当社グループは、当連結会計年度(2016年4月1日から2017年3月31日まで)よりIFRSを適用しています。また、前連結会計年度の財務数値についても、IFRSに組み替えて比較分析を行っています。
当連結会計年度の経済情勢は、英国のEU離脱表明や米国大統領選挙結果に伴う市場の混乱はありましたが、米国、欧州ともに引き続き堅調な個人消費に支えられ、緩やかな回復基調となりました。また、我が国経済も、設備投資や個人消費において持ち直しの動きが続くなど、総じて緩やかな回復基調にありました。
事業別では、精機事業においては、半導体関連分野の設備投資は堅調に推移し、FPD関連分野の設備投資は中小型パネル用の設備投資を中心に活況を呈しました。映像事業においては、レンズ交換式デジタルカメラ市場及びコンパクトデジタルカメラ市場は縮小傾向が続きました。インストルメンツ事業においては、マイクロスコープ関連分野は、米国での公共予算の執行遅延の影響等により、全体として低調に推移しました。産業機器関連分野は、市況回復の遅れなどにより設備投資は低調に推移しました。メディカル事業においては、網膜画像診断機器市場が期を通じて世界的に堅調に推移しました。
当社グループは、既存事業に成長事業を加えた事業ポートフォリオで持続的に成長する企業体に生まれ変わることを基本方針とした「中期経営計画2015年度版」に基づき、将来の成長を目指してまいりました。しかしながら、半導体装置事業は黒字化の実現には至らず、映像事業は想定以上に市場縮小が進行し、成長事業の育成も期待通りに進捗しませんでした。
このような状況から、「中期経営計画2015年度版」の継続を断念し、構造改革を実施することを決定しました。企業価値向上に向けた体質改善を図り、これまでの売上成長を志向した戦略から、収益力強化を志向する戦略へ方針転換しました。
具体的には、半導体装置事業、映像事業及び本社機構の構造改革を最優先で進め、半導体装置事業では、採算性を重視し、棚卸資産の廃棄・評価減リスクの最小化を図りました。映像事業では、高付加価値製品への注力により、高収益体質を実現するため、製品戦略全体を見直すとともに、プレミアムコンパクトデジタルカメラ「DLシリーズ」の発売中止を決定しました。また、事業部門の戦略の見直し、本社部門の機能の再定義に伴う組織体制の見直しにより、人員適正化を図るため、国内で希望退職を募集し、1,143人が退職しました。さらに、光学部品生産の技術強化と効率化を目的として、グループ全体の光学生産機能を栃木ニコンに集約しました。
これらの結果、当社グループの連結業績は、売上収益は7,492億73百万円、前期比917億66百万円(10.9%)の減少となり、構造改革関連費用を計上した結果、営業利益は7億74百万円、前期比344億93百万円(97.8%)と大幅な減少となりました。また、税引前利益は30億68百万円、前期比364億79百万円(92.2%)の減少、親会社の所有者に帰属する当期利益は39億67百万円、前期比259億80百万円(86.8%)の減少となりました。
事業のセグメント別の業績は次のとおりであります。
半導体露光装置分野では、ArFスキャナー「NSR-S322F」や2016年2月に発売した最新型ArF液浸スキャナー「NSR-S631E」等が販売台数を伸ばしました。
FPD露光装置分野では、中国市場を中心としたメーカー各社の活況な設備投資を背景として、特にスマートフォン・タブレット型端末用の中小型パネルの生産に適した「FX-66S2」や「FX-67S2」等が大幅に販売台数を伸ばしたほか、2016年3月に発売した最新装置「FX-68S」も順調に受注を獲得し、販売に寄与しました。これにより、大型パネル用の装置を含む全体の販売台数は、前年同期比で倍増する結果となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は2,480億26百万円、前期比23.7%の増加となり、営業利益は134億63百万円、前期比42.6%の増加となりました。
レンズ交換式デジタルカメラは、プロフェッショナルモデルに迫る本格仕様のデジタル一眼レフカメラ「D750」や、高性能DXフォーマットモデル「D7200」など中高級機の販売が堅調に推移しました。しかしながら、市場縮小や昨年の熊本地震による調達先被災の影響もあり、販売台数は減少しました。
コンパクトデジタルカメラでは、2000mm相当の超望遠撮影が高画質で楽しめる多機能モデル「COOLPIX P900」や、高倍率ズームモデル「COOLPIX B500」等の高付加価値製品が好調に推移しましたが、市場が大きく縮小するなか、昨年の熊本地震による影響も加わり販売台数は大幅に減少しました。
これらの結果、当事業の売上収益は3,830億24百万円、前期比26.4%の減少、営業利益は171億50百万円、前期比63.4%の減少となりました。
マイクロスコープ分野では、欧米における関連予算執行の遅れと為替の影響で減収となりました。コスト削減により生物顕微鏡の収益性は向上しましたが、幹細胞事業等への投資を増やしたことにより全体としては減益となりました。
産業機器分野では、CNC画像測定システムNEXIVシリーズが売上げを伸ばしましたが、国内での半導体検査装置の低調、欧米で為替の影響を受けたことにより全体としては減収減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は734億49百万円、前期比4.9%の減少となり、営業利益は12億79百万円、前期比62.2%の減少となりました。
なお、株式会社ヘリオスと再生医療の実用化に向けた業務・資本提携契約を締結しました。
メディカル事業においては、網膜画像診断機器が国内では低調でしたが、北米、欧州及び中国を中心として堅調に推移したことにより、売上げを伸ばしました。
これらの結果、当事業の売上収益は202億76百万円となりましたが、メディカル関連の新事業への先行投資等の影響により、15億99百万円の営業損失となりました。
なお、米国のVerily Life Sciences社と糖尿病による眼疾患を対象としたMachine Learning(機械学習)活用ソリューション事業で戦略的提携契約を締結しました。
カスタムプロダクツ事業では、固体レーザーが減収となりましたが、宇宙関連は売上げを伸ばしました。
ガラス事業では、FPDフォトマスクの高精度基板及び光学部品の拡販を進め、前期並みの収益を確保しました。
この結果、これらの事業を含む売上収益は244億98百万円、前期比0.1%の増加となり、営業利益は33億96百万円、前期比20.9%の減少となりました。
(注) 事業別の営業損益には、当社グループ内取引において生じた損益を含んでおります。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、精機事業での前受金収入が前年度に比べて減少したことや、映像事業の販売が前年度に対して減少したこと等により、前期比101億70百万円収入が減少し973億42百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度はOptos Plcの株式取得に伴う支出があったことに対し、当年度の支出は主に有形固定資産の取得によるものであったことから、前期比424億84百万円支出が減少し406億93百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金による収入により、前期比336億95百万円収入が増加し155億22百万円の収入となりました。
また現金及び現金同等物の換算差額は43億35百万円の減少となりました。
この結果、当期末の現金及び現金同等物の期末残高は前期末に比べ678億36百万円増加し、3,190億46百万円となりました。
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表
|
|
|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2016年3月31日) |
当連結会計年度 (2017年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
流動資産 |
682,398 |
698,507 |
|
固定資産 |
|
|
|
有形固定資産 |
127,660 |
122,084 |
|
無形固定資産 |
63,902 |
57,131 |
|
投資その他の資産 |
92,619 |
119,482 |
|
固定資産合計 |
284,180 |
298,697 |
|
資産合計 |
966,578 |
997,204 |
|
負債の部 |
|
|
|
流動負債 |
327,904 |
333,018 |
|
固定負債 |
110,394 |
141,486 |
|
負債合計 |
438,298 |
474,504 |
|
純資産の部 |
|
|
|
株主資本 |
508,847 |
493,031 |
|
その他の包括利益累計額 |
17,563 |
27,535 |
|
新株予約権 |
1,339 |
1,496 |
|
非支配株主持分 |
530 |
637 |
|
純資産合計 |
528,280 |
522,700 |
|
負債純資産合計 |
966,578 |
997,204 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
|
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|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
売上高 |
819,388 |
748,891 |
|
売上原価 |
506,773 |
443,979 |
|
売上総利益 |
312,616 |
304,912 |
|
販売費及び一般管理費 |
280,917 |
253,933 |
|
営業利益 |
31,699 |
50,980 |
|
営業外収益 |
10,630 |
11,021 |
|
営業外費用 |
4,461 |
7,678 |
|
経常利益 |
37,868 |
54,323 |
|
特別利益 |
3,746 |
4,508 |
|
特別損失 |
13,035 |
61,309 |
|
税金等調整前当期純利益又は |
28,579 |
△2,478 |
|
法人税等 |
10,225 |
4,536 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
18,354 |
△7,014 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
99 |
94 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は |
18,254 |
△7,108 |
要約連結包括利益計算書
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
18,354 |
△7,014 |
|
その他の包括利益合計 |
△40,760 |
9,942 |
|
包括利益 |
△22,406 |
2,928 |
|
(内訳) |
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
△22,453 |
2,864 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
47 |
64 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
|
|
(単位:百万円) |
||||
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高会計 |
512,290 |
58,271 |
1,133 |
507 |
572,201 |
|
会計方針の変更による累積的影響額 |
△8,790 |
|
|
|
△8,790 |
|
会計方針の変更を反映した当期首残高 |
503,500 |
58,271 |
1,133 |
507 |
563,411 |
|
当期変動額 |
5,347 |
△40,708 |
207 |
23 |
△35,131 |
|
当期末残高 |
508,847 |
17,563 |
1,339 |
530 |
528,280 |
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
|
|
(単位:百万円) |
||||
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 |
新株予約権 |
非支配株主持分 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
508,847 |
17,563 |
1,339 |
530 |
528,280 |
|
当期変動額 |
△15,816 |
9,972 |
157 |
107 |
△5,580 |
|
当期末残高 |
493,031 |
27,535 |
1,496 |
637 |
522,700 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
105,215 |
94,830 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△80,881 |
△38,182 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△18,174 |
15,522 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△14,575 |
△4,335 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△8,415 |
67,836 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
259,625 |
251,210 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
251,210 |
319,046 |
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
1 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度より、株式を取得したことによりOptos Plc、他8社を連結の範囲に含め、㈱ニコン・セル・イノベーションを新たに設立し連結の範囲に含めております。また、当連結会計年度に清算結了により1社を連結子会社から除外しております。
2 表示方法の変更
(「企業結合に関する会計基準」等の適用に伴う変更)
「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号平成25年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っております。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
1 連結の範囲に関する事項
当連結会計年度より、株式を取得したことによりMark Roberts Motion Control Limitedを連結の範囲に含め、Nikon CEE GmbH、他1社を新たに設立し連結の範囲に含めております。また、当連結会計年度に連結子会社間の合併により5社を連結子会社から除外しております。
2 持分法の適用に関する事項
当連結会計年度における持分法適用関連会社の異動は増加1社であります。
3 会計方針の変更
(収益認識基準の変更)
精機事業において、FPD露光装置の当社の海外向け販売取引の収益認識基準については、従来、契約条件等を勘
案し、船積み基準ないし顧客指定場所引渡し基準によっておりましたが、当連結会計年度より、据付完了基準によ
り収益を認識する方法に変更しております。この変更は、高精細ディスプレイの生産に適したFPD露光装置の販売
割合が高まるなか、当該装置の据付作業は従来の装置よりも複雑であり、据付の期間の長期化及び高度化が見込ま
れるために、FPD露光装置の船積あるいは顧客指定場所への引渡時よりも据付完了時に収益を認識することが、収
益の実態をより適切に反映させることになるために行うものであります。
当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっておりま
す。
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の売上高は3,528百万円、営業利益、経常利益及び税金
等調整前当期純利益はそれぞれ5,003百万円減少しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影
響額が反映されたことにより、利益剰余金の前期首残高は8,790百万円減少しております。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
IFRSへの移行に伴う当期利益及び当期包括利益の当連結会計年度における影響は、次のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
調整内容 |
当期利益及び |
内容 |
|
収益認識 |
119 |
(A) |
|
無形資産 |
1,035 |
(B) |
|
のれん |
2,651 |
(C) |
|
資本性金融商品 |
△579 |
(D) |
|
税効果 |
6,317 |
(E) |
|
有給休暇 |
288 |
(F) |
|
退職給付に係る調整 |
2,030 |
(G) |
|
その他 |
△789 |
|
|
当期利益に対する調整合計 |
11,072 |
|
|
資本性金融商品 |
707 |
(D) |
|
退職給付に係る調整 |
△4,417 |
(G) |
|
その他 |
△552 |
|
|
当期包括利益に対する調整合計 |
6,809 |
|
また、IFRSへの移行に伴う各調整項目が、当連結会計年度末の利益剰余金に対して及ぼす影響は、次のとおりであります。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
調整内容 |
利益剰余金 |
内容 |
|
収益認識 |
△396 |
(A) |
|
無形資産 |
5,281 |
(B) |
|
のれん |
5,115 |
(C) |
|
資本性金融商品 |
11,571 |
(D) |
|
税効果 |
16,102 |
(E) |
|
有給休暇 |
△4,995 |
(F) |
|
退職給付に係る調整 |
△1,750 |
(G) |
|
在外営業活動体の換算差額 |
40,347 |
(H) |
|
その他 |
△1,940 |
|
|
利益剰余金に対する調整合計 |
69,335 |
|
(A) 収益認識
日本基準においては、据付が必要となる製品の販売取引について、製品に対する顧客の検収が行われた場合、顧客の検収時点で収益を認識しておりましたが、IFRSでは据付完了時点で収益を認識しております。なお、この結果、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、IFRSでは日本基準に比べ「売上債権及びその他の債権」が3百万円減少、「棚卸資産」が688百万円増加、及び「前受金」が829百万円増加しております。
(B) 無形資産
日本基準においては、研究開発費について、発生時に費用処理しておりましたが、IFRSでは一定の要件を満たす開発費について資産計上し、見積耐用年数にわたって償却しております。なお、この結果、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、IFRSでは日本基準に比べ、「のれん及び無形資産」が5,569百万円増加しております。
(C) のれん
日本基準においては、のれんの償却について、償却年数を見積もり、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSにおいては移行日以降の償却を停止しております。なお、この結果、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、IFRSでは日本基準に比べ、「のれん及び無形資産」が5,067百万円増加しております。
(D) 資本性金融商品
日本基準では、資本性金融商品の売却損益及び減損損失を純損益としておりましたが、IFRSにおいて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合に利益剰余金に振り替えております。
(E) 税効果
日本基準においては、未実現利益の消去に伴う税効果について、売却元の実効税率を用いて計算しておりましたが、IFRSでは、売却先の実効税率を用いて計算しております。
また、IFRSでは、繰延税金資産について、一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高いと判断した範囲内で認識しております。
(F) 有給休暇
日本基準で会計処理が求められていない未消化の有給休暇について、IFRSでは負債を認識しております。なお、この結果、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、IFRSでは日本基準に比べ、「その他の流動負債」が7,545百万円、及び「その他の非流動負債」が492百万円増加しております。
(G) 退職給付に係る調整
日本基準においては、数理計算上の差異を発生時にその他包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数で純損益に振替えておりましたが、IFRSにおいては、発生時にその他の包括利益で認識し、利益剰余金に振り替えております。
また、IFRSでは、日本基準と異なり、確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額は資産上限額に制限され、その調整をその他の包括利益で認識しております。
なお、この結果、当連結会計年度の連結財政状態計算書において、IFRSでは日本基準に比べ、「退職給付に係る資産」が3,262百万円減少しております。
(H)在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号に規定されている免除規定を採用し、移行日現在の累積換算差額をすべて、その他の包括利益累計額から利益剰余金に振り替えております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
|
精機事業 |
125,964 |
1.3 |
|
映像事業 |
264,616 |
△28.8 |
|
インストルメンツ事業 |
46,750 |
4.5 |
|
メディカル事業 |
6,141 |
7.5 |
|
その他 |
20,930 |
11.3 |
|
合計 |
464,401 |
△17.8 |
(注) 金額は製造者販売価格によって算出し、付属品仕入額を含み、消費税等は含んでおりません。
当社グループは見込生産を主としておりますので記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) (百万円) |
前期比(%) |
|
精機事業 |
248,026 |
23.7 |
|
映像事業 |
383,024 |
△26.4 |
|
インストルメンツ事業 |
73,449 |
△4.9 |
|
メディカル事業 |
20,276 |
10.7 |
|
その他 |
24,498 |
0.1 |
|
合計 |
749,273 |
△10.9 |
(注) 金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループは、既存事業に成長事業を加えた事業ポートフォリオで持続的に成長する企業体に生まれ変わることを基本方針とした「中期経営計画2015年度版」に基づき、将来の再成長を目指してまいりました。しかしながら、半導体装置事業は黒字化の実現には至らず、映像事業は想定以上に市場縮小が進行し、成長事業の育成も期待通りに進捗しませんでした。
このような状況から、「中期経営計画2015年度版」の継続を断念し、構造改革を実施することを決定しました。企業価値向上に向けた体質改善を図り、これまでの売上成長を志向した戦略から、収益力強化を志向する戦略へ方針転換しました。
2016年11月に発表した構造改革プランに基づき、売上成長から収益力強化への戦略転換を図るため、以下の方針に従い、各施策に引き続き取り組んでいきます。
■ 全社で収益性の改善・向上を目的とした「選択と集中」を実施
■ 開発・販売・生産体制をグローバル規模で最適化
■ 事業の構造改革に合わせた本社機構スリム化
あわせて、持続的に高い企業価値を創造する企業へ生まれ変わるため、以下の抜本的な体質改善に取り組みます。
■ ポートフォリオ経営への転換
■ 資本効率を重視した経営指標の導入・浸透
■ ガバナンス体制強化
なお、成長戦略を織り込んだ新中期経営計画は、構造改革終了後の2019年4月のスタートを目指して、改めて発表する予定です。
当社グループの業績は、今後起こり得るさまざまな要因による大きな影響を受ける可能性があります。以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 事業の特殊な環境・事情
精機事業が扱う半導体露光装置の対象市場としている半導体産業は、近年最終製品の多様化によってその傾向は弱まってきているものの、ビジネスサイクルの変動が大きい産業として特徴付けられています。この為、市場において、半導体デバイスが供給過剰となった際には、半導体メーカーの設備投資抑制による露光装置需要の減少という事態が生じるリスクがありますが、その時期、期間、変動幅の正確な予測は困難であります。これに加え、当業界の顧客行動の特徴として、発注後も繰延べやキャンセルを行うといったことがあり、需要の減退期にはたな卸資産増となりやすい構造を抱えております。また、FPD露光装置の需要は、フラットパネル市場の動向に依存していますが、フラットパネルが供給過剰となった場合には価格下落が発生し、急激に露光装置の需要も落ち込む可能性があります。
映像事業の主要製品であるデジタルカメラの市場は、地域毎の景気変動の状況や新しいデジタル機器をはじめ強力な競合製品の登場等によりデジタルカメラの需要が落ち込むなど、市場に変動が生じる可能性があります。
インストルメンツ事業においては、顕微鏡市場が飽和状態となりつつあり、業界再編等により競争構造が変化する可能性があります。また、産業機器事業は半導体・電気・電子部品・自動車・工作機械等さまざまな産業の景気、設備動向に影響を受けやすい構造となっております。
こうした事業環境の変化は、結果として当社グループの収益と財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② 調達
当社グループは、それぞれの事業において、原材料、基幹部品、生産委託した製品完成品等を特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先と密接な関係を保ちながら、安定的な調達に努めておりますが、大地震等の天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、紛争鉱物対応や環境に配慮した企業活動など、ESGの観点で仕入先に対してもCSR調達の推進・徹底を図っておりますが、仕入先における不備により、調達に支障をきたした場合、当社グループの事業が影響を受けるだけでなく、レピュテーションに関しても影響を及ぼし、結果として当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定顧客への依存
精機事業の顧客である半導体業界では、拡大する設備投資規模と多彩化する技術開発に対応するため、合併・提携等の動きが進んでおります。さらに、保有する技術力や製造するデバイスの特性によって、各社における競争状況の優劣が明確になり、淘汰が進みつつあります。また、フラットパネル業界でも同様に各社の競争が激しさを増しており、業界再編の動きも現れています。このような状況により、当社グループの主要顧客の設備投資計画は変動しやすく、例えば急激に発注量を減少、あるいは競合他社へ転注させた場合、若しくは何らかの事情により顧客の債務支払いに支障が生じた場合には、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 新製品開発力及び開発投資負担
当社グループの主力事業は厳しい競争下にあり、高度な研究開発の継続による新製品の開発が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。
精機事業においては、新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や当社グループが開発した技術が市場に受け入れられなかった場合、収益が減少する可能性があります。また、競合他社に新技術の特許を取得されることにより、生産・販売の停止や、ロイヤリティー支払いによる利益率低下の危険性があり、あるいは競合他社装置の新技術採用が、当社装置価格の低下を招くといった可能性もあります。FPD露光装置において新たな企業参入や新技術の導入があった場合、さらなる競争激化が予想され、収益に影響が生じる可能性があります。
映像事業においては、デジタルカメラを取り巻く技術的環境の進歩は速く、高度化・多様化も進み、新技術・新製品の開発には継続した投資が必要となります。しかし、投資の成果が十分に上がらず新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や、より高機能なデジタル機器への急激な需要シフト等の変化がある場合、収益が減少する可能性があります。精機事業同様、競合他社に新技術の特許を取得されることにより、生産・販売の停止や、ロイヤリティー支払いによる利益率低下の危険性があり、収益に影響が生じる可能性があります。
また、メディカル事業においては、新規分野への先行投資を継続的に行う必要がありますが、成果が十分に上がらない場合や、開発した技術・製品が収益の向上に結びつかない可能性があります。
⑤ 価格競争の激化
半導体露光装置及びFPD露光装置においては、先端技術開発が進む一方で競合他社が低価格攻勢に出てくる可能性があります。
映像事業の主要製品であるデジタルカメラは、市場の成熟化に伴い、競合他社が低価格攻勢に出てくる可能性があります。
インストルメンツ事業においては、顕微鏡市場の成熟化に伴い、商品の差別化競争が一層進むとともに、特に中低級機市場では価格競争が厳しくなる傾向にあり、急激な価格下落が起こった場合は、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 海外での事業展開
当社グループの生産及び販売活動は、その多くを日本国外に依存しております。そのため、事業展開する国内外において、輸出入に関するさまざまな法律・税制及び規制の変更による影響を受けます。さらに 海外での事業展開においては、政治体制・経済環境の変動、暴動・テロ・戦争・感染症等による社会の混乱、災害等による水・電力・通信網等のインフラストラクチャーや物流機能の障害、人材の採用困難及び流出等のリスクにより、事業活動に大きな障害や損失が生じる可能性があります。これらが生産や販売の制約となり、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 為替相場の変動によるリスク
当社グループは、売上げに占める海外売上高比率が83.1%と高く、海外市場への依存が大きくなっております。このため、当社グループでは売上規模と販売地域に応じた適切な為替ヘッジを行っておりますが、外国為替相場が急激または大幅に変動した場合は、当社グループの外貨建てで取引されている製品・サービスの売上高と収益並びに海外連結子会社の損益及び資産・負債の日本円換算額に影響を与えます。
⑧ M&A、業務提携、戦略的投資に関するリスク
当社は他社と業務提携、合弁事業、戦略的投資といった形態で関係を構築して事業を行っています。また、他社を買収することもあります。
これらは事業ポートフォリオの最適化、事業基盤の拡大や技術開発のために重要であり、当社はそれらの会社と目標を共有し、その達成に向けて協力するよう努めております。
しかしながら、そうした協力体制が構築できない場合、また、構築したとしても事業環境や競合他社の動向等により所期の成果が十分もたらされない可能性があります。また、協力体制の構築や業務統合に計画以上の時間を要することもあります。その場合、収益と財政状況に悪影響を及ぼしたり、投資価値が毀損されたりする可能性があります。
また、適切な買収や出資の対象会社を見つけたとしても、契約締結に至らない場合も収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 資金調達リスク
当社グループは、資金需要に応じ、長短バランスや直接間接金融のバランスを考慮して資金調達を実施しておりますが、金融市場環境が悪化した場合は、資金調達の際に金利上昇や資金調達手段が限定される等の影響を受ける可能性があります。また、業績の悪化により当社社債等の格付けが下方修正された場合にも、同様に当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 知的財産権の保護及び訴訟に関するリスク
当社グループは、製品開発に伴って多くの知的財産権を取得し、これを保有しております。場合によっては、その知的財産権を他社にライセンス供与しております。これら知的財産権の維持・保護については最善の努力をしておりますが、当社グループの知的財産権を他社が無断使用すること等に起因して提訴に至った場合、大きな訴訟費用が発生する可能性があります。
また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な配慮のもとに製品開発を行っておりますが、他社、個人等より、その知的財産権を侵害したとして提訴される可能性もあります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの収益と財政状況に多大な影響を及ぼす可能性があります。
⑪ キーパーソンの確保と人材・ノウハウの流出
当社グループは、高度な技術等専門知識及び能力を有する社員によって支えられており、市場での激しい競争に打ち克つにはこうした人材の確保がますます重要になっております。しかしながら、何らかの要因によりさらなる雇用流動化が生じた場合は、これらの主要な人材が退職し、その知識・ノウハウが社外に流出する可能性があります。こうした知識・ノウハウの流出の影響を最小限にするべく、社内における固有技術・技能の伝承と標準化・共有化を推進しております。また、海外においても、優秀な現地人材の確保が重要でありますが、特に労働流動性が高い地域における人材流出の危険性は高いと考えられます。
当社グループの事業においては技術革新の速度が早く、人材育成のためには長期にわたる教育と訓練が必須であり、主要な人材流出の補充が困難な場合も考えられ、結果として当社グループの将来の成長、収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 情報の流出
当社グループは、技術情報等の重要な情報や取引先の企業情報並びに多くの顧客またはその他関係者の個人情報
を保有しております。これらの情報への外部からのアクセス制御の徹底や保管セキュリティレベルの向上を図るとともに、情報取り扱いに関する社内規程の整備、従業員教育等を実施しております。しかしながら、万一、技術情報をはじめとした会社の機密情報が流出した場合、当社グループの企業価値を毀損する可能性があり、また企業情報及び個人情報が流出した場合には、当社グループの信頼を毀損するだけでなく、流出の影響を受けた取引先、顧客、従業員またはその他関係者から損害賠償を請求される可能性があります。そのような場合、信用回復のための諸活動をはじめ、対象企業や個人への補償、再発防止措置の実施等が必要になり、そのために多大なコストを要し、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 製品及びサービスにおける欠陥の発生
当社グループの製品及びサービスについては、国内外のグループ会社及び生産委託先にて高度の品質保証体制を確立し、顧客に対して高精度の機能を高い信頼性をもって提供しております。しかしながら、万一、製品又はサービスに欠陥が発生したことにより顧客に損失をもたらした場合は、修理費用、賠償責任、リコール、製品等の廃棄等による多額のコスト発生や、ブランドに対する信頼感の低下により当社グループ製品及びサービスに対する顧客の購買意欲の低減を招くおそれがあり、収益と財政状況に悪影響を与える可能性があります。
⑭ 自然災害等の発生
大地震・火災・異常気象などによる洪水や渇水等の自然災害や新型インフルエンザ等感染症の拡大への対策には充分に注意を払い、BCP(事業継続計画)を策定しておりますが、当社グループの開発・製造拠点並びに調達先等に壊滅的な損害が生じた場合、操業が中断し、生産や出荷に遅延が生じるおそれがあります。これにより、売上げが減少し、事業の復旧に多大な費用が生じた場合、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ ブランド価値の毀損
「ニコンブランド」は、長年に亘る誠実な企業経営とお客様の信頼に応えた製品・サービスの提供により培ってきたものであり、その価値の保護、増大に十分努めております。しかしながら、当社グループの技術や製品・サービスに関する否定的な評判・評価が世間に流布されることによって信用が低下し、ニコンブランドの価値が毀損された場合、収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 環境規制
当社グループは、エネルギー、温室効果ガス、大気、水、有害化学物質、廃棄物などさまざまな環境に関する法令及び規制等の適用を受けています。法規制遵守のために必要な処置を講じていますが、将来は、これらがさらに強化される可能性や、または、過去の環境責任が発生する可能性があります。そのための対応費用が多額となった場合には、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループでは、各事業部門の開発担当部門がコアテクノロジー本部と連携しながら研究開発を推進しております。
「光利用技術」と「精密技術」の2つの中核技術を基軸に、デジタル技術や制御技術、情報通信技術など、多彩な技術をクロスオーバーすることで、要素技術開発から商品開発、生産技術開発に至るまで上記体制の下に積極的な研究開発活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発投資は636億36百万円でありました。なお、当社グループは開発投資の一部について資産化を行っており、研究開発投資には無形資産に計上された開発費を含んでおります。
当連結会計年度における主な開発状況は次のとおりであります。
① 精機事業
半導体露光装置事業においては、NSR-S630Eに対してNSR-S631Eへのフィールドアップグレードを可能とするソフトウエア、及びハードウエアの開発を実施、販売を開始しました。
NSR-S631Eは、新型投影レンズ、アライメントシステムのマーク検出・計測能力の強化により、装置間重ね合わせ精度(MMO:Mix and Match Overlay) 2.3ナノメートル以下、スループット毎時270枚以上(96shots)の生産性を実現します。
FPD装置事業は液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイの生産にて、お客様の将来のニーズに応える露光装置を早期に市場に投入するため、さらなる高精細化や高生産性、基板サイズの大型化などの技術開発を進めました。
なお、当事業に係る研究開発投資の金額は162億17百万円であります。
② 映像事業
レンズ交換式デジタルカメラでは、D5同等の性能と進化した機動力を融合したDX最強モデルであるDXフォーマットデジタル一眼レフカメラ「ニコンD500」を開発しました。新世代の153点AFシステムと、約10コマ/秒(AF・AE追従)で、最大200コマまで撮影可能な高速連続撮影性能によって、さまざまな状況で被写体をより確実に捉えることができます。また、新設計のニコンDXフォーマットCMOSセンサーと新画像処理エンジン「EXPEED 5」により、最高常用感度ISO 51200を実現。静止画撮影時はもちろん、新たに対応した4K UHD(3840×2160)動画撮影時にも優れた高感度性能を発揮します。さらに、タッチパネル採用の高精細画像モニター、有線LAN・無線LAN通信により、ワークフローの高速化を可能にしています。このほか、180KピクセルRGBセンサーを新採用したアドバンストシーン認識システムがAF、AE、AWBの高性能化に寄与。低消費電力化、高精度・高耐久性シャッターなどとともに、制御精度と耐久性の両面から信頼性を高めています。
交換レンズでは、ニコンFXフォーマットデジタル一眼レフカメラ対応の大口径望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」を開発しました。軽量化に貢献する蛍石レンズと高屈折率レンズの採用に加え、レンズ鏡筒にはマグネシウム合金製部品を採用し、堅牢性と軽量化を両立しました。また、解像性能に定評のある従来製品よりも、ズーム全域で、画像周辺部まで安定した高い解像性能を発揮。各収差を効果的に補正する蛍石レンズ、高屈折率レンズ、6枚のEDレンズや、ゴーストやフレアを低減する「ナノクリスタルコート」の採用とあいまって、卓越した描写性能が得られます。
なお、当事業に係る研究開発投資は249億21百万円であります。
③ インストルメンツ事業
マイクロスコープ・ソリューション事業においては、発売以来、生物学・医学分野の大学・研究機関等の幅広い分野で高い評価を得ている研究用倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti」の後継機種として、「ECLIPSE Ti2」を開発・発売しました。最新の大型CMOSイメージセンサーの能力を最大限に利用した大量データの高速取得ニーズに応えるために、再設計した内部観察光路により、ボディサイズはそのままにクラス最大の広視野を達成しました。また、内蔵センサーにより顕微鏡の状態を自動的に判断し、正しい操作手順をナビゲーションするアシストガイド機能を新たに搭載(Ti2-E/A)。様々な熟練度の研究者をヒューマンエラーから解放し、研究の効率を向上させます。さらにライブセルイメージングの統合プラットフォームソフトウエアNIS-Elementsの優れた操作性・柔軟性により、ECLIPSE Ti2は最先端の生命科学研究を強力にサポートします。
産業機器事業においては、優れた性能を持つ製品をお客様により有効的に利用して頂くため、ソリューションの提供・開発を行っています。以前より取り組んでいる、高精度非接触計測システム「HN-C3030」向け歯車評価用アプリケーションソフトは測定対象の歯車種類を拡充いたしました。自動車車体向けの「Laser Radar」向けアプリケーションソフトは、引き続き開発を進めております。また、「非破壊X線/CT検査システム」向けのアプリケーションソフトとして、鋳造工程向けのアプリケーションソフトを開発いたしました。このソフトは、鋳造部品内部に存在する「す(空洞)」の検査における効率化を実現し、設計工程を含む鋳造工程全体の最適化などにも活用できます。これ以外にも、お客様のご要望に応じてシステムを柔軟にカスタマイズすることで、お客様にとって、より一層価値のあるソリューションの提供・開発をしております。
なお、当事業に係る研究開発投資の金額は62億29百万円であります。
④ メディカル事業
メディカル事業においては、傘下にある英国Optos Plcと共に、ニコンの光学技術/特性を活かした超広角(Ultra-Widefield)、光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography)の製品開発を加速しております。
また米国Verily Life Sciences社との網膜画像診断領域における戦略的提携に伴い、糖尿病関連の次世代診断ソリューションの共同開発に向けた積極的な活動を推進しております。
なお、当事業に係る研究開発投資の金額は37億93百万円であります。
⑤ その他の事業
その他の事業に係る研究開発投資の金額は124億85百万円であります。
(注) 事業別に記載している研究開発投資の金額には、内部消去額を含んでおります。
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一による経営基盤の強化を目指し、2017年3月期有価証券報告書における連結財務諸表からIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、6,590億13百万円(前連結会計年度は6,402億91百万円)となり、187億22百万円増加しました。これは、主に現金及び現金同等物が678億36百万円増加した一方、棚卸資産が、構造改革に伴う評価減及び廃棄等の影響もあり433億21百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、3,593億38百万円(前連結会計年度は3,422億74百万円)となり、170億64百万円増加しました。これは、主にその他の金融資産が株式の時価上昇等により142億20百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、3,419億18百万円(前連結会計年度は3,377億32百万円)となり、41億85百万円増加しました。これは主に前受金が68億47百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、1,382億83百万円(前連結会計年度は1,077億54百万円)となり、305億29百万円増加しました。これは、主に長期借入金が403億73百万円増加した一方で、社債99億68百万円を非流動負債より流動負債へ振り替えたことによるものです。
当連結会計年度末における資本の残高は、5,381億50百万円(前連結会計年度は5,370億78百万円)となり、10億72百万円増加しました。これは、主に親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により利益剰余金が8億59百万円増加したことによるものです。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。
当連結会計年度における売上収益は7,492億73百万円(前連結会計年度は8,410億40百万円)となり、917億66百万円減少しました。これは、主に映像事業において、市場が引き続き低迷するなか、昨年の熊本地震の影響も受け、レンズ交換式デジタルカメラ及びコンパクトデジタルカメラの販売台数が大幅に減少したことによるものです。
売上原価は4,431億53百万円(前連結会計年度は5,222億32百万円)、販売費及び一般管理費は2,475億48百万円(前連結会計年度は2,769億88百万円)となり、それぞれ790億79百万円と294億40百万円減少しました。これは、主に売上収益の減少及び経費削減によるものです。
その他営業収益は固定資産売却益が減少したことや前連結会計年度に関税還付金があったことから50億79百万円減少の36億6百万円となった一方、その他営業費用は主に構造改革関連費用などの計上により461億66百万円増加の614億4百万円となりました。
これらの結果、営業利益は344億93百万円減少し7億74百万円(前連結会計年度は352億66百万円)となりました。
税引前利益は営業利益344億93百万円減少とデリバティブ評価益の減少などにより金融収益が減少したことから364億79百万円減少の30億68百万円(前連結会計年度は395億46百万円)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は法人所得税費用マイナス9億90百万円の計上により39億67百万円(前連結会計年度は299億47百万円)となりました。
なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」の項目を、また今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目を、それぞれご参照ください。
以上の記載事項のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年6月29日)現在において判断したものであります。また、分析に記載した実績値は1百万円未満を四捨五入して記載しております。
(注) セグメント別の営業利益は、当グループ内取引において生じた損失額(総額5億39百万円)を含んでおり、また各セグメントに配賦されない全社損失323億75百万円は含んでおりません。