第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものです。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつ全ての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。

こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとする全ての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めてまいります。

また、2030年に向けた全社ビジョンとして、「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」と定め、「移動」と「暮らし」の領域で価値創造を拡げていくことをめざしてまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展・都市化の加速、気候変動の深刻化、さらにエネルギー転換、人工知能(AI)、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。

このような環境変化のなか、当社グループが持続的な成長を続け、さまざまな社会の課題解決に貢献するために、当社グループならではの価値提供の実現に向けた、次世代への新たなチャレンジとして、「2030年ビジョン」を定め、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 製品品質の一層の向上

「安全」を軸とする商品としての信頼性向上はもちろん、桁違いに高い品質の商品を実現していくために、設計・開発から生産、販売・サービスに至る各段階での品質向上・改善を継続的に実践する体制を構築しています。グローバルに共通な品質マネジメントシステムを運用するとともに、品質保証に関わる従業員のスキルを向上させる教育を実施することで製品品質の向上に取り組んでまいります。

 

② 研究開発力の強化

これまでの「モノづくり」に加え、人と協調する新たな価値を持った「モノ・コトづくり」によって、世界中の一人ひとりの「移動」と「暮らし」の進化に取り組んでまいります。近年のAIやビッグデータなどデジタルテクノロジーの進化にともない、新しい価値創造の可能性が拡大しており、これを好機と捉えて、外部企業などとの戦略的な連携をはかるオープンイノベーションを積極的に推進し、さらなる新領域における研究開発に注力してまいります。

 

③ 生産力の強化

世界の生産拠点において生産体質の強化を進めるとともに、地域の需要に応じ、高品質の製品をフレキシブルかつ効率的に生産してまいります。また、生産拠点での環境負荷削減に積極的に取り組むとともに、電動化技術の普及に向けた生産技術の構築とそのグローバル展開を進めてまいります。また、防災対策のみならず様々なリスクに対応できるように、より実効性の高い事業継続計画を策定し、グローバル規模でのサプライチェーンの強化に努めてまいります。

 

④ 販売力の増強

商品ラインアップの充実やITなどを積極的に活用した販売体制・サービス体制のより一層の強化に取り組み、世界各地のお客様の多様なニーズにお応えできるように努めてまいります。

 

 

⑤ 安全への取り組み

「事故に遭わない社会」の実現をめざし、「ヒト(安全運転教育)」「テクノロジー(安全技術)」「コミュニケーション(安全情報の提供)」という3つの領域において、社会と連携し、交通環境の改善・構築に積極的に取り組んでまいります。

安全運転教育の指導者の育成や、学ぶための場と機会の提供、教育プログラムや機器の開発とともに、事故の予知・予防安全技術、衝突時の乗員や歩行者の傷害軽減技術、相手車両への衝撃軽減技術の向上と適用する商品の拡大に取り組んでまいります。

また、ほかのクルマやバイク、さらに周囲の人々が持つスマートフォンなどを無線通信で結び、周囲の交通状況や交通事故のリスクを確認できる仕組みにより安全性の向上に取り組んでまいります。
 

⑥ 地球環境への取り組み

「気候変動・エネルギー問題への対応」「資源の効率利用」「クリーンな大気の保全」に自らの技術と事業活動で取り組み、「環境負荷ゼロ社会」の実現をめざしてまいります。

 

(気候変動・エネルギー問題への対応)

2050年を目処にCO2総排出量を2000年比で半減をめざし、世界各国の燃費規制動向や市場ニーズに合わせた電動化製品の技術開発体制を構築するとともに、環境性能に優れた製品の拡大、電動化の積極的な推進などで、製品からのCO2排出量低減を推進してまいります。

また、化石燃料への高依存などによるエネルギーリスクの将来的なゼロ化をめざし、モビリティーと暮らしの総合的なCO2の排出を低減するエネルギーマネジメント技術の開発や、事業活動領域における省エネルギー技術の進化、メガソーラー発電の導入などでエネルギーの有効活用と多様化に取り組んでまいります。

 

(資源の効率利用)

レアメタルなどの資源の枯渇や入手困難化に対し、資源の効率利用と適正処理、再資源化を社内外のステークホルダーと協力、連携しながら取り組んでまいります。

 

(クリーンな大気の保全)

製品の環境性能を高めることで使用段階における排出ガスの有害物質の削減に取り組むとともに、各国の排出ガス規制強化に対応してまいります。

また、生産活動においては、塗装工程で発生する有害物質を削減した最先端の塗装技術をグローバルの四輪車工場へ水平展開していくことで大気保全に取り組んでまいります。

 

⑦ 社会からの信頼と共感の向上

引き続き先進の安全・環境技術を適用した商品の提供を行っていくことに加え、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、リスク管理、社会貢献活動などの取り組みを通じ、社会から信頼と共感を得られるよう努めてまいります。

 

以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在において当社が判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。

 

市場の変化によるリスク

・市場環境の変化

当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しております。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観の変化、燃料価格の上昇および金融危機などによる購買意欲の低下は、二輪車、四輪車およびパワープロダクツの需要の低下につながり、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

・製品の価格変動

市場によっては、二輪車、四輪車およびパワープロダクツの価格が、短期間で急激に変動する可能性があります。このような価格変動は、競争の熾烈化、不安定な経済状況による短期間での需要変動、関税、輸入規制、その他の租税の改正、特定の原材料や部品の不足、原材料価格の高騰およびインセンティブなど、さまざまな要因によって引き起こされます。このような価格変動が長引かない、あるいは、これまでこのような価格変動がなかった市場で発生しないという保証はありません。なお、当業界は供給能力過剰な状況にあり、当社グループが事業展開している主要な市場における景気がさらに悪化すると、その状況が拡大する可能性が高く、さらなる価格変動圧力につながる可能性があります。当社グループが事業展開しているどの市場においても、急激な価格変動は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

事業等の変化によるリスク

 (為替、金利に関するリスク)

・為替変動

当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの業績、財政状態および将来の業績に影響する当社グループの競争力に影響を与える可能性があります。

 

 (法律、規制に関するリスク)

・法規制リスク

当社グループは、世界各国において事業を展開しており、各地域・国の制度・協定・法律などに変化があった場合、当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を与える可能性があります。

 

・知的財産の保護

当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許および商標は、当社グループのこれまでの事業の成長にとって重要であったものであり、その重要性は今後も変わりません。当社グループは、いずれの事業も、単一の特許または関連する複数の特許に依存しているとは考えていませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。

 

 

・法的手続

当社グループは、訴訟、関連法規に基づくさまざまな調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 (事業特有のリスク)

・金融事業特有のリスク

当社グループの金融サービス事業は、お客様にさまざまな資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの将来の業績に影響を与える可能性があります。

 

・特定の原材料および部品の外部業者への依存

当社グループは、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ低コストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。また、特に主要な取引先を失うことは、当社グループの生産に影響を与え、コストを増加させる可能性があります。

 

・他社との業務提携・合弁

当社グループは、他社と、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従い、提携・合弁による事業運営を行っております。しかしながら、提携・合弁において、当事者間で不一致が生じた場合、あるいは提携・合弁の変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を与える可能性があります。

 

・戦争・テロ・政情不安・ストライキ等の影響

当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での戦争、テロ、政情不安、ストライキなどのリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を与える可能性があります。

 

・自然災害等

当社グループは、大規模な自然災害・事故・感染症等の発生時に事業への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の構築を行っております。しかしながら、想定を超える災害・事故・感染症等の発生により、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、財政状態および業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

・情報セキュリティ

当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において情報サービスや運転支援に関するさまざまな情報システムやネットワークを利用しています。これらのシステムやネットワークで取り扱っている機密情報等を保護するため、委託先の管理も含め、管理体制、情報取り扱い手続き等の整備、従業員教育に加え、他にもハード・ソフト面でのセキュリティ対策等を実施しています。しかしながら、外部からのサイバー攻撃、機器の不具合、当社グループや委託先内部での管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、機密情報等の漏洩、重要な業務やサービスの停止、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。その場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業活動、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

・退職後給付に関わるリスク

当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などのさまざまな仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

  ・ブランドイメージに関連するリスク

当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合、事業活動、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループをとりまく経済環境は、米国では、雇用情勢の改善や個人消費の増加などにより、景気の着実な回復が続きました。欧州においては、雇用情勢の改善や個人消費の増加などにより、景気は緩やかに回復しました。アジアの景気においては、インドでは内需を中心に緩やかに回復、タイ、インドネシアでは持ち直しており、中国では持ち直しの動きが続きました。日本では、雇用情勢の着実な改善や個人消費の緩やかな持ち直し、設備投資の緩やかな増加などにより、景気は緩やかに回復しました。

主な市場のうち、二輪車市場は前年度にくらべ、インド、ベトナム、タイ、インドネシアでは拡大しましたが、ブラジルでは縮小となりました。四輪車市場は前年度にくらべ、タイでは大幅に拡大、ブラジル、インド、中国、日本、欧州では拡大しましたが、インドネシア、米国では縮小となりました。

このような中で、当社グループは、お客様や社会の多様なニーズの変化に迅速かつ的確に対応するため、企業体質の強化に努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上にむけた先進技術の開発に外部とのオープンイノベーションも取り入れ積極的に取り組みました。生産面では、さらなる生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産体制の整備を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、国を越えた商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。

また、当社グループは、エアバッグインフレーターに関連し、主に北米および日本において、市場措置を実施していますが、これは、運転者席側および助手席側のエアバッグ展開時にインフレーター内圧が異常上昇し、インフレーター容器が破損して飛び散るおそれがある問題に関連するものです。当社グループは、お客様の安心、安全を最優先に市場措置対象のエアバッグインフレーターをできるだけ早急に交換することに努めています。

 

当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における増加や為替換算による増加影響などにより、15兆3,611億円と前連結会計年度にくらべ9.7%の増収となりました。

営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増やコストダウン効果などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加、集団訴訟和解金、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、8,335億円と前連結会計年度にくらべ0.9%の減益となりました。税引前利益は、持分法による投資利益の増加などにより、1兆1,149億円と前連結会計年度にくらべ10.7%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、米国税制改革影響などにより、1兆593億円と前連結会計年度にくらべ71.8%の増益となりました。

 

事業の種類別セグメントの状況

(二輪事業)

 

Hondaグループ販売台数

連結売上台数

 

 

 

 

2016年度
(千台)

2017年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

2016年度
(千台)

2017年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

二輪事業計

17,661

19,554

1,893

10.7

11,237

12,954

1,717

15.3

 

日 本

156

167

11

7.1

156

167

11

7.1

 

北 米

294

313

19

6.5

294

313

19

6.5

 

欧 州

217

234

17

7.8

217

234

17

7.8

 

アジア

15,937

17,720

1,783

11.2

9,513

11,120

1,607

16.9

 

その他

1,057

1,120

63

6.0

1,057

1,120

63

6.0

 

 

二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、2兆387億円と前連結会計年度にくらべ18.8%の増収となりました。営業利益は、前連結会計年度の年金制度改定影響などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益増などにより、2,670億円と前連結会計年度にくらべ56.4%の増益となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。

 

 

(四輪事業)

 

Hondaグループ販売台数

連結売上台数

 

 

 

 

2016年度
(千台)

2017年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

2016年度
(千台)

2017年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

四輪事業計

5,028

5,199

171

3.4

3,683

3,689

6

0.2

 

日 本

668

696

28

4.2

603

627

24

4.0

 

北 米

1,970

1,902

△68

△3.5

1,970

1,902

△68

△3.5

 

欧 州

184

183

△1

△0.5

184

183

△1

△0.5

 

アジア

1,964

2,166

202

10.3

684

725

41

6.0

 

その他

242

252

10

4.1

242

252

10

4.1

 

 

四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、10兆8,521億円と前連結会計年度にくらべ7.6%の増収となりました。営業利益は、コストダウン効果や台数変動及び構成差に伴う利益増などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加、集団訴訟和解金、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、3,738億円と前連結会計年度にくらべ25.4%の減益となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジットが、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して販売された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。

 

(金融サービス事業)

金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上やオペレーティング・リース売上の増加などにより、2兆1,231億円と前連結会計年度にくらべ13.1%の増収となりました。営業利益は、増収に伴う利益の増加などにより、1,960億円と前連結会計年度にくらべ9.9%の増益となりました。

 

(パワープロダクツ事業及びその他の事業)

 

Hondaグループ販売台数/連結売上台数

 

 

2016年度
(千台)

2017年度
(千台)

増  減
(千台)

増減率
(%)

パワープロダクツ

 

 

 

 

事業計

6,121

6,262

141

2.3

 

日 本

301

300

△1

△0.3

 

北 米

2,977

3,012

35

1.2

 

欧 州

1,035

1,022

△13

△1.3

 

アジア

1,430

1,512

82

5.7

 

その他

378

416

38

10.1

 

 

パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、3,470億円と前連結会計年度にくらべ9.1%の増収となりました。営業損失は、前連結会計年度の年金制度改定影響などはあったものの、その他の事業に関する費用の減少などにより33億円と前連結会計年度にくらべ62億円の改善となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、418億円と前連結会計年度にくらべ19億円の改善となりました。

 

Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。

 

 

所在地別セグメントの状況

(日本)

売上収益は、全ての事業における増加などにより、4兆4,806億円と前連結会計年度にくらべ8.9%の増収となりました。営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増や為替影響などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加や前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、869億円と前連結会計年度にくらべ16.9%の減益となりました。

 

(北米)

売上収益は、全ての事業における増加などにより、8兆5,846億円と前連結会計年度にくらべ6.0%の増収となりました。営業利益は、コストダウン効果などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加や集団訴訟和解金などにより、2,784億円と前連結会計年度にくらべ30.2%の減益となりました。

 

(欧州)

売上収益は、四輪事業や二輪事業の増加などにより、9,172億円と前連結会計年度にくらべ16.2%の増収となりました。営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増などにより、158億円と前連結会計年度にくらべ30.8%の増益となりました。

 

(アジア)

売上収益は、四輪事業や二輪事業の増加などにより、4兆2,210億円と前連結会計年度にくらべ22.1%の増収となりました。営業利益は、コストダウン効果や売上変動及び構成差に伴う利益増などにより、4,026億円と前連結会計年度にくらべ21.5%の増益となりました。

 

(その他の地域)

売上収益は、四輪事業や二輪事業の増加などにより、8,375億円と前連結会計年度にくらべ14.2%の増収となりました。営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増などにより、438億円と前連結会計年度にくらべ51.1%の増益となりました。

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2兆2,564億円と前連結会計年度末にくらべ1,505億円の増加となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、9,876億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、部品や原材料の支払いの増加などはあったものの、顧客からの現金回収の増加などにより、前連結会計年度にくらべ1,025億円の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、6,151億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前連結会計年度にくらべ355億円の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、1,743億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、資金調達による収入の減少や自己株式の取得などにより、前連結会計年度にくらべ2,897億円の増加となりました。

 

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2016年4月1日
  至 2017年3月31日)

当連結会計年度
(自 2017年4月1日
  至 2018年3月31日)

増減

台数(千台)

台数(千台)

台数(千台)

増減率(%)

二輪事業

11,069

12,937

1,868

16.9

四輪事業

3,802

3,837

35

0.9

パワープロダクツ事業

及びその他の事業

6,392

6,442

50

0.8

 

 (注)  1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。

 2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。

 3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。

 

(受注実績)

見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。

 

(販売実績)

仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2016年4月1日
  至 2017年3月31日)
(百万円)

当連結会計年度
(自 2017年4月1日
  至 2018年3月31日)
(百万円)

増  減
(百万円)

増 減 率
(%)

 

 

 

 

 

総  合  計

13,999,200

15,361,146

1,361,946

9.7

 

日 本

1,799,772

1,919,130

119,358

6.6

 

北 米

7,618,025

8,062,284

444,259

5.8

 

欧 州

639,248

690,876

51,628

8.1

 

アジア

3,085,699

3,771,655

685,956

22.2

 

その他

856,456

917,201

60,745

7.1

 

 

 

 

 

二輪事業計

1,716,165

2,038,712

322,547

18.8

 

日 本

62,769

70,999

8,230

13.1

 

北 米

168,015

190,669

22,654

13.5

 

欧 州

118,295

141,465

23,170

19.6

 

アジア

1,088,138

1,327,752

239,614

22.0

 

その他

278,948

307,827

28,879

10.4

 

 

 

 

 

四輪事業計

10,086,816

10,852,171

765,355

7.6

 

日 本

1,453,460

1,521,885

68,425

4.7

 

北 米

5,704,213

5,910,028

205,815

3.6

 

欧 州

450,757

473,422

22,665

5.0

 

アジア

1,948,102

2,389,082

440,980

22.6

 

その他

530,284

557,754

27,470

5.2

 

 

 

 

 

金融サービス事業計

1,878,094

2,123,194

245,100

13.1

 

日 本

210,914

248,527

37,613

17.8

 

北 米

1,616,234

1,822,831

206,597

12.8

 

欧 州

12,100

12,539

439

3.6

 

アジア

10,556

10,442

△114

△1.1

 

その他

28,290

28,855

565

2.0

  パワープロダクツ事業

 

 

 

 

   及びその他の事業計

318,125

347,069

28,944

9.1

 

日 本

72,629

77,719

5,090

7.0

 

北 米

129,563

138,756

9,193

7.1

 

欧 州

58,096

63,450

5,354

9.2

 

アジア

38,903

44,379

5,476

14.1

 

その他

18,934

22,765

3,831

20.2

 

(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。

 

 

(2) 経営成績等の状況の分析

この経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
 なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
 

 ① 経営成績の分析

当社グループの業績

当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における増加や為替換算による増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。
 営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増やコストダウン効果などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加、集団訴訟和解金、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、減益となりました。


二輪事業の概要

当連結会計年度の連結売上台数は、インドやベトナムなどで販売が増加したことにより、1,295万4千台と前連結会計年度にくらべ15.3%の増加となりました。

 

四輪事業の概要

当連結会計年度の連結売上台数は、北米地域などで販売が減少したものの、新型車投入効果などにより日本やアジア地域などで増加したことにより、368万9千台と前連結会計年度にくらべ0.2%の増加となりました。

 

パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要

当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域やその他の地域などで販売が増加したことにより、626万2千台と前連結会計年度にくらべ2.3%の増加となりました。

 

 

(当連結会計年度の連結業績の概況)

売上収益

当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における増加や為替換算による増加影響などにより、15兆3,611億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,619億円、9.7%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約9,631億円、約6.9%の増収と試算されます。

 

営業費用

営業費用は、14兆5,275億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,690億円、10.4%の増加となりました。売上原価は、全ての事業における連結売上収益の増加に伴う費用の増加、前連結会計年度の年金制度改定影響、為替影響などにより、12兆5億円と前連結会計年度にくらべ1兆1,347億円、10.4%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、集団訴訟和解金や前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、1兆7,751億円と前連結会計年度にくらべ1,739億円、10.9%の増加となりました。研究開発費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、7,518億円と前連結会計年度にくらべ604億円、8.7%の増加となりました。

 

営業利益

営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増やコストダウン効果などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加、集団訴訟和解金、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、8,335億円と前連結会計年度にくらべ71億円、0.9%の減益となりました。なお、為替影響約219億円の増益要因を除くと、約290億円の減益と試算されます。

 

ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解頂くために有用な追加情報と考えています。

 

 

税引前利益

税引前利益は、持分法による投資利益の増加などにより、1兆1,149億円と前連結会計年度にくらべ1,079億円、10.7%の増益となりました。営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
 持分法による投資利益は、アジア地域の持分法適用会社における増収に伴う利益の増加などにより、828億円の増益要因となりました。
 金融収益及び金融費用は、デリバティブから生じる損益の影響などにより、322億円の増益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。

 

法人所得税費用

法人所得税費用は、米国税制改革影響などにより、136億円(貸方)と前連結会計年度にくらべ3,412億円の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より33.7ポイント低い△1.2%となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税(1)法人所得税費用」を参照ください。

 

当期利益

当期利益は、米国税制改革影響などにより、1兆1,286億円と前連結会計年度にくらべ4,492億円、66.1%の増益となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益は、1兆593億円と前連結会計年度にくらべ4,427億円、71.8%の増益となりました。

 

非支配持分に帰属する当期利益

非支配持分に帰属する当期利益は、693億円と前連結会計年度にくらべ64億円、10.3%の増益となりました。

 

 

(二輪事業)

連結売上台数は、全ての地域で増加したことなどにより、1,295万4千台と前連結会計年度にくらべ15.3%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、2兆387億円と前連結会計年度にくらべ3,225億円、18.8%の増収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,465億円、約14.4%の増収と試算されます。

営業費用は、1兆7,716億円と前連結会計年度にくらべ2,262億円、14.6%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加や前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、1兆4,668億円と前連結会計年度にくらべ2,181億円、17.5%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、2,194億円と前連結会計年度にくらべ33億円、1.6%の増加となりました。研究開発費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、854億円と前連結会計年度にくらべ47億円、5.9%の増加となりました。

営業利益は、前連結会計年度の年金制度改定影響などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益増などにより、2,670億円と前連結会計年度にくらべ962億円、56.4%の増益となりました。

 

日本

日本の2017年度二輪車総需要(注)は、約37万台とほぼ前年度並みとなりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、新型車「CBR250RR」や「Rebel250」の投入効果などにより、16万7千台と前連結会計年度にくらべ7.1%の増加となりました。

 

(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)

 

北米

主要市場である米国の2017年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約68万台と前年にくらべ約3%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主に米国において、新型車「Rebel300」や「Rebel500」の投入効果などにより、31万3千台と前連結会計年度にくらべ6.5%の増加となりました。

 

(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)

            二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(S×S)は含まない。

 

欧州

欧州地域の2017年(暦年)二輪車総需要(注)は、約85万台と前年にくらべ約7%の減少となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、「X-ADV」などスクーターモデルの好調な販売などにより、23万4千台と前連結会計年度にくらべ7.8%の増加となりました。

 

(注) 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ

 

アジア

アジア地域主要国の2017年(暦年)二輪車総需要(注)は、約4,230万台と前年にくらべ約6%の増加となりました。

国別の市場状況は、インドでは約1,917万台と前年にくらべ約8%の増加、中国では約793万台と前年にくらべ約1%の減少、インドネシアでは約631万台と前年にくらべ約2%の増加、ベトナムでは約326万台と前年にくらべ約5%の増加、パキスタンでは約196万台と前年にくらべ約18%の増加、タイでは約181万台と前年にくらべ約4%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」や、ベトナムにおける「Vision」などのスクーターモデルの増加などにより、1,112万台と前連結会計年度にくらべ16.9%の増加となりました。

なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「Vario」シリーズなどの減少はあったものの、「Scoopy」などの増加により、約438万台と前連結会計年度にくらべ約0.4%の増加となりました。

 

(注) タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、パキスタン、中国の8ヵ国の合計、当社調べ

 

その他の地域

主要市場であるブラジルの2017年(暦年)二輪車総需要(注)は、約81万台と前年にくらべ約5%の減少となりました。

その他の地域(南米・中東・アフリカ・大洋州など)における当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける減少はあったものの、アルゼンチンにおける増加などにより、112万台と前連結会計年度にくらべ6.0%の増加となりました。

 

(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)

 

 

(四輪事業)

連結売上台数は、アジア地域で増加したことなどにより、368万9千台と前連結会計年度にくらべ0.2%の増加となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、10兆8,521億円と前連結会計年度にくらべ7,653億円、7.6%の増収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約4,951億円、約4.9%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、11兆452億円と前連結会計年度にくらべ7,885億円、7.7%の増収となりました。

営業費用は、10兆6,713億円と前連結会計年度にくらべ9,158億円、9.4%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加、前連結会計年度の年金制度改定影響、為替影響などにより、8兆6,513億円と前連結会計年度にくらべ7,037億円、8.9%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、集団訴訟和解金や前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、1兆3,795億円と前連結会計年度にくらべ1,559億円、12.7%の増加となりました。研究開発費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、6,405億円と前連結会計年度にくらべ562億円、9.6%の増加となりました。

営業利益は、コストダウン効果や台数変動及び構成差に伴う利益増などはあったものの、販売費及び一般管理費の増加、集団訴訟和解金、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、3,738億円と前連結会計年度にくらべ1,273億円、25.4%の減益となりました。

 

各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)

パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度51%、当連結会計年度50%

ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度43%、当連結会計年度44%

軽自動車:前連結会計年度6%、当連結会計年度6%

 

四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。

パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):

「Accord」 、 「City」 、 「Civic」 、 「Crider」 、 「Fit(Jazz)」

ライトトラック(SUV・ミニバン等):

「CR-V」 、 「Freed」 、 「Odyssey」 、 「Pilot」 、

「Vezel(HR-V)」 、 「XR-V」

軽自動車:

「N-BOX」

 

カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。

車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均より約35%高く、パッセンジャーカーは約20%低く、軽自動車は約55%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。

 

 

日本

日本の2017年度四輪車総需要(注1)は、約519万台と前年度にくらべ、約2%の増加となりました。
 当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、新型「N-BOX」の投入効果などにより、62万7千台と前連結会計年度にくらべ4.0%の増加となりました。

当連結会計年度の日本での生産台数は、輸出台数の減少はあったものの、国内販売台数の増加などにより、82万9千台と前連結会計年度にくらべ2.3%の増加となりました。

 

(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)

2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジットが、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して販売された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。

 

北米

主要市場である米国の2017年(暦年)四輪車総需要(注)は、各社の新型車投入などによりライトトラックセグメントは継続的に増加したものの、乗用車セグメントにおける減少などにより、約1,723万台と前年にくらべ約2%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「Pilot」の増加などはあったものの、乗用車セグメントにおける減少などにより、190万2千台と前連結会計年度にくらべ3.5%の減少となりました。

当連結会計年度の北米地域での生産台数は、ライトトラックの増加はあったものの、乗用車セグメントの需要の減少に伴う生産調整などにより、186万4千台と前連結会計年度にくらべ3.7%の減少となりました。

 

(注) 出典:Autodata

 

欧州

欧州地域の2017年(暦年)四輪車総需要(注)は、景気が緩やかに回復したことなどにより約1,563万台と前年にくらべ約3%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、「CR-V」の減少などにより、18万3千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の減少となりました。

当連結会計年度の英国工場での生産台数は北米向け「Civic Hatchback」の輸出の増加などにより、16万4千台と前連結会計年度にくらべ、10.0%の増加となりました。

 

(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU28ヵ国+EFTA3ヵ国)

 

 

アジア

アジア地域主要国の2017年(暦年)四輪車総需要は、インドやタイなどで増加したことにより、約795万台(注1)と前年にくらべ約7%の増加となりました。中国の2017年(暦年)四輪車総需要は、約2,887万台(注2)と前年にくらべ約3%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおいて減少したものの、タイにおける新型「CR-V」やパキスタンにおける新型車「BR-V」の投入効果などにより、72万5千台と前連結会計年度にくらべ6.0%の増加となりました。

なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、新型車「UR-V」の投入効果、「Avancier」や「Civic」の好調な販売などにより、144万3千台と前連結会計年度にくらべ12.7%の増加となりました。

アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数は、79万8千台(注3)と前連結会計年度にくらべ6.1%の増加となりました。

なお、中国の持分法適用会社である東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は145万1千台と前連結会計年度にくらべ15.2%の増加となりました。

 

(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、当社調べ

2 出典:中国汽車工業協会

3 中国、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの9ヵ国の合計

 

その他の地域

主要市場であるブラジルの2017年(暦年)の四輪車総需要は、景況感の回復に伴い、約217万台(注)と前年にくらべ約9%の増加となりました。

当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける新型車「WR-V」の投入効果などにより、25万2千台と前連結会計年度にくらべ4.1%の増加となりました。

当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、13万8千台と前連結会計年度にくらべ14.7%の増加となりました。

 

(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)

 

(金融サービス事業)

当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。

 

金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、9兆461億円とほぼ前連結会計年度末並みとなりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約3,609億円、約4.0%の増加と試算されます。

金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上やオペレーティング・リース売上の増加などにより、2兆1,231億円と前連結会計年度にくらべ2,451億円、13.1%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,017億円、約10.7%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、2兆1,372億円と前連結会計年度にくらべ2,459億円、13.0%の増収となりました。

営業費用は、1兆9,411億円と前連結会計年度にくらべ2,283億円、13.3%の増加となりました。売上原価は、リース車両売却売上やオペレーティング・リース売上の増加に伴う費用の増加などにより、1兆8,263億円と前連結会計年度にくらべ2,176億円、13.5%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、1,148億円と前連結会計年度にくらべ106億円、10.3%の増加となりました。

営業利益は、増収に伴う利益の増加などにより、1,960億円と前連結会計年度にくらべ176億円、9.9%の増益となりました。

 

 

(パワープロダクツ事業及びその他の事業)

パワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域やその他の地域で増加したことなどにより、626万2千台と前連結会計年度にくらべ2.3%の増加となりました。パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、3,470億円と前連結会計年度にくらべ289億円、9.1%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約197億円、約6.2%の増収と試算されます。セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、3,711億円と前連結会計年度にくらべ214億円、6.1%の増収となりました。

営業費用は、3,745億円と前連結会計年度にくらべ151億円、4.2%の増加となりました。売上原価は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の増加に伴う費用の増加、前連結会計年度の年金制度改定影響、為替影響などにより、2,872億円と前連結会計年度にくらべ117億円、4.3%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などにより、613億円と前連結会計年度にくらべ39億円、6.8%の増加となりました。研究開発費は、前連結会計年度の年金制度改定影響などはあったものの、259億円と前連結会計年度にくらべ5億円、2.0%の減少となりました。

営業損失は、前連結会計年度の年金制度改定影響などはあったものの、その他の事業に関する費用の減少などにより、33億円と前連結会計年度にくらべ62億円の改善となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、418億円と前連結会計年度にくらべ19億円の改善となりました。

 

日本

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン(注)の増加などはあったものの、耕うん機が減少したことなどにより、30万台と前連結会計年度にくらべ0.3%の減少となりました。

 

(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン

OEM:Original Equipment Manufacturer

 

北米

当連結会計年度の連結売上台数は、発電機が増加したことなどにより、301万2千台と前連結会計年度にくらべ1.2%の増加となりました。

 

欧州

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンの増加などはあったものの、芝刈機や刈払機が減少したことなどにより、102万2千台と前連結会計年度にくらべ1.3%の減少となりました。

 

アジア

当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンやポンプの増加などにより、151万2千台と前連結会計年度にくらべ5.7%の増加となりました。

 

その他の地域

当連結会計年度の連結売上台数は、ポンプや芝刈機が増加したことなどにより、41万6千台と前連結会計年度にくらべ10.1%の増加となりました。

 

 

 

 ② 特に重要な見積りを伴う会計方針について

特に重要な見積りを伴う会計方針とは、本質的に不確実性があり、次連結会計年度以降に変更する可能性がある事項、または当連結会計年度において合理的に用いうる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態および経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものです。また、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、これらの見積りの不確実性は増大します。

次に挙げるものは、当社および連結子会社のすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。当社および連結子会社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「3 重要な会計方針」に記載されています。

連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。

 

(製品保証)

当社および連結子会社は、特定の期間、製品に保証を付与しているとともに、必要に応じて主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。製品保証は、製品の種類、販売地域の特性およびその他の要因に応じて異なります。

製品保証引当金には、保証書に基づく無償の補修費用、主務官庁への届出等に基づく個別の無償補修費用が含まれます。保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、主務官庁への届出等に基づく新規の保証項目に関連する費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。製品保証引当金は、過去の補修実績、過去の売上実績、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積り、計上しています。当社および連結子会社の製品の構成部品の一部は、部品供給会社によって製造され、部品取引基本契約書に基づき、当社および連結子会社に対し、保証されています。

当社は、見積りの変化が親会社の所有者に帰属する当期利益に重要な影響を及ぼす可能性があり、本質的に不確実な将来のクレームの頻度と金額を見積ることが必要となるため、製品保証引当金に関する見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。

当社および連結子会社は、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しています。したがって、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要十分な金額を引当計上していると考えています。

実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。

 

製品保証引当金の増減および売上収益は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度
(自 2016年4月1日
  至 2017年3月31日)
(百万円)

当連結会計年度
(自 2017年4月1日
  至 2018年3月31日)
(百万円)

製品保証引当金

 

 

 期首残高

727,441

520,130

 繰入額(注)

198,016

219,575

 取崩額

△341,416

△239,903

 戻入額

△54,324

△30,022

 在外営業活動体の為替換算差額

△9,587

△12,184

 期末残高

520,130

457,596

売上収益

13,999,200

15,361,146

 

(注) 前連結会計年度および当連結会計年度における繰入額は、主に四輪事業における主務官庁への届出等に基
      づく無償の補修費用によるものです。

                                            

 

(クレジット損失)

当社の金融子会社は、製品の販売をサポートするために、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースならびにファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。当社は、顧客に対する金融サービスのうち、小売金融およびファイナンス・リースに係る債権(以下「顧客に対する金融債権」という。)を金融サービスに係る債権に含めており、オペレーティング・リースをオペレーティング・リース資産として区分掲記しています。また、販売店に対する金融債権を金融サービスに係る債権に含めています。

クレジット損失は、金融サービスに係る債権に対して見積られる費用です。信用リスクの大部分は、顧客に対する金融債権に関して発生しており、一般的な経済動向によって影響を受けることがあります。失業率の上昇などの経済情勢悪化は貸倒れのリスクを高め、中古車価格の下落は、担保の回収による補填金額を減少させる可能性があります。当社の金融子会社は、信用リスクに影響を与えると考えられる審査基準のモニタリングおよび見直し、見積損失を考慮した契約金利の設定、損失を最小化する回収努力を通じ顧客に対する金融債権に係る信用リスクに対処しています。

また、当社の金融子会社はオペレーティング・リースの貸手として、オペレーティング・リースの借手の信用リスクにさらされています。オペレーティング・リースの一部は、リースの借手が債務不履行に陥った場合、リース期間満了前に終了することが見込まれます。通常、顧客の不払いによるリース資産の損失は、回収車両の処分によって実現します。オペレーティング・リースの信用リスクに影響を与える要因および信用リスクに対する管理方法は、顧客に対する金融債権と同様です。

販売店に対する金融債権に係る信用リスクは、販売店の財務体質、担保の価値、販売店の信用力に影響を与える可能性のある経済要因などにより影響を受けます。当社の金融子会社は、融資前に実施する販売店の財務体質の包括的な審査、支払実績と既存の融資に対する弁済能力の継続的なモニタリングなどを通じ、直面する信用リスクに対処しています。

当社の金融子会社は、金融サービスに係る債権の見積損失額をクレジット損失引当金として計上しています。支払期日を過ぎたオペレーティング・リース料に係る見積損失額については、クレジット損失引当金として計上しています。当社の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、これらの見積りを評価しています。

顧客に対する金融債権は、集合的に損失を見積っています。当社の金融子会社は、支払延滞と貸倒実績を継続的にモニタリングしており、それらの実績はクレジット損失引当金の見積りの重要な構成要素となっています。当社の金融子会社は、クレジット損失引当金を見積る際に、過去の損失実績や延滞状況の推移分析などを含む様々な手法を使用します。これらの手法は、製品価格に占める融資金額の比率、社内および社外のクレジットスコア、担保の形態、契約期間などのポートフォリオの特性を考慮しています。また、中古車価格、失業率、消費者の債務返済負担などの市場、経済要因についても考慮しています。オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失についても顧客に対する金融債権と同様に集合的に損失を見積っています。

販売店に対する金融債権の損失を個別に認識する場合は、販売店ごとに見積っています。当社の金融子会社は契約期間内で全額を回収することが不可能であると判断した場合、損失が発生すると考え、クレジット損失引当金を計上しています。また、損失の兆候があるか否かは、販売店の支払実績、支払能力、財政状態および経営成績などに基づいて評価しています。個別に損失の認識をしていない債権については、集合的に損失を見積っています。

当社は、基本的に不確実な要因に基づいて重要な判定を行わなければならないため、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社の金融子会社は、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失が適切かどうかを定期的に確認しています。これらの見積りは、報告期間の期末日時点で利用可能な情報に基づいていますが、実際に発生する損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。

引当金計算の影響度に関して、引当金計算における主な前提条件の1つの変化が、クレジット損失引当金の繰入額および引当金残高にどのくらい影響を及ぼすかについては、もし、当社の金融子会社の金融サービスに係る債権において、当連結会計年度のクレジット損失(回収分控除後)が10%増加した場合、クレジット損失引当金繰入額およびクレジット損失引当金残高は、それぞれ約66億円、約34億円の増加となります。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。

 

 

クレジット損失の増減に関する追加説明

当社の金融子会社における、金融サービスに係る債権に関するクレジット損失の引当金は、以下のとおりです。

前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)

 

小売金融
(百万円)

ファイナンス・リース
(百万円)

卸売金融
(百万円)

合計
(百万円)

クレジット損失引当金

 

 

 

 

期首残高

22,300

762

2,503

25,565

 繰入額

29,870

338

△278

29,930

 クレジット損失

△33,045

△287

△382

△33,714

 回収

8,487

69

3

8,559

 在外営業活動体の為替換算差額

1,255

△73

△23

1,159

 期末残高

28,867

809

1,823

31,499

金融サービスに係る債権期末残高

4,199,715

184,339

608,549

4,992,603

金融サービスに係る債権平均残高

4,100,161

195,750

568,024

4,863,935

クレジット損失(回収分控除後)/
金融サービスに係る債権平均残高

0.60%

0.11%

0.07%

0.52%

クレジット損失引当金/
金融サービスに係る債権期末残高

0.69%

0.44%

0.30%

0.63%

 

 

当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)

 

小売金融
(百万円)

ファイナンス・リース
(百万円)

卸売金融
(百万円)

合計
(百万円)

クレジット損失引当金

 

 

 

 

期首残高

28,867

809

1,823

31,499

 繰入額

36,037

214

336

36,587

 クレジット損失

△39,478

△299

△271

△40,048

 回収

8,368

50

13

8,431

 在外営業活動体の為替換算差額

△1,718

47

5

△1,666

 期末残高

32,076

821

1,906

34,803

金融サービスに係る債権期末残高

4,187,420

165,156

651,141

5,003,717

金融サービスに係る債権平均残高

4,283,938

178,083

608,199

5,070,220

クレジット損失(回収分控除後)/
金融サービスに係る債権平均残高

0.73%

0.14%

0.04%

0.62%

クレジット損失引当金/
金融サービスに係る債権期末残高

0.77%

0.50%

0.29%

0.70%

 

 

当社の金融子会社における、顧客の不払いに伴う、オペレーティング・リースに係る損失の実績は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度
(自 2016年4月1日
  至 2017年3月31日) 
(百万円)

当連結会計年度
(自 2017年4月1日
  至 2018年3月31日) 
(百万円)

支払期日を過ぎたオペレーティング・リース料に係る
クレジット損失引当金繰入額

2,493

3,437

オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失

7,987

11,911

 

 

当連結会計年度における前連結会計年度との比較

当社の金融子会社における、当連結会計年度のクレジット損失引当金繰入額は、前連結会計年度にくらべ66億円、22.2%増加しました。クレジット損失(回収分控除後)は、前連結会計年度にくらべ64億円、25.7%増加しました。クレジット損失引当金繰入額およびクレジット損失(回収分控除後)の増加は、主には北米地域において契約期間の長い金融サービスに係る債権が増加したことなどによるものです。また、オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失は、北米地域においてオペレーティング・リース資産が増加したことなどにより、前連結会計年度にくらべ39億円、49.1%増加しました。

 

(リース残価損失)

当社の北米地域の金融子会社は、リース開始時において、過去の実績および第三者機関のデータを考慮に入れた将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。車両をリースしている顧客は、リース期間満了時において、そのリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、もしくは販売店に返却する選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店は、リース期間満了時に顧客から返却されたリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、市場価格で買い取る選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店がリース車両を買い取らなかった場合は、市場のオークションによってリース車両を売却します。リース期間が満了し、当社の北米地域の金融子会社にリース車両が返却された際に、リース車両の売却額が契約上の残存価額を下回っている場合、その差額が損失となるリスクがあります。

当社の北米地域の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、見積残存価額を見直しています。リース残価損失の見積りは以下の2つの重要な構成要素に基づき行っています。

① 予測リース車両返却率、すなわちリース期間満了時に、顧客から金融子会社に返却されると予測されるリース車両の割合

② 予測リース残価損失の金額、すなわち見積残存価額と、車両売却金額との差額

また、新車および中古車の市場価格の傾向および一般的な経済指標等を含む上記以外のさまざまな要素も勘案してリース残価損失を見積っています。

オペレーティング・リースについては、見積残存価額の修正をオペレーティング・リース資産の減価償却費として、残存リース期間にわたり均等償却しています。また、ファイナンス・リースについては、リース残価損失の計上が必要なことを示す客観的な証拠が存在すると考えられる場合に、見積損失のうち残存価額の未補償部分の減額修正をリース残価損失として、その期間に計上しています。

当社の北米地域の金融子会社は、オペレーティング・リース資産の帳簿価額の回収可能性については、疑義を生じさせる事象の発生および状況変化がある場合、減損の判定を行っています。減損が発生していると考えられる場合、帳簿価額のうち回収可能価額を上回る金額を減損損失として認識します。

市場の変動に影響を受けやすいこと、本質的に不確定な将来の経済状況およびリース残存価額についての仮定を要求されることから、当社は、当該リース残価損失および減損損失に関する会計上の見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社および当社の金融子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、実際に発生するリース残価損失および減損損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。

当連結会計年度の当社の北米地域のオペレーティング・リースに関して、他の条件は一定とみなして、販売店で扱っているすべての車両の将来の中古車価格が現在の見積りよりも、それぞれ約1万円下落した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約76億円の増加となります。また、当連結会計年度末の販売店で扱っているすべてのリース車両についての将来の返却率が現在の見積りより1%増加した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約13億円の増加となります。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。また、中古車価格が下落した場合、返却率が増加する可能性が高いため、影響度が変化する可能性があります。

 

 

(退職後給付)

当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼすべての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および連結子会社は、確定給付制度債務および確定給付費用を、割引率や昇給率などのさまざまな仮定に基づいて算出しています。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有し、支払見込給付と同じ通貨建ての優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定しています。昇給率については、直近の見通しと実績を反映しています。当連結会計年度末の国内制度における割引率および昇給率は、それぞれ0.7%、1.7%であり、海外制度における割引率および昇給率は、それぞれ2.8%~4.2%、2.5%~3.0%です。

当社は、見積りの変化が当社および連結子会社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があることから、確定給付制度債務および確定給付費用に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。

当社および連結子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社および連結子会社の仮定と異なることがあり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振替えています。

割引率が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響額については、連結財務諸表注記の「18 従業員給付 (1) 退職後給付 ④ 感応度分析」を参照ください。

 

(繰延税金資産)

繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。

当社は、繰延税金資産に関する会計処理が、基本的に不確実な、将来課税所得や事業計画の評価や見積りを伴うため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。

当社および連結子会社は、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。

 

 

 ③ 流動性と資金の源泉

(資金需要、源泉、使途に関する概要)

当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。

生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金および銀行借入金などによりまかなっており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は4,720億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は6兆4,605億円となっています。

当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。

 

(流動性)

当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物2兆2,564億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。

当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約1.8ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。

しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に1兆988億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆475億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。

当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。

資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。

また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2018年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。

 

 

信用格付

短期格付

長期格付

ムーディーズ・インベスターズ・サービス

P-1

A2

スタンダード・アンド・プアーズ

A-1

A+

格付投資情報センター

a-1+

AA

 

 

なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。

 

 

 ④ 簿外取引

(貸出コミットメント)

当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、1,127億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。

 

(従業員の債務に対する保証)

当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン138億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2018年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られる損失はありません。

 

 ⑤ 契約上の債務

当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。

 

期間別支払金額(百万円)

合計

1年以内

1~3年

3~5年

それ以降

資金調達に係る債務

7,098,833

3,030,934

2,544,730

1,239,710

283,459

その他の金融負債

186,083

83,619

57,260

17,649

27,555

解約不能なオペレーティング・リースに

係る将来最低支払リース料

75,487

17,126

22,835

12,742

22,784

発注残高およびその他契約残高(注1)

71,188

47,356

21,974

1,242

616

確定給付制度への拠出(注2)

47,807

47,807

合計

7,479,398

3,226,842

2,646,799

1,271,343

334,414

 

  (注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。

 2 2019年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。

 

 ⑥ 市場リスクに関する定量および定性情報の開示

連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2)市場リスク」を参照ください。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としております。そのために、主要な研究開発部門は、子会社として独立し、技術者が自由闊達に研究開発活動を行っております。製品に関する研究開発につきましては、㈱本田技術研究所、ホンダアールアンドディアメリカズ・インコーポレーテッド、ホンダアールアンドディアジアパシフィックカンパニー・リミテッドを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、ホンダエンジニアリング㈱およびホンダエンジニアリングノースアメリカ・インコーポレーテッドを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っております。

当連結会計年度に発生した研究開発支出は、7,307億円となりました。

なお、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。

 

セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。

 

(二輪事業)

二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、商品と技術で価値創造を最大化する」を方針として、研究開発に取り組んでまいりました。

主な成果としては、2017年10月東京モーターショーにおいて、Honda独自開発の高出力モーターおよび着脱可能な「Honda Mobile Power Pack」を搭載した電動スクーター「PCX ELECTRIC」と、新開発したHonda独自の二輪車用ハイブリッドシステムによる高出力のバッテリーとACGスターターでエンジンをアシストすることで、コンパクトなシステムでありながらトルクフルな走りを実現した「PCX HYBRID」を発表しました。

また、生産拠点を中国から日本の熊本製作所に移管しモデルチェンジしたロングセラーモデルの「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」を2017年11月に発売しました。外観デザインをレッグシールドからリアフェンダーにつながる滑らかな曲面の構成に一新しました。ボディー両サイドに使い勝手をより高める取り外し可能なサイドカバーを採用したほか、省エネルギーで長寿命なLEDを丸形のヘッドライトに組み込むことで、コンパクトなハンドルまわりを実現するなど、伝統的なスタイリングに先進性も兼ね備えた新世代スーパーカブとしてのアイデンティティーを表現しています。

大型モーターサイクル領域では、2018年1月に、40年以上の歴史を持つ「Gold Wing」を17年ぶりに全面刷新し発表しました。モーターサイクルがもつ魅力の原点に立ち返り「走りの高揚感」 「操る楽しさ」を実現するため、快適な乗り心地と軽快なハンドリングを実現するHonda独自の二輪車用ダブルウィッシュボーンフロントサスペンションや、三世代目となる走行モード付き7速デュアルクラッチトランスミッションなど、数々の先進装備を採用することで、パッセンジャーとともに最上の感動を共有できるモーターサイクルとなっています。

最先端技術の領域では、2017年10月の東京モーターショーにおいて、ロボティクス研究で培ったHonda独自のバランス制御技術を二輪車に応用した実験車「Honda Riding Assist-e」を発表しました。この技術は転倒リスクを軽減し、二輪車のある生活をより安心で楽しいものにすることを目指して開発しました。

二輪事業に係る研究開発支出は、794億円となりました。

 

(四輪事業)

四輪事業では、「一歩先行く研究所を目指し」、「産業の変革期に際し、意識と行動を変えてゆく」、「2030年のありたき姿の実現に向けて、お客様視点で価値を追求し、質の高い仕事の仕方で、質の高い商品を創造し続ける」を方針として研究開発に取り組んでまいりました。

主な成果としては、2018年1月の北米国際自動車ショーにおいて、新世代AcuraモデルとしてAcuraブランドの新たな時代の始まりを示す新型「RDX」のプロトタイプモデルを世界初披露しました。最新のAcuraデザインを全面的に採用し、パワートレインには2.0L直噴VTECターボエンジンと、クラス初となる10速オートマチックトランスミッションを採用しました。四輪駆動力自在制御システムSH-AWDや、新開発の専用プラットフォーム、軽量・高剛性ボディなどとの組合せにより、力強い加速とリニアなハンドリングを実現しています。

また、2017年10月に北米で10代目となる新型「Accord」を発売しました。デザイン・パッケージング・走行性能を大幅に刷新し、最新のコネクティビティーと安全運転支援技術を搭載した新世代のミッドサイズセダンを目指して開発しました。パワートレインは、1.5Lと2.0Lの2種類の直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンに加え、第三世代となるハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を用意しました。2.0L直噴ターボエンジンには独自に開発した10速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、高い静粛性と燃費性能、V型6気筒3.5Lエンジンを凌駕するトルクを備えた次世代のパワートレインとしています。この「Accord」は2018年北米国際自動車ショーにおいて、「2018 North American Car of the Year」を受賞しました。

このほか、日本では新型軽乗用車「N-BOX」を2017年9月に発売しました。先代N-BOXで多くのお客様からご支持いただいている広い室内空間や、存在感のあるデザインは継承しながら、新型ではプラットフォーム、パワートレインを新たに開発しました。安全装備や新採用の助手席スーパースライドシートなどの充実した機能を備えた上で約80kg軽量化し、優れた走行性能・低燃費・乗り心地を実現しました。この「N-BOX」は、日本自動車殿堂カーオブザイヤー、RJCテクノロジーオブザイヤー、日本カー・オブ・ザ・イヤー「スモールモビリティ部門賞」の3つの賞を受賞しました。

電動車の開発に関しては、2017年4月のニューヨークオートショーにおいて、「CLARITY PLUG-IN HYBRID」と「CLARITY ELECTRIC」を世界初公開しました。これらは2016年3月に日本で発表した「CLARITY FUEL CELL」と共通のプラットフォームを使用したプラグインハイブリッド車(PHEV)と電気自動車(EV)です。世界で初めて同一プラットフォームにPHEV、EV、燃料電池自動車(FCV)という3種類の電動パワートレインを取り揃え、広く上質な室内空間を誇る5人乗りミドルサイズクラスセダンに新しい価値をもたらします。この「CLARITY」シリーズにより、Hondaが2030年に向けて掲げる「四輪商品ラインアップにおける販売数の3分の2をハイブリッド、およびFCV・バッテリーEVなどの電動車に置き換える」という目標達成に向けて電動化を推進します。

四輪事業に係る研究開発支出は、6,250億円となりました。

 

(パワープロダクツ事業及びその他の事業)

パワープロダクツ事業では、「世界中のお客様に「役立ち」と「喜び」を拡大するために、市場に根ざし・未来を見つめ・本質を考える」との方針に基づき、研究開発に取り組んでまいりました。

主な成果としては、2012年欧州で発売以来ご好評いただいている、電動で自走しながら自動で芝を刈り取るロボット芝刈機「Miimo(ミーモ)HRM520」を2017年6月に日本と米国で発売しました。本体、充電ステーション、芝刈り作業範囲を設定するエリアワイヤーの3つで構成され、作業範囲内の芝を自動で刈ります。さらに、充電残量を検知して自ら充電ステーションに戻り、再充電を行う自動充電機能を搭載するなど、芝刈り機能の自動化を実現しています。曜日・時間・エリアを任意に設定することで、お客様のさまざまなニーズに合わせて芝刈り作業を自動で行うことができます。加えて、毎日伸びる芝の先を細かく刈り、芝の根元へ落とすため、集草・廃棄の手間が省け、芝刈りにかけていた労力を大幅に軽減すると共に、刈った芝は肥料となり芝の青さを保たせます。静粛性に優れ、環境にも配慮した芝刈機で、高い作業性能と耐久性を実現しています。

また、ハンディータイプ蓄電機「LiB-AID(リベイド)E500」を2017年9月に全国のホンダカーズにて発売しました。Honda独自の正弦波インバーター技術による高品質な電気の供給が可能な最大出力500W(VA)のハンディータイプ蓄電機です。家庭用コンセント、もしくは車のアクセサリーソケットから充電でき、繰り返し使えるリチウムイオン電池を搭載することで、屋内外のさまざまなシーンで活躍するポータブル電源として利用できます。

その他の事業に含まれる航空機エンジンでは、「サステナブルな事業体制を確立し、業界での地位を築く」の方針のもと、「HF120エンジン」の生産やサービス体制の確立・コスト低減を進めてまいりました。

また、航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。「HondaJet」は造波抵抗を軽減させる主翼上面エンジン配置形態技術、自然層流技術、一体成型による複合材製胴体技術、先進アビオニクスなどを採用することで他社を圧倒する性能、商品性を実現し、2017年暦年には、納入機数が小型ジェット機カテゴリーにおいて世界第1位となりました。さらに2018年1月には中国におけるディーラーが稼動を開始し、同年2月にはフランスのエアタクシーサービス提供会社から16機の受注を受けるなど、多くのお客様から非常に高い評価を受けています。生産につきましては、生産効率の改善に取り組み安定的に月産4機での生産が可能となりました。

パワープロダクツ事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、262億円となりました。

 

当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で21,300件以上、海外で27,200件以上の特許権を保有しています。また、出願中の特許が国内で6,300件以上、海外で14,200件以上あります。当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。