第2 【事業の状況】

 

本項における経営目標、予測、並びにその他の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、これらの目標や予測の達成及び将来の業績等を保証しまたは約束するものではありません。また今後、予告なしに変更されることがあります。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の営業収益は前年度比22.3%増の6,428億円、純営業収益は同29.9%増の5,419億円となりました。販売費・一般管理費は同7.2%増の3,573億円となり、経常利益は同107.0%増の1,970億円となりました。これに、特別利益として投資有価証券売却益96億円、減損損失等の特別損失111億円、さらに法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同132.4%増の1,694億円となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

純営業収益

経常利益

平成25年
3月期

平成26年
3月期

対前年度
増減率

平成25年
3月期

平成26年
3月期

対前年度
増減率

リテール部門

184,415

253,093

37.2%

49,251

102,120

107.3%

ホールセール部門

133,109

175,338

31.7%

12,034

47,428

294.1%

アセット・マネジメント部門

43,591

48,714

11.8%

19,089

25,328

32.7%

投資部門

17,495

19,989

14.3%

14,161

17,171

21.3%

その他・調整等

38,696

44,815

15.8%

639

4,996

681.6%

連結 計

417,308

541,951

29.9%

95,176

197,045

107.0%

 

 

[リテール部門]

円安・株高トレンドを背景とした日本株・外国株取引の拡大や、債券販売が堅調であったことに加え、株式投資信託の販売が増加したことにより、純営業収益は2,530億円(前年度比37.2%増)、経常利益は1,021億円(同107.3%増)となりました。

 

[ホールセール部門]

円安・株高トレンドの中、日本株の顧客フローの増加や外国株取引の増加などに加え、債券販売の拡大が寄与したことなどにより、純営業収益は1,753億円(同31.7%増)、経常利益は474億円(同294.1%増)となりました。

 

[アセット・マネジメント部門]

株式投資信託の販売増加に加え、円安・株高により運用資産残高が拡大したことにより、純営業収益は487億円(同11.8%増)、経常利益は253億円(同32.7%増)となりました。

 

[投資部門]

投資案件の回収が進んだことなどにより、純営業収益は199億円(同14.3%増)、経常利益は171億円(同21.3%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、トレーディング商品の増減、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減、銀行業における預金の増減などにより、1兆1,235億円の増加(前年度は1兆7,950億円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出などにより、4,484億円の減少(同7,984億円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減、社債の発行による収入及び社債の償還による支出などにより255億円の増加(同9,094億円の減少)となりました。これらに為替変動の影響等を加えた結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1兆8,466億円となりました。

 

2 【対処すべき課題】

平成25年度の当社グループは、“アベノミクス”による円高修正・株高など、歴史的な市況好転の中、顧客ベースの健全な利益を積み上げ、中期経営計画2年目の「成長(Growth)」フェーズに相応しい実績をあげることができました。安定収益拡大と固定費削減への継続的な取り組みにより、安定収益による固定費カバー率は中期経営計画最終年度目標である50%超の水準まで上昇し、当社グループが目指す「外部環境に左右されない強靭な経営基盤の確立」に向けて大きな前進を果たすことができました。

 

グループ中期経営計画最終年度となる平成26年度は、「拡大(Expansion)」ステージへと移行いたしました。引き続きリテール部門を中心として、グループ会社を含めた国内外の全部門の総力を結集して、「貯蓄から投資へ」の時代をリードすることを経営戦略の中核に据え、成長を加速させてまいります。デフレ脱却の可能性が高まり、「貯蓄から投資へ」のダイナミックな資金シフトが視野に入る中、その最前線を担うリテール部門では、「営業体制の拡充」と「ビジネスモデルの進化」の両面から具体的施策を展開していきます。お客様のニーズに対応した商品・サービスを拡充すると共に、NISAについては、長期積立・分散投資の普及などを通じ、個人投資家の裾野拡大に向け積極的な取り組みを継続していきます。また、直接金融の担い手として、新規産業育成・成長企業に対するリスクマネー供給という社会的使命を果たすべく、IPO関連ビジネスの取り組みを強化していきます。

グローバル・ネットワークを含めた大和証券グループの総力を結集して「貯蓄から投資へ」の時代をリードし、膨大な個人金融資産を活性化させることで、グループ事業の拡大を図り、日本経済の成長に貢献していきます。

 

平成26年度の各事業部門の事業計画は、以下のとおりであります。

 

(1) リテール部門

① 独自の証銀連携ビジネスモデルの進化

② NISAを軸とした新たな顧客基盤の獲得

③ 株式投信とファンドラップ純増をベースとした安定収益基盤の拡大

④ 相続をコアとした富裕層ビジネスの強化

⑤ 営業活動の効率化と質の向上による営業力の拡大

 

(2) ホールセール部門

① IB提案力の質・量の強化によるパイプラインの拡充

② 顧客基盤の拡大に向けたIPOビジネスの強化

③ グローバル・ネットワークを活かした海外プロダクトの強化、案件の獲得

④ 顧客ニーズを踏まえたビジネス展開とトレーディング収益の拡大

 

(3) アセット・マネジメント部門

① 運用体制の強化・パフォーマンス追求

② 証券・銀行窓販の両チャネルにおける主力ファンドの構築・拡充

③ 訴求力のあるファンドラインアップの強化

④ 顧客ニーズの変化に応じた商品提供・顧客サポートの強化

 

 

(4) 投資部門

① 新興・成長企業に対する投資機能の強化に向けた、ファンドレイズ推進・組織体制拡充へのグループ経営資源の積極的投入

② リスク状況・資本効率を意識しつつ、厳選された魅力的な投資機会の捕捉

③ 既存案件における投資回収の極大化

 

(5) IT・シンクタンク部門

① 経済・金融・環境を柱とした積極的な情報発信により、グループプレゼンスを向上

② 国内・アジアにおけるコンサルティング力の強化により、グループの収益機会を拡大

③ グループシステムのオフショア化・クラウド化により、システム効率性を向上

 

(6) その他(大和ネクスト銀行)

① 証銀連携ビジネスモデルの進化、外貨ビジネスの拡大、ALM 機能強化の着実な遂行

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項に関し、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では想定していないリスクや重要性が乏しいと考えられるリスクも、今後当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 日本及び世界の景気、経済情勢、金融市場の変動に関するリスク

米国では、雇用や住宅販売といった主要景気指標に改善の兆しがあるものの、政府による金融量的緩和策の縮小が進むことによる景気の停滞リスクを孕んでいます。また、欧州地域においては、ECBによる支援策等により一時の危機的状況は脱したとみられるものの、その先行きは依然として不透明な状況です。再び、信用不安や財政問題が発生した場合には、世界的な金融危機や経済危機に発展する可能性も否定できません。

一方、日本経済は平成24年11月を底に回復局面に入り、長年の懸念とされてきた社会保障の充実安定化と財政健全化の同時達成による日本経済再生を目指し、平成26年4月に17年ぶりの消費税率の引上げが行われました。しかしながら、今後、消費税増税に伴う経済対策の効果が見られず財政問題が再び深刻化したような場合や、このところ回復基調にある欧米諸国経済の低迷、中国や新興国における経済成長の鈍化が顕在化する場合には、日本経済が再び低迷の危機に陥る可能性も否定できません。

このように、日本を取り巻く経済環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、又は世界の景気や経済情勢が停滞若しくは悪化した場合には、企業業績の悪化、株価の下落、為替・金利の変動等により様々なリスクが顕在化することが想定されます。このような事態は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 外的要因によるリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務は、マーケットに急激な変動を生じさせる予測不可能な出来事の発生により大きな影響を受ける傾向があります。例えば、平成13年9月に発生した米国同時多発テロや、平成23年3月に発生した東日本大震災がもたらした社会・経済・金融等の混乱や危機的状況は、いずれも当社グループの業績に重大な影響を及ぼしました。

このように、戦争・テロ行為、地震・津波・洪水等の自然災害、新型インフルエンザの大流行や情報・通信システム・電力供給といったインフラストラクチャーの障害等の外的要因は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 競争状況に伴うリスク

株式の売買委託手数料率の自由化をはじめ、ファイアーウォール規制の見直し等、一連の大幅な規制緩和を契機として、当社グループの主たる事業である有価証券関連業務における競争は、厳しいものとなっています。参入規制がほぼ撤廃されて、銀行その他の証券会社以外の国内外の金融グループは、幅広い金融商品・サービスの提供を行うことにより、顧客基盤及び店舗ネットワークを構築・強化しております。

当社グループは、これら国内外の金融グループに対して、競合する事業における価格やサービス面等の点で十分な競争力を発揮できるという保証はなく、これが発揮できない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) グループ戦略が奏功しないリスク

当社グループは、有価証券関連業務を中核に投資・金融サービスを行うグループ会社群によって構成されており、これらグループ会社が連携することで付加価値の高い投資・金融サービスを提供し、グループ全体の企業価値を最大化することを目指しております。しかしながら、①国内外の経済・金融情勢が一層悪化した場合、②競争環境の変化により、当社グループの期待する収益を得られない場合、③当社グループ内外との事業提携・合弁関係、業務委託関係が変動あるいは解消した場合、④当社グループ内の組織運営効率化のための施策が想定どおりに進まない場合、及び⑤法制度の大幅な変更があった場合をはじめとする様々な要因により、上記のグループ戦略に変更が生じる場合や、グループ会社間の業務、その他の連携が十分に機能しない場合には、グループ戦略が功を奏しない可能性や想定していた成果をもたらさない可能性があり、その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 業績の変動性に伴うリスク

当社グループの主たる事業である有価証券関連業務をはじめ、その他の主要業務であるアセット・マネジメント業務、投資業務は、お客様との取引から得られる手数料、トレーディング損益、営業投資有価証券関連損益等が大幅に変動するという特性を持っております。当社グループでは業績の安定性を向上させるべく、リテール部門における預り資産の拡大やホールセール部門の収益構造の多様化、アセット・マネジメント部門における契約資産残高の拡大、市場リスクや信用リスクをはじめとする各種リスクの管理強化、経費管理の徹底等の努力を行っておりますが、これらの施策は有価証券関連業務に伴う業績の変動性をカバーすることを保証するものではなく、とりわけ経済・金融情勢が著しく悪化した場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの過去3連結会計年度における連結業績の推移は次のとおりです。

 (単位:百万円)

回次

第75期

第76期

第77期

決算年月

平成24年3月

平成25年3月

平成26年3月

営業収益

422,374

525,411

642,829

純営業収益

336,016

417,308

541,951

経常利益又は経常損失(△)

△12,200

95,176

197,045

当期純利益又は当期純損失(△)

△39,434

72,909

169,457

 

 

(6) リテール部門におけるビジネス・リスク

リテール部門では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、日本の証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、店舗、営業員、オンライン取引システム等を必要とするため、不動産関係費、人件費、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

 

 

(7) ホールセール部門におけるビジネス・リスク

ホールセール部門は、グローバル・マーケッツとグローバル・インベストメント・バンキングの各ビジネスにより構成されております。

グローバル・マーケッツにおける現物取引やデリバティブ取引等のトレーディング業務には、市場動向や税制、会計制度の変更等の影響でお客様の取引需要が減少して収益が低下するリスクや、急激かつ大幅な市況変動でディーラーの保有ポジションの時価が不利な方向に変動して損失が発生するリスク、低流動性のポジションを保有していたため市況変動に対応して売却することができず損失が発生するリスク等があります。

これらのうち、主要なものは市場リスク(株式・金利・為替・コモディティ等の相場が変動することにより損失を被るリスク)と信用リスク(与信先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失し、あるいは債務が履行されないことにより損失を被るリスク)です。当社グループでは、各商品のトレーディングにかかるリスクを軽減するために、各商品の過去の市場価格の推移や各商品の価格変動の相関を参考に、必要に応じて様々なヘッジ取引を行っておりますが、予想を超える市場の変動や突発的に発生する個別の事象等により、ヘッジが有効に機能しない可能性もあります。さらに、トレーディング・ポジションの内容が特定の銘柄や業種等に偏ると、ポートフォリオ全体の分散効果が得られにくくなるほか、ポジションの円滑な処分も困難になるため、リスクが顕在化した場合の損失額が大きく膨らむ傾向があります。

グローバル・マーケッツにおけるブローカレッジ業務では、市況の低迷でお客様の証券投資需要が低調となったり、日本の証券市場のリスクを避ける投資行動が強まったり、リスク資産を保有することそのものに対して消極的な傾向が強まったりすると、収益が大きく低下する可能性があります。また、法人のお客様向けの大規模な取引システム等を必要とするため、システム投資等に係る減価償却費等の固定的経費を要する傾向があります。したがって、上記のような要因により収益が大きく低下したときは、経費抑制努力では対応しきれず、採算割れとなるリスクがあります。

また、グローバル・インベストメント・バンキングにおいては、法人のお客様の財務面でのニーズに対応して、債券、上場株式、新規公開株式、資産流動化証券等の引受け、募集・売出しを行うほか、仕組み証券やストラクチャード・ファイナンスの組成に関する業務、M&A、事業再編や新規公開に関するアドバイザリー業務も行います。これらの業務には、概して証券市況に影響されて取引規模及び取引量が急激に変動する特性があります。また、引受業務には、引受けた証券が市況の下落等で円滑に投資家に販売できない場合、引受けた証券を保有すること等により、市場価値の下落による損失を被るリスクがあります。引受業務におけるポジション・リスクは、単一の銘柄でかつ巨額なポジションとなり、適時に効果的なリスク回避の手段をとることができないため、通常のトレーディングにおけるポジション・リスクよりも重大なリスクとなり得ます。また、引受業務には、有価証券の募集・売出しにかかる発行開示が適切になされなかった場合には、金融商品取引法に基づき引受会社として投資家から損害賠償請求を受けるリスクがあります。

 

(8) アセット・マネジメント部門におけるビジネス・リスク

アセット・マネジメント部門の収益は、運用資産の残高に基づく一定料率又は実績連動の報酬です。市場の変動によって運用資産の評価額が下落した場合や、お客様の資産運用の動向が変化(預金等の安定運用志向の高まりを含む。)したり、あるいは当社グループの運用実績が競合他社に比べて低迷する等して、解約等が増加し、運用資産が減少した場合には、当社グループの収益は減少します。

他方、アセット・マネジメント部門の経費構造は、システム関連経費や人件費が中心であって、固定費的な要素が強いため、収益の低下が著しい場合には採算割れとなるリスクがあります。

 

 

(9) 投資部門におけるビジネス・リスク

投資部門では、将来、株式公開が見込まれると判断したベンチャー企業等の株式等を取得し、株式公開時に当該株式を売却し利益を得ることを主たる目的とするベンチャー・キャピタル業務や、自己の資金により企業の株式等を取得・保有し、経営改善等によって投資先企業の価値を高めた上で当該株式等を転売し利益を得ることを主たる目的とするプリンシパル・インベストメント業務等を行っています。

ベンチャー企業等は、一般的に、事業運営の歴史が浅く、多くの場合事業運営モデルが確立しておらず、資金調達手法や商品・サービスに対する長期的な需要の確保に不確実性が見られ、また、優秀な人材の継続的雇用も保証されていない等、経営全体の基盤が安定していない傾向が強いといえます。さらに、創業者等の特定の人物に対する依存度が著しく高い場合が多い等、多種多様なリスク要因を包含しています。したがって、投資後に投資先企業の企業価値が低下する場合や投資先企業が倒産する場合もあり、結果として損失を被る可能性があります。

また、一般的に、ベンチャー企業等が株式公開を目指してから実際の公開に至るまでには相当の期間を要することから、投資期間も長期にわたる傾向があります。さらに、投資先企業のすべてが株式公開を実現する保証はなく、投資先企業の株式公開が実現した場合においても、当該企業の株式等の取得原価を上回る価額で当該株式等を株式市場等で売却できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損又は評価損が発生する可能性もあります。

プリンシパル・インベストメント業務は、保有する有価証券やその他の資産のポジションの流動性が低いこと、投資先の分散によるリスク抑制が行い難いこと、保有期間が長いこと、投資開始時点で経営に何らかのリスク要因のある企業を投資対象とする場合が多いこと、売却時に国内外の規制上の障害があって処分が妨げられたり処分までに長期間を要することがありうること等から、成功した場合のリターンが大きい代わりにリスクも高いビジネスです。保有株式等を転売せずに保有継続する場合には評価損が発生する可能性があり、転売する場合において、取得原価を上回る価額で転売できるとは限らないため、期待された売却益が実現しない可能性や売却損が発生する可能性があります。

 

(10) 銀行業に伴うビジネス・リスク

当社グループでは、連結子会社である株式会社大和ネクスト銀行(以下、「大和ネクスト銀行」という。)が銀行営業免許を取得し、同行を所属銀行とする銀行代理業許可を取得した大和証券株式会社(以下、「大和証券」という。)と共に、平成23年5月よりお客様向けサービスを提供しております。

大和ネクスト銀行においては、銀行代理店である大和証券やインターネット等を通じたお客様からの預金受入れ等により調達した資金を、貸出や債券その他有価証券投資等により運用しておりますが、銀行業は、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、システムリスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、レピュテーショナルリスク、自己資本比率低下リスク等、様々なリスクへの対応が必要となります。このような広範に渡るリスクの管理態勢の整備・改善等の対応を進めておりますが、これらの対応が不十分であった場合、運用資産の利回り低迷や調達金利の上昇等により期待された利鞘が確保できない場合、競合する他の銀行との差別化戦略が期待どおりに進まず競争力が発揮できなかった場合等においては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11) 不動産投資法人に関するリスク

当社グループでは、平成24年3月期より大和証券オフィス投資法人を連結子会社として扱っております。大和証券オフィス投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律に基づく投資法人であり、株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場し、投資口及び投資法人債の発行並びに金融機関等からの借入れ等により資金調達をし、主としてオフィスビルを中心とした不動産及び不動産を信託財産とする信託受益権等に対して投資し、不動産の賃貸や売却等により回収することを主たる事業としております。

大和証券オフィス投資法人の事業は、市場環境や経済情勢の変動、調達金利の変動、テナントの入退去、賃料の改定・不払い、テナント・信託の受託者その他関係者の倒産等、固定資産税その他諸費用の変動、不動産に係る欠陥・瑕疵の存在、災害等による建物の滅失・劣化・毀損、所有権その他不動産の権利関係、有害物質の存在、環境汚染、行政法規・税法(投資法人と投資主の二重課税を排除するための税法上の要件を含む。)その他法令等の制定・変更、取引所規則等の制定・変更等の様々な事情により影響を受ける可能性があり、この結果、期待する水準又は時期による賃料や売却収入が得られなかったり、評価損が発生する等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 投資有価証券に関するリスク

当社グループは、提携・友好関係の維持や構築等を目的として、対象企業等の株式等を保有しております。このうち、市場性のある株式等については市場価格の下落により、それ以外の株式等については当該対象企業等の財政状態及び経営成績の悪化等に起因する減損損失あるいは評価損が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、上記株式等について、保有意義の希薄化等を理由に売却を実行する際、市場環境若しくは対象企業等の財政状態及び経営成績等によっては、期待する価格又は時期に売却できない可能性があります。

 

(13) 海外事業に関するリスク

当社グループは現在、アジアを中心とする新興国市場における事業基盤の構築に取り組んでおります。

海外の事業基盤は、国内の事業基盤と比較すると、お客様の取引ニーズの変動や市場環境、政治・金融・経済情勢の変動の影響をより強く受け易く、これらの変動の程度やリスク管理の状況によっては減収又は損失を被る可能性があります。また、海外事業については、投下した資本並びに収益が為替リスクに晒されていることや、現地における法規制等の変更により、当社グループ又は当社グループが出資する合弁会社等の事業が制約を受ける可能性があるほか、投下資本の価値が変動する可能性があります。

 

(14) 自己資本規制比率に関するリスク

当社グループは、当社が金融商品取引法上の最終指定親会社に該当するため、「最終指定親会社及びその子法人等の保有する資産等に照らし当該最終指定親会社及びその子法人等の自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準を定める件」(平成22年金融庁告示第130号)の適用を受け、同告示第2条に基づいて連結自己資本規制比率を所定の比率(連結普通株式等Tier1比率4%、連結Tier1比率5.5%、連結総自己資本規制比率8%(注))以上に維持する必要があります。

また、連結子会社のなかにも同様に類似の規制を受けている会社があります。大和証券、日の出証券株式会社及びリテラ・クレア証券株式会社は、金融商品取引法に定める自己資本規制比率を同法に基づいて120%以上に維持する必要があります。大和ネクスト銀行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定める自己資本比率(国内基準)を同告示に基づいて4%以上に維持する必要があります。海外の連結子会社についても同様の会社があります。

当社グループ又はこれらの連結子会社の自己資本規制比率が著しく低下した場合には、レピュテーショナルリスクの波及や信用水準の低下により流動性懸念が生ずる可能性があります。さらに、有効な資本増強策を講じられない場合には、内外の監督当局から業務の全部又は一部の停止等の措置を受ける可能性があります。

(注) これらの比率は、平成27年3月31日からは、連結普通株式等Tier1比率4.5%、連結Tier1比率6%、連結総自己資本規制比率8%に引き上げられる予定です。

 

 

(15) 当社グループが発行する有価証券に関するリスク

当社株式は、東京及び名古屋の各金融商品取引所に上場しており、その売買については金融商品取引法をはじめとする関連法令及び各金融商品取引所が定める諸規則等に基づいて行われております。これらの規則等により、当社に係る重要情報の周知を目的として売買停止の措置がなされ、あるいは当社株式について大量の注文執行により売買が一時的に停止される等、当社株式の売買ができなくなる状況が生じる可能性があります。

当社は、ストック・オプションの目的で新株予約権を発行しておりますが、将来において新株予約権の行使がなされた場合は、1株当たり利益が希薄化する可能性があります。また、当社株式を大量に保有する株主が当社株式を売却することに伴って、株価が下落する可能性があります。

 

(16) 資金流動性リスク

当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っております。このため、適切な流動性を確保し、財務の安定性を維持することが必要となります。しかし、市場環境の変化や当社グループ各社の財務内容の悪化などにより、資金繰りに支障をきたすこと、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクがあります。

当社グループの資金調達が困難になった場合には、保有する資産を圧縮する等の対応が必要となります。しかし、市場環境の悪化により市場全体の流動性が低下すると、当社グループが売却しようとする資産のうち信用度の低い資産の流動性はより一層低下し、保有資産の処分ができなくなったり、取得原価を大幅に下回る価格であっても売却せざるを得なくなるリスクがあります。

こうした資金流動性リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に制約を受ける可能性や、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) オペレーショナルリスク

当社グループは、多様な業務を行うことに伴うオペレーショナルリスクに晒されており、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループが損失を被ること等により、当社グループの業績及び社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、オペレーショナルリスクを以下のように定義して管理しております。

① 事務リスク
役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被るリスク

② システムリスク
コンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備等に伴い、損失を被るリスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスク

③ 情報セキュリティリスク
情報資産に対する脅威の発現のために、情報セキュリティ(機密性、完全性、可用性の維持)が確保されないリスク

④ コンプライアンスリスク
金融商品取引業務等に関し役職員が企業倫理及び法令諸規則等に従わないことにより損失を被るリスク及び顧客等との法的紛争により損失を被るリスク

⑤ リーガルリスク
不適切な契約締結、契約違反により損失を被るリスク

⑥ 人的リスク
労務管理や職場の安全環境上の問題が発生することにより損失を被るリスク、必要な人的資源が確保されないリスク

⑦ 有形資産リスク
自然災害や外部要因又は役職員の過失などの結果、有形資産の毀損等により損失を被るリスク

特に有価証券関連業務においては、取引の執行や決済等を処理するコンピュータシステムのダウン又は誤作動、システムの不備、システムの新規開発・統合等に起因するシステム障害、サイバー攻撃等によるデータの改竄やお客様の情報の流出等が発生した場合、業務が正常に行えなくなることによる機会損失や損害賠償責任の発生、社会的信用の低下等を通じて当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18) 規制等に関するリスク

当社グループの各社は、その業務の種類に応じた法令や自主規制団体の規程等による規制を受けております。グループの主たる証券会社である大和証券をはじめ、大和証券投資信託委託株式会社、大和住銀投信投資顧問株式会社、大和企業投資株式会社等が、金融商品取引業者として金融商品取引法等の規制を受けているほか、大和ネクスト銀行が銀行法等の規制を受けております。

また、大和証券は貸金業等の兼業業務に関して関係法令上の規制にも服しております。さらに、当社グループは金融商品取引法の定めにより、親法人等・子法人等が関与する行為の弊害防止のため、当該関係を利用した一定の取引の制限や、親法人・子法人間での情報授受や利用の制限等を受けており、お客様の利益が不当に害されることがないよう、適切な情報管理と内部管理体制の整備が求められております。また、当社は、一部のグループ各社の主要株主として、監督当局が公益又は投資家保護のために必要かつ適当であると認めるときは報告・資料提出命令を受ける等一定の規制を受ける可能性があります。一方、海外の子会社には現地の法制上、証券会社や金融機関としての規制を受けるものもあります。

なお、当社は、特別金融商品取引業者である大和証券の最終指定親会社として監督当局の連結規制・監督の対象となっております。また、当社グループは「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」における「指定親会社グループ」に該当するとともに、大和ネクスト銀行が銀行営業免許を保有していることに伴い、「金融コングロマリット監督指針」における「事実上の持株会社グループ」に該当することとなり、連結自己資本の適切性を含む一定の事項について連結ベースでの監督を受けております。

加えて、G20(金融・世界経済に関する首脳会合)主導の下、各種金融規制・監督の強化が包括的に進む中、これらの国際的な金融規制や各国独自の金融規制が当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

上記のように、当社グループの事業の多くは行政及び自主規制団体による監督・規制やグローバルな金融規制のもとにあり、将来における法規・規程、政策、規制の変更が当社グループの事業活動や経営体制、さらには当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 法令遵守に関するリスク

当社グループは、グループ全体の内部統制機能を強化し、より充実した内部管理体制の構築に努めるとともに、役職員に対する教育・研修等を通じ、インサイダー取引規制を含め法令遵守の徹底に注力しております。しかしながら、事業を進めていく上で、その執行過程に関与する役職員の故意又は過失により法令違反行為が発生する可能性は排除し得ず、周到な隠蔽行為を伴った意図的な違法行為等については、長期間にわたって発覚しない可能性もあるため、当社グループの業績に悪影響を与えるような規模の損害賠償を取引先等から求められる可能性があります。

さらに、役職員の不正行為のみならず、法人としての当社又はグループ会社に法令違反その他の問題が認められた場合には、監督当局から課徴金の納付命令、業務の制限又は停止等の処分・命令を受ける可能性があります。また、当社グループは情報管理の徹底や「個人情報の保護に関する法律」への対応については万全の体制を敷いていると認識しておりますが、過失や不正行為等により当社グループの保有する顧客情報等各種の情報が外部に流出した場合、当社グループの信用の失墜、クレームや損害賠償請求、監督官庁からの処分等を受ける可能性があります。

当社グループの事業は、お客様からの信用に基づく部分が大きいため、法令遵守上の問題が発生し当社グループに対する社会的信用が低下した場合には、お客様との取引が減少し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす事態が生じる可能性もあります。

 

 

(20) 財務報告に係る内部統制に関するリスク

当社は、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制に関する規定及び関連する諸規則の施行に伴い、財務報告に係る内部統制に必要な体制整備・運営に努めております。しかしながら、こうした取組みが有効に機能せず、監査法人による内部統制監査の結果、財務報告に係る内部統制に重要な不備が発見された場合等においては、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 訴訟リスク

当社グループでは、経営方針等において、お客様本位の営業姿勢を掲げており、今後もより一層のサービスの拡充に努めていく所存ではありますが、お客様に対する説明不足やお客様との認識の不一致等によってお客様に損失が発生した場合には、当社グループが訴訟の対象となることがあります。その損失が当社グループの責任に起因する場合、当社グループは民法上、金融商品取引法上、又はその他の根拠に基づく損害賠償義務を負う可能性があります。このほか当社グループは、広範な事業を行い、複雑な規制に服していることから、多数の当事者を巻き込み、多額の請求金額に上るものを含め、様々な訴訟リスクに晒されており、訴訟に伴う損害賠償そのもののみならず訴訟内容に起因する社会的信用の低下から当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが事業に関して使用している商標やビジネスモデル等のなかには、現在出願中のため、権利が確定していないものもあります。当社グループの確認の不備等がなかった場合においても、結果として当社グループが第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。

 

(22) レピュテーショナルリスク

当社グループの事業は、法人、個人のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。「3 事業等のリスク」に記載した事象が発生した場合、特に「(17)オペレーショナルリスク」、「(19)法令遵守に関するリスク」、「(20)財務報告に係る内部統制に関するリスク」及び「(21)訴訟リスク」に記載したように、当社グループや役職員の責任に起因する法令違反や訴訟等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。また、憶測に基づいたり、必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する可能性もあります。その結果、お客様による取引停止等が生じ、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(23) リスク管理方針及び手続の有効性に関するリスク

当社グループは、リスク管理方針及び手続の強化に努めておりますが、リスク管理の有効性は事業内容やグループ内各企業の特性により異なります。また、新しい分野への急速な業務展開に際しては、必ずしも有効に機能しない可能性があります。

リスク管理の前提としては、市場や投資先に関する情報の収集・分析・評価が重要となりますが、その情報自体が不正確、不完全、あるいは最新のものではないことにより、適切な評価が行えない場合があり、また、一部のリスク管理手法においては、過去の動向に基づく定量的判断を伴うものがあるため、予想を超えた変容や突発的事象に対しては、必ずしも有効でない可能性があります。リスク管理が有効に機能しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(24) 優秀な人材を確保できないリスク

当社グループでは、有価証券関連業務を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っております。いずれの分野でも高いパフォーマンスを発揮するには、優秀な人材の確保が前提となるため、業務特性に応じた人事制度、研修制度の充実及びその継続的な改善に努めております。しかしながら、金融業界内外において、優秀な人材確保への競争は激しく、優秀な人材の採用が困難な状態や外部、特に競合他社への大量流出等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(25) 会計基準や税制等の変更に関するリスク

日本の会計基準は国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンスを進めているところであり、ここ数年の間に数多くの改正が行われ、今後もさらなる改正が予定されております。また、IFRS任意適用を促進する方策も打ち出されており、将来日本においてIFRSが強制適用される、あるいは当社がIFRSの任意適用を行う可能性もあります。これらの改正、強制適用あるいは任意適用が行われた場合、当社グループの事業運営や業績等の実体に変動がない場合であっても、例えば収益の認識、資産・負債の評価、連結範囲の見直し等に係る会計処理方法が変更されることに伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制等が変更されることとなった場合においても、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(26) その他のリスク

当社グループでは、コンピュータシステムの取得・構築に係る投資により発生する償却コスト及び維持・運営コストの増大が業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、店舗・オフィス等の不動産やコンピュータシステム等について、資産の陳腐化や収益性若しくは稼働率の低下が生じた場合又はこれらの処分が行われた場合には、減損処理による損失計上や除売却損失の計上が必要となる可能性もあります。

このほか、当社グループは税効果会計に係る会計基準に基づいて、税務上の便益を将来の課税所得等に関する見積もりや仮定に基づき繰延税金資産として計上しております。実際の課税所得等は見積もりや仮定と異なる可能性があり、将来において繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合には繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすことになります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

6 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。また、当社は、連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針に基づいていくつかの重要な見積もりを行っており、これらの見積もりは一定の条件や仮定を前提としております。そのため、条件や仮定が変化した場合には、実際の結果が見積もりと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針のうち、特に重要と考える項目は、次の4項目です。

 

① 金融商品の評価

当社グループでは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として損益計算書に計上しております。評価に用いる時価は、市場で取引が行われている有価証券やデリバティブ取引については当連結会計年度末時点の市場価格を、市場価格のない有価証券やデリバティブ取引については理論価格を、それぞれ使用しております。理論価格を算出する際には、対象となる商品や取引について最も適切と考えられるモデルを採用しております。

 

 

② 有価証券の減損

当社グループでは、投資有価証券等のトレーディング商品に属さない有価証券を保有しております。このうち時価のある有価証券については、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。具体的には、当連結会計年度末における時価の下落率が取得原価の50%以上の場合は、著しい下落かつ回復する見込みがないものと判断して、減損処理を行っております。時価の下落率が取得原価の30%以上50%未満の場合は、時価の推移及び発行会社の財政状態等を総合的に勘案して回復する見込みを検討し、回復する見込みがないと判断したものについては、減損処理を行っております。また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額が著しく低下し、かつ、回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理を行っております。

 

③ 固定資産の減損

当社グループでは、各資産グループにおいて、収益性が著しく低下した資産については、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。なお、資産のグルーピングは、継続使用資産のうち、証券店舗等の個別性の強い資産については個別物件単位で行い、その他の事業用資産については管理会計上の区分に従って行っております。

 

④ 繰延税金資産の状況

(ⅰ)繰延税金資産の算入根拠

当社グループでは、税務上の繰越欠損金や企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。

 

(ⅱ)過去5年間の課税所得(繰越欠損金使用前の各年度の実績値)

                                      (単位:百万円)

回次

第72期

第73期

第74期

第75期

第76期

決算年月

平成21年3月

平成22年3月

平成23年3月

平成24年3月

平成25年3月

連結納税グループの課税所得

1,062

49,597

△36,255

35,498

△12,727

 

(注) 提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの所得を記載しております。また、記載した課税所得は法人税確定申告書上の繰越欠損金控除前の数値であり、その後の変動は反映されておりません。

 

なお、当連結会計年度末に係る連結貸借対照表上の繰延税金資産10,357百万円のうち、提出会社を親会社とする連結納税会社の計上額合計は5,302百万円であります。

 

(ⅲ)見積りの前提とした税引前当期純利益の見込額

提出会社を連結納税親会社とする連結納税グループの課税所得見積期間を3年とし、同期間の税引前当期純利益を136,915百万円と見積もっております。

 

(ⅳ)繰延税金資産・負債の主な発生原因

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係 1」に記載のとおりであります。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の営業収益は前年度比22.3%増の6,428億円、純営業収益は同29.9%増の5,419億円となりました。

受入手数料は3,019億円と、同31.6%の増収となりました。委託手数料は株式市場の活況により日本株の売買代金が増加したことから株式委託手数料が増加し、同83.4%増の896億円となりました。また、リテール部門において株式投信販売額が増加したことから、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は同20.1%増の559億円となりました。

トレーディング損益は、債券販売が堅調であったこと等から、同26.7%増の1,564億円となりました。営業投資有価証券関連損益は、既存投資案件の回収を進めた結果、同5.6%増の174億円となりました。

販売費・一般管理費は同7.2%増の3,573億円になりました。これは、従前より実施してきたコスト削減の効果により、不動産関係費が同5.0%減の362億円、減価償却費が同13.7%減の265億円となったものの、増収・増益に伴い人件費が同12.8%増の1,770億円、取引関係費が同11.8%増の743億円となったことによるものです。以上より、経常利益は同107.0%増の1,970億円となりました。

また、特別利益として投資有価証券売却益96億円、減損損失等の特別損失111億円、法人税等及び少数株主利益を計上した結果、当期純利益は同132.4%増の1,694億円となりました。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

当連結会計年度末の総資産は前年度末比4,317億円増の19兆4,808億円となりました。内訳は流動資産が同4,079億円増の18兆7,371億円であり、このうちトレーディング商品が同1兆7,381億円減の7兆1,109億円、有価証券担保貸付金が同1兆466億円増の5兆8,884億円、有価証券が同4,702億円増の2兆5,833億円となっております。固定資産は同238億円増の7,437億円となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

当連結会計年度末の負債合計は前年度末比2,608億円増の18兆2,274億円となりました。内訳は流動負債が同993億円増の16兆1,547億円であり、このうちトレーディング商品が同3,307億円増の5兆2,964億円、有価証券担保借入金が同8,126億円減の6兆3,302億円、銀行業における預金が同4,059億円増の2兆1,977億円、短期借入金が同423億円減の9,039億円となっております。固定負債は同1,606億円増の2兆691億円であり、このうち社債が同508億円増の1兆2,490億円、長期借入金が同1,061億円増の7,489億円となっております。 

 

当連結会計年度末の純資産合計は同1,708億円増の1兆2,534億円となりました。資本金及び資本剰余金の合計はほぼ変わらずの4,781億円となりました。利益剰余金は当期純利益を計上したことから、同1,197億円増の5,284億円となっております。自己株式の控除額は、自己株式の売却により前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。その他有価証券評価差額金は保有有価証券の時価の上昇により同111億円増の878億円、為替換算調整勘定は円安の進行により306億円増の149億円、少数株主持分は同31億円増の1,675億円となっております。 

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

平成25年度のマクロ経済環境
<海外の状況>

世界経済は、新興国で減速がみられたものの、先進国を中心に緩やかな拡大傾向が続きました。先進国経済は、底堅い個人消費が牽引役となり米国で持続的な景気拡大が続いたこと、景気後退が続いてきた欧州でも年央以降景気回復の動きがみられたことから、総じて拡大傾向となりました。実体経済の底堅さを反映して、米国の株価は史上最高値を更新するなど、先進国の株価は軒並み上昇傾向となりました。一方、新興国経済は、米国での金融緩和縮小の議論が高まったことをきっかけに、リスク回避傾向の高まりによって資金流出が進んだことから、平成25年半ば以降、多くの国で景気の減速がみられました。

米国経済は緩やかな拡大傾向が続きました。家計部門が堅調に推移していることが経済を牽引しています。個人消費が堅調に推移している背景には、株価上昇による資産効果や、雇用環境の改善が続いていることがあります。また、住宅需要の増加を受けて、住宅市場は改善傾向にあり、家計のバランスシート調整が進展しました。平成25年10月には新年度暫定予算が財政年度末までに成立せず政府機関の一部が閉鎖されるなど、財政問題が景気の下押し圧力となり、その後の平成26年1-3月期には記録的な寒波や干ばつなど、悪天候が景気の下押し要因となりましたが、底堅い個人消費に支えられGDPはプラス成長が続きました。金融面では引き続き緩和的な状況が続きました。しかし、雇用環境を中心とした国内景気の回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3(量的緩和第3弾)の縮小開始を決定し、平成26年1月以降、FRBによる資産買い入れ規模は段階的に縮小されました。

欧州経済は、平成25年前半は財政・金融問題を背景に景気悪化が続いていましたが、年央以降、持ち直しの動きがみられました。平成25年4-6月期に7四半期ぶりのプラスに転じたユーロ圏のGDPは、10-12月期まで3四半期連続のプラス成長となりました。欧州経済が持ち直した最大の要因は、平成23年頃から継続的に財政健全化に取り組んできたことにより、財政要因による景気の下押し傾向が弱まったことです。また、財政問題が徐々に鎮静化するなか、失業率の悪化に歯止めがかかったことで、消費者マインドは改善し、個人消費も持ち直し傾向となりました。企業部門の景況感についても平成24年末を底に回復傾向が続いています。ただし、周縁国では失業率が依然高水準で推移するなど、ユーロ圏内でも国ごとに景気の改善度合いに格差が生じており、欧州経済には依然として不安定要因が存在しています。金融面では、ECB(欧州中央銀行)は緩和的な金融政策を継続し、平成25年5月に10ヶ月ぶりの利下げを行い、同年7月には「フォワード・ガイダンス」を採用して、長期間低金利を維持することを明示しました。また、景気回復が非常に緩やかなものに留まり、インフレ率も低位で推移していたことから、同年11月にも再度利下げを行いました。しかし、利下げ後も、ユーロ高による輸入物価下落の影響もありインフレ率は低下傾向が続きました。

新興国では、総じてみれば景気拡大が続いているものの、平成25年半ば頃から多くの国で減速がみられました。新興国の景気減速の原因には、平成24年5月以降、米国での金融緩和縮小が議論され始めたことをきっかけに新興国からの資金流出が進んだことが挙げられます。資金流出によって主要な新興国の為替レートは減価し、株価も多くの国で下落しました。また、こうした為替の減価と、それに伴うインフレ率の上昇に対応するために、ブラジル、インドネシア、インドなどでは金融引き締めを余儀なくされたことも、景気減速の要因となりました。しかし、こうした新興国による利上げは、先進国経済の拡大による新興国景気の下支え効果と相まって、年度末にかけて新興国からの資金流出に歯止めをかけることとなりました。一方、中国に目を向けると、平成25年7-9月期に前年同期比+7.8%だったGDP成長率は、同年10-12月期には前年同期比+7.7%、平成26年1-3月期には前年同期比+7.4%と減速傾向が続いています。中国では不動産バブルに対する懸念が高まっていることもあり、過度に投資に依存した成長から、個人消費を中心とした持続的成長へと舵を切りつつあり、相対的な高成長は続いているものの、趨勢的に成長率の鈍化がみられています。

 

 

<日本の状況>

日本経済は、内需主導による回復傾向が続きました。景気回復の最大の牽引役となったのは、個人消費の増加です。家計の所得環境の改善が遅れる中、平成24年末からの株高による資産効果とマインドの改善が、個人消費を押し上げました。平成25年7-9月期に入ると、マインドの改善が一服したことなどから、個人消費は弱含みの傾向をみせましたが、10-12月期以降は、平成26年4月の消費増税前に向けた駆け込み需要が顕在化したことにより、個人消費は増勢を強めることとなりました。住宅投資も、緩やかな増加傾向が続いています。低金利継続による好環境が続いていることに加えて、増税前の駆け込み需要が住宅投資を押し上げました。こうした堅調な内需に牽引され、企業の生産活動は改善が続きました。一方、輸出数量については、概ね横ばい圏での推移となりましたが、円安の進行による輸出価格の上昇により、輸出関連製造業を中心に企業収益は大幅に改善しました。企業収益の改善と生産活動の活発化に伴う設備過剰感の解消によって、設備投資でも持ち直しの動きが見られました。さらに、公共投資が高水準で推移したことも、景気を下支えしました。これは、安倍政権発足後、平成25年1月に「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が策定され、同年2月に平成24年度補正予算が成立したためです。補正予算が執行され始めたことにより、公共投資は平成25年4-6月期以降、加速することとなりました。年度後半にかけては公共投資の減速が見られましたが、高水準での推移が続いています。

金融面では、平成25年4月に日本銀行が黒田新総裁の下での金融政策決定会合において「量的・質的金融緩和」導入を決定しました。日本銀行は2年間でマネタリーベースを2倍にすることを目標とし、大規模な金融緩和を続けています。
  日本銀行による金融緩和の継続を背景に、為替市場は円安基調で推移し、平成25年5月半ばには4年1ヶ月ぶりに1ドル100円を上回りました。その後はリスク回避的に円高方向に押し戻される局面もあり、横ばい圏での推移が続きましたが、11月頃からは金融緩和縮小観測の高まりによる米国市場金利の上昇によって、円安方向で推移しました。しかし、平成26年に入ると、中国経済の減速懸念の高まりやウクライナ情勢の悪化等によるリスク回避から、円安傾向に歯止めがかかりました。株価についても乱高下はあったものの、円安基調を背景とした企業収益の改善を主因に、上昇傾向で推移しました。ただし、新興国リスクの台頭による世界的な株安から、株価は年末をピークにして平成26年1-3月期は下落傾向となりました。10年債金利は、日本銀行が買取りの対象となる国債の年限を長期化したことを受け、平成25年4月初めに一旦0.315%の過去最低水準まで低下しました。5月に入ると米国の金融緩和縮小観測が高まる中、0.9%台まで急激に上昇しましたが、その後は、ならしてみれば国債利回りの低下傾向が続きました。11月から年末にかけては、米国市場金利の上昇に影響されて、日本の国債利回りも上昇する局面もありましたが、日本銀行による大規模な金融緩和を背景に、国債利回りは低位で推移しました。
  平成26年3月末の日経平均株価は14,827円83銭(平成25年3月末比2,429円92銭高)、10年国債利回りは0.640%(同0.08ポイントの上昇)、為替は1ドル102円98銭(同8円94銭の円安)となりました。
 

 

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① 資金流動性の管理
<財務の効率性と安定性の両立>

当社グループは、多くの資産及び負債を用いて有価証券関連業務を中心としたビジネスを行っており、ビジネスを継続する上で十分な流動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本方針としております。
 当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、金融機関借入、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、預金受入等の無担保調達、現先取引、レポ取引等の有担保調達があり、これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、効率的かつ安定的な資金調達の実現を図っております。
 財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、事業の継続に支障を来すことのないよう、平時から安定的に資金を確保するよう努めております。特に近年においては、世界的金融危機及び信用危機による不測の事態に備え、市場からの資金調達、金融機関からの借入等により、手元流動性の更なる積み増しを行っております。同時に、危機発生等により、新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、調達資金の償還期限及び調達先の分散を図っております。
 また、当社は、バーゼル委員会が提示した流動性カバレッジ比率を参考にした手法で、流動性管理体制を構築しております。即ち、一定期間内に期日が到来する無担保調達資金及び同期間にストレスが発生した場合の資金流出見込額に対し、複数のストレスシナリオを想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが保持されていることを毎日確認しております。これにより、当社グループでは、今後1年間無担保資金調達が行えない場合でも、業務の継続が可能となるよう体制を構築しております。

なお、当連結会計年度末における当社グループの短期無担保調達資金及び流動性ポートフォリオの状況は次のとおりです。 

(単位:億円)

 

銀行等からの短期借入金

2,344

その他の短期借入金

4,287

コマーシャル・ペーパー

2,664

1年内償還予定の社債

2,243

短期無担保調達資金合計

 

11,540

 

 

現金・預金

13,876

 

国債・政府保証債等

2,260

 

流動性ポートフォリオ

16,137

 

 

その他の債券

4,191

 

上場株式等

5,502

 

 

その他

100

 

補完的流動性ポートフォリオ

9,793

流動性ポートフォリオ等合計

 

25,930

 

(注) 上記には銀行業にかかる資産及び負債は含めておりません。

 

当連結会計年度末における当社グループの流動性ポートフォリオの合計額は1兆6,137億円であります。また、補完的流動性ポートフォリオを含めた合計額は2兆5,930億円であり、この金額は同年度末の短期無担保調達資金の合計額の224.7%に相当します。

 

 

<グループ全体の資金管理>

当社グループでは、グループ全体での適正な流動性確保という基本方針の下、当社が一元的に資金の流動性の管理・モニタリングを行っております。当社は、当社固有のストレス又は市場全体のストレスの発生により新規の資金調達及び既存資金の再調達が困難となる場合も想定し、短期の無担保調達資金について、当社グループの流動性ポートフォリオが十分に確保されているかをモニタリングしております。また、当社は、必要に応じて当社からグループ各社に対し、機動的な資金の配分・供給を行うと共に、グループ内で資金融通を可能とする体制を整えることで、効率性に基づく一体的な資金調達及び資金管理を行っております。

 

<資金流動性コンティンジェンシー・プラン>

当社グループは、資金流動性リスクへの対応の一環として、資金流動性コンティンジェンシー・プランを策定しております。同プランは、信用力の低下等の内生的要因や金融市場の混乱等の外生的要因によるストレスの逼迫度に応じた報告体制や資金調達手段の確保などの方針を定めており、これにより当社グループは機動的な対応により流動性を確保する体制を整備しております。

当社グループの資金流動性コンティンジェンシー・プランは、グループ全体のストレスを踏まえて策定しており、変動する金融環境に機動的に対応するため、定期的な見直しを行っております。

また、金融市場の変動の影響が大きくその資金流動性確保の重要性の高い大和証券株式会社、株式会社大和ネクスト銀行及び海外証券子会社においては、更に個別の資金流動性コンティンジェンシー・プランも策定し、同様に定期的な見直しを行っております。

なお、当社は、子会社の資金流動性コンティンジェンシー・プランの整備状況について定期的にモニタリングしており、必要に応じて想定すべき危機シナリオを考慮して子会社の資金調達プランやコンティンジェンシー・プランそのものの見直しを行い、更には流動性の積み増しを実行すると同時に資産圧縮を図るといった事前の対策を講じることとしております。

 

② 株主資本

当社グループが株式や債券、デリバティブ等のトレーディング取引、貸借取引、引受業務、ストラクチャード・ファイナンス、M&A、プリンシパル・インベストメント、証券担保ローン等の有価証券関連業を中心とした幅広い金融サービスを展開するためには、十分な資本を確保する必要があります。また、当社グループは、日本のみならず、海外においても有価証券関連業務を行っており、それぞれの地域において法規制上必要な資本を維持しなければなりません。

平成26年3月31日現在の株主資本は、前年度末比1,212億円増加し、9,887億円となりました。また、資本金及び資本剰余金の合計は4,781億円となっております。利益剰余金は当期純利益1,694億円や配当金支払い496億円等を計上した結果、前年度末比1,197億円増の5,284億円となりました。自己株式の控除額は、前年度末に比べ13億円減少し、178億円となっております。