第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成27年3月1日~平成28年2月29日)におけるわが国経済は、ベースアップに伴う名目賃金の上昇により個人消費は緩やかな回復傾向にありましたが、年明け以降の株価急落や世界経済の先行き懸念により消費者マインドの悪化が消費支出の抑制となり、小売業界におきまして依然として厳しい環境が続いております。

このような状況において、国内事業では、「楽しく、新鮮」という価値に焦点を合わせて、異業種パートナーも含めたバリューチェーン全体が一体となっていくための戦略テーマ「Fun&Fresh」を掲げ、商品面、運営面、開発面の各取組みにおいてお客様の「品質」に徹底的にこだわることにより、クオリティにおける業界のリーディングカンパニーを目指しております。

当連結会計年度末の国内店舗数は11,656店(国内エリアフランチャイザー4社計822店を含む)となりました。また、海外店舗数は、台湾、タイ、中国、ベトナム、インドネシア及びフィリピンにおいて5,846店となり、国内外合わせた全店舗数は17,502店となりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業総収入は4,276億7千6百万円(前連結会計年度比14.2%増)、営業利益は487億3千4百万円(同20.6%増)、経常利益は518億8千8百万円(同22.0%増)、当期純利益は前連結会計年度における関係会社株式売却益計上の反動減等により210億6千7百万円(同17.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、以下のとおりであります。

 

①国内事業

国内のコンビニエンスストア(CVS)事業におきましては、開発面では、「1万店を超えるチェーンを健全に成長させるための出店」という考え方で、戦略的なビルド&スクラップ(B&S)やCVS業界内で圧倒的な強みを持つ鉄道事業者との取り組みとして、平成27年7月に「仙台市営地下鉄南北線」沿線の売店をファミリーマートにブランド転換し、同年11月に「京都市営地下鉄」駅構内に「ファミリーマート今出川駅店」を開店しました。他業態との一体型店舗では株式会社湘南薬品と業務提携契約を締結し、平成27年8月に「ファミリーマート+湘南薬品戸塚西口店」を出店しました。また、平成27年9月に株式会社TSUTAYAと包括提携契約を締結後、同年11月に「ファミリーマートTSUTAYA長尾店」を出店するなど店舗網の拡大に取り組みました。その結果、出店数765店(国内エリアフランチャイザー4社計62店を含む)、純増数328店(同8店を含む)となりました。

商品面では、「お客様にとっての品質」を実現するため、中食構造改革を推進し、主力商品である「弁当」「調理麺」「デザート」「パスタ」「おむすび」を、具材・調理方法・見た目に徹底的にこだわって全面的にリニューアルし、中食商品をはじめとするオリジナル商品の開発と品質の向上に努めました。中でも、平成27年5月に発売した「FAMIMA CAFÉ」の「抹茶フラッペ」「マンゴー&オレンジフラッペ」は一時品薄状態になる程の大人気商品となり、また、同年10月に発売した、電子レンジで調理する本格ラーメン「ファミマのラーメン」も大ヒットしました。更に、健康に配慮した中食開発においては「神戸市立医療センター中央市民病院」や「淑徳大学」との提携による健康中食は好評を博し、他社との差別化を推進しました。これらにより、中食既存比は前年超えで推移しました。

運営面では、お客様ファーストで考え、加盟店とともに「お客様にとってより良いお店づくり」に取り組み、チェーン全体の実行力を高めるため、店舗運営力の向上・SV指導力を強化してまいりました。また、発注強化による中食物量の改善や重点品番強化を行った結果、売上が好調に推移しました。

プロモーション面では、平成27年4月、7月及び10月並びに平成28年1月の年4回「ファミマ・フェスタ」を実施し、税込700円以上お買い上げごとに、店頭でのくじ引きで人気商品の引換券やキャラクターグッズがその場で当たる販売促進を行ったことなどで売上向上に寄与しました。また、平成27年9月及び11月には、ファストフード、中食、飲料等、様々なカテゴリーから約100アイテムの売れ筋・定番商品を厳選した割引キャンペーン「ファミマの厳選100アイテム お買い得セール」により、期間中の集客を図り売上が好調に推移しました。

国内のその他の事業におきましては、ネットビジネス分野では、株式会社ファミマ・ドット・コムのエンターテインメント事業と連携した関連商品をファミリーマート店頭やネットショッピングサイト「famima.com」で販売するなど、ネットビジネス事業を充実させております。金融分野では、決済手段の多様化に対応し、お客様の更なる利便性向上を図るため、平成27年6月にTカードで使える電子マネー「Tマネー」の取扱いを開始しました。また、平成28年2月に、「銀聯カード(一部取扱い済み)」、「ディスカバーカード」及び「新韓カード」といった海外金融機関発行のクレジットカードの取扱いを全国のファミリーマート店舗で開始しました。特に「新韓カード」の取扱いはCVS業界としては初めての導入となり、他社との差別化を推進しました。

なお、当社は、株式会社ココストアを平成27年10月1日に当社の完全子会社とし、同年12月1日に吸収合併しました。これにより、ココストア及びエブリワンの名称にて展開してまいりました店舗は、ファミリーマートブランドへの統合を開始し、同年12月9日にブランド転換1号店を開店しております。

これらの結果、国内事業の営業総収入は3,709億6千3百万円(前連結会計年度比13.3%増)セグメント利益(当期純利益)は203億4千9百万円(同36.7%増)となりました。

 

②海外事業

海外事業におきましては、現地のパートナー企業と共同出資して自ら経営に参画する合弁方式を基本フォーマットとし、合弁会社からの取込利益と配当収入の最大化を図るとともに、ライセンス供与に伴うノウハウ提供や支援を通じたロイヤリティ収入の安定的な確保に努めております。

台湾では、ドラッグ・スーパー・外食の一体型店舗を開店し、店舗網の拡大を支援するとともに、中食構造の業務改革を推進することで、計画を上回って推移しました。

中国では、出店攻勢や弁当を中心とした中食強化の実施やFC化比率上昇が収益向上に寄与し、上海を始めとして黒字幅の拡大を実現し、利益は計画を達成しております。

タイでは、平成26年に発生した政情不安等により客数が計画より下回る状況が続きましたが、新たなCEOを選任するとともに、当社からChairmanを派遣し、執行体制を刷新するなど抜本的な経営改善施策を実施した結果、日商・客数改善の兆しが見え始めております。

 

これらの結果、海外事業の営業総収入は567億1千3百万円(前連結会計年度比20.4%増)、セグメント利益(当期純利益)は7億1千8百万円(同93.3%減)となりました。

 

 当社は、平成27年3月10日開催の取締役会において、ユニーグループ・ホールディングス株式会社(以下「ユニーグループHD」といい、当社と併せて「両社」といいます。)との間で、経営統合に係る協議を開始することを決議しました。また、平成27年10月15日開催の取締役会においてユニーグループHDとの間で、対等の精神に則り、経営統合に関する基本合意書を締結いたしました。その後、両社での協議を継続した結果、平成28年2月3日開催の取締役会において、当社及びユニーグループHDの間で吸収合併契約を、また、当社及び株式会社サークルKサンクス(以下「CKS」といいます。)の間で吸収分割契約をそれぞれ締結いたしました。これらの契約締結以降、本経営統合の実現に向け、全てのステークホルダーに貢献できるよう経営統合に向けた準備等を進めております。なお、両契約は、平成28年5月26日開催の当社第35期定時株主総会で承認可決され、また同日開催されたユニーグループHDの第45期定時株主総会及び平成28年5月24日開催のCKSの第15期定時株主総会においても承認可決されました。

 

 (2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は979億8千5百万円となり、前連結会計年度に比べ261億4千8百万円増加しております。これは、店舗運営力の向上や中食構造改革等を推進し他社と差別化を図ったこと等により、営業活動が好調になったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は615億6千6百万円となり、前連結会計年度に比べ78億9千1百万円増加しております。これは、店舗投資の減少があったものの、お客様の更なる利便性向上への貢献とTポイントの価値向上を目的とした株式会社Tポイント・ジャパンの株式取得及び、店舗網の拡充によるスケールメリット享受及び事業インフラ統合による効率化等を図り、事業価値向上を目的とした株式会社ココストアの株式取得等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は173億9千4百万円となり、前連結会計年度に比べ39億8千万円減少しております。これは、店舗投資に係るファイナンス・リース取引の増加があるものの、長期借入れ実行の影響等によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ184億2千9百万円増加し、1,310億5千6百万円となりました。

 

2【最近の営業の状況】

①セグメントごとの営業総収入

 

当連結会計年度
(平成27年3月1日~平成28年2月29日)

金額(百万円)

前期比(%)

構成比(%)

報告セグメント

 

国内事業

370,963

113.3

86.7

 

海外事業

56,713

120.4

13.3

427,676

114.2

100.0

(注)上記金額にはセグメント間の内部営業総収入及び消費税等は含まれておりません。

 

コンビニエンスストア事業に係るチェーン全店売上高

 

セグメント

の区分

 当連結会計年度

(平成27年3月1日~平成28年2月29日)

チェーン全店売上高

(百万円)

前期比(%)

 

  ㈱ファミリーマート

国内事業

2,005,580

107.8

 

  国内エリアフランチャイザー

174,208

117.9

国内事業計

 

2,179,788

108.6

 海外エリアフランチャイザー

海外事業

352,507

91.9

チェーン全店売上高合計

 

2,532,296

105.9

(注)1.海外エリアフランチャイザーのチェーン全店売上高は、平成27年1月1日~平成27年12月31日のものであります。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

1.当面の対処すべき課題の内容等

 次期の経済見通しにつきましては、平成28年年明けの金融市場の混乱の影響や平成29年4月に予定されている消費税率引き上げを控えて、消費者の節約志向の継続が見込まれ、依然として小売業界における先行きは不透明な状況が続くと見込まれます。

 このような状況の中で、当社は、社会・生活インフラ企業として、お客さまがコンビニエンスストアに求められる役割・機能を十分に認識し、利便性に加え「気軽にこころの豊かさ」を提案することで、選ばれ続けるチェーンを目指してまいります。

 

①国内事業

 国内のコンビニエンスストア事業におきましては、全ての加盟店の成長力、収益力の向上を目指しフランチャイザー機能をより一層充実させてまいります。

 コンビニエンスストア業界は、利便性を追求する時代から、顧客価値を創造し提供していく時代に移行しております。これからの時代をリードするためには、持続的成長につなげる新たなコンビニエンスストア像を構築することが必要であり、地域コミュニティーの中心となって、お客様の新しい生活を創り出していくための戦略テーマ「Fun&Fresh」を掲げ、「楽しく、新鮮」はもとより、お客さまに驚きのある商品・サービスを提供し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

 開発面では、三大都市圏への出店に注力しながら、他の地域ではドミナント効率の向上を図る一方、B&S・一体型店舗の出店比率を高め、高質な店舗網の構築に努めてまいります。なお、平成28年3月1日に当社の完全子会社である株式会社北海道ファミリーマートを吸収分割会社、当社を吸収分割承継会社とする吸収分割を行いました。これにより、北海道内における店舗網の拡大を進めてまいります。また、ブランド統合を進めているココストアにおいては、平成28年8月末を目途にファミリーマートブランドへの統合を完了させてまいります。

 商品面では、「お客様にとっての品質」を実現するため、中食構造改革を継続して推進し、中食商品の開発と品質の向上に努めてまいります。今後も引き続き麺類などの刷新を予定しております。また、地域性や健康中食の強化等お客様ニーズにきめ細やかに対応することでより幅広い客層にご利用いただけるチェーンを目指してまいります。

 運営面では、「SST(ストアスタッフトータルシステム)」の活用を通じてSQC(サービス・クオリティ・クリンネス)をレベルアップさせ、「お客様ファーストの店舗づくり」の実現を図ってまいります。更に、会員数が900万人超に達した「ファミマTカード」では、配布型カードの会員登録の推進、Tマネー決済の促進やTポイント提携企業とのアライアンスの取組み強化などにより、集客力の向上に努めてまいります。

 国内のその他の事業におきましては、株式会社ファミマ・ドット・コムでは、エンターテインメント事業を中心とした総合的戦略を加速させ、各興行の主催者との協業を強化することにより、チケット販売のみならず、ファミリーマート店頭やネットショッピングサイト「famima.com」での関連商品の販売拡大に取り組むなど、ネットビジネス事業をより一層充実させてまいります。また、株式会社シニアライフクリエイトでは、宅食の食数向上と施設向けの食材供給ビジネスの強化をしてまいります。更に、平成28年4月5日に日本郵政株式会社との業務提携についての基本合意書を締結し、日本郵便との取り組みでは国内及び海外のファミリーマート店舗を起点として配送する「越境eコマース」サービスや、ゆうちょ銀行との取り組みでは「ゆうちょATM」の導入拡大など、様々な取り組みを通じて、お客様への利便性向上、地域への貢献を果たしてまいります。

 

②海外事業

 海外事業におきましては、日本発祥のコンビニエンスストアチェーンとして蓄積してきた当社独自のノウハウやITシステムを活用したビジネスモデルにより店舗網を拡大してまいります。また、既存進出地域では、マーケット・社会環境に応じて事業スキームを再構築し、事業基盤を強化するとともに、「FamilyMart collection」の販売地域の拡大などを通じてグローバルブランディング活動を推進してまいります。

 

 当社とユニーグループHDとの経営統合については、平成28年5月26日開催の両社定時株主総会における吸収合併契約の承認、並びに当社定時株主総会及び平成28年5月24日開催のCKSの定時株主総会における吸収分割契約の承認を受けて、これら契約の効力発生日である同年9月1日(予定)に向け、本経営統合に必要な諸手続きを進めてまいります。本経営統合により、両社の経営資源を結集し、お客様、フランチャイズ・オーナー、取引先、株主、従業員に貢献できる企業となることを目指してまいります。

 

2.株式会社の支配に関する基本方針について

(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。
 当社は、フランチャイズ方式によるコンビニエンスストアの展開を主な事業内容とし、コンビニエンスストア事業に関連するその他のサービス等の事業活動を展開しております。株主・加盟店・取引先・従業員、そして地域社会等のステークホルダーと相互にプラスの関係を築きながら、共に成長し発展するという当社の基本姿勢である「共同成長(CO-GROWING)」の考え方に基づき、加盟店と当社の継続的な収益向上を目指しています。
 当社の経営に当たっては、フランチャイズビジネスに関する幅広いノウハウと豊富な経験、並びに国内外のステークホルダーとの間に築かれた取引関係等への十分な理解が不可欠です。これらは当社が創業以来培ってきた財産であり、当社の事業はこの財産にその源を有しております。
 したがって、株主を含むステークホルダーとの間で成立している上記の財産に基づく当社の企業価値若しくは株主共同の利益を著しく毀損すると認められるような者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
 そして、①買収の目的やその後の経営方針等が、当社の企業価値若しくは株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのある者、②当社株主に株式の売却を事実上強制するおそれがある者、③当社に、当該買付に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を十分に与えることのない者、④当社株主に対して、買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することのない者、⑤買付の条件等(対価の価額・種類、買付の時期、買付方法の適法性、買付の実行の蓋然性等)が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である者、⑥当社企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊するおそれのある者等が、当社株式の大規模買付や買付提案を行う場合には、当社の企業価値及び株主共同の利益を守る必要があると考えております。

(2) 基本方針の実現に資する取組み

① 経営の基本方針

 当社では、「ファミリーマート基本理念」を掲げ、『私たちファミリーマートは、ホスピタリティあふれる行動を通じて、お客さまに「気軽にこころの豊かさ」を提案し、快適で楽しさあふれる生活に貢献します。』と定めております。あわせて、社員・加盟店が共通の価値観をもって行動するための指針「ファミマシップ」を制定しております。

 私たちファミリーマートは、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」のスローガンのもと、この基本理念の実現を目指すとともに、企業価値のさらなる向上に努めてまいります。

② 中長期的な経営戦略

 当社は、クオリティにおける業界のリーディングカンパニーを目指し、「楽しく、新鮮」という価値に焦点を合わせて、異業種パートナーも含めたバリューチェーン全体が一体となっていくための戦略テーマ「Fun&Fresh」を掲げ、国内CVS事業、海外CVS事業、新規事業の各分野における取組みのもと、フランチャイズチェーン本部としての経営基盤の強化を進めてまいります。

 また、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置付けております。

 また、環境・CSRなど全ての活動を推進し、地域社会への貢献を通じて、売上・利益の拡大と企業価値の向上に取り組んでまいります。

③ コーポレート・ガバナンスの強化

 当社は、コーポレート・ガバナンスの強化が企業価値及び株主共同の利益の確保・向上につながるとの考えに基づき、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの状況 ① 企業統治の体制 ハ.その他の企業統治に関する事項」に記載の内部統制システムを構築・運用しております。

(3) 上記の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではないこと及び会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと並びにその判断に係る理由

 上記の取組みは、株主を含むステークホルダーとの間に成立している当社の財産を最大限に活用し、収益の維持・向上と株主への利益還元を図り、当社の企業価値及び株主共同の利益に資するものであります。
 したがいまして、上記の取組みは、基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。
 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
 当社では、全社的なリスク管理体制を整備し、当社が直面する可能性のあるリスクを発生ひん度、影響の強弱等により評価・分類したうえで、それぞれのリスクの影響等を最少化するために、リスクに対応した活動を継続的に実施しております。また、当社グループ会社においても、この活動を推進しております。

(1)経済情勢等

 当社グループは、主としてコンビニエンスストア事業を展開しております。事業展開している国内・海外(台湾・タイ・中国・ベトナム・インドネシア・フィリピン)における異常気象や景気動向・消費動向等の経済情勢の変化及び同業・異業態の小売業他社との競争状態の変化等により、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(2)自然災害等

 事業展開している国内・海外において、予期せぬ火災、テロ、戦争及び疫病等の人災や地震、異常気象等の天災により、店舗の損壊、店舗への商品供給の停止及びその他店舗の営業継続に支障をきたす事態が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(3)フランチャイズ方式

 当社グループは、主たる事業であるコンビニエンスストア事業において、フランチャイズ方式を採用し、加盟者に対し、当社が開発・保有する「ファミリーマート・システム」を提供しております。万一、「ファミリーマート・システム」を侵害する行為や、加盟者、取引先による法令違反、不祥事等により、各種取引の停止やチェーンの信用失墜等が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループと加盟者との信頼関係が損なわれたことにより、多くの加盟者との間で加盟(フランチャイズ)契約が終了する事態が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(4)食品の安全性

 当社グループは、コンビニエンスストア事業において、消費者向けに主として食品の販売を行っております。万一、食中毒、異物の混入、表示違反等の重大な商品事故等が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループといたしましては、厳格な品質管理基準を設定し、取引先とともに製造から販売まで一貫した品質管理体制を構築することにより、食品の安全・安心を図っております。

(5)法規制等の影響

 当社グループは、事業展開している国内・海外において、食品の安全性、公正な取引、環境保護等に関する法規制の適用、行政の許認可等を受けております。将来において、法規制やコンビニエンスストア等の営業等に関する許認可等の予期せぬ変更、当局との見解の相違等により、これらに対応する費用の増加やコンビニエンスストアの営業に制約等が生じた場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 また、現在のところ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、業績への影響や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループ及び事業に不利な判断がなされた場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

(6)個人情報の取扱い

 当社グループは、事業の過程において、お客さま等の個人情報を収集、保有しております。万一、個人情報の漏えい事故等が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループといたしましては、個人情報への不正なアクセス、個人情報の漏えい等を防止するため、一般に信頼性が高いと認められている組織的、人的、物理的、技術的安全管理措置を講じ、個人情報を取扱う従業者に対し、必要かつ適切な監督を行っております。当社は、平成18年11月に、コンビニエンスストアチェーン本部としては初めて「プライバシーマーク」の認定を受けております。

(7)情報システム

 当社グループは、コンビニエンスストア事業において、当社グループ、取引先及び店舗の間に情報システムを構築しております。この情報システムの障害やシステムを悪用した不正等により、商品の受発注、配送、販売、代行収納などのサービスの提供及び業務の遂行等に支障をきたす事態が発生した場合、当社グループの事業の遂行や業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループといたしましては、情報システムに関する各種基準を設定し、システムの企画から運用に至るまで、外部委託先とともに情報システムの安全対策を構築しております。さらに、システム運用体制の二重化やデータのバックアップを確保する等不測の事態に備えた体制を構築しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)加盟契約の要旨

a.当事者(当社と加盟者)の間で、取り結ぶ契約

(a)契約の名称

 ファミリーマート・フランチャイズ契約

(b)契約の本旨

 当社の保有するファミリーマート・システムのもとに、当社と加盟者が協力して消費者の生活に手軽で便利な商品を提供することにより、その利便性の向上に応えるとともに、当社と加盟者の相互の信頼と事業の繁栄を実現すること。

b.加盟に際し徴収する加盟金、その他の金銭に関する事項

徴収する金銭の額

その性質

総額

・下記イからハまでの合計

金  3,000,000円

 

 内訳

 

  イ.加盟金

金    500,000円

・ファミリーマート・フランチャイズチェーンに加盟する対価(消費税等は別途)

  ロ.開店準備手数料

金  1,000,000円

・立地調査報告書、事業ガイドラインの作成、店長研修など開店までに行うすべての業務の対価(消費税等は別途)

  ハ.元入金

金  1,500,000円

・ファミリーマート店の経営を開始するにあたり、正味資産として投下する金銭
開店時の商品・用度品の仕入代金や、両替現金(400,000円)として使われることになります

 

(上記金額を加盟者が自己資金として自らの調達により当社に対し支払いが行われます)

 

c.加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

(a)当社は、加盟者に商品の仕入の便宜を提供し、ファミリーマート・システムの統一、商品の品揃えの充実を図るため、ファミリーマート店の商品の開発を行うとともに、仕入の相手方企業との間で仕入体制を構築し、加盟者に商品と仕入先を推奨します。加盟者は、当社の推奨する仕入先及びその他の仕入先から商品を仕入れます。

(b)加盟者は売上金等を当社に送金します。当社は推奨した商品について仕入先に対し仕入代金を支払代行します。

d.経営の指導に関する事項

(a)加盟に際しての研修の有無

加盟者は、当社の定める内容と方法に従い、研修を受講します。

(b)研修の内容

イ.教室研修(5日間)

湘南研修センターにおいて経営者としての心得や店長業務に必要なオペレーション操作、マネジメント知識等の習得。

ロ.店舗研修(5日間)

実際の売場に立ち、1日の流れに沿って店舗のオペレーションを中心とした実地トレーニング。

(c)加盟者に対する継続的な経営指導の方法

イ.巡回指導担当者の派遣。

ロ.従業員の募集、採用、就業体制などについて助言・指導、従業員教育用の教材の提供。

ハ.商品などの仕入体制の構築、商品・仕入先などの推奨。

ニ.商品の陳列、販売価格の推奨など。

ホ.情報システム、物流システムの提供。

ヘ.販促活動用の販促物の提供、販促活動の助言・指導。

ト.売上向上に関する助言・指導。

チ.接客に関する助言・指導。

リ.クリンネスに関する助言・指導。

ヌ.営業費管理に関する助言・指導。

e.使用させる商標、商号その他の表示に関する事項

(a)ファミリーマート店において当社の定める範囲で“ファミリーマート”などの商標、その他商品、営業の象徴となる標章(マーク)を使用することが許諾されます。

(b)加盟者は、当社及び当社の関係会社の商号、当社の属する企業グループの名称は使用することができません。

f.契約の期間、再契約及び契約解除に関する事項

(a)契約の期間

 ファミリーマート店の開店日の属する月から同月を含め120ヶ月目にあたる月の末日まで。

(b)再契約

 契約満了にあたって、加盟者と当社が協議し、再契約の締結を合意した場合新たなフランチャイズ契約を締結します。

(c)契約の解除の要件

 当社又は加盟者がフランチャイズ契約上の定めに重大な違反を行った場合や信用不安となった場合など、フランチャイズ契約を継続しがたい事由が生じた場合はその相手方はフランチャイズ契約を解除することができます。

g.加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項

 加盟者は、ファミリーマート・システム等の提供を受ける対価として、当月の営業総利益に下表の割合を乗じた金額を支払います。

加盟者が店舗物件を用意する場合

当社が加盟者に店舗物件を使用貸借する場合

店舗物件、店舗投資を加盟者が負担

店舗投資の一部
を当社が負担

店舗投資を
加盟者が負担

店舗投資を当社が負担

(2FC-N)

(1FC-A)

(1FC-B)

(1FC-C)

当月の営業総利益のうち

開店~5年目

6年目以降 (注)

 

 

 

300万円以下の部分

48%

46%

35%

38%

48%

300万1円以上
450万円以下の部分

60%

57%

 

 

 

450万1円以上の部分

65%

61%

 (注)ただし、当社の定める適用基準を充足していることが条件となります。

(2)エリアフランチャイズに関する契約の要旨

a.株式会社沖縄ファミリーマート

(a)契約日

昭和62年11月28日(更新日平成19年10月1日)

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

沖縄県におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

平成19年10月16日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 営業総利益の一定料率

 

b.株式会社南九州ファミリーマート

(a)契約日

平成5年4月12日(更新日平成25年2月19日)

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

鹿児島県及び宮崎県におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

平成25年4月1日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 営業総利益の一定料率

 

c.株式会社北海道ファミリーマート(以下「北海道ファミリーマート」)

(a)契約日

平成18年2月14日

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

北海道におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

平成18年2月14日以降1号店開店日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 営業総利益の一定料率

 なお、北海道ファミリーマートを分割会社、当社を承継会社とする吸収分割により、北海道ファミリーマートは清算され、上記契約は終了する予定であります。

 

d.JR九州リテール株式会社

(a)契約日

平成22年7月9日

(b)契約名

「共同エリア・フランチャイズ契約」

(c)契約の内容

福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県及び大分県におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

平成22年7月9日以降1号店開店日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 営業総利益の一定料率

 

e.全家便利商店股份有限公司(台湾法人)

(a)契約日

1988年12月27日(更新日2009年7月22日)

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

台湾におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2009年1月1日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

f.Central FamilyMart Co.,Ltd.(タイ王国法人)

(a)契約日

1992年10月1日(更新日2012年9月26日)

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

タイ王国におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2012年10月1日から向こう30年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

g.株式会社ファミリーマート・チャイナ・ホールディング

(a)契約日

2004年7月1日(更新日2014年7月1日)

(b)契約名

「中国マスターライセンス契約」

(c)契約の内容

中華人民共和国(香港及びマカオ特別行政区を除く)におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2014年7月1日から向こう7年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

h.China CVS(Cayman Islands)Holding Corp.(ケイマン諸島法人。以下「CCH」)

(a)契約当事者

株式会社ファミリーマート・チャイナ・ホールディング(以下「FMCH」)、

CCH、株式会社ファミリーマート(当社)、

Ting Chuan(Cayman Islands)Holding Corp.(頂新グループ)

(b)契約日

2011年5月11日

(c)契約名

「中国サブライセンス契約」

(d)契約の内容

FMCHは、当社との間で2004年7月1日に締結した「中国マスターライセンス契約」に基づき当社から付与された中華人民共和国(香港及びマカオ特別行政区を除く)におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店を営業する権利をCCHに再付与する。

(e)契約期間

2011年7月1日から向こう10年間

(f)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

なお、CCHは以下の事業会社との間でエリアフランチャイズ契約を締結しております。

名称

許諾地域

上海福満家便利有限公司

中華人民共和国上海市

広州市福満家連鎖便利店有限公司

中華人民共和国広東省広州市

蘇州福満家便利店有限公司

中華人民共和国江蘇省蘇州市

杭州頂全便利店有限公司

中華人民共和国浙江省杭州市

成都福満家便利有限公司

中華人民共和国四川省成都市

深圳市頂全便利店有限公司

中華人民共和国広東省深圳市

無錫福満家便利店有限公司

中華人民共和国江蘇省無錫市

北京頂全便利店有限公司

中華人民共和国北京市

東莞市頂全便利店有限公司

中華人民共和国広東省東莞市

 

i.PT. FAJAR MITRA INDAH(インドネシア共和国法人)

(a)契約日

2012年5月31日

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

インドネシア共和国におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2012年5月31日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

j.Philippine FamilyMart CVS, Inc.(フィリピン共和国法人)

(a)契約日

2012年12月4日

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

フィリピン共和国におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2012年12月4日から向こう10年6ヶ月間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

k.FamilyMart Vietnam Co.,Ltd.(ベトナム社会主義共和国法人)

(a)契約日

2014年5月7日

(b)契約名

「エリアフランチャイズ契約」

(c)契約の内容

ベトナム社会主義共和国におけるコンビニエンスストア“ファミリーマート”の直営店及びフランチャイズ店の営業の許諾。

(d)契約期間

2014年5月7日から向こう10年間

(e)契約の条件

ロイヤリティー 全売上高の一定料率

 

 なお、当連結会計年度において、FAMIMA CORPORATION(アメリカ合衆国法人、清算済み)との間のエリアフランチャイズ契約は、期間満了に伴い終了しております。

 

(3)株式引受等に関する契約の締結

 当社は、平成27年9月8日開催の取締役会において、盛田エンタプライズ株式会社が保有する株式会社ココストアの全株式の取得を決議し、同日付で株式引受等に関する契約を締結いたしました。

 なお、詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(4)合併契約の締結

 当社は、平成27年10月1日開催の取締役会において、平成27年12月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社かつ特定子会社である株式会社ココストアを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、平成27年10月27日に合併契約を締結いたしました。

 なお、詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(5)合併に関する基本合意書の締結

 当社は、平成27年10月15日開催の取締役会において、ユニーグループ・ホールディングス株式会社(以下「ユニーグループHD」といいます。)との間で、平成28年9月(予定)に、当社を吸収合併存続会社、ユニーグループHDを吸収合併消滅会社とする吸収合併(以下「本吸収合併」といい、本吸収合併後の当社を「統合会社」といいます。)を行い、その後、本吸収合併の効力発生を条件として、統合会社を吸収分割会社、ユニーグループHDの完全子会社である株式会社サークルKサンクス(以下「CKS」といいます。)を吸収分割承継会社とする吸収分割を行い、統合会社のコンビニエンスストア(以下「CVS」といいます。)事業をCKSに承継することにより、対等の精神に則り、経営統合することに関して、基本合意書を締結することを決議し、同日付で基本合意書を締結いたしました。

 

(6)吸収合併契約の締結

 当社は、平成28年2月3日開催の取締役会において、平成28年9月1日(予定)を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、ユニーグループHDを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で吸収合併契約を締結いたしました。同契約は、平成28年5月26日開催の当社第35期定時株主総会で承認可決され、また同日開催されたユニーグループHDの第45期定時株主総会及び平成28年5月24日開催のCKSの第15期定時株主総会においても承認可決されました。

 本吸収合併の概要は次のとおりであります。

 

1.本吸収合併を行う理由

 当社は、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」をスローガンに、利便性に加え、「気軽にこころの豊かさ」を提案することで選ばれるチェーンを目指しております。CVS事業においては、国内では、すべての加盟店の成長力及び収益力の向上を目指し、積極出店の継続と共に、商品・運営面での各施策に取り組んでおります。さらに、平成32年を見据えた更なる成長に向けて、戦略テーマ「Fun & Fresh」を新たに掲げ、新しい生活スタイルを創造する次世代のCVS像を提案してまいります。海外では、アジアを中心に日本発祥のCVSチェーンとして蓄積してきた独自のノウハウやビジネスモデルを浸透させることで、積極的な店舗展開と、地域の特性に合わせた商品開発や品揃え拡充による売上の最大化に努めております。

 一方、ユニーグループHDは、「ミッション」、「ビジョン」、「共有価値観」を理念に、中部地方を地盤として全国で事業を展開しております。大商圏に対しては総合小売事業を営むユニー株式会社が『新生活創造小売業』の実現を目指し「アピタ」、「ピアゴ」を、小商圏に対してはCVS事業を営むCKSが、『いちばんの満足をあなたに』という経営ビジョンを掲げ、「サークルK」及び「サンクス」を、加えて、都市型ミニスーパー事業を営む株式会社99イチバが「miniピアゴ」を展開し、それぞれの持つノウハウや商品調達、商品開発、物流等において相互に連携することで、競争力の強化、成長機会の獲得を目指しております。また、その他に、グループでは、アパレルの専門店事業のほか、総合金融サービス事業などの事業を展開しております。また、ユニーグループHDは拡大するアジア地域のマーケットを取り込むべく、日本で培ったお客様満足を第一に考える店舗作りを海外に広げています。

 近年、国内の小売事業環境は大きく変化しています。総人口の減少による市場規模の縮小や、CVSの出店競争、ドラッグストア、同業に加え量販店や百貨店等の異業態との競争激化という厳しい経営環境の一方で、利便性や差別化された商品を志向する消費者が増えており、新たな発想による事業機会が生まれています。海外においては、景気変動の影響を受けつつも、日本で発展したCVSという業態が着実に根付いています。経済発展とともに、小売業態全般に競争は厳しくなりますが、独自の価値を提供していくことでの成長余地は依然として大きいと考えられます。

 かかる状況の下、競争を勝ち抜くためには、両社の経営資源を結集し、新たな小売グループを形成することが必要であるとの結論に至りました。

 本吸収合併に基づく本経営統合により、両社の経営資源を結集し、お客様、フランチャイズ・オーナー、お取引先、株主、従業員に貢献できる企業となることを目指してまいります。

 

2.本吸収合併契約の内容

 当社とユニーグループHDが平成28年2月3日付で締結した本吸収合併契約の内容は、以下のとおりであります。

 

吸収合併契約書(写)

 

 株式会社ファミリーマート(以下「甲」という。)及びユニーグループ・ホールディングス株式会社(以下「乙」という。)は、平成28年2月3日(以下「本契約締結日」という。)、以下のとおり吸収合併契約(以下「本契約」という。)を締結する。

 

第1条(本吸収合併の当事者)

1.甲及び乙は、本契約の定めるところに従い、甲を吸収合併存続会社、乙を吸収合併消滅会社として吸収合併(以下「本吸収合併」という。)を行う。

2.甲及び乙の商号及び住所は、次のとおりである。

(1)吸収合併存続会社

(商号)株式会社ファミリーマート(平成28年9月1日付で「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社」に商号変更予定。)

(住所)東京都豊島区東池袋三丁目1番1号

(2)吸収合併消滅会社

(商号)ユニーグループ・ホールディングス株式会社

(住所)愛知県稲沢市天池五反田町1番地

 

第2条(本吸収合併に際して交付する金銭等)

1.甲は、本吸収合併に際して、本吸収合併の効力が生ずる時点の直前時における乙の株主(但し、甲及び乙を除く。以下「本割当対象株主」という。)に対し、その所有する乙の株式の合計数に0.138を乗じた数の甲の株式を交付する。

2.甲は、本吸収合併に際して、本割当対象株主に対し、その保有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式0.138株の割合をもって甲の普通株式を割り当てる。

 

第3条(甲の資本金及び準備金の額)

 本吸収合併により、甲の資本金及び準備金の額は増加しない。

 

第4条(効力発生日)

 本吸収合併がその効力を生ずる日(以下「効力発生日」という。)は、平成28年9月1日とする。ただし、本吸収合併の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議・合意の上、これを変更することができる。

 

第5条(株主総会)

 甲及び乙は、効力発生日の前日までに、本契約の承認及び本吸収合併に必要な事項に関する株主総会の決議を求めるものとする。

 

第6条(会社財産の管理等)

 甲及び乙は、本契約締結日から効力発生日に至るまで、善良なる管理者の注意をもって業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行うものとする。

 

第7条(本吸収合併の条件の変更及び本契約の解除)

 本契約締結日から効力発生日に至るまでの間に、甲若しくは乙の財産若しくは経営状態に重大な変更が生じた場合、本吸収合併の実行に重大な支障となる事態が生じ若しくは明らかとなった場合、又はその他本吸収合併の目的の達成が困難となった場合は、甲及び乙は協議・合意の上、本吸収合併の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。

 

第8条(本契約の効力)

 本契約は、効力発生日の前日までに、第5条に定める甲若しくは乙の株主総会における承認を得られなかったとき、又は、甲及び株式会社サークルKサンクスの間の平成28年2月3日付吸収分割契約書第6条に定める甲の株主総会における承認を得られなかったときは、その効力を失うものとする。

 

第9条(協議事項)

 本契約に定める事項のほか、本吸収合併に必要な事項は、本契約の趣旨に則り、甲及び乙が協議・合意の上、これを定める。

 

(7)吸収分割契約の締結

 当社は、平成28年2月3日開催の取締役会において、平成28年9月1日(予定)を効力発生日として、当社が営むCVSのフランチャイズシステムによるCVS事業に関して有する権利義務をCKSに承継させることを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。同契約は、平成28年5月26日開催の当社第35期定時株主総会で承認可決され、また同日開催されたユニーグループHDの第45期定時株主総会及び平成28年5月24日開催のCKSの第15期定時株主総会においても承認可決されました。

 本吸収分割の概要は次のとおりであります。

 

1.本吸収分割を行う理由

 本経営統合後、統合会社は、CVS事業において国内最大規模の店舗網を有することとなります。本吸収分割によって、当社のCVS事業とCKSのCVS事業を統合することで、業界トップクラスの事業基盤を構築し、更なるスケール・メリットやシナジーを追求してまいります。また、国内での事業を拡大する一方で、アジアを中心とした新興国においても、これまで両社が国内で培ったCVSのノウハウを共有・結集し、より一層の強化を図ってまいります。

 さらに、本吸収分割によって持株会社体制に移行することにより、持株会社である統合会社がグループ全体の経営方針を決定し、持株会社傘下の各事業会社は、当該方針に沿った迅速かつ効率的な事業運営を行うことで、グループとしての企業価値の最大化を目指してまいります。

 

2.本吸収分割契約の内容

 当社とCKSが平成28年2月3日付で締結した本吸収分割契約の内容は、以下のとおりであります。

 

吸収分割契約書(写)

 

 株式会社ファミリーマート(以下「甲」という。)及び株式会社サークルKサンクス(以下「乙」という。)は、甲が営むコンビニエンスストア(以下「CVS」という。)のフランチャイズシステムによるCVS事業に関して有する権利義務を乙に承継させる吸収分割(以下「本吸収分割」という。)に関し、平成28年2月3日(以下「本契約締結日」という。)、以下のとおり吸収分割契約(以下「本契約」という。)を締結する。

 

第1条(本吸収分割の当事者)

1.甲は、本契約の定めに従い、吸収分割の方法により、効力発生日(第5条に定義する。)をもって甲が営むCVSのフランチャイズシステムによるCVS事業(以下「本承継対象事業」という。)に関して有する本承継対象権利義務(第2条第1項に定義する。)の一切を乙に承継させ、乙は、これを甲から承継する。

 

2.甲(吸収分割会社)及び乙(吸収分割承継会社)の商号及び住所は、次のとおりである。

(1)吸収分割会社

(商号)株式会社ファミリーマート(平成28年9月1日付で「ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社」に商号変更予定。)

(住所)東京都豊島区東池袋三丁目1番1号

(2)吸収分割承継会社

(商号)株式会社サークルKサンクス(平成28年9月1日付で「株式会社ファミリーマート」に商号変更予定。)

(住所)愛知県稲沢市天池五反田町1番地(平成28年9月1日付で本店所在地を「東京都豊島区東池袋三丁目1番1号」に変更予定。)

 

第2条(承継する権利義務)

1.乙が本吸収分割により甲から承継する資産、負債、契約その他の権利義務(以下「本承継対象権利義務」という。)は、別紙記載のとおりとする。

2.乙が本吸収分割により甲から承継する義務については、全て乙が免責的に引き受ける。

 

第3条(本吸収分割に際して交付する金銭等)

 乙は、本吸収分割により、乙の普通株式100株を発行し、その全てを甲に対して交付する。

 

第4条(乙の資本金及び準備金の額)

 本吸収分割により、乙の資本金及び準備金の額は増加しない。

 

第5条(効力発生日)

 本吸収分割がその効力を生ずる日(以下「効力発生日」という。)は、平成28年9月1日とする。ただし、本吸収分割の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議・合意の上、これを変更することができる。

 

第6条(株主総会)

1.甲は、効力発生日の前日までに、本契約の承認及び本吸収分割に必要な事項に関する株主総会の決議を求めるものとする。

2.乙は、効力発生日の前日までに、本契約の承認及び本吸収分割に必要な事項に関する株主総会の決議(会社法第319条第1項の規定により、株主総会の決議があったものとみなされる場合を含む。)を求めるものとする。

 

第7条(効力発生の条件)

 本吸収分割は、効力発生日において、甲及びユニーグループ・ホールディングス株式会社の間の平成28年2月3日付吸収合併契約書(以下「本吸収合併契約書」という。)に基づく、甲を吸収合併存続会社、ユニーグループ・ホールディングス株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併の効力が発生していることを条件として、その効力を生ずるものとする。

 

第8条(競業避止義務)

 甲は、効力発生日以降も、本承継対象事業について、乙に対して一切の競業避止義務を負わない。

 

第9条(本吸収分割の条件の変更及び本契約の解除)

 本契約締結日から効力発生日に至るまでの間に、甲若しくは乙の財産若しくは経営状態に重大な変更が生じた場合、本吸収分割の実行に重大な支障となる事態が生じ若しくは明らかとなった場合、又はその他本吸収分割の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は協議・合意の上、本吸収分割の条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。

 

第10条(本契約の効力)

 本契約は、効力発生日の前日までに、第6条に定める甲の株主総会における承認を得られなかったとき、又は、本吸収合併契約書第5条に定める甲若しくはユニーグループ・ホールディングス株式会社の株主総会における承認を得られなかったときは、その効力を失うものとする。

 

第11条(協議事項)

 本契約に定める事項のほか、本吸収分割に必要な事項は、本契約の趣旨に則り、甲及び乙が協議・合意の上、これを定める。

 

別紙

承継権利義務等明細表

 

 乙が本吸収分割により甲から承継する資産、負債、契約その他の権利義務は、本吸収分割の効力発生日において甲の有する本承継対象事業に属する次の権利義務とする。

 

1.資産

(1)流動資産

 現金及び預金、有価証券、加盟店貸勘定、商品、前払費用、未収入金、立替金、差入保証金その他一切の流動資産(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

(2)固定資産

 建物、構築物、機械及び装置、工具、器具及び備品、土地、投資有価証券、差入保証金その他一切の固定資産(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

 

2.負債

(1)流動負債

 買掛金、加盟店借勘定、リース債務、未払金、未払費用、預り金その他一切の流動負債(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

(2)固定負債

 リース債務、退職給付引当金、資産除去債務、預り敷金その他一切の固定負債(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

 

3.雇用契約等

(1)雇用契約

 本吸収分割の効力発生日において甲に在籍している従業員との契約の一切(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関する事業に所属する従業員との契約を除く。)

(2)労働協約

 本吸収分割の効力発生日において甲がファミリーマートユニオンとの間で締結している労働協約の一切

 

4.知的財産権

 本承継対象事業に属する特許、商標、意匠、著作等の知的財産に関する権利を含む一切(但し、ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社に係る商標その他甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く)

 

5.雇用契約以外の契約

 本承継対象事業に関して甲が締結した売買契約、フランチャイズ契約、取引基本契約、業務委託契約、請負契約、賃貸借契約、リース契約その他一切の契約上の地位及びこれらの契約に基づき発生した一切の権利義務(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

 

6.許認可等

 本承継対象事業に関する許可、認可、承認、登録及び届出等のうち、法令上承継可能であるものの一切(但し、甲がその株式を保有する会社の事業活動に対する支配・管理及びグループ運営に関するものを除く。)

 

6【研究開発活動】

 研究開発活動については、当社はコンビニエンスストアのオリジナル商品の開発を常に進めておりますが、その他特記すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の営業総収入は、当社において加盟店からの収入が増加したことに加え、台湾の子会社の業績が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度より532億4千5百万円増加(前連結会計年度比14.2%増)し4,276億7千6百万円となりました。

 営業利益は、前連結会計年度より83億1千7百万円増加(同20.6%増)し487億3千4百万円。また、経常利益は、前連結会計年度より93億6千7百万円増加(同22.0%増)し518億8千8百万円となりました。

 特別利益は、投資有価証券売却益や事業譲渡益の計上で7億9千1百万円となりました。また、特別損失は、固定資産除却損、賃貸借契約解約損等の店舗閉鎖損失や減損損失の計上で139億1千8百万円となりました。

 この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より53億7千4百万円減少(同12.2%減)し387億6千1百万円となりました。

 税金及び少数株主利益を控除した当期純利益は、前連結会計年度より46億4百万円減少(同17.9%減)し210億6千7百万円となりました。

 各セグメントの業績の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

 資産合計は、前連結会計年度末より640億5千万円増加し7,302億9千5百万円となりました。

 流動資産は、加盟店貸勘定が減少したものの、有価証券や未収入金が増加したこと等により、前連結会計年度末より307億7千7百万円増加しました。

 固定資産は、店舗投資等による有形固定資産や敷金及び保証金の増加に加え、関係会社株式取得によるのれんの計上や投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末より332億7千2百万円増加しました。

 負債合計は、前連結会計年度末より536億5千万円増加し4,350億6千5百万円となりました。

 流動負債は、未払法人税等が減少したものの、支払手形及び買掛金や未払金、預り金が増加したこと等により、前連結会計年度末より340億3千5百万円増加しました。

 固定負債は、長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末より196億1千4百万円増加しました。

 純資産は、前連結会計年度末より104億円増加し2,952億2千9百万円となりました。これは、利益剰余金が増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況  1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。