第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当行では、「新生銀行グループ行動憲章」において、下記3つを経営理念として掲げ、お客さまとともにさらなる成長を目指しております。この経営理念は、当行グループの目指すべき姿を示したものであり、重要な指針としてグループ内で共有されています。

・安定した収益力を持ち、国内外産業経済の発展に貢献し、お客さまに求められる銀行グループ

・経験・歴史を踏まえた上で、多様な才能・文化を評価し、新たな変化に挑戦し続ける銀行グループ

・透明性の高い経営を志向し、お客さま、投資家の皆様、従業員などすべてのステークホルダーを大切にし、また信頼される銀行グループ

 

(2)経営環境

当行は、平成28年1月29日に、平成29年3月期から平成31年3月期を対象期間とする「第三次中期経営計画」(以下「第三次中計」という。)を公表いたしました。第三次中計においては、当行グループが置かれた経営環境を下記のように認識しております。

 

(マクロ環境の動向)

 ・急速な少子高齢化及び生産年齢人口の減少が加速する見通し

 ・国内経済の見通しは厳しい。海外新興国経済も減速基調

 ・日銀の異次元金融緩和により市場金利は歴史的な低水準で推移、物価目標達成が不透明な状態が続く

 ・アベノミクスに対する株式市場の反応は総じて良好。日銀による金融緩和やGPIF改革も追い風に

 

(金融機関を取り巻く環境の変化)

 ・社会構造の変化・伝統的金融業務の利益率低下

人口動態の変化、大都市への集中、低金利環境の長期化、オーバーバンキング、貸出利鞘縮小

 ・新たなプレーヤーの登場、金融・情報技術の革新

金融の機能分化、電子商取引、仮想通貨の拡大、新しい金融・情報技術を活用したプレーヤーの台頭

 ・顧客ニーズや意識・期待の変化
ライフスタイルの変化、資産運用・パーソナルファイナンスニーズの拡大、決済ニーズの多様化、企業の海外進出、インバウンド関連ビジネスの拡大、所有から使用へ

 

加えて、マイナス金利政策の影響のほか、国内不動産価格の上昇や道半ばである「貯蓄から資産形成へ」のシフトなど、第三次中計策定時に織り込んでいなかった外部環境の変化も考慮したビジネス運営に努めております。

 

(3)当行の経営戦略

当行は、経営理念および経営環境認識に基づき、真にお客さまから必要とされる金融グループを目指すための「中長期ビジョン」を定め、これに沿って、安定的・持続的な成長を可能とするビジネスモデルを構築し、経営理念の実現を確かなものとするため第三次中計を策定しております。

 

①.中長期ビジョン

当行グループには、銀行に加え、無担保ローン、カード・信販、リースなどの業務を展開するグループ会社があり、その重要性の高さが大きな特徴となっております。市場競争の激化などの外部環境を考慮し、持続可能なビジネスモデルを確立するためには、グループの経営資源を最大限活用することが不可欠となります。中長期ビジョンでは、「グループ融合」により、各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供するとともに、グループレベルでの絶えざる改善・改革による無駄のないオペレーションを通じ、高い生産性・効率性を実現し、金融業界において独自のポジショニングを構築してまいります。

 

<中長期ビジョン>

1.グループ融合により革新的金融サービスを提供する金融イノベーターであること

2.絶えざる改善・改革によりリーンなオペレーションを実現し、卓越した生産性・効率性を達成する金融グループであること

3.上記の実現により、ステークホルダーに報いるとともに、生まれてくる自信・充実感・矜持を新生銀行グループの求心力とし、コアバリューとしていくこと

 

 

②.第三次中計の基本方針と全体戦略

当行の平成26年3月期から平成28年3月期を対象期間とした第二次中期経営計画における諸施策への取り組みの結果、同期間中の最終利益は黒字を継続するとともに、不良債権比率の圧縮は目標を大きく上回り、ポートフォリオの改善が進展しました。一方、不良債権の処理に伴う与信関連費用の戻り益や変動性の高い利益が最終利益を押し上げたことから、再現性・安定性の高い利益を生む業務のポテンシャルをフルに発揮することが今後の課題であると総括いたしました。

これを踏まえ、以下4つを基本方針として第三次中計を策定し、その達成に努めております。

 

■ グループ融合による新たな価値を創造し、中長期ビジョンの実現に向けた取り組みを行う

■ 持続可能なビジネスモデルを構築するべく、選択と集中を実践するとともに一層の効率化を進める

■ より動態的で柔軟なビジネス運営を行う

■ 公的資金返済への道筋をつけ、株主還元の改善を図る

 

 

この基本方針に基づく全体戦略として、以下の施策を実施してまいります。

(i)事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出

事業の優先順位付けを行うため、以下の4つの分野に分け、経営資源をより高い成長が見込まれる分野に配分いたします。また、グループ融合を通じて、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造に取り組みます。

・成長分野:強みがあり、高い成長性・収益性が見込まれる分野

・安定収益分野:過当競争から距離を置き、安定的・選択的に取り組む分野

・戦略取組分野:将来性を期待する先行取組分野や、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造分野

・縮小分野:市場が縮小する、または新生銀行グループの差別化要因が低い分野

(ii)グループ経営インフラ:環境に応じた柔軟なビジネス運営とリーンなオペレーションをグループワイドで支える

環境の変化や計画の進捗に合わせた、柔軟かつ機動的なグループ経営資源の最適化・最大限の有効活用を行います。また、組織や社員の潜在能力が最大限発揮される事業運営体制を構築いたします。こうした取り組みの一環として、平成29年4月1日付で当行内に「グループ本社」を設置いたしました。当行グループ各社に存在する間接機能を「グループ本社」に統合することにより、経営管理機能の面からグループ融合を進め、リーンなオペレーションの実現を目指してまいります。

 

③.経営指標・計数計画

平成30年5月11日に公表した平成31年3月期の財務計画は以下の通りです。

 

・親会社株主に帰属する当期純利益は520億円。

・単体実質業務純益は370億円、単体当期純利益は320億円。
 ・期末配当は未定。

 

 平成28年1月29日に公表した第三次中計の最終年度(平成31年3月期)の財務計画は、マイナス金利政策の導入を中心とする外部環境の変化による影響に加え、生産性改革プロジェクトの効果やマーケット環境による影響を踏まえた上で見直しを実施いたしました。

 また、今後の配当を含む株主還元については、収益動向等の経営成績やその将来の見通しを踏まえた株主重視の利益配分を行うことを基本方針と考えておりますが、安定性や内部留保とのバランスに加えて、公的資金注入を受けている銀行として「経営の健全化のための計画」にも留意して決定したいと考えております。具体的には、国内銀行の一般的な総還元性向の範囲内でその維持・向上を目指しており、株主還元における配当と自己株式取得との内訳につきましては、その時点の経営状況や市場動向等に鑑みて適時適切に決定してまいる所存です。したがいまして、平成31年3月期の当行普通株式の配当については、現時点では未定としております。

 

④.事業戦略

第三次中計では、無担保ローン及び不動産ファイナンス・プロジェクトファイナンスを中心としたストラクチャードファイナンスは成長分野と位置付け、経営資源を積極的に配分いたします。その他の業務分野は、強みの転換やリソースの最適化などを行い、選択的な取り組みを推進してまいります。

 

さらに当行は、これらの業務遂行のために、リスク管理及びシステムについて以下の施策を推進してまいります。

 

・リスク管理につきましては、多元化する外部諸規制に適切に対応するとともに、各リスク管理のフレームワークの高度化による適正なリスクリターン運営の実現、ビジネス展開に即したリスク管理の実践、人材育成・強化を通じた全行的な案件審査力の向上を図り、リスクテイク能力の強化、リスクカルチャーの一層の深化を目指します。

 

・システムにつきましては、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を着実に進めてまいります。

 

なお、平成30年度については、第三次中計の最終年度として、次期経営計画の策定にも着手いたします。

 

(4)対処すべき課題

当行グループ経営の全体戦略

第三次中計においては、全体戦略として、ビジネスについてよりメリハリの効いた経営資源配分を行うための「選択と集中」の明確化、また、効率性の追求と柔軟なビジネス運営を実現するため、変化に対して柔軟に対応できる経営インフラ体制の構築を目指してまいります。

 

(事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出)

金融サービスニーズが十分に満たされていないお客さまにお応えするため、お客さまを軸にして当行グループの業務・商品・サービスを再編し、当行グループに優位性がある、お客さまに最適な商品・サービスを提供することを目指してまいります。事業の優先順位付けを行うため、成長分野、安定収益分野、戦略取組分野、縮小分野に分け、より高い成長が見込まれる分野に経営資源を配分いたします。また、グループ融合を通じて、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造に積極的に取り組んでまいります。

 

個別のビジネスについては、個人向け無担保ローンと、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどで構成するストラクチャードファイナンスは当行の強みがあり、高い成長性を見込める分野として成長分野に位置づけ、これまで以上に経営資源を積極的に配分してまいります。なお、無担保ローンについては、お客さまのニーズに合わせてグループの商品の再構築を行った結果、「新生銀行カードローン レイク」の新規申し込みの受付を平成30年4月から停止するとともに、新生フィナンシャルが新商品「レイクALSA」の取り扱いを同月から開始いたしました。

個人向け資産運用コンサルティングは、緩やかながら成長を期待できる重要な分野として、安定収益分野に位置づけてまいります。法人向け市場ソリューションやアプラスのショッピングクレジットも安定的な収益が期待できる分野と位置づけています。法人のお客さま向けの貸出業務は、安定的な収益を引き続き期待するものの、スプレッドのタイト化が続くなど競合環境が厳しい中、エリアや対象企業、案件をよく見て選択的に取り組んでまいります。

将来性を期待して先行的に取り組む戦略取組分野については、クレジットトレーディング業務で培ってきたノウハウを活用して取り組む事業承継や転廃業支援に加え、地域金融機関向けビジネス、決済ビジネス、中小・小規模事業者向けソリューションなどが入ります。それぞれ、当行グループのシナジーが必要な分野でもあると認識しており、グループ融合を積極的に進めてまいります。

 

(経営管理機能の統合によるシナジー創出)

第三次中計では、環境に応じた柔軟なビジネス運営とリーンなオペレーションを当行グループ全体で支えるためのグループ経営基盤の構築にも合わせて力を入れてまいります。事業の「選択と集中」とグループ融合による価値創出の実現のためには、その基盤となるビジネスインフラの整備が重要との認識のもと、生産性や機能性の向上や経費の削減はもとより、グループ各社の自然な連携が促されるインフラの整備や企業文化の醸成にも力を入れてまいります。

 

こうした取り組みをグループ全体で推進するため、当行およびグループ各社が持つ間接機能を実質的に統合した「グループ本社」を平成29年4月に当行内に設置し、グループ会社から社員の異動を行うとともにグループ各社には内部統制や業法等により必要な機能のみを配置するなど、本格稼働いたしました。グループにおける間接機能の統合・一体運営により各機能の高度化とグループでの全体最適を追求することで、グループガバナンスの強化を図るとともに、生産性・効率性の向上を目指します。

 

リスク管理、コーポレート・ガバナンスの強化と透明性の高い経営

当行は、グループ会社を含めた、「バーゼルⅢ」(銀行法に基づく自己資本比率規制で、当行は基礎的内部格付手法を採用)のスムーズな運用とリスク管理の高度化およびリスク・リターンの的確な把握を通じて、経営資源の最適な配分を実現し、バランスのとれた業務運営により一層努めてまいります。また、バーゼルⅢに対しては、規制上は国内基準行ではありますが、国際統一基準も意識した経営を行い、必要な体制準備や施策に取り組んでまいります。

当行は、監査役会設置会社を選択しております。このガバナンス体制のもと、(i)経営の最高意思決定機関である取締役会が中期経営計画や年度計画等経営の基本方針をはじめとする会社の重要な業務執行を決定することで、当行の向かう大きな方向性を示すとともに、経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備などを実施し、(ii)業務執行および取締役会から独立した監査役および監査役会に取締役会に対する監査機能を担わせることで、適切な経営の意思決定と業務執行を実現するとともに、組織的に十分牽制の効くガバナンス体制を確立しています。

取締役会においては、一貫して社外取締役の監督機能を重視しており、平成29年度においても日常の業務執行を担う社内取締役2名に対して、国内及び海外での金融業、消費者を対象としたビジネス、情報システム及びリスク管理分野等について豊富な経験及び高い専門知識を有した社外取締役5名を配置し、社外取締役が過半数を占める取締役会の構成をとっております。さらに、社外監査役2名を含め、合計6名を独立役員として東京証券取引所に届け出ております。かかる構成のもと、メンバーは、自由に発言し、活発な議論を行うことを通じて会社の方針を決定することにより、「コーポレートガバナンス・コード」が求めるグループの持続的な企業価値の向上や株主の皆さまやお客さまをはじめとする様々なステークホルダーの利益の確保に努めております。なお、そうした取締役会の実効性について毎年評価・分析を行い、洗い出された課題に対する改善案を検討・実施することで、継続的な機能の向上を図っています。

また、日常の業務執行の機動性を確保するため執行役員制度を導入するとともにグループ本社においてはチーフオフィサー、シニアオフィサーを置き、代表取締役社長をはじめとする業務執行取締役による指揮のもと、取締役会から委任された執行役員がそれぞれ管掌する業務を効率的に遂行する体制を確保しております。さらに、取締役会の承認に基づき、業務執行取締役および執行役員(総括担当役員レベル)からなる経営会議を設置し、迅速かつ効率的な業務運営を実現してまいります。また、グループガバナンスに関しては、平成29年4月のグループ本社体制移行に合わせ、グループの経営全般に関する重要事項を決定する場として、主要なグループ会社の業務執行取締役なども参加するグループ経営会議およびグループ重要委員会を設置するとともに、グループ本社で遂行する各間接機能の統括責任者としてチーフオフィサーを任命し、権限集約を図り、グループ全体で最適かつ効率的な意思決定を行う体制を整えております。なお、東京証券取引所に上場しているグループ会社のアプラスフィナンシャルについては、引き続き上場会社としての経営の独立性を確保するとともに、適切な内部統制システムを構築してまいります。

当行グループは、「財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準」(いわゆる“J-SOX”)への対応体制を確立し、内部統制システムの運用強化とともに、金融商品取引法の規定に沿い、お客さま保護を念頭においたコンプライアンス体制の強化による法令遵守の一層の徹底に引き続き努めてまいります。加えて上場企業として、投資家の目線に立った適時、適切かつ透明性の高い情報開示に取り組んでまいります。

第三次中計の実行を支える経営インフラの整備のうち、システムの安定稼動に努めることは社会基盤の一端を担う金融機関として果たすべき当然の使命であり、重要な経営課題のひとつとして継続して取り組んでおります。現行システムの安定稼動への継続的な取り組みとして、バックアップセンターの整備や機器の更新を含めた体制の見直し、強化に取り組んでおります。さらに、銀行システム安定稼働に向けた取り組みの一環として、第三次中計期間中に基幹業務システムを更改し、一層のシステム基盤の安定化に取り組んでまいります。

 

経営健全化計画の達成

当行は、平成30年3月に新しい「経営の健全化のための計画」(以下「経営健全化計画」という。)を金融庁に提出いたしました。当行は、経営理念に基づき、真にお客さまから必要とされる金融グループを目指すための「中長期ビジョン」に沿って、平成28年度から平成30年度を対象期間とする第三次中計の着実な遂行に取り組んでいます。

当事業年度においては、単体実質業務純益は318億円、単体当期純利益は405億円となり、ともに経営健全化計画の目標値を上回る結果となりました。

当行といたしましては、引き続き公的資金を受けている金融機関としての役割・期待を認識し、その社会的責任を全うするとともに、経営健全化計画の達成に向けて、全社員が一丸となって業務に取り組んでまいります。

 

今後とも、皆さまには、なお一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申しあげます。

 

(注記)③については、子会社等を含まない記述となっております。

 

 

 

2【事業等のリスク】

以下において、当行及び当行グループ(当行並びにその連結子会社及び関連会社)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

1.当行の経営戦略について

 

当行グループのビジネスモデルは、当行グループが提供する商品・サービスに強みがあり、成長性・収益性が見込まれる成長分野を、無担保ローン、ストラクチャードファイナンスと位置づけ、積極的に経営資源配分を行うことを企図しております。こうしたビジネスモデルの実践は、当行グループが長期的・継続的に利益を上げるために有効であると考えておりますが、その理解が正しいという保証はありません。また、中長期ビジョンでは、「グループ融合」を掲げ、グループ内の各社が持つ顧客基盤、金融機能、サービスを真にお客さまの視点で結びつけ、従来の発想を超えた商品やサービスを開発・提供することに取り組んでまいりますが、これが持続可能となるためには、提供される当行グループの商品・サービスがお客さまに受け入れられ支持されることが前提となります。さらには、今後、経営環境、顧客ニーズ、当行グループの財務状況等が当初想定と異なる状況となった場合には、中期経営計画の達成が困難となり、見直しが必要となる可能性があります。

 

2.法人向け銀行業務の戦略的拡充について

 

当行は、法人向け銀行業務の拡充のため企業向け貸出及び貸出以外の業務を強化する戦略を掲げております。当行がかかる戦略を実行するに際しては、わが国経済全体の景気動向に加えて、以下のようなリスク及び課題があります。

法人顧客ベースの規模が、国内大手銀行グループより小さいため、既存の顧客に対する貸出増強には限界がある可能性があります。

わが国の銀行業界における過当競争により、他行の貸出利率が当行が考えるリスク見合いより低い水準となった場合、新規融資獲得における競争力に欠けることがあります。

わが国の銀行業界における競争が厳しいことから、貸出利率における利幅の拡大や債務者のリスクに応じた適切な貸出金利設定が困難となる場合があり、全体としての取引関係の維持及び関連業務の獲得のため、当該顧客の信用格付に鑑みて適切と判断される利率より低い貸出利率で貸付を実行しなければならないことがあります。

当行が経営資源を投入しているノンリコースローンやレバレッジドファイナンス等の新しい貸出形態を含むストラクチャードファイナンスは、更なる成長やその収益性の維持・拡大が保証されているわけではありません。

貸出以外の業務の一部で、国内大手銀行グループや証券会社、外資系金融機関との競争激化により、想定した収益の獲得が困難となることがあります。

政府並びに政府系金融機関が企業再生を主導・関与することにより、企業再生に対する融資及びアドバイザリー業務の機会が縮小したり、収益性が低下したりする可能性があります。

当行が重点的に取り組もうとしている特定の業種・分野について、今後の社会環境の変化や経済動向等に伴って当初想定していた成長が見込めなくなる等といった事態が発生することにより、業務戦略の一部見直しが必要となる可能性があります。

 

3.リテールバンキング業務の戦略的拡充について

 

当行は、リテールバンキング業務において、継続的に必要な人員及び情報システムに多大な経営資源を投入してきております。当行のリテールバンキング業務を将来に亘って拡大していくに当たっては以下のような課題があります。

当行は、順調に顧客基盤を拡大してきましたが、メガバンクと呼ばれる他の大手銀行と比較した場合には、相対的にリテール顧客基盤の規模がまだ小さいため、当行が企図する収益性を実現できない可能性があります。

ATMやテレフォンバンキング、インターネットバンキングで24時間365日いつでもお取引頂けるといった当行が提供するサービスに匹敵するサービスを、競合他社も提供し、或いは提供しようとしており、これにより、他社との差別化が困難となる可能性があります。

当行が提供する資産運用商品や、住宅ローン等のローン商品が、お客さまの嗜好の変化等によって受け入れられない可能性があり、当行はこうした局面に適切に対応していく必要があります。

将来の法令及び規制等や行政処分が当行のリテールバンキング業務の成長を阻害する可能性があります。

 

4.コンシューマーファイナンス業務の経営環境について

 

当行は、平成16年度以降事業会社の買収(子会社化)や事業譲受を通じて、中小企業向け融資、消費者金融(個人向け無担保ローン)及び個品割賦市場等に参入し、これらの業務を拡大してきました

当行及び当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務において我々が直面している課題には、関連する法改正等により大きく変化した事業環境下、いくつかの商品の市場規模がピーク時から比べ縮小するとともに、異業種・業態の参入もしくはボーダーレス化により更に競争が激化している中で取扱量を維持・向上させること、成長市場においては新たな商品・スキーム・情報IT技術への取り組みが不可欠なこと、引き続き取引先との緊密な関係を維持する必要があること、並びに当行及びグループ各社の業務の効率性を向上させるために、各社が保有する機能や業務ノウハウの連携や統合をより一層進める必要があること等が含まれます。

当行子会社によるコンシューマーファイナンス業務については、上限金利及びいわゆる「グレーゾーン金利」の取扱に関する法令及び規制等の変更により影響を受け、当行は平成19年3月期以降、必要に応じて株式会社アプラス(現在の株式会社アプラスフィナンシャル。なお、同社は平成22年4月に組織再編を行ったが、「事業等のリスク」においては、同社及び傘下の子会社を包括して「アプラス」という。)(東京証券取引所上場)及び新生パーソナルローン株式会社(旧商号:シンキ株式会社、平成28年8月社名変更。以下「新生パーソナルローン」という。)についてのれん及び無形資産の減損並びに投資損失の計上を実施いたしました。アプラスはこれまで一連の経営変革を行ってまいりましたが、それがアプラスの収益性を回復するのに十分でない場合、または、新生パーソナルローンがコンシューマーファイナンス業界の経営環境の変化に対応するために採る方策が十分でない場合、コンシューマーファイナンス業務が当行グループの経営成績に将来に亘って悪影響を与え続ける可能性があります。(法令及び規制等の変更については下記24.をご参照ください。)

また、債務者一人当たりに対する全貸金業者からの貸付可能総額についての上限を定める総量規制も、貸金業者一般にとって業務上大きな制約となっております。返済期限を迎えた個人向け無担保ローンの債務者は、借り換えが不可能な場合、かかる返済金の支払ができなくなる可能性があります。こうした債務者は複数の貸主から借入れを行っておりますが、法改正が行われて以降、新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」という。)を含む多くの貸金業者は、厳格化された信用査定基準に従って、これらの債務者に対する追加貸付を制限しております。現時点では顕著な影響を与える現象は生じていないと認識しておりますが、こうした債務者が貸金業者から借入れを続けることができなくなると、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルからのローンも含め、既存のローンについて債務不履行となる可能性があります。

これらの法令等の変更を受けて、アプラス、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルは必要に応じて過払金返還及び貸倒損失に関する追加の引当て(詳細は下記5.をご参照ください。)を実施しておりますが、消費者金融業界をとりまく昨今の急速な状況変化に鑑みれば、状況変化による影響が予想を上回る可能性があります。

 

5.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について

 

「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下「出資法」という。)の改正以前から、「利息制限法」は貸付金額に応じて年15%から年20%を、貸付債権に適用できる上限金利として定めていました。そして、「出資法」の上限金利と「利息制限法」の上限金利との差額は一般に「グレーゾーン金利」、超過利息あるいは過払金と呼ばれていました。「利息制限法」の下では、超過利息の支払を定める契約は、かかる超過部分に関して無効であるとされます。しかし、かかる利息制限にかかわらず、「貸金業の規制等に関する法律」(平成19年12月に施行された法改正により、同法の題名は「貸金業法」に改められた。以下「貸金業法」という。)では、超過利息の支払が任意になされ、かつ貸金業者が貸付実行及び返済に関する各種書面交付義務を遵守している限りは、「出資法」の上限金利以下であれば、超過利息の支払は有効であるとされておりました。

しかし、平成18年1月の最高裁判所の判決では、超過利息の支払は原則として任意になされたものとはみなされないものとされました。(詳細は下記24.をご参照ください。)

アプラス及び新生パーソナルローンは過払金返還及びそれに関連する貸倒損失について引当金を計上しておりますが、過払金返還のための引当てに関する平成18年10月の日本公認会計士協会公表の監査委員会報告を適用した影響もあり、平成18年9月中間期に、両社は引当金を増額しました。さらに、上限金利を引き下げる改正法が平成18年12月に最終的に成立したことを受けて、アプラスは、大手貸金業者が高リスク債務者への貸付を制限することやそれによって生じる債務不履行の増加及び過払金返還請求の最新の動向を含む、マーケットの変化を考慮して、改めて引当金計上の前提を検討し、現在に至るまで、必要に応じて相当額の追加引当を行ってきております。また、新生パーソナルローンも同様に適宜引当金の積み増しを行ってきております。

新生フィナンシャル(旧商号:GEコンシューマー・ファイナンス株式会社)については、平成20年9月に、GEジャパン・ホールディングス株式会社(買収当時。以下「日本GE」という。)より、その子会社を含めて取得しております。本件買収に際して、将来の過払金返還等損失の発生に備えた利息返還損失引当金2,210億円を計上するとともに、買収時に締結した株式譲渡契約上、過払金返還等損失を受ける可能性のある資産の相当の部分に関する当行の負担を最大2,039億円とし、それを超える過払金返還等損失を日本GEが負担することとしていました。平成22年6月以降、過払金返還等損失の累積額が上記の当行最大負担額を超えたため、新生フィナンシャルは日本GEからかかる損失相当額の支払を受けておりましたが、平成26年3月末、将来発生が見込まれる過払金返還等損失の額として1,750億円の現金払いを日本GEから新生フィナンシャルが受けることにより、日本GEの損失補償は終了しました。これに伴い、新生フィナンシャルは日本GEから受け取った1,750億円を利息返還損失引当金として追加計上いたしました

近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回っており、当行といたしましては、上記の措置を講じたことにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、引当金額は過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、将来的に発生する過払金返還請求を考慮するために適切ではない可能性があるため、現在の引当金額が過払金返還請求によって生じる損失に対処するために十分であるという保証はありません。現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当行グループの損益状況や財務状況に相当な影響が生じる可能性も皆無とはいえません。

 

6.当行グループの無担保カードローン事業の展開について

 

当行は、当局からの必要な認可の取得等を経て、平成23年10月より、新生フィナンシャルが「レイク」ブランドで行っている個人向け無担保ローン事業の一部を譲り受け、銀行本体での本格的な無担保カードローンサービス「新生銀行カードローン レイク」(以下「レイク」という。)の取り扱いを開始いたしました。平成22年6月に完全施行された改正貸金業法の趣旨を踏まえ、健全な貸し手として円滑かつ合理的なサービスを提供することによりお客さまの資金ニーズにお応えし、一定の成長を実現してまいりました。

銀行本体での取り扱い開始にあたっては、消費者金融商品ニーズがあるお客さまに加えて、銀行カードローンのニーズがあるお客さまへの顧客層の拡大を企図しておりました。しかしながら、6年間の取り組みを振り返った結果、レイクは消費者金融ブランドとしての認知が依然として高く、銀行カードローンニーズがあるお客さまのご利用は限定的であったと判断いたしました。また、銀行カードローンをご希望のお客さまに対する商品として、平成27年11月に取り扱いを開始した「新生銀行スマートカードローン プラス」(以下「スマートカードローン プラス」という。)は一定の成果を上げております。

こうした状況を勘案し、当行グループでは、お客さまのニーズに合わせて商品の再構築を行うこととし、銀行カードローンニーズのお客さまはスマートカードローン プラスで対応し、当行で提供するレイクについては、平成30年3月末を以って新規のお客さまからのお申し込みと契約の受付は停止しております。消費者金融商品のニーズがあるお客さまに対しては、新生フィナンシャルにて新しく導入した商品「レイクALSA(アルサ)」とともに、新生パーソナルローンが取り扱う「ノーローン」を提供いたします。

なお、平成30年3月末までにご契約いただいたレイクのお客さまは、引き続き当行でサービスを提供しております。

新商品では、レイクをご利用いただいているお客さまと同じ顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さまに向けた商品開発やマーケティングに力を入れてまいります。

近時、銀行カードローンの残高の増加を背景に、銀行による消費者向け貸付けについて、改正貸金業法の趣旨を踏まえた態勢整備の一層の徹底が求められています。当行では、無担保カードローン事業を引き続き成長分野の一つと位置づけ、お客さまのニーズに基づく商品の再構築を行い、改正貸金業法の趣旨に則った運営を行うとともに、新生フィナンシャルおよび新生パーソナルローンでは改正貸金業に基づく厳格な運営を行うことで、社会的に責任ある貸し手として、無担保カードローン市場の健全な形成に寄与してまいります。

新生フィナンシャルは、新たな商品の取り扱いに加え、当行本体による個人向け無担保ローンについての保証サービスを継続するとともに、他の金融機関向けの信用保証業務や同社が強みとする自社開発のコンシューマーファイナンス業務向けシステムの提供にも注力し、今後とも安定的な収益を上げ、さらなる成長を図っていく方針です。

当行グループは、上記事業を展開することにより、収益力の向上とコンシューマーファイナンス業界での確固たる地位の構築を目指してまいりますが、個人のお客さまのニーズの変化、法令等の規制動向、同業他社との競合状況等により、当初目標を達成することが困難となり、または事業展開の再検討が必要となる可能性があります。

 

7.金融商品及びサービスの範囲の拡大について

 

当行の主要な事業戦略は、アプラス、昭和リース、新生フィナンシャル等のグループ会社とともに、業態を超えた新しい発想による顧客価値の創造にあります。その過程で金融商品、サービス及び投資活動の範囲を拡大したり、引き続き適正なリスク管理の下、様々な資産への投資を検討したりする可能性があります。それら事業活動拡充を行う場合には、以下を含むリスク及び課題があります。

新規の業務活動は、見込みどおりとは限らず、また、収益を生むものとなる保証もありません。

当行は、新規事業活動を監督し、指導することのできる人材を獲得し、継続的に雇用することが必要となります。

情報システム、特に顧客が直接にアクセスできるサービスをさらに拡充する必要があります。

 

8.マーケットの変動及び不安定要因による影響について

 

当行は、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動します。例えば、金利の上昇は、一般的に、債券ポートフォリオに悪影響を与えます。さらに、当行のポートフォリオ中の債券に対する信用格付の低下またはデフォルトは、当行業績に悪影響を与える可能性があります。当行が当行の取引・投資に関連して、将来において投資による損失を計上しない保証はありません。

また、近時では、サブプライム・ローン問題に端を発する世界的な金融・資本市場の混乱、平成23年3月に発生した東日本大震災による日本経済の一時的な落ち込み、さらには欧州債務危機をはじめとした、いわゆるソブリンリスクの高まりや、マイナス金利を含む金融政策の変更等、実体経済や金融市場の動揺を引き起こす事態が連続して発生しております。このような事態が発生した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、株式を含む有価証券等の価格の下落に伴う資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、円高の進行に伴う外国資産の時価の下落、利鞘の縮小等が予想され、これらが当行グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

9.ローン及びその他の資産への投資に関するリスクについて

 

当行は、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却または証券化することを目的としております。そのため、特定の資産または特定の格付もしくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当行の収益が予想より少ない場合(当行により証券化された資産のプールにおいて、当行グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当行及び当行グループの損益及び財政面が悪影響を受ける可能性があります。また、こうした当行が取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当行が魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。

 

10.海外業務の拡大によるリスクについて

 

当行の業務の大部分は日本国内におけるものですが、その他の市場における事業・投資の可能性について選別的に検討しております。

たとえば、ユーロ債の引受け及び資本市場のアドバイザリー業務を行うShinsei International Limited(在英国子会社)の設立、海外での不良債権の買取・再編並びに処理を専門に行う合弁会社の設立や、台湾の金融持株会社である日盛金融控股股份有限公司に対する戦略的投資を行い、さらに、自己勘定によるトレーディング・投資業務を拡大し、米国住宅ローン市場関連、その他の米国・欧州向けを中心としたアセットバック投資等の海外投融資を増加させてまいりました。しかしながら、サブプライム・ローン問題等による世界的な金融市場の混乱の中、海外投融資に係る損失の計上を余儀なくされたことから、当行としては、海外業務の見直しを含む経営資源の戦略的な再配分を行っており、これらリスクの高い海外投融資を縮小してまいりました。

一方で、近時は、アジア・豪州を中心とした優良案件に対する取り組み強化や地場の金融機関との提携等、限定的ながら海外での業務展開を図っているところであります。

当行が海外において行う業務活動は、以下のような一般的に国際的な業務及び投資に関連するリスク及び課題に直面する可能性があります。

・外貨建資産及び負債に関連する金利及び為替リスク

・金融サービスの提供及び直接投資に関連する税務及び規制環境の相違

・社会的、政治的及び経済的な状況の変化

・能力があり、地域市場の知識の豊富な従業員の雇用の必要性

このようなリスクは、当行の投資経験の浅い資産及び地域に投資する場合に高まる可能性があります。

 

11.リスクマネジメントポリシーの有効性について

 

当行は、リスクマネジメントポリシー及びそのための手続に則り、リスク管理の強化に注力しております。しかしながら、急速な業務展開に伴い、かかるポリシー及び手続が、リスクの認識及び管理に際して充分に機能しない可能性があります。当行のリスク管理方法には、過去の市場動向の観測を基準にしているものがあるため、将来のリスク・エクスポージャーを必ずしも正確に予測できない可能性があります。業務上の諸リスク並びに法令及び規制等に対応するためには、多くの取引及び事象の検証に基づいて、ポリシー及び手続を適切に制定、改廃する必要があり、そうした調整が充分に行われるまではこのようなポリシー及び手続は、効果が十分でない可能性があります。また、当行が買収する可能性のある事業については、より広範な統合手続の中の一環として行わなければならないため、リスクマネジメントポリシーの実施及び管理が特に困難なものとなる可能性があります。

 

12.訴訟について

 

当行は、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心にコンシューマーファイナンス業務(消費者金融業務、信販業務)、リース業務等の各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

13.貸倒引当金の十分性について

 

当行グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、貸倒引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当行が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、またはその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒引当金を増やす可能性があります。

当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、今後、これら以外に信用リスクからの損失が発生しない保証はありません。

 

14.ローン・ポートフォリオにおける与信集中について

 

平成30年3月末現在、連結ベースで当行グループの上位10位までの貸出先は、当行グループの有する貸出金の約8%を占めており、かかる主要な取引先の業績悪化または当行との関係の著しい変化により、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。

平成30年3月末現在、当行グループの有する貸出金残高のうち、連結ベースで最も高い集中度を示しているのが約12%を占めている不動産業分野でありますが、そのうち約3割はノンリコースローンであります。また、金融・保険業分野の占める割合は約11%でありますが、そのうち消費者金融会社向けの貸出金は、金融・保険業分野に対する貸出金の約17%、当行グループの有する貸出金の約2%をそれぞれ占めています。これらの分野において、業界全体の低迷や不動産市況の悪化等が生じた場合には、当行及び当行グループの業績及び財政状況が悪影響を受ける可能性があります。

 

15.資金調達について

 

近年、資金調達方法の多様化に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。

今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。

国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債またはその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。

日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当行の資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。

人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、または十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。

 

16.信用格付の影響について

 

格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、または一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当行の資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当行及び当行グループの損益・財務面が悪影響を受ける可能性があります。

 

17.有能な従業員の雇用について

 

既存の市場における当行の地位及び顧客基盤を最大限活かすために、卓越した商品知識・技術及び専門的で豊富な経験や実績を有した従業員を採用し、活用することが事業戦略上重要であります。当行は、投資銀行業務、リテールバンキング業務や財務会計などのさまざまな分野において、豊富な実績と経験を有する従業員を必要としております。さらに、情報システムにおけるインフラを維持し、向上させるためには、熟練した技術者を雇用し、訓練し、かつ定着させる必要があります。当行は、他の銀行のみならず、証券会社及びその他の金融機関との間で、このような従業員の採用において競合関係にありますので、当行が有能な人材を採用し、定着させられる保証はありません。

 

18.重要な経営陣の退社による事業への影響について

 

事業を引き続き成功させることは、当行の業務執行取締役や執行役員等、上級経営陣の業務能力にかかっています。上級経営陣の誰かの将来における退社が、当行の業務遂行に悪影響を与える可能性があります。

 

19.情報システムへの依存について

 

当行の業務の中でも、とりわけリテールバンキング業務においては、その業務戦略の一つとして、当行の情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しております。この方法は費用効率がよいものではありますが、当行の業務はシステムの容量及び信頼性に大きく依存しております。過去に、ATMやインターネットバンキング・サービス、あるいは他行宛送金取引における不具合が発生しました。これらについては原因の究明及び十分な再発防止策を講じており、今後同様の不具合を繰り返すことのないよう万全を期してまいりますが、顧客数及び取引数の増加またはその他の理由により、今後とも不具合やサービスの停止が生じない保証はありません。

当行のハードウェア及びソフトウェアは、人為的なミス、地震等の自然災害、停電、妨害・不正行為、コンピューターウィルス等によるサイバー攻撃またはインターネットプロバイダー等の第三者からのサポートサービスの中断等により、損害を受け、または機能しなくなる可能性があります。

当行の情報システムは、緊急性・重要性の高い業務についてのバックアップ機能を備えておりますが、これらの機能が十分である保証はありません。さらに、当行のバックアップ・プランは、サービスの大規模な中断時に生じるおそれのあるあらゆる偶発事象に対処できない可能性があります。

また、当行では、今後の経営戦略・業務戦略を支えるためのより安定的で堅牢なITインフラ整備の一環として、基幹業務システムの更新開発を行っているところでありますが、開発の遅延等による予期せぬ多額の費用の発生、システム更新時や更新後のシステムダウンや誤作動等に起因する不具合が生ずるおそれもあり、その場合は当行の業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

20.年金制度及び年金資産に関するリスクについて

 

当行の年金資産の時価が下落した場合や、将来の退職給付債務の予測計算の基礎に関する事項が変動した場合(年金資産の期待運用収益率が低下するなど)、さらに、退職給付制度が変更された場合、年金費用計上額が増加する可能性があります。また、利子率を巡る環境の変化や他の要因が未積立退職給付債務額や毎年の費用処理額に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

21.金融サービス市場における競合について

 

規制緩和、当行を含む国内銀行による収益源の多様化に対する取り組み並びに外国企業及び外国人投資家の参入により、わが国の金融サービス市場は極めて競争の激しいものとなっております。当行は、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行より優位に立つ企業もあります。当行の主要な競争相手は以下のとおりです。

 

大手銀行:わが国における大手銀行グループは、資産、顧客ベース、支店数及び従業員数の観点から見ても、当行より規模が大きく、また、これらの銀行グループは、様々な投資銀行業務を行っており、かつ、子会社または関係会社として証券会社を有しているうえ、当行同様その収益源を多様化する戦略を採っています。さらに、大手銀行グループ同士の経営統合が成功した場合には、日本の金融市場における競争がより激しくなる可能性があります。また、上記の大手銀行グループは、政府が保有していた株式を消却するとともに金融庁への健全化計画の提出義務から解放されており、より柔軟な経営を行える可能性があります。

証券会社/投資銀行:国内の証券会社及び主要な外国投資銀行の日本における関係会社を含み、当行は、コーポレート・アドバイザリー及び投資活動を含む様々な事業領域において、このような企業と競争関係にあります。

その他の銀行:信託銀行、地方銀行、一部の海外商業銀行の日本支店及びリテール専門のインターネット専業銀行等とは、これらのその他の銀行が営むそれぞれの分野において競争関係にあります。

政府系金融機関:日本のリテールバンキング部門においては、株式会社ゆうちょ銀行(以下「ゆうちょ銀行」という。)が依然として最大の預貯金総額を有しております。平成24年4月に成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」では、政府が大部分の株式を保有する日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によるゆうちょ銀行等の株式処分が期限のない努力義務とされた一方、ゆうちょ銀行等に対する新規業務規制については日本郵政がゆうちょ銀行等の株式の二分の一以上を処分した後は認可制から届出制に移行するとされております。また、平成28年4月にはゆうちょ銀行の預入限度額規制が1,000万円から1,300万円に引き上げられました。平成27年11月にはゆうちょ銀行等は東京証券取引所に上場され、平成29年9月には政府による日本郵政の株式の第2次売出しが実施されましたが、依然として、ゆうちょ銀行等の完全民営化に向けた具体的な道筋は示されておらず、引き続き政府がゆうちょ銀行等の相当部分の株式を実質的に保有しています。このように政府関与が残されたまま届出制に移行する場合や業務規制が緩和される場合には、ゆうちょ銀行等の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、当行を含む民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。また、政府系金融機関については、日本政策投資銀行及び商工組合中央金庫について完全民営化への動きが進捗した時期もありましたが、平成27年5月に「株式会社日本政策投資銀行法」及び「株式会社商工組合中央金庫法」において、完全民営化の時期を「できる限り早期に」とする、具体的な年限を示さない法改正が成立しました。今後、完全民営化等が実現されなかった場合や、新たな形での政府の金融市場への参画が行われた場合、当行の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

消費者金融会社及びノンバンク:当行が自ら及び子会社を通じて行っている業務において競争関係にあります。

その他の金融サービス提供者:当行または当行の子会社、関連会社は、債権回収会社及びプライベート・エクイティ・ファンド並びに他の投資家と競争関係にあります。

さらに、金融サービス市場には、当行や当行の子会社を含む既存の金融サービス企業及び新規参入企業により、手軽で安価な手数料で行うことを可能とする決済サービス、クラウドファンディング、仮想通貨や人工知能(AI)の活用等、お客さまのニーズと金融技術(以下「FinTech」という。)を融合させた新しい金融サービスが既に導入されあるいは導入されようとしており、FinTechへの対応が遅れた場合、当行や当行の子会社が提供するサービスが陳腐化し競争力を失う可能性があります。

当行の業務にかかる競争は今後も激化を続けることが見込まれ、当行が現在及び将来の競争相手と効果的に競争できない可能性があります。

 

22.金融機関に対する監督官庁による広範な規制等について

 

当行は、金融機関としての広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。さらに、当行及び当行の関係会社は、金融当局による自己資本規制その他の銀行業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けており、これによって、ビジネスチャンスを追求できないことがあります。当行及び当行のいくつかの関係会社は、業務全般及び貸出資産分類に関して、金融庁またはその他の政府機関により検査を受けております。加えて、金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、当行または当行のそれらの関係会社が銀行法第26条その他の法令の規定に基づく「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分やその他の制裁・罰則・損害賠償請求を受けること等により、当行または当行のそれらの関係会社の業務に制限を受け、評価が悪化し、または経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当行及び当行の関係会社は、これらの命令が発せられた際には、これを厳粛に受け止め、再発防止に向けた抜本的な措置を講じるとともに、全行・全社が一丸となってその履行に努めてまいります。

 

当行並びにその子会社及び関連会社は、コンシューマーファイナンス業務に関する規制、とりわけ貸金業法(並びに出資法及び利息制限法)の規制に服しています。これらの法令に係る裁判所や金融庁による解釈及び平成18年12月に成立した改正法により、コンシューマーファイナンス業務は影響を受けてきました。金融庁や他の政府機関によるコンシューマーファイナンス業務に対する規制上の監視強化によって、かかる業務に従事する当行の子会社や関連会社が適用法令の遵守を怠ったことが判明した場合、これらに対する行政措置がとられる可能性があります。

当行を含む銀行がお客さまに対して販売する仕組預金は通常の預金と異なる投資リスクを内包しているため、銀行は各顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に応じて仕組預金の性質や詳細について適切な説明をすることを求められます。金融商品取引法には、仕組債やその他の投資商品についての説明義務を強化する規定が盛り込まれており、これに伴って、銀行法上も、デリバティブ預金、外貨預金及び通貨オプション組入型預金等の投資性の強い預金について、広告等に関する規制や契約締結前の書面交付義務、適合性原則等、金融商品取引法上の行為規制が準用されることになっております。また、平成24年9月6日より一時的に募集・販売を停止しておりました円建て仕組預金については、平成24年12月17日より募集・販売を再開しておりますが、同日以降にお預け入れいただく際には、従来、預金保険の保護の範囲となっていた利息等の一部が預金保険の対象外となっており、お客さまに対して、その旨周知徹底を図っております。これらの新たな規制の導入に伴い、当行は、内部コンプライアンス体制のより一層の強化を図っておりますが、これらの遵守を怠った場合は、民事責任を負いまたは行政上の措置を受ける可能性があります。

 

23.自己資本比率規制について

 

当行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、平成30年3月末における連結自己資本比率12.83%(バーゼルⅢ(国内基準)ベース。詳細は後述。)となっております。当行は、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、この最低比率を維持できない場合には、当行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当行の業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。当行が将来追加的な資本を必要とする要因としては、以下のようなものがあります。

将来における重要な事業または資産の取得:当行は、コンシューマーファイナンス業務等を買収によって拡大してきました。また、不良債権やその他の金融資産の市場にも積極的に参加してきました。当行が将来、魅力的な機会を見出した場合、当行はこれらの機会を追求するために必要な追加的な資本を必要とする可能性があります。

政府の保有する当行株式の取得:政府は、平成30年3月末現在、当行の普通株式46,912,888株を保有しております。当行は、政府が保有する株式を買い取る義務を負っていませんが、かかる買取り(自己株式の取得)を行えば、当行が現在負っている金融庁への健全化計画の提出及び履行状況の報告の義務がなくなります。かかる買取りを行おうとする場合、当行は追加的な資本を必要とする可能性があります。

バーゼル銀行監督委員会による自己資本に関するバーゼル合意(バーゼルⅢ)に沿った自己資本比率規制では、当行は国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において基礎的内部格付手法を採用しておりますが、内部格付手法においては債務者の信用状況の悪化等により所要規制資本が増大する可能性があります。

かかるバーゼルⅢにおける国内基準は平成26年3月末から適用が開始されておりますが、経過措置を導入して十分な移行期間を確保しながら段階的に実施されています。当行は、継続的にビジネスを安定的かつ円滑に展開していくため、バーゼルⅢの規制枠組みの達成を念頭に置いた自己資本の量・質の向上を図っていく所存であります。

上記の自己資本比率規制のさらなる高度化や見直しに加えて、レバレッジ比率規制や流動性規制をはじめ、新たな規制強化策の導入が決定または議論されていますが、かかる規制強化策が将来適用された場合、規制の内容によっては、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら、当行が、かかる状況に対処するため、またはその他の理由によりさらなる追加的な資本増強を必要とした場合に、適切な時期にそれを行えず、または資本増強が困難な状況に直面した場合、当行によるビジネスチャンスの追求や事業戦略の遂行は制約される可能性があります。

 

24.コンシューマーファイナンス業務にかかる法令及び規制等について

 

当行のコンシューマーファイナンス業務を行う子会社におけるカードローン等の融資業務事業(以下「貸金業事業」という。)は、「貸金業法」、「利息制限法」及び「出資法」の適用を受けております。また、平成23年10月より事業を開始した当行本体における個人向け無担保ローン事業については、「出資法」、「利息制限法」の適用を受けており、さらに貸金業者の適正な運営確保と借り手の利益保護という「貸金業法」の趣旨を踏まえつつ、銀行法の下において適切に運営していくことが求められているものと認識しております。平成22年6月に施行された改正「出資法」の貸付上限金利は年20%であり、また、利息制限法では、元本金額に応じて利息の最高限度を定めており、これらを超える金利で貸付を行うことはできません。

また、「利息制限法」第1条で、金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、利息の最高限度(元本金額により年利15%乃至20%)の超過部分について無効とするとされております。平成22年6月施行にかかる改正前の「貸金業法」第43条では、同法所定の書面が金銭貸付時及び弁済時に債務者等に交付され、かつ、当該超過部分について債務者が利息として任意に支払った場合において、その支払が同法に規定する書面が交付された契約に基づく支払に該当するときは、「利息制限法」第1条第1項(当時)の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすとされておりました。

しかし、貸金業業界において、「貸金業法」に定める契約書記載事項等の不備を理由に、「利息制限法」に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について返還を求める訴訟が多数提起され、これを認める判決も多数下されております。最高裁判所は、平成18年1月、貸付けに関する契約書に、債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする判断を下しました。金融庁も、かかる最高裁判所の判断に従った貸金業法の施行規則の改正を行いました。当行の貸金業事業も含め、多くの貸金業者が用いる貸付けに関する契約書には、このような期限の利益喪失特約条項が設けられていたことから、最高裁判所の判断及び金融庁による貸金業法の施行規則改正は、超過利息について支払いを拒む債務者や、既に支払った超過利息の返還を求める債務者の増加等により、当行の貸金業事業を含む貸金業一般に対して重大な悪影響を与えております。さらに、平成22年6月に施行された改正貸金業法では、一人の顧客が貸金業者から借り入れることのできる総額についても、原則として年収の3分の1を上限とする新たな規制(総量規制)を課しており、このことも貸金業者にとって業務上大きな制約となっております。

一方で、銀行による個人向け無担保ローンについては、借入人の年収確認義務や年収に対する貸付限度等の規制は、現状、対象外となっており、一部では、行き過ぎた広告や過剰融資が問題として指摘される動きが出てきたことにより、業界の自主規制というかたちで、適正化が図られておりますが、更に今後の動向次第では、当行本体における個人向け無担保ローン事業や新生フィナンシャルが行う金融機関向けの信用保証業務に影響が生じる可能性も皆無とはいえません。

アプラスの消費者金融、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルについては、平成19年度より新規顧客及び既存顧客の一部については既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行ってきましたが、平成22年6月の完全施行により、新規貸付は全て利息制限法の範囲内で実施しております。今後、さらなる業務規制が課せられた場合、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が影響を受ける可能性があります。

当行グループのコンシューマーファイナンス業務における包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業は「割賦販売法」の適用を受けており、これにより各種の事業規制(取引条件の表示、書面の交付等、契約解除等に伴う損害賠償等の額の制限、信用購入あっせん業者に対する抗弁、支払能力を超える購入の防止、継続的役務に関する消費者トラブルの防止等)を受けております。特に信用購入あっせん業者に対する抗弁に関連し、顧客が商品、指定権利または役務につき販売業者に対し抗弁を有する場合、それをもって信用購入あっせん業者への支払を停止しまたは支払を免れることが可能となる場合がありえます。このような事態が多数生じた場合、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当行グループのコンシューマーファイナンス業務が直接適用を受けるものではありませんが、当行グループのコンシューマーファイナンス業務の提携先の中に「特定商取引に関する法律」(以下「特定商取引法」という。)の適用を受ける提携先があります。「特定商取引法」は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引)に関する法令ですが、これまでにクーリングオフの延長、役務取引、電話勧誘販売や訪問購入取引の規制、特定継続的役務における指定役務の追加、訪問販売等における指定商品・指定役務制の廃止等の改正が実施されてまいりました。同法の適用を受ける提携先の動向によっては、包括信用購入あっせん事業及び個別信用購入あっせん事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

25.個人情報等の保護について

 

近年、企業や金融機関等が保有する個人に関する情報や記録の漏洩または不正アクセスに関する事件が多発しています。平成17年4月より「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」という。)が全面的に施行されたことに伴い、当行としても、個人情報を保有する金融機関として、個人情報保護法に従い個人情報の保護に努めております。しかしながら、万一事故があった場合、それによる損害に対し賠償を行わなければならない事態が発生し、または監督機関の処分を受ける可能性があります。さらに、そうした事故が発生することにより、当行の営業やブランドに対する一般の認識に悪影響が及ぶおそれがあり、その結果として顧客や市場の当行に対する信用が低下する可能性があります。

 

26.わが国の金融システム全般の不振に伴うリスクについて

 

わが国の金融システムの健全性に懸念が持たれた場合、当行を含む銀行の業務及び財政状態に、以下のような影響を与える可能性があります。

わが国の金融市場に関する否定的な報道により、預金者からの信頼が損なわれ、当行の企業イメージまたは当行の株価が悪影響を受ける可能性があります。

国際金融市場において、当行を含む国内金融機関がリスク・プレミアムの要求または信用規制を受ける可能性があり、それにより、当行の海外での資金運用・調達が影響を受ける可能性があります。

政府は、社会経済全体の利益を保護する政策を導入する可能性があり、それは個々の銀行の株主の利益とは反する可能性があります。

金融庁は、当行を含む銀行に対する定期検査または特別検査の結果、規制、会計等についての政策を変更する可能性があります。

 

27.政府による当行の普通株式の売却の可能性について

 

平成18年7月、預金保険機構は整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の半数である3億株を普通株式200,033千株(平成29年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると20,003千株)に転換(当行が優先株式の取得と引換えに行う普通株式の交付をいいます。以下同様。)し、翌8月に東京証券取引所の立会時間外取引であるToSTNeT-2により売却しました。これを受けて、当行は当該転換にかかる普通株式の87.7%に相当する175,466千株(同株式併合後17,546千株)を当該ToSTNeT-2取引により総額1,321億円で買い入れました。その余の普通株式は一般投資家によって購入されました。

また、整理回収機構が保有していた第三回乙種優先株式の残り3億株は、平成19年8月1日に普通株式に一斉転換され、整理回収機構は当行の普通株式2億株(同株式併合後2千万株)を保有することとなりました。

さらに預金保険機構は、当行の第二回甲種優先株式全てを保有しておりましたが、平成20年3月31日、預金保険機構の請求により、360円の転換価額で全て当行の普通株式269,128,888株(同株式併合後26,912,888株)に転換されました。

その結果、預金保険機構及び整理回収機構は、平成30年3月末現在、合計で当行の普通株式を46,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約18.6%)を保有しています(預金保険機構保有分26,912,888株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約10.6%)、整理回収機構保有分20,000,000株(当行の自己株式を除く発行済普通株式の約7.9%))。当行は、預金保険機構及び整理回収機構が保有する普通株式を買い取る法的義務を負っておりませんが、かかる普通株式は政府により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。

 

28.当行の経営に対する政府の影響力について

 

当行の普通株式の保有者である政府(預金保険機構及び整理回収機構)は、当行の経営に影響力を有します。金融庁は、平成17年10月28日に、「公的資金(優先株式等)の処分の考え方について」を公表し、公的資本増強により取得した優先株式等の処分について、「納税者の利益」の立場により重きを置いた財産管理という観点を踏まえ、公的資本増強行の経営の健全性の維持及び市場への悪影響の回避を前提としつつ、金融システム安定化の果実として公的資金から生じる利益を確実に回収することを基本とするとの方針を確立しました。また、預金保険機構に対し、公的資本増強行を巡る局面の変化に応じ、今後とも、公的資本増強行自らの資本政策に基づく申出による処分を基本としつつ、あわせて、優先株式の商品性やその時点での株価の状況等を踏まえ、適切かつ柔軟な対応を行いうるようにしておくよう求めました。預金保険機構は、これを踏まえ、同日、「資本増強のために引受け等を行った優先株式等の処分に係る当面の対応について」を公表し、金融機関からの申出があった場合の対応に加え、新たに、申出がなくても処分を検討する場合の考え方・判断基準を示しました。しかし、政府が当行の普通株式をいつまで保有するかは明らかではありません。政府がこれらの株式を保有する限り、当行が政府から公的資金の注入を受けている状態が継続します。

整理回収機構から公的資金を受ける際に、当行は、法律に基づき経営健全化計画を作成し、これを定期的に見直しするよう義務づけられております。当行は、経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合には、金融庁より、業務改善命令を受ける可能性があります。さらに、その際には業務改善命令に基づく業務改善計画を提出した後、その内容を反映した経営健全化計画の修正計画を提出いたしますが、同計画が達成されないときはさらなる行政処分を受ける可能性があります。また、同計画については、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等には、金融庁から業務改善命令を受け、業務改善計画の提出・履行等を求められる可能性があります。

今後も、政府が当行経営に必要に応じて影響を与える可能性があります。政府は、株主及び監督当局の両方の立場から、当行の経営陣が当行の戦略全般に沿っていないと考える活動を求める可能性があります。

 

29.当行による募集株式の発行・自己株式の処分による影響について

 

当行の取締役会は、通常は株主総会決議を経ずに、発行可能株式総数の範囲内で募集株式を発行することができます。

将来当行が新規に募集株式を発行し、または自己株式を処分した場合、株式が希薄化するおそれがあります。募集株式の発行等及びその可能性があることが、当行の株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

30.普通株式の配当に関する制約について

 

当行の普通株式の配当につきましては、経営健全化計画等に基づき、原則として、経営健全化計画に記載された普通株式配当金の数値が当該年度の配当金の上限であると考えられております。

かかる制約により、当該年度の当行の利益に照らして十分な配当が行われないおそれがあります。

 

31.法令及び規制等の変更の影響について

 

当行は現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規則、税制、実務慣行、法解釈、財政及び金融その他の政策の変更または当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行がコントロールしうるものではありません。

なお、当行は、平成30年1月に、平成26年3月期中の特定の取引に関連して、同期における当行の法人所得および法人税の納付額について国税当局との間で見解の相違が生じており、更正処分を受ける可能性があることを公表いたしましたが、平成30年3月に国税当局より当該取引に関する最終的な見解が示され、その可能性が無くなっております。

 

32.当行の銀行主要株主について

 

平成20年1月、サターンⅠサブ(ケイマン)エグゼンプト・リミテッド、サターン・ジャパンⅡサブ・シーブイ、サターン・ジャパンⅢサブ・シーブイ及びサターンⅣサブ・エルピー(以下「サターン4者」という。)は、当行普通株式に対する公開買付けにより当行普通株式358,456,000株(平成29年10月1日付の株式併合後の株式数に換算すると35,845,600株)を取得しました。さらに、当行は平成20年2月に総額500億円の普通株式(117,647,059株、同株式併合後11,764,705株)の第三者割当増資をサターン4者宛てに実施いたしました。サターン4者は、大株主として長期に亘り当行を支援し、また金融業界の豊かな知識と経験を持った当行取締役として継続的に助言を行ってきた、J.クリストファー・フラワーズ氏(以下「JCF氏」という。)がマネージングディレクター兼最高経営責任者を務めるジェイ・シー・フラワーズ・アンド・カンパニー・エルエルシー(J.C.Flowers & Co. LLC、以下「J.C.フラワーズ社」という。)の関係者を含む投資家が本件の公開買付けのために組成した投資ビークルです。

さらに、平成23年3月には、海外募集により当行普通株式690百万株(同株式併合後69百万株)を新規発行いたしましたが、その際、JCF氏から当行の発展に対するコミットメントを従来同様に維持する意向を受けており、当行としても、JCF氏の実績及び意向を勘案すれば、サターン4者及びJCF氏(以下「本指定先」という。)に対する配分の指定は当該増資を円滑に実施するために重要であると判断し、本指定先に対して合計172百万株(同株式併合後17.2百万株)を割り当てました。

以上の結果、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、既存保有分並びに公開買付け、第三者割当増資及び海外募集による取得分を含め、当行の自己株式を除く発行済普通株式を平成30年3月末現在約22%保有しております。

当行は、当行の銀行主要株主等との取引について、通常の手続に加えて第三者的視点から、銀行主要株主等からの独立性確保・事業リスク遮断の状況を確認することを目的とする「銀行主要株主等との取引に係るガイドライン」を定めております。

また、サターン4者及びその他のJ.C.フラワーズ社の関係者は、当行の株主基盤及びビジネスモデルを強化し、顧客に提供される金融商品及びサービスを拡大することを目的として当行の長期的な事業計画に対する自らのコミットメントを維持したいとの意向を示しておりますが、かかる普通株式はこれらの株主により売却される可能性があり、実際に売却された場合には、当行の普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

1.経営成績等の状況の概要

 

 当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

〔金融経済環境〕

当連結会計年度において、個人消費や輸出が持ち直し、企業の生産活動が拡大するなかで、基本的には企業収益は高い水準を維持し、雇用情勢は着実に改善する等、日本経済は引き続き緩やかな回復が続きました。

こうしたなか、政府は平成29年6月には、経済再生を実現していくため、「働き方改革」や「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」および「未来投資戦略」を閣議決定して、着実な実行に取り組みました。同年12月には企業の生産性向上等の施策を具体化するため「新しい経済政策パッケージ」を取りまとめ、平成30年3月には「生産性革命」等に重点配分した平成30年度予算を成立させました。また、日銀は、マイナス金利政策を含む大規模な金融緩和策を引き続き継続しました。今後は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府等による各種施策の効果もあって、景気の緩やかな回復が続くことが期待されますが、依然として欧米各国での金融正常化に向けた出口戦略にともなう経済の変動リスク、米政権の政策動向や英国の欧州連合(EU)離脱問題等、海外経済の不確実性に加えて、北朝鮮情勢を始めとする地政学リスクが景気の下押し要因となるリスクがあり、引き続きこれらの動向を注視すべき状況にあるといえます。

金融市場を概観すると、まず国内金利については、長期および短期金利ともに引き続き低水準で推移しました。特に、長期金利(10年国債利回り)は、日銀による大規模な金融緩和策の影響により0%近辺の推移にとどまり、平成30年3月末には約0.04%(平成29年3月末は約0.07%)となりました。

次に、為替相場については、平成29年4月には北朝鮮や中東情勢の緊迫化や、欧州政治不安等を受けて、米ドル・円は108円台、ユーロ・円は115円割れまで円高が進みましたが、仏大統領選挙で親EU派候補の勝利により市況は反転、その後は円安基調で推移しました。秋口以降は、米ドル・円は北朝鮮情勢を巡る緊張感の高まりや米国のハリケーン被害への懸念から、円が急騰する局面も見られましたが、米政権が掲げた減税法案やハリケーンの復興需要に対する期待感が刺激となって、ドルは買い戻されました。ユーロ・円は、良好な欧州経済や、大規模な金融緩和を続ける日銀と、金融緩和縮小を決定した欧州中央銀行(ECB)との金融政策の違いもあって、引き続きユーロ高基調で推移しました。平成30年が明けると、米国発の世界同時株安や米中貿易摩擦の悪化を受けてリスク回避の動きが強まったことや、日銀の金融緩和縮小観測に対する懸念等もあって、円高が進行し、平成30年3月末の米ドル・円は106円台(平成29年3月末比約6円の円高)、ユーロ・円は130円台(同比約11円の円安)となりました。最後に、日経平均株価については、為替相場の変動に加えて、海外経済や政治情勢の影響を受けて上下を繰り返しましたが、基本的には順調な拡大が続く世界経済と好調な企業業績を反映して、平成30年3月末の終値で2万1,454円30銭(平成29年3月末比約2,500円の上昇)となりました。

 

〔事業の経過及び成果〕

当行は、「グループ融合による革新的金融サービスの提供と、リーンなオペレーションによる卓越した生産性・効率性の実現」を目指す中長期ビジョンを踏まえて、平成29年3月期から平成31年3月期までを対象期間として、「事業の“選択と集中”とグループ融合による価値創出」、「経営管理機能の統合によるシナジー創出」を全体戦略とする「第三次中期経営計画」(以下「第三次中計」という。)を策定しております。第三次中計の二年度目における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。

 

(法人業務)

法人のお客さまに関する業務は、事業法人・公共法人・金融法人向けファイナンスやソリューションを提供する「法人業務」と、金融市場向けビジネスを行う「金融市場業務」により推進しております。

当連結会計年度は、当行グループは、専門性を有する分野、市場の成長性が見込まれる業務に重点的に経営資源を投下する「選択と集中」を図るとともに、グループ会社との一体運営を推進することで、お客さまのニーズに即した付加価値の高い金融ソリューションの提供を強化するなど、積極的に各業務を展開しております。

成長分野であるストラクチャードファイナンス業務については、再生可能エネルギーの分野では、外資系事業者がスポンサーとなる優良なメガソーラー事業に対するファイナンスの組成に加え、経験・知見を活かした発電事業者の事業性評価とファイナンスの構築能力を組み合わせた稼働済みメガソーラーの取得案件などにも積極的に取り組み、案件を積み上げております。平成29年10月には、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(東証上場インフラファンド)に対して、運用資産に組み入れる稼働済みメガソーラー13施設の取得資金として、当行を含む3行がアレンジャーとなり、金融機関12行の参加によるシンジケートローンを組成しました。引き続き、太陽光、風力やバイオマス発電などのエネルギー源の多様化にも取り組んでおり、さらに幅広い事業者のファイナンスニーズに応えることで、日本の再生可能エネルギーの安定的な成長に貢献してまいります。海外プロジェクトファイナンスにおいては、アジア・豪州や欧州を中心として良質案件の取り込みに注力しております。また、不動産ファイナンスにおいては、個別案件のリスクのみならず不動産市況全体のリスクとリターンを慎重に考慮しつつ、お客さまのニーズに応じた案件組成を進めております。

事業法人向け業務では、新規開拓の継続的な推進やデリバティブ関連ビジネスの展開などにより顧客基盤の拡充を図っております。金融法人向け業務では、地域金融機関などのお客さまの資金運用ニーズに対しては、当行の専門性を活かした仕組商品やストラクチャードファイナンスなどの多様な運用商品を、本業強化のニーズに対しては、グループ会社の持つ機能を活用した業務提携などを通じて、グループ一体での金融ソリューションの提供に尽力しております。

プリンシパルトランザクションズ業務については、クレジットトレーディング業務やプライベートエクイティ業務などで培った知見と専門性やグループ横断的なリソースを活用して、事業承継や転廃業ニーズのある中堅・中小企業へのアプローチを行い、バイアウトファイナンスや債務整理などの金融ソリューションの提供に取り組んでおります。また、プライベートエクイティ業務などにおいても、新生企業投資株式会社と共同で設立した「日本インパクト投資1号投資事業有限責任組合」(子育て支援ファンド)を通じて子育て関連事業を営む企業に投資するなど、当行グループの有する専門性や特色を活かした業務展開を行っております。

昭和リース株式会社(以下「昭和リース」という。)においては、主力の中堅・中小企業向け産業・工作機械などのリースに加えて、中古機械の売買を行うバイセル事業、動産・債権担保融資、環境配慮型商品の導入推進や再生可能エネルギー関連のファイナンス付与、診療・介護報酬債権の買取(診療・介護報酬ファクタリング)など、さらに株式会社アプラス(以下「アプラス」という。)の個人向け与信機能と昭和リースのリース機能、物件管理機能を融合したベンダーリース事業など、戦略取組分野である中小企業・小規模事業者向けファイナンスサービスやソリューションの提供にも注力しております。また、その第2弾として、平成29年11月には、ベンダーリース事業で培った機能融合のノウハウを活用して、個人のお客さま向けのオートリース事業を開始しました。アプラスが営業基盤としている自動車販売店の個人のお客さまへの与信機能を提供し、昭和リースがお客さまへのリース機能を提供してまいります。

 

(個人業務)

個人のお客さまに関する業務については、銀行本体によるリテールバンキング業務および銀行本体や子会社によるコンシューマーファイナンス業務を推進しており、引き続き顧客基盤拡大と収益力の向上を目指して、当行グループが有する約1,000万人のグループ顧客基盤のフル活用を進めております。

リテールバンキング業務では、資産運用商品については、円預金、外貨預金、仕組預金などの預金商品に加え、投資信託や保険商品、仕組債など、お客さまのニーズやライフステージに応じた商品・サービスの提供に努めております。平成29年11月には、株式会社お金のデザインとの提携に基づき、同社が開発したロボアドバイザーによる投資一任運用サービス「THEO+[テオプラス]新生銀行」を開始いたしました。さらに、平成29年12月には、安全性を重視しながら安定した利回りを期待するお客さまを対象に、新生信託銀行株式会社を受託者として資産の運用・管理を行う実績配当型の「新生パワートラスト(金銭信託)」の募集を開始いたしました。住宅ローンについては、家事代行サービスやハウスクリーニング、病児保育サービスを利用できるクーポンのついた「パワースマート住宅ローン 安心パックW」や自然災害時の債務免除特約がついた「パワースマート住宅ローン 安心パックS」など、ユニークで付加価値の高い商品性を有する「パワースマート住宅ローン」を提供しております。今後とも、商品・サービスの充実を図るとともに、お取引の利便性の一層の向上に努め、お客さまに付加価値の高い商品・サービスを提供してまいります。

成長分野の無担保ローンを含むコンシューマーファイナンス業務では、グループの無担保カードローン事業戦略を見直し、グループの商品をお客さまのニーズに基づいて再構築することを平成29年12月に決定しました。銀行カードローンをご希望のお客さまに対する商品は「新生銀行スマートカードローン プラス」のみとし、当行で提供してきた「新生銀行カードローン レイク」の新規のお申込み・ご契約の受付は平成30年4月より停止しています。また、消費者金融商品ニーズのあるお客さまに対しては、新生フィナンシャル株式会社(以下「新生フィナンシャル」という。)にて、平成30年4月からお取り扱いを開始した無担保カードローン「レイクALSA(アルサ)」とともに、新生フィナンシャルの子会社、新生パーソナルローンが取り扱う「ノーローン」を提供いたします。「レイクALSA」では、「新生銀行カードローン レイク」をご利用いただいたお客さまと同じ顧客層に加えて、デジタルリテラシーの高い、若年層のお客さま向けにデジタル機能の充実を図ったサービスの提供を検討してまいります。さらに、アプラスフィナンシャル株式会社(以下「アプラスフィナンシャル」という。)については、傘下にあるアプラスなどの事業会社において、Tポイントなどのポイントサービスの活用や新しい決済ソリューションの提供をはじめ、顧客利便性の向上や業務の効率化などを進めて、各事業の業容拡大と収益性向上に努めております。平成28年4月に参入した中国人向けモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」の日本での決済代行サービスについては、引き続き利用店舗の拡大に積極的に取り組んでおります。

 

海外における業務展開については、ベトナムの大手民間商業銀行であるMilitary Commercial Joint Stock Bankと共同出資したMB Shinsei Finance Limited Liability Companyが、平成28年12月の開業以来、キャッシュローンやバイクおよび家電の割賦ローンを中心に順調に顧客数を伸ばし、事業を拡大しております。

上記に加えて、当行は、グループの個人のお客さまの真のニーズの把握とより精度の高い与信提供のため、グループ各社の個人顧客データを一元管理するグループ統合顧客データベース「YUI Platform」の構築について、平成30年3月に公表いたしました。ビッグデータの収集・解析およびAI(人工知能)活用を行うセカンドサイト株式会社と共同で開発するもので、当行とアプラス、新生フィナンシャルの3社にて、平成30年7月をめどに利用を開始する予定です。まずコンシューマーファイナンス業務などを対象に取り組み、将来的には、グループで蓄積したデータやモデルをもとに個人事業者や小規模事業者などに対する与信への活用や、グループ外の企業との提携も検討してまいります。

 

(財務基盤)

当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は12.83%となり、引き続き十分な水準を確保しております。

当行では、第三次中計において目指すゴールの一つとしている公的資金返済の道筋をつける取り組みの一環として、現在の当行の資本の状況や収益力、1株当たりの価値などに鑑み、総額100億円の取得価額を上限とした平成30年1月31日開催の取締役会決議に基づき、平成30年3月22日までに5,969,700株の自己株式を取得いたしました。当行では、充分な資本の維持を前提としつつ、適切な資本政策の実施を通じて、1株当たりの価値の向上を目指してまいります。

 

〔業績の概況〕

 

(経営成績)

当連結会計年度において、経常収益は3,838億円(前連結会計年度比34億円増加)、経常費用は3,270億円(同比58億円減少)、経常利益は568億円(同比92億円増加)となりました。

   資金利益については、無担保ローンを始めとしたコンシューマーファイナンス業務での貸出増加による収益伸長等により、前連結会計年度に比べて増加しました。非資金利益(役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益等の合計)については、法人業務において保有株式の売却益の計上や持分法投資利益および手数料収入が増加したものの、前連結会計年度に見られた大口の有価証券売却益がなくなったことや、ALM業務での国債等の売却益やリテールバンキング業務での資産運用商品の販売関連収益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて減少しました。次に、人件費・物件費といった経費については、業務基盤拡充を図るためのシステム費および広告費が増加したものの、生産性改革プロジェクトを通じて引き続き効率的な業務運営を推進した結果、人件費等の諸費用が減少したことにより、前連結会計年度並みとなりました。与信関連費用については、主にコンシューマーファイナンス業務における貸出金増加に伴う貸倒引当金繰入額の増加に加え、法人業務において個別貸倒引当金の繰入が発生した結果、前連結会計年度に比べて増加しました。利息返還損失引当金については、近時の利息返還動向に基づき、将来の過払負担をカバーするために、必要額を再計算した結果、全体で60億円の取崩超となり、当該金額を利息返還損失引当金戻入益に計上いたしました。

   さらに、特別損益、法人税等合計、非支配株主に帰属する当期純利益を加除した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は514億円(前連結会計年度比6億円増加)となりました。

 

   セグメント別では、法人業務は、前連結会計年度に見られた大口の有価証券売却益がなくなったことや、昭和リースにおいて個別貸倒引当金の繰入が発生したものの、顧客基盤の拡充や収益力の強化に向けた取り組みが成果を上げつつあり、法人営業業務および昭和リースでの保有株式の売却益の計上に加えて、プリンシパルトランザクションズ業務での持分法投資利益の増加や、法人営業業務での手数料収入の増加等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。

   金融市場業務は、顧客基盤拡充に向けた継続的な取り組みに注力するとともに、他業務とも連携しつつ、お客さまのニーズに即した商品の開発・提供に努めた結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。

   個人業務について、まずリテールバンキングは、各業務を積極的に展開したものの、主に資産運用商品の販売や住宅ローンが苦戦して業務粗利益が減少したことから、セグメント損益は前連結会計年度に比べて減少しました。

   次にコンシューマーファイナンスは、レイクは引き続き順調に推移し、アプラスフィナンシャルにおいても住宅関連ローンの取り扱いが増加したこと等から業務粗利益は前連結会計年度に比べて増加し、無担保ローンの貸出金増加に伴う与信関連費用の増加はあったものの、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。

   「経営勘定/その他」は、ALM業務を所管するトレジャリーにおいて国債等の債券関係損益が減少したこと等により、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。

詳細は、「第5 経理の状況」中、1「(1)連結財務諸表」の「セグメント情報等」をご覧ください。

(財政状態)

 当連結会計年度末において、総資産は9兆4,566億円(前連結会計年度末比1,983億円増加)となりました。

主要な勘定残高としては、貸出金は、法人向け貸出においてリスクリターンを重視した取り組みを行う中、ストラクチャードファイナンス業務で残高を積み上げたことや、個人向け貸出において住宅ローン残高が減少したものの、コンシューマーファイナンス業務で引き続き残高が増加したことから、全体では4兆8,959億円(前連結会計年度末比625億円増加)となりました。有価証券は1兆1,235億円(同比1,088億円増加)となり、このうち、日本国債の残高は5,045億円(同比89億円増加)となりました。一方、預金・譲渡性預金は6兆670億円(同比2,041億円増加)となり、引き続き、当行の安定的な資金調達基盤の重要な柱である個人のお客さまからの預金を中心に各ビジネスを積極的に推進するのに十分な水準を維持しております。また、社債は850億円(同比276億円減少)となりました。

純資産は、公的資金返済の道筋をつけることを目指して、資本の状況や収益力、1株当たりの価値等に鑑み行われた平成30年1月31日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得を進めたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、8,560億円(前連結会計年度末比352億円増加)となりました。

 

不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は84億円(前事業年度末は104億円)、不良債権比率は0.17%(前事業年度末は0.22%)と、引き続き低水準を維持しております。

銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は12.83%となり、引き続き十分な水準を確保しております。

 

(キャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、資金運用による収入、預金の増加による収入等と、貸出金の増加による支出等により1,674億円の収入(前連結会計年度は1,756億円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得による支出が、売却・償還による収入を上回ったこと及びシステム開発に係る支出等により442億円の支出(同1,354億円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、劣後特約付社債の償還等により183億円の支出(同615億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比1,047億円増加し、1兆4,345億円となりました。

 

 

 

生産、受注及び販売の実績

 「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないことから記載しておりません。

 

  国内・海外別貸出金残高の状況

 ○ 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額 (百万円)

構成比(%)

金 額 (百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

4,730,061

100.00

4,756,427

100.00

製造業

198,901

4.20

189,633

3.99

農業,林業

3

0.00

55

0.00

漁業

55

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

375

0.01

406

0.01

建設業

8,987

0.19

7,675

0.16

電気・ガス・熱供給・水道業

230,788

4.88

250,160

5.26

情報通信業

42,914

0.91

70,595

1.48

運輸業,郵便業

188,043

3.98

197,930

4.16

卸売業,小売業

114,582

2.42

114,536

2.41

金融業,保険業

573,802

12.13

509,194

10.71

不動産業

575,600

12.17

565,904

11.90

各種サービス業

330,146

6.98

344,601

7.24

地方公共団体

76,712

1.62

68,413

1.44

その他

2,389,146

50.51

2,437,318

51.24

海外及び特別国際金融取引勘定分

103,391

100.00

139,536

100.00

政府等

582

0.56

388

0.28

金融機関

7,366

7.13

30,846

22.11

その他

95,441

92.31

108,300

77.61

合計

4,833,452

4,895,963

(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。

   2.「海外」とは、海外連結子会社であります。

(単体情報)

(参考)当行の単体情報のうち、参考として以下の情報を掲げております。

  損益状況(単体)

(1)損益の概要

 

前事業年度

(百万円)

当事業年度

(百万円)

増減

(百万円)

(B)-(A)

業務粗利益

111,139

110,856

△282

 

(除く金銭の信託運用損益)

106,665

108,830

2,164

 

資金利益

90,960

105,492

14,531

 

役務取引等利益

△2,978

△10,418

△7,439

 

 

うち金銭の信託運用損益

4,473

2,026

△2,447

 

特定取引利益

4,070

4,575

505

 

その他業務利益

19,087

11,206

△7,880

 

 

うち債券関係損益

10,265

2,670

△7,594

経費(除く臨時処理分)

77,620

79,055

1,435

 

人件費

26,925

27,426

501

 

物件費

44,857

45,999

1,142

 

 

うちのれん償却額

165

165

0

 

税金

5,837

5,629

△208

業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

29,045

29,774

729

一般貸倒引当金繰入額(1)

1,801

2,212

410

業務純益

27,243

27,562

318

実質業務純益

33,519

31,801

△1,718

臨時損益(除く金銭の信託運用損益)

1,320

7,139

5,819

 

株式等関係損益

2,754

4,371

1,616

 

不良債権処理額(2)

2,130

△916

△3,047

 

 

貸出金償却

1,878

114

△1,763

 

 

個別貸倒引当金純繰入額

543

325

△218

 

 

特定海外債権引当勘定繰入額

△0

△0

0

 

 

償却債権取立益(△)

△290

△1,356

△1,065

 

 

貸倒引当金戻入益(△)

 

 

その他の債権売却損等

 

その他臨時損益

696

1,851

1,155

経常利益

32,858

36,586

3,727

特別損益

7,987

4,402

△3,584

 

うち固定資産処分損益及び減損損失

△230

△1,186

△956

税引前当期純利益

40,845

40,989

143

法人税、住民税及び事業税

△1

△2,656

△2,655

法人税等調整額

△2,578

3,136

5,714

当期純利益

43,425

40,510

△2,915

 

 

 

 

 

 

(参考)

 

 

 

与信関連費用(1)+(2)

3,932

1,295

△2,637

 

 

 (注)1.業務粗利益=(資金運用収支+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支+金銭の信託運用損益

 金銭の信託運用損益はクレジットトレーディング関連利益等が含まれており、本来業務にかかる損益ととらえております。

2.業務純益=業務粗利益(除く金銭の信託運用損益)-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額

3.実質業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)

4.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除されているものであります。

5.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。本表では、さらに金銭の信託運用損益を除いた金額を記載しております。

6.債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却

7.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

8.前事業年度の貸倒引当金は全体で2,345百万円の繰入超(うち、一般貸倒引当金については、1,801百万円の繰入)となっております。また、当事業年度の貸倒引当金は全体で2,537百万円の繰入超(うち、一般貸倒引当金については、2,212百万円の繰入となっております。

9.前事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損1,077百万円及び関係会社清算損4百万円を特別損失に計上しております。また当事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損969百万円及び関係会社清算損21百万円を特別損失に計上しております。

 

(2)営業経費の内訳

 

前事業年度(百万円)

当事業年度(百万円)

増減(百万円)

(B)

(B)-(A)

給料・手当

22,169

22,583

414

退職給付費用

1,714

2,085

371

福利厚生費

3,889

4,017

127

減価償却費

7,330

6,613

△716

土地建物機械賃借料

7,003

6,918

△85

営繕費

2,866

2,925

59

消耗品費

493

494

1

給水光熱費

680

671

△9

旅費

474

528

54

通信費

1,055

1,286

231

広告宣伝費

6,841

7,202

361

租税公課

5,837

5,629

△208

その他

18,679

18,494

△184

79,036

79,453

417

 (注) 損益計算書中「営業経費」の内訳であります。

  利鞘(国内業務部門)(単体)

 

前事業年度(%)

当事業年度(%)

増減(%)

(B)

(B)-(A)

(1)資金運用利回

1.61

1.80

0.19

貸出金利回

 

1.95

2.03

0.08

有価証券利回

 

1.01

1.78

0.77

(2)資金調達原価

1.31

1.29

△0.02

資金調達利回

0.10

0.10

0.00

預金利回

 

0.08

0.09

0.01

(3)総資金利鞘

①-②

0.30

0.51

0.21

(4)資金運用利回-資金調達利回

①-③

1.51

1.70

0.19

 (注)1.「国内業務部門」とは本邦店の居住者向け円建諸取引であります(但し特別国際金融取引勘定を除く)。

2.預金には譲渡性預金を含んでおります。

  ROE(単体)

 

前事業年度(%)

当事業年度(%)

増減(%)

(B)

(B)-(A)

実質業務純益ベース

4.23

3.88

△0.35

業務純益ベース(一般貸倒引当金繰入前)

3.67

3.64

△0.03

業務純益ベース

3.44

3.37

△0.08

当期純利益ベース

5.49

4.95

△0.54

 

  預金・貸出金の状況(単体)

(1)預金・貸出金の残高

 

前事業年度(百万円)

当事業年度(百万円)

増減(百万円)

(B)

(B)-(A)

預金(末残)

5,992,609

6,228,183

235,574

預金(平残)

5,909,138

6,055,461

146,322

貸出金(末残)

4,536,434

4,637,953

101,518

貸出金(平残)

4,379,006

4,581,570

202,563

 (注) 預金には譲渡性預金を含んでおります。

(2)個人・法人別預金残高(国内)

 

前事業年度(百万円)

当事業年度(百万円)

増減(百万円)

(B)

(B)-(A)

個人

4,874,623

4,883,369

8,745

法人

744,032

905,461

161,429

5,618,655

5,788,830

170,175

 (注) 譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分を除いております。

(3)消費者ローン残高

 

前事業年度(百万円)

当事業年度(百万円)

増減(百万円)

(B)

(B)-(A)

住宅ローン残高

1,340,548

1,268,930

△71,618

その他ローン残高

248,470

287,405

38,934

1,589,019

1,556,335

△32,684

 

(4)中小企業等貸出金

 

前事業年度

当事業年度

増減

(B)

(B)-(A)

中小企業等貸出金残高

百万円

2,985,812

3,029,597

43,784

総貸出金残高

百万円

4,433,043

4,498,416

65,373

中小企業等貸出金比率

①/②

67.35

67.35

△0.01

中小企業等貸出先件数

640,908

707,923

67,015

総貸出先件数

641,418

708,413

66,995

中小企業等貸出先件数比率

③/④

99.92

99.93

0.01

 (注)1.貸出金残高には、海外店分及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。

2.中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人であります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

 自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が
適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

 なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

            (単位:億円)

 

平成29年3月31日

平成30年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

13.06%

12.83%

2.連結における自己資本の額

8,123

8,141

3.リスク・アセットの額

62,199

63,427

4.連結総所要自己資本額

5,513

5,927

 

 

 単体自己資本比率(国内基準)

            (単位:億円)

 

平成29年3月31日

平成30年3月31日

1.自己資本比率(2/3)

14.71%

14.85%

2.単体における自己資本の額

8,284

8,318

3.リスク・アセットの額

56,300

56,002

4.単体総所要自己資本額

4,775

4,931

 

(資産の査定)

(参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3.要管理債権

 要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

資産の査定の額

債権の区分

平成29年3月31日

平成30年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

30

18

危険債権

36

36

要管理債権

38

30

正常債権

47,068

47,157

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

 経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

 当行グループの当連結会計年度の経営成績等は、業務粗利益(資金利益、非資金利益の合計)の増加と生産性改革の効果で経費はほぼ横ばいに抑えた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は514億円となり、期初に設定した利益計画510億円を達成いたしました。また、成長分野であるストラクチャードファイナンスや無担保カードローンの残高は、前連結会計年度末比で増加しており、堅調に推移しました。

 

 当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。

 

(1) 経営成績の分析

① 連結損益の状況

 資金運用収益から資金調達費用を控除したネットの資金利益については、無担保ローンを始めとしたコンシューマーファイナンス業務での貸出増加による収益伸長等により、前連結会計年度に比べて増加しました。

役務取引等収益・特定取引収益・その他業務収益から各費用を控除したネットの非資金利益、保有株式関連のネット損益および金銭の信託運用損益(クレジットトレーディング関連利益等を含む)については、法人業務において保有株式の売却益の計上や持分法投資利益および手数料収入が増加したものの、前連結会計年度に見られた大口の有価証券売却益がなくなったことや、ALM業務での国債等の売却益やリテールバンキング業務での資産運用商品の販売関連収益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて減少しました。

次に、人件費・物件費といった経費については、業務基盤拡充を図るためのシステム費および広告費が増加したものの、生産性改革プロジェクトを通じて引き続き効率的な業務運営を推進した結果、人件費等の諸費用が減少したことにより、前連結会計年度並みとなりました。

与信関連費用については、主にコンシューマーファイナンス業務における貸出金増加に伴う貸倒引当金繰入額の増加に加え、法人業務において個別貸倒引当金の繰入が発生した結果、前連結会計年度に比べて増加しました。利息返還損失引当金については、近時の利息返還動向に基づき、将来の過払負担をカバーするために、必要額を再計算した結果、全体で60億円の取崩超となり、当該金額を利息返還損失引当金戻入益に計上いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は568億円(前連結会計年度比92億円増加)となりました。

 また、特別損益はネットで14億円の損失となり、さらに法人税、住民税及び事業税12億円(損)、法人税等調整額25億円(損)非支配株主に帰属する当期純利益1億円(損)を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は514億円(前連結会計年度比6億円増加)となりました。

 

 セグメント別の収益状況等は、「1.経営成績等の状況の概要 〔業績の概況〕 (経営成績)」に記載しております。

 

  <連結>

 

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(億円)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(億円)

増減(億円)

経常収益

3,804

3,838

34

資金運用収益

1,384

1,485

100

役務取引等収益

492

501

9

特定取引収益

73

85

11

その他業務収益

1,592

1,413

△179

 うちリース収入

811

745

△66

 うち割賦収入

337

338

1

その他経常収益

260

353

92

 うち利息返還損失引当金戻入益

60

60

経常費用

3,329

3,270

△58

資金調達費用

162

197

35

役務取引等費用

237

250

13

特定取引費用

その他業務費用

964

878

△86

 うちリース原価

733

693

△40

 うち割賦原価

28

29

0

営業経費

1,494

1,469

△25

 のれん償却額

35

27

△7

 無形資産償却額

16

12

△4

 その他の営業経費

1,442

1,429

△12

その他経常費用

470

474

4

うち貸倒引当金繰入額

348

430

82

うち利息返還損失引当金繰入額

51

△51

経常利益

475

568

92

特別損益

42

△14

△56

うち固定資産処分損益

△2

5

7

税金等調整前当期純利益

517

554

36

法人税、住民税及び事業税

21

12

△8

法人税等調整額

△9

25

34

非支配株主に帰属する当期純利益

(△は純損失)

△2

1

3

親会社株主に帰属する当期純利益

507

514

6

 

1株当たり当期純利益(注2)

194円65銭

199円01銭

4円35銭

潜在株式調整後1株当たり当期純利益(注2)

194円64銭

198円98銭

4円34銭

1株当たり純資産額(注2)

3,163円89銭

3,376円39銭

212円50銭

潜在株式調整後1株当たり純資産額

(注2)

3,163円73銭

3,37599

21226

 

(注)1. セグメント別の詳細については、「第5 経理の状況」中、1「(1)連結財務諸表」の「セグメント情報等」をご参照ください。

2. 指標算式は以下をご参照ください。

      指標算式

○1株当たり当期純利益

 

親会社株主に帰属する当期純利益-普通株主に帰属しない金額*1

 

 

普通株式の期中平均株式数*2

 

○潜在株式調整後1株当たり当期純利益

 

親会社株主に帰属する

当期純利益

普通株主に

帰属しない金額*1

親会社株主に帰属する

当期純利益調整額*4

 

(普通株式の期中平均株式数*2+普通株式増加数)*3

○1株当たり純資産額

 

純資産の部合計*5-控除する金額*6

 

 

期末発行済普通株式数*2

 

○潜在株式調整後1株当たり純資産額

 

純資産の部合計*5

 

 

(期末発行済普通株式数*2+普通株式増加数)*3

 

 *1 優先株式の配当金総額
 *2  自己株式を除く
   自己株式控除後期中平均普通株式数(連結)
         前連結会計年度  260,768,079株 当連結会計年度  258,349,136株
     自己株式控除後期末普通株式数(連結)
         前連結会計年度末 258,839,093株 当連結会計年度末 252,868,614株
 *3  潜在株式調整後期中平均普通株式数(連結)
     前連結会計年度  260,779,479株 当連結会計年度  258,376,805株
   潜在株式調整後期末普通株式数(連結)
     前連結会計年度末 258,852,515株 当連結会計年度末 252,898,756株
 *4  優先株式の配当額等
 *5 期末純資産の部合計から、期末新株予約権及び期末非支配株主持分を控除
 *6  優先株式発行金額及び優先株式配当額

 

平成29年10月1日付で普通株式10株につき1株の割合で株式併合をいたしました。前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり数値を算出しております。

 

② 単体損益の状況

 当事業年度は、資金利益については、コンシューマーファイナンス業務での貸出増加による収益伸長や、新生フィナンシャルなどの子会社からの配当金が増加したことなどにより、前事業年度に比べて増加しました。

 非資金利益である役務取引等利益(含む金銭の信託運用損益)・特定取引利益・その他業務利益については、前事業年度に見られた大口の有価証券売却益がなくなったことや、コンシューマーファイナンス業務に係る支払保証料の増加、ALM業務での国債などの売却益やリテールバンキング業務での資産運用商品の販売関連収益が減少したことなどにより、前事業年度に比べて減少しました。

 この結果、当事業年度の業務粗利益は前事業年度に比べて2億円減少1,108億円となりました。

 経費については、主にグループ各社の間接機能を実質的に統合したグループ本社を当行内に設置したことに伴い、グループ各社の間接部署の経費の一部が当行に集約されたことにより、前事業年度に比べて14億円増加790億円となりました。

 以上の結果、実質業務純益は318億円(前事業年度比17億円減少)となりました。

 次に、与信関連費用については、法人業務のストラクチャードファイナンス案件の新規実行などに伴い貸倒引当金の繰り入れが増加したものの、前事業年度に比べて減少しました。株式等関係損益については、法人業務の投資株式の売却益などにより、前事業年度に比べて増加しました。この結果、当事業年度の経常利益は365億円(前事業年度比37億円増加)となりました。

 加えて、特別損益は関係会社株式償還益等により44億円の利益(前事業年度は79億円の利益)となり、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額にて4億円(損)を計上した結果、当事業年度の当期純利益は405億円(前事業年度比29億円減少)となりました。

  <単体>

 

前事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(億円)

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(億円)

増減(億円)

業務粗利益 (注1)

1,111

1,108

△2

資金利益

909

1,054

145

役務取引等利益 (注1)

うち金銭の信託運用損益

△29

44

△104

20

△74

△24

特定取引利益

40

45

5

その他業務利益

うち債券関係損益

190

102

112

26

△78

△75

経費(除く臨時処理分)

776

790

14

人件費

269

274

5

物件費

448

459

11

税金

58

56

△2

実質業務純益 (注1)

(一般貸倒引当金繰入前・
金銭の信託運用損益加算後)

335

318

△17

一般貸倒引当金繰入額

18

22

4

臨時損益 (注2)

11

69

58

株式等関係損益

27

43

16

不良債権処理額

21

△9

△30

退職給付関連費用

0

4

3

その他臨時損失・費用 (注2)

△5

△21

△15

経常利益

328

365

37

特別損益

79

44

△35

うち固定資産処分損益

△1

△0

0

税引前当期純利益

408

409

1

法人税、住民税及び事業税

△0

△26

△26

法人税等調整額

△25

31

57

当期純利益

434

405

△29

(注)1.金銭の信託運用損益はクレジットトレーディング関連利益等が含まれており、本来業務にかかる損益ととらえております。そのため、業務粗利益・役務取引等利益・実質業務純益に加えて報告しております。

2.臨時損益には、金銭の信託運用見合費用を含めております。

 

③ ROA、ROE、RORA

  <連結>

 

 

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(%)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(%)

増減(%)

ROA(注1)

親会社株主に帰属する

当期純利益ベース

0.6

0.5

△0.0

ROE(注2)

親会社株主に帰属する

当期純利益ベース

6.3

6.1

△0.2

潜在株式調整後
ROE(注3)

親会社株主に帰属する

当期純利益ベース

6.3

6.1

△0.2

RORA(注4)

親会社株主に帰属する

当期純利益ベース

0.8

0.8

△0.0

 

  <単体>

 

 

前事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(%)

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(%)

増減(%)

ROE (注2)

実質業務純益ベース

4.23

3.88

△0.35

当期純利益ベース

5.49

4.95

△0.54

(注)1.(期首総資産+期末総資産)/2を計算上、分母として用いております。

2.算出式:

(親会社株主に帰属する)当期純利益-優先株式配当額

(期首の普通株式に係る純資産額+期末の普通株式に係る純資産額)/2

3.算出式:

 

親会社株主に帰属する当期純利益

{(期首純資産の部合計-期首新株予約権-期首非支配株主持分)

+(期末純資産の部合計-期末新株予約権-期末非支配株主持分)}/2

 

4.算出式:

親会社株主に帰属する当期純利益

期末リスクアセット額(バーゼルⅢ国際統一基準完全施行ベース)

 

④ 与信関連費用

 連結ベースでは主にコンシューマーファイナンス業務における貸出金増加に伴う貸倒引当金繰入額の増加に加え、昭和リースにおいて個別貸倒引当金の繰入が発生した結果、前連結会計年度に比べて増加しました。連結ベースでの不良債権処理額が単体比多くなっておりますのは、主に新生フィナンシャル及びアプラスフィナンシャル等のコンシューマーファイナンス子会社における与信関連費用の計上によるものであります。

 

  <連結>

 

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(億円)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(億円)

増減(億円)

貸出金償却・債権処分損

24

5

△19

貸倒引当金繰入額

346

430

84

一般貸倒引当金繰入額

218

280

61

個別貸倒引当金繰入額(△取崩額)

127

149

22

特定海外債権引当勘定繰入額

(△取崩額)

△0

△0

0

その他貸倒引当金繰入額

2

△2

リース原価に含まれる不良債権処理額

△0

6

7

償却債権取立益(△)

△53

△69

△16

合計

318

372

53

 

  <単体>

 

前事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(億円)

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(億円)

増減(億円)

貸出金償却・債権処分損

18

1

△17

貸倒引当金繰入額(△戻入益)

23

25

1

一般貸倒引当金繰入額

18

22

4

個別貸倒引当金繰入額(△取崩額)

5

3

△2

特定海外債権引当勘定繰入額  (△取崩額)

△0

△0

0

償却債権取立益(△)

△2

△13

△10

合計

39

12

△26

 

(2) 財政状態等の分析

① 連結貸借対照表

  連結貸借対照表の主要勘定の推移は、以下のとおりであります。

  <連結>

 

平成29年3月末(億円)

平成30年3月末(億円)

増減(億円)

資産の部合計

92,583

94,566

1,983

うち貸出金

48,334

48,959

625

うち有価証券

10,146

11,235

1,088

うちのれん

146

119

△27

うち無形資産

25

12

△12

うち支払承諾見返

3,466

3,953

486

負債の部合計

84,375

86,006

1,630

うち預金・譲渡性預金

58,629

60,670

2,041

うち社債

1,126

850

△276

うち借用金

7,896

7,395

△500

うち支払承諾

3,466

3,953

486

純資産の部合計

8,207

8,560

352

 うち非支配株主持分

12

19

6

総資産……貸出金や有価証券等の増加により、前連結会計年度末比1,983億円増となりました。

貸出金……法人向け貸出においてストラクチャードファイナンス業務で残高を積み上げたことや、個人向け貸出において住宅ローン残高が減少したものの、コンシューマーファイナンス業務で引き続き残高が増加したことから、前連結会計年度末比625億円増となりました。

有価証券…主にストラクチャードファイナンス業務で社債の残高を積み上げたことや、ALM目的で保有している外国公社債の保有残高が増加したこと等により、前連結会計年度末比1,088億円増となりました。

     なお、その他有価証券で時価のあるものの評価差額は以下のとおりであります。

    <連結>

 

平成29年3月末

評価差額(億円)

平成30年3月末

評価差額(億円)

株式

145

106

債券

△6

△17

国債

0

0

地方債

0

社債

△6

△17

その他

3

△17

合計

142

71

   (注)上記評価差額のほか、流動性が乏しいことにより過年度に「その他有価証券」から「満期保有目的の債券」の区分に変更した外国債券に係る金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(平成29年3月末102億円、平成30年3月末51億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。

 

のれん・無形資産……昭和リース、新生パーソナルローン及び新生フィナンシャルに対する全面時価評価法の適用により、各社の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(平成30年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。

 

 

償却方法・期間

平成30年3月末残高

(億円)

平成29年度償却額

(億円)

昭和リース

 

 

 

のれん

定額法(20年)

150

21

無形資産

 

9

2

商権価値(顧客関係)

級数法(20年)

8

2

契約価値(サブリース契約関係)

定額法(契約残存年数による)

1

0

新生パーソナルローン

 

 

 

負ののれん(△)

定額法(20年)

△34

△3

新生フィナンシャル

 

 

 

 のれん

級数法(10年)

3

9

無形資産

 

3

9

商標価値

定額法(10年)

1

2

商権価値(顧客関係)

級数法(10年)

2

6

合計

 

 

 

 のれん(負ののれん相殺後)

 

119

27

 無形資産

 

12

12

(注)上記以外の子会社に係るものとして、別途、負ののれん償却額が△0億円あります。

 

支払承諾見返……主として、アプラスフィナンシャルの信用保証業に係る保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾見返に計上しているものであり、当該保証残高の増加に伴い当勘定も前連結会計年度末比486億円増となりました。

預金・譲渡性預金……預金・譲渡性預金の合計残高は前連結会計年度末比2,041億円増となりました。当行では個人のお客さまからの預金を中心に据えて、安定的な資金調達基盤の確立を継続的に進めております。なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。

<連結>

 

平成29年3月末
(億円)

平成30年3月末
(億円)

増減
(億円)

定期預金合計

27,567

26,910

△657

 3カ月未満

15,897

16,793

895

3カ月以上6カ月未満

1,511

2,273

762

6カ月以上1年未満

2,359

4,671

2,312

1年以上2年未満

5,412

765

△4,647

 2年以上3年未満

731

710

△20

 3年以上

1,653

1,695

41

 

社債………当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リースが発行したものであり、前連結会計年度末比276億円減となりました。

 

 

借用金……当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれております。

 

なお、当行単体の貸借対照表の推移は、以下のとおりであります。

<単体>

 

平成29年3月末(億円)

平成30年3月末(億円)

増減(億円)

資産の部合計

80,517

82,074

1,556

うち貸出金

45,364

46,379

1,015

うち有価証券

13,693

14,523

830

負債の部合計

72,438

73,769

1,330

うち預金・譲渡性預金

59,926

62,281

2,355

うち個人預金

48,746

48,833

87

うち社債

576

450

△126

純資産の部合計

8,079

8,305

226

 

当行単体の貸出金の残存期間別残高は以下のとおりであります。

<単体>

 

平成29年3月末
(億円)

平成30年3月末
(億円)

増減
(億円)

貸出金合計

45,364

46,379

1,015

 1年以下

7,250

7,990

740

1年超3年以下

7,304

8,065

761

3年超5年以下

7,975

7,177

△798

5年超7年以下

2,512

3,012

499

 7年超

17,643

17,073

△570

 期間の定めの無いもの

2,678

3,060

382

うち固定金利

───

───

───

1年以下

───

───

───

1年超3年以下

145

185

40

3年超5年以下

166

172

6

5年超7年以下

333

389

55

7年超

9,939

9,581

△357

期間の定めの無いもの

2,593

2,991

398

うち変動金利

───

───

───

1年以下

───

───

───

1年超3年以下

7,158

7,879

721

3年超5年以下

7,809

7,004

△804

5年超7年以下

2,178

2,622

443

7年超

7,704

7,491

△212

期間の定めの無いもの

85

68

△16

(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。

② 不良債権の状況

(ⅰ) リスク管理債権

 リスク管理債権及び貸倒引当金の推移は以下のとおりであります。
 リスク管理債権とは、銀行法に基づく開示債権であり、貸出金を元本及び利息の返済状況等に基づき「破綻先債権」「延滞債権」「3カ月以上延滞債権」「貸出条件緩和債権」に区分したものであります。開示対象資産は貸出金のみであり、この点、金融再生法の開示基準に基づく債権と異なります。なお、「第2 事業の状況」中、「2 事業等のリスク」の「13.貸倒引当金の十分性について」もご参照ください。

  <連結>

債権区分

平成29年3月末

(億円)

平成30年3月末

(億円)

増減(億円)

破綻先債権額

46

56

10

延滞債権額

333

311

△21

3カ月以上延滞債権額

17

18

1

貸出条件緩和債権額

320

362

42

合計 (A)

717

749

31

 

貸出金残高(末残)

48,334

48,959

625

貸出金残高比(%)

1.5

1.5

0.0

 

貸倒引当金 (B)

1,001

1,008

6

引当率(B/A×100)(%)

139.6

134.6

△5.0

(注)1. 貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。

   2. 「その他資産」に含まれる割賦売掛金のうち、平成29年3月末現在で、破綻先債権額は1億円、延滞債権額は93億円、3カ月以上延滞債権額は4億円、貸出条件緩和債権額は1億円、平成30年3月末現在で、破綻先債権額は0億円、延滞債権額は72億円、3カ月以上延滞債権額は3億円、貸出条件緩和債権額は0億円であります。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。

  <単体>

債権区分

平成29年3月末

(億円)

平成30年3月末

(億円)

増減(億円)

破綻先債権額

7

5

△1

延滞債権額

57

47

△10

3カ月以上延滞債権額

11

11

△0

貸出条件緩和債権額

26

18

△7

合計 (A)

103

83

△19

 

貸出金残高(末残)

45,364

46,379

1,015

貸出金残高比(%)

0.2

0.2

△0.0

 

貸倒引当金 (B)

293

267

△26

引当率(B/A×100)(%)

283.1

319.0

36.0

(注)貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。

 

(ⅱ) 金融再生法の開示基準に基づく債権

 金融再生法の開示基準に基づく債権及び貸倒引当金の推移は以下のとおりであります。
 金融再生法の開示基準に基づく債権とは、金融再生法に基づく開示債権であり、貸出金、外国為替、未収利息、仮払金、当行保証付私募債等について(但し、要管理債権は貸出金のみ)、債務者の財政状態や経営成績等に基づき、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」「危険債権」「要管理債権」に区分したものであります。

  <単体>

債権区分

平成29年3月末

(億円)

平成30年3月末

(億円)

増減(億円)

破産更生債権及び
これらに準ずる債権

30

18

△11

危険債権

36

36

△0

要管理債権

38

30

△7

合計 (A)

104

84

△19

(参考)要注意債権以下

634

520

△114

 

総与信残高(末残)

47,172

47,241

69

総与信残高比(%)

0.22

0.17

△0.05

 

保全額 (B)

貸倒引当金

担保保証等

77

34

44

55

30

25

△22

△4

△18

保全率(B/A×100)(%)

74.2

65.8

△8.5

 

 当行単体の金融再生法開示債権ベースの不良債権額は84億円であり、総与信残高に対する同債権額の割合は0.17%となっております。

 なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。

 

 

平成29年3月末  (%)

平成30年3月末  (%)

増減 (%)

実質破綻・破綻先

無担保部分の

100.00

100.00

破綻懸念先

無担保部分の

58.20

55.74

△2.46

要管理先

無担保部分の

52.30

39.66

△12.64

その他要注意先

 

債権額の

無担保部分の

3.70

6.62

5.39

11.18

1.69

4.56

正常先

債権額の

0.41

0.44

0.03

 

③ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性

 資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は12.83%と十分な水準を確保しております。

 当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。

 

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「1.経営成績等の状況の概要 〔業績の概況〕 (キャッシュ・フロー)」に記載しております。

 

④ 自己資本比率

  当行は、信用リスクの算出手法として基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスクの算出手法として粗利益配分手法を、またマーケット・リスクの算出方法として内部モデル手法を、それぞれ金融庁の承認を得て採用しております。基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。

 バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は以下の通りです。

連結自己資本比率(国内基準)

               (単位:億円)

 

平成29年3月31日

平成30年3月31日

増減

1.連結自己資本比率(2/3)

13.06%

12.83%

△0.23%

2.連結における自己資本の額

8,123

8,141

17

3.リスク・アセットの額

62,199

63,427

1,227

4.連結総所要自己資本額

5,513

5,927

414

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当ありません。

 

5【研究開発活動】

該当ありません。