来期の経営環境について展望しますと、米国経済は好調持続、欧州経済は英国のEU離脱に伴う影響は不透明ながら、その悪影響が限定的であれば景気拡大が続くと見込まれます。新興国では、中国は構造改革により成長が抑制されるものの、総じて堅調な資源価格動向や好調な先進国経済の恩恵により良好な状態が見込まれ、世界経済は拡大傾向を維持すると考えられます。
日本経済は、輸出拡大や、所得増を受けた個人消費の持直しにより緩やかな拡大が続くと見込まれますが、海外情勢の急変による円高進行等が下振れリスクとして懸念されます。
・新中期経営計画「Brand-new Deal 2020」の推進
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当社グループは、技術革新により大きく変貌していく新しい時代に機敏に対応するため、新技術を大胆に取込みビジネスモデルを進化させ、新たな商社像を確立することを目指します。同時に、働き方改革の深化により 社員の生産性と能力を向上させることで、更なる企業 価値の向上を実現し、株主・社会・社員に成果を還元する次世代の持続的成長モデルの構築を目指すため、次なる中期経営計画として「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)を策定しました。 |
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目指す姿
人々の豊かな営みに根ざした“身近な商人”である伊藤忠は、新技術や新しいパートナーとの取組によってビジネスモデルを進化させる「商いの次世代化」に加え、働き方改革の深化により、一人ひとりの社員がより高い生産性と品質で付加価値を創出する「働き方の次世代化」により、次世代商人へと進化し、新時代“三方よし”による持続的成長を目指します。
基本方針
「Brand-new Deal 2020」における目指す姿を実現するための基本方針は次の3点を掲げております。
(商いの次世代化)
全てのカンパニーによる新技術を活用したビジネスモデルの進化を目指すとともに、ユニー・ファミリーマートHDを起点とするグループバリューチェーンの価値向上を図ります。また、戦略的パートナーと積極的な連携を
進め、中国・アジアでのビジネス創出を加速します。
(スマート経営)
伊藤忠が強みとするROEをはじめとした経営効率性の更なる進化を目指します。また、業界をリードする働き方改革と“削る”の深化による労働生産性の向上に向けた取組強化を図ります。
(健康経営No.1企業)
社員がやりがいを持って存分に働き、家族にとっても一番いい会社を目指します。また、一人ひとりの健康増
進策を実施し、当社グループ全体の活力向上による魅力的な企業を目指します。
投資方針
次世代・新技術分野への投資推進による「次世代“商い”」の創造とキャッシュ・フローを意識した規律ある成
長投資の継続により、株主還元後実質フリー・キャッシュ・フロー(注)の黒字継続を目指します。
(注) 「実質営業CF」-「ネット投資」-「配当・自己株式取得」
次期以降の見通しに関する記述につきましては、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものです。従って、実際の当社グループの連結業績は、「2 事業等のリスク」等に記載されている要素及びその他の潜在的リスクや
不確定要素により、これらの予測された内容とは異なる結果となることがあります。
当社グループは、その広範にわたる事業の性質上、市場リスク・信用リスク・投資リスクをはじめ様々なリスクにさらされております。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これらのリスクに対処するため、必要なリスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクの監視及び管理を行っておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避するものではありません。
将来事項に関する記述につきましては、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものであります。
(1)マクロ経済環境及びビジネスモデルに関するリスク
当社グループは、国内における商品売買・輸出入・海外拠点間における貿易取引に加え、金属資源やエネルギーの開発等、多様な商取引形態を有し、各事業領域において原料調達から製造・販売に至るまで幅広く事業を推進しております。
主な事業領域ごとの特性として、プラント・自動車・建設機械等の機械関連取引、金属資源・エネルギー・化学品等のトレード並びに開発投資については世界経済の動向に大きく影響を受ける一方、繊維・食料等の生活消費関連分野は相対的に国内景気の影響を受けやすいと言えます。但し、経済のグローバル化の進展に伴い、生活消費関連分野についても世界経済の動向による影響が大きくなっております。
また、世界経済全般のみならず、海外の特定地域に固有の経済動向に加え、近年の急速な技術革新等による産業構造等の変化が、当社グループにおける既存のビジネスモデルや将来の財政状態、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場リスク
当社グループは、為替相場、金利、商品市況及び株価の変動等による市場リスクにさらされております。そのため、当社グループは、バランス枠設定等による管理体制を構築するとともに、様々なヘッジ取引を利用すること等により、為替相場、金利及び商品市況の変動等によるリスクを最小限に抑える方針であります。
① 為替リスク
当社グループは、輸出入取引が主要事業の一つであり、外貨建の取引において為替変動リスクにさらされております。そのため、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、為替変動リスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
また、当社の海外事業に対する投資については、為替の変動により、為替換算調整額を通じて株主資本が増減するリスク、期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 金利リスク
当社グループは、投資活動、融資活動及び営業取引に伴う資金の調達や運用において金利変動リスクにさらされております。そのため、投資有価証券や固定資産等の金利不感応資産のうち、変動金利にて調達している部分を金利変動リスクにさらされている金利ミスマッチ額として捉え、金利が変動することによる損益額の振れを適切にコントロールするために金利変動リスクの定量化に取組んでおります。
具体的には「EaR(Earnings at Risk)」という手法を用いて、金利変動による支払利息への影響額を定期的に把握し、モニタリングしておりますが、金利動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 商品価格リスク
当社グループは、様々な商品の売繋ぎを基本とした実需取引を行っておりますが、相場動向を考慮し買越及び売越ポジションを持つことで価格変動リスクにさらされる場合があります。そのため、棚卸資産、売買契約等を把握し、主要な商品についてはディビジョンカンパニーごとにミドル・バックオフィスを設置し、個別商品ごとに商品バランス枠及び損失限度額の設定、モニタリング管理を行うとともに、定期的なレビューを実施しております。
また、当社グループは、金属資源・エネルギーの開発事業やその他の製造事業に参画しており、当該事業における生産物・製品に関しても上記と同様に価格変動リスクにさらされております。
これらの商品価格リスクに対しては商品先物・先渡契約等によるヘッジ取引を行うことでリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、商品価格の動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 株価リスク
当社グループは、主に顧客・サプライヤー等との関係強化、または投資先への各種提案等を行うこと等による事業収益追求や企業価値向上を図るため、市場性のある様々な株式を保有しており、株価変動のリスクにさらされております。そのため、「VaR(Value at Risk)」という手法を用いて株価変動に伴う連結株主資本への影響額を定期的に把握し、モニタリングしておりますが、株価の動向によっては、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)信用リスク
当社グループは、国内外の取引先に対し、営業債権、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っております。取引先の信用状況の悪化や経営破綻等により、これらの債権等が回収不能となる、あるいは、商取引が継続できないことにより、取引当事者としての義務を果たせず、契約履行責任を負担することとなる等の信用リスクを有しております。そのため、当社グループでは、信用供与の実施に際して、信用限度額の設定及び必要な担保・保証等の取得等を通じたリスク管理を行うことでリスクの軽減に努めるとともに、取引先の信用力、
回収状況及び滞留債権の状況等に基づき貸倒引当金を設定しております。
しかしながら、こうした管理を行ったとしても、信用リスクの顕在化を完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)カントリーリスク
当社グループは、海外の様々な国・地域において取引及び事業活動を行っており、これらの国・地域の政治・経済・社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止等のカントリーリスクを有しております。そのため、案件ごとに回避策を講じるとともに、エクスポージャーの集中を防止することを目的として、総枠・国別枠の設定、国別与信方針の策定等を行うことにより、リスクの
軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
このようなリスクが顕在化した場合には、債権回収や事業遂行の遅延・不能等が起こる可能性があり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)投資リスク
当社グループは、様々な事業に対する投資活動を行っておりますが、このような投資活動においては、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績停滞等に伴い期待通りの収益が上げられないリスクや、投資先の業績の停滞等に伴い投資の回収可能性が低下する場合及び株価が一定水準を下回る状態が相当期間にわたり見込まれる場合には、投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となるリスクがあります。また、パートナーとの経営方針の相違、投資の流動性の低さ等により当社グループが望む時期や方法での事業撤退や事業再編が行えないリスク、あるいは、投資先から適切な情報を入手できず当社グループに不利益が発生する等の投資リスクがあります。そのため、新規投資の実行については投資基準を設けて意思決定するとともに、既存投資のモニタリングを定期的に行い、投資効率が低い等保有意義の乏しい投資に対しては、EXIT選定基準を適用することにより資産の入替えを促進する等、リスクの軽減に努めております。
しかしながら、こうした管理を行ったとしても、投資リスクを完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産に関する減損リスク
当社グループが保有する不動産、航空機・船舶、資源開発関連資産、のれん及び無形資産等の固定資産は、
減損リスクにさらされております。
現時点において必要な減損等の処理は実施しておりますが、今後各種市況の悪化、需要の減退及び開発計画の変更等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には、更に必要な減損処理を実施することになります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)資金調達に関するリスク
当社グループは、国内外の金融機関等からの借入金及びコマーシャル・ペーパー、社債の発行により、事業に必要な資金を調達しておりますが、当社に対する格付けの大幅な引下げ等により金融市場での信用力が低下した場合、あるいは、主要金融市場における金融システムの混乱が発生した場合等には、金融機関・投資家から当社グループが必要な時期に希望する条件で資金調達ができなくなる可能性や資金調達コストが増大するリスクがあります。そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めておりますが、リスクを完全に回避できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8)退職給付費用及び退職給付債務に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上の前提に基づき算出されております。しかしながら、数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、あるいは、証券市場の低迷により年金資産が毀損した場合等には、退職給付費用・退職給付債務の増加や年金資産の追加的支出が必要となる可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9)繰延税金資産に関するリスク
当社グループの連結財政状態計算書において、資産側に計上される繰延税金資産は金額上重要性があり、繰延税金資産の評価に関する会計上の判断は、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼします。そのため、当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、実現可能な繰延税金資産を計上しております。
しかしながら、タックス・プランニングにおける課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更、あるいは税率変動等を含む税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が増減する可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10)競合リスク
当社グループは、多種多様な商品及びサービスを取扱っているため、他の総合商社をはじめ内外の様々な企業と競合する可能性があります。当社グループよりも顧客のニーズに合った商品やサービスを提供できる企業が、新たに台頭してくることも否定はできません。また、経済のグローバル化に伴い、欧米等先進国の企業だけでなく新興成長国の企業との競争も激化しつつあります。更に、規制緩和や異業種参入等のビジネス環境の変化等に伴い、当社グループの競争力が影響を受ける可能性もあります。このようなリスクが顕在化した場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)重要な訴訟等に関するリスク
当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟、仲裁その他の法的手続は現在ありません。しかしながら、当社グループの国内及び海外における事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12)法令・規制に関するリスク
当社グループは、国内外で様々な商品及びサービスを取扱う関係上、関連する法令・規制は多岐にわたります。具体的には、会社法、金融商品取引法、税法、各種業界法、外為法を含む貿易関連諸法、独禁法、知的財産法、環境に関する法令、贈賄防止に関する法令、海外事業に係る当該国の各種法令・規制等があり、当社グループでは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識のうえ、コンプライアンス体制を強化して法令遵守の徹底を図っております。
しかしながら、こうした対策を行ったとしても、役員及び従業員による個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを回避できない可能性があります。
また、国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更の可能性も否定できません。
このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)環境に関するリスク
当社グループは、地球環境問題を経営方針の最重要事項の一つとして位置付け、環境方針を定めるとともに、商品取扱・サービス提供及び事業投資案件において、法令抵触リスクを含む環境リスクを未然に防止する環境マネジメントシステムを構築する等、環境問題に積極的に取組んでおります。
しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染等が生じた場合には、事業の遅滞や停止、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生、社会的評価の低下等につながる可能性があり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14)自然災害・気候変動等に関するリスク
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震等の自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。当社は、大規模災害時及び新型インフルエンザ発生時における業務継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、防災訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じております。
しかしながら、当社グループの事業活動は広範な地域にわたって行われており、自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症の被害発生時には、その被害を完全に回避できるものではなく、将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、気候変動の影響等により異常気象が発生した場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があり、将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、すべての役員及び従業員に対し、情報の取扱に関する行動規範を定め、高い情報セキュリティレベルを確保することを重要事項と認識しております。当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運用するとともに、情報システム運営上の安全性確保のため、サイバーセキュリテ
ィリスクも考慮し、セキュリティガイドラインの設定、危機管理対応の徹底に取組んでおります。
しかしながら、こうした対策を行ったとしても、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備の損壊・通信回線のトラブル等による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。
(1)経済環境
当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善を背景に堅調な景気拡大が続き、欧州においては英国のEU離脱交渉の行方に対する懸念はあるものの景気は順調に回復、新興国についても中国やASEAN、インド等アジアを中心に改善が見られ、全体として拡大傾向となりました。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、5月までの50ドル前後から6月には40ドル台半ばへ下落したものの、好調な世界経済を背景に需要拡大が見込まれる中で、米国市場での在庫減少やOPEC等主要産油国による減産期限再延長を受けて12月末には60ドル台を回復し、その後も概ね60ドル台前半で推移しました。
日本経済は、個人消費は一進一退を繰返す状況ではあるものの、輸出や企業の設備投資が増加傾向を維持したことから、総じて緩やかな拡大が続きました。円・ドル相場は、北朝鮮を巡る緊張の高まり等から9月上旬には円高が進行、その後は米国経済の成長加速期待から円安方向に戻ったものの、3月にかけて米国の保護主義的な通商政策に対する懸念等から一時105円を割込むまで円高が進行し、3月末には106円台となりました。日経平均株価は、4月の18,000円台から米国株価上昇や円安を背景に1月には24,000円台まで上昇しましたが、その後は米国株価下落や円高により3月末には21,000円台まで下落しました。10年物国債利回りは、9月上旬には一時マイナスとなりましたが、円安や米金利上昇を背景に1月末にかけて0.1%近くまで上昇、その後は円高や株価下落を受けて3月末には0.04%となりました。
(2)定性的成果
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2017」(2015年度(平成27年度)から2017年度(平成29年度)までの3ヵ年計画)において、「財務体質強化」「4,000億円に向けた収益基盤構築」を基本方針としました。
「Brand-new Deal 2017」の最終年度である当連結会計年度の具体的成果は次のとおりです。
① 繊維カンパニー
(ブランドビジネスの拡大と強化)
1999年(平成11年)にイタリア・ヴェローナで創設され、使用する原材料や縫製までこだわり抜いたラグジュアリーブランド「ムーレー」の独占輸入販売権を新たに取得しました。主力アイテムのダウンジャケットをはじめとしたイタリア製の最高品質の商品を、2018年春夏シーズンより全国の有名百貨店やセレクトショップを中心に展開します。
その他、アウターウェアブランド「グレンフェル」、「グローバーオール」(英国)、ジーンズブランド「シマロン」、シューズブランド「パロマ バルセロ」(スペイン)、サーフブランド「ライトニングボルト」(米国)など、様々なブランドの独占輸入販売権やマスターライセンス権、商標権を新規取得し、ブラ
ンド展開の更なる強化を実現しました。
また、創設から50年を超えるNY発のバッグブランド「ハンティング・ワールド」の新しいコンセプトショップのオープンや、世界的な高級紳士服地ブランドである「スキャバル」のオーダーメイドスーツのECビジネス開始等、時代の変化に対応した事業拡大にも取組んでいます。
② 機械カンパニー
(パナマ国でのトヨタ・レクサス販売事業への参画)
当社は、パナマのトヨタ・レクサス独占販売代理店であるRICARDO PÉREZ(リカルド ペレス)社株式の70%を取得し、経営権を獲得することを決定しました。同社は1956年に設立し、20年超にわたりパナマ新車市場におけるシェア1位の座を維持しています。当社の世界各国での自動車販売代理店経営の経験を活かし、同社の更なるシェアの拡大及び企業価値向上を図ります。
(セルビア初大型官民連携 廃棄物処理発電事業 契約調印)
セルビア共和国ベオグラード市と、同国で初めての官民連携大型案件となる25年間の廃棄物処理発電事業契約を調印しました。本事業では、廃棄物焼却発電施設の新設・運営を通じ、ベオグラード市で排出される一般廃棄物を焼却処理し、その余熱で発電及び熱供給を行います。環境負荷の低い廃棄物処理の導入を通じ
て、廃棄物埋立量や温室効果ガスを削減し、同国の環境保全への貢献を目指します。
③ 金属カンパニー
(西豪州鉄鉱石事業 Whaleback鉱山が開発50周年に)
当社が参画する西豪州鉄鉱石事業の中核であるWhaleback鉱山は、2017年(平成29年)に開発50周年を迎え、同年9月に日本、中国、韓国等の主要客先を招待し、記念式典を開催しました。同鉱山は1969年の生産開始以来、世界最大の露天掘り鉄鉱石鉱山として、日本・中国を筆頭とするアジア鉄鉱石需要に応えてきました。今後ともこの優良資産を活用し、西豪州経済の発展と鉄鋼業への原料安定供給に貢献していきます。
(市原バイオマス発電事業)
当社は、大阪ガス(株)、(株)三井E&Sエンジニアリングと国内最大級のバイオマス発電所を建設することを決定し、3社の共同出資による事業運営会社市原バイオマス発電(株)を設立しました。当社は、今後とも国内外における再生可能エネルギーを活用した事業を積極的に推進し、地球温暖化の防止と循環型社会の形成に貢献していきます。
④ エネルギー・化学品カンパニー
(イラク共和国での石油開発事業)
当社は、イラク南部に位置し、可採埋蔵量が200億バレル超と推定される世界最大規模のイラク西クルナ1油田の権益を19.6%取得しました。本油田は生産中の油田であり、経験豊富なExxonMobil(エクソンモービル)社が操業していることに加えて、油価変動の影響を受けにくい契約形態を確立していることから、中長期にわたり安定した収益貢献が期待できます。
(Moixa社(英国)との資本業務提携)
当社は、AI技術を蓄電池に活用したプラットフォーム事業を展開する英国のMoixa(モイクサ)社と資本業務提携し、プラットフォーム技術ソフトウェア「Gridshare Client(グリッドシェアー クライアント)」の国内独占販売権を取得しました。このソフトウェアは、蓄電池に搭載することで、一般需要家、発電事業者、送配電事業者といった各階層に対し、エネルギーの最適制御を行います。次世代型ビジネスとして、蓄電池システム日本市場でのシェアNo.1を目指すとともに、分散型エネルギー社会実現に向けて貢献していきます。
⑤ 食料カンパニー
(ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)が(株)ドンキホーテホールディングスと資本・業務提携)
2017年(平成29年)8月、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)と(株)ドンキホーテホールディングスは両社グループの強みとノウハウを活かした両事業の強化を目的とした資本業務提携契約を締結しました。また、2018年(平成30年)2月には両グループの総力を結集した新業態店舗の1号店「MEGA ドン・キホーテ UNY 大口店」を開店、3月末までに6店舗を展開しています。当社は筆頭株主としてユニ
ー・ファミリーマートホールディングス(株)の中長期的な企業価値の向上の追及を支援していきます。
(不二製油(株)への追加出資)
不二製油グループ本社(株)は、チョコレート・油脂・大豆分野で世界屈指の技術力を有するリーディングカンパニーです。2017年(平成29年)、当社として約33.4%まで株式を追加取得することで、両社の更なる関係強化を図っています。引続き、伊藤忠グループが保有する製造・販売のインフラを最大限活用しながら、同社の積極的な海外展開をサポートすることで、更なる企業価値の向上を目指していきます。
⑥ 住生活カンパニー
(Alta Forest Products(Alta社)の出資持分100%取得)
Alta(アルタ)社はフェンス製造に特化した高い生産性により、北米木製フェンス製造業界No.1の地位を築いています。当社は、米国子会社のMaster-Halco Inc.(マスター・ハルコ社)を通じ、米国フェンス卸業最大手の地位を確立しており、今回の買収を通じ、アルタ社とマスター・ハルコ社の販売ネットワークの相乗効果を見込むとともに、今後も堅調な推移が見込まれる北米住宅市場において、両社を軸にフェンス事業の更なる強化を実行していきます。
(METSA FIBRE社アネコスキ新工場竣工)
2017年(平成29年)8月の新工場竣工による増産でMETSA FIBRE(メッツァ ファイバー)社は世界最大の製紙用の市販針葉樹パルプメーカーとなりました。
また、今回の増産分80万トンの大部分が当社経由で中国・アジア向けに販売されることになっており、
当社のリーディング・グローバル・パルプトレーダーとしての地位が更に強化されることになります。
⑦ 情報・金融カンパニー
(Inagora社への出資)
当社は、中国向け越境EC事業を展開するInagora(インアゴーラ)社の株式を2017年(平成29年)11月に第三者割当増資等を通じて追加取得し、日中越境EC市場への参入を本格化しました。当社グループの有する資産を活用し、東南アジア等中国以外の地域への展開も視野に、Inagora社の成長加速を図るとともに、
越境EC事業への取組を強化していきます。
(ポケットカード(株)への出資比率引上げ)
当社と(株)ファミリーマートは、ポケットカード(株)の普通株式に対する公開買付けを実施し、同社への出資比率を46%まで引上げました。本取組により、金融ビジネスの更なる強化と同社の企業価値向上を目指すとともに、情報・金融分野でのユニー・ファミリーマートホールディングス(株)との取組を強化し、新た
な市場の取込みと拡大を推進していきます。
⑧ その他
(伊藤忠中国1,000人集会の開催)
当社では、2015年度(平成27年度)より、CP・CITICとの協業推進並びに中国ビジネス拡大を担う人材を育成する目的で「2017年度末までの3年間で中国語スキルを持つ人材を1,000人育成する」目標を立て、社員の中国語学習環境整備等の施策を展開してきましたが、2018年(平成30年)3月時点で1,043人が中国語社内資格を取得し、計画通り目標を達成しました。
これを受け、資格取得者を会社として讃えるとともに、中国ビジネスの更なる拡大に繋げるべく、「伊藤忠中国1,000人集会」を開催しました。集会には、約850名の社員が参加、程永華中華人民共和国駐日本国特命全権大使ご夫妻、CP楊小平上級副会長、CITIC蒲堅副総経理等のご来賓をお招きし、日中両国の多数メディアが駆けつける盛大なイベントとなりました。
(3)業績の状況
① 収益
当連結会計年度の「収益」は、機械においてはヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業が好調に推移したこと等により増収、エネルギー・化学品においてはシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及びエネルギー関連事業における販売価格上昇等により増収、食料においてはユニー・ファミリーマート向け生鮮食品や食糧関連取引及び食品流通関連事業並びに青果物関連事業における取引の増加等により増収となり、全体としては前連結会計年度比6,716億円(13.9%)増収の5兆5,101億円となりました。なお、「商品販売等に係る収益」は4兆7,195億円、「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は7,906億円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の「売上総利益」は、機械においてはヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業の好調な推移並びに前連結会計年度における船舶市況低迷による採算悪化の反動等により増益、金属においては鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加により増益、エネルギー・化学品においてはシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及び化学品関連取引の好調な推移等により、エネルギートレーディング取引における採算悪化はあったものの増益となり、全体としては前連結会計年度比1,170億円(10.7%)増益の1兆2,104億円となりました。
なお、新規子会社化に伴う影響額(増益)は669億円、期中為替変動に伴う影響額(増益)は104億円、子会社の除外に伴う影響額(減益)は103億円となりました。これらの影響を除いた既存会社における増益額は499億円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化による影響等により、前連結会計年度比884億円(11.0%)増加の8,903億円となりました。
なお、新規子会社化に伴う経費の増加額は584億円、期中為替変動に伴う経費の増加額は54億円、子会社の除外に伴う経費の減少額は85億円となりました。これらの影響を除いた既存会社における経費の増加額は331億円となりました。
④ 貸倒損失
当連結会計年度の「貸倒損失」は、前連結会計年度比ほぼ横ばいの32億円(損失)となりました。
⑤ 有価証券損益
当連結会計年度の「有価証券損益」は、タキロンシーアイ統合に伴う利益及び中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う利益等はあったものの、C.P. Pokphandの減損損失に加え、前期におけるユニー・ファミリーマート統合に伴う当社持分変動による利益及び医療機器関連事業の売却益の反動等により、前連結会計年度比251億円(78.0%)減少の71億円(利益)となりました。
⑥ 固定資産に係る損益
当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、前連結会計年度における欧州タイヤ関連事業の減損損失の反動はあったものの、アパレル関連事業及び青果物関連事業の減損損失等により、前連結会計年度比129億円悪化の296億円(損失)となりました。
⑦ その他の損益
当連結会計年度の「その他の損益」は、前連結会計年度の円高影響による為替損益悪化の反動等により、前連結会計年度比51億円改善の3億円(損失)となりました。
⑧ 金融収支(「受取利息」・「支払利息」・「受取配当金」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比113億円増加の275億円(利益)となりました。
このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、一部借入金の長期化及びUSドル金利率上昇等により、前連結会計年度比31億円悪化の67億円(費用)となり、「受取配当金」は、石炭関連投資や石油及びLNGプロジェクトからの配当の増加等により、前連結会計年度比144億円(72.2%)増加の343億円となりました。
⑨ 持分法による投資損益
当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、食料においてはユニー・ファミリーマートにおける減損損失はあったものの、経営統合に伴う営業収益の増加及び税金費用の改善等により増加、情報・金融においては海外金融関連事業の復調等により増加、住生活においては海外パルプ関連事業における市況改善等により増加となり、全体としては前連結会計年度比311億円(16.8%)増加の2,162億円(利益)となりました。
なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照ください。
⑩ 当社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比380億円(7.6%)増益の5,379億円となりました。「法人所得税費用」は、米国税制改正の影響及びパルプ関連事業に係る税金費用の減少等により、堅調な収益拡大はあったものの、前連結会計年度比191億円(15.3%)減少の1,061億円となり、「税引前利益」5,379億円から「法人所得税費用」1,061億円を控除した「当期純利益」は、前連結会計年度比571億円(15.3%)増益の4,317億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」314億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比481億円(13.7%)増益の4,003億円となりました。
⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」
当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」・「販売費及び一般管理費」・「貸倒損失」の合計)は、金属においては鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加により増益となり、全体としては前連結会計年度比285億円(9.9%)増益の3,169億円となりました。
(4)セグメント別業績
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は7つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。
① 繊維カンパニー
収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、繊維資材関連取引の増加はあったものの、アパレル関連における販売不振及び事業の売却等により、前連結会計年度比56億円(1.1%)減収の5,224億円となりました。売上総利益は、アパレル関連における販売不振及び事業の売却等により、前連結会計年度比104億円(7.9%)減益の1,220億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、アパレル関連における販売不振及び減損損失等により、経費の減少はあったものの、前連結会計年度比127億円(50.4%)減益の125億円となりました。セグメント別資産は、アパレル関連事業の売却等により、前連結会計年度末比210億円(4.2%)減少の4,749億円となりました。
② 機械カンパニー
収益は、ヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業が好調に推移したこと等により、前連結会計年度比3,608億円(99.7%)増収の7,228億円となりました。売上総利益は、ヤナセの子会社化に加え、航空関連及びプラント関連事業の好調な推移並びに前期における船舶市況低迷による採算悪化の反動等により、前連結会計年度比689億円(66.8%)増益の1,719億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、航空関連及びプラント関連事業の好調な推移並びに前期における船舶市況低迷による採算悪化の反動に加え、税金費用の減少等により、前期における医療機器関連事業の売却益の反動等はあったものの、前連結会計年度比106億円(22.8%)増益の571億円となりました。セグメント別資産は、営業債権の回収及び航空関連事業における棚卸資産の減少はあったものの、ヤナセの子会社化に加え、IPP関連事業への投資実行等により、前連結会計年度末比2,289億円(23.1%)増加の1兆2,186億円となりました。
③ 金属カンパニー
収益は、鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加により、前連結会計年度比204億円(9.7%)増収の2,297億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比239億円(34.3%)増益の935億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石事業における販売数量増加に加え、石炭関連投資の受取配当金の増加等により、前連結会計年度比372億円(82.3%)増益の825億円となりました。セグメント別資産は、価格上昇による鉄鉱石・石炭事業における収益拡大及び非鉄関連事業における営業債権等の増加はあったものの、投資有価証券の公正価値下落の影響等により、前連結会計年度末比46億円(0.5%)減少の8,503億円となりました。
④ エネルギー・化学品カンパニー
収益は、シーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及びエネルギー関連事業における販売価格上昇等により、前連結会計年度比1,503億円(10.5%)増収の1兆5,768億円となりました。売上総利益は、シーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化及び化学品関連取引の好調な推移等により、エネルギートレーディング取引における採算悪化はあったものの、前連結会計年度比236億円(12.9%)増益の2,068億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、化学品関連取引の好調な推移や石油及びLNGプロジェクトからの受取配当金の増加に加え、タキロンシーアイ統合に伴う利益及び税金費用の減少等により、エネルギートレーディング取引における採算悪化はあったものの、前連結会計年度比180億円(95.5%)増益の369億円となりました。セグメント別資産は、シーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化に加え、イラク油田権益の取得等により、前連結会計年度末比1,862億円(15.9%)増加の1兆3,557億円となりました。
⑤ 食料カンパニー
収益は、ユニー・ファミリーマート向け生鮮食品や食糧関連取引及び食品流通関連事業並びに青果物関連事業における取引の増加等により、前連結会計年度比779億円(7.3%)増収の1兆1,492億円となりました。売上総利益は、青果物関連事業における生産数量の増加に加え、生鮮食品関連取引及び食品流通関連事業における取引の増加等により、前連結会計年度比61億円(2.2%)増益の2,783億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、青果物関連事業における減損損失や前期における一過性利益の反動はあったものの、ユニー・ファミリーマート統合等に伴う持分法投資損益の増加に加え、中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う一過性利益等により、前連結会計年度比100億円(14.1%)増益の805億円となりました。セグメント別資産は、食品流通関連事業における期末休日要因等による営業債権の増加に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス及び食糧関連事業への追加投資等により、前連結会計年度末比1,890億円(10.7%)増加の1兆9,622億円となりました。
⑥ 住生活カンパニー
収益は、北米設備資材関連事業や欧州タイヤ関連事業及び天然ゴム関連事業並びに北米建材関連事業における取引増加等により、前連結会計年度比463億円(8.4%)増収の5,944億円となりました。売上総利益は、欧州タイヤ関連事業及び天然ゴム関連事業並びに北米建材関連事業における取引増加等により、前連結会計年度比66億円(4.5%)増益の1,524億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、欧州タイヤ関連事業及び天然ゴム関連事業並びに北米建材関連事業における取引増加や海外パルプ関連事業の堅調な推移に加え、税金費用の減少及び資産運用関連事業の一部売却に伴う利益並びに前期における一過性損失の反動等により、前連結会計年度比281億円(101.7%)増益の557億円となりました。セグメント別資産は、営業債権や販売用不動産等の棚卸資産の増加及び北米設備資材関連事業取得に加え、ユーロ高及びポンド高の影響等により、前連結会計年度末比1,384億円(16.5%)増加の9,788億円となりました。
⑦ 情報・金融カンパニー
収益は、国内情報産業関連事業の取引増加等により、前連結会計年度比275億円(4.1%)増収の6,972億円となりました。売上総利益は、国内情報産業関連事業の取引増加及び携帯電話関連事業や医薬品開発業務受託事業の堅調な推移等により、前連結会計年度比71億円(4.1%)増益の1,787億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、国内情報産業関連事業の取引増加及び携帯電話関連事業や医薬品開発業務受託事業の堅調な推移、並びに海外金融関連事業の復調に加え、税金費用の減少等により、前連結会計年度比110億円(27.6%)増益の511億円となりました。セグメント別資産は、国内情報産業関連事業の取引増加による営業債権の増加及び国内金融関連事業への追加投資等により、前連結会計年度末比476億円(6.6%)増加の7,662億円となりました。
⑧ その他及び修正消去
当社株主に帰属する当期純利益は、C.P. Pokphandの減損損失に加え、社内税金の反動及び為替評価損益の悪化等により、前連結会計年度比541億円(69.1%)減益の242億円となりました。
(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績
|
黒字・赤字会社別損益 |
(単位:億円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||||||||||||||
|
|
黒字会社 |
赤字会社 |
合計 |
黒字会社 |
赤字会社 |
合計 |
黒字会社 |
赤字会社 |
合計 |
|||||||||
|
事業会社損益 |
3,216 |
△286 |
2,930 |
3,870 |
△606 |
3,264 |
654 |
△320 |
333 |
|||||||||
|
海外現地法人損益 |
358 |
△1 |
356 |
659 |
△0 |
659 |
302 |
1 |
303 |
|||||||||
|
連結対象会社合計 |
3,574 |
△287 |
3,286 |
4,529 |
△606 |
3,923 |
955 |
△319 |
636 |
|||||||||
黒字会社比率(注)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||||||||||||||
|
|
国内 |
海外 |
合計 |
国内 |
海外 |
合計 |
国内 |
海外 |
合計 |
|||||||||
|
黒字会社数 |
114 |
152 |
266 |
115 |
158 |
273 |
1 |
6 |
7 |
|||||||||
|
連結対象会社数 |
126 |
182 |
308 |
121 |
179 |
300 |
△5 |
△3 |
△8 |
|||||||||
|
黒字会社比率(%) |
90.5 |
83.5 |
86.4 |
95.0 |
88.3 |
91.0 |
4.6 |
4.8 |
4.6 |
|||||||||
(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(181社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(458社)を含めておりません。
当連結会計年度の事業会社損益(海外現地法人を除いた子会社及び持分法適用会社の当社取込損益の合計)は、前連結会計年度比333億円増加の3,264億円の利益となりました。また、海外現地法人損益は、前連結会計年度比303億円増加の659億円の利益となりました。
黒字事業会社損益と黒字海外現地法人損益を合計した黒字会社損益は、鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石の販売数量増加に加え、前連結会計年度における一過性損失の反動等があったITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdの増益や、生鮮食品関連事業の一部売却に伴う一過性利益等があった伊藤忠(中国)集団有限公司の増益等により、前連結会計年度比955億円増加の4,529億円の利益となりました。一方、赤字事業会社損益と赤字海外現地法人損益を合計した赤字会社損益は、持分法投資に対する減損損失があったC.P. Pokphand Co. Ltd.の悪化等により前連結会計年度比319億円悪化の606億円の損失となりました。
黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、低採算・赤字事業会社の減少等により更なる改善が進み、前連結会計年度の86.4%から4.6ポイント上昇の91.0%となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度における主な黒字会社及び赤字会社は次のとおりです。
|
主な黒字会社 |
(単位:億円) |
|
|
取込 比率(%) |
取込損益(注)1 |
増減コメント |
||
|
前連結 会計 年度 |
当連結 会計 年度 |
増減 |
|||
|
国内子会社 |
|
|
|
|
|
|
伊藤忠テクノソリューションズ(株) |
58.2 |
126 |
136 |
10 |
流通・エンタープライズ事業の好調な推移等により増益 |
|
(株)日本アクセス |
93.8 |
122 |
98 |
△25 |
取引増加により増収となったものの、物流関連経費増加及び固定資産減損損失等により減益 |
|
伊藤忠エネクス(株) |
54.0 |
55 |
60 |
5 |
生活エネルギー流通分野における採算改善及びホームライフ分野における再編に伴う利益等により増益 |
|
コネクシオ(株) |
60.3 |
39 |
41 |
2 |
端末販売の収益改善及び法人向けソリューションサービスの好調な推移等により増益 |
|
伊藤忠プラスチックス(株) |
100.0 |
42 |
40 |
△1 |
産業資材及び電子材料の販売堅調等により、ほぼ横ばい |
|
(株)ヤナセ |
66.0 |
27 |
37 |
11 |
新車販売台数減少及び経費の増加に加え、前連結会計年度における土地売却益の反動等はあったものの、子会社化に伴う取込比率上昇により増益 |
|
伊藤忠ケミカルフロンティア(株) |
100.0 |
31 |
37 |
6 |
ポリマー原料のトレード好調に加え、シリコーン(ケイ素樹脂)販売及び医薬関連事業の堅調な推移により増益 |
|
日伯鉄鉱石(株) |
75.7 |
△29 |
33 |
62 |
受取配当金の増加及び一過性損失の反動等により好転 |
|
Dole International Holdings(株) |
100.0 |
83 |
32 |
△51 |
税金費用の改善及び青果物事業における生産数量の増加はあったものの、加工食品事業における減損損失等により減益 |
|
タキロンシーアイ(株) |
51.2 |
54 |
30 |
△24 |
高機能材販売及び機能フィルム事業が堅調に推移したものの、前連結会計年度のシーアイ化成における関係会社株式売却益の反動等により減益 |
|
伊藤忠ロジスティクス(株) |
99.0 |
24 |
27 |
3 |
海上輸送及び国内物流の堅調な推移により増益 |
(単位:億円)
|
|
取込 比率(%) |
取込損益(注)1 |
増減コメント |
||
|
前連結 会計 年度 |
当連結 会計 年度 |
増減 |
|||
|
海外子会社 |
|
|
|
|
|
|
Orchid Alliance Holdings Limited(注)3 |
100.0 |
629 |
679 |
50 |
CITIC Limitedの取込損益増加により増益 |
|
ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd |
100.0 |
428 |
623 |
195 |
鉄鉱石・石炭価格の上昇及び鉄鉱石の販売数量増加に加え、前連結会計年度における一過性損失の反動等により増益 |
|
伊藤忠(中国)集団有限公司 |
100.0 |
48 |
219 |
171 |
生鮮食品関連事業の一部売却に伴う一過性利益等により増益 |
|
伊藤忠インターナショナル会社 |
100.0 |
129 |
200 |
71 |
設備資材関連事業が堅調に推移したことに加 え、米国税制改正に伴う税金費用の改善等が あり増益 |
|
ITOCHU FIBRE LIMITED (注)4 |
100.0 |
43 |
99 |
57 |
パルプ市況改善等により増益 |
|
伊藤忠香港会社 |
100.0 |
50 |
61 |
12 |
金融関連事業の取込損益増加により、生活資材関連取引の減少等はあったものの、増益 |
|
European Tyre Enterprise Limited(注)4 |
100.0 |
△52 |
58 |
110 |
英国小売事業の堅調な推移に加え、前連結会計年度における一過性損失の反動等により好転 |
|
I-Power Investment Inc. |
100.0 |
10 |
53 |
44 |
発電関連保有資産の一部売却に加え、米国税制改正に伴う税金費用の改善等があり増益 |
|
伊藤忠欧州会社(注)4 |
100.0 |
23 |
53 |
30 |
水・環境関連事業及びパルプ関連事業の取込損益増加に加え、前連結会計年度における一過性損失の反動等により増益 |
|
伊藤忠タイ会社 |
100.0 |
36 |
48 |
12 |
金融関連事業の取込損益増加に加え、化学品関連取引が堅調に推移したこと等により増益 |
(単位:億円)
|
|
取込 比率(%) |
取込損益(注)1 |
増減コメント |
||
|
前連結 会計 年度 |
当連結 会計 年度 |
増減 |
|||
|
国内持分法適用会社 |
|
|
|
|
|
|
東京センチュリー(株) |
25.2 |
102 |
125 |
22 |
北米リース事業並びに航空機リースやオートリース等の堅調な推移に加え、米国税制改正に伴う税金費用の改善等があり増益 |
|
ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)(注)5 |
40.9 |
74 |
118 |
44 |
ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合に伴う営業収益の増加及び連結納税制度適用に伴う税金費用の改善等により、減損損失はあったものの、増益 |
|
伊藤忠丸紅鉄鋼(株) |
50.0 |
76 |
92 |
17 |
鋼材市況の回復による国内取引や事業会社の堅調な推移に加え、鋼管市況の底打ちによる海外事業会社の復調等により増益 |
|
日伯紙パルプ資源開発(株) |
33.3 |
29 |
42 |
13 |
パルプ市況改善による採算向上に加え、税金費用の改善等があり増益 |
|
(株)オリエントコーポレーション |
16.5 |
50 |
42 |
△8 |
銀行保証事業及び決済・保証事業における増収はあったものの、貸倒関連の費用が増加したこと等により減益 |
|
不二製油グループ本社(株)(注)6 |
34.0 |
27 |
42 |
15 |
製菓・製パン素材事業における海外子会社の堅調な推移及び取込比率上昇等により増益 |
|
プリマハム(株) |
39.8 |
37 |
41 |
5 |
加工食品事業における製造コスト増加はあったものの、ハム・ソーセージ販売の堅調な推移並びに関係会社売却益等により増益 |
|
日本南サハ石油(株) |
25.2 |
11 |
40 |
29 |
東シベリア石油開発関連事業の原油生産増加等に伴う取込損益増加 |
|
海外持分法適用会社 |
|
|
|
|
|
|
HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD. |
49.9 |
27 |
37 |
9 |
日本やアジア各国向け取引の堅調な推移により増益 |
主な赤字会社 (単位:億円)
|
|
取込 比率(%) |
取込損益(注)1 |
増減コメント |
||
|
前連結 会計 年度 |
当連結 会計 年度 |
増減 |
|||
|
国内子会社 |
|
|
|
|
|
|
(株)エドウイン |
98.5 |
7 |
△129 |
△137 |
取得時に認識した無形資産に対する減損損失等により悪化 |
|
海外子会社 |
|
|
|
|
|
|
CIECO Exploration and Production (UK) Limited |
100.0 |
△6 |
△47 |
△41 |
繰延税金資産取崩等により悪化 |
|
IPC EUROPE LTD. |
100.0 |
3 |
△21 |
△24 |
重油トレーディング事業撤退に伴う損失等により悪化 |
|
ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD. |
100.0 |
18 |
△18 |
△37 |
原油及び石油製品トレード不調により悪化 |
|
海外持分法適用会社 |
|
|
|
|
|
|
C.P. Pokphand Co. Ltd. |
23.8 |
49 |
△298 |
△346 |
持分法投資に対する減損損失により悪化 |
(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合があり
ます。
2 タキロン(株)とシーアイ化成(株)は、平成29年4月1日に経営統合し、タキロンシーアイ(株)となりまし
た。これに伴い、タキロンシーアイ(株)の前連結会計年度の取込損益につきましては、両社の取込損益を
合算して表示しております。
3 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。
4 伊藤忠欧州会社の取込損益には、European Tyre Enterprise Limitedの取込損益の20.0%及びITOCHU FIBRE LIMITEDの取込損益の10.0%を含んでおります。
5 平成30年4月19日の当社取締役会において、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)を子会社とすることを目的とした公開買付を実施することを決定しました。
6 当社は、不二製油グループ本社(株)を当社子会社の伊藤忠フードインベストメント合同会社を通じて保有しております。
(6)仕入、成約及び販売の状況
① 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
② 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
③ 販売の状況
「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(7)流動性と資金の源泉
① 資金調達の方針
当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についてもシンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約68%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社による調達となっております。
資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2017年8月から2019年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて
5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。
|
|
長期 |
短期 |
|
日本格付研究所(JCR) |
AA-/ポジティブ |
J-1+ |
|
格付投資情報センター(R&I) |
A+/ポジティブ |
a-1 |
|
ムーディーズ・インベスターズ・サービス (Moody's) |
A3/安定的 |
P-2 |
|
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) |
A-/ポジティブ |
A-2 |
② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比1,652億円減少の2兆7,795億円となりました。
現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比103億円減少の2兆3,204億円となりました。
NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.97倍から0.87倍へ改善しました。
また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末比ほぼ横ばいの81%となりました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。
|
(単位:億円) |
|
|
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減 |
|
社債及び借入金(短期): |
|
|
|
|
銀行借入金等 |
4,811 |
4,634 |
△177 |
|
コマーシャル・ペーパー |
120 |
131 |
11 |
|
社債 |
700 |
504 |
△196 |
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短期計 |
5,630 |
5,269 |
△362 |
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社債及び借入金(長期): |
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銀行借入金等 |
20,382 |
19,497 |
△885 |
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社債 |
3,434 |
3,029 |
△405 |
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長期計 |
23,816 |
22,526 |
△1,290 |
|
有利子負債計 |
29,447 |
27,795 |
△1,652 |
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現金及び現金同等物、定期預金 |
6,140 |
4,591 |
△1,549 |
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ネット有利子負債 |
23,307 |
23,204 |
△103 |
③ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化並びにイラク油田権益の取得に加え、食品流通関連事業における期末休日要因等による営業債権の増加及び持分法で会計処理されている投資の増加等により、前連結会計年度末比5,419億円(6.7%)増加の8兆6,639億円となりました。
「株主資本」は、配当金の支払及び自己株式の取得はあったものの、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前連結会計年度末比2,676億円(11.1%)増加の2兆6,695億円となりました。また、株主資本比率は前連結会計年度末比1.2ポイント上昇の30.8%となりました。
「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比3,215億円(12.1%)増加の2兆9,844億円となりました。
連結財政状態計算書項目における前連結会計年度末との主要増減は次のとおりです。
「営業債権」は、食品流通関連事業における期末休日要因及びヤナセの子会社化並びにシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化等により、前連結会計年度末比2,343億円増加の2兆1,833億円となりました。
「棚卸資産」は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化による増加に加え、販売用不動産等の増加により、前連結会計年度末比950億円増加の8,704億円となりました。
「持分法で会計処理されている投資」は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化による減少はあったものの、IPP関連事業への投資実行、ユニー・ファミリーマートホールディングス及び食糧関連事業への追加投資に加え、持分法による投資損益の積上げ等により、前連結会計年度末比2,183億円増加の1兆8,449億円となりました。
「有形固定資産」は、ヤナセの子会社化及びシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化並びにイラク油田権益の取得等により、前連結会計年度末比1,329億円増加の8,133億円となりました。
「営業債務」は、食品流通関連事業における期末休日要因及びヤナセの子会社化並びにシーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化等により、前連結会計年度末比2,371億円増加の1兆8,259億円となりました。
「繰延税金負債」は、前連結会計年度末比62億円増加の1,296億円となりました。なお、繰延税金資産・負債のネット残高(ネット負債残高)は、前連結会計年度末比14億円減少の673億円となりました。
④ 流動性準備
当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。
当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額7,011億円に対し、現金及び現金同等物、定期
預金(合計4,591億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨2,000億円、外貨1,700百万米ドル)を
合計した流動性準備の合計額は8,397億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。
また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を6,936億円保有しております。
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(流動性準備額) (単位:億円) |
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当連結会計年度末 |
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1 現金及び現金同等物、定期預金 |
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4,591 |
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2 コミットメントライン |
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3,806 |
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合計 |
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8,397 |
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(短期有利子負債と偶発負債) (単位:億円) |
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当連結会計年度末 |
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社債及び借入金(短期) |
5,269 |
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社債及び借入金(長期) |
(注)658 |
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偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額) |
1,084 |
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合計 |
7,011 |
(注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態
計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。
⑤ 資金の源泉
当社グループにおける資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売
却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。
なお、当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2017」(2015年度(平成27年度)から2017年度(平成29年度)までの3ヵ年計画)期間においては、CITIC Limitedに対する大型戦略投資の実行を踏まえ、それ以外の新規投資については実質営業キャッシュ・フロー(注)とEXITによるキャッシュインの範囲内で実行する方
針としておりました。
(注)「営業活動によるキャッシュ・フロー」から資産・負債の変動他の影響を控除
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、金属、食料、エネルギー、機械及び情報・通信における営業取引収入の堅調な推移等により、3,882億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度においては、3,897億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、シーアイ化成との経営統合に伴うタキロンの子会社化に係る現金の受入はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス及び食糧関連事業への追加投資、イラク油田権益の取得及びIPP関連事業への投資実行に加え、主として食料、エネルギー、金属及び機械における固定資産の取得等により、2,564億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度においては、813億円のネット支払でした。
当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、2,961億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度においては、3,354億円のネット支払でした。
以上の結果、「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比1,734億円(28.6%)減少の4,321億円となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。
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(単位:億円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
3,897 |
3,882 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△813 |
△2,564 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△3,354 |
△2,961 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
△270 |
△1,643 |
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現金及び現金同等物の期首残高 |
6,329 |
6,056 |
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為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額 |
△3 |
△92 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
6,056 |
4,321 |
(8)重要な会計方針
当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日における資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間における収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社におけるすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・非上場の公正価値で測定される金融資産の公正価値測定
公正価値で測定される金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・減損の兆候がある償却原価で測定される金融資産の回収可能価額
減損の兆候がある償却原価で測定される金融資産については、当該金融資産に係る見積将来キャッシュ・フローを当初の実効金利で現在価値に割引いたものを回収可能価額としております。当該金融資産に係る将来キャッシュ・フローは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、償却原価で測定される金融資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減
損テストにおいて測定される回収可能価額
有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・確定給付型退職後給付制度における確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定
確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・法人所得税の見積り
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲
・デリバティブを除く金融資産における、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産
への分類
・リースを含む契約の会計処理
・償却原価で測定される金融資産における減損及び減損戻入れの兆候の有無の評価
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テ
スト実施にあたっての資金生成単位の判別
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損の
兆候の有無の評価
・有形固定資産、投資不動産、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損戻入れの兆
候の有無の評価
・引当金の認識
・収益の認識時点及び収益を総額(グロス)で表示するか、純額(ネット)で表示するかの判断
(9)当社における公正取引委員会より排除措置命令を受けた事案への対応策について
当社は、前事業年度までに行われた西日本旅客鉄道(株)及び東日本電信電話(株)向け制服の販売業務に関して独占禁止法に違反する行為があったとして、平成30年1月及び同年2月に、公正取引委員会より独占禁止法第7条第2項に基づく排除措置命令を受けました。当社は、従前よりコンプライアンスの徹底を図ってまいりましたが、今般の事態を厳粛に受け止め、独占禁止法等遵守に係る社内ルールの整備、違反行為の自主申告の促進及び独占禁止法遵守教育の強化・充実を含む再発防止策を策定し、これらを着実に実行しております。なお、当社のみならず、当社グループ会社における独占禁止法遵守を含めたコンプライアンスの徹底も図ってまいります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。