当連結会計年度におけるわが国の経済は、消費税率引上げの影響を受けつつも、企業収益の改善を中心に緩やかな景気回復を示しました。また、世界経済につきましても、ヨーロッパ、中国やその他新興国等の成長に弱さがみられるものの、米国が主導するかたちで景気の緩やかな回復がうかがえました。
このような中、当社グループは、新たなステージでの競争力強化と事業基盤整備を進め、持続的成長と発展を目指す中期経営ビジョン「際立とう2020」を策定し、自動車部門“スバル”をコアとする成長戦略の実現を目指して取り組んでおります。
当連結会計年度は、当社の重点市場であります米国が前期に引き続き世界販売を牽引し、スバルの売上台数は過去最高を記録いたしました。また、「フォレスター」が好調を維持するとともに、「レガシィ」及び「アウトバック」、「レヴォーグ」、「WRX」といった新型車の発売や、予防安全・運転負荷軽減機能を更に進化させた「アイサイト(ver.3)」搭載車を導入し、お客様に大変ご好評をいただくなど、着実に取り組みの成果を出すことができました。更に、お客様にお待ちいただいている状況を解消するために、国内及び海外の完成車工場の能力増強に取り組んでまいりました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の連結決算は次のとおりとなりました。
売上高は、自動車売上台数の増加や為替変動に伴う売上高の増加などにより、2兆8,779億円と前期に比べ4,698億円(19.5%)の増収となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に伴い、営業利益が4,230億円と前期に比べ966億円(29.6%)の増益となり、経常利益につきましても、3,936億円と前期に比べ792億円(25.2%)の増益となりました。また、当期純利益につきましては、2,619億円と前期に比べ553億円(26.7%)の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度の国内の自動車全体需要は、昨年度末における消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響等により、登録車で前期比8.9%の減少、軽自動車で前期比3.9%の減少といずれも前期を下回りました。これらの結果、国内自動車全体では529.7万台(前期比6.9%の減少)となりました。
このような全需動向の中、国内の登録車につきましては、今期に発売した「レヴォーグ」を中心に新型車の販売が好調に推移したことにより、売上台数は12.8万台と前期に比べ0.2万台(1.4%)の増加となりました。
一方、軽自動車につきましては、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響、同業各社の新型車投入などにより競争が激化したことなどの影響を受けたことにより、売上台数は3.5万台と前期に比べ2.1万台(37.1%)の減少となりました。
これらの結果、国内における売上台数の合計は16.3万台と前期に比べ1.9万台(10.4%)の減少となりました。
海外につきましては、当社の重点市場である北米において、「フォレスター」ならびに新型「レガシィ」及び「アウトバック」の販売が好調に推移していることに加え、新型「WRX」が台数の上積みに寄与したことにより、売上台数の合計は74.8万台と前期に比べ10.4万台(16.2%)の増加となりました。
地域別には、北米で57万台と前期に比べ9.2万台(19.3%)の増加、ロシアを含む欧州で前期並みの4.7万台、中国で5.4万台と0.9万台(20.1%)の増加、豪州で3.9万台と0.1万台(1.6%)の減少、その他地域で3.8万台と0.4万台(10.4%)の増加となりました。
以上の結果、国内と海外を合わせた売上台数は過去最高となる91.1万台と、前期に比べ8.6万台(10.4%)の増加となり、為替変動の影響も加わり、自動車事業全体の売上高は2兆6,990億円と前期に比べ4,524億円(20.1%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、4,009億円と前期に比べ919億円(29.7%)の増益となりました。
防衛省向け製品では、輸送機「C-2」の売上増加により、売上高は前期を上回りました。
また、民間向け製品では、為替変動に伴う売上高の増加、及び「ボーイング787」の生産機数増加などにより、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、全体の売上高は1,428億円と前期に比べ184億円(14.8%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、189億円と前期に比べ48億円(33.7%)の増益となりました。
北米向けレジャー用エンジンの売上が前期を上回り、かつ、北米ホームセンター向け高圧洗浄機用エンジン販売が大きく伸長したものの、国内向け汎用エンジン等の売上が減少したことなどにより、売上高は290億円と前期に比べ7億円(2.5%)の減収となりました。セグメント利益につきましては、8億円と前期に比べ1億円(23.3%)の増益となりました。
売上高は71億円と前期に比べ2億円(2.5%)の減収となりました。セグメント利益につきましても、19億円と前期に比べ2億円(10.2%)の減益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,121億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は3,115億円(前期は3,130億円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上3,922億円、法人税等の支払1,931億円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,728億円(前期は339億円の減少)となりました。主な要因は、有価証券の取得による支出(売却による収入との純額)255億円、固定資産の取得による支出(売却による収入との純額)1,136億円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,105億円(前期は630億円の減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出(借入れによる収入との純額)367億円、配当金の支払499億円などであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 前年同期比(%) | |
自動車 |
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小型・普通自動車 | (台) | 914,350 | +12.4 |
航空宇宙 | (百万円) | 118,131 | +45.5 |
産業機器 | (百万円) | 32,880 | +12.2 |
その他 | (百万円) | 241 | △0.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、自動車事業及び産業機器事業については見込生産を行っております。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
航空宇宙 | 172,344 | +43.4 | 228,305 | +15.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 前年同期比(%) | |
自動車 | (百万円) | 2,698,974 | +20.1 |
航空宇宙 | (百万円) | 142,801 | +14.8 |
産業機器 | (百万円) | 29,029 | △2.5 |
その他 | (百万円) | 7,109 | △2.5 |
合計 | (百万円) | 2,877,913 | +19.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、新たなステージでの競争力強化と事業基盤整備を進め、持続的成長と発展を目指す中期経営ビジョン「際立とう2020」を昨年5月に発表いたしました。
「際立とう2020」では、2020年の当社のありたい姿を「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、“お客様の信頼No.1”という評価をいただくことができるような高いブランド力と業界高位の利益率を実現する会社を目指しております。そして、その実現のため、個性的なスバルならではの特徴を活かし、付加価値経営の更なる推進を目指す「スバルブランドを磨く」、経営環境変化への耐性を高め持続的な成長を確実なものとする「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中し、具体的に取り組みを進めております。
引き続き、全ての事業におきまして、行動指針であります「Confidence in Motion~信頼と革新~」のもと、全力で以下の課題に取り組んでまいります。
(生産能力の増強)
北米を中心とした好調な販売を支える生産体制を構築するため、平成26年度は米国生産拠点であるスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)で3万台、国内生産拠点の群馬製作所で2.9万台、合計で5.9万台の能力増強投資を実施し、生産能力は国内と海外の合計で82.9万台となりました。更に平成28年度にSIAで19.4万台の能力増強を追加すること等により、102.6万台のグローバル生産能力を計画いたしております。また、SIAでは、能力増強に合わせて、従来の「レガシィ」及び「アウトバック」の増産に加え、今後新たに「インプレッサ」、更に「北米New SUV」の生産を順次開始することを目指しております。これらの対応により、世界でスバル車をお待ちいただいているお客様に商品をお届けできるよう、鋭意努力してまいります。
(販売拡大への対応)
スバルの重点市場である米国での好調な販売を維持するとともに、販売の状況に地域差がある日本をはじめ、中国、ロシア、欧州等の各市場においても更なる拡販に取り組み、スバルファンの拡大に努めてまいります。また、新たにスバルをご購入いただいた沢山のお客様に、今後も安心してお乗りいただき再びスバルを選んでいただけるよう、米国・日本を中心にサービス体制の強化を進めており、引き続きお客様対応の充実を進めてまいります。
以上の取り組みにより、平成27年度の全世界販売台数は92.8万台を計画しております。
(スバルらしさを追求した商品の拡充)
商品につきましては、平成28年度に新設計プラットフォーム「Subaru Global Platform」を使用した新型車の投入を計画しており、スバル車のアイデンティティである「安心と愉しさ」を更に追求いたします。安全面では、「総合安全No.1ブランド」を目指していくなかで、米国や日本、欧州の第三者機関から獲得しておりますトップクラスの安全性評価を堅持してまいります。なかでも運転支援システム「アイサイト」につきましては、将来の高速道路での自動運転も視野に入れながら更に開発を進めてまいります。
また、環境への対応では、米国のZEV規制をはじめ、世界各国の環境規制に対応していくために、内燃機関による環境対応を進めるとともに、トヨタグループとのアライアンスも活かしながら、プラグインハイブリッド(PHV)の開発を進めてまいります。更に、より厳しくなる環境規制への対応として電動化の研究も進め、トップレベルの環境性能を目指してまいります。以上の取り組みにより、今後も安全・環境を追求したスバルならではの商品の拡充に努めてまいります。
(人材育成、組織・風土改革)
当社は、持続的な成長を支える上で、人材育成や組織・風土改革を重要な取り組みのひとつと位置づけております。人材育成の重点取り組みとして、未来を切り拓けるリーダー層、困難を突破できる若手や中堅層の育成、多様な人材の活躍できる体制の構築を掲げ、取り組みを通じてチャレンジ・個性・創造力を大切にする風土を醸成してまいります。また、女性の活躍推進を重要課題として捉えており、キャリア形成支援や家庭と仕事の両立支援を通じて、女性が更に活躍しやすい会社を目指してまいります。
(CSR活動)
当社は「存在感と魅力ある企業」を目指すという経営理念のもと、経営戦略に基づいたCSR活動を実践し、株主の皆様やお客様をはじめとしたステークホルダーの皆様に、「安心と愉しさ」という価値を提供することを目指しております。また、ステークホルダーの皆様からの声を経営戦略に反映することで、持続可能な社会の実現を目指しております。なお、当社のコーポレートガバナンス体制の強化を目指し、経営の透明性を一層高めるため、第84期定時株主総会におきまして、社外取締役および社外監査役を増員する内容で、取締役ならびに監査役選任議案を上程し、原案どおり承認可決されております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。
(1)経済の動向
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替の変動
当社グループにおいて、海外売上高の割合は77.3%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。
こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。
(3)特定事業への依存
当社グループは、自動車事業の他に産業機器事業・航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(4)市場評価の変動
市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定の原材料及び部品の購入
当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産の保護
当社グループでは、他社製品と差別化できる技術やノウハウ等の保護のために、特許、意匠、商標等の知的財産権のポートフォリオを構築しています。しかし、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や知的財産権による保護が限定的である場合、販売減少や法的手続きの発生等、当社グループの事業性に影響を受ける可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコールが発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生し、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、製造物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険によりカバーできないリスクもあります。
(8)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境等に関する法的規制
国内外ともに排出ガス規制、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
平成18年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携
平成20年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意
当社グループは、「存在感と魅力ある企業」を長期ビジョンに掲げながら、将来の発展に向けた基盤強化に重点を置き、「Confidence in Motion」をキーワードとして研究開発活動を進めています。当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発費総額は83,535百万円であります。セグメン卜ごとの研究開発活動状況および研究開発費は次のとおりであります。
(1)自動車事業
自動車の研究開発では、「際立とう2020」の「スバルブランドを磨く6つの取り組み」 で掲げた総合性能、安全、デザイン、環境対応、品質向上に取り組み、安心と愉しさでお客様の期待を超える商品の開発を推進しております。加えて 「強い事業構造を創る8つの取り組み」 での、アライアンス商品開発、コスト低減、人材育成、組織・風土改革などを通じ、開発力の基盤強化を図っております。
スバルを更に安心で愉しい車にするために、衝突安全、運動性能、質感を高め、高次元で融合させたスバルグローバルプラットフォームは商品化に向けた最終開発段階に入っており、平成28年以降、随時スバルの商品をこのプラットフォームで作っていきます。また環境性能を更に高めた次世代パワーユニット、「アイサイト」を正常進化させた自動運転、次期電動化商品等、多岐に渡り研究開発を推進しております。
市場導入した商品は、世界各国の第三者評価でトップクラスの評価を獲得し、商品力の高さを実証しています。米国コンシューマレポート誌の評価では、「レガシィ」、「フォレスター」、「インプレッサ」がTop Picksに選定されました。強みのオールアラウンドセーフティーでは、米国IIHSの安全性評価において、極めて厳しいスモールオーバーラップ衝突試験での好成績に加え、自動ブレーキ試験でも「アイサイト」搭載車がトップクラスの性能を実証しました。「レガシィ」はじめ5車種が最高評価TSP+を獲得しております。日本では、国土交通省とNASVAが実施する予防安全性能評価において、「レガシィ」、「レヴォーグ」、「インプレッサ」等7車種が最高評価ASV+に選定されました。「アイサイト」は、豪州、米国に続き、欧州でも「新型アウトバック」に搭載し、先進安全技術のグローバル展開を図っています。
平成26年6月に、「アイサイト(ver.3)」と新開発「1.6ℓインテリジェント“DIT”」を搭載した新型ワゴン「レヴォーグ」を発売しました。「レヴォーグ」は走りを愉しむスポーツ性能と、ストレスなく長距離ドライブできるツーリング性能を組み合わせた「革新スポーツツアラー」であります。「1.6ℓインテリジェント“DIT”」は新開発の水平対向直噴ターボエンジンで17.4km/ℓ(JC08モード)の低燃費とターボならではの気持ち良い走りを両立しています。「アイサイト(ver.3)」は、ステレオカメラのカラー化や視認範囲の拡大により、物体判別の精度向上、ブレーキランプや赤信号の認識、車線中央の走行を維持するアクティブレーンキープなどの機能を追加しました。
平成26年8月には、新型セダン「WRX S4」を発売しました。「Pure Power in Your Control」 のコンセプトのもと、「絶対的な速さ」と「クルマを操ることの愉しさ」を高次元で両立しました。強烈なパワーと優れた環境性能を併せ持つ2.0ℓ水平対向直噴ターボ“DIT”エンジン、8速マニュアルシフトモード付スポーツリニアトロニック、WRXシリーズ初の「アイサイト」の採用など、多くの新技術を投入しております。2.0ℓ水平対向ハイパワーターボエンジン、マルチモードDCCDシステム等を搭載したトップモデル「WRX STI」も同時に発売しました。
平成26年は「レガシィ」、「アウトバック」をフルモデルチェンジし、7月から北米を皮切りに発売を開始しました。「レガシィ」は第6世代、「アウトバック」は第5世代となります。歴代モデルは 「乗る人の人生を豊かにするパートナーになること」 を目指し、お客様の信頼を獲得してきました。新型モデルでは、今まで築き上げてきた信頼関係をより一層強固なものとするため、クルマの本質を追求しました。走行性能や環境性能、衝突安全性、「アイサイト(ver.3)」、後側方視界支援などの機能価値にとどまらず、デザインやワンランク上の走行質感、軽快感あふれるパワーユニット、内装の触感といった情緒価値にも磨きをかけました。また、直感的操作で各種メディアとのコネクティビティを愉しめるインフォテイメントなど、スバルのフラッグシップに相応しい「安心と愉しさ」を具現化した商品としました。
軽自動車は、平成26年9月に「サンバー トラック」をフルモデルチェンジしました。新開発ボディにより衝突安全性能の向上と、居住性、乗り降り性など利便性の両立を図りました。
平成26年12月には、「ステラ」をフルモデルチェンジし、軽量高剛性ボディの採用、サスペンションの見直しなどにより、操縦安定性、静粛性などを向上させ、より快適な乗り心地を実現しました。環境面では、2WD・NA車で31km/ℓの低燃費を実現しました。軽自動車は、ダイハツ工業より、アライアンスの成果としてOEM供給を受ける商品であります。
当事業に関わる研究開発費は82,402百万円であります。
(2)航空宇宙事業
航空宇宙カンパニーは持続的成長に向け、新規事業開拓のために、以下の研究開発を行っております。無人機分野では、防衛や防災等に活躍できる無人機の高機能・高信頼化の研究開発を推進し、固定翼機分野では構造の軽量化及び高機能化に加えて、一体構造による低コスト化の研究開発を行っております。また炭素繊維強化複合材料や先進金属材料の高効率加工技術、組立自動化など生産技術分野において、コスト競争力を高める研究開発を行っております。
当事業に関わる研究開発費は901百万円であります。
(3)産業機器事業
産業機器事業部は、「搭載サポート技術で日本のモノづくりを極める」をキーワードとして商品構成の拡充と商品力向上に取り組んでおります。
平成26年度は、汎用ガソリンエンジンでは、除雪機用SXシリーズエンジンの最上位機種(400ccクラス)の生産、販売を12月より開始しました。
車載用エンジンでは、レジャービークル用新エンジンの開発を行い生産、販売を1月より開始しました。
また、完成機器では、コンシューマー向けAVR式発電機として、RGH35およびRGH75の生産、販売を開始しました。
当事業に関わる研究開発費は232百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 製品保証引当金
販売した製品のアフターサービスに備えるため、原則として保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
③ 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で設定される前提条件に基づいて行なわれております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、年金資産の期待収益率、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で充分に合理的と考えられる方法で計算されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券
価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しておりますが、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失が発生するなどにより簿価の回収が困難となる状況となった場合、減損の追加処理が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、現時点において将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しておりますが、将来、繰延税金資産の全部又は一部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が発生する可能性があります。
(2) 資産・負債の状況の分析
総資産につきましては、2兆1,997億円と前連結会計年度末に比べ3,114億円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金と有価証券を合わせた手許資金の増加887億円、商品及び製品の増加438億円、有形固定資産の増加539億円などであります。
負債につきましては、1兆1,690億円と前連結会計年度末に比べ507億円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務の増加447億円、未払費用の増加341億円、長期借入金の減少384億円などであります。
純資産につきましては、1兆307億円と前連結会計年度末に比べ2,606億円の増加となりました。主な要因は、当期純利益を計上したことなどによる利益剰余金の増加2,135億円などであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係わる分析
当社は、現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされ
る資金水準を満たす流動性を保持していると考えています。
有利子負債は、2,112億円と前連結会計年度に比べて585億円の減少となりました。デット・エクイティ・レシ
オは20.7%になり、安全性を維持しています。
今後の設備投資や研究開発の支出計画によっては、資金の調達、また、現預金残高の取り崩しをする可能性があります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は2兆8,779億円と、前連結会計年度に比べ、4,698億円(19.5%)の増収となりました。国内売上高は、売上台数の減少などにより、6,529億円と192億円(2.9%)の減収となりました。海外売上高につきましては、売上台数の増加などにより、2兆2,250億円と4,890億円(28.2%)の増収となりました。
営業利益は、4,230億円と、前連結会計年度に比べ、966億円(29.6%)の増益となりました。主な増益要因は、売上台数の増加や為替レート差であります。
経常利益は、3,936億円と前連結会計年度に比べ、792億円(25.2%)の増益となりました。
当期純利益は、2,619億円と前連結会計年度に比べ、553億円(26.7%)の増益となりました。
(5) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。