第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当期の経済情勢を顧みますと、世界経済は、全体としては緩やかな回復が続きましたが、一部には弱さもみられました。先行きは、先進国を中心に引き続き回復が期待されますが、下振れ懸念の残る中国経済の動向や資源価格の動向、地政学的リスクの高まりには注視を要する状況となっております。

米国経済は、良好な雇用環境の下で回復基調が継続しました。先行きは、底堅い回復が続くことが期待されますが、新興国経済の下振れや金融政策正常化の動きに伴う影響には留意する必要があります。

欧州経済は、英国、ユーロ圏とも回復テンポに鈍化がみられるものの、底堅く推移しました。今後もこうした基調は維持される見通しですが、高水準の失業率、ロシア経済減速の影響、金融政策の動向などに留意が必要な状況が続いております。

アジアでは、中国経済の減速基調が続きました。今後についても、各種政策効果が下支えとなるものの、資本ストック調整が重石となり、減速基調を辿るとみられます。新興国経済については、成長に勢いを欠く状況が続きました。先行きは、通貨安や資源価格下落による影響もあり、景気拡大は緩やかなペースにとどまるとみられます。

日本経済は、輸出、生産は上向きつつあるものの、個人消費は弱含みが続き、全体としては踊り場の状況が続きました。先行きは、雇用者所得の回復を背景とした個人消費の高まりや原油安による企業収益押し上げ効果を支えとして持ち直していくことが期待されますが、為替の動向には留意する必要があります。

このような経営環境のもと、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は6,709億円となりました。

なお、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「第2  事業の状況  7  財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により4兆1,041億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却等により3兆6,878億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主への払戻等により5,210億円の支出となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比7兆2,483億円増加して、35兆891億円となりました。

 

(3)国内・海外別収支

当連結会計年度において、資金運用収支・信託報酬・役務取引等収支・特定取引収支・その他業務収支の合計は2兆2,216億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

 766,019

 370,516

 7,096

 1,129,439

当連結会計年度

 693,027

 322,124

 11,463

 1,003,688

うち資金運用収益

前連結会計年度

 1,008,654

 594,525

 134,203

 1,468,976

当連結会計年度

 944,375

 597,274

 115,393

 1,426,256

うち資金調達費用

前連結会計年度

 242,635

 224,008

 127,106

 339,537

当連結会計年度

 251,348

 275,149

 103,929

 422,567

信託報酬

前連結会計年度

 52,839

 -

 198

 52,641

当連結会計年度

 53,778

 -

 319

 53,458

役務取引等収支

前連結会計年度

 444,628

 158,058

 9,327

 593,360

当連結会計年度

 456,557

 166,372

 15,378

 607,551

うち役務取引等収益

前連結会計年度

 571,939

 199,638

 42,236

 729,341

当連結会計年度

 590,109

 216,296

 54,694

 751,712

うち役務取引等費用

前連結会計年度

 127,310

 41,579

 32,909

 135,981

当連結会計年度

 133,552

 49,924

 39,316

 144,160

特定取引収支

前連結会計年度

 190,809

 72,375

 221

 262,963

当連結会計年度

 245,041

 65,534

 68

 310,507

うち特定取引収益

前連結会計年度

 190,809

 72,375

 221

 262,963

当連結会計年度

 246,877

 66,297

 68

 313,106

うち特定取引費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 1,836

 762

 -

 2,598

その他業務収支

前連結会計年度

 155,485

 52,087

 △1,766

 209,340

当連結会計年度

 214,261

 30,936

△1,217

 246,415

うちその他業務収益

前連結会計年度

 291,775

 73,517

 28

 365,264

当連結会計年度

 287,725

 38,368

 28

 326,065

うちその他業務費用

前連結会計年度

 136,289

 21,429

 1,795

 155,924

当連結会計年度

 73,464

 7,431

 1,245

 79,650

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(海外店を除く。以下「国内連結子会社」という)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」という)であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用を控除しております。

(4)国内・海外別資金運用/調達の状況

 当連結会計年度において、資金運用勘定の平均残高は162兆8,224億円、利息は1兆4,262億円、利回りは0.87%となりました。資金調達勘定の平均残高は162兆9,178億円、利息は4,225億円、利回りは0.25%となりました。

① 国内

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

 119,462,586

 1,008,654

 0.84

当連結会計年度

 123,457,594

 944,375

 0.76

うち貸出金

前連結会計年度

 54,297,110

 584,556

 1.07

当連結会計年度

 53,655,098

 555,787

 1.03

うち有価証券

前連結会計年度

 41,645,506

 296,963

 0.71

当連結会計年度

 36,001,173

 263,614

 0.73

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

 199,648

 943

 0.47

当連結会計年度

 316,940

 662

 0.20

うち買現先勘定

前連結会計年度

 75,046

 151

 0.20

当連結会計年度

 143,303

 730

 0.50

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

 4,858,830

 7,102

 0.14

当連結会計年度

 3,741,726

 8,650

 0.23

うち預け金

前連結会計年度

 16,356,398

 18,937

 0.11

当連結会計年度

 27,761,197

 31,710

 0.11

資金調達勘定

前連結会計年度

 120,366,031

 242,635

 0.20

当連結会計年度

 123,838,034

 251,348

 0.20

うち預金

前連結会計年度

 77,370,431

 38,301

 0.04

当連結会計年度

 82,511,885

 49,082

 0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

 11,546,165

 10,160

 0.08

当連結会計年度

 11,482,156

 9,051

 0.07

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

 5,526,838

 5,436

 0.09

当連結会計年度

 5,759,743

 5,362

 0.09

うち売現先勘定

前連結会計年度

 3,717,099

 6,661

 0.17

当連結会計年度

 4,698,028

 9,810

 0.20

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

 5,788,027

 7,549

 0.13

当連結会計年度

 2,410,378

 2,989

 0.12

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

 -

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

 -

うち借用金

前連結会計年度

 8,367,920

 94,841

 1.13

当連結会計年度

 8,889,737

 78,048

 0.87

 (注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除して表示しております。

② 海外

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

  44,814,522

  594,525

1.32

当連結会計年度

 44,831,360

 597,274

1.33

うち貸出金

前連結会計年度

  20,757,119

  434,613

2.09

当連結会計年度

 22,531,026

 436,943

1.93

うち有価証券

前連結会計年度

  3,033,053

  67,288

2.21

当連結会計年度

 3,006,971

 53,174

1.76

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

  295,338

  6,668

2.25

当連結会計年度

 359,959

 6,185

1.71

うち買現先勘定

前連結会計年度

  11,236,036

  30,071

0.26

当連結会計年度

 9,590,615

 41,656

0.43

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

うち預け金

前連結会計年度

  5,478,992

  32,247

0.58

当連結会計年度

 6,355,419

 37,095

0.58

資金調達勘定

前連結会計年度

  43,260,617

  224,008

0.51

当連結会計年度

 43,861,392

 275,149

0.62

うち預金

前連結会計年度

  14,487,743

  85,355

0.58

当連結会計年度

 17,639,954

 118,594

0.67

うち譲渡性預金

前連結会計年度

  6,147,465

  19,934

0.32

当連結会計年度

 4,683,271

 26,302

0.56

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

  862,022

  3,075

 0.35

当連結会計年度

 718,873

 3,725

0.51

うち売現先勘定

前連結会計年度

  18,200,483

  26,015

 0.14

当連結会計年度

 16,367,261

 51,039

0.31

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

  640,993

  1,682

 0.26

当連結会計年度

 673,142

 2,285

0.33

うち借用金

前連結会計年度

  1,701,195

  11,800

 0.69

当連結会計年度

 2,578,153

 10,975

0.42

 (注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息をそれぞれ控除して表示しております。

③ 合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り

(%)

小計

相殺消去額

(△)

合計

小計

相殺消去額

(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

 164,277,108

 7,715,774

 156,561,334

 1,603,179

 134,203

 1,468,976

0.93

当連結会計年度

 168,288,955

 5,466,497

 162,822,457

 1,541,650

 115,393

 1,426,256

0.87

うち貸出金

前連結会計年度

 75,054,230

 3,556,619

 71,497,611

 1,019,170

 87,286

 931,883

1.30

当連結会計年度

 76,186,124

 3,110,441

 73,075,683

 992,730

 71,077

 921,653

1.26

うち有価証券

前連結会計年度

 44,678,559

 951,586

 43,726,973

 364,251

 12,450

 351,801

0.80

当連結会計年度

 39,008,145

 854,720

 38,153,424

 316,789

 8,699

 308,089

0.80

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

 494,986

 -

 494,986

 7,612

 0

 7,611

1.53

当連結会計年度

 676,899

 -

 676,899

 6,848

 1

 6,847

1.01

うち買現先勘定

前連結会計年度

 11,311,083

 1,979,126

 9,331,956

 30,222

 2,227

 27,995

0.29

当連結会計年度

 9,733,919

 987,175

 8,746,743

 42,386

 1,058

 41,328

0.47

うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

 4,858,830

 11,747

 4,847,082

 7,102

 5

 7,096

0.14

当連結会計年度

 3,741,726

 12,483

 3,729,243

 8,650

 10

 8,640

0.23

うち預け金

前連結会計年度

 21,835,391

 395,228

 21,440,162

 51,184

 1,090

 50,093

0.23

当連結会計年度

 34,116,617

 409,581

 33,707,035

 68,806

 1,557

 67,248

0.19

資金調達勘定

前連結会計年度

 163,626,648

 7,001,954

 156,624,694

 466,644

 127,106

 339,537

0.21

当連結会計年度

 167,699,427

 4,781,548

 162,917,878

 526,497

 103,929

 422,567

0.25

うち預金

前連結会計年度

 91,858,175

 96,732

 91,761,443

 123,656

 97

 123,559

0.13

当連結会計年度

 100,151,840

 68,828

 100,083,011

 167,677

 136

 167,540

0.16

うち譲渡性預金

前連結会計年度

 17,693,630

 -

 17,693,630

 30,095

 -

 30,095

0.17

当連結会計年度

 16,165,428

 16,165,428

 35,354

 35,354

0.21

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

 6,388,860

 221,738

 6,167,121

 8,512

 902

 7,609

0.12

当連結会計年度

 6,478,616

 277,496

 6,201,120

 9,088

 1,376

 7,711

0.12

うち売現先勘定

前連結会計年度

 21,917,582

 1,996,536

 19,921,045

 32,677

 2,139

 30,537

0.15

当連結会計年度

 21,065,289

 1,004,698

 20,060,590

 60,850

 866

 59,983

0.29

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

 5,788,027

 715

 5,787,312

 7,549

 0

 7,549

0.13

当連結会計年度

 2,410,378

 1,093

 2,409,284

 2,989

 0

 2,988

0.12

うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

 640,993

 -

 640,993

 1,682

 -

 1,682

0.26

当連結会計年度

 673,142

 673,142

 2,285

 2,285

0.33

うち借用金

前連結会計年度

 10,069,116

 3,564,705

 6,504,410

 106,641

 87,353

 19,287

0.29

当連結会計年度

 11,467,891

 3,111,405

 8,356,485

 89,024

 67,518

 21,505

0.25

 (注) 「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

 

(5)国内・海外別役務取引の状況

 当連結会計年度において、役務取引等収益は7,517億円、役務取引等費用は1,441億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

 571,939

 199,638

 42,236

 729,341

当連結会計年度

 590,109

 216,296

 54,694

 751,712

うち預金・債券・貸出

業務

前連結会計年度

 91,236

 100,931

 479

 191,688

当連結会計年度

 103,437

 104,785

 368

 207,854

うち為替業務

前連結会計年度

 103,440

 7,379

 176

 110,644

当連結会計年度

 102,765

 6,831

 155

 109,441

うち証券関連業務

前連結会計年度

 145,921

 62,292

 33,718

 174,494

当連結会計年度

 142,984

 73,013

 43,520

 172,478

うち代理業務

前連結会計年度

 32,176

 3,727

 304

 35,598

当連結会計年度

 33,795

 3,885

 323

 37,357

うち保護預り・貸金庫

業務

前連結会計年度

 5,269

 25

 -

 5,294

当連結会計年度

 5,176

 10

 -

 5,186

うち保証業務

前連結会計年度

 19,734

 11,101

 1,033

 29,802

当連結会計年度

 17,752

 8,511

 981

 25,282

うち信託関連業務

前連結会計年度

 49,937

 5,034

 1,858

 53,112

当連結会計年度

 51,340

 5,030

 1,988

 54,382

役務取引等費用

前連結会計年度

 127,310

 41,579

 32,909

 135,981

当連結会計年度

 133,552

 49,924

 39,316

 144,160

うち為替業務

前連結会計年度

 38,554

 678

 116

 39,116

当連結会計年度

 38,391

 616

 119

 38,889

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

(6)国内・海外別特定取引の状況

① 特定取引収益・費用の内訳

 当連結会計年度は、特定取引収益は3,131億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引収益

前連結会計年度

 190,809

 72,375

 221

 262,963

当連結会計年度

 246,877

 66,297

 68

 313,106

うち商品有価証券収益

前連結会計年度

 124,835

 15,884

 221

 140,498

当連結会計年度

 130,233

 42,724

 68

 172,889

うち特定取引有価証券

収益

前連結会計年度

 5,639

 998

 -

 6,638

当連結会計年度

 -

 -

 -

 -

うち特定金融派生商品

収益

前連結会計年度

 58,219

 55,492

 -

 113,711

当連結会計年度

 115,178

 23,572

 -

 138,751

うちその他の特定取引

収益

前連結会計年度

 2,114

 -

 -

 2,114

当連結会計年度

 1,465

 -

 -

 1,465

特定取引費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 1,836

 762

 -

 2,598

うち商品有価証券費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

 -

 -

うち特定取引有価証券

費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 1,836

 762

 -

 2,598

うち特定金融派生商品

費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

 -

 -

うちその他の特定取引

費用

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

 -

 -

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.内訳科目はそれぞれの収益と費用で相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費用欄に、国内・海外・合計毎の純額を表示しております。

② 特定取引資産・負債の内訳(末残)

 当連結会計年度末において、特定取引資産は13兆45億円、特定取引負債は10兆2,761億円となりました。

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引資産

前連結会計年度

 8,275,210

 2,996,383

 489,858

 10,781,735

当連結会計年度

 10,693,123

 2,767,005

 455,605

 13,004,522

うち商品有価証券

前連結会計年度

 2,500,992

 1,662,236

 -

 4,163,229

当連結会計年度

 3,063,485

 1,510,490

 -

 4,573,976

うち商品有価証券派生

商品

前連結会計年度

 207,878

 5,281

 -

 213,159

当連結会計年度

 159,252

 8,173

 -

 167,426

うち特定取引有価証券

前連結会計年度

 30,304

 35,742

 -

 66,046

当連結会計年度

 -

 12,766

 -

 12,766

うち特定取引有価証券

派生商品

前連結会計年度

 190

 46

 16

 220

当連結会計年度

 78

 9

 -

 87

うち特定金融派生商品

前連結会計年度

 4,644,989

 1,287,023

 405,662

 5,526,350

当連結会計年度

 6,565,232

 1,226,926

 423,098

 7,369,060

うちその他の特定取引

資産

前連結会計年度

 890,854

 6,053

 84,179

 812,728

当連結会計年度

 905,074

 8,637

 32,507

 881,204

特定取引負債

前連結会計年度

 6,794,456

 2,354,418

 405,678

 8,743,196

当連結会計年度

 8,309,302

 2,389,929

 423,098

 10,276,133

うち売付商品債券

前連結会計年度

 2,294,228

 896,172

 -

 3,190,401

当連結会計年度

 1,642,885

 987,155

 -

 2,630,040

うち商品有価証券派生

商品

前連結会計年度

 201,064

 5,321

 -

 206,385

当連結会計年度

 138,888

 6,800

 -

 145,688

うち特定取引売付債券

前連結会計年度

 -

 10,412

 -

 10,412

当連結会計年度

 -

0

 -

0

うち特定取引有価証券

派生商品

前連結会計年度

 143

 -

 16

 126

当連結会計年度

 92

 -

 -

 92

うち特定金融派生商品

前連結会計年度

 4,299,019

 1,442,512

 405,662

 5,335,870

当連結会計年度

 6,527,436

 1,395,973

 423,098

 7,500,312

うちその他の特定取引

負債

前連結会計年度

 -

 -

 -

 -

当連結会計年度

 -

 -

 -

 -

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

(7)国内・海外別預金残高の状況

○預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

82,352,962

15,477,452

72,869

97,757,545

当連結会計年度

88,838,418

16,861,539

70,886

105,629,071

うち流動性預金

前連結会計年度

50,202,778

3,780,203

35,416

53,947,566

当連結会計年度

57,237,545

4,112,379

34,566

61,315,358

うち定期性預金

前連結会計年度

26,756,106

11,673,187

20,137

38,409,156

当連結会計年度

25,768,670

12,735,453

20,163

38,483,960

うちその他

前連結会計年度

5,394,077

24,061

17,315

5,400,823

当連結会計年度

5,832,201

13,706

16,156

5,829,751

譲渡性預金

前連結会計年度

9,011,590

6,683,316

15,694,906

当連結会計年度

6,432,810

5,394,723

11,827,533

総合計

前連結会計年度

91,364,552

22,160,768

72,869

113,452,451

当連結会計年度

95,271,228

22,256,262

70,886

117,456,604

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「相殺消去額」には内部取引金額等を記載しております。

4.預金の区分は次のとおりであります。

① 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

② 定期性預金=定期預金+定期積金

(8)国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

52,540,179

100.00

52,074,382

100.00

製造業

7,953,868

15.14

8,152,975

15.66

農業,林業

42,304

0.08

44,824

0.09

漁業

911

0.00

1,226

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

264,004

0.50

234,534

0.45

建設業

758,494

1.44

729,299

1.40

電気・ガス・熱供給・水道業

2,424,577

4.62

2,365,002

4.54

情報通信業

1,231,321

2.34

1,299,550

2.50

運輸業,郵便業

2,283,169

4.35

2,252,671

4.33

卸売業,小売業

5,047,162

9.61

4,999,494

9.60

金融業,保険業

3,915,887

7.45

3,700,025

7.10

不動産業

6,453,151

12.28

6,869,358

13.19

物品賃貸業

1,784,489

3.40

1,988,755

3.82

各種サービス業

2,488,901

4.74

2,666,372

5.12

地方公共団体

1,005,510

1.91

913,749

1.75

政府等

3,605,298

6.86

2,480,716

4.76

その他

13,281,125

25.28

13,375,826

25.69

海外及び特別国際金融取引勘定分

20,874,991

100.00

21,634,502

100.00

政府等

681,963

3.27

979,788

4.53

金融機関

5,252,856

25.16

5,202,711

24.05

その他

14,940,171

71.57

15,452,001

71.42

合計

73,415,170

73,708,884

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

期別

国別

金額(百万円)

前連結会計年度

エジプト

5,285

アルゼンチン

8

合計

5,293

(資産の総額に対する割合:%)

(0.00)

当連結会計年度

アルゼンチン

16

合計

16

(資産の総額に対する割合:%)

(0.00)

 (注) 日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の
外国政府等の債権残高を掲げております。

(9)国内・海外別有価証券の状況

○有価証券残高(末残)

種類

期別

国内

海外

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

21,772,097

3,820

21,775,918

当連結会計年度

19,525,905

19,525,905

地方債

前連結会計年度

238,587

238,587

当連結会計年度

240,680

240,680

短期社債

前連結会計年度

99

99

当連結会計年度

99

99

社債

前連結会計年度

2,674,037

2,674,037

当連結会計年度

2,865,944

1,954

2,867,899

株式

前連結会計年度

4,500,792

4,500,792

当連結会計年度

3,898,737

3,898,737

その他の証券

前連結会計年度

11,186,562

2,902,735

14,089,298

当連結会計年度

9,458,492

3,514,155

12,972,648

合計

前連結会計年度

40,372,177

2,906,555

43,278,733

当連結会計年度

35,989,860

3,516,110

39,505,971

 (注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。

2.「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。

3.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

 自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。

 なお、当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。

連結自己資本比率(国際統一基準)

(単位:億円、%)

 

平成28年3月31日

1.連結総自己資本比率(4/7)

15.41

2.連結Tier1比率(5/7)

12.64

3.連結普通株式等Tier1比率(6/7)

10.50

4.連結における総自己資本の額

 96,386

5.連結におけるTier1資本の額

 79,050

6.連結における普通株式等Tier1資本の額

 65,664

7.リスク・アセットの額

 625,311

8.連結総所要自己資本額

 50,024

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性から該当する情報がないため、記載しておりません。

3【対処すべき課題】

 当社グループは、平成28年度からの3年間を計画期間とする新中期経営計画『進化する“One MIZUHO” ~総合金融コンサルティンググループを目指して~』をスタートいたしました。

 この計画は、不透明な規制環境に加え、世界経済も新興国経済が牽引してきた構図の変調や資源価格の長期低迷等ターニングポイントを迎えつつあるとともに、金融イノベーションの急速な進展等のゲームチェンジが起こりつつあるなか、こうした新しい環境変化に対応できるビジネスモデルの構築を目指すものです。

 具体的には、前中期経営計画で推進してきた「お客さま第一(Client-Oriented)」をさらに徹底するとともに、厳しい経営環境への対応として、業務高度化・効率化プロジェクトにより「オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力)」を追求してまいります。

 新中期経営計画は、「お客さま第一」と「オペレーショナルエクセレンス」を2つの土台として、「総合金融コンサルティンググループ」という新しいビジネスモデルを構築し、前中期経営計画で標榜した“One MIZUHO戦略”を進化させようとするものであり、新中期経営計画における目指す姿、5つの基本方針、さらに、基本方針を具体化した事業戦略、財務戦略、経営基盤における戦略軸として、10の戦略軸を設定しております。

 

中期経営計画における〈みずほ〉の目指す姿

 

 

 

 

“総合金融コンサルティンググループ”

 

 

 

~お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナー~

 

 

[5つの基本方針]

1.カンパニー制の導入

2.事業の選択と集中

3.強靭な財務体質の確立

4.金融イノベーションへの積極的取組み

5.強い〈みずほ〉を支える人材の活躍促進とカルチャーの確立

 

[10の戦略軸]

〔事業戦略〕

グローバルベースでの非金利ビジネスモデルの強化

貯蓄から投資への対応

リサーチ&コンサルティング機能の強化

FinTechへの対応

エリアOne MIZUHO戦略

 

財務戦略

バランスシートコントロール戦略とコスト構造改革

政策保有株式の削減

 

経営基盤

次期システムの完遂

人事運営の抜本的改革

⑩ 強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取組み

*同一地域における銀行・信託・証券一体でのOne MIZUHO戦略。営業拠点がエリア戦略を主体的に考え実行。

 

(オペレーショナルエクセレンス(卓越した業務遂行力))

 One MIZUHO戦略の実行力である「オペレーション」を向上させ、「お客さま第一」を軸とする戦略の差別化とあわせて、〈みずほ〉の持続的な競争優位の確立につなげ、お客さまサービスの付加価値を向上すべく、「オペレーショナルエクセレンス」を追求いたします。既存の業務プロセスを徹底的に見直し、「オペレーションの効率化」と「オペレーションの高度化による顧客価値創出」を実現してまいります。

 

(カンパニー制の導入)

 「お客さま第一」のさらなる徹底を図るべく、持株会社のもとで、銀行・信託・証券を一体的に運営する〈みずほ〉の特長と優位性を活かし、お客さまのニーズに即した最高の金融サービスを迅速に提供していくため、平成28年4月1日付で、顧客セグメント別のカンパニー制を導入いたしました。これまでも〈みずほ〉は、ユニット制のもと、お客さまの属性ごとに特化したグループ各社横断的なシャープな戦略展開を行ってきましたが、カンパニー制ではその方向性をさらに徹底し、戦略の企画・立案から戦略の遂行に至るプロセスにおいて、より強力に、よりスピーディーに、お客さまの属性に応じて一貫した戦略を展開できる体制といたします。

 具体的には、顧客セグメントごとに、リテール・事業法人カンパニー、大企業・金融・公共法人カンパニー、グローバルコーポレートカンパニー、グローバルマーケッツカンパニー、アセットマネジメントカンパニーの5つのカンパニーを設置し、「お客さま第一」の観点からのアプローチ(マーケット・イン型アプローチ)を徹底的に強化いたします。また、プロダクツ、リサーチ等の機能は「専門性のさらなる強化」と「全カンパニー横断的な機能活用」を図るため、2つのユニットとして独立して設置いたしました。なお、リサーチ等の機能に関しては、グループ内のリサーチ機能とコンサルティング機能を“One シンクタンク”として集約し、お客さまのあらゆる課題解決に取り組む専門家集団と位置付け、リサーチ&コンサルティングユニットを新設いたしました。

 また、グループ全体のリスクアペタイト方針(リスクテイクに関する基本的な方針)に則り、収益力の向上とリスク・リターン構造の改革に取り組んでまいりますとともに、本部スリム化とスピーディーな意思決定を実現し、現場力・営業力の一層の向上を目指してまいります。

 

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[事業戦略]

 当社グループは、新しい顧客セグメント別経営体制のもと、新しい中期経営計画における10の戦略軸に基づき、「お客さま第一」を徹底的に強化してまいります。

 各カンパニー・ユニットにおける事業戦略は以下の通りです。

 

リテール・事業法人カンパニー

 リテール・事業法人カンパニーは、個人・中小企業・中堅企業のお客さまに向けた業務を担当いたします。

 個人のお客さまには、資産運用、資産承継等のコンサルティング提供力の向上に努めていくとともに、先進的な技術の活用・他社との提携等による、利便性の高いサービスの開発・提供に取り組んでまいります。

 中小企業・中堅企業のお客さまには、事業の成長・拡大、事業承継、海外展開等の経営課題や、企業オーナー等のお客さまの資産承継・運用等、法人・個人両面のニーズに対してソリューションを提供してまいります。

 こうした取り組みを通じ、お客さまと共に成長する「総合金融コンサルティングカンパニー」を目指してまいります。

 

大企業・金融・公共法人カンパニー

 大企業・金融・公共法人カンパニーは、国内の大企業法人・金融法人・公共法人のお客さまに向けた業務を担当いたします。

 大企業法人のお客さまには、資金調達・運用、経営・財務戦略等に関するお客さまニーズに対し、シンジケートローンや社債引受、M&A等、お客さまごとのオーダーメード型ソリューションの提供力を強化してまいります。

 金融法人のお客さまには、財務戦略等に関する助言や各種運用商品の提案、公共法人のお客さまには、公共債の受託、引受を通じた資金調達支援、指定金融機関業務等、グループ横断的に最適な金融サービスを提供してまいります。加えて、日本経済の重要課題である、地方創生に向けた取り組みも継続してまいります。

 これらの取り組みを通じ、お客さまから最も信頼されるパートナーになることを目指してまいります。

 

グローバルコーポレートカンパニー

 グローバルコーポレートカンパニーは、海外進出日系企業及び非日系企業等のお客さまに向けた業務を担当いたします。

 お客さまの事業への深い理解と、貸出、社債引受等のコーポレートファイナンスの分野での強みを活かし、さまざまなソリューションを提供し、日系企業のお客さまの海外事業展開サポート、非日系企業のお客さまとの長期的な関係構築に努めてまいります。

 また、拠点ネットワークの拡充や、海外の地場金融機関や政府系機関等との業務提携構築を進め、サービス提供力のさらなる強化に努めてまいります。

 これらの取り組みを通じ、大きく変わる世界の経済動向・規制動向の中で、持続的に成長するカンパニーを目指してまいります。

 

グローバルマーケッツカンパニー

 グローバルマーケッツカンパニーは、金利・エクイティ・クレジット等への投資業務に加え、個人から機関投資家まで幅広いお客さまに対して、セールス&トレーディング業務として、金利・為替・株式・コモディティ等、マーケット商品全般を提供してまいります。

 銀行・信託・証券連携による幅広いプロダクツ提供力を活かし、アジアトップクラスのグローバルマーケットプレイヤーを目指してまいります。

 

アセットマネジメントカンパニー

 アセットマネジメントカンパニーは、個人から機関投資家まで幅広いお客さまの資産運用ニーズに応じた商品開発やサービスの提供を担当いたします。

 フィデューシャリー・デューティーを全うし、個人のお客さまの資産形成に資する運用商品の提供や、年金等のお客さまの多様化するニーズにお応えする商品提供力・商品選定機能の強化、確定給付年金と確定拠出年金を一体で捉えた総合提案への取り組みを強化してまいります。

 こうした取り組みを通じて、国内金融資産の活性化に貢献することを目指してまいります。

*他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称

 

グローバルプロダクツユニット

 グローバルプロダクツユニットは、各カンパニーと連携し、あらゆるお客さまに対して、高度な専門性を駆使し、事業・財務戦略アドバイス、資金調達サポート、国内外為替・決済等のソリューションを提供してまいります。

 こうした取り組みを通じて、〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」をプロダクツの面から支えることを目指してまいります。

 

リサーチ&コンサルティングユニット)

 リサーチ&コンサルティングユニットは、〈みずほ〉の目指す「総合金融コンサルティンググループ」を支える邦銀初の本格的リサーチ&コンサルティングユニットとして、お客さまの顕在的・潜在的な課題解決に取り組む専門家集団を目指し、グローバルな視点を強化してまいりますとともに、マクロ・ミクロ両面からのアプローチにより、各カンパニーと連携し、ソリューションを提供してまいります。

 

[経営管理・経営基盤等]

 事業戦略と表裏一体をなす経営管理・経営基盤についても、規制強化等の外部環境変化を踏まえ、以下の取り組みを進めてまいります。

 

リスクアペタイト・フレームワークの高度化

 当社は、事業戦略・財務戦略とリスク管理の一体運営を通じて企業価値の向上を実現する観点から、リスクアペタイト・フレームワークを導入しております。戦略を実現するために、どのようなリスクをどの程度取るかを明確にしたうえで経営資源の配分や収益計画を決定し、運営状況のモニタリング等を通じリスク・リターンの最適化に取り組んでおります。

 また、リスクに向き合う際に共有すべき価値観・行動軸の実現に向けた「リスクに関する行動指針」を制定いたしました。すべての役員及び社員へ「リスクに関する行動指針」を浸透させる取り組みを通じて健全なリスクカルチャーを醸成し、当社のリスクアペタイト・フレームワークを実効的なものとするよう、引き続き取り組んでまいります。

 

次期システムの完遂

 最重要・最大規模のシステムプロジェクトとして、万全の態勢のもと、「安全・着実」に完遂するべく取り組んでおります。

 

政策保有株式の削減

 「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載の通り、上場政策保有株式については、「保有の意義が認められる場合を除き、保有しない」ことを基本方針としております。株価変動に伴う財務影響を軽減し、ストレス時においても金融仲介機能を十分に発揮できるよう、引き続き政策保有株式の削減に努めてまいります。

 

人事運営の抜本的改革

 社員エンゲージメント(社員と会社がお互いの成長に貢献し合う関係性)を高め、人材の面から競争優位を確立すべく、人事運営の抜本的改革に取り組んでまいります。人事戦略、人事制度ならびに人事運営のプリンシプルを制定し、グループの全社員が自らのステップアップと組織貢献に対する意欲を高め、各人の能力を持続的に伸ばして最大限に発揮しながら長く活躍することを実現し、人材における差別化を図ってまいります。

 

(フィデューシャリー・デューティーの実践)

 当社グループは、お客さまの中長期的なパートナーとして、最も信頼されるグループであり続けるべく、資産運用関連業務におけるフィデューシャリー・デューティーの実践に向けたグループの取組方針を定めております。お客さまの利益に真に適う商品・サービスを提供する等、当該方針に従った取り組みを、グループ各社において一層強化してまいります。

*他者の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い様々な役割・責任の総称

 

(強い組織を支えるカルチャーに向けた継続的取り組み)

 強固なカルチャーの確立に向け、引き続き取り組んでまいります。具体的には、各部拠点がそれぞれ目指すべき姿をまとめた「自部店ビジョン」実現に向けた取り組みや、国内外の部店長を対象にカルチャーについて議論する「部店長オフサイト」等、今後とも各種取り組みを継続・強化してまいります。

 

(強固なブランドの確立)

 当社グループは、新しい中期経営計画をブランド構築のアクションプランと位置付け、目指す姿である、お客さまと社会の持続的成長を支える課題解決のベストパートナーとしての「総合金融コンサルティンググループ」の実現を通じて、強固なブランドを確立してまいります。中期経営計画の達成とともに、ブランドコミュニケーションの実践等、今後とも一層のブランド価値向上に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 みずほ銀行とみずほ信託銀行の統合の可能性につきましても、引き続き検討してまいります。

 平成28年4月に発生した熊本地震に際しましては、被災されたお客さま向け融資のご相談を速やかに開始する等、被災者の皆さまの災害復旧に役立てていただくための取り組みを実施いたしております。引き続き、災害復旧に向けた支援に取り組んでまいります。

 当社グループは、反社会的勢力との取引遮断をはじめとする法令遵守態勢及びガバナンス態勢の強化に引き続き努めてまいります。

 社会の持続可能な発展にグループの総力を挙げて貢献するとともに、企業価値のさらなる向上に邁進してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業等において、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。本項に含まれている将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
 なお、各種リスクの管理態勢等につきましては、有価証券報告書「第4 提出会社の状況 6.コーポレートガバナンスの状況等」をご覧ください。

1.財務面に関するリスク

(1)不良債権処理等に係るリスク

① 与信関係費用の増加等による追加的損失の発生

 当社グループは、多くの与信先についてメインバンクとなっているとともに、相当程度大口の与信先があります。また、与信先の業種については分散に努めておりますが、不動産業及び建設業、金融・保険業、卸売・小売業向けの与信の割合が相対的に高い状況にあります。

 当社グループは、個々の与信先の信用状態や再建計画の進捗状況を継続的にモニタリングするとともに、個別企業、企業グループや特定業種への与信集中状況等を定期的にモニタリングするポートフォリオ管理を実施しているほか、クレジットデリバティブの活用によるヘッジ及び信用リスクの減殺を行っております。また、与信先から差入れを受けている担保や保証の価値についても定期的に検証しております。

 しかしながら、国内外の景気動向、特定の業界における経営環境変化等によっては、想定を超える新たな不良債権の発生、メインバンク先や大口与信先の信用状態の急激な悪化、特定の業界の与信先の信用状態の悪化、担保・保証の価値下落等が生じる可能性があります。こうした事象によって、与信関係費用が増加する等追加的損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 貸倒引当金の状況

 当社グループは、自己査定基準、償却・引当基準に基づき、与信先の状況、差入れられた担保の価値及び経済動向を考慮した上で、貸倒引当金を計上しております。

 償却・引当の計上にあたっては、貸出資産を適正に評価し、市場売却を想定した厳正な担保評価を行っておりますが、国内外の経済情勢の悪化、与信先の業況の悪化、担保価値の下落等により、多くの与信先で貸倒引当金及び貸倒償却等の与信関係費用や不良債権残高が増加する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)保有資産等の価格変動等に係るリスク

① 株価下落による追加的損失の発生

 当社グループは、国内上場企業の普通株式を中心に、市場性のある株式を大量に保有しております。当社グループでは、「上場株式の政策保有に関する方針」を掲げ、株価変動リスクが財務状況に大きな影響を与えうることに鑑み、その保有の意義が認められる場合を除き、上場株式を政策保有しないことを基本方針としており、売却を計画的に進めております。また、必要に応じて部分的にヘッジを行うことによりリスク削減にも努めております。しかしながら、これらの保有株式の株価が下落した場合には評価損や売却損が発生する可能性があります。

 また、当社グループの自己資本比率の計算においては、自己資本の算出にあたり、保有株式の含み損益を勘案していることから、株価が下落した場合には、自己資本比率が低下する可能性があります。

 その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

「上場株式の政策保有に関する方針」及び政策保有株式の保有意義検証等の概要については、当社「コーポレートガバナンスに関する報告書」をご覧ください。

http://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/governance/pdf/g_report.pdf

② 金利の変動による追加的損失の発生

 当社グループは、投資等を目的として国債をはじめとする市場性のある債券等を大量に保有しているため、金利上昇に伴う価格の下落により、評価損や売却損が発生する可能性があります。また、当社グループの金融資産と負債の間では満期等に違いがあるため、金利変動により損失が発生する可能性があります。当社グループは、厳格なリスク管理体制の下、必要に応じて債券の売却や銘柄の入れ替え、デリバティブ取引等によるヘッジを行う等、適切な管理を行っておりますが、金融政策の変更や、財政悪化等によるソブリンリスク顕在化、その他市場動向等により大幅に金利が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 外国為替相場の変動による追加的損失の発生

 当社グループは、資産及び負債の一部を米ドル等の外貨建てで有しております。外貨建ての資産と負債が通貨毎に同額ではなく互いに相殺されない場合には、その資産と負債の差額について、為替相場の変動により円貨換算額が変動し、評価損や実現損が発生する可能性があります。当社グループでは、必要に応じ適切なヘッジを行っておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 保有資産の市場流動性低下による追加的損失の発生

 当社グループは、市場で取引される様々な資産を保有しておりますが、金融市場の混乱等により保有資産の市場流動性が著しく低下し、その結果、保有資産の価値が下落する可能性があります。グローバルな金融市場混乱や経済・金融環境の悪化等により、保有資産の市場流動性が著しく低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 退職給付債務等の変動による追加的損失の発生

 当社グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、株式相場並びに金利環境の急変等により、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件に変更があった場合には、退職給付費用及び債務が増加する可能性があります。また、当社グループの退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 繰延税金資産に係る財務上の影響

 繰延税金資産については、現行の会計基準に従い、将来の課税所得見積りを合理的に行った上で計上しておりますが、将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産が減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ ヘッジ目的等の金融取引に係る財務上の影響

 ヘッジ目的等で利用するクレジットデリバティブや株式関連デリバティブ等の金融取引については、ヘッジ対象資産と会計上の取扱いや評価方法が異なる場合があります。そのため、市場の変動等により、ある特定の期間において、ヘッジ対象資産の評価が上昇しても、当該金融取引から損失のみが発生する場合があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)自己資本比率に係るリスク

① 各種リスクの顕在化や自己資本比率規制の変更による自己資本比率への悪影響

 当社グループは、事業戦略と一体となったリスクアセット運用計画、資本の効率性ならびに本項に示した各種リスクの状況等を踏まえ、適正かつ十分な水準の自己資本比率を維持することに努めておりますが、本項に示した各種リスクの顕在化や自己資本比率算出における計測手法の変更等により自己資本比率が低下する可能性があります。なお、自己資本比率規制において、のれん及びその他の無形固定資産、繰延税金資産、金融機関等の資本調達手段の保有等、調整項目については所定の要件のもとで自己資本から控除されます。かかる規制等により、当社や銀行子会社の自己資本の額が減少し、自己資本比率が低下する可能性があります。

 また、日本の銀行の自己資本比率規制はバーゼル銀行監督委員会が設定した枠組みに基づいておりますが、当該枠組みの内容が変更された場合、もしくは金融庁による日本の銀行への規制内容が変更された場合に、その結果として自己資本比率が要求される水準を充足できなくなる可能性があります。例えば、平成22年12月にバーゼル銀行監督委員会は、金融庁が新たに定める自己資本比率規制等の基となるバーゼルⅢテキスト(銀行の自己資本と流動性に係る国際的な基準の詳細を示すもの)を公表し、その枠組みに基づき、金融庁は平成24年3月に自己資本比率規制に関する告示を一部改正しました。この新たな規制は平成25年3月31日から段階的に適用されております。さらに当社グループは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)として選定されており、より高い水準の自己資本比率が求められることとなります。G-SIBsのグループは年次で更新され、毎年11月に金融安定理事会(FSB)により公表されます。また、平成27年11月にFSBは、G-SIBsに対して、破綻時の総損失吸収力(TLAC)を求める最終文書を公表しており、平成28年4月には金融庁が本邦における当該規制に係る枠組みの整備の方針を公表しました。これにより当社グループは、平成31年より当該規制の適用を受ける可能性があります。

 仮に当社や銀行子会社の自己資本比率が一定基準を下回った場合には、自己資本比率の水準に応じて、金融庁から、資本の増強を含む改善計画や社外流出の制限、さらには総資産の圧縮又は増加の抑制、一部の業務の縮小等の是正措置を求められる可能性があります。加えて、当社グループの一部銀行子会社は、米国その他の事業を行う諸外国において、自己資本比率規制を受けており、当該規制に抵触した場合には、当社グループの業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)格付に係るリスク

① 格付引き下げによる悪影響

 当社や銀行子会社等、当社グループの一部の会社は、格付機関から格付を取得しております。格付の水準は、当社グループから格付機関に提供する情報のほか、格付機関が独自に収集した情報に基づいています。また、日本国債の格付や日本の金融システム全体に対する評価等の影響も受けているため、常に格付機関による見直し・停止・取下げが行われる可能性があります。

 仮に格付が引き下げられた場合には、資金調達コストの上昇や資金調達の困難化、市場関連取引における追加担保の提供、既存取引の解約等が発生する可能性があり、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 例えば、当社グループのデリバティブ契約に基づき格下げによる追加担保の金額を試算すると、他の条件が不変であれば、平成28年3月末に1ノッチの格下げがあった場合は約203億円、2ノッチの格下げの場合は約238億円です。

(5)資金調達に係るリスク

① 資金調達が困難となることによる追加的損失の発生

 当社グループの資金調達は、主に預金及び債券発行に依存しておりますが、市場からの調達も行っております。当社グループでは、資金調達の安定性の観点から、市場からの調達上限額の設定や資金繰りの状況に応じた対応方針の策定等、厳格な管理を行っております。

 しかしながら、当社グループの業績や財務状況の悪化、格付の低下や風説・風評の流布等が発生した場合、あるいは国内外の景気悪化、金融システム不安や金融市場の混乱等により資金調達市場そのものが縮小した場合には、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、あるいは必要な資金を市場から確保できず資金繰りが困難になる可能性があります。その結果、資金調達コストが増加したり、外貨資金調達等に困難が生じたりすることにより、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

2.業務面等に関するリスク

(1)業務面に関するリスク

① 当社グループの戦略、施策が奏効しないリスク

 当社グループは、様々な戦略や施策を実行しております。平成28年5月、当社は、平成28年度から平成30年度までの3年間を対象期間とする当社グループの新しい中期経営計画を発表しました。この中で、平成30年度末の数値目標についても併せて発表しております。

 しかしながら、こうした戦略や施策が実行できない、あるいは、たとえ戦略や施策が実行できた場合でも当初想定した成果の実現に至らない可能性、本項に示した各種リスクの顕在化又は新しい中期経営計画の前提となる経済環境の変化等により新しい中期経営計画で発表した数値目標を達成できない可能性があります。

 なお、当社グループの中期経営計画の内容につきましては、有価証券報告書「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」をご覧ください。

② 業務範囲の拡大等に伴う新たなリスクの発生による悪影響

 当社グループは、総合金融コンサルティンググループとして、銀行業・信託業・証券業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、ないしは規制緩和の進展等に応じた新たな業務分野への進出や各種業務提携、資本提携を実施しております。当社グループは、こうした新たな業務等に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しております。しかしながら、想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 法令違反等の発生による悪影響

 当社グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法や独占禁止法等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用、さらには金融当局の監督を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに金融当局の監督を受けております。

 当社グループは、法令諸規制が遵守されるよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底や法務リスク管理等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。

 今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 事務リスクの顕在化による悪影響

 当社グループは、幅広い金融業務において大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、役職員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。

 当社グループは、各業務の事務取扱を明確に定めた事務手続を制定するとともに、事務処理状況の定期的な点検を行っており、さらに本部による事務指導の強化や管理者の育成、システム化等を推進しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ システムリスクの顕在化による悪影響

当社グループは、勘定系・決済系等の巨大なコンピュータシステムを保有しており、国内外の拠点をはじめ、お客さまや各種決済機構等のシステムとグローバルなネットワークで接続されています。当社グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、重要なシステムについては、原則としてバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。また、近年はサイバー攻撃による脅威の高まりを踏まえ、不正送金・標的型攻撃等からお客さまや当社グループを守るためのセキュリティー対策の強化やモニタリング、人材育成や訓練を通じた対応態勢の強化等に取り組んでおります。

 しかしながら、過失、事故、サイバー攻撃、システムの新規開発・更新等により重大なシステム障害が発生し、こうした対策が有効に機能しない可能性があります。システムリスクの顕在化が発生した場合には、情報の流出、誤作動、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 個人情報等の漏洩等の発生による悪影響

 当社グループは、多数の法人・個人のお客さまの情報を保有しているほか、様々な内部情報を有しております。特に、個人情報については、情報の漏洩や不正なアクセスを防止するため、個人情報保護法の下で、より厳格な管理が要求されております。当社においても情報管理に関するポリシーや事務手続等を策定しており、役職員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行い、外部委託先についても同様に情報管理態勢を監督しておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。今後、仮に重要な情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 人事上のリスクの顕在化による悪影響

 当社グループは、多数の従業員を雇用しており、日頃より有能な人材の確保や育成等に努めております。しかしながら、十分な人材を確保・育成できない場合には、当社グループの競争力や効率性が低下し、業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)その他のリスク

① 財務報告に係る内部統制の構築等に関するリスク

 当社は、ニューヨーク証券取引所上場企業であり、当社グループは、米国サーベンス・オクスリー法に準拠した開示体制及び内部統制の強化を行っております。同法により、当社経営者及び監査法人はそれぞれ当社の財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その評価結果をForm20-Fにより報告することが求められています。

 また、金融商品取引法においても、当社経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価、及び経営者評価に対する監査法人の意見を内部統制報告書及び内部統制監査報告書により報告することが求められています。

 当社グループは、上記に従い財務報告に係る内部統制の構築を行っており、評価の過程で発見された問題点は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、改善が間に合わない場合や、経営者が内部統制を適正と評価したとしても監査法人は不適正とする場合があり、その場合、当社グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟に関するリスク

 当社グループは、国内外において銀行業務を中心に様々な金融業務を行っておりますが、こうした業務を行うにあたり、損害賠償請求訴訟等の提起を受ける可能性があります。

 なお、当社海外連結子会社は、インドネシアにおいて、現地企業グループが過去に発行した社債の担保管理人に就任していたため、当該現地企業グループより社債権者等と共に訴訟の提起を受けております。これまでの担保管理に係る手続に問題はなく、本件訴訟は法的妥当性を全く欠く不当訴訟であるとの主張を裁判手続において行っておりますが、訴訟の動向によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ リスク管理の方針及び手続が有効に機能しないリスク

 当社グループは、リスク管理の方針及び手続に則りリスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、リスクを特定・管理するための方針及び手続が、必ずしも有効に機能するとは限りません。また、当社グループのリスク管理手法は、過去の市場動向に基づいている部分があることから、将来発生するリスクを正確に予測できるとは限りません。当社グループのリスク管理の方針及び手続が有効に機能しない場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 米国国務省によりテロ支援国家と指定された国に所在する者との取引に関するリスク

 米国法上、米国人は、米国国務省によりテロ支援国家と指定された国(イラン、スーダン、シリア。以下、「指定国」という。)と事業を行うことが一般的に禁止されており、当社グループは、関係する米国法を遵守する態勢を整備しております。但し、米国外の拠点において、関係法令の遵守を前提に、顧客による輸出入取引に伴う貿易金融やコルレス口座の維持等、指定国に関連する業務を限定的に行っております。なお、イランには、駐在員事務所を設置しています。指定国に関係するこれらの業務は、当社グループ全体の事業、業績及び財務状態に比し小規模であり、また、関係する日本及び米国の法令を遵守する態勢を整備しております。

 指定国が関与する取引に関わる規制は今後強化もしくは改定されていく可能性があり、当社グループの法令遵守態勢が米国における規制に十分対応できていないと米国政府に判断された場合には、当社グループの業務運営に悪影響を及ぼすような、米国政府による何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。また、顧客や投資家を失う、ないしは当社グループのレピュテーションが毀損することで、当社グループの事業又は当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 第十一回第十一種優先株式の取得請求に伴う普通株式の交付による希薄化に伴うリスク

 当社が発行する第十一回第十一種優先株式の保有者は、当社に対して普通株式の交付と引換えに当該優先株式の取得を請求することが可能です(取得請求期間 平成20年7月1日から平成28年6月30日、一斉取得日 平成28年7月1日)。したがって、当社の発行済普通株式数が増加することにより既発行普通株式の希薄化が生じ、その結果、当社の株価が下落する可能性があります。

⑥ 分配可能額等に関するリスク

 持株会社である当社は、その収入の大部分を傘下の銀行子会社等から受領する配当金に依存しておりますが、会社法の制限等により、当該銀行子会社等が当社に対して配当金を支払わない可能性があります。また、当社の業績及び財務状況の悪化や、会社法の制限や銀行の自己資本規制の強化に伴う配当制限等により、当社株主への配当の支払や当社グループが発行する一部の資本性証券の配当又は利払いが困難もしくは不可能となる可能性があります。

3.金融諸環境等に関するリスク

① 金融経済環境の変化による悪影響

 当社グループは、日本国内の各地域及び米国や欧州、アジアなどの海外諸国において幅広く事業を行っております。日本やこれらの国、地域における経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの事業の低迷や資産内容の悪化等が生じる可能性があります。昨今、米国の利上げや、日銀のマイナス金利導入、資源価格の下落など、金融経済環境は激しい変化が続いておりますが、今後、各国の金融政策の変更、各種地政学的リスクの顕在化などの影響により経済状況の悪化や金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 法令諸規制の改正等による悪影響

 当社グループは、国内において事業活動を行う上で、会社法、独占禁止法や会計基準等、会社経営に係る一般的な法令諸規制や、自己資本比率規制を含む銀行法、金融商品取引法、信託業法等の金融関連法令諸規制の適用を受けております。また、海外での事業活動については、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用も受けております。

 これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

現在バーゼル銀行監督委員会等において、自己資本比率算定における各種標準的手法や内部格付手法、資本フロアの見直し等が議論されております。当該見直しの結果として、自己資本比率算定上の分母が増加する場合には、当社グループの自己資本比率が低下するリスクがあります。

 さらに、その他にも多くの金融規制見直しの議論が続けられており、例えば、長期安定調達比率(NSFR)等の流動性規制や、レバレッジ比率規制が今後適用・変更された場合には、当社グループのビジネスにおける一定の制約要因となる惧れや、追加でのシステム開発負担等につながる惧れがあります。

③ 金融業界の競争激化による悪影響

 当社グループは、「銀行・信託・証券」を中心にグローバルに総合金融サービスを提供しており、国内外の大手金融機関やノンバンク等との激しい競争環境に晒されています。また、昨今は様々なテクノロジー(いわゆるFinTech)の進展により業種の垣根を越えて多くの企業による金融領域への新規参入が相次ぐなど、当社グループを取り巻く競争環境はますます激化する可能性があります。さらに、先の金融危機以降進められてきた金融規制改革により、競合他社との戦略の差別化が難しくなり、特定のビジネスにおける競争環境が激化していく惧れもあります。当社グループが、競争に十分対応することができない場合には、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競争激化等に伴い、金融業界において金融機関の再編が進み、当社グループの競争力や当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 災害等の発生による悪影響

 当社グループは、国内外において店舗、事務所や電算センター等の施設等を保有しておりますが、このような施設等は常に地震や台風等の災害や犯罪等の発生による被害を受ける可能性があります。また、新型インフルエンザ等感染症の流行により、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。当社グループは、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、バックアップオフィスの構築等、緊急時における態勢整備を行っておりますが、被害の程度によっては、当社グループの業務の一部が停止する等、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、平成23年3月に発生した東日本大震災のような大規模な災害に起因して、景気の悪化、多数の企業の経営状態の悪化、株価の下落等が生じる可能性があります。その結果、当社グループの不良債権及び与信関係費用が増加したり、保有株式や金融商品等において売却損や評価損が生じること等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 風説・風評の発生による悪影響

 当社グループの事業は預金者等のお客さまや市場関係者からの信用に大きく依存しております。そのため、当社グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客さまや市場関係者が当社グループについて事実と異なる理解・認識をされる可能性があります。当社グループは、こうした風説・風評の早期発見に努めるとともに、その影響度・拡散度等の観点から適時かつ適切に対応することで、影響の極小化を図るよう努めておりますが、悪質な風説・風評が拡散した場合には、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況、ないしは当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

   該当ありません。

 

6【研究開発活動】

 該当ありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 平成27年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりと分析しております。
 なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであり、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。

1.業績の状況

(財政状態及び経営成績の分析)

(1)総論

[損益の状況]

①連結業務純益

・当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比261億円減少し、2兆2,216億円となりました。

・みずほ銀行及びみずほ信託銀行2行合算ベース(以下、「銀・信」という)の業務粗利益は、内外の経済環境の低迷を受け、前事業年度比303億円減少し、1兆5,993億円となりました。

・「銀・信」の経費は、戦略経費を中心とした海外分野での増加を、厳格なコストコントロール及び為替影響等により吸収し、前事業年度比26億円増加とほぼ横ばいの、9,109億円となりました。

・みずほ証券連結ベース(以下、「証」という)の純営業収益は、株式・債券の引受・売出に係る受入手数料の増加を主因に、前連結会計年度比196億円増加し、4,152億円となりました。

・これらの結果、連結業務純益は、前連結会計年度比241億円減少し、8,528億円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

・連結与信関係費用は、304億円の費用計上となりました。

・連結株式等関係損益は、政策保有株式等の売却推進により、前連結会計年度比737億円増加し、2,056億円の利益となりました。

・「証」の当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、純営業収益の伸びに加え、株式の誤発注に係る受取損害賠償金等を特別利益に計上したことで、前連結会計年度比25億円増加し、611億円となりました。

・これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比590億円増加し、6,709億円となりました。これは、年度計画6,300億円に対し約106%の達成率となっております。

 

[自己資本の状況]

・平成28年3月末における連結総自己資本比率、連結Tier1比率及び連結普通株式等Tier1比率は、それぞれ、15.41%、12.64%、10.50%となりました。

・当社グループは、「安定的な自己資本の充実」と「着実な株主還元」の最適なバランスを図る「規律ある資本政策」を遂行しております。

・平成28年度より始まる新中期経営計画においては、最終年度(平成30年度)末において、連結普通株式等Tier1比率10%程度(完全施行ベース(※1)(現行規制を前提)、その他有価証券評価差額金を除く)を目指し、外部環境変化へのストレス耐性を高めてまいります。

・各種施策の着実な実行等を通じ、一層の収益力向上と効率性・品質向上及び経費削減に取組み、競争環境の変化にも耐えられる強靭な財務基盤の構築を目指します。

(※1)平成30年度末のバーゼルⅢの完全施行時の規制に従い算出するものです。

 

(2)経営成績の分析

[損益の状況]

 前連結会計年度及び当連結会計年度における損益状況は以下のとおりです。

(図表1)

 

 

前連結会計年度

(自 平成26年

4月1日

至 平成27年

3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年

4月1日

至 平成28年

3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

連結粗利益

22,477

22,216

△261

資金利益

 

11,294

10,036

△1,257

信託報酬

 

526

534

8

うち信託勘定与信関係費用

①’

役務取引等利益

 

5,933

6,075

141

特定取引利益

 

2,629

3,105

475

その他業務利益

 

2,093

2,464

370

営業経費

△13,516

△13,495

20

不良債権処理額
(含:一般貸倒引当金純繰入額)

△870

△477

393

貸倒引当金戻入益等

823

172

△650

株式等関係損益

1,319

2,056

737

持分法による投資損益

150

242

92

その他

△275

△740

△465

経常利益(①+②+③+④+⑤+⑥+⑦)

10,108

9,975

△133

特別損益

△202

107

309

税金等調整前当期純利益(⑧+⑨)

9,906

10,082

176

税金関係費用

△3,049

△2,825

224

当期純利益(⑩+⑪)

6,856

7,257

400

非支配株主に帰属する当期純損益

△737

△547

189

親会社株主に帰属する当期純利益(⑫+⑬)

6,119

6,709

590

 

包括利益

19,410

3,045

△16,364

 

与信関係費用(①’+③+④)

△46

△304

△257

(注) 費用項目は△表記しております。

(参考)連結業務純益

 

8,769

8,528

△241

* 連結業務純益=連結粗利益-経費(除く臨時処理分)+持分法による投資損益等連結調整

 

① 連結粗利益

  当連結会計年度の連結粗利益は、前連結会計年度比261億円減少し、2兆2,216億円となりました。項目ごとの収支は以下のとおりです。

(資金利益)
 資金利益は、主として預金利息の増加等により、前連結会計年度比1,257億円減少し、1兆36億円となりました。

(信託報酬)
 信託報酬は、前連結会計年度比8億円増加し、534億円となりました。

(役務取引等利益)
 役務取引等利益は、前連結会計年度比141億円増加し、6,075億円となりました。

(特定取引利益・その他業務利益)
 特定取引利益は、主として商品有価証券収益の増加等により、前連結会計年度比475億円増加し、3,105億円となりました。また、その他業務利益は、前連結会計年度比370億円増加し、2,464億円となりました。

② 営業経費

 営業経費は、前連結会計年度比20億円減少し、1兆3,495億円となりました。

③ 不良債権処理額及び④貸倒引当金戻入益等(⑯与信関係費用)

 不良債権処理額(含:一般貸倒引当金純繰入額)に、貸倒引当金戻入益等を加算した与信関係費用は、304億円の費用計上となりました。

⑤ 株式等関係損益

 株式等関係損益は、株式等売却益の増加等により、前連結会計年度比737億円増加し、2,056億円の利益となりました。

⑥ 持分法による投資損益

 持分法による投資損益は、前連結会計年度比92億円増加し、242億円の利益となりました。

⑦ その他

 その他は、740億円の損失となりました。

⑧ 経常利益

 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度比133億円減少し、9,975億円となりました。

⑨ 特別損益

 特別損益は、107億円の利益となりました。

⑩ 税金等調整前当期純利益

 以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比176億円増加し、1兆82億円となりました。

⑪ 税金関係費用

 税金関係費用は、2,825億円(損失)となりました。

⑫ 当期純利益

 当期純利益は、前連結会計年度比400億円増加し、7,257億円となりました。

⑬ 非支配株主に帰属する当期純損益

 非支配株主に帰属する当期純損益(利益)は、前連結会計年度比189億円減少し、547億円となりました。

⑭ 親会社株主に帰属する当期純利益(⑮包括利益)

 以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比590億円増加し、6,709億円となりました。また、包括利益は、前連結会計年度比1兆6,364億円減少し、3,045億円となりました。

 

-参考-

(図表2)損益状況 (銀行単体合算ベース)

 

前事業年度

(自 平成26年

4月1日

至 平成27年

3月31日)

当事業年度

(自 平成27年

4月1日

至 平成28年

3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

業務粗利益

16,297

15,993

△303

資金利益

9,741

8,658

△1,083

信託報酬

519

533

13

うち一般合同信託報酬

28

29

1

うち信託勘定与信関係費用

役務取引等利益

4,126

4,143

16

特定取引利益

510

957

447

その他業務利益

1,399

1,701

302

経費(除:臨時処理分)

△9,083

△9,109

△26

実質業務純益(除:信託勘定与信関係費用)

7,213

6,884

△329

臨時損益等(含:一般貸倒引当金純繰入額)

330

745

414

うち一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額

△824

△438

385

うち貸倒引当金戻入益等

745

170

△575

うち株式等関係損益

961

1,814

852

経常利益

7,544

7,629

84

特別損益

△185

△4

180

当期純利益

4,804

5,306

502

 

与信関係費用

△78

△267

△189

与信関係費用=一般貸倒引当金純繰入額+不良債権処理額+貸倒引当金戻入益等+信託勘定与信関係費用

[セグメント情報]

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報の概要は、以下のとおりです。

 なお、詳細につきましては、第5 経理の状況、1. 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表の(セグメント情報等)に記載しております。

 

(図表3)報告セグメントごとの業務粗利益及び業務純益の金額に関する情報

 

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

  至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

比較

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

業務粗利益

業務純益

業務粗利益

業務純益

業務粗利益

業務純益

みずほ銀行(連結)

16,857

7,378

16,347

7,093

△509

△284

 

みずほ銀行(単体)

14,954

6,617

14,638

6,305

△316

△312

その他

1,902

760

1,709

788

△193

27

みずほ信託銀行(連結)

1,620

638

1,667

634

47

△3

みずほ証券(連結)

3,375

696

3,491

698

116

2

その他

624

57

709

101

85

44

みずほフィナンシャルグループ(連結)

22,477

8,769

22,216

8,528

△261

△241

業務粗利益は、信託勘定償却前の計数であり、業務純益は、信託勘定償却前及び一般貸倒引当金繰入前の計数であります。

(3)財政状態の分析

 前連結会計年度及び当連結会計年度における財政状態のうち、主なものは以下のとおりです。

(図表4)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

資産の部

 

1,896,847

1,934,585

37,738

うち有価証券

 

432,787

395,059

△37,727

うち貸出金

 

734,151

737,088

2,937

負債の部

 

1,798,842

1,841,053

42,211

うち預金

 

977,575

1,056,290

78,715

うち譲渡性預金

 

156,949

118,275

△38,673

純資産の部

 

98,005

93,532

△4,472

うち株主資本合計

 

61,311

65,599

4,287

うちその他の包括利益累計額合計

20,299

16,078

△4,221

うち非支配株主持分

 

16,355

11,826

△4,529

 

[資産の部]

① 有価証券

(図表5)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

有価証券

 

432,787

395,059

△37,727

国債

 

217,759

195,259

△22,500

地方債

 

2,385

2,406

20

社債・短期社債

 

26,741

28,679

1,938

株式

 

45,007

38,987

△6,020

その他の証券

 

140,892

129,726

△11,166

 有価証券は39兆5,059億円と、前連結会計年度末比3兆7,727億円減少しました。うち国債(日本国債)が、2兆2,500億円減少しました。

② 貸出金

(図表6)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

貸出金

 

734,151

737,088

2,937

 

(銀行単体合算ベース:銀行勘定+信託勘定)

 

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

貸出金

 

749,274

747,516

△1,757

国内店貸出金残高

 

564,672

555,304

△9,367

中小企業等貸出金

*1

325,757

327,803

2,045

うち居住性住宅ローン

 

102,630

99,497

△3,132

海外店貸出金残高

*2

184,601

192,211

7,610

*1 「中小企業等」とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の企業等であります。

*2 海外店貸出金残高には、特別国際金融取引勘定を含んでおります。

 当連結会計年度末の連結ベースの貸出金残高は73兆7,088億円と、前連結会計年度末比2,937億円増加しております。

 なお、銀行単体合算ベースの貸出金は74兆7,516億円と前事業年度末比1,757億円減少しております。国内店貸出金残高は、需要を的確にとらえたことで大企業向けや中小企業向け貸出金が増加した一方、政府等向けや個人向け貸出金が減少したことで、9,367億円減少(うち政府等向け△1兆2,350億円)しております。海外店貸出金残高(含む特別国際金融取引勘定)は米州非日系先を中心に積み上がり、7,610億円増加しております。

 

 貸出金のうち、連結ベースのリスク管理債権額は以下のとおりです。

(図表7)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破綻先債権

 

102

243

140

延滞債権

 

4,257

3,967

△290

3ヵ月以上延滞債権

 

34

9

△25

貸出条件緩和債権

 

6,149

4,631

△1,518

合計

 

10,544

8,850

△1,693

 

 

 

 

 

貸出金に対する割合(%)

 

1.43

1.20

△0.23

 当連結会計年度末の連結ベースのリスク管理債権残高は、貸出条件緩和債権の減少を主因に前連結会計年度末比1,693億円減少し、8,850億円となりました。貸出金に対するリスク管理債権の割合は1.20%となっております。

 なお、不良債権(銀行単体合算ベース)に関しては、後段(4)で詳細を分析しております。

[負債の部]

① 預金

(図表8)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

預金

 

977,575

1,056,290

78,715

譲渡性預金

 

156,949

118,275

△38,673

 

(銀行単体合算ベース)

 

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

預金(国内)

 

818,523

880,713

62,190

個人

 

394,865

402,412

7,547

一般法人

 

365,280

406,950

41,670

金融機関・政府公金

 

58,377

71,350

12,973

*海外店分及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。

 当連結会計年度末の連結ベースの預金は105兆6,290億円と、前連結会計年度末比7兆8,715億円増加しております。銀行単体合算ベースの国内預金は、一般法人預金の増加等により、前事業年度末比6兆2,190億円増加しております。

 また、連結ベースの譲渡性預金は11兆8,275億円と、前連結会計年度末比3兆8,673億円減少しております。

 

[純資産の部]

(図表9)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

純資産の部合計

 

98,005

93,532

△4,472

株主資本合計

 

61,311

65,599

4,287

資本金

 

22,554

22,557

3

資本剰余金

 

11,100

11,101

1

利益剰余金

 

27,693

31,976

4,282

自己株式

 

△36

△36

0

その他の包括利益累計額合計

 

20,299

16,078

△4,221

その他有価証券評価差額金

 

17,373

12,960

△4,413

繰延ヘッジ損益

 

266

1,652

1,386

土地再評価差額金

 

1,464

1,484

20

為替換算調整勘定

 

△404

△536

△132

退職給付に係る調整累計額

 

1,600

517

△1,082

新株予約権

 

38

27

△10

非支配株主持分

 

16,355

11,826

△4,529

 当連結会計年度末の純資産の部合計は、前連結会計年度末比4,472億円減少し、9兆3,532億円となりました。主な変動は以下のとおりです。

  株主資本合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金の支払等により、前連結会計年度末比4,287億円増加し、6兆5,599億円となりました。

  その他の包括利益累計額合計は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末比4,221億円減少し、1兆6,078億円となりました。

  非支配株主持分は、前連結会計年度末比4,529億円減少し、1兆1,826億円となりました。

 

(4)不良債権に関する分析(銀行単体合算ベース)

① 残高に関する分析

(図表10)金融再生法開示債権(銀行勘定+信託勘定)

 

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

566

680

113

危険債権

 

4,025

3,536

△488

要管理債権

 

5,429

3,984

△1,445

小計(要管理債権以下)

(A)

10,021

8,201

△1,820

正常債権

 

820,410

810,090

△10,319

合計

(B)

830,431

818,292

△12,139

(A)/(B)(%)

 

1.20

1.00

△0.20

 当事業年度末の不良債権残高(要管理債権以下(A))は、前事業年度末比1,820億円減少し、8,201億円となりました。不良債権比率((A)/(B))は1.00%となっております。不良債権残高・比率共に低位安定しており、引続き良好なクレジットポートフォリオを維持しております。

② 保全に関する分析

 前事業年度及び当事業年度における金融再生法開示債権(要管理債権以下)の保全及び引当は以下のとおりであります。

(図表11)保全状況(銀行勘定)

 

 

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

(A)

566

680

113

うち担保・保証等

 

(B)

539

605

66

うち引当金

 

(C)

27

74

47

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

100.0%

100.0%

保全率

((B)+(C))/(A)

100.0%

100.0%

危険債権

 

(A)

3,995

3,508

△487

うち担保・保証等

 

(B)

2,009

1,761

△248

うち引当金

 

(C)

1,384

1,153

△230

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

69.6%

66.0%

△3.6%

保全率

((B)+(C))/(A)

84.9%

83.0%

△1.8%

要管理債権

 

(A)

5,429

3,984

△1,445

うち担保・保証等

 

(B)

1,928

1,550

△378

うち引当金

 

(C)

1,307

1,007

△299

信用部分に対する引当率

(C)/((A)-(B))

37.3%

41.4%

4.0%

保全率

((B)+(C))/(A)

59.5%

64.2%

4.6%

 

 (参考)要管理先債権に対する引当率・保全率

 

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

信用部分に対する引当率

 

39.7

44.3

4.5

保全率

 

62.6

67.7

5.0

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権については、担保・保証等が66億円、引当金が47億円、それぞれ前事業年度末比増加しております。信用部分全額を個別貸倒引当金として計上、ないしは直接償却を実施しており、その結果、信用部分に対する引当率、保全率ともに100%となっております。

 危険債権については、担保・保証等が248億円、引当金が230億円、それぞれ前事業年度末比減少しております。また、信用部分に対する引当率は3.6ポイント低下し66.0%に、保全率は1.8ポイント低下し83.0%となっております。

 要管理債権については、担保・保証等が378億円、引当金が299億円、それぞれ前事業年度末比減少しております。また、信用部分に対する引当率は4.0ポイント上昇し41.4%に、保全率は4.6ポイント上昇し64.2%となっております。

 

 前記債権以外の債権に対する引当率は、以下のとおりであります。

(図表12)

 

前事業年度

(平成27年3月31日)

当事業年度

(平成28年3月31日)

比較

要管理先債権以外の要注意先債権

3.72

3.66

△0.06

正常先債権

0.07

0.07

△0.00

 

(5)自己資本比率に関する分析

(図表13)連結自己資本比率(国際統一基準)

 

 

前連結会計年度

(平成27年3月31日)

当連結会計年度

(平成28年3月31日)

比較

 

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

普通株式等Tier1資本の額

61,531

65,664

4,133

  資本金・資本剰余金・利益剰余金

 

59,171

64,603

5,431

その他Tier1資本の額

13,472

13,386

△86

  その他Tier1資本調達手段の額

 

3,000

3,000

  適格旧Tier1資本調達手段の額

 

14,581

11,440

△3,141

Tier2資本の額

20,081

17,335

△2,745

  Tier2資本調達手段の額

 

3,304

4,935

1,631

  適格旧Tier2資本調達手段の額

 

11,088

9,629

△1,458

総自己資本の額(①+②+③)

95,084

96,386

1,301

リスク・アセットの額

651,919

625,311

△26,607

  信用リスク・アセットの額

 

586,027

575,884

△10,143

  マーケット・リスク相当額に係る額

 

34,738

16,960

△17,777

  オペレーショナル・リスク相当額に係る額

 

31,153

32,466

1,313

連結総自己資本比率(④/⑤)

14.58%

15.41%

0.83%

連結Tier1比率((①+②)/⑤)

11.50%

12.64%

1.14%

連結普通株式等Tier1比率(①/⑤)

9.43%

10.50%

1.07%

 

 普通株式等Tier1資本の額は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の積み上げ等により、前連結会計年度末比4,133億円増加し、6兆5,664億円となりました。一方、リスク・アセットの額は、信用リスク・アセットの額及びマーケット・リスク相当額に係る額の減少により、前連結会計年度末比2兆6,607億円減少し、62兆5,311億円となりました。この結果、連結普通株式等Tier1比率は前連結会計年度末比1.07ポイント上昇し、10.50%となりました。

 

2. キャッシュ・フローの状況

 前連結会計年度及び当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです

(図表14)

 

前連結会計年度

(自 平成26年

4月1日

至 平成27年

3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年

4月1日

至 平成28年

3月31日)

比較

 

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

66,549

41,041

△25,507

投資活動によるキャッシュ・フロー

26,192

36,878

10,686

財務活動によるキャッシュ・フロー

△9,034

△5,210

3,823

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加等により4兆1,041億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却等により3兆6,878億円の収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主への払戻等により5,210億円の支出となりました。
 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比7兆2,483億円増加して、35兆891億円となりました。