが、こうした観点とは別に、銀行業や証券業を営む子会社は規制当局から要請される最低資本金額を満たす必要もあります。

 

レバレッジ・レシオは、野村と同様に他の金融機関でも、一般的に用いられており、当社のアニュアルレポートの利用者が野村のレバレッジ・レシオおよび調整後レバレッジ・レシオを他の金融機関と比較できるように、ベンチマークとする目的で、自主的に開示しております。調整後レバレッジ・レシオは、野村がレバッレッジに係る有用な補助的指標であると考える米国会計原則に基づかない指標です。現在のところ、レバレッジ・レシオに関する規制当局や開示法制による要求はありません。

 

 

以下の表は、当社株主資本、総資産、調整後総資産と財務レバレッジの状況を示しています。

(単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

当社株主資本

2,294.4

2,513.7

総資産

37,942.4

43,520.3

調整後総資産 (1)

23,827.1

26,173.3

レバレッジ・レシオ (2)

16.5倍

17.3倍

調整後レバレッジ・レシオ (3)

10.4倍

10.4倍

 

(1) 調整後総資産は米国会計原則に基づかない指標であり、総資産の額から売戻条件付買入有価証券および借入有価証券担保金の額を控除したものとなり、以下のように計算されます。

(単位:十億円)

 

2013年3月31日

2014年3月31日

総資産

37,942.4

43,520.3

 控除:

 

 

 売戻条件付買入有価証券

8,295.4

9,617.7

 借入有価証券担保金

5,819.9

7,729.3

調整後総資産

23,827.1

26,173.3

 

(2) レバレッジ・レシオは、総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。

(3) 調整後レバレッジ・レシオは、調整後総資産の額を当社株主資本の額で除して得られる比率です。

 

総資産は、主に売戻条件付買入有価証券、借入有価証券担保金およびトレーディング資産が増加したことにより、14.7%増加しました。当社株主資本は、主に利益剰余金および累積的その他の包括利益が増加したことにより、9.6%増加しました。この結果、野村の財務レバレッジは、2013年3月31日現在の16.5倍から2014年3月31日現在17.3倍に上昇しました。

 

調整後総資産が増加した理由は、トレーディング資産の増加によるものです。その結果、調整後レバレッジ・レシオは、2013年3月31日現在10.4倍、2014年3月31日現在10.4倍となりました。

 

 

連結自己資本規制

金融庁は2005年6月に「金融コングロマリット監督指針」を策定し、連結自己資本規制に関する規定を設けました。この「金融コングロマリット監督指針」に基づき、2005年4月から、当社は、連結自己資本規制比率のモニタリングを開始しました。

 

2011年4月から、当社は、親会社に対する連結自己資本規制の適用を受ける最終指定親会社の指定を受け、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成二十二年金融庁告示第百三十号、以下「川上連結告示」といいます。)により、バーゼルⅡに基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。また、2011年12月末からは、マーケット・リスク相当額の計測方法を大幅に改定したバーゼル2.5に基づく連結自己資本規制比率の計測を開始しました。さらに、2013年3月末からは、より質の高い資本を具備させることを目的とした自己資本項目の再定義や、信用リスク・アセットの計測対象の大幅な追加を主な内容とするバーゼルⅢを受けて改正された川上連結告示の内容に基づいた連結自己資本規制比率の計測を行っております。

 

当社は、川上連結告示第2条の算式に従い、普通株式等Tier1資本の額、Tier1資本(普通株式等Tier1資本およびその他Tier1資本)の額、総自己資本(Tier1資本およびTier2資本)の額、信用リスク・アセットの額、マーケット・リスク相当額およびオペレーショナル・リスク相当額をもとに連結自己資本規制比率を測定しております。2014年3月31日現在の野村の連結普通株式等Tier1比率(普通株式等Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は13.2%、連結Tier1比率(Tier1資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は13.2%、連結総自己資本規制比率(総自己資本の額をリスク・アセットの額で除した比率)は15.5%となり、川上連結告示の定める要件をそれぞれ満たしました。なお、2014年3月31日現在、川上連結告示の定める要件は、連結普通株式等Tier1比率について4.0%、連結Tier1比率について5.5%、連結総自己資本規制比率について8%となっております。

 

2013年3月31日および2014年3月31日現在の連結自己資本規制比率について、以下に示しております。

 

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

2013年3月31日

 

2014年3月31日

自己資本

 

 

 

  普通株式等Tier1資本の額

20,929

 

23,142

 Tier1資本の額

20,929

 

23,142

 総自己資本の額

24,521

 

27,157

 

 

 

 

リスク・アセット

 

 

 

  信用リスク・アセットの額

95,291

 

80,348

  マーケット・リスク相当額を8%で除して得た値

58,461

 

69,997

  オペレーショナル・リスク相当額を8%で除して得た値

21,714

 

23,915

    リスク・アセット合計

175,467

 

174,259

 

 

 

 

連結自己資本比率

 

 

 

  連結普通株式等Tier1比率

11.9%

 

13.2%

  連結Tier1比率

11.9%

 

13.2%

  連結総自己資本規制比率

13.9%

 

15.5%

 

 

普通株式等Tier1資本の額、その他Tier1資本の額およびTier2資本の額は、それぞれに係る基礎項目の額から調整項目の額を控除することにより算出されます。ただし基礎項目を上回る調整項目が発生した資本クラスにおいて、当該資本クラスの資本不足額として、上位の資本クラスにおいて調整項目となります。基礎項目や調整項目の内訳は、バーゼルⅢに基づく改正後の川上連結告示により定められ、経過措置により段階的に当社に適用されており、やや複雑な取り扱いとなっております。

 

2014年3月31日現在、当社の普通株式等Tier1資本に係る基礎項目の主な内訳は普通株式に係る株主資本であり、Tier2資本に係る基礎項目には、償還期限その他川上連結告示の規定を満たした劣後債務の全部または一部が算入されます。その他Tier1資本に係る基礎項目に該当する資本調達手段は発行しておりません。

 

現在当社の普通株式等Tier1資本に係る調整項目には、無形固定資産および期待損失額の一部等が含まれ、Tier2資本に係る調整項目には他の金融機関のその他Tier1資本調達手段への出資分および期待損失額の一部等が含まれます。その他Tier1資本に係る調整項目については、本来当社発行のその他Tier1資本との相殺を行うべきところ、その他Tier1資本調達手段の発行を行っていないことから、普通株式等Tier1資本に係る調整項目に算入される扱いとなっております。

 

マーケット・リスク相当額は内部モデル方式により算出しています。2011年12月末から、バーゼル2.5に基づく計測方法が求められており、マーケット・リスク相当額はバーゼルⅡに基づく計測方法に比べ、大きく増加しております。また、2013年3月末からは、従来自己資本から控除されていた証券化商品の一部がマーケット・リスク相当額の計測対象に追加されております。

 

信用リスク・アセットおよびオペレーショナル・リスク相当額は、金融庁の承認を得て2011年3月末から基礎的内部格付手法および粗利益配分手法によりそれぞれ算出しております。また、信用リスク・アセットの額の算出に用いるデリバティブ取引やレポ取引のエクスポージャーの額については、従来カレント・エクスポージャー方式や包括的手法により算出しておりましたが、金融庁の承認を得て2012年12月末からその多くを期待エクスポージャー方式により算出しております。2013年3月末からは、バーゼルⅢの導入に伴い、信用リスク・アセットの計測対象がより広範なものとなっております。

 

当社は川上連結告示で定められた要件の遵守状況を示す他に、バーゼルⅢが適用される他の金融機関との比較を容易にする為、連結自己資本規制比率を開示しております。当社の経営者はこれらに関する報告を定期的に受けております。

 

 

金融危機によって明らかになった脆弱性を踏まえ、規制資本の枠組みを強化するより広範な取組みについてバーゼル銀行監督委員会(以下「バーゼル委員会」)は一連の文書を公表しました。当社にとって関連が深いと思われる事項について、以下に概要を記載しております。

 

2009年7月13日に、バーゼル委員会はトレーディング勘定に対する資本賦課の取扱いの強化と、バーゼルⅡの枠組みの3本の柱を強化する措置に係る文書を公表し、同措置が2011年末から実施されました。いわゆるバーゼル2.5と呼ばれるトレーディング勘定に関する規制の見直しは、複雑なトレーディング業務に係る信用リスクを捕捉するためにより高い資本賦課を導入するものです。これにはストレスのかかったVaR(ストレスVaR)による資本賦課が含まれます。

 

2010年12月16日にバーゼル委員会は銀行セクターの強靭性を高めるために、いわゆるバーゼルⅢテキスト「より強靭な銀行および銀行システムのための世界的な規制の枠組み」および「流動性リスク計測、基準、モニタリングのための国際的枠組み」を公表しました。提案には、資本の質、一貫性および透明性の向上、店頭デリバティブ取引における信用評価調整(Credit Value Adjustment)の導入のような自己資本の枠組みにおけるリスク捕捉の強化、リスク・ベースの枠組みに対する補完的指標としてのレバレッジ比率の導入、現行の枠組みにおける「プロシクリカリティ(景気循環増幅効果)」に対する懸念を抑制する一連の措置の導入が含まれています。また、30日間の流動性カバレッジ比率と、それを補完するより長期的な構造の流動性比率を含む、最低限の流動性基準の導入も含まれています。また、システム上重要な金融機関が全体にもたらす外部要因としての影響を減少させるような、追加資本、流動性およびその他の監督上の措置も検討に上っています。この基準は、2013年3月31日より段階的に実施されております。加えて、2012年7月25日に、バーゼル委員会より公表された中央清算機関(CCP)向けエクスポージャーに対する資本賦課についての暫定規則はバーゼルⅢの一部として2013年3月末より段階的に実施されております。さらに、本有価証券報告書提出日までに、バーゼル委員会から、レバレッジ比率の枠組みと開示要件、ファンド向けエクイティ出資に係る資本賦課の最終案、カウンターパーティ信用リスクエクスポージャーの計測に係る標準的手法、清算機関向けエクスポージャーに対する資本賦課、大口エクスポージャーの計測と管理のための監督上の枠組等に関して一連の最終規則が公表されており、今後2019年にかけて順次導入予定です。

 

また、2011年11月のG-20サミットにおいて、金融安定理事会(以下「FSB」)とバーゼル委員会は、グローバルにシステム上重要な金融機関(以下「G-SIBs」)の監督手法および破綻処理計画の策定を含むG-SIBsに対する追加的要件を公表しました。同時に、G-SIBsのリストは毎年11月に更新されることになり、2012年11月および2013年11月に、FSBとバーゼル委員会は、G-SIBsのリストを更新しました。2012年11月および2013年11月時点において、当社はG-SIBsには指定されておりません。一方で、FSBとバーゼル委員会は、G-SIBsの枠組を国内のシステム上重要な金融機関(以下「D-SIBs」)まで拡張するよう要請されており、バーゼル委員会は、D-SIBs に関する評価手法およびより高い損失吸収力の要件に関する一連の原則を策定し、公表しました。FSBおよび証券監督者国際機構(以下「IOSCO」)による銀行・保険会社以外のグローバルなシステム上重要な金融機関(NBNI G-SIFIs)の選定方法についても協議がなされております。

 

国内においては、金融システムの安定性・透明性の向上を図り、投資者等の保護を確保するため証券会社の連結規制・監督が導入され、2011年4月1日から一定規模以上の証券会社を対象とする規制やモニタリングに関する川上連結告示等一連の規則が施行されました。今後も、川上連結告示を始めとする各業態の自己資本規制はバーゼル委員会、IOSCOまたはFSBの一連の規制強化の動きに沿って改定されると予想されます。

 

 

格付会社による信用格付

無担保資金の調達コストおよび調達可能金額は一般的に格付会社による長期あるいは短期の信用格付の影響を受けます。当社および野村證券には、Standard & Poor's、Moody's Investors Service、格付投資情報センターおよび日本格付研究所より長期および短期の信用格付が付与されています。

 

また、2013年10月3日に当社および野村證券は、Fitch Ratingsから新規に信用格付を取得しております。取得した格付はそれぞれ次のとおりです。

 

格付対象

短期債務

長期債務

野村ホールディングス(株)

F1

A-

野村證券(株)

F1

A-

 

 

2014年5月31日現在の当社および野村證券の格付会社による格付は以下のとおりです。

 

野村ホールディングス(株)

短期債務

長期債務

Standard & Poor's

A-2

BBB+

Moody's Investors Service

Baa3

Fitch Ratings

F1

A-

格付投資情報センター

a-1

A+

日本格付研究所

AA-

 

 

野村證券(株)

短期債務

長期債務

Standard & Poor's

A-2

A-

Moody's Investors Service

P-2

Baa2

Fitch Ratings

F1

A-

格付投資情報センター

a-1

A+

日本格付研究所

AA-

 

 

 

 

(6) オフ・バランス・シート取引

非連結事業体との取引

野村は通常の業務において、将来の財政状態や業績に影響を与える可能性があるさまざまなオフ・バランス・シート取引を非連結事業体と行っております。

 

野村が行う非連結事業体とのオフ・バランス・シート取引には、以下のものが含まれます。

 

・債務保証契約上の義務

・譲渡した資産に対する留保持分または偶発的な持分、もしくは、譲渡した資産に関し信用リスク、流動性リスク、市場リスクを補完するような類似の取引

・デリバティブとして会計処理される契約による一切の義務(偶発債務を含む)

・非連結事業体が資金調達リスク、流動性リスク、市場リスク、信用リスクの補完を野村に対し提供している場合、またはリース、ヘッジ、研究開発契約を野村と結んでいる場合、野村が保有しかつ野村にとって重要な非連結事業体の変動持分から発生する一切の義務(偶発債務を含む)

 

非連結事業体は、会社、パートナーシップ、ファンド、信託、その他法的事業体の形態をとり、限定された特定の目的を履行するために、発起人によって設立されます。野村は、これらの事業体を設立または発起したり、第三者によって設立または発起された事業体と取引を行います。

 

野村の非連結事業体との関与は、マーケットの状況に応じて、これらの事業体が発行する負債証券および受益権を組成し、引受け、売出し、販売することが含まれております。また野村は通常の証券化およびエクイティデリバティブ業務の中で、これらの事業体に対する金融資産の譲渡、これらの事業体が発行したリパッケージ金融商品の引受け、売出し、販売を行っております。さらに野村は、マーケットメーク業務、投資業務、組成業務に関連し、特別目的事業体にかかる変動持分の保有、購入、販売を行っております。非連結事業体とのそのほかの関与には、債務保証やデリバティブ契約などが含まれます。これらの事業体との重要な関与は、たとえ期末日における損失の可能性が低くても、取引全てに基づいて評価されています。

 

変動持分事業体との取引については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]  [連結財務諸表注記] 8 証券化および変動持分事業体」をご参照ください。

 

売却取引として会計処理しているレポ取引等

野村は、編纂書860の金融資産の消滅の要件を満たすため、担保付調達としてではなく売却取引として会計処理を行っている一定の形式のレポ取引や有価証券貸借取引を行っております。こうした取引には、満期レポ取引および特定の日本国内有価証券貸借取引があります。

 

満期レポ取引は、現物債券取引とレポ取引の裁定取引を行う目的で利用しております。特定の債券を市場で調達し、同時に別の取引先と担保債券の満期と一致する満期のレポ取引を締結します。この取引は編纂書860の金融資産の消滅の要件を満たした場合、担保付調達としてではなく売却取引として野村は会計処理しております。野村の連結貸借対照表上売却処理された満期レポ取引は、2013年3月31日および2014年3月31日において、それぞれ該当ありませんでした。

 

2014年6月、米国財務会計審議会は、満期レポ取引の会計処理を変更する新しい指針を公表しました。当該指針の詳細については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]1 会計処理の原則および会計方針の要旨:新しい会計基準の進展」をご参照ください。
 

 

 

野村は、(日本上場株券などの)保有有価証券を資金調達目的で譲渡する特定の有価証券貸借取引を日本国内で行っております。この取引には様々な担保率が適用されますが、通常は貸し付ける有価証券の時価にくらべ相当少ない額の現金を取引先より受領しております。この取引は従前の編纂書860の金融資産の消滅の要件(特に、譲受人が倒産した場合に実質的に合意した期間に譲渡した金融資産の返却を受けられないため、譲渡した金融資産に対して有効な支配を継続できないという点)を満たしていたため、野村の連結財務諸表上は売却取引として会計処理されておりました。2012年1月1日付けでのASU第2011-03号「買戻契約に関する実質的な支配の再検討」の適用により、適用日以降これらの取引は、売却ではなく担保付調達処理されることとなりました。2013年3月31日および2014年3月31日において連結貸借対照表からオフバランス処理された有価証券貸付取引に関わる有価証券はありません。

 

 

(7) 契約上の義務の開示

野村の業務の一部として、将来支払いが必要となるかもしれないさまざまな契約上の義務および偶発的コミットメントを有しております。これらの取引は以下のものを含んでおります。

 

スタンドバイ信用状およびその他の債務保証
 野村は、通常の銀行もしくは金融業務の一環として、スタンドバイ信用状およびその他の債務保証の方法で取引相手とさまざまな債務保証を行っており、こうした債務保証には一般に固定満期日が設定されております。

 

長期借入および約定金利の支払
 野村の業務に関連して、野村の資金調達政策に従い、日本円建ておよび日本円建て以外の長期借入、それに関わる変動および固定金利の支払いを行っております。

 

オペレーティング・リース・コミットメント
 野村は、国内外でオフィスおよび特定の従業員用住宅、施設等を解約可能リース契約により賃借しており、当該契約は契約期間満了時に更新されるのが慣行になっております。
 野村は、国内外で特定の器具備品および施設を解約不能オペレーティング・リース契約により賃借しております。

 

キャピタル・リース・コミットメント
 野村は、国内外で特定の器具備品および施設をキャピタル・リース契約により賃借しております。

 

購入義務
 物品およびサービスを購入する義務には、建物設備等の工事、広告宣伝、コンピュータ・IT関連の維持管理などに関する契約が該当します。

 

貸出コミットメント
 野村は、銀行もしくは金融業務の一環として、貸出コミットメントを行っており、こうした契約義務には一般に固定満期日が設定されております。
 投資銀行業務に関連して、野村は顧客により発行されうる有価証券を引き受けることを保証する契約を結んでおります。

 

パートナーシップへ投資するコミットメント
 野村は、マーチャント・バンキング業務に関連して、パートナーシップ等に投資するコミットメントおよび当該投資に関連してパートナーシップに資金提供するコミットメントを行っております。

 

航空機購入コミットメント
 野村は、航空機のリース事業に関連して、航空機を購入するコミットメント契約を結んでおります。

 

 「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]10 リース」に野村のオペレーティング・リース、キャピタル・リースにかかわる追加的情報を、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]13 借入」に野村の短期借入および長期借入にかかわる追加的情報を、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][連結財務諸表注記]23 コミットメント、偶発事象および債務保証」にこれらにかかわる追加的情報を記載しております。

 

 

 こうした貸出コミットメントにかかる契約金額は、契約がすべて実行され、取引相手先が債務不履行の状態となり、既存担保が無価値になったと仮定した場合に想定される、野村の信用関連損失の最大値を表しております。締結された契約が実行されることなく契約義務が満期を迎える場合もあるため、こうした信用関連コミットメントの契約金額は将来の現金所要額を必ずしも表わしているわけではありません。こうした契約義務にかかる信用リスクは、顧客の信用力および受入担保の価値によって異なったものになります。野村は、各顧客の信用力を個別に評価しております。信用供与に際して必要と考えられる場合に野村が取引相手から受け入れる担保の金額は、取引相手の信用力評価に基づいております。

 

下記の表は2014年3月31日現在での満期年限別の契約上の義務および偶発的コミットメントを表示しております。

 

(単位:百万円)

契約総額

満期年限

1年以内

1~3年

3~5年

5年超

 スタンドバイ信用状およびその他の債
 務保証

11,509

334

2,668

2

8,505

長期借入(1)

8,045,501

1,435,789

2,018,293

1,862,849

2,728,570

約定金利の支払(2)

1,104,656

155,372

227,793

164,380

557,111

オペレーティング・リース・コミットメント

149,942

18,310

28,917

22,638

80,077

キャピタル・リース・コミットメント(3)

64,100

509

7,778

8,115

47,698

購入義務(4)

15,901

13,825

2,076

貸出コミットメント

479,634

85,533

52,872

165,623

175,606

パートナーシップ等へ投資するコミットメント

18,460

4,305

829

318

13,008

航空機購入コミットメント

4,409

4,409

  合計

9,894,112

1,718,386

2,341,226

2,223,925

3,610,575

 

(1) 長期借入で開示されている金額は、編纂書860に従って金融資産の譲渡を売却取引ではなく金融取引として会計処理されている金融負債を含んでおりません。これらは野村の資金調達を目的とした借入ではなく、したがって野村が現金を返済する実際の契約上の義務を表しておりません。

(2) 約定金利の支払金額は、長期借入金に関連し、その償還期日および2014年3月31日現在適用される金利に基づいて見積もられる将来の支払金利の総額であります。

(3) キャピタル・リース・コミットメントの契約総額は利息を控除する前の最低支払リース料を記載しています。

(4) 購入義務の金額は、重要な条件がすべて特定されている法的な強制力のある契約に基づく、契約上の義務となる最低金額が記載されています。購入義務の金額には、既に貸借対照表に負債または支払債務として計上されているものは除かれています。

 

上記に記載されている契約上の義務および偶発的コミットメントには、通常の場合短期の義務の性格を有する短期借入、受入銀行預金、その他の支払債務、担保付契約および担保付調達(例えば、売戻条件付買入取引および買戻条件付売却取引)およびトレーディング負債などを含んでおりません。 

 

  上記の金額に加えて、野村は担保付契約、担保付調達および現先レポ取引に関連する金額を含む売戻契約および買戻契約を結ぶ義務を負っております。これらのコミットメントは2014年3月31日現在、売戻契約に対して2,365十億円および買戻契約に対して771十億円となっております。これらの金額には、編纂書860に従って、金融取引ではなく売却として会計処理されている一定の買戻取引および有価証券貸借取引が含まれています。