当期は、政府の景気対策効果や円安進行に伴い大企業製造業の収益に改善が見られる等、国内経済は緩やかな回復基調となりました。一方、消費税増税や物価上昇を背景に生活必需品に対する購買意欲の冷え込みが続く等、国内の消費回復は鈍く、小売業を中心に事業展開する当社の経営環境は厳しい状況となりました。
このような環境の中、当社は、低価格で食品・日用品を提供する販促企画や「トップバリュ」約5,000品目における本体価格の値下げ等、価格優位を実現する施策に取り組むとともに、地域生産者との協働による地元産品の拡充により、地域密着を深耕する催事企画「じものの日」を全国2,000店舗で開始し、グループの市場競争力向上に努めました。加えて、厳しさが続く小売業態の収益性向上のため、㈱ダイエーの完全子会社化を契機に両社の規模を活かした合同セールや「お客さま感謝デー」の開催拡大のほか、年間最大の商戦となる年末年始には、全国のGMS(総合スーパー)及びSC(ショッピングセンター)内の専門店を合わせた約30,000店舗において、週替わりで新商品・サービスを提案する「サプライズ!10WEEKS」を実施する等、スケールメリットを発揮する販促企画を推し進め、集客を図りました。これらの取り組みの結果、当社及び連結子会社284社の連結営業収益は過去最高となる7兆785億77百万円(前期比110.7%)、連結営業利益は1,413億68百万円(同82.5%)、連結経常利益は1,525億9百万円(同86.2%)、当期純利益は420億69百万円(同92.3%)となりました。
また、イオングループ中期経営計画(2014~2016年度)の初年度である当期は、グループ共通戦略の「アジア」「都市」「シニア」「デジタル」の「4シフトの加速」及び「商品本位の改革」の推進、並びに、それら成長戦略を支える新たな基盤構築に向け、国内外で事業・組織再編を実施しました。
国内では、「シニアシフト」を牽引するドラッグ・ファーマシー事業において、平成26年10月、当社は、ウエルシアホールディングス㈱(以下、ウエルシアHLDSという。)及び㈱CFSコーポレーションと、日本一のドラッグストアチェーンの構築を目指す「経営統合に関する基本合意書」を締結しました。また、シナジー効果を最大限に創出する強固な連携の確立を目的に、ウエルシアHLDSに対して普通株式の公開買い付けを行い、平成26年11月、同社を新たに連結子会社としました。さらに、平成26年10月、当社は「都市シフト」の一層の深化に向け、共同持株会社となる「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱の設立に関する経営統合契約」を丸紅㈱、及びSM(スーパーマーケット)企業3社(㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱)との間で締結しました。同SM企業3社が培ってきた経営ノウハウを融合し、成長市場と期待される首都圏でのエリア・ドミナンスを推し進め、同圏ナンバーワンとなるSM企業を目指します。
海外では、平成26年6月、イオンモールカンボジア(AEON MALL(CAMBODIA)CO.,LTD.)及びイオンカンボジア(AEON(CAMBODIA)Co.,Ltd.)が、カンボジアでは当社グループ初出店となる「イオンモールプノンペン」を開設する等、経済成長著しいアセアンでの事業展開を進めました。ベトナムにおいては、スピードある成長を実現するべく、南部最大の都市ホーチミン市を拠点にSM事業を展開するCITIMART社に続き、平成26年11月には首都ハノイ市最大のSM企業FIVIMART社と資本・業務提携の合意に至りました。
「商品本位の改革」については、イオンのブランド「トップバリュ」の認知度の向上を目的に、「トップバリュ」「トップバリュ セレクト」及び「トップバリュ ベストプライス」からなる「トップバリュ」3層構造、並びにオーガニック商品等を提供する「トップバリュ グリーンアイ」の4つの体系に集約し、それぞれの深化を図るとともに、お客さまの“いま”のニーズに対応する商品開発・提供に努めました。とりわけ、「トップバリュ グリーンアイ」オーガニックシリーズについては、需要が高まりつつあるオーガニック市場でのいち早いシェア獲得に向け、その品目数を国内大手小売業のPB(プライベートブランド)では最大となる120品目まで拡大し、全国のグループ約4,000店舗にて商品展開しました。これらの取り組みにより、当期のグループ全体の「トップバリュ」売上高は、7,799億円(対前期比105.2%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は変更後の区分により作成した情報に基づいて記載しております。
GMS事業は、営業収益3兆3,555億84百万円(前期比109.9%)、営業損失16億46百万円(前期より366億85百万円の減益)となりました。
イオンリテール㈱は、高収益体質への転換を目指し、「トップバリュ」商品の拡充や、専門性の高い品揃えやサービスを提供する「売場の専門店化」、及び店舗競争力を高める「既存店舗の活性化」に引き続き取り組みました。これらGMS改革の推進に加え、「イオンカード」やイオンの電子マネー「WAON」を活用した全国一斉セールを開催する等、集客効果を高める販促活動にグループ一体となって取り組んだほか、免税制度改正に伴う各種インバウンド対応サービスの拡充や、日豪経済連携協定の発効を踏まえた関税引き下げ先取りセールを全国のGMS「イオン」約400店舗で先行して開催する等、社会・経済情勢の変化に伴い消費拡大が見込まれるマーケットへの対応を強化しました。しかしながら、消費税増税後の消費回復の遅れが長期化したことに加え、集中豪雨や台風等の天候要因も影響し、当期における既存店売上高は、対前期比97.2%(内訳は、衣料95.5%、食品97.5%、住居余暇97.6%)となりました。直営荒利益率については、天候要因による季節商材への影響や、円安進行に伴う原材料価格の高騰等により、前期実績を0.5ポイント下回りました。また、既存店販管費については堅実な経費コントロールに努めたものの、集客施策の強化に向けた販促活動を積極的に実施したこと等から、対前期比100.7%となりました。
SM・DS(ディスカウントストア)・小型店事業は、営業収益2兆1,612億66百万円(前期比109.8%)、営業利益84億95百万円(同47.7%)となりました。
マックスバリュ北海道㈱は、誕生40周年を迎えるイオンのブランド「トップバリュ」や曜日市での販売強化、さらに、商圏特性やお客さまニーズに対応した品揃えや売場づくりが奏功し、営業利益、経常利益、及び当期純利益はいずれも過去最高となりました。
マックスバリュ東海㈱は、「WAON」会員拡大キャンペーン等を充実させ、消費税増税後に高まる節約志向への対応強化に努めたほか、お客さまの人口動態やライフスタイル変化に応じ、小容量の惣菜等をはじめとする簡易・簡便食品の品揃え拡充や、グループ共通企画「じものの日」での地域対応を促進し、収益を拡大しました。
マックスバリュ西日本㈱は、競争環境の変化や、エリア・店舗特性に応じた既存店舗の活性化を進めるとともに、共同仕入れの推進や水産加工センターの新たな操業と店舗への商品供給の開始等、商販一体となる取り組みに注力した結果、業績は好調に推移しました。
総合金融事業は、営業収益3,297億76百万円(前期比115.4%)、営業利益530億58百万円(同129.8%)となりました。
イオンフィナンシャルサービスグループでは、クレジット事業において、今後の消費活動を牽引する若年層の顧客層拡大を図るため、人気キャラクターのデザインを使用した「イオンカード」の発行を開始するとともに、グループのSC内を拠点に金融サービスをワンストップで提供する「暮らしのマネープラザ」において、タブレット端末を活用した入会手続きの簡便化などを図ったことで、カード会員数が増加しました。
銀行業では、「暮らしのマネープラザ」やATMの新設等により営業ネットワークを拡充したほか、住宅ローン契約者を対象とする限定割引特典「イオンセレクトクラブ」や預金の特別金利プランの告知強化を図る等、業容拡大に努めました。また、新たな取り組みとして、訪日・在日外国人のお客さまの利便性向上を目的に、ICカード取引の国際標準規格を日本で初めて取得し、イオン銀行ATMにおいて、海外で発行されたクレジットカードやキャッシュカードで日本円の引き出しが可能となるサービスを開始しました。
電子マネー事業では、㈱イオン銀行において、WAON、クレジットカード、銀行キャッシュカードが一体となった「イオンカードセレクト」をはじめとしたWAON一体型カードの発行を推進するとともに、イオンクレジットサービス㈱では、ウエルシアHLDSやタクシー業界において新たに「WAON」決済サービスを導入する等、加盟店のネットワーク拡充に努めた結果、当期末の「WAON」累計発行枚数は約4,815万枚、取扱高は約1兆9,261億円(対前期比122.1%)と順調に増加しました。
海外事業では、タイにおいて、同国で電子マネー事業を展開するBTSグループホールディングスとの事業提携により、電子マネー一体型カード「AEON Rabbit Member Card」の発行を開始しました。また、インドネシアでのカード会員募集や加盟店ネットワークの拡充、カンボジアにおけるクレジットカード事業の開始に向けた準備等、アセアンでの業容拡大を着実に進めました。
ディベロッパー事業は、営業収益2,496億54百万円(前期比113.6%)、営業利益432億47百万円(同99.7%)となりました。
イオンモール㈱は、国内では西日本最大級のSC「イオンモール岡山」を含む7箇所のSC開設、及び既存SC8箇所のリニューアルを実施しました。国内では、グループ合同となる全国一斉セールに加え、「イオンカード」や「WAON」を活用した販促企画の展開等、グループインフラを活用した施策を中心に集客の向上を図りました。中国では、江蘇省蘇州市において、平成26年4月、地域最大級の商業施設「イオンモール蘇州呉中」を初出店したほか、湖北省では、武漢市人民政府との協力協定に基づき、同省初出店となる「イオンモール武漢金銀潭」を平成26年12月にオープンしました。アセアンでは、収益基盤の拡大に向け、平成26年6月、同社が初めて事業を展開するカンボジアの首都プノンペンに「イオンモール プノンペン」を新設しました。ベトナムでは、イオンモール㈱の現地法人であるイオンモールビンズオン(AEON MALL BINH DUONG CO.,LTD.)が、同国の日系企業で初めてマスターリースライセンスを取得し、イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)が開設した「イオンモール ビンズオンキャナリー」の管理業務を開始しました。
サービス・専門店事業は、営業収益7,049億21百万円(前期比102.0%)、営業利益245億97百万円(同105.3%)となりました。
イオンディライト㈱は、総合FMS(ファシリティマネジメントサービス)事業の拡大を目指し、イオングループの商業施設へのサービス提供とともに、都心の複合型ビルやホテル、医療施設等、グループ外の施設に対する管理業務の受託を積極的に推進しました。中でも、市場の拡大が見込まれる医療・介護分野では、医療施設向けの衛生清掃モデルを新たに構築する等、競争優位の確立とともに、これらの営業活動を強化しました。こうした取り組みが奏功し、同社は5期連続の増収及び11期連続の増益となりました。
㈱イオンファンタジーは、国内においてグループ内外の商業施設へ積極的な出店を進めたことに加え、中国、マレーシア、タイ、及びフィリピンにおいて直営店舗の出店を進め、収益基盤の拡大を図りました。さらに、遊戯機械の海外調達の拡大や、景品原価の適正化によるコスト削減に努めた結果、増収増益となりました。
㈱コックスは、基幹ブランド「ikka」を中心に、メンズ部門の強化に向け、テーラードジャケットを基軸としたビジネスカジュアルや上質なバッグ・革小物等の雑貨商品を拡充したほか、新製品や季節商品の適宜導入を図り、収益を向上しました。さらに、年間を通じて堅実な経費コントロールに努めた結果、業績は大幅に改善しました。
㈱ジーフットは、靴に関する知識・技能を習得したフィッティングアドバイザーを増員する等、幅広い顧客ニーズに対応する接客サービスの向上に取り組むとともに、マスメディアを通じた販促活動やグループが運営するSCへの積極的な出店、さらには、米国を代表するスニーカーブランド・ワークウェアブランドと靴に関するライセンス契約を締結し、国内で独占販売を開始しました。これらの取り組みが奏功し、同社の営業収益及び営業利益はいずれも過去最高となりました。
アセアン事業は、営業収益2,092億17百万円(前期比115.2%)、営業利益61億73百万円(同93.5%)となりました。
イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、「イオンカード」会員へのキャッシュバックキャンペーンやダブルポイント付与等の販促企画の強化や、衣料品を中心に現地で企画・開発した「トップバリュ」商品の拡販により、収益を拡大しました。
イオンビッグマレーシア(AEON BIG(M)SDN.BHD.)は、イオンクレジットサービス(マレーシア)(AEON CREDIT SERVICE(M)BERHAD)とカード会員を対象とした販促企画を共同で展開し、集客の増加に努めました。さらに、イオンマレーシアとの共同仕入れや物流施設の共同利用を開始する等、経営効率の改善を進め、収益を向上しました。
また、イオンカンボジアが、カンボジア初出店となる総合スーパー「イオンプノンペン店」を平成26年6月にオープンしました。ベトナムにおいても、イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)が、同国ホーチミン市に初出店となる総合スーパー「イオンタンフーセラドン店」を平成26年1月に開設したほか、同年11月には、2号店「イオンビンズオンキャナリー店」を開設する等、新規エリアへの事業展開を順調に進めました。
中国事業は、営業収益1,684億95百万円(前期比115.8%)、営業損失8億18百万円(前期より9億46百万円の改善)となりました。
中国では、イオン湖北(AEON(HUBEI)CO.,LTD.)が、湖北省武漢市に同省初出店となる総合スーパー「イオン武漢金銀潭店」を、青島イオン(青島永旺東泰商業有限公司)が、同国東部沿岸の経済・文化の中心都市である青島市に「イオン合肥路SC」を、それぞれ平成26年12月に開設しました。
イオンストアーズ香港(AEON STORES(HONG KONG)CO.,LTD.)は、新規出店を順調に進めたほか、「安全・安心」志向に応える「トップバリュ」商品の拡販やローコストオペレーション等に注力した結果、収益が順調に回復しました。
なお、上記の金額及びこれ以降に記載している売上高、仕入高等には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,450億27百万円増加し、7,781億51百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は3,984億53百万円(前期比82.5%)となりました。前連結会計年度に比べ843億12百万円減少した主な要因は、売上債権の増減額が1,242億4百万円、その他の資産・負債の増減額が771億88百万円、仕入債務の増減額が722億99百万円それぞれ増加した一方で、銀行業における預金が3,107億28百万円、減価償却費等の非資金性費用等を除いた税金等調整前当期純利益が305億14百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は3,618億38百万円(前期比163.3%)となりました。前連結会計年度に比べ1,402億16百万円支出が増加した主な要因は、固定資産の売却による収入が1,147億30百万円減少し、固定資産の取得による支出が601億35百万円増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は955億27百万円(前期は678億6百万円の資金の減少)となりました。前連結会計年度に比べて1,633億34百万円増加した主な要因は、社債の発行による収入が1,387億13百万円、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの増減額が689億5百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
GMS事業 | 3,355,584 | 109.9 |
SM・DS・小型店事業 | 2,161,266 | 109.8 |
総合金融事業 | 329,776 | 115.4 |
ディベロッパー事業 | 249,654 | 113.6 |
サービス・専門店事業 | 704,921 | 102.0 |
アセアン事業 | 209,217 | 115.2 |
中国事業 | 168,495 | 115.8 |
その他事業 | 270,170 | 160.9 |
調整額 | △370,509 | ― |
合計 | 7,078,577 | 110.7 |
(注) SM・DS・小型店事業の営業収益には、コンビニエンスストアの加盟店の売上高(当連結会計年度405,533百万円)は含んでおりません。
当社は、「アジア」「都市」「シニア」「デジタル」の4つの成長領域に優先的に経営資源を配分することで、継続的な成長の実現を図っています。また、国内における既存事業の構造改革を進めることで、GMS事業やSM事業などの中核事業の業績改善への取り組みを強化しています。
人口増加や急速な経済成長が見込まれるアジア市場への対応として、ベトナムやインドネシアなどの新規エリアへの展開とともに、マレーシア、中国などの既存エリアにおける出店を強化していきます。
新規エリアの取り組みとしては、平成27年度、インドネシアと中国の浙江省にSC1号店を開設するなど、SC出店を中核とした取り組みを強化していきます。
平成26年2店舗を出店したベトナムにおいては、SC3号店を開設します。ベトナムにおいては、グループ一丸となった取り組みを統括するベトナム代表を設置し、SCの出店強化に加え、新たにグループに参画したFIVIMART社、CITIMART社とともに、エリア戦略を強化していきます。
首都圏、京阪神を中心とする都市部への人口集中への対応として、マルチフォーマットによる店舗網の強化に取り組みます。平成27年度は首都圏を中心に小型SM「まいばすけっと」、小型DS「アコレ」の出店を加速していきます。今後3年間で「まいばすけっと」は1,000店舗体制、「アコレ」は400店舗体制の確立を目指します。
小型店の出店に加えて、新たにグループに参画したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱、ウエルシアホールディングス㈱、平成27年1月に完全子会社となった㈱ダイエーにおける首都圏、京阪神のエリア戦略強化に取り組むことで、都市部でのマルチフォーマットの確立を図っていきます。
高齢者の人口増加やライフスタイルの変化によるニーズへの対応として、シニアをターゲットとした店舗フォーマットの確立、健康維持・増進志向に対応した「ヘルス&ウエルネス」への取り組み強化を図っていきます。シニア世代のニーズに対応した商品・サービスを集約した店舗フォーマットとして、3店舗展開している「G.G.ストア」を確立し、GMS事業の中核フォーマットとして強化していきます。
また、新たにグループに参画したウエルシアホールディングス㈱を、イオンの「ヘルス&ウエルネス」戦略の中核企業と位置付け、グループ全体の取り組みを推進していきます。
急速に成長するEコマース市場への対応として、イオンの強みである店舗網・集客力を活用したネットスーパーやオムニチャネルへの取り組みを重点的に強化します。
これらの取り組みを推進するために、デジタル事業担当執行役の組織下に、各社におけるネット事業の推進を支援するネットスーパー担当、インフラ構築を支援するインフラ担当を設置しました。新たな体制のもと「ネットスーパー」「オムニチャネル」を中心としたグループの横断的なデジタルシフトを強化します。
お客さまニーズの多様化や急速な変化に対応し、イオンならではの差別化された商品開発、品揃えを強化していきます。
イオンのブランド「トップバリュ」については、お客さまの新たなニーズを喚起する商品開発を強化していきます。また、平成26年11月より展開を開始したフランス・ピカール社との提携による付加価値の高い冷凍食品など、イオンならではの品揃え・付加価値の高い商品の提案を強化します。
成長市場への取り組み、多様化し変化するお客さまニーズへの迅速な対応、業態を超えた競争など経営課題への対応を目的に抜本的な組織改革を実施し、新たな経営体制のもと成長戦略を加速していきます。
当社、及び事業会社の本部組織をスリム化し、店舗を中心とした現場の人材、権限の強化を実施します。また、イオンリテール㈱においては、地域(カンパニー)の商品機能やマーケティング機能を抜本的に強化し、地域単位で経営判断ができる新たな体制を構築します。
当社においては、「GMS改革」「SM改革」「アジアシフト」「デジタルシフト」「商品改革」の5つをグループ横断的な重要課題として位置付け、課題解決にあたる執行役を配置しました。これにより、明確な責任体制のもと、グループ一丸となった取り組みを推進します。
多様な人材の活躍を企業成長の原動力とすることを目的に、平成25年7月にグループCEO直轄組織「ダイバーシティ推進室」を設置しました。平成27年度は、事業所内保育所数の拡大、教育プログラムの充実などに取り組みます。日本一女性が働きたい会社を目指し、2020年度(平成32年度)に女性管理職比率50%の達成を目標に、ダイバーシティ・マネジメントを推進します。
イオンは、お客さまへの貢献を永遠の使命とし最もお客さま志向に徹する企業集団であり、小売業と関連産業を通してお客さまのより豊かな生活に貢献すべく、事業を展開してまいりました。お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献するという不変の理念を堅持し、お客さま満足の実践と継続的な企業価値の向上に努めてきており、この理念がイオンの企業価値の根幹をなしています。また、イオンの企業価値は、継続的かつ長期的な企業成長や同士・朋友との協力・提携に加え、雇用の確保、生活文化の向上や環境保全・社会貢献など様々な価値を包含し形成されているものです。
これらの正しい商売の実践と社会的責任を全うするためには、長期的視野でイオンの理念を具現化していくことが必要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、上記のイオンの企業価値を維持、発展させていく者でなければならないと考えています。
当社株式は、金融商品取引所(証券取引所)に上場され自由な売買が可能ですが、万一短期的な利益を追求するグループ等による買収が開始されて不公正な買収提案がなされると、株主の皆さまに結果として不利益を与えるおそれもあります。買収提案を受け入れるか否かは株主の皆さまの判断によるべきものですが、買収提案のあった際に、株主の皆さまが、十分かつ正確な情報と十分な時間のもとにご判断いただけるように十分な資料提供をするように所定の手順をふむことを求めるとともに、明らかに株主一般の利益を害すると判断される買収行為には対策を講じることができるように、「当社株式の大量取得行為に関わる対応方針(買収防衛策)継続の件」を平成27年5月27日開催の第90期定時株主総会に付議し、株主の皆さまのご承認をいただきました。
これは「事前警告型」買収防衛策であり、当社議決権の20%以上の株式取得を行おうとする者に対しては、大量株式取得者らの概要、取得対価の算定根拠、買取方法、買収資金源、買収後の経営方針等につき当社への十分な情報提供を行うことなどの買収ルールの遵守を要請します。
当社取締役会は、大量株式取得者が登場し次第、その事実を開示するとともに、外部の専門家1名以上と社外取締役から成る独立委員会を設置し、提供された情報(追加提供を求める場合にも意向表明書受領日から60日以内の日を最終回答期限とします)をもとに、同委員会に意見を求め、その意見を最大限尊重した上で、所定の評価期間(60日間または90日間)内に、当該買収提案に対する評価結果等を発表します。この取締役会及び独立委員会においては、判断の客観性をさらに高めるため、適宜他の専門家にも意見を求めることができます。また、上記ルールが守られない場合や、株式の高値買戻要求や高値売抜けが目的であると推測されるなど、株主の皆さまの利益が害されることが明らかである場合には、所定の評価期間の経過を待たずに、当社取締役会が新株発行、新株予約権発行などの対抗策をとり得ることとします。なお、大量株式取得者の権利行使が制限される行使条件差別型新株予約権を発行するときは、株主の皆さまにわずらわしい手続をしていただかなくてもいいように、会社による取得条項付とさせていただきます。また、対抗措置の内容・採否は、取締役としての善管注意義務に従い、原則として取締役会が決定・実施していきますが、例外的には、その内容・効果等に鑑みて株主の皆さまのご判断を仰ぐべきであるとして、当社株主総会にその採否をご決議いただくことがあります。
株主の皆さまには、手続の各段階において、適時に十分に情報開示し、ご判断に供していただけるようにしていきます。
なお、この買収防衛策の有効期間は平成30年5月に開催予定の定時株主総会の終結時までです。
大量株式取得者に要請する各種資料は、大量株式取得者らの概要だけでなく、資金面の背景及び資金スキーム、株式取得方法の適法性に関する事項、買収後の経営計画等であり、これらの資料開示を通じて、イオンの理念(上記基本方針)に対する大量株式取得者の具体的な態度が明示されることになるとともに、何よりも、株主の皆さまの判断材料が充実したものになります。
従って、当社取締役会は、上記対応方針は、上記基本方針及び当社の株主の共同の利益に沿うものであり、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
当社グループの事業に関してリスク要因となると考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在における当社による判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではありませんのでご留意下さい。
当社グループは、主に日本国内において事業を営んでおり売上高ベースの国内シェアも高いため、その収益は日本の小売市場に大きく依存しております。過去数年間、日本の小売業界は、個人消費の落ち込み、全般的な価格デフレ、小売業者間の熾烈な競争等により低迷しておりました。
今後は、消費税の増税及び医療費や社会保険料の負担の増加に加え、電力価格等の上昇により、日本経済及び個人消費に悪影響が及ぶ可能性があります。
これらにより、日本の個人消費がさらに悪化した場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売企業に加え、低価格を武器としたディスカウントストア、特定の小売部門に特化した専門店やEコマース事業等の店舗を有しない企業とも競合しております。これら競合他社は、資金・人材・店舗用地・商品・サービスの調達力、事業運営の効率性、マーケティングまたは顧客の嗜好の変化への対応力等において当社グループより優れている可能性があります。このような小売業界の競争の激化により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの売上は、季節的変動による影響を受けます。当社グループは、季節的な商品動向に基づいて販売計画を立てておりますが、季節的な気象パターンが予想外に変化した場合、一部の商品に対する需要が低下し、売上の減少と過剰在庫を招く可能性があります。これにより、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
平成29年4月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定です。平成26年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には個人消費が一時的に落ち込みました。税率引き上げ前の駆け込み需要と通算すると大きな影響はなかったものの、今後消費税率が引き上げられた場合にも、同様に個人消費が一時的に落ち込む可能性があり、これにより当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの小売事業やディベロッパー事業においては不動産の取得又は賃借を行うため、不動産価格が上昇した場合、不動産の取得又は賃借に係る費用が増加することになります。また、当社グループは、不動産の転貸も行っておりますが、当社グループが負担すべき賃料の増額分を、テナントから受領する賃料収入によって賄うことができなくなる可能性もあります。
また、不動産関係法の改正や会計基準の変更による不動産保有リスクの上昇が、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題の一つと考えており、そのために様々な活動を行っております。食品の安全性と品質保証に対する消費者の関心は、鳥インフルエンザ、残留農薬、アレルギー物質の表示、食品偽装、異物混入等の問題により近年さらに高まっています。当社グループは、食の「安全」と「安心」を守るために様々な取り組みを進めておりますが、当社グループが提供する食品の安全性や品質に対する消費者の信頼が何らかの理由で低下した場合、当社グループの取引先における商品の製造過程や店舗等での販売時点において異物混入等が発生し、当社グループの複数の店舗で当該商品の販売自粛等の措置をとる場合、食品部門を含む店舗の売上が低下する可能性があり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、厚生年金保険料率、雇用保険料率及び健康保険組合保険料率の引き上げ、今後の労働法改正等種々の要因により従業員に係る費用が増加する可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害及び予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設の営業活動が制限され、当社グループ従業員に対し賃金の一部もしくは全部を補償する場合は、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(都市計画法及び建築基準法)
床面積の合計が1万㎡を超える商業施設(大規模集客施設)の開発に関しては、都市計画法及び建築基準法により制限されています。その主旨は郊外地域における大規模集客施設の開発を制限し、市町村等が推進する中心市街地の再生を促進することにあります。商業地域、近隣商業地域及び準工業地域として指定された区域以外の用途地域においては、原則として大規模集客施設を開発することができず、また、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域内の白地地域において大規模集客施設の開発を行うには、都道府県知事等により用途地域の指定又は用途を緩和する地区計画決定がなされることを要します。当社グループは地方自治体との共同取り組みを行い地域への貢献を重視しておりますが、都市計画の内容等によっては、郊外地域における当社グループの店舗開設に制限が課される可能性があり、当社グループの成長戦略に支障が生じたり店舗の開設に要する費用が増加したりする可能性があります。
(大規模小売店舗立地法)
大規模小売店舗立地法は、大規模小売店舗が建設される周辺地域の生活環境を保持することを目的としており、当社グループの既存店舗及び開設予定店舗は、原則として同法の適用対象となります。同法の適用により、当初の計画通りに店舗の新規開設や既存店舗の増改築及び業態変更等を行うことができなくなる可能性があります。
当社グループは、平成26年度から新中期3ヵ年経営計画を策定し、平成32年に向けた飛躍的成長を実現するための第2フェーズと位置付け、大きな環境変化に適応していくためのグループ共通戦略として、「商品改革」及び、「アジアシフト」「大都市シフト」「シニアシフト」「デジタルシフト」の革新を行い、成長領域においてグループ一体となった事業展開を推し進めております。当社グループは成長戦略の一環として他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。しかしながら、以下を含む様々な要因により、期待する成果を達成できない可能性があります。
・新規出店や買収のために必要な資金を調達できないこと
・当社グループが希望する地域に希望する条件で、新規出店場所や適当な買収対象会社を見つけ出すことができないこと
・買収物件または海外事業を既存事業と統合することができず、当社グループの仕入、流通、販売促進、財務、管理、情報技術及びバックオフィス機能を十分に活用することができないこと
・事業の拡大やシステムの活用を進めるために必要な有能なスタッフの雇用を維持できず、また、かかる人材を育成できないこと
・ショッピングセンターその他の小売店舗の開発を適切な時期に適切な投資または費用で実施し、または、かかる小売店舗において優良テナントを確保することができないこと
・買収に先立ち被買収企業における、財務、税務または法務等に係る問題点を発見することができず、買収後にかかる問題点を解決することができないこと
・買収後において、当社グループが提供する商品及びサービスにつき一貫した品質水準を維持できないこと
・買収後において、被買収企業に対し当社グループの内部統制を適切かつ有効に適用することができないこと
以上のような要因により、当社グループの成長戦略が功を奏しない場合には、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社は、株式交換により㈱ダイエーを完全子会社と致しました。今後は、地域単位での運営体制・エリア戦略の統一に向けたグループ会社間での店舗再編や、類似業種の経営資源最適配置を目指した㈱ダイエーと当社の子会社との店舗再編を実施していく予定です。これにより、各地域でのシェア拡大が見込めると共に、スケールメリットを生かした商品調達や物流・インフラ面の効率化といった、様々な効果が期待できます。しかしながら、再編における運営の承継がスムーズさを著しく欠いた場合、店舗における販売活動に支障が出る可能性があり、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、PB商品の開発を積極的に行っております。PB商品の中心である「トップバリュ」については、衣・食・住にわたり商品を提供しており、供給を含めた年間販売額は7,799億円に達しております。開発にあたっては、厳しい基準を設けて入念な品質管理を実施しておりますが、当社グループのPB商品に起因する事故等が発生した場合、お客さまからの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、ITを積極的に活用して、仕入・流通ネットワークの整備に取り組み、全国をカバーする自社の流通網を構築してまいりました。今後も当社のグループ会社にも広くかかる流通網を有効活用させ、当社グループ全体の仕入・物流コストの低減を目指していく所存です。しかしながら、当該ネットワークが当社グループ会社各社の仕入・物流と整合的でない等の理由により、かかる戦略が達成できない可能性があります。また、当該ネットワークには、輸送の遅れ、コンピュータウィルス、地震その他の自然災害、ストライキ、供給不足、人為的な誤り等、様々な要因により障害が発生する可能性があります。これらの要因により仕入・流通ネットワークに継続的な障害が生じた場合、商品の破損・腐敗、売上の減少、ビジネスチャンスの逸失、決済・ポイント機能の停止、データの消失、顧客や供給業者からの信頼の低下、保守・修繕費用等の負担等による影響を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれん等多額の固定資産を保有しています。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。当社グループの店舗に係る減損損失額は、平成26年2月期は336億75百万円、平成27年2月期は459億33百万円をそれぞれ計上しており、今後も減損損失を計上する可能性があります。
また、当社グループは、グループの拡大に伴い、のれん等の経済価値及び株式の市場価値が下落した場合、当該のれん等について減損処理を行うことがあり、今後も当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内で販売する商品の一定程度を海外から輸入しており、また連結営業収益の一部はアジア等の海外の店舗から生じます。海外において、経済成長の鈍化、個人消費の停滞、不安定な政治・経済情勢、法律や政策の変更、テロ活動、伝染病の発生等の事項が発生した場合、または海外取引もしくは海外事業に伴う物流、品質管理、課税等に問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
特に中国に関しては、当社グループは相当程度の商品を輸入しており、今後も中国において当社グループの日本国内におけるビジネスモデルをパッケージとして導入していく方針です。中国の法制度は生成途中であり、中国政府は外資規制等産業規制について広範な裁量を有しております。また、規制内容またはその運用・解釈の重大な変更が頻繁に行われる可能性があります。加えて、反日感情による暴動、不買運動等が発生した場合、当社グループの中国における事業展開に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの事業の成否は、当社代表執行役社長岡田元也及びその他の幹部経営陣の能力に相当程度依存しております。これらの幹部経営陣による役務の提供が享受しえない場合や、今後、現在の幹部経営陣に匹敵する能力と経験のある人材を確保することができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において大地震や台風等の災害或いは予期せぬ事故等が発生し、店舗・施設に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの店舗・施設では防火対策を重点的に取り組んでおりますが、不測の事態により店内・施設より出火し、建物・施設に被害が拡大し当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの店舗・施設の周辺地域において、新型インフルエンザ等の感染症災害が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
その他、事故、暴動、テロ活動その他当社グループの供給業者もしくは仕入・流通ネットワークに影響する何らかの事象が発生し、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成27年2月期末時点において、連結子会社284社(うち株式公開をしている会社は24社)及び持分法適用関連会社31社を有しております。当社はこれらの会社に対して、グループとしての全体最適を求める一方で、高度に経営上の独立性を認めているため、これらの会社による各事業活動を効果的に調整できない、或いは、グループとしての事業活動を一体的に調整することが困難となる可能性があります。当社グループには、株式公開をしている会社及び当社が少数株主である会社が多数存在しており、これらの会社は当社からの独立性が高いため、当社グループがこれらの子会社及び関連会社に対して効果的に統治することが困難となる可能性があります。このリスクは当社グループ会社数の増加に伴い高くなると予測されます。当社が、当社グループの子会社及び関連会社に対して適切なガバナンスを及ぼすことができない場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性、並びに当社グループの財務報告の信頼性が失われる可能性があります。
当社グループは、平成27年2月期末時点において1兆8,450億32百万円の銀行借入金、社債、新株予約権付社債、コマーシャル・ペーパー及びリース債務等の残高があります。当社グループは銀行借入金等の削減に向けた様々な取り組みを行っていますが、当社グループの成長戦略に伴い、銀行借入金等がさらに増加する可能性もあります。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、平成27年2月期末時点において、125社の連結子会社を海外に有しております。当社連結財務諸表において海外子会社の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは主に日本国内で営業を行っておりますが、海外においても取引を行っており、同様に為替相場変動の影響を受けます。為替相場が異常な変動をした場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは成長戦略等のために資金を調達する必要があります。当社グループは常に多様な資金調達手段を検討しており、金融環境の変化に迅速に対応できる体制を整えています。また、取引金融機関とは常に良好な関係を構築・維持しています。
しかしながら、景気の後退、金融収縮など全般的な市況の悪化や、格下げ等による当社グループの信用力の低下、当社グループの事業見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。これらの要因により、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
平成27年2月期末現在、当社グループの退職給付債務は1,790億52百万円、年金資産の評価額は1,711億54百万円、未積立退職給付債務は78億97百万円であり、当期における退職給付費用は159億円でした。当社グループの年金資産を構成する金融商品価格の下落は、年金資産の評価額及びその運用収益の減少を招く可能性があります。また、当社グループが、退職給付債務や退職給付費用を算出する際には、割引率や長期期待運用収益率等多くの想定数値を採用します。想定数値の評価に変化が生じた場合、未積立退職給付債務が増加する可能性があり、当社グループの財務状況及び業績は悪影響を受けることとなります。
当社グループにおいて総合金融事業を営む連結子会社は、国内においては銀行法・割賦販売法・保険業法・貸金業法・サービサー法・金融商品取引法等の適用、及び金融当局の監督を受けております。また、海外における事業活動についても、それぞれの国や地域の法令諸規制の適用とともに、金融当局の監督を受けております。
銀行事業を行う㈱イオン銀行及び同社の親会社であり銀行持株会社であるイオンフィナンシャルサービス㈱グループは、銀行法に基づく自己資本比率規制が適用されております。同社グループは自己資本管理に関する体制を構築しておりますが、同社グループまたは㈱イオン銀行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から営業の全部または一部の停止等の行政上の措置が課される可能性があります。
総合金融事業を営む連結子会社が取り扱う全ての融資商品の実質年率は、法令上の上限金利以下としておりますが、国内において過去に弁済を受けた上限金利超過部分の利息は顧客より返還を請求される場合があります。当社グループは、当該返還請求に備え、利息返還損失引当金を計上しておりますが、当該返還請求が予想以上に拡大した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらの法令諸規則等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される等、当社グループの業務や業績及び財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは市場で取引される様々な資産を保有しております。金融市場の混乱等により保有資産の価値が下落した場合、保有する有価証券等の減損または評価損が発生もしくは拡大し、当社グループの財政状況及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主として総合金融事業において保有する個人向けの貸出金等の資産について、自己査定・償却引当基準を設け、貸倒引当金を計上しております。しかし、想定以上に与信関連費用や不良債権残高が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの総合金融事業はクレジットカード事業や銀行業をはじめとする様々な業務を行っております。さらに、お客さまのニーズの高度化や多様化、または規制緩和の進展等に応じて新たな事業領域への進出や各種業務提携等を実施しております。当社グループは、これらに伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備しておりますが、想定を超えるリスクが顕在化した場合、当社グループの業務運営や、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの総合金融事業は当社グループの小売事業の規模に連動して拡大する傾向にあり、当社グループ内のシナジーを大きく享受しておりますが、小売事業を拡大することができない場合、金融サービス事業の成長が抑制される可能性があります。
当社グループは、総合金融事業の顧客のほか、当社グループが営むその他の事業の顧客から得た個人情報を保管・管理しております。当社グループは、かかる個人情報の漏洩が生じないよう、情報システムのセキュリティを確実にする等、万全の処置を講じておりますが、当社グループの顧客に関する個人情報が何らかの事情により漏洩した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、国内外で登録済の商標、意匠その他の知的財産権を保有しております。当社グループは、これらの知的財産権の保全に対し確実に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社は、特定株主(個人及び法人を問いません。)の議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為、または結果として特定株主の議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付行為に対するルールを設けております。同ルールは、大量株式取得者は当社取締役会に対して大量株式取得に先立ち、大量株式取得者自身について及び今後の計画等について必要かつ十分な情報を提供しなければならず、取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ、対象取得者は大量株式取得を開始することができるというものです。大量株式取得者が本ルールを遵守しない場合は、当社取締役会は、社外取締役全員並びに外部の弁護士及び学識者で構成される独立委員会の意見を最大限尊重し、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として新株予約権の発行等の、当社取締役会が適当と判断した法的対抗措置を執ることができます。かかる買収防衛策については一般に、株主にとって利益となり得る株式取得の申し入れを阻害する可能性があるという考え方もあります。また、当社のかかる買収防衛策が、当社の企業価値を損なう敵対的買収に対する防衛として、法的に有効かつ効果的であるという保証はありません。
当社グループは、平成27年2月期末において7,632億57百万円(簿価)の土地を所有しております。土壌汚染対策法に基づき、土地の所有者等は、所有地の土壌が有害物質により汚染されていた場合、その知不知に関わらず汚染状況に関する調査・報告及び汚染の除去等の措置を講ずることを所有者として命じられることがあります。また、当社グループが所有する土地に未確認の環境上の問題が発見された場合、当該土地の価値が下落し、これを除去するために多額の費用負担を強いられる可能性がある場合、当社グループの事業、財務状況及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社、当社の連結子会社である㈱マルエツ(以下「マルエツ」といいます。)とマックスバリュ関東㈱(以下「MV関東」といいます。)、当社の持分法適用関連会社である㈱カスミ(以下「カスミ」といいます。)及び丸紅㈱は、平成26年10月31日、マルエツ、カスミ、MV関東(以下「事業会社3社」といいます。)の経営統合に関する契約書を締結するとともに、事業会社3社間で、共同株式移転の方式により共同持株会社を設立するための株式移転計画書(以下「本株式移転計画」といいます。)を作成しました。本株式移転計画に基づき、平成27年3月2日、共同持株会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱(以下「U.S.Mホールディングス」といいます。)を設立し、U.S.Mホールディングス及びカスミは当社の連結子会社となっております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象) 1.㈱マルエツ、㈱カスミ及びマックスバリュ関東㈱の経営統合による共同持株会社の設立及び㈱カスミの連結子会社化」に記載しております。
特記事項はありません。
当連結会計年度の業績は、「1「業績の概要」」で述べたとおり、営業収益は前期と比べて6,834億34百万円(10.7%)増加し、過去最高となる7兆785億77百万円となりました。
GMS事業では、当期において高収益体質への転換を目指し、「トップバリュ」商品の拡充や、専門性の高い品揃えやサービスを提供する「売場の専門店化」、及び店舗競争力を高める「既存店舗の活性化」のGMS改革の推進に継続して取り組み、また「イオンカード」やイオンの電子マネー「WAON」を活用した集客効果を高める販促活動や、免税制度改正に伴う各種インバウンド対応サービスの拡充に取り組むなど、社会・経済情勢の変化に伴い消費拡大が見込まれるマーケットへの対応を強化しました。その結果、営業収益は、前期と比べ9.9%増加しました。SM・DS・小型店事業では、継続的な出店による事業規模の拡大に加え、㈱マルエツや㈱レッド・キャベツの連結子会社化などによる競争力を強化したことにより、営業収益は前期と比べ9.8%増加しました。総合金融事業では、クレジット事業、銀行事業、電子マネー事業を積極的に展開するとともに、海外事業においては、タイにおいて電子マネーサービスを開始するなどアセアンでの業容拡大を着実に進めた結果、営業収益は、前期と比べ15.4%増加しました。ディベロッパー事業は、イオンモール㈱が国内では西日本最大級のSC「イオンモール岡山」を含む7箇所のSC開設、及び既存SC8箇所のリニューアルを実施した結果、営業収益は、前期と比べ13.6%増加しました。サービス・専門店事業では、イオンディライト㈱は、総合FMS(ファシリティマネジメントサービス)事業の拡大を目指し、イオングループの商業施設へのサービス提供とともに、都心の複合型ビルやホテル、医療施設等、グループ外の施設に対する管理業務の受託を積極的に推進した結果、営業収益は、前期と比べ2.0%増加しました。アセアン事業は、カンボジアでの1号店、ベトナムでの1号店及び2号店を開設するなど新規エリアへの事業展開を順調に進めた結果、営業収益は、前期と比べ15.2%増加しました。中国事業は、青島市や湖北省武漢市でのSC新規開設などにより、営業収益は、前期と比べ15.8%増加しました。
営業原価は、商品機能会社の活用による調達コストの削減に継続して取り組んだものの、新規連結会社の影響などもあり、前期と比べて4,257億99百万円(10.3%)増加し、4,552億43百万円となりました。
販売費及び一般管理費においても、グループ各社での堅実的な経費コントロールに努めましたが、新規連結会社の影響や、集客施策の強化に向けた積極的な販促活動の実施により、前期と比べて2,876億99百万円(13.7%)増加し、2兆3,847億78百万円となりました。
上記の結果、営業利益は前期と比べて300億64百万円(17.5%)減少し、1,413億68百万円となりました。
GMS事業では、天候要因による季節商材への影響や、円安進行に伴う原材料価格の高騰等により、前期と比べて366億85百万円の減益となり、16億46百万円の営業損失となりました。SM・DS・小型店事業の営業利益は前期と比べて93億23百万円(52.3%)減少の84億95百万円、総合金融事業の営業利益は前期と比べて121億74百万円(29.8%)増加の530億58百万円、ディベロッパー事業の営業利益は前期と比べて1億37百万円(0.3%)減少の432億47百万円、サービス・専門店事業の営業利益は前期と比べて12億44百万円(5.3%)増加の245億97万円、アセアン事業の営業利益は前期と比べて4億29百万円(6.5%)減少の61億73百万円となりました。中国事業は8億18百万円の営業損失となりましたが、前年に比べて9億46百万円の改善となりました。
営業外収益及び営業外費用では、貸倒引当金戻入額が18億68百万円増加したこと等により、営業外収益が64億16百万円、営業外費用が6億96百万円それぞれ増加しました。
この結果、経常利益は前期と比べて243億45百万円(13.8%)減少し、1,525億9百万円となりました。
特別利益及び特別損失では、段階取得に係る差益が336億86百万円発生したこと等により、前期と比べて特別利益が217億63百万円(63.1%)増加し562億61百万円、特別損失が97百万円増加し639億10百万円となりました。
以上の結果、当期純利益は、前期と比べて35億30百万円(7.7%)減少し、420億69百万円となりました。
総資産は、前期末と比べて1兆445億61百万円(15.3%)増加し、7兆8,598億3百万円となりました。
主な内訳としては、金融子会社の割賦売掛金を中心に受取手形及び売掛金が1,597億93百万円、銀行業における貸出金が1,266億60百万円、現金及び預金が1,571億91百万円、主にSCの新規出店により建物及び構築物が1,828億10百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
負債合計は、前期末より8,991億49百万円(17.5%)増加し、6兆298億22百万円となりました。増加の主な要因は、銀行業における預金が2,352億78百万円増加したことに加え、連結会計年度期末日が銀行休業日と重なった影響等により支払手形及び買掛金が2,037億7百万円、預り金等の流動負債その他が1,241億69百万円増加したこと等によるものです。
純資産合計は、前期末から1,454億11百万円(8.6%)増加し、1兆8,299億80百万円となりました。増加の主な要因は、その他有価証券の時価の上昇、円安並びに退職給付会計基準の改正等により、その他の包括利益累計額が693億53百万円増加したことに加え、新規連結子会社の増加等により、少数株主持分が589億60百万円増加したことによるものです。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1「業績等の概要」」に記載しております。