当連結会計年度におけるわが国の経済は、堅調な設備投資、為替の円高是正に伴う輸出環境の改善、消費税率引
上げに伴う駆け込み需要による個人消費や生産の増加などを背景に、緩やかな景気回復を示しました。また、世界
経済は、新興国の成長の勢いが後退したものの、先進国が主導するかたちで景気の堅調な回復がうかがえました。
このような中、当社グループは、平成23年度から平成27年度までの5年間を対象とする中期経営計画“Motion-
Ⅴ(モーションファイブ)”を策定し、コア事業である自動車部門“スバル”の成長戦略の実現を目指して取り組
んでおります。
当連結会計年度は、当社の重点市場であります米国での商品、マーケティング及び販売店の質の向上への取り組
みが功を奏して世界販売を牽引し、また、米国や国内を中心に「フォレスター」をはじめとするスバルの販売を伸
ばすことができました。更に、当社初となる水平対向エンジンのハイブリッド車「SUBARU XV HYBRID」を発売し、
スバルの強みであります安全性能や走行性能を損なうことのない「Fun to Driveを実感できるハイブリッド」とし
て、お客様に大変ご好評をいただくなど、着実に取り組みの成果を出すことができました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の連結決算は次のとおりとなりました。
売上高は、為替の円高是正に加え、自動車売上台数の増加などにより、2兆4,081億円と前期に比べ4,952億円
(25.9%)の増収となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に伴い、営業利益が3,265億円と前期に比べ2,061億円(171.1%)の増益
となり、経常利益につきましても、3,144億円と前期に比べ2,138億円(212.5%)の増益となりました。また、当期
純利益につきましては、ポラリス インダストリーズ インクの株式売却に伴う特別利益471億円を計上したものの、
当社が東京地方裁判所に対し、国を被告として提起しておりました防衛省向け戦闘ヘリコプターAH-64Dに関する初
度費請求訴訟が棄却されたため、本判決どおりに確定した場合に備え、貸倒引当金として296億円の特別損失を計上
したことなどにより、2,066億円と前期に比べ870億円(72.8%)の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度の国内の自動車全体需要は、上期において前年のエコカー補助金制度による効果の反動を受け
たものの、各社の新型車導入効果や年度末における消費税率引上げに伴う駆け込み需要により、登録車で前期比
5.9%の増加、軽自動車で前期比14.7%の増加といずれも前期を上回りました。これらの結果、国内自動車全体
では569万台(前期比9.2%の増加)となりました。
このような全需動向の中、スバルの国内の登録車につきましては、先進運転支援システム「アイサイト
(ver.2)」搭載車を中心に、「インプレッサ」の販売が前期に引き続き堅調に推移したことに加え、一昨年に
投入した「フォレスター」が年度を通して台数の上積みに寄与したことにより、売上台数は126千台と前期に比
べ13千台(11.9%)の増加となりました。
また、軽自動車につきましても、乗用系車種の「ステラ」が堅調に推移し、一昨年に投入した「プレオ+(プ
ラス)」が年度を通して台数の上積みに寄与したことにより、売上台数は55千台と前期に比べ5千台(10.1%)
の増加となりました。
これらの結果、国内における売上台数の合計は182千台と前期に比べ19千台(11.3%)の増加となりました。
海外につきましては、北米を中心に新型「フォレスター」及び「SUBARU XV」が年度を通して好調を維持しま
した。
その結果、海外における売上台数の合計は643千台と前期に比べ82千台(14.6%)の増加となりました。
地域別には、北米で478千台と前期に比べ88千台(22.4%)の増加、ロシアを含む欧州で47千台と14千台(23.0%)
の減少、中国で45千台と5千台(10.7%)の減少、豪州で40千台と1千台(3.7%)の増加、その他地域で34千台と13
千台(57.9%)の増加となりました。
以上の結果、国内と海外を合わせた売上台数は過去最高となる825千台と、前期に比べ101千台(13.9%)の増
加となり、為替の円高が是正されたことも加わり、自動車事業全体の売上高は2兆2,466億円と前期に比べ4,677
億円(26.3%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、3,090億円と前期に比べ1,980億円
(178.4%)の増益となりました。
防衛省向け製品では、輸送機「C-2」、及び戦闘ヘリコプター「AH-64D」の売上増加により、売上高は前期を
上回りました。
また、民間向け製品では、為替レートが前年度に比べ円高が是正されたこと、及び「ボーイング777」、「ボ
ーイング787」などの生産機数増加により、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、全体の売上高は1,244億円と前期に比べ353億円(39.6%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、141億円と前期に比べ73億円(107.5%)の増益となりました。
国内向けポンプや土木建設用の汎用エンジン、北米及びアジア向け汎用エンジンの販売が伸長したものの、北
米向けレジャー用エンジンの販売が減少したことなどにより、売上高は298億円と前期に比べ4億円(1.2%)の
減収となりました。セグメント利益につきましても、6億円と前期に比べ0.1億円(1.3%)の減益となりまし
た。
その他事業部門に含めておりました「エコテクノロジー事業」を昨年3月末日をもって終了したことなどによ
り、売上高は73億円と前期に比べ74億円(50.4%)の減収となりました。セグメント利益につきましては、21億
円と前期に比べ5億円(29.7%)の増益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,579億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は3,130億円(前期は1,667億円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前
当期純利益の計上3,289億円、法人税等の支払335億円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は339億円(前期は714億円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取
得による支出(売却による収入との純額)658億円、投資有価証券の売却による収入(取得による支出との純
額)367億円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は630億円(前期は608億円の減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済
による支出(借入れによる収入との純額)369億円、配当金の支払234億円などであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | 前年同期比(%) |
自動車 |
|
|
小型・普通自動車(台) | 813,422 | +6.4 |
航空宇宙(百万円) | 81,170 | +22.8 |
産業機器(百万円) | 29,312 | △2.2 |
その他(百万円) | 243 | △97.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、自動車事業及び産業機器事業については見込生産を行っております。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
航空宇宙 | 120,159 | △1.5 | 197,399 | △1.5 |
その他 | - | △100.0 | - | - |
合計 | 120,159 | △3.2 | 197,399 | △1.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成25年4月1日 至 平成26年3月31日) | 前年同期比(%) |
自動車(百万円) | 2,246,624 | +26.3 |
航空宇宙(百万円) | 124,436 | +39.6 |
産業機器(百万円) | 29,776 | △1.2 |
その他(百万円) | 7,293 | △50.4 |
合計(百万円) | 2,408,129 | +25.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、経営理念である「存在感と魅力ある企業」を目指し、平成23年7月に策定した5ヵ年中期経営計
画「Motion-Ⅴ(モーションファイブ)」の取り組みを通じ、選択と集中による事業基盤の強化と、他社とは差別化さ
れたスバルならではの「安心と愉しさ」を追求した付加価値の高い商品づくりを進めてまいりました。この結果、
「Motion-Ⅴ」で掲げた主要な目標につきましては、平成25年度までにほぼ前倒しで達成することができました。
一方、急激な販売拡大に伴い、供給不足やアフターサービス対応等の新たな課題が顕在化しており、経営基盤をさ
らに磐石にしていかなければならないと認識しております。
引き続き、全ての事業におきまして、行動指針であります「Confidence in Motion~信頼と革新~」のもと、全力
で以下の課題に取り組んでまいります。
(生産能力の増強)
平成26年度は、国内の生産拠点であります群馬製作所で2万台、ならびに米国生産拠点でありますスバル オブ イ
ンディアナ オートモーティブ インク(SIA)で3万台、合計で5万台の能力増強投資を計画しております。また、
SIAにつきましては、平成28年度中に新たな車種の生産を開始することを目指し、既存の生産ラインを活用した更な
る能力増強に着手してまいります。これらの対応により足元の供給課題を解消し、世界でスバル車をお待ちいただい
ているお客様に商品をお届けできるよう、鋭意努力してまいります。
(販売拡大への対応)
これまでの好調な流れを持続できるよう、重点市場であります米国・日本・中国を中心としてスバルファンの拡大
に努めてまいります。商品面につきましては、日本では新車種「レヴォーグ」を投入、さらに米国を皮切りに当社の
旗艦車種であります「レガシィ」及び「アウトバック」のフルモデルチェンジを予定しております。また、新たにス
バルをご購入頂いた沢山のお客様に、今後も安心してお乗り頂き再びスバルを選んでいただけるよう、米国・日本を
中心にサービス体制の強化を含めたお客様対応の充実を進めてまいります。
以上の取り組みを通じ、平成26年度の全世界販売台数は、過去最高を記録した昨年度を超える91.6万台、世界総生
産台数は91万台を計画しております。
(新たなステージに向けて)
当社グループは、「Motion-Ⅴ」について主要な目標を前倒しで達成できたことで一定の区切りがつき、経営環境
も大きく変化していることから、次の時代を切り拓くべく、新たな中期経営ビジョン「際立とう2020」を策定いたし
ました。
2020年の当社のありたい姿を「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、“お客様の信頼No.1”という評価を皆様から頂くことができるような高いブランド力と業界高位の利益率を実現する会社を目指してま
いります。
このありたい姿の実現に向け、将来の環境規制への対応、生産能力の増強、サービス体制の強化を含めたお客様と
の関係強化等に取り組んでまいります。そして、個性的なスバルならではの特徴を活かし、付加価値経営の更なる推
進を目指す「スバルブランドを磨く」、経営環境変化への耐性を高め持続的な成長を確実なものとする「強い事業構
造を創る」という2つの大きな柱を掲げ、具体的な取り組みを進めてまいります。特に環境対応車につきましては、
アライアンスによる世界最高の環境技術を融合した「スバルらしい」ハイブリッド車を開発・市場投入し、お客様の
期待に応えるよう努めてまいります。
(CSR活動)
当社は、CSR活動の目標として「グローバルな事業活動を通じて社会的課題の解決に寄与する商品・サービスを提
供する企業」、そして「さまざまなステークホルダーとの係わり合いを大切にする企業」を目指すことを掲げ、積極
的にCSR活動を推進しております。引き続き、環境性能、安全性能に優れた商品の開発と市場投入、自主的な環境保
全活動の推進、コーポレートガバナンスや社会貢献活動などの取り組みを通じて社会発展に貢献し、全てのステーク
ホルダーの皆様から愛され、共感される会社となることを目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、又、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。
(1)経済の動向
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替の変動
当社グループにおいて、海外売上高の割合は72.1%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。
こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。
(3)特定事業への依存
当社グループは、自動車事業の他に産業機器事業・航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(4)市場評価の変動
市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことです。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定の原材料及び部品の購入
当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産の保護
当社グループでは、他社製品と差別化できる技術やノウハウ等の保護のために、特許、意匠、商標等の知的財産権のポートフォリオを構築しています。しかし、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や地域によって保護が限定的な場合、販売減少や法的手続きの発生により、当社グループの事業に影響を受ける可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコールが発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生し、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。又、製造物賠償責任については保険に加入しておりますが、この保険によりカバーできないリスクもあります。
(8)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境等に関する法的規制
国内外ともに排出ガス規制、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
平成17年10月 米国ゼネラルモーターズコーポレーションと締結した資本・業務提携に関する戦略的提携契約を解消
平成18年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携
平成20年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意
当社グループは、「存在感と魅力ある企業」を長期ビジョンに掲げながら、将来の発展に向けた基盤強化に重点を置き、「Confidence in Motion」をキーワードとして研究開発活動を進めています。当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発費総額は60,092百万円です。セグメン卜ごとの研究開発活動状況および研究開発費は次のとおりです。
(1)自動車事業
自動車の研究開発は、「Confidence in Motion」をキーワードに、「安心と愉しさ」でお客様の期待を超える商品を目指し商品開発を推進しております。強みのオールアラウンドセーフティーでは更に磨きをかけるべく、先進予防安全技術であるアイサイトの搭載商品の拡充とグローバル展開、次世代バージョンへの進化を推進しております。衝突安全技術ではリアルワールドでの安全性確保を基本とし、各国の新たな衝突基準にもいち早く取組み、第三者機関による評価で世界トップクラスの性能を継続して実証しております。
更に次世代商品に向け、最新技術を採用し更なる「安心と愉しさ」の向上と広い汎用性を持つ次世代スバルグローバルプラットフォームの開発、アイサイトを核とした自動運転技術、次世代電動化商品、環境性能と動力性能を高次元で両立させる次世代パワーユニット、クラスを超えた上質な走り味を実現する技術や内外装の質感向上など、多岐に渡り研究開発を加速しております。同時に足元の取り組みとして、原価構造改革によるコスト競争力の強化やお客様視点での品質向上にも継続して取組んでおります。
スバルのオールアラウンドセーフティーへの各国第三者機関の評価をご紹介します。米国IIHS(ハイウェイ安全保険協会)が行う安全性評価では、平成25年から新しく厳しい基準のスモールオーバーラップ衝突が追加となりました。当社はこれにいち早く対応し、フォレスター、インプレッサ、XVで最高評価を獲得しました。加えて、同IIHSで世界初のプリクラッシュブレーキ評価が実施され、アイサイトver.2を搭載したレガシィ、アウトバック、フォレスターが最高得点を獲得し、アイサイトの安全性の高さを実証しました。総合的な商品力の評価は、米国で権威のあるコンシューマレポート誌において、インプレッサがコンパクトカークラスで2年連続1位、フォレスターがスモールSUVクラスで1位を獲得しました。
アイサイトver.2は平成22年5月の国内発売以来、登録台数が15万台を超え、また米国の第三者評価でも好評を頂いております。平成25年10月にはこの性能を更に進化させたアイサイトver.3を発表しました。コア技術であるステレオカメラのカラー化や視認範囲の拡大により、物体判別の精度向上、ブレーキランプや赤信号の認識を実現し、全性能を進化させました。また車線中央の走行を維持し、車線逸脱を防止するアクティブレーンキープを追加しました。平成26年度の新型車「レヴォーグ」から順次投入する計画です。
お客様から関心を頂いている新型ワゴン「レヴォーグ」は、平成26年1月から先行受注を開始しました。レヴォーグは、スバルが追及してきた走りを愉しむスポーツ性能と、ストレスなく長距離をドライブできるツーリング性能を組み合わせたスバルの新たな価値を提供する「革新スポーツツアラー」です。アイサイトver.3を初搭載すると共に、小排気量の水平対向エンジンに直噴ターボを組み合わせた新開発「1.6ℓインテリジェント“DIT”」を搭載しています。17.4km/ℓ(JC08モード)の低燃費とレギュラーガソリン仕様による高い経済性を実現し、免税対象車でありながらターボならではの気持ち良い走りを実現しています。
平成25年6月には当社初のハイブリッド車「XV HYBRID」を発売しました。モーターアシストによる力強い加速と優れた燃費性能の両立に加えて、スバル独自のシンメトリカルAWDレイアウトを生かしたスバルらしい「Fun to Driveを実感できるハイブリッド」と好評を頂いています。
平成26年3月より、スバルのAWDスポーツパフォーマンスを象徴する新型WRXの販売を北米で開始しました。「Pure Power in Your Control」 のコンセプトのもと、スポーツセダンとしての「絶対的な速さ」と「クルマを操ることの愉しさ」を高次元で両立しました。強烈なパワーと優れた環境性能を併せ持つ2.0ℓ水平対向直噴ターボ“DIT”エンジン、高剛性ボディおよびシャシー、6速マニュアルトランスミッションに加え、8速マニュアルシフトモードを持つスポーツリニアトロニックの採用など、多くの新技術を投入し、商品コンセプトを具現化しています。
主力商品の「レガシィ」は、平成26年2月のシカゴオートショーにて第6世代となるフルモデルチェンジを世界初公開しました。質感の高いスポーティな走りと環境性能、アイサイトver.3やスバル初の後側方視界支援機能、衝突安全性能といった「安心と愉しさ」の機能追求に加え、デザインや質感といった情緒価値も磨き上げております。
軽自動車は、平成25年8月に「プレオ プラス」を改良し、衝突回避支援システム「スマートアシスト」を展開す
ると共に、急ブレーキを後続車両に知らせる「エマージェンシーストップシグナル」を採用して安全性をより高め
ました。燃費性能を更に進化させ、33.4km/ℓの低燃費を実現しました。「ステラ」も「エマージェンシーストップシグナル」を採用し、併せてターボ搭載グレードを追加設定して平成25年10月に発売しました。軽自動車は、ダイハツ工業より、アライアンスの成果としてOEM供給を受ける商品です。
当事業に関わる研究開発費は58,659百万円です。
(2)航空宇宙事業
航空宇宙カンパニーが強みとする無人機分野では、防衛や防災等に活躍できる無人偵察機の高機能・高信頼化の研究開発を推進するとともに、航空宇宙研究開発機構(JAXA)が進める「低ソニックブーム設計概念実証(D-SEND)」プロジェクトにおいて、飛行実験用無人機を設計製作、飛行実験のサポートをしました。また、高機能新素材の開発や先進高効率加工・組立技術の開発も推進し、防衛及び民間分野それぞれのニーズに応える技術の研究開発を進めました。
当事業に関わる研究開発費は803百万円です。
(3)産業機器事業
産業機器事業は、「人々の生活基盤を支えるパワーの提供」を使命として、建設機器、農機・ガーデン機器、産業機械、車載用エンジン、および完成機器の5つの事業分野において商品構成の拡充と商品力の向上に取組んでおります。
平成25年度は、農業機器用EKシリーズエンジンの最上位機種として国内3次排出ガス自主規制適合、高出力化を図ったEK30の販売を平成25年12月より開始しました。
車載用エンジンでは、汎用エンジンをベースとし電子制御燃料噴射を搭載した高機能なEX40車載仕様の販売を平成25年11月より開始し商品の拡充を行いました。お客様の視点に立った、高出力で高効率な使い易いエンジン開発を、鋭意推進しております。
完成機器では従来機に対し高出力でありながら、省燃費、低騒音を両立し、更に使い易さを向上させた新型インバータ発電機SGi18の開発に取り組み、平成26年5月より販売開始いたしました。
当事業に関わる研究開発費は630百万円です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下のとおりです。
① 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 製品保証引当金
販売した製品のアフターサービスに備えるため、原則として保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
③ 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で設定される前提条件に基づいて行なわれております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、年金資産の期待収益率、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で充分に合理的と考えられる方法で計算されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券
価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しておりますが、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失が発生するなどにより簿価の回収が困難となる状況となった場合、減損の追加処理が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、現時点において将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しておりますが、将来、繰延税金資産の全部又は一部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が発生する可能性があります。
(2) 資産・負債の状況の分析
総資産につきましては、1兆8,884億円と前連結会計年度末に比べ3,109億円の増加となりました。主な要因
は、現金及び預金と短期資金運用のための有価証券を合わせた手許資金が2,334億円、受取手形及び売掛金が574
億円増加したことなどであります。
負債につきましては、1兆1,183億円と前連結会計年度末に比べ1,377億円の増加となりました。主な要因は、
未払法人税等が1,026億円増加したことや支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が432億円増加
したことなどであります。
純資産につきましては、7,701億円と前連結会計年度末に比べ1,733億円の増加となりました。主な要因は、当
期純利益を計上したことなどにより、利益剰余金が1,826億円増加したことであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係わる分析
当社は、現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされ
る資金水準を満たす流動性を保持していると考えています。
有利子負債は、2,697億円と前連結会計年度に比べて375億円の減少となりました。デット・エクイティ・レシ
オは35.2%になり、安全性を維持しています。
今後の設備投資や研究開発の支出計画によっては、資金の調達、又、現預金残高の取り崩しをする可能性があ
ります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は2兆4,081億円と、前連結会計年度に比べ、4,952億円の増収となり
ました。国内売上高は、売上台数の増加などにより、6,721億円と2億円の増収となりました。海外売上高につきましても、売上台数の増加などにより、1兆7361億円と4,949億円(39.9%)の増収となりました。
営業利益は、3,265億円と、前連結会計年度に比べ、2,061億円(171.1%)の増益となりました。主な増益要
因は、売上台数の増加や為替レート差であります。
経常利益は、3,144億円と前連結会計年度に比べ、2,138億円(212.5%)の増益となりました。
当期純利益は、ポラリス インダストリーズ インクの株式売却に伴う特別利益471億円を計上したものの、当
社が東京地方裁判所に対し、国を被告として提起しておりました防衛省向け戦闘ヘリコプターAH-64Dに関する初
度費請求訴訟が棄却されたため、本判決どおりに確定した場合に備え、貸倒引当金として296億円の特別損失を
計上したことなどにより、2,066億円と前連結会計年度に比べ870億円(72.8%)の増益となりました。
(5) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。