第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

平成25年度の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、期前半は、米国市場が好調を維持するなど一部で活発な動きが見られたものの、中国市場の回復が遅れ、また国内・欧州市場で低迷が続くなど、総じて厳しい状況でした。
 しかし期後半に入り、円安の効果があらわれ始めたことや、製造業における設備投資が増加傾向となるなど、市場環境が好転し、業績は緩やかな回復基調となりました。
 このような中、当社グループではFA・ロボット・ロボマシンの各商品別に3つの事業本部を置き、関連する研究所とセールスを所属させ、これを各事業本部長が一括して指揮する体制を敷きました。これは、それぞれの商品毎の市場において、研究所とセールスがより緊密に連携して顧客ニーズを迅速かつ的確に把握し、それを直ちに商品開発に活かすという当社グループの原点に立ち返るものです。この新組織のもと、研究開発においては高信頼性を基本にした商品の高性能化および知能化をより一層推し進めました。また製造においてはロボット化による生産効率の向上に引き続き取り組みました。これらにより競争力の更なる強化に努めました。
 平成25年度の連結売上高は4,509億76百万円(前期比9.5%減)、連結経常利益は1,743億60百万円 (前期比8.8%減)、連結純利益は1,109億30百万円(前期比7.9%減)となりました。

 

なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。

 

〔FA部門〕

CNCシステムの主要顧客である工作機械業界は、国内・海外ともに総じて厳しい状況が続きましたが、期後半になり円安傾向の定着などからようやく需要回復傾向が見られました。厳しい状況が続いていた当社グループにおけるCNCシステムの売上につきましても、これに伴い、期後半には緩やかな回復傾向が見られるようになりました。
 レーザにつきましては、国内・海外ともに売上が低調に推移しておりましたが、期後半には回復の傾向が見られるようになりました。
 FA部門の連結売上高は、2,226億43百万円(前期比11.3%増)、全連結売上高に対する構成比は49.4%となりました。

 

〔ロボット部門〕

ロボットにつきましては、国内市場では、自動車産業において設備投資の谷間の時期となりましたが、一般産業向けの売上は増加しました。海外市場では、米州向けが好調を維持し、回復が遅れていた欧州向けも期後半になりはっきりとした回復傾向が見られるようになりました。また中国市場の動きも活発でした。
 ロボット部門の連結売上高は、1,468億66百万円(前期比23.3%増)、全連結売上高に対する構成比は32.6%となりました。

 

〔ロボマシン部門〕

ロボドリル(小型マシニングセンタ)につきましては、国内は底堅くまた海外でも堅調に推移したものの、一部IT産業からの一時的な需要増があった前年度と比較すると、年間売上は大幅に減少しました。こうした中、当年度の終盤から、再び一部IT産業からの急激な需要増により、売上に一時的かつ短期的な増加傾向が現れ始めています。
 ロボショット(電動射出成形機)につきましては、国内・海外ともに堅調に推移しました。
 ロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、国内・海外ともに堅調に推移しました。
 ロボナノ(超精密ナノ加工機)につきましては、海外市場開拓のための販売活動を強化し、成果をあげました。 
 ロボマシン部門の連結売上高は、814億67百万円(前期比54.5%減)、全連結売上高に対する構成比は18.0%となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローは、947億95百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は8,236億69百万円となりました。

 

(各キャッシュ・フローの状況)

営業活動の結果得られた資金は、1,255億59百万円と、前連結会計年度に比べ332億89百万円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。

投資活動の結果使用した資金は、164億68百万円であり、前連結会計年度に比べ274億96百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。

財務活動の結果使用した資金は、319億29百万円であり、前連結会計年度に比べ79億9百万円減少しました。これは、主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1)生産実績

  (当連結会計年度)

生産高(百万円)

前期比(%)

418,654

△8.1

 

 

(注1) 生産高は、販売価格によっております。

(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

  (当連結会計年度)

受注高(百万円)

前期比(%)

484,174

5.0

 

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

  (当連結会計年度)

販売高(百万円)

前期比(%)

450,976

△9.5

 

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Hon Hai Precision Industry Co.,Ltd

86,903

17.4

 

 なお、当連結会計年度については、当該割合が10%未満のため記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後につきましては、一部のIT産業の短期的な需要増等を背景に期前半は好調に推移することが予想されるものの、期後半にはそれら特殊需要の一巡が想定されるほか新興国経済の鈍化が懸念される等、期全体としては不透明な状況が続くものと思われます。
 このような状況に対処するため、当社グループは、FA・ロボット・ロボマシンの3つの事業本部において、各事業本部長のもとでそれぞれの研究所とセールスの緊密な連携を更に強化してまいります。こうした体制に海外グループ会社も含めたグループ全体が一丸となって顧客ニーズの迅速かつ的確な把握に努めることで、商品開発力を一段と強化し、高信頼性を基本にした商品の高性能化および知能化を促進します。そして製造のロボット化による生産効率向上にも引き続き努めてまいります。これらの地道な努力を続けていくことが、強い企業体質を維持しながらシェアアップと拡販を実現することにつながると考えます。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断できたものであります。

 

1 経済状況

当社商品の需要は、当社グループが商品を販売している国の経済状況の影響を受けます。当社商品の需要は主として自動車を中心とする機械工業、IT産業であり、それら産業の設備投資の影響を受けます。景気変動による設備投資需要の変動は激しく、特にそれら産業の景気後退は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の競合会社が存在する国(例えばEU)の通貨が下落した場合、国際市場での競合会社の価格競争力が強まるため、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 為替レートの変動

当社は、製造の大部分を日本で行っている一方、販売の多くの部分を海外において現地通貨建てで行っているため、一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の連結財務諸表は円で表示されているため、当社の外貨建ての資産・負債を円に換算する際、及び当社の海外子会社の財務諸表を円に換算する際、資産・負債の評価額が為替レートにより影響を受けます。

 

3 新商品開発力

当社は、研究開発に経営の重点を置き、高信頼性、高性能で価格競争力のある新商品の開発を継続していけると考えておりますが、当社グループが属する業界は技術的な進歩が極めて急速であります。従って、以下の場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 新たに開発した商品を含め、当社商品又は技術が独自の知的財産権として保護されない場合
② 当社が新技術ならびに業界・市場の変化を正確に予測できず、魅力ある新商品を開発できない、あるいはタイムリーに開発できない場合
③ 他社が画期的な新商品を開発することによって、性能、機能、価格、信頼性において当社との間に大きな差がついた場合

 

4 価格競争

当社は、CNC・サーボモータ及びこの基幹技術を応用したロボット、ロボマシンという特定の分野に経営資源を集中し、高い信頼性と競争力をもつ商品を開発してまいりました。これによってお客様に貢献することで、当社商品は市場において高い評価をいただいております。

しかし、当社の属する業界においては、世界的に激しい開発競争が行われております。競合企業による低価格の新製品投入などによって、市場における競争が激しくなると、当社の商品の価格競争力を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 納期

お客様が希望する納期に応えられないことにより注文を失う場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6 アライアンス、技術供与に関するリスク

当社グループは、競争力強化のため、合弁などの形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務、その他の要因により、このような協力関係を成立または継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社商品には、他社の許諾を受けて使用している特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としているものがあります。これらの特許等について、今後、万一当社が許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾が受けられなくなる場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7 知的財産

知的財産の流出については、可能な限りの防衛策を講じておりますが、研究員の転職やコンピュータウィルス等により当社の商品等の情報が流出し、模倣商品や競合する商品、機能が出現する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、当社商品について、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積しておりますが、将来、当社商品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

8 人材

当社は、優秀な技術者など、必要とする人材を採用、育成し、雇用の維持を図ることができるよう、処遇をより良くすべく対策をとっております。しかし万一、適切な人材の採用ができなくなった場合やその育成に失敗した場合、あるいは専門分野を担当している人員を退職や休職等により欠くことになった場合、専門業務の遂行ができなくなったり、開発力が低下する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

9 輸出管理

当社は、日本国及び関係会社が所在する各国の輸出管理法令を遵守し輸出管理を確実に履行するために、輸出管理社内規定を定め、輸出管理体制を整備しております。しかし、万一、輸出管理法令への違反があった場合は、罰則の適用を受けるなどの重大な影響があります。また、当社の直接の法令違反等ではなかったとしても、何らかの原因によって不正輸出等に結果的に関与をした場合は、企業としての社会的責任が問われる可能性があります。また、輸出管理法令の改正あるいは新たな法令の施行が当社の営業活動に制約を与える場合があります。これらに起因した事象が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

10 国際マーケットに潜在するリスク

当社商品は、直接および間接の輸出を含めると、多くは日本国外へ納入されております。そのため、納入先の国において下記のようなリスクが内在します。

① 予期しない法律または規制の変更
② 不利な政治または経済要因
③ テロ、戦争、疫病、天災、その他の要因による社会混乱

これらの事象は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

11 調達部品におけるリスク

当社は、商品の重要部品を当社グループ内で製造するよう努めている一方で、当社グループ内で製造していない重要部品はグループ外の他社に依存しています。天災地変や、供給元の事情、市場の状況によってそれら部品の調達に不足が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

部品や原材料については、国内外の供給元の中で出来るだけ品質が優れた供給元から出来るだけ低価格で調達を進める努力をしていますが、原材料の国際的な市場における価格高騰が進み、購入先から値上げされた場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

12 一極集中によるリスク

当社商品は資本財であり、研究所、工場を日本国内に集中させ、そこで開発、製造された製品を全世界に供給することにより、効率化を図っております。
 地震、富士山噴火等の自然災害や、長時間にわたる停電などが発生した場合に、当社の開発、製造能力に対する影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。また、当社工場から各市場への納入途上において何らかのトラブルが発生した場合、物流コストの増加や納入遅延による売上の機会損失などが生じ得ます。それらの事象が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

13 製品の欠陥等

当社グループは、ISOなど、世界的に認められている品質管理基準に従って各種商品の設計・製造をしておりますが、これらの商品について欠陥が皆無という保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。人身事故、火災事故など重大な事故や、広範囲に影響を及ぼす大規模な事故が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社商品に障害が発生したり、その障害によりお客様の安全を損ねたりした場合には十分な対策を講じるように務めていますが、その対応が不適切だったことにより、お客様の信用を失ったり、損害賠償請求を受けたり、障害対策費用が多額になったりする場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

14 労働災害、事故

当社では労働災害を防止すべく社員の健康・安全には十分注意を払っておりますが、発生リスクは常に存在しています。こうした労働災害が発生した場合、社員の死傷といった人的損害に加え、作業の一時中断・遅延等に伴う当社商品の納期遅延に伴うお客様への補償等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

15 環境汚染に関するリスク

当社グループでは、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。以下による環境汚染が生じた場合、浄化処理費用等の対策費用が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 当社グループの工場敷地において、今後、新たな汚染が判明した場合
② 自然災害、火事等により当社の建物、設備が倒壊し、汚染物質が流出した場合
③ 産業廃棄物の処理業者の違法行為により、不法投棄等の不適切な処理が行われた場合
④ アスベストのように時間の経過、技術の進歩にしたがって問題として顕在化する環境汚染物質が今後発見された場合

また、環境汚染に関する規制の強化や変更は、対応コストを増加させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

16 退職給付債務

当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

相手会社名

国名

契約品目

契約内容

契約期間

シーメンス社

ドイツ

CNCシステム、CNC自動プログラミング装置、ロボット

特許実施権の相互供与

自 昭和58年4月19日
至 平成26年12月31日

 

 

6 【研究開発活動】

ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、高信頼性を基本に、高性能化・知能化を進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入いたしました。
 基礎研究所では、当社商品に使用される次世代要素技術の研究開発を行っております。

当連結会計年度の研究開発費は、183億72百万円となっております。

 

当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。

 

CNCシステムにつきましては、信頼性に優れ、抜群のコストパフォーマンスを誇るCNC「ファナック シリーズ 0i-モデルD」の後継機種として、基本性能を大幅に向上させるとともに操作性や信頼性を向上させた「ファナック シリーズ 0i-モデルF」を開発いたしました。また、世界最高水準の性能を誇るCNC「ファナック シリーズ 30i / 31i / 32i / 35i-モデルB」および一般産業機械用CNC「ファナック パワーモーション i-モデルA」で、様々な機能の追加、レベルアップを行いました。
 サーボにつきましては、送りの滑らかさ、防水性を向上させ、あらゆる工作機械の送り軸用モータに対応できる、新αi /βiシリーズサーボモータを開発いたしました。また金型加工、部品加工において加工面品位と加工精度の向上を実現する制御ソフト「サーボHRV+制御」を新たに開発いたしました。
 レーザにつきましては、高性能、高機能、高信頼性のCO2レーザ発振器「ファナック レーザ C シリーズ」の省電力機能を向上させるなど、制御機能を充実させました。

 

ロボットにつきましては、高信頼性に加え、高いコストパフォーマンスと豊富な知能化機能を持ち、世界中で高い評価をいただいた万能知能ロボット「ファナック ロボット R-2000iB シリーズ」の後継機種として「ファナック ロボット R-2000iC シリーズ」を開発いたしました。同シリーズはR-2000iB シリーズとの互換性を保ちつつ速度を含む動作性能の向上を実現しており、より高い生産効率が期待できます。また「バラ積み取り出しロボット」において、様々な形の部品を自在に掴めるバラ積みハンドを開発したことで、自動で取り出し可能なバラ積み部品の種類が大幅に増えました。また「ゲンコツ・ロボット」において、軸数やアーム長を増やした機種を開発したことで、ワークの姿勢変更を伴う作業や組立などへの拡張性を増やしました。また万能ミニロボット LR メイト 200iDにおいて、様々な作業環境への適用性を強化したバリエーションモデルを開発したことで、より幅広い製造現場での活用が期待されます。

 

ロボドリル(小型マシニングセンタ)につきましては、海外の安全規格への対応など、より多くの顧客のニーズに合った機能の拡充を行いました。
 ロボショット(電動射出成形機)につきましては、電動射出成形機「ファナック ロボショットα-SiA シリーズ」で、型締力250トンの機種と300トンの機種を新たに追加し、ラインナップを完成させるなどの成果をあげました。
 ロボカットにつきましては、ワイヤカット放電加工機「ファナック ロボカットα-CiA シリーズ」において、高精度でコンパクトな付加軸回転テーブル「ファナック ロボカット CCR」の開発などを行いました。この付加軸回転テーブルにより医療機器等における複雑な部品の加工が容易になります。
 ロボナノ(超精密ナノ加工機)につきましては、海外の安全規格への対応や操作性を向上させるための機能開発などを行いました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積もりを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。

中でも連結財務諸表に与える影響が最も大きいと考えられるものは、以下の退職給付債務であります。

(退職給付債務)

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 経営成績の分析

 平成25年度の連結売上高は4,509億76百万円(前期比9.5%減)、連結経常利益は1,743億60百万円(前期比8.8%減)、連結純利益は1,109億30百万円(前期比7.9%減)となりました。

平成25年度の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、期前半は、米国市場が好調を維持するなど一部で活発な動きが見られたものの、中国市場の回復が遅れ、また国内・欧州市場で低迷が続くなど、総じて厳しい状況でした。
 しかし期後半に入り、円安の効果があらわれ始めたことや、製造業における設備投資が増加傾向となるなど、市場環境が好転し、業績は緩やかな回復基調となりました。
 このような中、当社グループではFA・ロボット・ロボマシンの各商品別に3つの事業本部を置き、関連する研究所とセールスを所属させ、これを各事業本部長が一括して指揮する体制を敷きました。これは、それぞれの商品毎の市場において、研究所とセールスがより緊密に連携して顧客ニーズを迅速かつ的確に把握し、それを直ちに商品開発に活かすという当社グループの原点に立ち返るものです。この新組織のもと、研究開発においては高信頼性を基本にした商品の高性能化および知能化をより一層推し進めました。また製造においてはロボット化による生産効率の向上に引き続き取り組みました。これらにより競争力の更なる強化に努めました。
 

3 財政状態の分析

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末比1,247億91百万円増の1兆3,439億4百万円となりました。これは現金及び預金が前年度末比959億17百万円増加したことが主な理由です。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末比190億57百万円増の1,440億41百万円となりました。これは、退職給付に係る負債、支払手形及び買掛金等が増加したことが主な要因です。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度比1,057億34百万円増の1兆1,998億63百万円となりました。主な増加は、当期純利益1,109億30百万円と為替換算調整勘定の増加320億37百万円であり、主な減少は、剰余金の配当310億86百万円であります。

 

4 キャッシュ・フローの分析

営業活動の結果得られた資金は、1,255億59百万円と、前連結会計年度に比べ332億89百万円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。

投資活動の結果使用した資金は、164億68百万円であり、前連結会計年度に比べ274億96百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。

財務活動の結果使用した資金は、319億29百万円であり、前連結会計年度に比べ79億9百万円減少しました。これは、主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

以上のキャッシュフローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額176億33百万円を加算し、連結キャッシュ・フローは、947億95百万円となりました。
 

5 資本の財源について

当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。