第2 【事業の状況】

 

本項における経営目標、予測、並びにその他の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、これらの目標や予測の達成及び将来の業績等を保証しまたは約束するものではありません。また今後、予告なしに変更されることがあります。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の営業収益は前年度比2.6%増の6,593億円、純営業収益は同1.8%減の5,322億円となりました。販売費・一般管理費は同1.1%増の3,613億円となり、経常利益は同6.3%減の1,845億円となりました。
  これに、特別損益、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同12.4%減の1,484億円となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

純営業収益

経常利益

平成26年
3月期

平成27年
3月期

対前年度
増減率

平成26年
3月期

平成27年
3月期

対前年度
増減率

リテール部門

253,093

232,033

△8.3%

102,120

77,756

△23.9%

ホールセール部門

175,338

180,568

3.0%

47,428

52,888

11.5%

アセット・マネジメント部門

48,714

55,140

13.2%

25,328

32,142

26.9%

投資部門

19,989

8,351

△58.2%

17,171

6,506

△62.1%

その他・調整等

44,815

56,126

4,996

15,284

連結 計

541,951

532,220

△1.8%

197,045

184,578

△6.3%

 

 

[リテール部門]

前連結会計年度に比べて株式市場における取引が減少したことなどにより、純営業収益は2,320億円(前年度比8.3%減)、経常利益は777億円(同23.9%減)となりました。

 

[ホールセール部門]

前連結会計年度に引き続き債券の販売が好調だったことなどにより、純営業収益は1,805億円(同3.0%増)、経常利益は528億円(同11.5%増)となりました。

 

[アセット・マネジメント部門]

株式投資信託の販売増加に加え、円安・株高により運用資産残高が拡大したことなどにより、純営業収益は551億円(同13.2%増)、経常利益は321億円(同26.9%増)となりました。

 

[投資部門]

前連結会計年度に比べて大型の投資案件の回収が減少したことなどにより、純営業収益は83億円(同58.2%減)、経常利益は65億円(同62.1%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減、銀行業における預金の増減などにより、7,259億円の増加(前年度は1兆1,235億円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出や有価証券の売却及び償還による収入、有形固定資産の取得による支出などにより、132億円の減少(同4,484億円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減、長期借入れによる収入や長期借入金の返済による支出などにより3,433億円の増加(同255億円の増加)となりました。これらに為替変動の影響等を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、2兆9,205億円となりました。

 

2 【対処すべき課題】

前中期経営計画の3ヵ年において、当社グループは、高水準の利益、固定費カバー率の改善、信用格付の向上等、所期の成果を残すことができました。これは、アベノミクスにより市場が活性化する中、強靭な経営基盤の確立に向けて、ビジネスの多様化及び安定収益の拡大に取り組んだ結果であります。
 当社を取り巻く環境に目を向けると、“貯蓄から投資の時代”が本番入りを迎えるための4つの条件、即ち、①デフレ脱却、②投資の成功体験の広がり、③政策・制度の後押し、④企業の稼ぐ力の向上、は全て充たされつつあります。
 そのような中、平成29年度までを対象期間とする新グループ中期経営計画~“Passion for the Best”2017~を策定しました。本格化する“貯蓄から投資の時代”の中で、業界トップのクオリティによりお客様に選ばれ、ベストパートナーとなることを基本方針に据え、成長戦略を実施していきます。グループの総力を結集し、「貯蓄から投資の時代をリードする投資サービスの提供」及び「企業価値向上に資するソリューションの提供」に取り組むことで、わが国において、「貯蓄から投資と企業価値向上の好循環」を実現し、資本市場の発展をリードしていきます。
 新グループ中期経営計画の初年度である平成27年度は、「幅広い投資家層のニーズに対応する商品・サービスプラットフォームの構築」、「資産運用力の強化」、「次世代成長企業の発掘・育成と成長資金の供給」、「企業のグローバル化、M&Aニーズへのソリューション提供」を重点テーマに掲げ、アクションプランを着実に実行していきます。資本市場のパイオニアとして、“貯蓄から投資の時代”を切り拓き、日本の成長戦略に貢献していきます。

 

平成27年度の各事業部門の事業計画は、以下のとおりであります。

 

(1) リテール部門

① 質・量両面での営業力の拡充

② インバウンドを中心とした新しい顧客層の拡大

③ AI(注1)、ビッグデータの活用による営業効率向上及び提案サポート機能の強化

④ フィーベース型商品・サービスの拡充

⑤ 証銀連携ビジネスモデルの進化

 

(2) ホールセール部門

① 顧客ニーズを的確に捉える商品提供能力の向上

② アジアを中心としたグローバル戦略の推進

③ 次世代成長企業の発掘・育成と成長資金の供給

④ 企業のグローバル化、M&Aニーズへのソリューション提供

 

(3) アセット・マネジメント部門

① 運用体制の強化・パフォーマンス追求

② 証券・銀行窓販の両チャネルにおける主力ファンドの構築・拡充

③ 投資家のすそ野拡大および長期資産形成に適する商品の開発

④ タイムリーな情報発信、販売サポート体制の更なる強化

⑤ 不動産アセット・マネジメント事業の一層の強化

 

 

(4) 投資部門

① 投資運用力の強化によるリターン確保

② 自己資金の活用によるグループビジネスと連携した投資の実行

③ 成長資金の供給等による企業の持続的成長及び新規産業育成支援

 

(5) その他(大和総研グループ)

① 経済・金融・環境を柱とした積極的な情報発信

② 国内・アジアにおけるコンサルティング力の強化

③ 国内金融機関で最高水準のIT環境を整備

 

(6) その他(大和ネクスト銀行)

① 新規顧客層の拡大

② 証銀連携強化による顧客取引促進

③ ALM(注2)運営の強化

④ 各種管理態勢の強化

 

  (注1)AI(Artificial Intelligence):人工知能

  (注2)ALM(Asset Liability Management):資産と負債の量を総合的に管理するリスク管理手法

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項に関し、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では想定していないリスクや重要性が乏しいと考えられるリスクも、今後当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 日本及び世界の景気、経済情勢、金融市場の変動に関するリスク

米国では、雇用や住宅販売といった主要景気指標に改善の兆しがあるものの、政府による金融量的緩和策の縮小の進行、利上げによる景気の停滞リスクを孕んでいます。また、欧州地域においては、ECBによる支援策等により一時の危機的状況は脱したとみられるものの、その先行きは依然として不透明な状況です。再び、信用不安や財政問題が発生した場合には、世界的な金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。

一方、日本経済は平成24年11月を底に回復局面に入り、長年の懸念とされてきた社会保障の充実安定化と財政健全化の同時達成による日本経済再生を目指し、平成26年4月に17年ぶりの消費税率の引上げが行われました。しかしながら、今後、消費税増税に伴う経済対策の効果が見られず財政問題が再び深刻化したような場合や、このところ回復基調にある欧米諸国経済の低迷、中国や新興国における経済成長の鈍化が顕在化する場合には、日本経済が再び低迷の危機に陥る可能性も否定できません。

このように、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、又は世界の景気や経済情勢が停滞若しくは悪化した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替・金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 外的要因によるリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務は、マーケットに急激な変動を生じさせる予測不可能な出来事の発生により大きな影響を受ける傾向があります。例えば、平成13年9月に発生した米国同時多発テロや、平成23年3月に発生した東日本大震災がもたらした社会・経済・金融等の混乱や危機的状況は、いずれも当社グループの業績に重大な影響を及ぼしました。

このように、戦争・テロ行為、地震・津波・洪水等の自然災害、新型インフルエンザの大流行や情報・通信システム・電力供給といったインフラストラクチャーの障害等の外的要因は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競争状況に伴うリスク

株式の売買委託手数料率の自由化をはじめ、ファイアーウォール規制の見直し等、一連の大幅な規制緩和を契機として、当社グループの主たる事業である有価証券関連業務における競争は、厳しいものとなっています。参入規制がほぼ撤廃されて、銀行その他の証券会社以外の国内外の金融グループは、幅広い金融商品・サービスの提供を行うことにより、顧客基盤及び店舗ネットワークを構築・強化しております。

当社グループは、これら国内外の金融グループに対して、競合する事業における価格やサービス面等の点で十分な競争力を発揮できるという保証はなく、これが発揮できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) グループ戦略が奏功しないリスク

当社グループは、有価証券関連業務を中核に投資・金融サービスを行うグループ会社群によって構成されており、これらグループ会社が連携することで付加価値の高い投資・金融サービスを提供し、グループ全体の企業価値を最大化することを目指しております。しかしながら、①国内外の経済・金融情勢が一層悪化した場合、②競争環境の変化により、当社グループの期待する収益を得られない場合、③当社グループ内外との事業提携・合弁関係、業務委託関係が変動あるいは解消した場合、④当社グループ内の組織運営効率化のための施策が想定どおりに進まない場合、及び⑤法制度の大幅な変更があった場合をはじめとする様々な要因により、上記のグループ戦略に変更が生じる場合や、グループ会社間の業務、その他の連携が十分に機能しない場合には、グループ戦略が功を奏しない可能性や想定していた成果をもたらさない可能性があり、その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 業績の変動性に伴うリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務をはじめ、その他の主要業務であるアセット・マネジメント業務、投資業務は、お客様との取引から得られる手数料、トレーディング損益、営業投資有価証券関連損益等が大幅に変動するという特性を持っております。当社グループでは業績の安定性を向上させるべく、リテール部門における預り資産の拡大やホールセール部門の収益構造の多様化、アセット・マネジメント部門における契約資産残高の拡大、市場リスクや信用リスクをはじめとする各種リスクの管理強化、経費管理の徹底等の努力を行っておりますが、これらの施策は有価証券関連業務に伴う業績の変動性をカバーすることを保証するものではなく、とりわけ経済・金融情勢が著しく悪化した場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの過去3連結会計年度における連結業績の推移は次のとおりです。

 (単位:百万円)

回次

第76期

第77期

第78期

決算年月

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

営業収益

525,411

642,829

659,396

純営業収益

417,308

541,951

532,220

経常利益

95,176

197,045

184,578

当期純利益

72,909

169,457

148,490

 

 

(6) リテール部門におけるビジネス・リスク

リテール部門では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、日本の証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、店舗、営業員、オンライン取引システム等を必要とするため、不動産関係費、人件費、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

 

 

(7) ホールセール部門におけるビジネス・リスク

ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングの各ビジネスにより構成されております。

グローバル・マーケッツにおける現物取引やデリバティブ取引等のトレーディング業務には、市場動向や税制、会計制度の変更等の影響でお客様の取引需要が減少して収益が低下するリスクや、急激かつ大幅な市況変動でディーラーの保有ポジションの時価が不利な方向に変動して損失が発生するリスク、低流動性のポジションを保有していたため市況変動に対応して売却することができず損失が発生するリスク等があります。

これらのうち、主要なものは市場リスク(株式・金利・為替・コモディティ等の相場が変動することにより損失を被るリスク)と信用リスク(与信先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、あるいは債務が履行されないことにより損失を被るリスク)です。当社グループでは、各商品のトレーディングにかかるリスクを軽減するために、各商品の過去の市場価格の推移や各商品の価格変動の相関を参考に、必要に応じて様々なヘッジ取引を行っておりますが、予想を超える市場の変動や突発的に発生する個別の事象等により、ヘッジが有効に機能しない可能性もあります。さらに、トレーディング・ポジションの内容が特定の銘柄や業種等に偏ると、ポートフォリオ全体の分散効果が得られにくくなるほか、ポジションの円滑な処分も困難になるため、リスクが顕在化した場合の損失額が大きく膨らむ傾向があります。

グローバル・マーケッツにおけるブローカレッジ業務では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、日本の証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、法人のお客様向けの大規模な取引システム等を必要とするため、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

また、グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、法人のお客様の財務面でのニーズに対応して、債券、上場株式、新規公開株式、資産流動化証券等の引受け、募集・売出しを行うほか、仕組み証券やストラクチャード・ファイナンスの組成に関する業務、M&A、事業再編や新規公開に関するアドバイザリー業務も行います。これらの業務には、概して証券市況に影響されて取引規模及び取引量が急激に変動する特性があります。また、引受業務には、引受けた証券が市況の下落等で円滑に投資家に販売できない場合、引受けた証券を保有すること等により、市場価値の下落による損失を被るリスクがあります。引受業務におけるポジション・リスクは、単一の銘柄でかつ巨額なポジションとなり、適時に効果的なリスク回避の手段をとることができないため、通常のトレーディングにおけるポジション・リスクよりも重大なリスクとなり得ます。また、引受業務には、有価証券の募集・売出しにかかる発行開示が適切になされなかった場合には、金融商品取引法に基づき引受会社として投資家から損害賠償請求を受けるリスクがあります。

 

(8) アセット・マネジメント部門におけるビジネス・リスク

アセット・マネジメント部門の収益は、運用資産の残高に基づく一定料率又は実績連動の報酬です。市場の変動によって運用資産の評価額が下落した場合や、お客様の資産運用の動向が変化(預金等の安定運用志向の高まりを含む。)したり、あるいは当社グループの運用実績が競合他社に比べて低迷する等して、解約等が増加し、運用資産が減少した場合には、当社グループの収益は減少します。

他方、アセット・マネジメント部門の経費構造は、システム関連経費や人件費が中心であって、固定費的な要素が強いため、収益の低下が著しい場合には採算割れとなるリスクがあります。

 

 

(9) 投資部門におけるビジネス・リスク

投資部門では、将来、株式公開が見込まれると判断したベンチャー企業等の株式等を取得し、株式公開時に当該株式を売却し利益を得ることを主たる目的とするベンチャー・キャピタル業務や、自己の資金により企業の株式等を取得・保有し、経営改善等によって投資先企業の価値を高めた上で当該株式等を転売し利益を得ることを主たる目的とするプリンシパル・インベストメント業務等を行っています。

ベンチャー企業等は、一般的に、事業運営の歴史が浅く、多くの場合事業運営モデルが確立しておらず、資金調達手法や商品・サービスに対する長期的な需要の確保に不確実性が見られ、また、優秀な人材の継続的雇用も保証されていない等、経営全体の基盤が安定していない傾向が強いといえます。さらに、創業者等の特定の人物に対する依存度が著しく高い場合が多い等、多種多様なリスク要因を包含しています。したがって、投資後に投資先企業の企業価値が低下する場合や投資先企業が倒産する場合もあり、結果として損失を被る可能性があります。

また、一般的に、ベンチャー企業等が株式公開を目指してから実際の公開に至るまでには相当の期間を要することから、投資期間も長期にわたる傾向があります。さらに、投資先企業のすべてが株式公開を実現する保証はなく、投資先企業の株式公開が実現した場合においても、当該企業の株式等の取得原価を上回る価額で当該株式等を株式市場等で売却できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損又は評価損が発生する可能性もあります。

プリンシパル・インベストメント業務は、保有する有価証券やその他の資産のポジションの流動性が低いこと、投資先の分散によるリスク抑制が行い難いこと、保有期間が長いこと、投資開始時点で経営に何らかのリスク要因のある企業を投資対象とする場合が多いこと、売却時に国内外の規制上の障害があって処分が妨げられたり処分までに長期間を要することがありうること等から、成功した場合のリターンが大きい代わりにリスクも高いビジネスです。保有株式等を転売せずに保有継続する場合には評価損が発生する可能性があり、転売する場合において、取得原価を上回る価額で転売できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損が発生する可能性があります。

 

(10) 銀行業に伴うビジネス・リスク

当社グループでは、連結子会社である株式会社大和ネクスト銀行(以下、「大和ネクスト銀行」という。)が銀行営業免許を取得し、同行を所属銀行とする銀行代理業許可を取得した大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)と共に、平成23年5月よりお客様向けサービスを提供しております。

大和ネクスト銀行においては、銀行代理店である大和証券やインターネット等を通じたお客様からの預金受入れ等により調達した資金を、貸出や債券その他有価証券投資等により運用しておりますが、銀行業は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、システムリスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、自己資本比率低下リスク等、様々なリスクへの対応が必要となります。このような広範に渡るリスクの管理態勢の整備・改善等の対応を進めておりますが、これらの対応が不十分であった場合、運用資産の利回り低迷や調達金利の上昇等により期待された利鞘が確保できない場合、競合する他の銀行との差別化戦略が期待どおりに進まず競争力が発揮できなかった場合等においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 不動産投資法人に関するリスク

大和証券オフィス投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律に基づく投資法人であり、株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、投資口及び投資法人債の発行並びに金融機関等からの借入れ等により資金調達をし、主としてオフィスビルを中心とした不動産及び不動産を信託財産とする信託受益権等に対して投資し、不動産の賃貸や売却等により回収することを主たる事業としております。

大和証券オフィス投資法人の事業は、市場環境や経済情勢の変動、調達金利の変動、テナントの入退去、賃料の改定・不払い、テナント・信託の受託者その他関係者の倒産等、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による建物の滅失・劣化・毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、行政法規・税法(投資法人と投資主の二重課税を排除するための税法上の要件を含む。)その他法令等の制定・変更、取引所規則等の制定・変更等の様々な事情により影響を受ける可能性があります。これらにより、期待する水準又は時期による賃料や売却収入が得られなかったり、評価損が発生した等の結果、大和証券オフィス投資法人が純損失を計上した場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループでは、平成24年3月期より大和証券オフィス投資法人を連結子会社として扱っておりましたが、大和証券オフィス投資法人が実施をした新投資口発行に伴う当社グループの持分比率の低下の結果、大和証券オフィス投資法人は、平成27年6月1日より、当社グループの連結子会社から除外され、持分法適用関連会社となりました。

 

(12) 投資有価証券に関するリスク

当社グループは、提携・友好関係の維持や構築等を目的として、対象企業等の株式等を保有しております。このうち、市場性のある株式等については市場価格の下落により、それ以外の株式等については当該対象企業等の財政状態及び経営成績の悪化等に起因する減損損失あるいは評価損が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、上記株式等について、保有意義の希薄化等を理由に売却を実行する際、市場環境若しくは対象企業等の財政状態及び経営成績等によっては、期待する価格又は時期に売却できない可能性があります。

 

(13) 海外事業に関するリスク

当社グループは現在、アジアを中心とする新興国市場における事業基盤の構築に取り組んでおります。

海外の事業基盤は、国内の事業基盤と比較すると、お客様の取引ニーズの変動や市場環境、政治・金融・経済情勢の変動の影響をより強く受け易く、これらの変動の程度やリスク管理の状況によっては減収又は損失を被る可能性があります。また、海外事業については、投下した資本並びに収益が為替リスクに晒されていることや、現地における法規制等の変更により、当社グループ又は当社グループが出資する合弁会社等の事業が制約を受ける可能性があるほか、投下資本の価値が変動する可能性があります。

 

(14) 自己資本規制・流動性規制に関するリスク

当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成22年金融庁告示第130号)の適用を受け、同告示第2条に基づいて連結自己資本規制比率を所定の比率(連結普通株式等Tier1比率4.5%、連結Tier1比率6%、連結総自己資本規制比率8%)以上に維持する必要があります。

また、連結子会社のなかにも同様に類似の規制を受けている会社があります。大和証券、日の出証券株式会社及びリテラ・クレア証券株式会社は、金融商品取引法に定める自己資本規制比率を同法に基づいて120%以上に維持する必要があります。大和ネクスト銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定める自己資本比率(国内基準)を同告示に基づいて4%以上に維持する必要があります。海外の連結子会社についても同様の会社があります。

当社グループは、平成27年3月末より「金融商品取引法第57条の17第1項の規定に基づき、最終指定親会社が当該最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性を判断するための基準として定める最終指定親会社及びその子法人等の経営の健全性のうち流動性に係る健全性の状況を表示する基準」(平成26年金融庁告示第61号)が適用され、同告示に基づいて連結流動性カバレッジ比率を所定の比率(平成27年は60%、以降毎年10%上昇し平成31年以降は100%)以上に維持する必要があります。
 また、同時に「金融庁長官が定める場合において、最終指定親会社が経営の健全性の状況を記載した書面に記載すべき事項を定める件第3条第1項の規定に基づき、金融庁長官が別に定める連結レバレッジ比率」(平成27年金融庁告示第11号)が適用され、同告示に基づいて連結レバレッジ比率を算出・開示することが必要になります。

当社グループの上記比率又は連結子会社の自己資本規制比率が著しく低下した場合には、レピュテーショナルリスクの波及や信用水準の低下により流動性懸念が生ずる可能性があります。さらに、最低基準を下回った場合に有効な対策(資本増強策等)を講じられない場合には、内外の監督当局から業務改善命令や業務の全部又は一部の停止等の措置を受ける可能性があります。

 

 

(15) 当社グループが発行する有価証券に関するリスク

当社株式は、東京及び名古屋の各金融商品取引所に上場しており、その売買については金融商品取引法をはじめとする関連法令及び各金融商品取引所が定める諸規則等に基づいて行われております。これらの規則等により、当社に係る重要情報の周知を目的として売買停止の措置がなされ、あるいは当社株式について大量の注文執行により売買が一時的に停止される等、当社株式の売買ができなくなる状況が生じる可能性があります。

当社は、ストック・オプションの目的で新株予約権を発行しておりますが、将来において新株予約権の行使がなされた場合は、1株当たり利益が希薄化する可能性があります。また、当社株式を大量に保有する株主が当社株式を売却することに伴って、株価が下落する可能性があります。

 

(16) 資金流動性リスク

当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っております。このため、適切な流動性を確保し、財務の安定性を維持することが必要となります。しかし、市場環境の変化や当社グループ各社の財務内容の悪化などにより、資金繰りに支障をきたすこと、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。

当社グループの資金調達が困難になった場合には、保有する資産を圧縮する等の対応が必要となります。しかし、市場環境の悪化により市場全体の流動性が低下すると、当社グループが売却しようとする資産のうち信用度の低い資産の流動性はより一層低下し、保有資産の処分ができなくなったり、取得原価を大幅に下回る価格であっても売却せざるを得なくなるリスクがあります。

こうした資金流動性リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に制約を受ける可能性や、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) オペレーショナルリスク

当社グループは、多様な業務を行うことに伴うオペレーショナルリスクに晒されており、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループが損失を被ること等により、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、オペレーショナルリスクを以下のように定義して管理しております。

① 事務リスク
役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスク

② システムリスク
コンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備等に伴い、損失を被るリスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスク

③ 情報セキュリティリスク
情報資産に対する脅威の発現のために、情報セキュリティ(機密性、完全性、可用性の維持)が確保されないリスク

④ コンプライアンスリスク
金融商品取引業務等に関し役職員が企業倫理及び法令諸規則等に従わないことにより損失を被るリスク及び顧客等との法的紛争により損失を被るリスク

⑤ リーガルリスク
不適切な契約締結、契約違反により損失を被るリスク

⑥ 人的リスク
労務管理や職場の安全環境上の問題が発生することにより損失を被るリスク、必要な人的資源が確保されないリスク

⑦ 有形資産リスク
自然災害や外部要因又は役職員の過失などの結果、有形資産の毀損等により損失を被るリスク

特に有価証券関連業務においては、取引の執行や決済等を処理するコンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備、システムの新規開発・統合等に起因するシステム障害、サイバー攻撃等によるデータの改竄やお客様の情報の流出等が発生した場合、業務が正常に行えなくなることによる機会損失や損害賠償責任の発生、社会的信用の低下等を通じて当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18) 規制等に関するリスク

当社グループの各社は、その業務の種類に応じた法令や自主規制団体の規程等による規制を受けております。グループの主たる証券会社である大和証券をはじめ、大和証券投資信託委託株式会社、大和住銀投信投資顧問株式会社、大和企業投資株式会社等が、金融商品取引業者として金融商品取引法等の規制を受けているほか、大和ネクスト銀行が銀行法等の規制を受けております。

また、大和証券は貸金業等の兼業業務に関して関係法令上の規制にも服しております。さらに、当社グループは金融商品取引法の定めにより、親法人等・子法人等が関与する行為の弊害防止のため、当該関係を利用した一定の取引の制限や、親法人・子法人間での情報授受や利用の制限等を受けており、お客様の利益が不当に害されることがないよう、適切な情報管理と内部管理体制の整備が求められております。また、当社は、一部のグループ各社の主要株主として、監督当局が公益又は投資家保護のために必要かつ適当であると認めるときは報告・資料提出命令を受ける等一定の規制を受ける可能性があります。一方、海外の子会社には現地の法制上、証券会社や金融機関としての規制を受けるものもあります。

なお、当社は、特別金融商品取引業者である大和証券の最終指定親会社として監督当局の連結規制・監督の対象となっております。また、当社グループは「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」における「指定親会社グループ」に該当するとともに、大和ネクスト銀行が銀行営業免許を保有していることに伴い、「金融コングロマリット監督指針」における「事実上の持株会社グループ」に該当することとなり、連結自己資本の適切性を含む一定の事項について連結ベースでの監督を受けております。

加えて、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)主導の下、各種金融規制・監督の強化が包括的に進む中、これらの国際的な金融規制や各国独自の金融規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

上記のように、当社グループの事業の多くは行政及び自主規制団体による監督・規制やグローバルな金融規制のもとにあり、将来における法規・規程、政策、規制の変更が当社グループの事業活動や経営体制、さらには当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 法令遵守に関するリスク

当社グループは、グループ全体の内部統制機能を強化し、より充実した内部管理体制の構築に努めるとともに、役職員に対する教育・研修等を通じ、インサイダー取引規制を含め法令遵守の徹底に注力しております。しかしながら、事業を進めていく上で、その執行過程に関与する役職員の故意又は過失により法令違反行為が発生する可能性は排除し得ず、周到な隠蔽行為を伴った意図的な違法行為等については、長期間にわたって発覚しない可能性もあるため、当社グループの業績に悪影響を与えるような規模の損害賠償を取引先等から求められる可能性があります。

さらに、役職員の不正行為のみならず、法人としての当社又はグループ会社に法令違反その他の問題が認められた場合には、監督当局から課徴金の納付命令、業務の制限又は停止等の処分・命令を受ける可能性があります。また、当社グループは情報管理の徹底や「個人情報の保護に関する法律」への対応については万全の体制を敷いていると認識しておりますが、過失や不正行為等により当社グループの保有する顧客情報等各種の情報が外部に流出した場合、当社グループの信用の失墜、クレームや損害賠償請求、監督官庁からの処分等を受ける可能性があります。

当社グループの事業は、お客様からの信用に基づく部分が大きいため、法令遵守上の問題が発生し当社グループに対する社会的信用が低下した場合には、お客様との取引が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす事態が生じる可能性もあります。

 

 

(20) 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当社は、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制に関する規定及び関連する諸規則の施行に伴い、財務報告に係る内部統制に必要な体制整備・運営に努めております。しかしながら、こうした取組みが有効に機能せず、監査法人による内部統制監査の結果、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見された場合等においては、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 訴訟リスク

当社グループでは、経営方針等において、お客様本位の営業姿勢を掲げており、今後もより一層のサービスの拡充に努めていく所存ではありますが、お客様に対する説明不足やお客様との認識の不一致等によってお客様に損失が発生した場合には、当社グループが訴訟の対象となることがあります。その損失が当社グループの責任に起因する場合、当社グループは民法上、金融商品取引法上、又はその他の根拠に基づく損害賠償義務を負う可能性があります。このほか当社グループは、広範な事業を行い、複雑な規制に服していることから、多数の当事者を巻き込み、多額の請求金額に上るものを含め、様々な訴訟リスクに晒されており、訴訟に伴う損害賠償そのもののみならず訴訟内容に起因する社会的信用の低下から当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが事業に関して使用している商標やビジネスモデル等のなかには、現在出願中のため、権利が確定していないものもあります。当社グループの確認の不備等がなかった場合においても、結果として当社グループが第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。

 

(22) レピュテーショナルリスク

当社グループの事業は、法人、個人のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。「3 事業等のリスク」に記載した事象が発生した場合、特に「(17)オペレーショナルリスク」、「(19)法令遵守に関するリスク」、「(20)財務報告に係る内部統制に関するリスク」及び「(21)訴訟リスク」に記載したように、当社グループや役職員の責任に起因する法令違反や訴訟等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、憶測に基づいたり、必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する可能性もあります。その結果、お客様による取引停止等が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(23) リスク管理方針及び手続の有効性に関するリスク

当社グループは、リスク管理方針及び手続の強化に努めておりますが、リスク管理の有効性は事業内容やグループ内各企業の特性により異なります。また、新しい分野への急速な業務展開に際しては、必ずしも有効に機能しない可能性があります。

リスク管理の前提としては、市場や投資先に関する情報の収集・分析・評価が重要となりますが、その情報自体が不正確、不完全、あるいは最新のものではないことにより、適切な評価が行えない場合があり、また、一部のリスク管理手法においては、過去の動向に基づく定量的判断を伴うものがあるため、予想を超えた変容や突発的事象に対しては、必ずしも有効でない可能性があります。リスク管理が有効に機能しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(24) 優秀な人材を確保できないリスク

当社グループでは、有価証券関連業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っております。いずれの分野でも高いパフォーマンスを発揮するには、優秀な人材の確保が前提となるため、業務特性に応じた人事制度、研修制度の充実及びその継続的な改善に努めております。しかしながら、金融業界内外において、優秀な人材確保への競争は激しく、優秀な人材の採用が困難な状態や外部、特に競合他社への大量流出等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(25) 会計基準や税制等の変更に関するリスク

日本の会計基準は国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスを進めているところであり、ここ数年の間に数多くの改正が行われ、今後もさらなる改正が予定されております。また、IFRS任意適用を促進する方策も打ち出されており、将来日本においてIFRSが強制適用される、あるいは当社がIFRSの任意適用を行う可能性もあります。これらの改正、強制適用あるいは任意適用が行われた場合、当社グループの事業運営や業績等の実体に変動がない場合であっても、例えば収益の認識、資産・負債の評価、連結範囲の見直し等に係る会計処理方法が変更されることに伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制等が変更されることとなった場合においても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(26) その他のリスク

当社グループでは、コンピュータシステムの取得・構築に係る投資により発生する償却コスト及び維持・運営コストの増大が業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、店舗・オフィス等の不動産やコンピュータシステム等について、資産の陳腐化や収益性若しくは稼働率の低下が生じた場合又はこれらの処分が行われた場合には、減損処理による損失計上や除売却損失の計上が必要となる可能性もあります。

このほか、当社グループは税効果会計に係る会計基準に基づいて、税務上の便益を将来の課税所得等に関する見積もりや仮定に基づき繰延税金資産として計上しております。実際の課税所得等は見積もりや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合には繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすことになります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

6 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。

 

① 金融商品の評価

当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として連結損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当連結会計年度末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。

 

 

② 有価証券の減損

当社グループでは、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。

 

③ 固定資産の減損

当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、継続使用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。

 

④ 繰延税金資産の状況

(ⅰ)繰延税金資産の算入根拠

当社グループでは、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。

 

(ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)

                                      (単位:百万円)

回次

第73期

第74期

第75期

第76期

第77期

決算年月

平成22年3月

平成23年3月

平成24年3月

平成25年3月

平成26年3月

連結納税グループの課税所得

49,597

△36,255

35,498

△12,727

16,566

 

(注) 提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。

 

なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産13,844百万円のうち、提出会社を親会社とする連結納税会社の計上額合計は2,188百万円であります。

 

(ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額

提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を103,604百万円と見積もっております。

 

(ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の営業収益は前年度比2.6%増の6,593億円、純営業収益は同1.8%減の5,322億円となりました。

受入手数料は2,911億円と、同3.6%の減収となりました。委託手数料は、株式市況が年度後半に好転したものの前年度と比べると株式取引が減少したことから、同22.0%減の699億円となりました。一方、引受業務では、企業の資金調達ニーズが引き続き旺盛である中、引受シェアを伸ばしたことで、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、同26.8%増の375億円となりました。

トレーディング損益は、債券販売が堅調であったこと等から、同0.5%増の1,572億円となりました。営業投資有価証券関連損益は、前期に比べて大型の投資案件の回収が減少したことなどにより、同57.5%減の74億円となっております。

販売費・一般管理費は同1.1%増の3,613億円になりました。これは、従前より実施してきたコスト抑制の効果により取引関係費は同0.9%減の736億円、減価償却費は同9.3%減の240億円となりましたが、円安の影響によって海外の人件費が増加したこと等により人件費が同2.7%増の1,817億円となっております。以上より、経常利益は同6.3%減の1,845億円となりました。

また、固定資産売却益等の特別利益53億円、減損損失等の特別損失80億円、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同12.4%減の1,484億円となりました。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

当連結会計年度末の総資産は前年度末比3兆5,207億円増の23兆15億円となりました。内訳は流動資産が同3兆4,535億円増の22兆1,906億円であり、このうち現金・預金が同1兆988億円増の2兆9,857億円、トレーディング商品が同1兆1,934億円増の8兆3,043億円、有価証券担保貸付金が同8,397億円増の6兆7,282億円、有価証券が同465億円増の2兆6,298億円となっております。固定資産は同671億円増の8,109億円となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

当連結会計年度末の負債合計は前年度末比3兆3,395億円増の21兆5,669億円となりました。内訳は流動負債が同3兆1,991億円増の19兆3,538億円であり、このうちトレーディング商品が同7,178億円増の6兆142億円、有価証券担保借入金が同1兆2,229億円増の7兆5,531億円、銀行業における預金が同5,479億円増の2兆7,456億円、短期借入金が同1,079億円増の1兆118億円となっております。固定負債は同1,398億円増の2兆2,090億円であり、このうち社債が同699億円減の1兆1,790億円、長期借入金が同1,974億円増の9,464億円となっております。 

 

当連結会計年度末の純資産合計は同1,812億円増の1兆4,346億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計は4,786億円となりました。利益剰余金は当期純利益を計上したことから、同953億円増の6,237億円となっております。自己株式の控除額は前年度末比20億円減の157億円となっております。その他有価証券評価差額金は保有有価証券の時価の上昇により同478億円増の1,356億円、為替換算調整勘定は円安の進行により同282億円増の431億円、少数株主持分は同202億円増の1,878億円となっております。 

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

平成26年度のマクロ経済環境
<海外の状況>

世界経済は、緩やかな拡大傾向が続きました。米国経済では堅調な個人消費を中心に持続的な景気拡大が続き、世界経済の牽引役となりました。欧州経済も回復傾向となりましたが、地政学リスクの高まり等を背景にごく緩やかな景気拡大に留まっています。新興国経済は先進国の景気拡大に支えられて、総じて緩やかな回復が続きました。しかし、不動産市場の調整による中国経済の停滞や、原油安を背景とした産油国の減速など、一部の地域では成長の鈍化がみられました。実体経済の改善傾向が続いたことに加えて、各国中央銀行による緩和的な金融政策が続いたことから、株価は世界的に上昇基調となりました。
 米国経済は拡大が続きました。平成26年1-3月期は記録的な寒波や干ばつなど、悪天候が経済活動の下押し要因となったため、4-6月期にはその反動によって企業部門、家計部門とも押し上げられました。続く7-9月期に関しても前期比年率+5.0%という高成長となり、米国経済は底堅い成長が続きました。ただし、年度後半に入ると内需の拡大による輸入の増加に対して輸出が伸び悩んだことから、外需寄与がマイナスに転じ、GDP成長率の下押し要因となりました。加えて、平成27年1-3月期には個人消費が大幅に減速したことを主因に実質GDPは前期比年率+0.2%となり、成長ペースが鈍化しました。一方、雇用者数は順調に増加し、失業率も低下傾向が続いており、雇用環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移していることが年度で見れば米国経済を牽引しました。また、NYダウ及びS&P500が史上最高値を更新し続けるなど、株価の上昇傾向が続いたため、株価上昇による資産効果や消費者マインドの改善も個人消費を押し上げる要因となりました。企業活動も内需拡大を背景に順調な拡大が続きました。鉱工業生産は拡大傾向が続き、企業の景況感も改善傾向となりました。金融面では、雇用環境を中心とした国内景気の回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は平成25年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)において量的緩和第3弾(QE3)の縮小開始を決定しました。FRBによる資産買い入れ規模は順次縮小され、平成26年10月のFOMCでは買い入れの終了が決定されました。
 欧州経済は、緩やかな回復傾向が続きました。継続的に財政健全化に取り組んできたことにより、財政懸念による景気の下押し傾向が弱まったことが景気回復の要因となりました。また、財政問題が徐々に鎮静化するなか、失業率の悪化に歯止めがかかったこと、消費者物価上昇率が低下傾向となったことで実質購買力が改善したことにより、個人消費も持ち直し傾向となりました。ただし、周縁国では失業率が依然高水準で推移し、景気回復も遅れており、ユーロ圏内でも国ごとに景気の改善度合いに格差が生じています。また、輸出の伸びが低位に留まっていることや、ウクライナ問題等の地政学リスクの高まりが企業景況感の下押し要因となっており、投資の低迷が続く中、景気回復は力強さに欠くものとなっています。金融面では、ECB(欧州中央銀行)は緩和的な金融政策を継続しています。景気回復が緩やかなものに留まっており、ユーロ高による輸入物価下落の影響もあってインフレ率の低下傾向が続いたことから、ECBは平成26年6月に追加利下げを行いました。また、政策金利が引き下げられたことに加えて、中銀預金金利をマイナスとするマイナス金利が初めて導入されたほか、目的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)の実施が決定されました。9月には追加利下げを行い政策金利は過去最低を更新したものの、消費者物価上昇率の低下傾向が続いたことから、10月にはカバード・ボンド買取のプログラム(CBPP3)を導入、11月には資産担保証券の買取プログラム(ABSP)を導入するなどの対応に迫られました。さらに、2015年1月には、ECBは量的緩和政策の導入を決定し、金融緩和の強化が続いています。
 新興国経済は、総じてみれば緩やかな回復傾向が続いたものの、一部地域では成長の鈍化が見られました。平成25年には、米国での金融緩和縮小が議論され始めたことをきっかけに新興国からの資金流出が進み、多くの国では為替レートの減価や株価の下落が進むこととなりましたが、平成26年度に入り、多くの国ではこうした動きは落ち着きが見られました。中国では不動産市場の調整等を背景に、固定資産投資を中心に景気が減速傾向となっています。このような状況の中、中国人民銀行は景気の底上げを図るため平成26年11月と平成27年3月に相次いで利下げを行いました。また、平成26年後半頃から、世界経済の減速と需給悪化懸念により原油価格が急速に下落したため、資源国の景気悪化懸念が急速に高まることとなりました。特に、ロシアでは為替レートが急速に減価し、通貨防衛のために12月に大幅な利上げが行われました。

 

 

<日本の状況>

日本経済は平成26年度に入り大きく落ち込むこととなりましたが、平成26年10-12月期から、徐々に持ち直しの動きが見られています。実質GDP成長率が平成26年4-6月期、7-9月期と2四半期連続の減少となったことを受け、政府は平成27年10月に行う予定だった消費税率10%への引き上げの延期を決定しました。
 景気が落ち込むこととなった最大の要因は、平成26年4月の消費税増税後の個人消費の停滞です。増税直後には駆け込み需要の反動減や実質所得減少の影響が顕在化し、耐久財を中心に個人消費は大幅に落ち込むこととなりました。個人消費は4-6月期を底に徐々に持ち直しが見られたものの、回復が非常に緩慢なものとなったため、在庫調整圧力が7-9月期の鉱工業生産や実質GDPを下押しする要因となりました。しかし、雇用・所得環境の改善を受けて個人消費の回復が続いていることに加えて、在庫調整が一巡したことで、10-12月期に入って景気は改善に向かいました。また、消費税増税後低迷が続いていた住宅着工戸数に関しても、7-9月期には持ち直しが見られました。
 企業の設備投資は、平成26年1-3月期に大幅に増加した反動と増税後の景気低迷により、4-6月期から10-12月期まで停滞が見られました。しかし、日銀短観2015年3月調査によれば非製造業の設備不足感は強まっており、製造業でも設備過剰感は解消傾向が続いています。一方、公共投資は平成25年度補正予算及び平成26年度予算における公共事業の前倒し執行を受け、平成26年度前半は増加傾向となりましたが、年度後半に入って減速が見られています。
 外需に目を向けると、平成26年初めをピークに減少傾向にあった輸出金額は、7-9月期の円安の進行に伴う輸出価格の上昇によって増加傾向となっています。輸出数量については、海外経済の改善が緩やかなものとなる中、非常に緩やかながら増加傾向へ回復しました。貿易収支は、平成26年末にかけて原油価格が急落したこともあり赤字額は縮小しています。
 金融面では、デフレ脱却を目指し、日本銀行による強力な金融緩和が続いています。「量的・質的金融緩和」が導入された平成25年4月以降、日本銀行はバランスシートの拡大を続けてきました。しかし、過去の円安の効果が剥落し、消費者物価上昇率が頭打ちとなったことに加えて、原油価格の下落が消費者物価の下押し要因となることが確実視されたことから、日本銀行は平成26年10月31日の金融政策決定会合で金融緩和の拡大を決定しました。
 日本銀行による強力な金融緩和の下、国債需給の引き締まりを受けて国債利回りは低下傾向となりました。平成26年9月には米国の長期金利上昇に影響されて利回りが上昇する局面もありましたが、10月の追加緩和を受けて長期金利は一層低下することとなりました。為替市場では、ドル・円相場は7月までは安定的な推移が続いていましたが、8月以降、米国の早期利上げ観測が高まったこと、10月に日本銀行による追加緩和が行われたことで急速に円安が進行しました。ユーロ・円相場については、ECBによる累次の追加緩和によって円高・ユーロ安傾向となっていましたが、日本銀行による追加緩和後は急激に円安・ユーロ高が進みました。ただし、平成27年1月にECBが量的緩和政策を採用したことを受けて、平成27年1-3月期には急速な円高・ユーロ安が進行しました。株価については、世界的な金融緩和と実体経済の回復に加えて、10-12月期に急速に円安が進んだことにより、堅調な推移となりました。さらに、平成27年1-3月期については、企業業績の改善を主因に株価の上昇が続きました。
 平成27年3月末の日経平均株価は19,206円99銭(前年3月末比4,379円16銭高)、10年国債利回りは0.400%(同0.240ポイントの低下)、為替は1ドル120円21銭(同17円23銭の円安)となりました。

 

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① 資金流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>

当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
 当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
 財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障を来すことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
 また、当社は、当社グループに適用される規制上の連結流動性カバレッジ比率のほかに独自の流動性管理指標を用いた流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、複数のストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを毎日確認しております。これにより、当社グループでは、今後1年間無担保資金調達が行えない場合でも、業務の継続が可能となるよう体制を構築しております。

なお、当連結会計年度末における当社グループの短期無担保調達資金及び流動性ポートフォリオ等の状況は次のとおりです。

(単位:億円)

 

銀行等からの短期借入金

1,713

その他の短期借入金

4,964

コマーシャル・ペーパー

3,883

1年内償還予定の社債

2,649

短期無担保調達資金合計

 

13,211

 

 

現金・預金

15,111

 

国債・政府保証債等

3,493

 

流動性ポートフォリオ

18,604

 

 

その他の債券

5,636

 

上場株式等

6,371

 

補完的流動性ポートフォリオ

12,008

流動性ポートフォリオ等合計

 

30,613

 

(注) 上記には銀行業にかかる資産及び負債は含めておりません。

 

当連結会計年度末における当社グループの流動性ポートフォリオの合計額は1兆8,604億円であります。また、補完的流動性ポートフォリオを含めた合計額は3兆613億円であり、この金額は同年度末の短期無担保調達資金の合計額の231.7%に相当します。

 

 

<グループ全体の資金管理>

当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。

 

<コンティンジェンシー・ファンディング・プラン>

当社グループは、資金流動性リスクへの対応の一環として、コンティンジェンシー・ファンディング・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。

当社グループのコンティンジェンシー・ファンディング・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。

また、金融市場の変動の影響が大きくその資金流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別のコンティンジェンシー・ファンディング・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。

なお、当社は、子会社のコンティンジェンシー・ファンディング・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・ファンディング・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。

 

② 株主資本

当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。

平成27年3月31日現在の株主資本は、前年度末比979億円増加し、1兆866億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は4,786億円となっております。利益剰余金は当期純利益1,484億円を計上したほか、配当金531億円の支払いを行った結果、前年度末比953億円増の6,237億円となりました。自己株式の控除額は同20億円減少し、157億円となっております。