第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)における当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済の一部に緩慢な動きが見られるものの先進国を中心に回復しつつあり、徐々に持ち直すという状況で推移いたしました。

当社グループが属するエレクトロニクス業界においては、パソコンやテレビなどの市場が引き続き低迷しているものの、スマートフォンやタブレット端末市場が拡大するとともに、自動車の電装化が進展していることにより、電子部品の需要は堅調に推移いたしました。

このような状況下、当社グループは、成長戦略と構造改革を両輪とした収益改善策を実施しております。成長戦略については、成長機器であるスマートフォンやタブレット端末に対し、競争優位性のあるスーパーハイエンド商品の販売拡大を図るとともに、自動車電装や産業機器、ヘルスケア、環境エネルギー市場を注力すべき市場と位置付け、高信頼性商品のラインアップ拡充と販売体制の構築に努めてまいりました。一方、構造改革については、記録製品事業における事業構造改革を実施するなど、損益分岐点の改善に向けた取り組みを継続的に実施しております。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は2,082億22百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は113億58百万円(前年同期比134.2%増)、経常利益は121億92百万円(前年同期比71.3%増)、当期純利益は69億89百万円(前年同期比274.3%増)となりました。

当連結会計年度における期中平均の為替レートは1米ドル99.61円と前年同期の平均為替レートである1米ドル82.09円と比べ17.52円の円安となりました。

 

 製品別の売上高は次のとおりであります。

 

<電子部品事業>

 

[コンデンサ]

積層セラミックコンデンサが含まれます。

当連結会計年度は、すべての機器向けの売上が前年同期比で増加したことにより、売上高は1,042億33百万円(前

年同期比16.0%増)となりました。

 

[フェライト及び応用製品]

  メタル系パワーインダクタ「MCOILTM(エムコイル)」、巻線インダクタ、積層チップインダクタなどの各種イン

  ダクタ商品が含まれます。

  当連結会計年度は、民生機器向けの売上が前年同期比で減少したものの、情報機器向け、通信機器向け、自動車・

  産業機器向けの売上が前年同期比で増加したことにより、売上高は347億45百万円(前年同期比22.0%増)となり

  ました。

 

[複合デバイス]

  モバイル通信用デバイス(SAW/FBAR)、電源モジュール、高周波モジュール、部品内蔵配線板「EOMINTM(イオミ

  ン)」などが含まれます。

  当連結会計年度は、モバイル通信用デバイス(SAW/FBAR)、電源モジュールの売上が前年同期比で減少したことに

  より、売上高は42375百万円(前年同期比11.4%減)となりました。

 

[その他電子部品]

  エネルギーデバイスなどが含まれます。

  当連結会計年度の売上高は52億84百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

 

<記録製品その他事業>

 

[記録製品]

CD-R、DVD-R/DVD+R、BD-Rが含まれます。

当連結会計年度の売上高は142億32百万円(前年同期比7.7%減)となりました。

 

 

[その他]

主なものは関係会社における実装事業で、当連結会計年度の売上高は73億49百万円(前年同期比11.9%増)とな

りました。

 

なお、「第2 事業の状況」における各事項に記載の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

19,496

29,724

10,227

投資活動によるキャッシュ・フロー

△18,157

△18,947

△789

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,334

8,404

6,069

現金及び現金同等物に係る換算差額

2,934

2,165

△769

現金及び現金同等物の増減額

6,608

21,346

14,737

現金及び現金同等物の期首残高

26,671

33,280

6,608

連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△15

△15

現金及び現金同等物の期末残高

33,280

54,611

21,331

 

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは297億24百万円の収入(前年同期比52.5%増)となりま
した。主な要因は、税金等調整前当期純利益101億52百万円、減価償却費207億50百万円、事業構造改善費用8億62
百万円、仕入債務の減少19億70百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは189億47百万円の支出(前年同期比4.4%増)となりました。主な要因は、
固定資産の取得168億75百万円、定期預金の増加22億23百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは84億4百万円の収入(前年同期比260.0%増)となりました。主な要因
は、短期借入金の純減少99億3百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入200億71百万円であります。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して213億31百万円増加
し、546億11百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメント別及び製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 製品別

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 

 

  電子部品事業

 

 

コンデンサ

105,468

12.6

フェライト及び応用製品

35,887

21.5

複合デバイス

27,639

△17.4

その他電子部品

4,324

9.3

  電子部品事業 計

173,319

7.9

 

 

  記録製品その他事業

 

 

記録製品

7,326

△26.7

その他

7,664

16.7

  記録製品その他事業 計

14,990

△9.5

 合計

188,310

6.3

(注)1 金額は、期中の平均販売単価を用いております。

   2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメント別及び製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

製品別

受注高

(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

 

 

 電子部品事業

 

 

コンデンサ

105,457

14.0

14,271

9.4

フェライト及び応用製品

35,030

21.4

4,240

7.2

複合デバイス

42,583

△2.9

4,548

4.8

その他電子部品

4,942

△2.8

310

△52.4

  電子部品事業 計

188,013

10.4

23,371

6.2

 

 記録製品その他事業

 

記録製品

14,248

△7.2

143

12.5

その他

7,349

11.9

  記録製品その他事業 計

21,598

△1.4

143

12.5

 合計

209,611

9.1

23,514

6.3

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメント別及び製品別に示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 製品別

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 

 

 電子部品事業

 

 

コンデンサ

104,233

16.0

フェライト及び応用製品

34,745

22.0

複合デバイス

42,375

△11.4

その他電子部品

5,284

10.6

  電子部品事業 計

186,640

9.2

 

 記録製品その他事業

 

記録製品

14,232

△7.7

その他

7,349

11.9

  記録製品その他事業 計

21,582

△1.8

 合計

208,222

7.9

(注)1 主要な販売先は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

   2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

当社グループは、製品別に下記の対策を講じ、収益性と財務体質の改善に努めております。

 

(1) コンデンサ

スマートフォンやタブレット端末といった成長機器に向け、積層セラミックコンデンサの超小型品、超低背品や各サイズにおける最先端商品であるスーパーハイエンド商品を強化し、需要拡大にあわせた体制を整備してまいります。また、自動車電装や産業機器、ヘルスケア、環境エネルギーといった注力すべき市場に対しては、高品質・高信頼の商品ラインアップを強化してまいります。100μF以上の大容量ゾーンにおいては、電解コンデンサ市場へ積極的に展開することで、積層セラミックコンデンサ市場の拡大を促進し、さらなる成長を目指してまいります。一方、生産体制においては、引き続き国内で生産していたハイエンド商品の海外展開を加速し、海外拠点の最大活用を図るとともに、国内外すべての生産拠点において高効率生産に努めてまいります。

 

(2) フェライト及び応用製品

積層チップインダクタや巻線インダクタにおいては、これまで以上にお客さまのニーズに沿ったスーパーハイエン
ド商品の展開を加速してまいります。とくに、パワーインダクタに関しては、より一層の小型大電流を可能としたメ
タル系新材料を採用した「MCOILTM」の商品ラインアップ強化を行い、戦略的な市場投入および生産
能力の拡大を行ってまいります。また、高周波積層High-Qチップインダクタおよび超小型積層チップインダクタは
0402サイズのラインアップ拡充を図ります。一方、生産体制については、コンデンサと同様、海外拠点の最大活用と
高効率生産に努めてまいります。

 

(3) 複合デバイス

SAW/FBAR技術を核とした高周波事業の展開、当社グループオリジナル技術から生まれた部品内蔵配線板「EOMINTM」を用いたスーパーハイエンド商品の積極的な市場投入、ならびにエネルギー市場に向けた回生システ
ム等の電源事業の強化を図ってまいります。なお、モバイル通信用デバイス(SAW/FBAR)につきましては、次世代通
信方式のメインであるLTEの普及に伴う搭載点数の増加に対応した生産体制の構築に努めてまいります。

 

(4) その他電子部品

エネルギーデバイスについては、先端技術分野における用途開発、エネルギー分野への拡販を展開してまいりま
す。将来的に期待できるスマートメータやストレージサーバのバックアップ電源用途に向けた商品を強化するととも
に、大型のリチウムイオンキャパシタでは、主に高信頼性市場に向けたマーケティング活動を継続してまいります。

 

(5) 記録メディア

安定的な収益を確保するため、ビジネスモデルの転換を進めております。とくに、アーカイブ(長期保存)市場の
開拓と創出に向けて、当社の強みである高品質な商品を活かしたシステムソリューションを提案してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループが提出日現在認識している将来の業績や財政状態に影響を与える可能性のあるリスクや不確実性には、主に以下のものがありますが、これらに限定されるものではありません。

 

(1)取引先と業界の商慣行

 当社グループは、世界の主要な電子機器メーカーをはじめとして、多くの電子機器メーカーと直接取引があります。電子機器の市場は厳しい競争下にあり技術の変化が早く、機器のモデル毎にヒット商品と売れない商品が明確に分かれ、なおかつ商品ライフサイクルは、従来に比べ極めて短くなってきております。そのため顧客の在庫と生産計画は大きく変動し、当社グループの受注はそれによって大きく影響を受ける可能性があります。

(2)電子部品の価格低下

 電子機器の市場競争は激しく、電子部品市場でもセットメーカーからの値下げ要請と部品メーカー間の企業競争から電子部品価格は下落傾向にあります。原価低減と生産プロセスの改善に取り組んでおりますが、部品市場の需給動向によっては、それを上回る価格低下が起こる可能性があります。

(3)品質に関する影響

 当社グループは、優れた最先端技術を積極的に開発し、新製品に応用して早期に市場投入すると同時に、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の確立及びレベルの高いサービス体制の確立にも努め、その結果、当社グループの製品を多くの顧客に採用していただいております。しかしながら、当社グループの製品が最先端技術製品である等の原因によって、未知の分野の開発技術も多く存在し、予期せぬ不具合が発生すること等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)研究開発

 当社グループは、素材技術を根幹としたセラミック技術、積層技術、回路設計技術、ソフトウエア技術、生産システム技術及び評価・シミュレーション技術等の最先端技術について積極的な研究開発投資及び研究開発活動を継続的に実施しております。研究開発によって最先端の要素技術を創造するとともに、当該技術を用いた新製品を早期市場投入することによって上位の市場シェアと高い利益率を達成してきております。しかしながら、新製品投入のタイミングによっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)海外事業に伴うリスク

 当社グループは、グローバルな分業体制を敷いており、海外販売会社をエリア毎の顧客セールス拠点、海外生産会社を最適化された量産拠点と位置付けております。当社グループの事業の遂行のための拠点は、世界各地に所在しており、中には政治的あるいは経済的に不安定な地域があります。これらの地域におけるテロ、戦争、疫病等社会的混乱の発生、ストライキ、社会インフラの未整備による停電等の予期せぬ事象が発生した場合、当社グループの事業活動に障害を与える可能性があります。また、それらの事象が当社グループの取引先において発生した場合、当社グループの事業活動にも影響が生じる可能性があります。

(6)中国市場におけるリスク

 当社グループは、経済発展が著しい中国で生産と販売の拠点展開をしております。当社グループの取引先の多くも中国に生産拠点を展開しており、その事業運営は中国の経済成長の影響を受ける可能性があります。中国経済の急速な発展と中国政府が推進している多くの経済改革は、「(5)海外事業に伴うリスク」で挙げたリスクに加え、法令等の改正、経済成長の減速、為替相場、電力供給等の予測できない事象により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替リスク等

 当社グループは、事業の積極的な海外展開により、海外への売上高比率が高くなっております。当社グループ間の取引は米ドル建てを基本としており、一部は為替予約を実施し、為替変動リスクの軽減に努めております。しかし、海外での事業活動では外貨建取引や多くの外貨資産も存在し、急激な為替変動、株価、金利の変動に関わるマーケットリスクにさらされております。市場での変動が大きい場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)法的規制等

 当社グループの事業は、事業を展開する各国において、事業・投資の許可、税制及び国家安全保障等による輸出制限等の政府規制の適用を受けるとともに、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。当社グループではこれらの規制を遵守し事業活動を行っておりますが、規制が急激に変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)環境規制におけるリスク

 当社グループは、事業を展開する各国において、製品中の有害物質、産業廃棄物の処分、水質・大気・土壌の汚染防止について様々な環境関連法令の規制を受けております。

 当社グループではこれらの規制に対応するため有害物質の使用全廃、処理設備の導入等を行っております。しかしながら規制は年々厳しくなっており、環境対応投資の増加、事業活動の制約等につながる可能性があります。

(10)知的財産権

 当社グループの製品は最先端技術製品であり、電子機器の市場は厳しい競争下にあることから、特許をはじめとする知的財産権の確保は競争力を左右する極めて重要なポイントと考えております。しかし、一部の国では、知的財産が完全に保護されない場合があります。このような国においては、他社が当社グループの製品を模倣し販売する可能性があり、当社グループ製品の販売機会の逸失、劣悪な品質の模倣製品が当社グループの製品に対する信頼を低下させる等の恐れがあります。また、当社グループの製品又は技術について、他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。

(11)人材確保に関するリスク

 当社グループの業績は、研究開発、生産、販売、経営管理等において優秀な人材の貢献に大きく依存しております。優秀な人材の確保における競争は激しく、在籍している従業員の流出の防止や新たな人材の獲得ができない可能性があります。優秀な人材を確保できない場合には、非効率的な経営に陥り、製品の競争力が低下する可能性があります。

(12)自然災害、事故の発生によるリスク

 当社グループは、地震、台風、洪水等の自然災害、ストライキ等の労働争議、事故の発生により操業の停止や製造設備に多大な損害を受ける可能性があります。これらの災害等による損害に備えるため保険に加入しておりますが、発生した全ての損害を補償できない可能性があります。加えて、当社グループの取引先や供給業者が災害等により損害を被った場合にも、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 収益改善策に関するリスク

 当社グループは、現在及び将来の事業環境に対応するため、構造改革と成長戦略を両輪とした対策を実施しております。特に、構造改革については、海外拠点の最大活用、不採算商品の撤退、国内外の拠点再編及び人員削減を軸とした固定費削減策を打ち出しております。これらの施策の実施に伴い、予定通り進捗しない、期待されている効果や成果が得られない、又は実行にあたって予期せぬ問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、「お客様から信頼され、感動を与えるエクセレントカンパニーへ」という基本方針のもと、当社グループ独自の要素技術にさらに磨きをかけ、お客様に評価していただける商品を創出するべく、研究開発活動を進めております。

なお、当連結会計年度の当社グループにおける研究開発費は73億53百万円で、主な研究開発の成果は以下のとおりであります。

 

<電子部品事業>

 

1 コンデンサ

・積層セラミックコンデンサ

誘電体の材料技術、薄膜・大容量化技術及び超小型品生産技術等を高度化することにより、誘電体厚みがサブミクロン(1μm未満)レベルでの安定量産技術を確立いたしました。1,000層を超える多積層技術を開発することで、電解コンデンサ市場を置換する商品として3225(3.2mm×2.5mm)サイズ、330μFの量産化に成功しました。

また、それらの技術を応用し、スマートフォンやタブレット端末といった成長機器市場に向けて0402 (0.4mm×0.2mm)サイズ0.22μF、0603(0.6mm×0.3mm)サイズ2.2μF、1005(1.0mm×0.5mm)サイズ22μF、1608(1.6mm×0.8mm)サイズ47μF等の最先端商品の量産を開始しております。

さらに、超小型品や超低背品にも注力しており、0201(0.25mm×0.125mm)サイズの量産準備や0603 (0.6mm×0.3mm)サイズ薄さ0.15mm、1005(1.0mm×0.5mm)サイズ薄さ0.11mmの量産を開始しております。

今後も成長する先端機器市場に向けた商品の開発および生産拡大を実施してまいります。

 

2 フェライト及び応用製品

・積層チップインダクタ

市場拡大が続くスマートフォンやタブレット端末のDC-DCコンバータに使用されるメタル系パワーインダクタ「MCOILTM」のラインアップを積層タイプでも強化しています。まず、2012(2.0mm×1.25mm)サイズにて、定格電流を従来比で2倍に高めた商品の量産準備段階に入っております。

一方、携帯機器の高周波回路に使用される高周波積層インダクタについては、0603(0.6mm×0.3mm)サイズ及び0402(0.4mm×0.2mm)サイズにて、Q特性を向上した業界最先端レベルとなる商品を量産、インダクタンス値の拡大を進めております。

また、高機能化が進むスマートフォンのノイズ対策部品として、小型コモンモードチョークコイルを0605 (0.65mm×0.55mm)サイズで商品化いたしました。今後も技術を進化させ、小型で高性能な商品の開発を進めてまいります。

 

・巻線インダクタ

巻線タイプのメタル系パワーインダクタ「MCOILTM」のラインアップ拡充に努めております。低インダクタンス化のトレンドに追従した1μH以下のラインアップを拡充したことに加え、10μHまでの高インダクタンス品についてもラインアップを充実させました。

また、形状バリエーションについては1608(1.6mm×0.8mm)サイズ、2012(2.0mm×1.25mm)サイズをラインアップすることで14タイプとなりました。

今後も、「MCOILTM」のさらなる薄型化、大型化、特性改善を進めるなどのラインアップ拡充を図るとともに量産を拡大し、競争力と商品力を一層強化してまいります。

 

3 複合デバイス

・通信デバイス

近年成長著しいスマートフォンのキーデバイスとして、SAW技術をコアとした商品の開発を行っております。

既に世界標準となった第3世代(UMTS)はもちろん、近年普及の始まったLTE方式に対しても、小型で低消費電力のフィルタデバイスや整合回路を付加したフロントエンドモジュールなどを開発し、提案しております。

さらに、より高機能なデバイスを目指してFBAR技術を駆使した商品の開発にも注力し、今後ますます複雑化する通信市場に向けて最適な高周波デバイスを提案してまいります。

 

・複合機能モジュール

市場からの省エネ、小型薄型化に対する強い要求に応える各種電源モジュール、複合機能モジュール技術の構築を進め、多数の差別化商品を投入してまいりました。特に独自開発の部品内蔵基板「EOMINTM」は、スマートフォン用カメラモジュールの小型薄型化に大きく貢献することができました。さらに差別化を進め、小型、薄型、高効率等の強みを持つ複合機能モジュールの開発を進めてまいります。

また、さらなる低消費電力化とエネルギーの再利用を可能とするため、電源技術の応用展開と独自開発の制御技術、電力技術を活用した商品の開発を進めてまいります。

 

・無線通信モジュール

近距離無線通信市場の拡大に合わせ、小型低背のモジュールに加え、自社製アンテナを搭載した顧客ニーズにマッチしたモジュール等、幅広いニーズに対応した商品を開発してまいりました。特に最近では、Bluetooth®、無線LANなどの異なる通信規格を同一モジュールにて実現するコンビネーションモジュールの開発、商品化に注力しております。

さらに、さまざまな機器がネットワークにつながるようになったことを背景に、ソフトウエアまでサポートするモジュールの開発と商品化を行い、デジタル民生機器やヘルスケア分野等の新たな通信市場に向けて提案を行ってまいります。

 

4 その他電子部品

・キャパシタ

高信頼性市場へ向けて、電気二重層キャパシタとリチウムイオン電池の特性を併せ持ったシリンダ型リチウムイオンキャパシタの生産を拡大しております。また、大型リチウムイオンキャパシタは、主に高信頼性市場に向けてサンプル活動を開始しております。

また、シリンダ型ポリアセンキャパシタにおいても、高信頼性市場に向けたマーケティングを進めております。

今後も、成長が期待されるエネルギーデバイス分野において市場ニーズに対応した、魅力ある新商品を提案してまいります。

 

<記録製品その他事業>

 

5 記録製品

・記録メディア

アーカイブ(長期保存)用途の光記録メディアの市場要求が高まってきていることを踏まえ、CD-R、DVD-R、BD-Rの各フォーマット、さらに次世代アーカイブ用高密度媒体で高品位商品の開発を進めてまいります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態

① 資産

 当連結会計年度末における総資産の残高は2,475億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ216億4百万円増加しました。流動資産は264億26百万円増加しており、主な要因は、現金及び預金の増加238億94百万円、仕掛品の増加23億70百万円であります。また、固定資産は48億22百万円減少しており、主な要因は、有形固定資産の減少43億77百万円、無形固定資産の減少6億13百万円であります。

 

② 負債

 当連結会計年度末における負債の残高は1,190億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億63百万円増加しました。主な要因は短期借入金の減少96億18百万円、未払金の減少22億82百万円、転換社債型新株予約権付社債の増加200億96百万円であります。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は1,285億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ127億41百万円増加しました。主な要因は、当期純利益による増加69億89百万円、剰余金の配当による減少11億76百万円、為替換算調整勘定による増加65億71百万円であります。

 

 なお、キャッシュ・フローについては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(2)経営成績

① 経営成績の概要

 当連結会計年度の連結売上高は2,082億22百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は113億58百万円(前年同

期比134.2%増)、経常利益は121億92百万円(前年同期比71.3%増)、当期純利益は69億89百万円(前年同期比

274.3%増)となりました。

 

② 地域別売上高

 当連結会計年度の海外売上高比率は82.3%と、前連結会計年度の78.4%に比べ3.9ポイント増加しました。連結売上高に占める地域別売上高の割合は、中国が34.0%、韓国が9.6%、その他の国又は地域が38.7%となりました。

 

③ 電子部品の用途分野別売上高

 電子部品の用途分野別売上高の構成比は、民生機器向け22%、情報機器向け22%、通信機器向け39%、自動車・産業機器向け13%、部品その他向け4%となりました。

テレビ市場などの需要低迷により民生機器向けの売上高は前年同期比で2%減少しましたが、タブレット端末やスマートフォン市場の拡大により、情報機器向け、通信機器向けとも売上高は前年同期比で9%増加となりました。また、当社グループが注力すべき市場として重視している自動車・産業機器市場は、電装化の進展もあり、前年同期比45%増と売上が大きく増加しました。

 

④ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は362億23百万円となり、前連結会計年度に比べ33億73百万円増加しました。主な要因は、従業員給与手当の増加、研究開発費の増加であります。

 

⑤ 営業外損益

 営業外収益は為替差益の減少等により前連結会計年度に比べ13億68百万円減少し、22億3百万円となりました。一方、営業外費用は前連結会計年度に比べ64百万円増加し13億69百万円となりました。

 

⑥ 特別損益

 特別利益は固定資産売却益の減少により前連結会計年度に比べ9億44百万円減少し24百万円となりました。

一方、特別損失は前連結会計年度に比べ21億43百万円減少し、20億64百万円となりました。

 

(3)財務政策

 当社グループは、資金効率の向上を目的として、グループ資金の一元管理を行っております。関係会社の余資を集め、他の関係会社へ必要資金を供給し、不足資金は外部調達することとしております。外部からの有利子負債を最小化するためCMS(Cash Management System)を導入しております。

 当連結会計年度末の外部からの資金調達は、1年内償還予定の社債80億円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債3億65百万円、短期借入金106億23百万円、1年内返済予定の長期借入金124億72百万円、転換社債型新株予約権付社債200億96百万円、長期借入金218億61百万円からなっております。借入金は原則として日本において固定金利で調達しております。更に、財務の安定性のため期間3年、100億円のコミットメントライン借入枠を設定しております。平成23年12月に、この100億円のコミットメントライン借入枠を更新し、有事の場合に備えておりますが、平成26年3月末現在未使用であります。

 当社グループは、健全な財務状態と営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力を有しており、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。