第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期の経営環境は、政府の経済対策や日銀の金融緩和などにより景気は緩やかな回復を示し、雇用環境の改善や消費税率引上げ前の駆け込み需要も加わって個人消費にも動きがみられましたが、物価上昇や消費増税後の景気減速への懸念などから、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

このような環境のもと、当社グループは、年代の枠を越えて幅広いお客様にご支持いただけるよう、お客様ニーズに基づきすべての事業の革新をすすめるとともに、「店舗・カード・Web」の三位一体型ビジネスをさらに推進し、経営資源を最大限に活用することで収益力の向上をめざしてまいりました。

この結果、当期の連結売上高は4,164億60百万円(前期比2.2%増)、営業利益は271億46百万円(同11.8%増)となりました。これにより、営業利益率は6.5%となり、平成23年度より3ヵ年の「中期の取組み」でめざしてまいりました営業利益率6%以上の目標を2期連続で達成することができました。また、経常利益は276億98百万円(同13.3%増)、当期純利益は154億9百万円(同16.3%増)と増収増益となりました。

 

セグメント別の状況

 

当期より報告セグメントの区分を変更しております。

前期までの報告セグメントでは、商品の仕入販売については「小売事業」、テナント等の賃貸収入については「小売関連サービス事業」と、一体運営している店舗でありながら損益を2つのセグメントに分けて計上しておりました。また今後、小売事業では、商業施設としての店舗の魅力を最大限に高め、より多くのお客様のニーズにお応えするために、仕入販売の強化とともに売場賃貸によるテナント導入をさらに積極的に推進してまいります。

したがいまして、事業の実態をより正確に表すため、従来「小売関連サービス事業」に含めておりました商業施設の賃貸および運営管理等に伴う損益を「小売事業」に加え、新たに「小売・店舗事業」として区分し直しております。

この変更に伴い、以下の前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。

 

(小売・店舗事業)

小売・店舗事業では、「商品」「売場」「店づくり」と段階的に取組んでまいりました「小売の革新」をさらにすすめ、年代を越えて共通するお客様のニーズにお応えするため、「おしゃれ×共通価値×値ごろ感」を基本コンセプトに、「店舗・カード・Web」を連携させた幅広いサービスの提供をめざしてまいりました。

先行して取組んだ「商品の革新」では、基本コンセプトを具現化した新PB商品の「ラクチン」シリーズが好調に推移いたしました。展開型数の拡大やお客様のご要望が多い値ごろ感のある品揃えを充実したことに加え、テレビCMなどの広告宣伝を強化したことにより、新PBの売上高は前期の1.8倍と高伸長いたしました。

「売場の革新」では、引き続き商品の特徴や機能性などをわかりやすく陳列、演出した売場づくりを推進いたしました。

また、ネット通販では、シューズ・バッグの専門サイトを開設いたしました。併せて自宅で気軽にご試着いただくためにシューズの配送料・返送料を無料とした「ラクチン便」を開始し、全国規模のプロモーションを展開したことで、ネット通販の売上高は前期比7%増と伸長いたしました。

さらに「店づくりの革新」では、新宿マルイをリニューアルオープンいたしました。お客様と一緒に店づくりをすすめ、「新宿マルイ本館」に初めてメンズフロアを導入し、「新宿マルイメン」に女性にも人気のギフト雑貨やイベントショップを配置するなど、客層の拡大に取組みました。

このような施策により、30歳以上の客数が伸長したことで、既存店ではお買上客数が前期比5%増と6年連続で伸長いたしました。しかしながら、前期に閉鎖した専門店の影響などにより、売上高は3,278億32百万円(前期比1.1%減)となりました。

 

一方、利益面では、積極的なプロモーションにより広告宣伝費が増加したものの、固定費の削減をすすめたことで、営業利益は105億62百万円(同3.3%増)と4期連続の増益となりました。この結果、小売・店舗事業の営業利益率は3.2%となり、平成23年度より3ヵ年の「中期の取組み」でめざしてまいりました3%以上の目標を2期連続で達成いたしました。

なお、昨年10月に、九州初の店舗となる福岡・博多駅前への出店が決定いたしました。開店は平成28年春の予定で、これまでの店づくりをさらに進化させ、地域の皆さまに末永くご愛顧いただけますよう、お客様と一緒に店づくりをすすめてまいります。

 

(カード事業)

カード事業では、ご利用客数・ご利用額の拡大をすすめてまいりました。

丸井店舗での入会促進に加え、独自の提携カードである「コラボレーションカード」など、丸井店舗外での入会が着実に増加したことから、カード会員数は前期比9%増の542万人となりました。

お得意様づくりの取組みでは、ゴールドカード会員の拡大をすすめてまいりました。人気公演や宿泊施設の会員優待、期間限定ポイントなどのサービス充実により、ゴールドカードの会員数は前期末から25万人増の83万人となりました。

また、丸井店舗では、タブレット端末を利用したカード発行を開始いたしました。お客様の申込書記入が不要になることで、ペーパーレス化が実現し、個人情報の管理水準が格段に向上いたしました。また、入会審査の時間短縮により店頭即時発行がすすみ、利用率の向上とともに郵送費等のコストを削減することができました。

このような施策により、外部加盟店でのショッピングクレジットのご利用額は前期比29%増と引き続き高伸長し、リボ・分割払債権残高は1,605億円(前期比20%増)に拡大いたしました。

キャッシングにつきましては、取扱高が前期比11%増の1,277億円まで拡大したことから、期末の営業貸付金残高は1,252億15百万円(前期比1.2%増)と、平成17年度以来8年ぶりに前年を上回りました。

この結果、営業債権の残高合計は前期に対し437億円増加の3,386億円と過去最高を更新し、さらに、家賃保証や銀行ローン保証など関連ビジネスについても順調に推移したことから、カード事業の売上高は617億95百万円(前期比15.0%増)、営業利益は156億34百万円(同18.6%増)と2期連続の増収増益となりました。

 

(小売関連サービス事業)

小売関連サービス事業では、お取引先との継続的な取引を強化し、内装工事や広告制作などの受注が拡大したことや、原価管理を徹底したことなどにより、売上高は595億9百万円(前期比18.7%増)、営業利益は45億23百万円(同30.9%増)と2期連続の増収増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が260億76百万円(前期より57億4百万円増)となったものの、エポスカードの取扱高の高伸長により割賦売掛金の増加額が422億78百万円(前期より140億86百万円増)と拡大したことから、92億27百万円の支出(前期は51億11百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出があったことなどから、67億91百万円の支出(前期は4億35百万円の収入)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加による収入などにより、161億41百万円の収入(前期は55億71百万円の支出)となりました。

以上の結果、当期末の現金及び現金同等物は、300億53百万円となり前期末に比べ1億12百万円増加いたしました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産の状況

連結財務諸表提出会社及び関係会社において、該当事項はありません。

 

(2) 受注の状況

小売関連サービス事業の一部において受注による営業を行っており、当連結会計年度の受注額は16,974百万円(前年同期比128.6%)、当連結会計年度末の受注残高は473百万円(同97.3%)です。

(注)  上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

(3) 販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

小売・店舗事業

 

 

  婦人用品

86,906

94.0

  紳士・スポーツ用品

61,053

96.3

  装飾雑貨

93,714

102.6

  家庭用品

21,192

98.8

  食品・レストラン

54,467

103.8

 その他

5,008

103.4

小売・店舗事業計

322,342

98.9

カード事業

59,421

115.3

小売関連サービス事業

34,695

116.3

合計

416,460

102.2

 

(注) 1  上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2  上記の金額は、外部顧客に対する売上高を示しております。

3  「小売・店舗事業」の「その他」には、前連結会計年度まで「小売関連サービス事業」に含めておりました商業施設の賃貸及び運営管理等に伴う収入を計上しております。

4  前年同期比につきましては、前年の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。

 

(4) 仕入の状況

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

小売・店舗事業

 

 

  婦人用品

61,075

94.1

  紳士・スポーツ用品

42,287

97.7

  装飾雑貨

62,184

104.0

  家庭用品

18,425

102.5

  食品・レストラン

46,653

104.0

合計

230,625

99.9

 

(注)  上記の金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

次期におきましては、経済政策などにより雇用や所得の改善が期待される一方で、物価上昇や税・保険料の負担増による消費の減速が懸念されるとともに、個人の価値観や購買行動の変化がますます顕著になると想定されるなど、今後も厳しい経営環境が続くと予想しております。

このようななかで当社グループでは、平成28年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、連結営業利益360億円以上、ROE6%以上の達成に向けて、グループの経営資源を有効活用し、長期利益の実現に取組んでまいります。

小売・店舗事業では、従来のアパレルを中心とした店づくりを見直し、お客様からのご要望の多い雑貨や飲食などライフスタイルに対応したカテゴリーを拡充してまいります。そのため、従来の仕入販売を中心としたビジネスモデルを転換し、定期借家契約によるテナント導入をすすめ、収益の改善と安定化をはかり、新たな成長基盤を確立してまいります。その第一弾として、5月下旬に「町田マルイ」を全館改装しグランドオープンいたしました。2年間にわたり地域のお客様と座談会を重ね一緒に店づくりをすすめたことで、「誰もがフラッと立寄れ日常使いできる店」として、客数が拡大し大変好評をいただいております。今後は、全店で定期借家契約によるテナント導入をすすめ、お客様ニーズにお応えしたカテゴリーの拡大と品揃えの充実により店舗の魅力を高めてまいります。

自主売場につきましては、独自性の高いショップやブランドに経営資源を集中し、収益力と市場競争力の高い専門店への転換をはかってまいります。その上で丸井店舗外への出店をめざしてまいります。

また、平成28年春に開店予定の博多店については、4月に開店準備室を設置し、本格的な店づくりに着手いたしました。九州全域のお客様からご意見をいただき、年代を越えた幅広いお客様にご支持いただけるような店づくり、ならびにファンづくりをお客様と一緒にすすめてまいります。

次に、カード事業では、丸井店舗内が中心だったカード発行拠点を、提携カードの発行やWebを利用した入会促進などにより、全国に拡大し、事業基盤のさらなる強化をすすめてまいります。

提携カードでは、7月から、国内最大級のテーマパークを運営するハウステンボス株式会社様との協業により、施設内の割引や特典がご利用いただける「ハウステンボスエポスカード」の発行を開始し、また、女性向けゲームソフトで業界トップのアイディアファクトリー株式会社様とは、ゲームの人気キャラクターをデザインした「オトメイトエポスカード」の発行を開始いたします。今後もお客様にご満足いただける魅力あるサービスをご用意し、提携カードの開発に取組んでまいります。

また、テレビCMによる全国規模のプロモーションで、お客様の認知向上をはかるとともに、カード利用時にメールでお知らせする「メール通知サービス」や、ネット専用の「エポスバーチャルカード」など、お客様に安心してカードをご利用いただくための取組みを一層充実し、継続的なご利用につなげてまいります。

以上の諸施策を通じて、経営基盤の強化と業績の向上につとめてまいります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

1. 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させる者が望ましいと考えております。

また、当社の企業価値および株主共同の利益を向上させていくためには、当社の企業理念や経営資源に関する十分な理解、中長期的な視点に立った安定的な経営が不可欠であると考えております。

現在、当社は、小売業界における厳しい競争の中、企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させるため、全力で取組んでおりますが、わが国の資本市場においては、ある程度の法的な整備がおこなわれたとはいえ、対象となる会社の経営陣と十分な協議や合意のプロセスを経ることなく、一方的に大量の株式を取得する行為がおこなわれることも十分あり得ると判断しております。

もとより、当社は、上場会社である以上、当社株式の売買は、株主や投資家の皆様の自由な判断においてなされるのが原則であり、当社株式の大量取得行為がおこなわれる場合においても、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。従いまして、当社の企業価値および株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

 

しかしながら、株式の大量取得行為の中には、その目的からみて、真摯に合理的な経営をめざすものではなく、会社に回復し難い損害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会がその条件などについて検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないものなど、対象会社の企業価値および株主共同の利益に資さない取得行為がおこなわれる可能性も否定できません。

当社は、このような買収者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと判断いたします。

 

2.基本方針の実現に資する取組みの内容

① 当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させるための取組み

当社グループは、「お客様のお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という企業理念にもとづき、小売・店舗、カード、小売関連サービスの3事業を通して「若々しいマインドを持つすべての人のライフスタイルを応援する」企業グループです。また、事業を通じて、株主の皆様をはじめ、お客様、お取引先の皆様、地域社会の皆様の「お役に立てる」ことに最大の価値を置き、より一層信頼される企業グループをめざしてまいります。
  また、平成28年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、連結営業利益360億円以上とROE6%以上の達成に向けて、グループの経営資源を有効活用し、長期利益の実現に取組んでまいります。

当社グループでは、グループ戦略の機動的な推進と役割を明確にするため、平成19年に持株会社制に移行し、本格的にグループ経営をスタートいたしました。また、グループの経営資源である「店舗・カード・Web」が融合して相乗効果を発揮する三位一体の独自のビジネスモデルを推進しております。

  まず、小売・店舗事業では「小売の革新」に取組み、年代を越えて共通するお客様のニーズや価値観にお応えするため、「おしゃれ×共通価値×値ごろ感」を基本コンセプトに、幅広いサービスの提供をすすめております。先行して取組んだ「商品の革新」では、お客様の価値観やライフスタイルの変化に対応し、ファッション性に加え快適性や機能性を備えた新PB商品の展開を拡大してまいりました。次に「売場の革新」では、商品の特徴や機能性などを切り口とした編集に一新し、陳列、演出についても見直しをおこない、年代を越えてより多くのお客様に商品をわかりやすく提案できる売場づくりをすすめてまいりました。加えて、「店づくりの革新」では、お客様と一緒に店づくりをすすめ、雑貨や飲食の拡大、値ごろ感のあるショップの導入、自主売場の再編と拡大など、集客と利益のバランスの取れた店づくりに取組んでおります。

今後は、従来の仕入販売中心から定期借家契約によるテナント導入に転換をすすめ、カテゴリーの拡大と品揃えの充実により店舗の魅力を高めることで、収益の改善と安定化をはかってまいります。また、自主売場についても独自性の高いショップやブランドに経営資源を集中し、収益力と市場競争力の高い専門店への転換をはかり、その上で丸井店舗外への出店をめざしてまいります。

  さらに、当社グループは、長年にわたり、首都圏の好立地を中心に大型店の出店をすすめる一方、店舗規模や施設面でお客様のご期待に応えられなくなった店舗を閉鎖する「スクラップ&ビルド政策」を推進しており、店舗ネットワークの効率化をすすめております。また、平成15年の神戸、平成18年の大阪なんばに続き、平成23年には京都に出店するなど、従来の関東中心から全国の主要都市へと着実に出店をすすめてまいりました。平成28年春には、初の九州地区進出となる福岡・博多駅前への出店が決定しており、これまでの様々な取組みを進化させ、お客様と一緒に店づくりをすすめてまいります。さらに、今後も政令指定都市を中心に、積極的に出店を検討してまいります。

また、今後ますます拡大が見込まれる通販事業については、Web通販「マルイウェブチャネル」やカタログ通販誌「ヴォイ」を中心におこなっておりますが、店舗とWeb通販の在庫の一元管理化や、Web通販で購入した商品のご試着やお受け取りが店舗でできる「ウェブチャネルパーク」の開設、エポスカードのオンラインサービスとのID共通化など、店舗・カード・Webが一体となったサービスを推進しております。さらに、シューズ専門サイトに続き、新たにバッグのサイトをオープンしたことに加えて、自宅でご試着いただくためにシューズの配送料・返送料を無料化した「ラクチン便」、服とコーディネートで選べる検索機能など、お客様のご要望に沿ったサービスを充実することにより、利便性の向上をはかってまいります。

  次に、カード事業ですが、当社は従来の「月賦」の呼称を「クレジット」に変更するとともに、昭和35年に日本で初めてクレジットカードを発行いたしました。その後、カードの店頭即時発行や全店オンライン化を実現するなど、業界に先駆けた革新的な取組みに着手してまいりました。平成18年には、従来のハウスカードの良さを活かしつつ、ビザ・インターナショナルカードの汎用性を付加した「エポスカード」を発行し、現在、542万人のお客様にカードを保有していただいております。平成20年から発行しているゴールドカード、デザインカードに加えて、平成23年にはプラチナカードを発行、平成24年からはゴールド、プラチナカードのポイント期限の永久化やゴールドカードの店頭即時発行をスタートいたしました。また、丸井全店舗におけるタブレット端末を利用したカードの発行や、独自の提携カードである「コラボレーションカード」など丸井店舗以外での新規入会を推進し、新規会員数の拡大とメインカード化によるご利用客数とご利用額の拡大に取組んでおります。今後は、丸井店舗以外でのカード発行を拡大し、全国展開を強化してまいります。

資本政策については、当社は従来より、株主還元と資本効率の向上をはかるため、積極的に自己株式の取得をすすめてまいりました。具体的には、平成14年度から開始し、平成20年度までに9千6百万株の自己株式を取得いたしました。また、平成19年度には、発行済株式総数の約14%にあたる金庫株5千万株を消却いたしました。今後も収益の向上と機動的な資本政策で、株主価値の拡大をめざしてまいります。さらに、配当については、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針として、具体的には、連結配当性向30%以上を目安とし、業績動向や財務状況等を考慮しながら、株主の皆様への還元をはかってまいります。

② 社会的責任への取組み

当社は、株主の皆様、お客様、お取引先の皆様、地域社会の皆様、そして従業員からも信頼される企業グループであり続けることをめざしております。そのため、常にお客様の視点に立った商品・サービスを提供することはもとより、安全で安心な営業体制の確立や個人情報保護など法令・ルールの遵守、環境保全をはじめとしたさまざまな社会貢献活動の実施など、積極的に社会的責任を果たすべく取組みを推進してまいりました。今後も、ますます高度化される社会的責任への要求にお応えすることを通じて、さらに企業価値の向上をはかってまいります。 

③ コーポレート・ガバナンス強化への取組み

当社では、健全で公正な経営を第一に、長期安定的に企業価値および株主共同の利益を向上させていくことをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として、監査機能の強化と透明度の高い経営を推進するとともに、経営の透明性・公正性を高めるため、社外取締役の選任(1名)、取締役の任期短縮などをおこなってまいりました。平成26年6月26日開催の第78回定時株主総会において、経営の透明性と監督機能のより一層の強化をはかるため、社外取締役を1名増員し、2名とするなど、今後もさらなるコーポレート・ガバナンスの充実につとめてまいります。

 

3.不適切な者によって支配されることを防止する取組み

当社は、前記の「2.基本方針の実現に資する取組みの内容」に記載した取組みを基本として、当社の企業価値および株主共同の利益の最大化を追求してまいる所存でございますが、企業価値および株主共同の利益に資さない株式の大量取得行為がおこなわれる可能性を否定できないと考えております。そこで、当社取締役会は、そのような行為を抑止するため、平成26年5月13日開催の取締役会において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)について、更新すること(更新後のプランを、以下「本プラン」といいます。)を決議し、平成26年6月26日開催の第78回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。

これは、当社株式の大量取得行為がおこなわれる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、あるいは当社経営陣や独立委員会等が買収者と交渉・協議するために、必要・十分な情報と時間を確保することにより、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。

本プランは、(a)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付、または、(b)当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け(以下「買付等」といいます。)を対象とします。

  当社の株券等について買付等がおこなわれる場合、当該買付等をおこなおうとする者(以下「買付者等」といいます。)には、買付内容等の検討に必要な情報および本プランを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面を当社取締役会に対して事前に提出していただきます。その後、買付者等から提供された情報や当社取締役会からの意見およびその根拠資料や代替案が、独立性の高い社外取締役および社外監査役によって構成される独立委員会に提供され、その評価、検討を経るものとします。独立委員会は、必要に応じて、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得た上、買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、直接または間接に買付者等との交渉、株主の皆様に対する情報開示等をおこないます。

独立委員会は、買付者等が本プランに定められた手続を遵守しなかった場合、その他買付等の内容の検討の結果、当該買付等が当社の企業価値および株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、本プランに定める要件のいずれかに該当すると認めた場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。

当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議をおこなうものとします。また、当社取締役会は、独立委員会の新株予約権の無償割当てを実施すべき旨の勧告を尊重し、新株予約権の無償割当ての実施を決議した場合には、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認します(ただし、買付者等が本プランに定められた手続を遵守しない場合を除きます。)。

本プランの有効期間は、平成26年6月26日開催の第78回定時株主総会終結の時から平成29年6月に開催予定の定時株主総会終結の時までとなっております。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において出席した議決権を行使することができる株主の皆様の議決権の過半数をもって本プランを廃止する旨の決議がおこなわれた場合、または、当社の株主総会で選任された取締役で構成する取締役会により本プランを廃止する旨の決議がおこなわれた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

本プランは、上記更新時において新株予約権の無償割当てをおこなうものではありませんので、更新自体によって株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響は生じておりません。他方、新株予約権の無償割当てがおこなわれた場合、株主の皆様が新株予約権の行使および行使価額相当の金銭の払込をおこなわなければ、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式の価値が希釈化されることになります(本プランに定められたところに従い、当社が非適格者以外の株主の皆様から新株予約権を取得し、それと引き換えに当社株式を交付することとした場合を除きます。)。また、一旦新株予約権の無償割当ての実施が承認された場合であっても、本プランに定められたところに従い、当社が新株予約権の無償割当てを中止し、または新株予約権を無償にて取得することとした場合には、当社株式の1株当たりの価値の希釈化は生じませんので、かかる希釈化が生じることを前提にして売買をおこなった株主の皆様は、当社株式の株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。

その他、本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成26年5月13日付「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。

(http://www.0101maruigroup.co.jp/pdf/settlement/14_0513/14_0513_2.pdf)

 

4.具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

前記の「2.基本方針の実現に資する取組みの内容」および「3.不適切な者によって支配されることを防止する取組み」は、いずれも当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものであります。特に、本プランは、株主総会で承認を得て更新されたものであること、合理的かつ客観的要件が設定されていること、独立性の高い社外取締役および社外監査役によって構成される独立委員会の判断を重視すること、独立委員会は第三者専門家の助言を得ることができること、当社取締役の任期は1年であり、毎年の取締役の選任を通じても、本プランにつき、株主の皆様のご意向を反映させることが可能なこと、当社株主総会または取締役会により、いつでも廃止することができることなどにより、公正性・客観性が担保されており、当社の企業価値および株主共同の利益を損なうものではなく、当社取締役の地位の維持を目的とするものではありません。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 事業環境について

当社グループの中核をなす小売・店舗事業につきましては、景気動向や冷夏・暖冬などの天候不順の影響を大きく受ける可能性があります。また、今後消費税や社会保険料の負担拡大などにより、個人消費が落ち込んだ場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(2) 法的規制について

当社グループはカード事業において、割賦購入あっせん事業は「割賦販売法」、消費者ローン事業は「貸金業法」にもとづき事業を行っており、過剰与信の防止や過剰貸付の禁止等の規制を受けております。

このように当社グループは、様々な法令の適用を受け、これらを遵守し事業活動を行っておりますが、これらの法令の将来における改定もしくは解釈の変更や厳格化、または新たな法的規制が発生した場合には、その内容により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 個人情報管理について

当社グループは、エポスカードの会員情報をはじめとする多数の個人情報を保有しておりますので、個人情報の管理をグループ最高位のリスクのひとつとして捉え、個人情報保護推進委員会による管理体制の強化をはかっております。

特に、個人情報の電子データにつきましては、基幹サーバーにて厳重な管理を行っており、外部からの侵入防御に対しては第三者機関によるセキュリティ検査を実施し、内部における不正アクセスの防止などにつきましても、可能な限りの対策をすすめております。

このような対策にもかかわらず、万が一個人情報が漏洩した場合は、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償責任が発生することなどが考えられ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 情報システムについて

当社グループでは、コンピューターシステムおよび通信ネットワークを多岐にわたり使用しており、ハードウエアやソフトウエアの欠陥等によるシステムエラーや、事故等による通信ネットワークの障害などが生じた場合には、その内容や規模によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

(5) 災害等について

当社グループの営業拠点は、その大半が首都圏に集中しております。従いまして、首都圏において大規模な地震・風水害などの自然災害やテロ行為が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、採用している重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成において、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

①  流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は4,145億42百万円(前連結会計年度末3,727億25百万円)となり、418億17百万円増加いたしました。これは主に、エポスカードのご利用客数の拡大や加盟店での取扱高の高伸長により割賦売掛金が422億78百万円増加したことによるものです。

②  固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は2,494億76百万円(前連結会計年度末2,514億48百万円)となり、19億72百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が32億87百万円減少したことによるものです。

③  負債

当連結会計年度末における負債の残高は3,481億30百万円(前連結会計年度末3,201億21百万円)となり、280億8百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債が210億62百万円増加したためです。

④  純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は3,158億89百万円(前連結会計年度末3,040億51百万円)となり、118億37百万円増加いたしました。

 

(3) 経営成績の分析

経営成績の分析については、「1  業績等の概要  (1) 業績」に記載しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「1  業績等の概要  (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。