(1)業績
当事業年度における経済環境は、海外では米国において住宅等の民間需要により緩やかな景気回復が続き、欧州においても持ち直しつつありました。一方、中国では成長スピードが減速して弱含みで推移しました。国内では企業収益の改善や個人消費の増加など、景気は回復傾向にありました。
このような経済環境のもと、日東電工グループは、当事業年度を「越える年」と位置づけ、一人一人がこれまでの意識を越えて果敢にチャレンジすることで、世界で戦う実力を身につけることに取り組みました。ブランド刷新による知名度や認知度の拡大、本社と大阪支店の移転統合による業務効率の向上、更に全グループ従業員が持つべき共通の価値観や行動基準をわかりやすく示した新たな経営理念を制定するなど2018年の100周年に向け企業価値をグローバルに発展するための活動を展開しました。主力のエレクトロニクス業界では、スマートフォンやタブレット端末市場の成長に対し新製品の投入やタッチパネル用材料の生産能力増強など実行しました。自動車業界では生産台数の伸びを逃さず捉え、既存顧客の採用材料の拡大や新規顧客の開拓をグローバルに行いました。
以上の結果、売上高は前年度と比較し11.7%増(以下の比較はこれに同じ)の749,835百万円に、営業利益は5.5%増の72,254百万円となりました。経常利益は6.7%増の71,658百万円、当期純利益は16.8%増の51,018百万円となりました。
セグメントの業績概況
① インダストリアルテープ
自動車業界向けは円高の是正に加え、グローバルな自動車生産台数の伸び、更には海外生産拠点の生産性改善などにより、好調に推移しました。エレクトロニクス業界向けは、両面粘着テープやシーリング材料がスマートフォンやタブレット端末の市場拡大、および新規顧客への採用促進により堅調に推移しました。工業用途全般に使用される汎用性の高い両面粘着テープや耐熱性に優れるフッ素樹脂製品などは全体的に堅調に推移しました。また、住宅業界では消費税増税前の駆け込み需要で保護フィルムが好調でした。
以上の結果、売上高は283,059百万円(12.3%増)、営業利益は17,330百万円(41.9%増)となりました。
② オプトロニクス
情報機能材料では、液晶テレビ用パネルが中国エコ家電補助金の制度終了による影響を受けましたが、年末から一転して需要が回復するなど従来の季節要因では読み切ることの難しい状況にありました。加えて、想定していた以上のテレビ用パネルの価格下落の影響がありました。一方で、スマートフォンやタブレット端末用パネルでは、生産台数の拡大に伴い堅調に推移しました。タッチパネル用透明導電性フィルムは、競合する方式の透明導電性ガラスと比較して「より薄く、より軽く、割れない」との利点が認知され、採用が増加しました。同時に積極的な生産能力の増強により競合する透明導電性フィルムメーカーとの差別化を図りました。プリント回路は、スマートフォン用途では、年度を通じて顧客層の拡大ができたこと、更には年度後半にWindowsXPのサポート終了に伴うパソコン買い替えが生じたことでHDD(ハード・ディスク・ドライブ)用途の需要が回復したため順調に推移しました。プロセス材料は、主にスマートフォンやタブレット端末で使用される半導体市場が堅調であったため工程材および構造材一体型テープが好調に推移しました。なお、当セグメントでは平成25年3月期に半導体封止材料事業(光半導体向け封止材料は除く)を日立化成株式会社へ譲渡していますので、年度比較上では減収となっています。
以上の結果、売上高は452,543百万円(10.2%増)、営業利益は52,415百万円(7.1%減)となりました。
③ その他(メディカルおよびメンブレン)
メディカル(医療関連材料)は、経皮吸収型テープ製剤のひとつであるビソノテープ(高血圧治療用テープ製剤)が製造販売の承認を受け、出荷を開始しました。また、米国の核酸医薬グループ会社において核酸医薬の少量合成の受注が堅調に推移しました。メンブレン(高分子分離膜)は、中国やインド等、成長を続けてきた新興国市場において需要が減速する厳しい環境にありましたが、円高是正の効果に加え、メキシコなどの新市場における案件を受注することで全体としては堅調に推移しました。
以上の結果、売上高は37,745百万円(11.8%増)、営業利益は1,867百万円(436.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は203,446百万円となり、前連結会計年度末より51,171百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は78,286百万円(前連結会計年度は68,152百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益69,641百万円および減価償却費43,188百万円による増加、退職給付に関連する負債の減少額4,106百万円および法人税等の支払額25,664百万円による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は15,735百万円(前連結会計年度は56,269百万円の減少)となりました。
これは主に、固定資産の取得による支出74,250百万円による減少、定期預金の減少額60,277百万円による増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は18,131百万円(前連結会計年度は14,822百万円の減少)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出6,000百万円、配当金の支払額16,488百万円によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インダストリアルテープ |
186,526 |
115.6 |
|
オプトロニクス |
423,300 |
111.7 |
|
その他 |
37,373 |
105.9 |
|
合計 |
647,200 |
112.5 |
(注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
インダストリアルテープ |
281,044 |
112.4 |
|
オプトロニクス |
431,365 |
111.3 |
|
その他 |
37,424 |
110.8 |
|
合計 |
749,835 |
111.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)対処すべき課題
当社グループが、激しく変化し、多様性の増す経済、市場環境のなかでグローバルな成長を遂げるためには、常に危機感を持ち、実行スピードを加速し、社内外とのコミュニケーションを強化し、成果に結び付けることが重要と認識しております。
このような認識のもと、市場への基本行動である「三新活動(新用途開拓・新製品開発・新需要創造の三つの「新」を掲げたマーケティング活動)」をグローバルに強化し、お客様のニーズや市場の変化をいち早く捉える活動に引き続き取り組んでまいります。同時に、当社グループが注力していく新しい領域やエリアにおいて、最も適したビジネスモデル(開発・調達・生産・販売・物流・管理などの事業体制)の構築を推進してまいります。
セグメント別においては、それぞれ次の取り組みを重点的に実施いたします。
・インダストリアルテープ
基盤機能材料事業は、「三新活動」の強化による売上拡大に取り組むとともに、成長分野における戦略に注力し、中長期的に更なる事業成長を図ってまいります。自動車事業は、グローバル・アカウント・マネジメントを導入し、お客様に密着することによって、より高い価値の提供を追求してまいります。
・オプトロニクス
情報機能材料事業は、スマートフォンやタブレットPC市場が伸長しつつも低コスト化が進む状況を踏まえ、原価低減活動などを通じて収益力の向上に取り組んでまいります。半導体用材料およびプリント回路ならびにプロセス材料においては、スマートフォンやタブレットPC市場への対応を継続するとともに、需要が高まるデータセンター向けに、さらなる事業展開を進めてまいります。
・その他(メディカルおよびメンブレン)
メディカル(医療関連材料)は、現行事業の確実な実績化と将来の成長にむけてパイプラインを充実させてまいります。メンブレン(高分子分離膜)は、強固な事業基盤の構築を進めるとともに、新たな用途への展開を目指し、グローバルに活動してまいります。
(2)会社の支配に関する基本方針について
当社株式の大規模買付け行為に対する基本的な考え方は、以下のとおりであります。
当社は、株式の大量保有を目的とする買付けが行われる場合において、それに応じるか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えておりますが、一方では高値での売抜け等の不当な目的による企業買収の存在も否定できず、そのような買収者から当社の基本理念やブランドおよび株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預かる者として当然の責務であると認識しております。
現在のところ、当社株式の大量買付けに係る具体的な脅威が生じているわけでなく、また当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありませんが、当社としては、株主から付託を受けた経営者の責務として、当社株式の取引や株主の異動状況を常に注視するとともに、株式の大量取得を企図する者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じる方針です。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響をおよぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
(1)オプトロニクス事業
オプトロニクス事業の中の液晶表示用材料やタッチパネル用材料は、当社グループ売上の中核をなす事業です。この市場は多くの企業が参入し厳しい競争が続いております。当社の製品が使われている製品の市場動向の影響を受ける他、顧客である液晶パネルメーカーやタッチパネルメーカーとの関係、需給バランスの悪化、大幅な価格の下落およびパネルメーカーの再編・戦略の変更、技術の革新、競合他社との価格競争、さらに調達資材メーカーの生産能力不足や原材料の高騰などによる影響が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外での事業展開
当社グループは世界各国に事業進出し、グローバルな事業展開を積極的に推進しています。その一方で国によっては予想しない法令・税制・規制の変更や解釈の相違、商習慣の相違、雇用関係の悪化や労働争議、人件費の上昇、輸送遅延、電力停止、政治変動による社会混乱、戦争・テロなど不可避のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)世界政治経済の動向など
当社グループは製造・販売を世界各国に展開しています。このため、世界の政治経済の動向や金融不安が当社グループの業績に影響します。世界の政治の激変による想定を超えた経済環境の変化、為替レートの変動などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)M&Aなど
当社グループは市場競争を行う上で、優れた技術を有する企業の買収、事業提携など様々な形態で関係を構築することが不可欠です。しかし、このような買収などが期待どおりの効果を生まなかった場合、当社グループの業績や財務状態に影響を与える可能性があります。
(5)原材料の購入先
当社グループは原材料の一部を特定の購入先に依存しています。購入先を複数にするなど主要原料が確保できなくなるリスクを低減するよう努めておりますが、原料によっては特定の購入先に依存せざるを得ないものがあります。購入先の自然災害での被災、事故、倒産などにより供給が中断したり、需給関係のバランスがくずれ、必要な主要原料の確保ができなかったり、コスト上昇となる場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)顧客の財務状況
当社グループは世界各地の顧客について十分な信用調査をしたうえで取引を行っています。しかしながら、事業環境の変化が激しい顧客もあり、当社グループが売上債権を有する顧客に財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、液晶表示やタッチパネル関連材料の顧客は他の事業と比較して、一顧客当たりの債権額が大きいため、もし貸倒れが発生した場合には、回収不能額が多額に及ぶ可能性があります。
(7)新製品開発
当社グループが事業展開する分野は、技術革新とコスト競争力について厳しい要求があります。そのため当社はグローバルニッチトップ戦略に加え、そのエリア特有のニーズに対応した製品を供給していくエリアニッチトップ戦略のもとに、新技術や新製品、新用途、新市場開発、生産プロセス改革に必要な研究開発投資や設備投資をしています。しかしながら、市場の変化が激しい業界において、変化を予測することは容易ではありません。また他社の新技術や新製品の開発により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともありえます。これら予測を超える状況が生じた場合、将来の企業経営に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産
当社グループは多くの知的財産権を保有し、維持・管理しています。しかし、第三者から無効とされる可能性、特定の地域では十分な保護が得られない可能性や模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などもあり、知的財産権の保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品の欠陥
当社グループは国際的な品質管理システムにしたがって製品を製造し、顧客に信頼される品質管理を行っております。当社グループは、部材の企業間取引が事業の基本です。したがって最終消費者に対して直接的に賠償や回収を行う可能性は少ないと考えますが、製品の欠陥によるリスクを完全に排除することはできません。製造物賠償責任保険の適用を超える賠償などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)環境問題
当社グループは環境保全活動を重要な方針の一つとして掲げ、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止など社会的責任という観点に立って活動し、これまで当社グループは重大な環境問題を発生させたことはありません。当社グループは地球環境を守るため、法規制に従って自主的な削減計画を作り、実行しています。しかし、今後事故や自然災害により不測の環境汚染が生じる場合や、新たな環境規制の施行により多額の費用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)コンプライアンスと法的規制
当社グループの事業は日本のみならず、海外にも様々な分野で事業展開しております。これらの事業については各国の各種法規制の遵守に努めておりますが、法規制の強化や大幅な変更がなされた場合、各国の各種法規制と内部統制との一時的な不整合が生じ、当社グループの活動が制限され、新たなコストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟
当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で訴訟に発展することがあります。また当社グループは世界各地において事業活動を展開しており、予想できない訴訟が発生する可能性があります。それらの訴訟について当社グループ側の主張・予測と異なる結果となるリスクは避けられず、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)事故・災害
当社グループは安全第一の方針のもと、事故・災害などに対しての事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)を推進しております。特に地震については、日本は発生の確率が高く、大規模地震が発生した場合、直接的な被害を受けたり、製造工程において火災や化学物質により人的被害が発生したりする場合もあります。地震や津波、洪水といった大規模な自然災害の影響は自社のみに限定されず、電力・ガスなどのインフラ被害や、原材料の調達・物流・顧客など、広範囲にわたるサプライチェーンへの被害により、事業中断につながる可能性があります。また人命に影響を及ぼすような感染症の大流行があった場合、その特性によっては世界経済への影響も免れません。これらが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)情報システム
当社グループにとって情報システムは非常に重要な役割を担っており、また年々複雑になり高度化しています。この状況下において、大規模災害、火災、停電などの事故災害やサイバーテロなどの人為的脅威も急激に高まっています。当社では、セキュリティ対策の向上など、ハード面・ソフト面両方で様々な対策を実施していますが、これらの事故災害やサイバーテロなどにより情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)退職給付債務
当社グループの退職給付債務および退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識および計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社グループ(当社および連結子会社)における当連結会計年度の研究開発は、『“One-Basic Energy”で未来に踏み出そう!』というスローガンのもと「事業の成長」「質の向上」「人財の成長」の実行力を、One-Basic Energyでさらに高めることを目指してきました。特に安全第一を最優先課題とし、コミュニケーションを密にして目的・目標を共有し、スピードを常に意識して課題解決に取り組んでいます。そして、“グリーン”“クリーン”“ファイン”の事業領域において、新たな価値を提供し、グローバル化のセカンドステージを展開してきています。
CTO(Chief Technology Officer)を中心とするR&Dマネジメント体制をさらに強化し、「粘着技術」「塗工技術」「高分子機能制御技術」「高分子分析・評価技術」の4つのコア・テクノロジーをベースにして、様々な技術を融合し、ステークホルダーの皆様に新たな価値を提供し続けています。
その推進体制としては、全社技術機能には全社技術部門として、国内には基幹技術研究センター、環境・エネルギー研究センター、ライフサイエンス研究センター、機能設計技術センター、海外にはアドンバンストテクノロジーセンター(米国)、日東電工アジアテクニカルセンター(シンガポール)、日東電工ヨーロッパテクニカルセンター(スイス)を配置し、世界4極でのグローバルコーポレートR&D体制を確立しています。そして各事業執行体には開発部を配置し、各関係会社の研究開発部も含め相互に密接な連携をとりながら、技術立社としての基幹技術の深耕、新製品、新技術の開発に取り組んでいます。また、2013年(平成25年)10月にはNitto Innovations, Inc.(以下NII)を新設しました。NIIは米国シリコンバレーに拠点を構え、同地域周辺やその他地域における新技術・新事業を探索し、「多軸の創出」の一環としてベンチャー企業との連携を通じた新規事業の立ち上げを目指します。
当連結会計年度の研究開発部門の人員は、当社単体で956名、グループ全体で1,423名です。また、当グループが支出した研究開発費の総額は28,573百万円です。このうち、各事業セグメントに直接関連しない全社技術部門の研究開発費は10,433百万円です。
セグメント別の研究開発活動成果は下記のとおりです。
(1)インダストリアルテープ
モバイル市場に対して、薄層・耐衝撃性、通音性能向上のお客様の要望に応えるため、部品固定用両面接合テープ、クリーン超薄手発泡体、高機能多孔体“テミッシュ®”の高性能化・品揃えの拡充を行いました。中国および韓国顧客に対する製品開発のスピード対応、コミュニケーションの向上のため、韓国・中国にそれぞれ試作・サービス拠点を設立しました。
また、航空機分野での事業拡大をすすめ、防錆用シーリングテープ“AEROSEALTM”や塗装用マスキングテープなどの高性能化・品揃えによる商品グローバル展開を行いました。
自動車分野では、インド・ブラジル等新興国で防音・制振製品および鋼板補強材の現地生産を始めました。更に、お客様の海外生産の動きに対応した商品供給体制を構築していきます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は4,710百万円です。
(2)オプトロニクス
成長を続けているスマートフォン及びタブレットPC用途では、タッチパネルの性能の向上、ディスプレイサイズの大型化・薄型化・狭額縁化が進んでおり、これに対応するため、透明導電性ITOフィルム「エレクリスタ」の低抵抗化、薄型対応および薄型偏光板の開発、偏光板の加工精度向上に取り組んでいます。
コモディティ化が著しいTV用LCDに対してはRoll to Panel技術によりビジネスモデルを転換する対応を行なっており採算性の改善を図っています。また、LCD以外にもOLED用反射防止フィルムの製品開発も行なってきました。今後も新需要を創出する新製品開発を継続的に行なっていきます。
また液晶ディスプレイパネルはモバイルサイズ・TVサイズ共に中国での成長が著しく、中国のお客様に対応した製品開発・物量対応を行なっています。
プリント回路関係では、スマートフォンの高精細ディスプレイに対応するため、ノイズ対策を施したFPCが好調です。HDD(ハード・ディスク・ドライブ)分野においては、成長鈍化しておりますが、データーセンターを中心に高容量化のニーズは引き続き強く、CISFLEX、FPCともに配線微細化を中心とした新製品を継続的に創出していきます。
半導体分野では、スマートフォンに加え、タブレットの拡大により、フラッシュメモリー向けに使用されるダイアタッチフィルムが大きく伸長しました。熱伝導性などの機能を付与することにより、放熱問題が顕在化している通信、CPUなどへの用途展開により、更なる売上拡大を目指します。
半導体向けプロセス材料としては、耐薬品性、耐熱性などの機能を付与したプロセステープが好評です。成長が期待されるパワー半導体、TSVなどの新規プロセスへの展開を積極的に進めていきます。また、光半導体向けの封止材料に関しては、照度センサーなどへの用途展開を引き続き進めていきます。
LED照明分野におきましては、2013年度に熱硬化性シリコーン封止シートを中華圏の顧客より少額ながら初受注頂きました。現在、安定した受注拡大に向けて中国、台湾拠点における各種インフラを整備しています。また2014年度はLEDデバイスの新しい小型パッケージの技術開発に注力し、スペックイン活動を加速させていきます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は11,629百万円です。
(3)その他(メディカルおよびメンブレン)
医薬品関係では、世界初のβ1遮断薬含有経皮吸収型製剤(高血圧症)が日本で承認され、製造を開始しました。同じくリドカイン含有経皮吸収型製剤(ペンレス®テープ18mg:疼痛緩和)は、皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和の国内における追加承認を取得しました。
医療衛生材料関係では、皮膚保護用フィルムドレッシング材の中でも高い透湿性を有する「ブレスロール」を上市しました。また、筋肉サポート用として剥離時の痛みを抑えたスポーツシーンでも使用できる「キネロジEX」を上市しました。
核酸関係では、米国子会社の核酸原体製造受託会社であるNitto Denko Avecia Inc.にて、多数の前期~後期臨床試験用の核酸原体の製造案件を受託し、プロセス開発-製造を実施しました。また、2012年度に資産買収した旧Girindus America Inc.をNitto Denko Avecia Inc.(シンシナティ工場)として統合し、少量核酸原体合成(主に前臨床試験用)、放射性標識化合物製造、低分子有機合成においても、多数の案件を受託し、プロセス開発-製造を実施しました。
メンブレン関係では、市場の要求が年々厳しくなってきており、海水淡水化、その他用途においても、造水コスト低減を求める要望が増加しています。今後は、逆浸透膜の性能及び耐久性の向上、省エネルギー化に貢献できる製品開発を進めていきます。また、グローバル化を促進させ、メンブレンセパレーション技術により世界各地で最適な製品開発を行い、事業を拡大させていきます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は1,800百万円です。
(1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ40,402百万円増加し、781,352百万円となりました。流動資産は1,445百万円増加の484,468百万円、固定資産は38,956百万円増加の296,883百万円となりました。
流動資産の増加は、受取手形及び売掛金が7,153百万円増加したこと、商品及び製品が3,317百万円増加したこと、現金及び預金が8,279百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産の増加は、有形固定資産が前期末に比べ34,443百万円増加したこと等によるものであります。有形固定資産の増加は、情報機能材料の生産設備を中心に設備投資を行ったこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前期末に比べ4,208百万円増加し、254,052百万円となりました。流動負債は36,758百万円増加の212,441百万円、固定負債は32,550百万円減少の41,611百万円となりました。
流動負債の増加は、1年内償還予定の社債が50,000百万円増加したこと、未払法人税等が6,401百万円減少したこと、短期借入金が4,443百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債の減少は、社債が50,000百万円減少したこと、退職給付に関連する負債が13,965百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、前期末に比べ36,194百万円増加し、527,299百万円となりました。
これは、利益剰余金が、当期純利益により前期末に比べ32,181百万円増加したこと等によるものであります。
(2)経営成績
当連結会計年度(以下「当期」という)は、売上高は前期比11.7%増の749,835百万円となりました。海外売上高はアジア・オセアニア向けの情報機能材料等が伸長したことなどにより、前期比13.9%増の552,364百万円となりました。その結果、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前期の72.2%から73.7%に増加しました。
売上原価は、前期比12.3%増の539,051百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度と同水準の71.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比12.8%増の138,529百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期より0.2ポイント増加し18.5%となりました。
以上の結果、営業利益は前期比5.5%増の72,254百万円となりました。
営業外損益は、1,300百万円の損失(純額)から、596百万円の損失(純額)となりました。これは、主として補助金収入の増加によるものであります。
特別損益は、3,916百万円の損失(純額)から、2,017百万円の損失(純額)となりました。これは、主として関係会社株式売却損の減少によるものであります。
以上の結果、経常利益は前期比6.7%増の71,658百万円、税金等調整前当期純利益は前期比10.1%増の69,641百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、税金等調整前当期純利益の増加および税額控除等により、前期の19,067百万円から、当期は18,335百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は26.3%(前期は30.1%)となりました。
当期純利益は、前期比16.8%増の51,018百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前期比16.5%増の309円29銭となりました。
なお、セグメント別の売上および営業利益の概況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要」に記載しております。
(3)キャッシュ・フロー
当期のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。
|
|
平成23年3月期 |
平成24年3月期 |
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
63.9 |
66.5 |
65.9 |
67.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
110.9 |
84.1 |
123.9 |
104.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.7 |
1.0 |
0.9 |
0.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
90.4 |
61.2 |
70.1 |
83.0 |
(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
自己資本比率 自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率(%) 株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い
2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を
対象としております。