当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高11兆7,200億円と前連結会計年度に比べ4,695億円(3.9%)の減収となった。営業利益は7,422億円と前連結会計年度に比べ511億円(6.4%)の減益となった。
営業外損益は1,225億円の利益となり、前連結会計年度に比べ535億円の増益となった。これは主に、持分法による投資利益の増加によるものである。その結果、経常利益は8,647億円と前連結会計年度に比べ24億円(0.3%)の増益となった。特別損益は1,005億円の利益となり、前連結会計年度に比べ2,299億円改善した。税金等調整前当期純利益は9,652億円と前連結会計年度に比べ2,323億円(31.7%)の増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は6,635億円となり、前連結会計年度に比べ1,397億円(26.7%)の増益となった。
セグメントの業績は、次のとおりである。
① 自動車事業
当社グループの全世界における自動車販売台数(小売り)は、562万6千台と前連結会計年度に比べ20万3千台(3.7%)の増加となった。日本国内では前年度比2.6%減の55万7千台、中国では前年度比8.4%増の135万5千台となった。メキシコとカナダを含む北米では前年度比5.9%増の213万台、欧州では前年度比3.0%増の77万6千台、その他地域は前年度比3.3%減の80万8千台となった。
自動車事業の業績は、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、10兆9,052億円と前連結会計年度に比べ4,759億円(4.2%)の減収となった。
営業利益は、5,347億円と前連結会計年度に比べ53億円(1.0%)の減益となった。これは主に、為替変動の影響によるものである。
② 販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、9,832億円と前年連結会計年度に比べ183億円(1.9%)の増収となった。営業利益は1,839億円と前連結会計年度に比べ482億円(20.8%)の減益となった。
なお、所在地別に区分した業績は、次のとおりである。
a.日本
・売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、4兆7,184億円と前連結会計年度に比べ2,141億円(4.8%)の増収となった。
・営業利益は4,101億円となり、前連結会計年度に比べ1,065億円(35.1%)の増益となった。
主な増益要因は、購買コスト削減等である。
b.北米
・売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、6兆3,517億円と前連結会計年度に比べ1,487億円(2.3%)の減収となった。
・営業利益は2,877億円となり、前連結会計年度に比べ1,114億円(27.9%)の減益となった。
主な減益要因は、為替変動と販売奨励金の増加等である。
c.欧州
・売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、1兆9,206億円と前連結会計年度に比べ52億円(0.3%)の増収となった。
・営業損失は252億円となり、前連結会計年度に比べ110億円の悪化となった。
主な悪化要因は、為替変動等である。
d.アジア
・売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、1兆6,096億円と前連結会計年度に比べ1,779億円(10.0%)の減収となった。
・営業利益は619億円となり、前連結会計年度に比べ256億円(29.2%)の減益となった。
主な減益要因は、為替変動と販売台数の減少等である。
e.その他
・売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、1兆229億円と前連結会計年度に比べ1,459億円(12.5%)の減収となった。
・営業損失は158億円となり、前連結会計年度に比べ218億円の悪化となった。
主な悪化要因は、販売奨励金の増加等である。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1兆3,355億円増加、投資活動により1兆3,776億円減少、財務活動により3,206億円増加した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により349億円減少し、連結範囲の変更に伴い54億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し2,490億円(25.1%)増加の1兆2,411億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって生み出された資金は1兆3,355億円となり、前連結会計年度の9,270億円に比べて4,085億円増加した。主として、税金等調整前当期純利益の増加、法人税等の支払額の減少及び仕入債務の増加幅の拡大による収入が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は1兆3,776億円となり、前連結会計年度の1兆2,293億円に比べて1,483億円増加した。これは主として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が増加したものの、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって生み出された資金は3,206億円となり、前連結会計年度の5,306億円に比べて2,100億円減少した。これは主として、社債の発行による収入が増加したものの、短期借入金の純増加額が減少したこと及び自己株式の取得による支出が増加したことによるものである。
|
会社所在地 |
生産台数(台) |
増減 |
前年同期比 |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
(台) |
(%) |
|
|
日 本 |
849,356 |
1,015,033 |
165,677 |
19.5 |
|
米 国 |
994,807 |
990,938 |
△3,869 |
△0.4 |
|
メキシコ |
830,194 |
863,915 |
33,721 |
4.1 |
|
英 国 |
478,057 |
518,471 |
40,414 |
8.5 |
|
スペイン |
98,904 |
124,880 |
25,976 |
26.3 |
|
ロシア |
35,844 |
39,475 |
3,631 |
10.1 |
|
タ イ |
127,292 |
116,794 |
△10,498 |
△8.2 |
|
インドネシア |
41,676 |
25,465 |
△16,211 |
△38.9 |
|
フィリピン |
2,121 |
3,772 |
1,651 |
77.8 |
|
インド |
227,178 |
317,347 |
90,169 |
39.7 |
|
南アフリカ |
33,527 |
30,590 |
△2,937 |
△8.8 |
|
ブラジル |
43,433 |
51,265 |
7,832 |
18.0 |
|
エジプト |
15,487 |
16,733 |
1,246 |
8.0 |
|
合計 |
3,777,876 |
4,114,678 |
336,802 |
8.9 |
(注) 台数集約期間は平成28年4月から平成29年3月までである。
当社グループの受注生産は僅少なので受注状況の記載を省略する。
|
仕向地 |
販売台数(連結売上台数:台) |
増減 |
前年同期比 |
||
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
(台) |
(%) |
||
|
日 本 |
|
552,485 |
535,747 |
△16,738 |
△3.0 |
|
北 米 |
|
1,996,165 |
2,163,031 |
166,866 |
8.4 |
|
|
内、米国 |
1,501,808 |
1,604,053 |
102,245 |
6.8 |
|
欧 州 |
|
748,681 |
791,482 |
42,801 |
5.7 |
|
アジア |
322,907 |
395,333 |
72,426 |
22.4 |
|
|
その他 |
|
548,309 |
523,161 |
△25,148 |
△4.6 |
|
合計 |
|
4,168,547 |
4,408,754 |
240,207 |
5.8 |
(注) 台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は平成28年1月から平成28年12月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは平成28年4月から平成29年3月までである。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、人々の生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、その実現のために、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供することを目指していく。またそれらはアライアンスのもとに行っていく。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、平成28年度までの6年間の中期経営計画「日産パワー88」のもと、販売台数、生産能力及び売上高において大きな成長を遂げるとともに、事業運営効率を向上し、収益性を高めることができた。平成29年度は、「日産パワー88」を通じて築かれたしっかりとした事業の土台に加え、積極的にアライアンスの力を活用し、次のステップの成長に向けて進み始める年度となる。
当社グループは、平成29年度も、グローバルで戦略的な新商品を投入し、日産、インフィニティ及びダットサンの各ブランド力の一層の強化を進めていく。特に技術の日産としてのDNAを大きなバックとし、その上に「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」による進化を重ね、しっかりとした日産の顔づくりを進める。その一環として、欧州向けの「キャシュカイ」へ「プロパイロット」を搭載し、新技術の商品化をグローバルに進めるとともに、新型「リーフ」を、国内を皮切りに、北米、欧州へ順次投入し、「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」を、さらに強化していく。
また、当社グループは自動車業界において起きつつある大きな技術革新と、市場環境や自動車の利用形態等の変化をチャンスと捉え、技術及び事業展開の両面で進化を図っていく。この取組みには、アライアンスの力が必要不可欠であり、当社グループはその力を最大限に活用していく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。
1.世界経済や景気の急激な変動
当社グループの製品・サービスの需要は、それらを提供している国又は地域の経済状況の影響を強く受けている。従って、日本、中国、アメリカ、メキシコ、ヨーロッパ、アジア、中南米、中近東、アフリカなど当社グループの主要な市場における経済や景気及びそれに伴う需要の変動については、正確な予測に努め必要な対策を行っているが、世界同時不況など予測を超えた急激な変動がある時は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
原油価格の高騰など資源やエネルギー情勢の急激な変化により当社グループの製品・サービスに対する需要も大きく変動する。ガソリン価格が上昇すれば燃費の良い製品に需要がシフトすることが予測され、更に上昇すれば全体の需要は低下することも予測される。予測を超えた急激な変動がある時は業績の悪化や機会損失の発生等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
2.自動車市場における急激な変動
自動車業界は世界規模で非常に厳しい競争にさらされている。当社グループもその競争に打ち勝つべく、お客様のニーズにあった製品を素早く提供できるように技術開発・商品開発や販売戦略において努力しているが、お客様ニーズに合う製品をタイムリーに提供できなかった場合や、環境や市場の変化への対応が不十分な場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
例えば、成熟市場では人口の減少や少子高齢化の進行により需要が減退したり変化したりする一方で、新興市場では大きく需要が増える可能性もある。これらはビジネスチャンスとして当社グループに有利な結果をもたらす可能性もある一方、特定商品や特定地域への過度な依存が発生し、次なる変化への対応が十分に行われない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、近年、自動運転技術が製品に搭載され販売されてきているが、完全自動運転など、この技術が安全で付加価値を生む新たな製品として成立すれば、次世代に向けた大きな成長・発展の機会となる。そのためには、公道走行における新たなルール作りが不可欠であり、各国規制当局との連携、自動車メーカー並びに関連技術を有する会社同士での協調が極めて重要である。その一方で、新技術の開発という点では、各国、メーカー共に激しい競争状態にもあり、開発費負担の増大、車両コストの増加等により、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
3.金融市場に係るリスク
当社グループは世界20カ国・地域で完成車の生産を行い、170カ国以上の国々で販売している。原材料や部品、サービスの調達も多くの国で行っている。
当社の連結財務諸表は日本円で表示するため、一般的に他の通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、反対に円安は好影響をもたらすことになる。また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値が上昇した場合、それらの地域の生産コストを押し上げ、当社グループの競争力の低下をもたらす可能性がある。
市場金利の上昇や自身の格付け低下による調達コストの上昇は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループは外貨建債権債務の為替変動のリスク回避、変動金利で調達した有利子負債の金利変動リスク回避及び、コモディティの価格変動リスク回避を目的として、デリバティブ取引を行うことがある。こうしたデリバティブ取引によりリスクを回避することができる一方で、為替変動、金利変動、コモディティ価格の変動によってもたらされる利益を享受できないという可能性もある。
当社グループは、戦略的な理由や取引関係維持、キャッシュマネジメント等の理由により市場性のある有価証券を保有する場合があり、それらの有価証券の価格変動リスクを負っている。このため株価や債券価格の変動は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
金融市場に通常の想定を超える環境変化が発生した場合においても、当社グループでは十分な資金の流動性を確保できるよう社内規定を整備し、内部資金の蓄積や金融機関とのコミットメントライン、調達手段や調達地域の多様化等、あらゆる資金捻出・調達ソースの確保に取り組んでいる。しかしながら市場環境に予期せぬ大規模な変化が発生した場合には、当初計画通りの資金調達に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
販売金融事業は当社グループにとって重要なビジネスのひとつである。グローバル販売金融ビジネスユニットは、徹底したリスク管理により高い収益性と健全な財務状態を維持しながら自動車販売を強力にサポートしている。しかし、販売金融には、金利変動リスク、残存価格変動リスク、信用リスク等のリスクが避けられない。これらのリスクが予想を超えて顕在化した場合には当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは販売会社、金融機関、サプライヤーなど様々な地域の数多くの取引先と取引を行っており、取引先の債務不履行などが発生するリスクに晒されている。当社グループは、これらの取引先の財務情報をもとに継続的な評価を行うことで、かかるリスクを削減するよう努めている。しかしながら、世界的な経済危機をきっかけにした、販売会社、金融機関およびサプライヤーの経営破たんのような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
4. 事業戦略や競争力維持に係るリスク
当社グループの販売は世界170カ国以上、完成車の生産も20の国と地域で行っており、今後も新興国を中心に更に拡大していく可能性がある。海外市場への事業進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討も十分行っているが、進出した先で予期しないリスクあるいは想定を超えるリスクが顕在化した場合には計画通りの操業度や収益性を実現できず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
・ 不利な政治的又は経済的要因
・ 法律又は規制の変更
・ 法人税、関税その他税制の変更
・ ストライキ等の労働争議
・ 優秀な人材の採用と定着の難しさ
・ テロ、戦争、クーデター、デモ、暴動、大規模自然災害、伝染病、その他の要因による社会的混乱
当社グループが開発する技術は、世の中のニーズに即し、有用かつ現実的で使い易いものでなくてはならない。この目的のため当社グループは、将来のニーズを予測し、優先順位をつけ、新技術の開発に投資している。しかし、予測を超えた環境の変化や世の中のニーズの変化、相対的な開発競争力の低下により、最終的にお客様にその新技術が受け入れられない可能性もあり、その結果当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
当社グループはより高い競争力を短期間で獲得するために優れた技術を有する他の企業と戦略的に提携することがある。しかしながら、当該分野の市場環境や技術動向の変化、提携先との活動の進捗状況によっては予定した成果を享受できない可能性もあり、その結果当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、優れた品質の製品・サービスを提供するため、開発・製造から販売・サービスまできめ細かい管理体制を敷き最善の努力を傾けている。しかしながら、より高い付加価値を提案するための新技術の採用は、それが十分に吟味されたものであっても、後に製造物責任や製品リコールなど予期せぬ品質に係る問題を惹起することがある。また、今後自動運転技術が発展し、かつ広く普及していった場合は、運転者の関与の希薄化に伴い、より製造者側の責任が問われるようになることも想定される。製造物責任については賠償原資を確保するため一定の限度額までは保険に加入しているが、必ずしもすべての損害が保険でカバーされるとは限らない。またお客様の安全のため実施したリコールが大規模なものになった場合には多額のコストが発生するだけでなく、ブランドイメージが低下する等、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
自動車業界は、排出ガス基準、CO2/燃費基準、騒音、リサイクル等、環境や安全に係る様々な規制の影響を受けており、これらの規制はより一層厳格になってきている。特にクルマの使用時に排出されるCO2量は、企業活動に伴う排出量に比較して著しく多く、気候変動による規制等のリスクが生じる可能性がある。法規制を遵守することは当然であるが、企業の社会的責任として自主的により高い目標を掲げ取組んでいる分野も増えている。当社グループは競合他社に対する優位性を保つため中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」を掲げ、環境に対する継続的な取り組みを社内外にコミットしているが、開発や投資の負担は増加しており、これらコストの増加は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、上記取組みを行ったとしても、株主やお客様等のステークホルダーから、他社との比較において優位性を持たないと評価された場合には株価や販売に負の影響を及ぼし、その結果当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で様々な訴訟に発展することがある。それら訴訟については、当社グループ側の主張又は予測と異なる結果となるリスクは避けられず、場合によっては当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは、他社製品と差異化できる技術とノウハウを保持している。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展には不可欠なものである。これらの資産の保護については最善の努力を傾注しているが、特定の地域ではその保護が困難であり、又は限定的にしか保護されない状況にある。
当社グループは、このような特定の地域での知的資産を保護し、当社グループの知的活動の成果を守る活動を強化すること、さらには新たな知的資産を蓄積することを狙いとして、専門の部署を設け、ブランドの保護・創造活動を行っているが、第三者が当社グループの知的資産を侵害して類似した製品を製造・販売することを防止できない可能性がある。
当社グループでは人材は最も重要な財産と考え、グローバルで優秀な人材を採用するとともに、十分に能力を発揮してもらうため人材育成の充実や公平で透明性の高い評価制度の実現にも力を入れている。しかしながら優秀な人材確保のための競争は厳しく、計画通りに採用や定着化が進まなかった場合は、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性がある。
当社グループは個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じると共に、定期的に監査も行っている。更に、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいる。しかしながら、企業の社会的責任に対する社会の期待は年々増大しており、仮に、企業の社会的責任に照らして不適切な行為を行ったのが2次3次以降のサプライヤーや販売者であったり、あるいは当社グループが想定した販売ルート以外で流通したものであっても、当社グループ自身が社会的責任を追及され、対応の内容や迅速性が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、売上の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
5.事業の継続
日本を本拠とする当社グループにとって、現在そして今後も最大のリスクのひとつであり続けるものに地震リスクがある。当社グループでは、地震リスクマネジメントに関する基本方針を設定するとともに、主要な経営会議メンバーで構成されるグローバルベースの地震対策組織を設置している。また、工場などの建屋や設備などの耐震補強も積極的に推進している。しかし、想定を超えた大規模な地震により大きな損害が発生し、操業を中断せざるを得ないような場合は、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
また、地震以外にも、台風や洪水、噴火、新型インフルエンザの流行等様々なリスクを想定し、事前の予防対策及び発生時の緊急対応体制の整備等を行っているが、想定を超えた規模で発生した場合などは当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
東日本大震災や熊本地震等の災害を契機として、下記のような従来想定していなかった様々なリスクも顕在化した。
・ 計画停電の実施や長期に亘る電力不足により、工場の操業が大きく制限されるリスク
・ 原子力発電所からの放射能汚染による立入制限や避難指示により、対象地域内の工場やサプライヤーが復旧または操業できないリスク
・ 放射能汚染を理由とする、部品・製品の受け入れ制限や遅延のリスク、及び風評による売れ行き低下のリスク
・ 「南海トラフ巨大地震」等で想定される、従来の高さと範囲を大きく超える津波のリスク
・ 日本国内各地に数多く存在する活断層型の地震によりサプライヤーが被災し、工場の操業が大きく制限されるリスク
当社グループではこれら顕在化した問題に対しても一つ一つ対策を検討・実行し、問題解決の努力を続けているが、当社グループだけでは対応できない問題も多く、また、対応のためのコストも発生するため、業績や財務状況に対する影響は避けられない可能性がある。
当社グループは事業の構造上、多数の取引先から原材料や部品及びサービスを購入している。また、最近は新技術の導入に伴い、産出量が少ないだけでなく産出が特定の国に限られる希少金属の使用も増えている。需給バランスの急激な変動や産出国における政情の変化等により予期せぬ市況変動が起こった場合は、必要な原材料・部品等を継続的安定的に確保出来なくなる可能性もあり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
より高い品質や技術をより競争力ある価格で調達しようとすると、発注が特定のサプライヤーに集中せざるを得ないことがある。また、特別な技術を要するものについてはそもそも提供できるサプライヤーが限定されることもある。当社では、2次3次以降のサプライヤーを含めてサプライチェーンの見直しを行い、その強化に取組んでいるが、予期せぬ事由によりサプライヤーからの供給が停止したり、遅延や不足が生じた時は、当社グループの操業も停止し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループの殆ど全ての業務は情報システムに依存しており、システムやネットワークも年々複雑化高度化している。今や、これらシステムネットワークのサービス無くしては業務の遂行は到底不可能である。この状況に対して大規模な自然災害、火災、停電等の事故は引き続き当該システムに対して脅威であり、更にコンピュータウイルスへの感染やより巧妙化しているサイバー攻撃など人為的な脅威も急激に高まっている。
当社グループではそれらのリスクに備え事業継続計画(BCP)の策定、セキュリティ対策の向上等、ハード面・ソフト面両方に亘る様々な対策を実施している。しかしながら、想定を超える災害の発生、サイバー攻撃の発生やウイルス等への感染が発生した場合には、システムダウンによる業務の停止、重要なデータの消失、機密情報や個人情報の盗取や漏えい等のインシデントを引き起こす可能性がある。その結果、当社グループの業績や信頼性に対する評判、財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
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契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約年月日 |
|
日産自動車株式会社 (提出会社) |
ルノー |
フランス |
資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約 |
平成11年3月27日 |
|
日産自動車株式会社 (提出会社) |
ダイムラーAG |
ドイツ |
資本参加を含む戦略的協力に関する提携契約 |
平成22年4月7日 |
|
ルノー |
フランス |
|||
|
日産自動車株式会社 (提出会社) |
三菱自動車工業株式会社 |
日本 |
資本参加を含む自動車事業全般にわたる提携契約 |
平成28年5月25日 |
当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は4,904億円であった。
当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。
当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に車両開発を日産車体(株)、(株)日産テクノ、日産ライトトラック(株)、ユニット開発を愛知機械工業(株)、ジヤトコ(株)などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。
米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、米国の日産総合研究所シリコンバレーオフィスにおいて、自動運転車両の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。
アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。
また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。
ルノーと当社は、経営資源の効率的な活用を目指し、両社間で行う次世代技術の研究領域における役割を分担し、共通プラットフォームの採用、共通パワートレイン戦略の策定・実行、そして世界中の実験施設の適正化を加速させている。また、ダイムラーとの戦略的協力関係においては、パワートレインやプラットフォームの共用に取り組んでいる。
国内にて、同一車線自動運転技術「プロパイロット」搭載の新型「セレナ」を発売、「ノート」にe-POWERモデルを追加した。海外では、北米において新型「アルマーダ」、欧州において新型「マイクラ」、中国において新型「ティーダ」、ヴェヌーシアブランドからSUV「T90」、南米ではクロスオーバー「キックス」を発売した。また、インフィニティブランドから新型「Q60」を発売、ダットサンブランドからアーバンクロス「redi-GO」を発売した。
環境面においては、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」の3つの重点領域である、「低炭素化」「再生可能エネルギーへの転換」「資源の多様化」を推進するための活動として「ゼロ・エミッション車の普及」「低燃費車の拡大」「カーボンフットプリントの最小化」「新たに採掘する天然資源の最小化」「環境マネジメントの推進」という5つのテーマを掲げ、技術開発を行っている。
「ゼロ・エミッション車の普及」では、48ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加している。2017年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は26万台を突破、「e-NV200」とヴェヌーシア「e30」を含めた電気自動車全体のグローバル累計販売台数では28万台を超えた。2015年度には航続距離280km(JC08モード)を実現する容量30kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載した「日産リーフ」が日本、米国、欧州で販売された。加えて日産の電気自動車2車種目の「e-NV200」が、2017年3月現在、欧州や日本を含む26ヵ国で発売されている。スペインのバルセロナやオランダのアムステルダムでは「e-NV200」タクシーが運行を始めており、日本でも都市部の貨物配送事業者や地方自治体などさまざまなビジネスシーンで使用されている。
EVが送電網(グリッド)とつながり社会と融合することは、エネルギー供給のグリッド全域での最適化に貢献する。現在日本では、「Vehicle to Home(V2H)」の取り組みとして、5,800世帯以上が家庭のエネルギー消費の管理にEVを活用している。また日本と欧米では、「Vehicle to Building(V2B)」の取り組みとして、数百台のEVが建物への電力供給に利用されている。
一方、「低燃費車の拡大」では、日本、中国、欧州、米国で販売する日産車の燃費改善を進めている。「リチウムイオンバッテリー」「インテリジェントデュアルクラッチコントロールハイブリッドシステム」「エクストロニックCVT(無段変速機)」の3つをコア技術と位置づけ、車室内空間、用途、価格を考慮しながらクルマに最適な低燃費技術を採用し市場に投入する。2016年度は、中国に投入した「マキシマ」、「ティーダ」がクラストップとなる燃費(*1)を実現した。日本に投入した「ノート e-POWER」では、100%モーターで動力を制御し、エンジンは発電のみに特化することで最も効率の良い運転条件で発電が可能となり、クルマが使われる頻度の高い市街地走行時において従来型ハイブリッドシステム車に対し、クラストップの燃費(*2)を実現している。
燃費向上のための車両軽量化も推進している。日産は、高強度と高成形性を両立できる世界初1.2G級を含めた高張力鋼板への置換によって、薄肉化による軽量化を実現している。これまでに発売したインフィニティ「Q50」(日本では「スカイライン」)、北米「ムラーノ」に続き、2016年にはインフィニティ「Q60」にも高張力鋼板への置換を拡大した。この高張力鋼板への置換を今後も推進し、2017年以降発売する新型車で高張力鋼板の適用率を25%まで拡大していく計画である。
安全面においては、日産車がかかわる死者数を2015年までに1995年比で半減させることを目指し、日本、米国、欧州(英国)で達成している。現在は、2020年まで日本、米国、欧州(英国)でさらに半減させるという高い目標に向かって活動を続けており、死者数を実質ゼロにすることが日産の究極の目標である。目標の達成に向けて、事故そのものの削減が重要と考え、「クルマが人を守る」という考え方“セーフティ・シールド”に基づき、人を危険に近づけないようクルマがサポートする技術開発を進めている。特に前方車両との衝突回避を支援する「エマージェンシーブレーキ」の採用拡大を進めており、2015年度末時点で、日本国内のほぼすべてのカテゴリーで搭載を完了するとともに、主要車種への標準装備も完了した。加えて、ビジネスをサポートする商用車についても、積極的に先進安全装備を採用することで、事故の低減によるドライバーの安全確保に取り組んでいる。2015年2月の「NV100クリッパー」、2016年1月の「NV350キャラバン」に続き、2016年11月には「NV150AD」に「エマージェンシーブレーキ」を採用拡大した。
米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にてインフィニティ「QX60」、日産「アルティマ」「マキシマ」「パスファインダー」が最高評価となる5つ星を獲得した。米国道路安全保険協会(IIHS)にて、日産「アルティマ」「マキシマ」「ローグ」が最高評価となる「2017トップセーフティピックプラス(TSP+)」を獲得した。欧州では、欧州新車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)にて、インフィニティ「Q30」が最高評価となる5つ星を獲得した。
さらに、交通事故低減に大きな効果が期待できる自動運転技術の投入スケジュールを発表し、2016年8月には、高速道路上の単一レーンの自動運転技術「プロパイロット」を新型「セレナ」に搭載した。「プロパイロット」は、渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンで、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動で制御し、ドライバーの負担を軽減する。新型「セレナ」における、2016年8月の発売から2017年2月末までの「プロパイロット」装着率は56%で、約3万6,000台が同技術搭載車となっている。2018年には高速道路上の複数レーンで危険回避や車線変更を自動的に行う自動運転技術を投入する予定である。2020年には、十字路や交差点を含む一般道でドライバーの操作介入なしに走行できる自動運転技術を導入する予定である。また、2015年10月より、国内と米国において高速道路・一般道を含むルートを目的地まで自動運転で走行する実験車両での公道テストを開始した。
当社グループは、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
*1: 発売時点。「マキシマ」は、7.8L/100km、「ティーダ」は、5.3L/100km(中国基準)
*2: 発売時点。「ノート e-POWER S」は、37.2km/L(日本基準)
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる事項」に記載しているが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
当社グループは、売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上している。将来、顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性がある。
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に翌期以降保証期間内の費用見積り額を計上している。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、研究開発・製造から販売サービスまで最善の努力を傾けているが、実際の製品の不具合等により発生した保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
(販売状況)
当連結会計年度のグローバル全体需要は前年度比5.3%増の9,181万台となった。当社グループのグローバル販売台数は、前年度比3.7%増の562万6千台に達した。
日本国内の全体需要は前年度比2.8%増の508万台となった。当社グループの販売台数は、4月の「デイズ」、「デイズ ルークス」の販売停止を受け、前年比2.6%減の55万7千台となり、市場占有率は11.0%となった。7月には「デイズ」、「デイズ ルークス」の販売を再開し、その後に発売した「セレナ プロパイロット」「ノート e-POWER」の貢献により、年度後半の市場占有率は改善している。
中国の全体需要は前年度比13.2%増の2,688万台となった。当社グループの販売台数は「エクストレイル」、「シルフィ」、「キャシュカイ」の貢献により、135万5千台となり、市場占有率は5.0%となった。
メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前年度比0.8%増の2,110万台となった。当社グループの販売台数は前年度比5.9%増の213万台となった。
米国の全体需要は前年度比0.7%減の1,749万台となった。当社グループの販売台数は「ローグ」、「アルティマ」の貢献により、前年度比4.2%増の158万1千台となり、市場占有率は9.0%となった。
欧州の全体需要は前年度から5.8%増の1,946万台となり、ロシアを除く当社グループの販売台数は「キャシュカイ」、「ナバラ」の貢献により前年度比7.2%増の68万3千台となった。一方、ロシアにおける当社グループの販売台数は前年度比19.7%減の9万3千台となった。
その他市場における当社グループの販売台数は、前年度比3.3%減の80万8千台となった。アジア・オセアニアにおける販売台数は前年度比4.5%減の34万1千台となり、中東における販売台数は前年度比5.4%減の19万8千台となり、アフリカにおける販売台数は前年度比10.7%減の8万7千台となった。一方、中南米における販売台数は全体需要の伸びを上回る前年度比6.0%増の18万2千台となった。
(業績)
① 売上高
連結売上高は前連結会計年度に対し4,695億円(3.9%)減少し、11兆7,200億円となった。主な減収要因は、海外売上高における為替の換算影響である。
② 営業利益
連結営業利益は7,422億円、売上高営業利益率は6.3%となった。前連結会計年度の営業利益に対し511億円(6.4%)の減益となった。
営業利益の減益要因は、為替相場の変動影響等によるものである。
③ 営業外損益
連結営業外損益は1,225億円の利益となり、前連結会計年度の690億円の利益に対し、535億円の増益となった。これは主に、持分法による投資利益の増加によるものである。
④ 特別損益
連結特別損益は1,005億円の利益となり、前連結会計年度の1,294億円の損失に対し、2,299億円改善した。これは主に、関係会社株式売却益の計上によるものである。
⑤ 法人税等
法人税等は2,647億円となり、前連結会計年度に比べ846億円の増加となった。
⑥ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は370億円となり、前連結会計年度に比べ80億円の増加となった。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は6,635億円となり、前連結会計年度に比べ1,397億円(26.7%)の増益となった。
⑧ 自動車事業実質有利子負債
当連結会計年度末の自動車事業における手元資金は有利子負債額を上回り、1兆6,350億円のキャッシュ・ポジションとなった。
⑨ 自動車事業フリーキャッシュ・フロー
当連結会計年度における自動車事業のフリーキャッシュ・フローは6,771億円のプラスとなった。
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1兆3,355億円増加、投資活動により1兆3,776億円減少、財務活動により3,206億円増加した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により349億円減少し、連結範囲の変更に伴い54億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し2,490億円(25.1%)増加の1兆2,411億円となった。
営業活動
営業活動によって生み出された資金は1兆3,355億円となり、前連結会計年度の9,270億円に比べて4,085億円増加した。主として、税金等調整前当期純利益の増加、法人税等の支払額の減少及び仕入債務の増加幅の拡大による収入が増加したことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1兆3,776億円となり、前連結会計年度の1兆2,293億円に比べて1,483億円増加した。これは主として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が増加したものの、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動によって生み出された資金は3,206億円となり、前連結会計年度の5,306億円に比べて2,100億円減少した。これは主として、社債の発行による収入が増加したものの、短期借入金の純増加額が減少したこと及び自己株式の取得による支出が増加したことによるものである。
当社グループは、当社財務部にグローバルトレジャラーの機能を持たせ、全世界のグループ会社の財務活動を一括して管理している。またグローバル・キャッシュ・マネジメントにより資金効率を最大限に高める活動を行っている。
当社グループは、研究開発活動、設備投資及び金融事業に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としている。
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
当社グループによる無担保資金調達に係わるコスト及びその発行の可否は、一般に当社グループに関する信用格付けによっている。現在、当社グループの信用格付けは投資適格のレベルとなっているが、これらの格付けは当社グループの債券の売買・保有を推奨するものではない。