文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「常にお客さまの信頼にこたえ、彩りの知と技をもとにこころをこめた作品を創りだし、情報・文化の担い手としてふれあい豊かなくらしに貢献する」ことを企業理念として掲げ、お客さまや社会とともに発展していくことを経営の基本方針としております。
21世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION21」に基づき、全社員が目的意識と価値観を共有し、新しい技術や事業の確立に挑戦するとともに、社会との関わりのなかで企業倫理を遵守し環境と安全に配慮した企業活動を推進してまいります。
「TOPPAN VISION21」の実現を通して事業領域の拡大と新たな利益の創出を図り、当社グループの永続的な発展と、株主の皆さまやお客さまはもちろん、広く社会や生活者から評価され信頼される企業を目指してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望いたしますと、わが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復が続くことが予想されますが、米国の保護主義的政策を受けた貿易摩擦への警戒感や、中国をはじめとするアジア新興国経済の先行き、為替や原油価格の動向などによっては、景気が下振れするリスクも懸念されます。
印刷業界におきましては、インターネット広告やデジタルコンテンツなど新たな市場機会の拡大が期待される一方、出版印刷などの既存の印刷市場は成熟傾向にあります。また、競争激化による単価下落や原材料価格の値上がりなど収益面の下振れリスクも懸念され、引き続き厳しい経営環境が予想されます。
このような環境のなか、当社グループは、企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みを通じて、経済的側面の追求と同時に、社会的・環境的側面にもバランスよく取り組み、これまで以上に社会から信頼される強い企業グループへの成長を目指してまいります。中期的な経営課題といたしましては、グループを含めた構造改革の遂行、新事業・新市場の創出、グローバルな事業展開の加速を重要な経営課題と位置づけ、次の施策を展開することにより経営資源の最適配分と有効活用を進め、更なる事業の拡大を図ってまいります。
① グループを含めた構造改革の遂行
グループを含めた構造改革の遂行につきましては、重複事業の再編、不採算事業の精査を行うとともに、間接部門を含めた生産性向上と人員の最適化を推進してまいります。
② 新事業・新市場の創出
新事業・新市場の創出につきましては、得意先のデジタル化に対応した事業変革(デジタルトランスフォーメーション)を支援する新たなビジネスを創造するとともに、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」という4つの成長事業領域において事業展開を加速し、トッパングループの持続的な成長を図ってまいります。
社会へのITの浸透に伴い、AIやIoT、ビッグデータの活用などデジタルに関わる新たな需要が急速に拡大するなか、企業はデジタルトランスフォーメーションを求められています。当社は豊富なソリューションと幅広い顧客基盤、高度なセキュリティ管理体制を強みとして、CRMに関わる膨大な情報の収集と分析に基づく情報の価値化により、販売促進効果を最大化する新たなデジタルサービスを提供し、得意先のデジタルトランスフォーメーションを支援してまいります。また、成長事業領域の1つである教育・文化交流においては、国内外の文化遺産に対し最新のデジタル表現技術と科学的・人文的な知見を融合することにより、高付加価値なデジタルアーカイブ化やコンテンツ化に取り組んでいることに加え、訪日外国人の旅の質と利便性向上を目指す「旅道プロジェクト」として、ストリートミュージアムや4K映像、多言語翻訳など多様なソリューションを展開することにより、地方創生・観光立国に関わる事業拡大を一層推進してまいります。
この取り組みに先駆けて、デジタルや地方創生・観光立国を核とした事業展開を加速すべく、平成30年1月よりグループ一体の戦略策定と実行推進を担う組織を新設するなど、抜本的な組織体制の見直しを行いました。経営資源の積極的な投入により、拡大する事業機会を迅速かつ確実に捉え、事業ポートフォリオを変革してまいります。
③ グローバルな事業展開の加速
グローバルな事業展開の加速につきましては、セキュアやパッケージ、建装材、エレクトロニクス関連など技術優位性を持つ事業を中心に、旺盛な海外需要に対応してまいります。
セキュア関連では、高度な認証技術に支えられた真贋判定をはじめとするブランドプロテクションなど、技術力を駆使した製品・サービスを展開してまいります。
パッケージ関連では、米国においてバリア製品ブランド「GL BARRIER」を生産するジョージア工場を中心とした需要の開拓に加え、市場拡大が見込まれるASEANにおいて現地企業とのアライアンスにより製造・販売体制を早期に整備することにより、市場の深耕を図ってまいります。
建装材関連では、欧州における現地生産能力を積極的に活用し、地産地消型の事業基盤を構築してまいります。
エレクトロニクス関連では、フォトマスクは、得意先との共同開発体制によりパートナーシップを構築していることに加え、中国における先端投資で現地生産体制を強化することにより、旺盛な需要を取り込んでまいります。
(3) 会社の支配に関する基本方針
① 株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社におきましては、当社の社会的使命を十分に理解し、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役に就任し、法令及び定款の定めを遵守しつつ当社の財務及び事業の方針の決定に携わることが、当社及び当社株主共同の利益に資するものと考えております。
② 不適切な者による支配の防止のための取組みの概要
当社取締役会は、不適切な者による当社の支配を防止する観点から、当社の株式に対する買収提案がなされた場合、その内容が妥当か否かを当社株主が適切に判断できるよう、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であると考えております。
そのため、平成19年6月28日開催の第161回定時株主総会の決議によって、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為を行おうとする者に対して、事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、当社取締役会が当該情報を検討するために必要である一定の評価期間が経過した後にのみ大規模買付行為を開始できることを要請する「大規模買付者による情報提供及び当社取締役会による対抗措置の発動に関するルール」の導入を決定しております。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限に尊重したうえで、当社及び当社株主全体の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款により認められる対抗措置をとり、当該大規模買付行為に対抗する場合があります。
また、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当社取締役会の評価として当該大規模買付行為が当社及び当社株主全体の利益を著しく損なうと判断した場合には、同様に対抗措置をとることがあります。
なお、当該ルールは、有効期限の到来に伴い、平成22年6月29日開催の第164回定時株主総会、平成25年6月27日開催の第167回定時株主総会及び平成28年6月29日開催の第170回定時株主総会において、その更新を決議しております。
③ 上記②の取組みについての取締役会の判断
当社取締役会は、上記②の取組みが上記①の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保するための取組みであり、当社株主全体の利益を損なうものではないと考えております。
また、当社は、取締役会によって恣意的な判断がされることを防止し、判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した機関として特別委員会を設置しております。特別委員会は、大規模買付行為を評価・検討し、特別委員会としての意見を慎重にとりまとめ、当社取締役会に対して勧告いたします。上記②の取組みには、新株予約権無償割当等、会社法その他の法律及び定款により認められる対抗措置をとる場合には特別委員会の勧告を最大限尊重し、当社及び当社株主の共同の利益を守ることを目的とすることが定められており、取締役の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 印刷事業の特性
印刷業は、情報技術とネットワーク化の進展による市場環境変化の中で、新事業領域の創出と価格競争力の強化が求められております。新たな事業領域において売上を拡大することができず、価格競争力向上のための原価削減施策が不十分であった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) エレクトロニクス事業分野の特性
当社グループにおけるエレクトロニクス事業分野は、主に液晶カラーフィルタ、反射防止フィルムなどのディスプレイ関連事業とフォトマスクなどの半導体関連事業からなっております。
この事業は最先端の技術開発と市場への的確な対応により、収益が期待できる事業でありますが、製品ライフサイクルの短期化や技術動向の進展が想定以上に進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業全体の特性として、特定得意先への依存度が高くなる傾向がありますが、このような安定得意先との取引関係が強みでもあると考えております。しかしながら、こうした一部の得意先との間で発生する、製品の価格水準、製品の量と種類、支払遅延もしくは不払い、ないしは支払条件の不利な変更などの要因により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業の発展を支える人材の確保
当社グループが将来にわたり事業を発展していくためには、既存製品における高品質化と、高度な新技術導入による新製品・新サービスの開発が重要であると認識しております。
そのためには、高度な技術力・企画提案力を有した優れた人材が不可欠です。当社グループは計画的な人材の採用と育成に向けた教育に注力しておりますが、優秀な人材を確保又は育成できなかった場合には、当社グループが将来にわたって成長し続けていくことができない可能性があります。
(4) 厳しい市場競争及び価格競争
当社グループは、継続的に新製品や新サービスを開発・販売するとともに、既存製品のコストダウンに努めております。しかし、競合関係にある企業との製品開発競争や価格競争が近年激しくなっており、当社グループの製品及びサービスが市場における優位性を維持できない場合や、激しい競争によって価格の下落を招いた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 設備投資に伴う影響
当社グループは営業キャッシュ・フロー、社債の発行及び銀行融資等により必要資金を賄い、設備投資を行っております。このような設備投資には、市場環境の変化により投資決定時に比べ投資回収期間が長期化する、過大な償却費負担が業績を圧迫する、大規模な設備投資が総資産利益率を引き下げる、資金調達に伴う金利支払が利益率を引き下げる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 円滑な資金調達
当社グループは事業の拡大や、急速な技術革新に対応するために設備投資を必要としております。設備投資に向ける資金調達につきましては、事業計画に基づき外部から調達する場合もありますが、金利情勢の大幅な変化等により適正な条件で必要十分な追加資金を調達することができない可能性があります。
(7) 海外事業に伴うリスク
当社グループは、米国をはじめ中国、東南アジア地域、欧州におきましても事業活動を行っております。将来的にも、開発途上国を含む海外の国で新たに事業を展開する可能性があり、海外事業を推進するにあたっては、下記のような固有のリスクが存在すると認識しております。
・技術的インフラが十分な水準に達していないために生産その他事業活動に影響を及ぼし、製品やサービスが得意先に受け入れられない可能性
・政治及び経済面における不安定さ
・予期しない法律や規制の変更(税制を含む)
・為替相場の変動
・貿易の制限や関税率の変更
・疫病及び大規模な災害の発生の可能性
(8) 戦略的提携、投資及び企業買収
当社グループは他社との戦略的提携、合弁事業、投資を通して、多くの事業を推進しており、将来におきましても、他の企業を買収する可能性があります。このような活動は、新技術の獲得、新製品の発売、新規市場参入のためには重要です。しかし、様々な要因により、提携関係を継続できない場合や、当初期待した効果を得られない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 生産活動に伴うリスク
生産活動におきましては、品質管理上、十分な注意を払いすべての製品について製品事故やクレームを発生させないための対応を図っておりますが、将来にわたっては製品事故が発生することで業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新工場の立ち上げや移設に伴う製造ラインの変更・改善に際し適切に対応できなかった場合には、得意先に対する製品納入の遅れや工場の生産性の低下により、販売の落込みにつながる可能性があります。
(10) 外部生産委託
当社グループは、主として印刷関連事業において生産数量、生産時期、納期などの要因により、必要に応じて外部製造業者に生産を委託しております。外部委託先に自然災害や不慮の事故が発生した場合には、製品納入の遅れや製品の欠陥といった製造上の問題が発生する可能性があります。
(11) 主原材料の確保
当社グループは、事業に使用する用紙、インキ、ガラスといった特定の原材料の大半を外部メーカーから調達しております。事業活動を維持するためには、十分な量の原材料を適正な価格で安定的に確保することが重要ですが、外部メーカーからの供給量の大幅な不足や納期の遅延、原材料価格の高騰などが起こる可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 退職給付債務
当社グループの従業員に対する退職給付債務及び費用は、当社グループが適用している退職慰労金及び企業年金制度に基づき算出されております。したがって、経済環境等の変動により計算の前提となる割引率や年金資産の長期期待運用収益率などの条件に変更が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 市場性のある有価証券における時価の変動
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。したがって、株式市場及び金利相場等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 外国為替相場の変動
国内印刷市場の成熟化が進んでいるなか、海外市場での事業が拡大しておりますが、海外現地法人において現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での為替相場の変動に影響される可能性があります。
また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、現地生産品の製造・調達コストや、国内における販売価格にも影響を与えることが想定されます。そのような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 知的財産の保護
市場における競争力強化のためには革新的な製品やサービスを開発する必要があり、特許を含む知的財産は競争力の重要な要素であります。当社グループは、特許、商標、その他の知的財産権の組み合わせにより、自社開発技術の保護に努めておりますが、次のリスクが存在すると認識しております。
・当社グループの申請中の特許が認められない可能性
・当社グループの知的財産の不正使用ないし侵害を防ぐための対応が成功しない可能性
・当社グループの技術等が、他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性
当社グループの知的財産が干渉を受けた場合、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 環境法規制の影響
国内外において、国や地方自治体の法律及び規制により、有害物質の不適切な使用・廃棄やそれに起因する土壌汚染、大気汚染等の環境汚染に関して、重大な責任が発生する可能性があります。当社グループの製造工程及び研究開発におきましては、特定の有害物質を使用し、廃棄物を管理する必要があり、適用される規制を守るために厳重な注意を払っております。しかし、このような物質に起因する偶発的な汚染や放出、及び、その結果としての傷害を完全に予測することは困難であり、万一発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 情報セキュリティ
当社グループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業の一環として得意先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。これらの情報管理には万全な方策を講じておりますが、万一当社グループの社員や業務の委託会社等が情報を漏洩もしくは誤用した場合には、企業としての信頼を失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 自然災害、事故災害及び疫病に関するリスク
当社グループでは、事業所における耐震対策や定期点検、防災訓練等の取り組みを実施しておりますが、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害及び疫病が発生した場合、事業所の設備や従業員等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業活動、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、依然として中国における経済成長の鈍化や、米国の保護主義的政策の拡大懸念、地政学的リスクの顕在化など海外経済の不確実性に加え、金融資本市場は安定感を欠く状況で推移するなど、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
印刷業界におきましては、IT化の進展に伴い情報媒体のデジタルシフトが加速し、ペーパーメディアの需要が減少傾向にあるなど、全体を通しては厳しい経営環境となりました。一方、企業のESG(Environment, Social, Governance)への取り組みが強化されるなか、サプライチェーン全体でCO2削減や資源循環など環境負荷の低減を考慮した製品やサービスのニーズが高まっています。
このような環境のなかでトッパングループは、21 世紀の企業像と事業領域を定めた「TOPPAN VISION 21」において、「健康・ライフサイエンス」、「教育・文化交流」、「都市空間・モビリティ」、「エネルギー・食料資源」を4つの成長領域と定め、「可能性をデザインする~未来の価値を見いだし、企画・設計して、実現していく~」をコンセプトとして、グループ連携を強化し技術・ノウハウを組み合わせることによりトータルソリューションを実現し、事業拡大に取り組んでおります。また、新たな収益モデルを早期確立すべく、既存事業においてはコスト削減や技術開発強化などの競争優位性の確立を推進し、新規事業においては積極的に経営資源を投入してまいりました。
以上の結果、当期の連結売上高は前期に比べ1.5%増の1兆4,527億円となりました。また、連結営業利益は1.3%増の522億円、連結経常利益は9.9%増の546億円、親会社株主に帰属する当期純利益は29.9%増の422億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
a 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ICカードや金融業界向けのBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が減少するなど、総じて前年を下回りました。一方、サイバーセキュリティ分野においては、サイバー攻撃の巧妙化に伴い高度なセキュリティ対策への需要が拡大するなか、当社が培ってきた幅広い業界に対する機密情報の取扱いノウハウに加え、セキュリティのコンサルティングや対策ソリューションに強みを持つ企業との協業により、セキュリティの総合的な運用代行サービスを開始しました。
ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームは電子化に伴う需要量の減少により落ち込んだほか、BPOは大型案件の急速な縮小を受け前年を大きく下回りました。データ・プリント・サービスは、一部得意先における数量減や単価下落の影響などにより、前年を下回りました。一方、企業における帳票の運用管理を紙と電子の両面からサポートするサービスを積極的に展開し、新規得意先の開拓を推進しました。
マーケティング関連では、流通業界の広告宣伝費が削減傾向にあるなか、チラシやパンフ・カタログなどが減少しました。BPO事業は、豊富な実績と高いセキュリティ環境を活かして媒体製作やバックオフィス業務を強みに展開するなか、資本業務提携によりコンタクトセンター業務を強化するなど、事業拡大と高度化に向けてソリューションを拡充しました。
コンテンツ関連では、出版市場の低迷が続くなか、雑誌・書籍ともに前年を下回りました。一方、拡大を続ける電子書籍市場において、株式会社BookLiveはデータ分析に基づくマーケティング機能の強化やオリジナルコンテンツの拡充を行うなど、事業基盤を強化しています。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ3.0%減の8,692億円、営業利益は10.8%減の449億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、軟包装材は群馬センター工場の高度な品質管理体制やクリーンな生産環境を活用した医療・医薬向けの高付加価値な包装材や、使用済みPETボトルを再生素材としたメカニカルリサイクルPETフィルムの包装材などが増加したほか、紙器も堅調に推移しました。また、バリア製品ブランド「GL BARRIER」において初の紙製品となるバリア紙や、液体製品のスムーズな詰め替えを実現するスタンディングパウチを開発するなど、製品のラインアップを拡充しています。一方、ラベル事業が減少したほか、中国において当局の環境規制強化の
影響を受け軟包装材の工場が一時的に操業停止になるなど、一部の事業は低調に推移しました。
建装材関連では、世界最高水準の表面性能を持つ化粧シート「Smart NANO」の拡大に加え、商業施設や海外向けの需要を取り込み、前年を上回りました。また、スペインの現地建装材印刷メーカーを子会社化し、建装材関連として初となる欧州製造拠点を確立するなど、グローバル市場における事業拡大を進めております。
生活・産業事業分野においては、原材料価格の高騰など外部環境の変化による影響を受けたものの、製造・販売体制の最適化に向けて協業を開始した段ボール事業をはじめとして、事業環境の変化に応じて迅速に構造改革を進めております。構造改革による収益体質の強化に加え、成長戦略を着実に実行することにより、経営資源の再配分を行っております。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ0.7%減の4,086億円、営業利益は6.7%減の232億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
ディスプレイ関連では、カラーフィルタはスマートフォン向けなどの中小型サイズを中心に減少したほか、反射防止フィルムはテレビ向けが低調に推移しました。TFT液晶パネルは、子会社化した台湾の中小型液晶パネルメーカーとの統合効果に加えて、産業機器向けが好調に推移し、前年を大きく上回りました。
半導体関連では、半導体市場がスマートフォンの大容量化やデータセンター需要の高まりを受けて拡大するなか、フォトマスクは先端品需要を取り込み、堅調に推移しました。また、今後需要の拡大が見込まれる中国において、最先端品の量産に対応した設備投資を決定するなど、アジアにおけるフォトマスクの生産体制を強化しています。高密度半導体パッケージ基板のFC-BGA基板は、好調な海外需要を取り込んだ結果、前年を上回りました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ34.0%増の1,984億円、営業利益は160.9%増の148億円となりました。
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度に比べ1,548億円増加し2兆1,527億円となりました。これは投資有価証券が1,391億円、土地が139億円、退職給付に係る資産が136億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度に比べ231億円増加し8,490億円となりました。これは1年内返済予定の長期借入金が145億円、退職給付に係る負債が112億円、それぞれ減少したものの、繰延税金負債が421億円、長期借入金が173億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度に比べ1,317億円増加し1兆3,036億円となりました。これはその他有価証券評価差額金が767億円、利益剰余金が293億円、非支配株主持分が150億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ217億円(7.4%)減少し2,733億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ190億円(20.9%)減少し718億円となりました。これは、減少要因である売上債権の増減額の増加が164億円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ346億円(85.5%)増加し750億円となりました。これは、有価証券の売却による収入が408億円増加したものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が327億円減少、有形固定資産の取得による支出が267億円増加、投資有価証券の売却及び償還による収入が141億円減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ279億円(62.1%)減少し171億円となりました。これは、社債の発行による収入が298億円減少したものの、社債の償還による支出が362億円減少、短期借入金の純増減額が91億円増加、長期借入れによる収入が79億円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション事業分野 |
858,015 |
△2.8 |
|
生活・産業事業分野 |
401,368 |
0.3 |
|
エレクトロニクス事業分野 |
200,849 |
35.6 |
|
合 計 |
1,460,233 |
2.1 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション事業分野 |
844,917 |
△4.7 |
38,294 |
0.1 |
|
生活・産業事業分野 |
396,843 |
△5.4 |
93,758 |
△12.0 |
|
エレクトロニクス事業分野 |
204,399 |
36.5 |
17,437 |
55.1 |
|
合 計 |
1,446,160 |
△0.7 |
149,490 |
△4.2 |
(注) 1 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション事業分野 |
856,329 |
△3.1 |
|
生活・産業事業分野 |
398,219 |
△0.5 |
|
エレクトロニクス事業分野 |
198,202 |
34.1 |
|
合 計 |
1,452,751 |
1.5 |
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、211億円(1.5%)増の1兆4,527億円となりました。ペーパーメディアやセキュアの減少、大型案件の縮小影響などにより、情報コミュニケーション事業分野が減収となるとともに、生活・産業事業分野においても、中国の軟包装材工場の一時的な操業停止やラベル事業の落ち込みなど、一部の事業が低調に推移しました。一方、生活・産業事業分野の主要な製品である軟包装材や紙器、建装材などは堅調に増加するとともに、エレクトロニクス事業分野において、台湾の中小型液晶パネルメーカーの子会社化影響を含めTFT液晶が好調に推移したほか、半導体市場の活況を受けてフォトマスクやFC-BGA基板が増加したことなどから、増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ、6億円(1.3%)増の522億円となりました。情報コミュニケーション事業分野における数量減に伴う利益減のほか、生活・産業事業分野における中国の工場操業停止やラベル事業の低迷、原材料価格の高騰影響を受けましたが、各セグメントとも生産効率の向上や収率改善等の徹底したコスト削減に努めるとともに、エレクトロニクス事業分野におけるTFT液晶やFC-BGA基板の増加、フォトマスクの先端品受注の拡大などによる利益増に加え、退職給付制度移行に係る会計上の見積りの変更による影響もあり、増益となりました。
経常利益は、解体撤去費用の減少や受取配当金の増加などにより、前連結会計年度に比べ、49億円(9.9%)増の546億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失の減少や退職給付制度改定益を計上した影響などにより、前連結会計年度に比べ、97億円(29.9%)増の422億円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は347億円(4.4%)増加し8,276億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は389億円(9.5%)増加し4,487億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は47億円(2.3%)増加し2,139億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理経費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。成長分野・新事業投資を含めたこれらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しています。
(1) 技術導入契約
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契約会社名 |
契約先 |
契約の内容 |
契約発効日 |
技術料 |
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凸版印刷㈱ |
ショーリー コーポレーション (アメリカ) |
滅菌及び非滅菌包装用液体容器並びに充填装置の製造に関する技術 |
昭和59年8月24日 |
毎年一定額 |
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〃 |
インターメック アイピー (アメリカ) |
RFIDインサート及び |
平成17年9月1日 |
売上高に対し |
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〃 |
九州ナノテック光学㈱ |
液晶調光フィルムに関する |
平成28年5月10日 |
頭金及び売上高に対し一定率 |
(2) 技術供与契約
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契約会社名 |
契約先 |
契約の内容 |
契約発効日 |
技術料 |
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凸版印刷㈱ |
スマート パッケージング ソリューションズ (フランス) |
複合ICカード及び複合ICモジュールに関する技術 |
平成18年9月1日 |
売上高に対し |
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〃 |
上海普麗盛包装股份有限公司 (中国) |
カートカン製造装置の製造技術・ノウハウ |
平成25年4月2日 |
頭金及び販売台数に対し |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、21世紀のあるべき姿を定めた「TOPPAN VISION 21」に基づき、各事業領域の基盤強化と市場ニーズを先取りした新商品の開発を積極的に推進しております。
当社グループの研究開発は、総合研究所を中心に、事業(本)部の技術関連部門及び主要連結子会社が一体となり収益力の強化を図っております。各事業分野の新商品開発に注力するとともに、コストダウン、品質ロスミス削減へ向けての開発を各研究開発部門と進めております。また、次世代商品系分野につきましても総合研究所を中心に産官学との連携を図り、中長期の収益の柱となる新規事業創出に努めております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は19,425百万円であり、セグメントにおける主な研究開発とその成果は次のとおりであります。なお、研究開発費については、当社の本社部門及び総合研究所で行っている基礎研究にかかる費用を次の各セグメントに配分することができないため、研究開発費の総額のみを記載しております。
(1) 情報コミュニケーション事業分野
セキュア関連では、ナノ構造技術を応用したホログラム「セキュアカラー™」を開発しました。世界で初めてパステル調の構造色を発色するセキュリティホログラムラベルを実現した技術で、医療医薬製品、高級ブランド品及び商品券などの有価証券類の偽造・模倣防止用途向けに展開してまいります。
VR(バーチャルリアリティ)については、光沢や表面の凹凸、色調など、照明環境や観察方向によって見え方が異なる素材の質感を正確に記録するデジタルアーカイブ技術を開発し、これまで困難とされてきた文化財特有の質感をより忠実に再現することが可能となりました。
デジタルサイネージ関連では、透過型ディスプレイと高輝度ディスプレイを組み合わせ、動的・立体的な演出を可能としたデジタルサイネージ(※1)システム「デュアルサイネージBOX™」を開発しました。また、白く光る特殊なディスプレイにさまざまな形に加工した偏光フィルムをかざすことで、その部分にだけ映像が映し出される新しいデジタルサイネージ「FloatPanelDisplay™(フロートパネルディスプレイ)」を開発しました。これらのサイネージ開発品については、流通業界や小売業界、観光事業者に向けて販売を開始しました。
AI関連については、Affectiva, Inc.が提供する感情AI(※2)を活用し、株式会社シーエーシーと共同で、東京都議会議員選挙PRイベント向けに、参加者の表情を検知した結果を活用する「笑顔投票所」と、表情の瞬間をとらえてカメラが撮影する「ミニポスタースタジオ」の2つのAI体験コンテンツを開発し、一般向けイベントとしては初めて感情AIを活用しました。
(2) 生活・産業事業分野
包装関連では、当社・ヱスビー食品株式会社・株式会社PIJINの3社は、ヱスビー食品が販売するチューブ入り香辛料の最高級タイプ「名匠シリーズ」で、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「第41回木下賞 包装技術賞」を受賞しました。また、バリアフィルムでは、HP Inc.の協力のもと、デジタル印刷に対応した世界初のレトルト包材向けの透明バリアフィルム「GL FILMデジタル印刷グレード」を開発しました。これは、HP Inc.が提供する世界最先端の軟包装向けデジタル印刷機「HP Indigo」に対応した透明バリアフィルムで、パスタソースやビーンズなどレトルトパウチ食品向けとして、国内外の市場に提供を開始しました。
更に、強酸性や強アルカリ性の内容物に対する耐性を備えた軟包装材「超高耐性包材」を開発しました。これにより従来、パウチ化が困難とされてきた漂白剤や殺菌剤向けでの活用が可能になります。
建装材事業関連では、ナノ化技術(※3)を活用し、硬さや傷・汚れの防止など、世界最高水準の表面性能を発揮する耐傷性・耐汚染性に優れたオリジナルブランドの内装用床材「101 REPREA Smart NANO」を開発しました。
(3) エレクトロニクス事業分野
半導体用フォトマスクでは、半導体の微細化・高集積化に対応するため、7ナノ(10億分の1)メートル半導体向けのフォトマスク製造プロセスを、米国GLOBALFOUNDRIES Inc.社と共同で開発しました。今後、量産ラインのプロセス構築を進めてまいります。また、次世代露光技術のEUVリソグラフィー(Extreme Ultraviolet Lithography)用フォトマスクの開発も推進しました。
半導体パッケージ基板のFC-BGAでは、進展が著しいIoTやAI、ビッグデータなどを支える半導体の微細化・高速化に対応する高多層基板の開発に注力しました。高速通信に有効な高周波特性を有する集積型受動デバイス(IPD: Integrated Passive Device)向けTGV基板(Through-Glass-Via substrate)の開発を進めました。
(4) その他
新技術として、3D計測(※4)は、デジタルカメラで撮影した画像から三次元形状モデルを自動生成できる画像処理技術の開発に取り組み、株式会社本田技術研究所の協力のもと、自動車デザインの製作プロセスにおける性能評価実験を実施した結果、CAD(※5)への適用も可能な高精度なモデル生成に成功しました。また、微細印刷技術と高精度な位置決め技術の融合によって、4色カラーインキを用いた新しいカラー表現印刷技術を確立しました。本技術を使うことで、偽造防止や真贋判定などのセキュリティ印刷や、導電性材料と絶縁性材料の組み合わせによる微細配線回路を活用したセンサー、ウェアラブル端末(※6)など幅広い展開が可能となります。
(※1)デジタルサイネージ:電子看板。電子的な表示機器により、画像、映像などの情報を発信するシステム
(※2)感情AI:人間の感情を推定・認識するAI(人工知能)
(※3)ナノ化技術: 材料内の物質を数百ナノ(10億分の1)メートル以下の大きさにする技術
(※4)3D計測: 3次元計測。立体をデータ化すること
(※5)CAD: コンピュータを使って、設計すること
(※6)ウェアラブル端末: 体に装着する端末