(1)業績
当年度の業績(セグメントの業績を含む)は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは3,854億円(対前年度差340億円減)となりました。前年度差の主な要因は、前年度に運転資本(営業債権等)の大幅な減少があったことです。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の投資活動により減少したキャッシュ・フローは4,201億円(対前年度差1,263億円増)となりました。前年度差の主な要因は、当年度にハスマン社の取得があったことです。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の財務活動により増加したキャッシュ・フローは2,946億円(前年度は3,096億円の減少)となりました。前年度差の主な要因は、当年度に総額4,000億円の普通社債を発行した一方で、前年度は総額2,400億円の普通社債を償還したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、当年度末の現金及び現金同等物の残高は1兆2,708億円(対前年度末差2,581億円増)となりました。
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産状況は販売状況に概ね類似しています。
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成29年6月30日)現在において判断したものです。
(1) 会社経営の基本方針
当社は、「事業を通じて社会の発展に貢献する」という創業以来の経営理念を体現したブランドスローガン「A Better Life, A Better World」のもと、お客様一人ひとりにとっての「より良いくらし、より良い世界」の実現に向けて、「家電」「住宅」「車載」「B2B」の領域で事業活動を行っています。また、当社は、平成30年度の全社の経営目標である、営業利益4,500億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益2,500億円以上を目指しています。
なお、グループ全体のB2Bソリューション事業の成長の中核を担う顧客密着型事業体制を推進するため、AVCネットワークス社を母体として組織再編を行い、平成29年4月1日付で、新しい社内分社である「コネクティッドソリューションズ社」を設立しました。これに伴い、セグメント名称については、「AVCネットワークス」を、「コネクティッドソリューションズ」に変更しました。
(2) 会社の経営戦略と対処すべき課題
①平成29年度の主な取り組みについて
経営目標の実現に向けて、平成28年度については、「成長への足場固めの年」と位置づけ、将来に向けた仕込みを積極的に実施しました。車載インフォテインメント関連の先行開発や、リフォーム関連の拠点拡大などの先行費用を伴う施策を推進したほか、戦略投資については、米国電気自動車メーカー向けリチウムイオン電池に関する設備投資や、米国の業務用冷凍・冷蔵ショーケースのメーカーであるハスマン社の連結子会社化、その他のM&A関連投資を実施しました。
平成29年度の経営環境は、世界経済は、海外の政治や政府の政策、金融政策などの動向に不透明感があるものの、米国経済の回復や資源国の持ち直しなどにより、全体としては成長が見込まれます。日本でも、公共投資の増加や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた投資が始動することなどにより緩やかな回復が続く見通しです。このような状況のもと、平成29年度については、経営資源を集中する分野を明確にしながら増収増益を実現・定着させるための「成長戦略」を推進していきます。
②各セグメントにおける代表的な取り組み
アプライアンス
家電事業は、国内におけるノウハウをベースに、アジア、中国でのさらなる成長を目指してプレミアム商品展開を継続するとともに、戦略市場の攻略に向けてインド地域での品揃えおよび販売基盤の強化を図ります。また、B2B事業については、米国ハスマン社を主要な柱の一つとして、収益性を強化していきます。
エコソリューションズ
国内の住宅関連事業においては、リビングショウルームやパナホーム㈱の保有するお客様接点の活用、お客様起点での住空間価値創出で、商品力強化を図ります。また、リフォームや介護関連事業等、生涯にわたりお客様に寄り添うサービスを含む事業展開を行います。海外では、意思決定の現地化を進め、パナソニック エコソリューションズ トルコ㈱やインドのアンカー社を核とした中東・アフリカでの電設資材事業の拡大や、東南アジアでの住宅関連事業の強化を進めます。
コネクティッドソリューションズ
航空・製造・エンターテインメント・流通・物流・公共等の業界のお客様へ、先進技術の製品とIoTでつながる価値を提供し、かけがえのないテクノロジーパートナーとして、お客様とともにより良い社会の実現に貢献します。業界毎にグローバルで顧客に密着した販売体制とソリューション力を強化し、事業成長と高収益化を目指します。
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
連結子会社化した、スペイン車載用ミラー大手のフィコサ社およびドイツ車載用ソフトウェア開発会社のオープンシナジー社の技術を活用し、次世代コックピットシステムや先進運転支援システム(ADAS)の開発を強化し、事業成長を加速します。また、車載電池は、日・米・中の世界3極での生産体制を拡充し、旺盛な環境対応車需要に応えていきます。デバイスについては、車載・産業向け事業へのシフトを加速し、収益力の強化を図ります。
③持続的成長を支える基盤
コーポレート・ガバナンス
当社は、コーポレート・ガバナンスを、中長期的な企業価値向上のための重要な基盤と位置づけ、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制の強化を継続的に推進しています。平成28年12月の取締役会で、取締役会の機動性・透明性・客観性の向上と改善を図るため、平成29年6月29日付での取締役会の構成員数変更(社内取締役を8名以内とし、変更後の社外取締役比率3分の1を確保)を決議しました。
環境
環境について、当社は、より良いくらしと持続可能な地球環境の両立に向け、クリーンなエネルギーでより良く快適に暮らせる社会を目指して「環境ビジョン2050」を策定しました。環境ビジョン2050では、創・蓄・省・エネルギーマネジメントに関する商品、技術、ソリューションの開発を通じて、当社グループが使うエネルギーの削減と、それを超えるクリーンエネルギーの創出・活用を進めていきます。
人材戦略
当社グループは、グローバルな事業環境において、今後一層、伸びる市場・顧客の近くで事業創造・成長をけん引していかなければなりません。そのためには、多様な人材が活躍できる環境・仕組みへ転換し、国籍・社歴に関わらず最適人材の育成・登用を進めることが重要となります。国や地域を越えたグローバルでの人材配置を加速し、これを支えるグローバルな人材データベースなどの仕組みも導入していきます。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針
①当社の企業価値向上に向けた取り組み
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーとともに、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、「家電」「住宅」「車載」「B2B」の領域で事業活動を行い、平成30年度の全社の経営目標である、営業利益4,500億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益2,500億円以上を目指してまいります。
平成29年度については、経営資源を集中する分野を明確にしながら増収増益を実現・定着させるための「成長戦略」を推進してまいります。
②大規模買付行為に対する取り組み
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。ただし、大規模買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主共同の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。
このような考えのもと、当社は、平成17年度に、当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(ESVプラン)を決定、公表するとともに、その後、毎年、取締役会において、本対応方針の採用を継続してまいりました。しかしながら、国内外の機関投資家をはじめとする株主の皆様のご意見や、買収防衛策を巡る近時の動向、およびコーポレートガバナンス・コードの浸透など、外部の環境変化を注視しつつ慎重に検討した結果、平成28年度末
をもって本対応方針を継続せず、廃止することといたしました。
今後、当社は、当社株式の大規模買付を行おうとする者に対しては、株主の皆様が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を表明・開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、およびその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。また、取締役会の意見等の表明・開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外取締役、社外監査役で構成される独立委員会を設置し、取締役会として意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重してまいります。
当社グループでは、年1回、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグローバル共通の基準(経営への影響度と発生可能性等)で評価を行い、対策すべきリスクの優先順位を決定するというリスクアセスメントを行っています。これらに基づき重要と判断したリスクは、当社グループの各レベル(全社、カンパニー、事業部等)において、当該リスクの内容に応じた対策を立案・実行し、対策の進捗状況をモニタリングし、継続的に改善する活動を展開しています。
事業活動に影響を与える可能性のあるリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績および財政状態は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成29年6月30日)現在において判断したものです。
(1) 経済環境に関するリスク
経済状況の変動
当社グループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退およびこれに伴う需要の減少により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。平成29年度の世界経済は、米国経済の回復や資源国の持ち直しなどにより、全体としては成長が見込まれます。国内でも、公共投資の増加や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた投資が始動することなどにより緩やかな回復が続く見通しです。その一方で、海外の政治情勢や、金融政策動向、資源価格の急変動や地政学的リスクなどの不透明な要因もあり、このような状況に対処するため、新たに事業構造改革の実施が必要となった場合、それによる費用の増大等の可能性があります。また、世界経済が想定に反して悪化する場合などには、当社グループを取り巻く経営環境が現在の予想よりも厳しくなる可能性もあり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
為替相場の変動
外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコストおよび価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。当社グループでは総じて、現地通貨に対する円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響を及ぼしますが、人民元など一部通貨に対する円安は、輸入商品価格の上昇を通じて、事業によっては業績に悪影響を及ぼすこともあります。為替相場に過度な変動があった場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
金利の変動
金利の変動により支払利息、受取利息あるいは金融資産および負債の価値が影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
資金調達環境の変化
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入および社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。当社グループは、金融市場が不安定となり、または悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
株式価値の下落
当社グループは、金融資産の一部として国内外の企業等の株式を保有していますが、株価下落等の株式価値の減少により、親会社の所有者に帰属する持分が減少する可能性があります。
(2) 当社グループの事業活動に関するリスク
競合他社との競争
当社グループは、広範多岐にわたる製品・サービスの開発・生産・販売を行っており、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業と競合しています。当社グループは、戦略事業への投資を推進していますが、特定の事業に対する投資を、競合他社と同程度に、またはタイムリーに、場合によっては全く実施できない可能性もあります。また、競合他社がそれぞれの競合事業において当社グループよりも大きな財務力、技術力およびマーケティング資源を有している可能性があります。
製品価格の下落
当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格を設定することが困難な場合があります。当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、これらの企業努力を上回る価格下落圧力は、当社グループの利益の維持・確保に深刻な影響を与えるものであり、この影響は特に製品の需要が低迷した場合に顕著となります。BtoC(一般消費者向け)分野においては、新興国市場・低価格品への需要シフトや、市場構造変化が進むなか、デジタル家電機器をはじめとする当社グループの事業分野で製品価格が下落する可能性があります。他方、BtoB(企業向け)分野においては、依存度の高い特定の取引先からの企業努力を上回る価格下落圧力や製品需要の減少・設備投資圧力等により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
国際的な事業活動における障害
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつとしていますが、海外では為替リスクに加え、政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む)、経済動向の不確実性、宗教および文化の相違、現地における労使関係等のリスクに直面する可能性があります。また、売掛金の回収や、取引相手との関係構築・拡大などの点で、海外での商慣習に関する障害に直面する可能性があります。さらに、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地産業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、税率変更等を含む税制改正および移転価格課税等の国際課税リスクといったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは輸送費用により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性があります。
技術革新・業界標準における競争
当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては、BtoC分野およびBtoB分野のいずれにおいても技術革新が重要な競争要因になっており、当社グループが将来の市場ニーズに応えるための新技術を正しく予想し開発できない場合や、当社グループが開発・提供した技術が業界において主流とならず、競合他社が開発した技術が業界標準となった場合には、新しい市場での競争力を失う可能性があります。
有能な人材確保における競争
当社グループの将来の成功は、研究・開発・技術・製造、マネジメント分野などでの優秀な人材の確保に大きく依存しています。しかし、各分野での有能な人材は限られているため、人材確保における競争は高まっています。こうした状況下、在籍している従業員の流出の防止や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
他社との提携・企業買収等の成否
当社グループは、新しい製品やサービスの提供等を目指し、他社との業務提携や合弁会社設立、他社への戦略投資などの戦略的提携に加え、他社の買収などを行っており、これら戦略的提携や企業買収の重要性は増加傾向にあります。戦略的提携については、相手先とのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待した効果が得られない可能性、投資の全部または一部が回収できない可能性があります。また、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があります。加えて、これらの相手先が事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。企業買収については、買収にかかる多額の費用が発生する可能性や、買収後の事業統合・再編等にあたり、期待した成果が十分に得られない、または予期しない損失を被る可能性があります。
事業再編の成否
当社グループは、多くの子会社(上場子会社含む)および関連会社等を有しておりますが、経営の効率化と競争力の強化のため、グループ事業体制を再編(他社への事業または株式の譲渡や、グループ内の組織または拠点再編などを含む)することがあります。しかし、現在および将来における再編において、当初期待した成果が十分に得られない可能性があります。
原材料や電力等の供給不足・供給価格の高騰
当社グループの製造事業にとって、十分な品質の原材料、部品、機器、サービス等をタイムリーに必要なだけ入手することが不可欠であり、当社グループは、信頼のおける供給業者を選定しています。しかし、災害・事故や供給業者の倒産などにより、供給が不足または中断した場合や業界内で需要が増加した場合には、供給業者の代替や追加、他の部品への変更が困難な場合があります。それにより当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定していますが、需給環境の変化・投資資金の流入などにより鉄鋼・樹脂・非鉄金属などの原材料および部品価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。これらにより当社グループの生産活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。
顧客の資金状況・財政状態
当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(3) 将来の見通し等の未達リスク
当社グループは、グループ経営目標として、利益に関する目標値を設定し、その実現に向けた具体施策を推進しています。これらの目標値は、設定時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定しますが、今後、事業環境の悪化その他の要因により、目標値の達成や期待される成果の実現に至らない可能性があります。
(4) 法的規制・訴訟に関するリスク
製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生
製品の欠陥による品質問題(不安全事故等)が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは生産物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題が生じることにより、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
知的財産権に関連した損害
当社グループは、自らが出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部またはすべてが保護されない場合があります。また、第三者が保有している知的財産権については、その技術を利用したい場合でも利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現状、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来使用できなくなったり、ライセンス条件が不利に変更されたりする可能性があります。加えて、当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性があります。かかる訴訟等には、多額の費用と経営資源が費やされる可能性があり、また当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが重要な技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
会計制度・税制の変更等
当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
環境に関する規制や問題の発生
当社グループは、気候変動、資源、水、生物多様性、化学物質、廃棄物、製品リサイクルおよび土壌・地下水・大気汚染などに関するさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。将来、環境に関する規制がより厳しくなり、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRに対する意識の高まりなどから当社グループが環境問題への取組みを一層推進する場合には、法令違反による賠償やかかる取り組みへの支出により当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業の過程で、顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することや、他社等の機密情報を受け取ることがあります。また、顧客や他社等の情報以外に、当社自身の営業秘密(当社グループの技術情報等)を取り扱っています。これらの情報は、システムの不正アクセスやサイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により外部に流出する可能性があります。また、当社の製品やサービス、生産設備は、インターネットを利用するものが増加しており、当社として外部の脅威から守るためセキュリティ対策に取り組んでおりますが、製品やサービスへのネットワークを介した予期せぬ侵入、不正操作などによる個人情報の漏洩、外部への情報流出、サービス停止、工程への影響などが発生する可能性があります。これらの事象が生じた場合には、それに起因して被害を受けた方に対して損害賠償責任を負ったり、多大な対策費用等が発生するほか、当社グループの事業やイメージが悪影響を受けたりする可能性があります。その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
その他の法的規制等による不利益および法的責任
当社グループは、日本および諸外国・地域の規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、労使関係、金融取引、内部統制および事業者への課税に関する法規制に加え、事業および投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業および電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制、および輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなったりすることにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業は制限を受けることになります。また、これらの法規制等を順守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また当社グループの社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。
(5) 災害・事故等に関するリスク
当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。地震、津波、洪水等の自然災害(気候変動によって発生するものも含む)や火災・爆発事故、戦争、テロ行為などが発生した場合に、当社グループの拠点の従業員、設備、情報システム等が大きな損害を被り、その一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延する可能性および損害を被った設備等の修復費用が発生する可能性があります。また、強力な新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの生産活動および販売活動等に大きな支障をきたす可能性があります。加えて、これらの災害・事故等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。
(6) その他のリスク
退職給付に係る負債
当社グループは、一定の受給資格を満たす日本国内の従業員について外部積立による退職年金制度を設けています。当社および一部の国内子会社は、確定給付年金制度から、各々の移行日以降の積立分(将来分)について確定拠出年金制度に移行していますが、移行日前の過去の積立分については、今後も金利の低下により確定給付制度債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により制度資産の公正価値の減少をもたらす可能性があり、その結果、退職給付に係る負債が増加し、親会社の所有者に帰属する持分が減少する可能性があります。
非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれんおよび無形資産など、多くの非金融資産を保有しています。当社グループは、これらの非金融資産(棚卸資産および繰延税金資産等を除く)の連結財政状態計算書計上額について、当該資産の回収可能価額が帳簿価額を上回っているかどうかを定期的に検討しています。当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識しなければならない可能性があります。
繰延税金資産の認識
当社グループは、繰延税金資産について、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。認識された繰延税金資産については、期末日に見直しており、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分を減額することにより、法人所得税費用が増加する可能性があります。
持分法適用会社の業績・財政状態
当社は、複数の持分法適用会社の株式を保有しています。各社は各々の事業および財務に関する方針のもとで経営を行っており、当社はその方針決定に関与することが出来る重要な影響力を有していますが、支配には至らないため、通常、方針そのものの決定は行いません。これらの持分法適用会社の業績・財政状態の悪化により、当社グループの業績・財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(1)技術受入契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
QUALCOMM INC. |
アメリカ |
3G携帯電話及び基地局に関する特許実施の許諾 |
自 平成13年3月 至 特許満了日 |
(2)技術援助契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
MPEG LA LLC. |
アメリカ |
MPEG-4Visualに関する特許実施の許諾 |
自 平成12年1月 至 特許満了日 |
(3)クロスライセンス契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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Eastman Kodak Company |
アメリカ |
デジタルカメラ等に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成19年12月 至 平成29年12月 |
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Koninklijke Philips Electronics N.V. |
オランダ |
携帯電話・AV製品に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成19年3月 至 特許満了日 |
|
SAMSUNG Electronics Co., Ltd. |
韓国 |
半導体特許に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成20年1月 至 特許満了日 |
|
パイオニア㈱ |
日本 |
主要AV製品に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成18年4月 至 平成30年3月 |
(4) B2Bソリューション関連事業の吸収分割(簡易吸収分割)契約の締結
当社は、平成28年9月28日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック システムネットワークス㈱(以下、「PSN」)におけるB2Bソリューション関連事業を吸収分割(以下、「本吸収分割」)により当社に承継させることを決議し、平成28年12月22日に本吸収分割に係る吸収分割契約を締結しました。
①本吸収分割の目的
当社の主力事業の一つであるB2Bソリューション事業の成長に向けて、重点業界を定め、それぞれの顧客に密着する業界別事業体制を構築すべく、現在PSNで担っている、B2Bソリューション事業を吸収分割することにより承継し、成長分野に向けた柔軟なリソースのシフトや業界別事業体制を実現するとともに、B2B市場の顧客に向けて幅広いソリューションを提供するためです。
②本吸収分割の方法
PSNを分割会社とし、当社を分割承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)です。
なお、本吸収分割による株式その他の金銭等の割当はありません。
③分割期日(効力発生日)
平成29年4月1日
④承継する事業の経営成績
売上高 1,432億円(平成29年3月期)
⑤承継する資産・負債の状況
資産合計 548億円、負債合計 316億円(平成29年3月31日現在)
⑥吸収分割承継会社(当社)の概要
資本金 258,740百万円(平成29年3月31日現在)
事業内容 電気、電子機器等の製造、販売
上記に従い、当社は平成29年4月1日に、本吸収分割を実施しました。
(5) パナソニック デバイスマテリアル郡山㈱及びパナソニック デバイスマテリアル四日市㈱との吸収合併契約の締結
当社は、平成28年11月30日開催の取締役会において、連結子会社であるパナソニック デバイスマテリアル郡山㈱(以下、「PIDMK」)及びパナソニック デバイスマテリアル四日市㈱(以下、「PIDMYC」)を吸収合併(以下、「本合併」)することを決議し、同日付で吸収合併契約を締結しました。
本合併の要旨は、次のとおりです。
①合併の方法
当社を吸収合併存続会社とし、PIDMK及びPIDMYCを吸収合併消滅会社とする吸収合併方式で、PIDMK及びPIDMYCは解散します。
②合併期日
平成29年4月1日
③合併の目的
当社は電子材料事業の開製販一体でのグローバル連携により、経営のスピードを加速させることを目指します。
④合併に際して発行する株式及び割当
本合併による株式その他の金銭等の割当はありません。
⑤合併比率の算定根拠
なし
⑥引継資産・負債の状況
PIDMK :資産合計 91億円、負債合計 59億円(平成29年3月31日現在)
PIDMYC:資産合計 62億円、負債合計 42億円(平成29年3月31日現在)
⑦吸収合併存続会社となる会社(当社)の概要
資本金 :258,740百万円(平成29年3月31日現在)
事業内容:電気・電子機器等の製造・販売
上記に従い、当社は平成29年4月1日に、PIDMK及びPIDMYCを吸収合併しました。
(6) パナソニック デバイスSUNX㈱の完全子会社化ならびに株式交換契約の締結
当社は、平成28年12月20日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、連結子会社であるパナソニック デバイスSUNX㈱(以下、「SUNX」)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「SUNX株式交換」)を行うことを決議し、同日付で株式交換契約を締結しました。
SUNX株式交換の要旨は、次のとおりです。
①株式交換の内容
当社を株式交換完全親会社とし、SUNXを株式交換完全子会社とする株式交換です。
②株式交換の日(効力発生日)
平成29年3月27日
③株式交換の目的
当社とSUNX双方の経営資源を共有・活用しながら、顧客が望むソリューションを提供し、FA機器事業の開発・製造・販売の一体化を通じ、当社グループの競争優位性を高めることを目指します。
④株式交換の方法
SUNX株式交換は、SUNX株主に対して、当社株式を割当交付します。また、割当交付する株式は、すべてその保有する自己株式にて対応する予定です。ただし、当社が保有するSUNX株式については、SUNX株式交換による株式の割当は行いません。
⑤株式交換比率
SUNX株式1株に対して、当社株式0.68株を割当交付します。
⑥株式交換比率の算定根拠
株式交換比率の算定にあたって、当社は野村證券㈱を、SUNXは大和証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定しました。野村證券㈱は当社については市場株価平均法を、SUNXについては市場株価平均法及びディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」)をそれぞれ採用して算定を行いました。大和証券㈱は当社及びSUNXについて市場株価法及びDCF法を、採用して算定を行いました。これらの算定結果を参考に、両社それぞれが慎重に検討し、両社間で交渉・協議し、株式交換比率を決定しました。
⑦株式交換完全親会社となる会社(当社)の概要
資本金 :258,740百万円(平成29年3月31日現在)
事業内容:電気・電子機器等の製造・販売
上記に従い、当社は平成29年3月27日に、SUNX株式を取得しました。
(7) パナホーム㈱の完全子会社化ならびに株式交換契約の締結
当社は、平成28年12月20日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、連結子会社であるパナホーム㈱(以下、「パナホーム」)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「パナホーム株式交換」)を行うことを決議し、同日付で株式交換契約を締結しました。
パナホーム株式交換の要旨は、次のとおりです。
①株式交換の内容
当社を株式交換完全親会社とし、パナホームを株式交換完全子会社とする株式交換です。
②株式交換の日(効力発生日)
平成29年8月1日(予定)
③株式交換の目的
当社とパナホーム双方の経営資源を共有・活用しながら、オールパナソニック体制で顧客ニーズに迅速かつ的確に応え、住宅市場における当社グループの価値を一段と高めていくことを目指します。
④株式交換の方法
パナホーム株式交換は、パナホーム株主に対して、当社株式を割当交付します。また、割当交付する株式は、すべてその保有する自己株式にて対応する予定です。ただし、当社が保有するパナホーム株式については、パナホーム株式交換による株式の割当は行いません。
⑤株式交換比率
パナホーム株式1株に対して、当社株式0.80株を割当交付します。
⑥株式交換比率の算定根拠
株式交換比率の算定にあたって、当社は野村證券㈱を、パナホームはSMBC日興証券㈱を、それぞれの第三者算定機関に選定しました。野村證券㈱は当社については市場株価平均法を、パナホームについては市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。SMBC日興証券㈱は当社については市場株価法を、パナホームについては市場株価法、類似上場会社比較法及びDCF法を、それぞれ採用して算定を行いました。これらの算定結果を参考に、両社それぞれが慎重に検討し、両社間で交渉・協議し、株式交換比率を決定しました。
⑦株式交換完全親会社となる会社(当社)の概要
資本金 :258,740百万円(平成29年3月31日現在)
事業内容:電気・電子機器等の製造・販売
(8) パナホーム㈱との株式交換契約の解約及びパナホーム㈱普通株式に対する公開買付けの実施に関する覚書の締結
当社は、平成29年4月21日開催の取締役会において、平成28年12月20日に締結した、当社を株式交換完全親会社とし、連結子会社であるパナホーム㈱を株式交換完全子会社とする(7)記載の株式交換契約を、合意により解約し、パナホーム㈱の普通株式を金融商品取引法に基づく公開買付け(以下、「本公開買付け」)により取得することを決議しました。そして、パナホーム㈱との間で、平成29年4月21日付で同株式交換契約を合意解約し、一定の条件が成就していることを前提条件に当社が本公開買付けを実施することなどを定めた覚書を締結しました。
(9) パナソニック ノースアメリカ㈱の株式譲渡契約の締結
当社は、平成28年12月22日開催の取締役会において、海外持株会社の再編を決議し、当社が保有するパナソニック ノースアメリカ㈱の全株式を、パナソニック ホールディング オランダ㈲に譲渡する株式譲渡契約を平成29年3月16日付で締結し、同日付で株式譲渡しました。
当社グループは、各セグメントの主要領域における成長戦略に基づき、将来を担う新技術や新製品の開発に注力しました。
カンパニーや事業部などの組織を横断した主な取り組みと成果は、以下のとおりです。
・積層型有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサーによる近赤外線域撮像を可能とする電子制御技術を開発
イメージセンサーの同一画素内で、近赤外線域の感度を電気的に変えることが可能な電子制御技術を開発しました。可視光域と近赤外線域に感度を持つ有機薄膜を積層し、この積層型有機薄膜へ加える電圧を変えることにより、イメージセンサーの感度波長域を全画素同時に電子制御することが可能になりました。
これにより、可視光/近赤外線域での撮像をフレーム単位で切り替えることができるようになります。
・世界最高水準の高効率モーターを搭載した圧縮機の省エネ性能を実証
東北大学「東北発 素材技術先導プロジェクト」(文部科学省)の超低損失磁心材料技術領域が開発する新ナノ結晶合金NANOMET®を用いて試作した家電用モーターを圧縮機に搭載し、圧縮機としての駆動に世界ではじめて成功しました。
今回の試作では、従来の電磁鋼板(ケイ素鋼板)を使用したモーターに比べ約3%の効率改善を実証しました。さらに、このモーターを圧縮機に搭載して圧縮機の性能を表す成績係数を約3%改善し、目標とする世界最高水準の高効率モーターおよび高効率圧縮機が実現可能であることが確認できました。
・非接触肌センシングおよびメイクアップシート技術の開発
可視光で、肌表面/表面下の状態により異なる光の反射吸収の違いから、人の肌状態(シミ、シワ、毛穴等)を非接触で測定する独自の肌センシング技術を確立しました。さらに、そこから得られた肌の情報をもとに、シミなどをカバーするコンシーラー層などをナノレベルの極薄のシートに微細に印刷する技術を開発しました。
これにより、一人ひとりのシミ(サイズ・色)に合ったメイクアップシートを印刷し、肌に貼ることで肌の悩みを解消します。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,361億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」985億円、「エコソリューションズ」548億円、「AVCネットワークス」932億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,896億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。
(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や情報家電、空調機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・OHラジカル生成量が従来比10倍の「ナノイーX」を開発
従来の「ナノイー」デバイスの放電部を改良し、広いプラズマ発生領域を形成することでオゾン量はそのままで、OHラジカルを従来比10倍生成する「ナノイーⅩ」を開発しました。
OHラジカルは空気中の菌・アレル物質に含まれる水素を抜き取ることで無力化などを行うことができ、このOHラジカルの数が多ければ多いほど除菌効果が期待できます。
この「ナノイーⅩ」を加湿空気清浄機、ルームエアコンに搭載、これにより地域や季節に関係なく、日本全国に飛散する花粉(12種類)の無力化や生活5大臭の脱臭に対応、より安心で快適な空気環境を提供できるようになりました。
・700W純水素燃料電池を開発、社会実装に向けて運転実証試験を開始
エネファームの技術をベースに、水素から直接発電する小型で高い発電効率を有する700W出力の純水素燃料電池のプロトタイプを開発しました。また地方自治体・関連企業などと連携し、「ゆめソーラー館やまなし」や「水素ステーション静岡」に試作機を設置、社会導入に向け実環境でのデータ収集や複数台の連携運転などの実証試験を開始しました。
今後は、本実証試験を通じ実用化開発を加速させていくとともに、将来の水素社会発展に貢献してまいります。
・家庭用ルームエアコン向けダブル温度・同時吹き分け気流システムを開発
1つの熱交換器で温度の異なる2つの温風を作り出す世界初のダブル温度熱交換器と、その異なる温度の温風を同時に吹き分ける新開発のダブル温度気流システムを開発し、快適性とともに省エネ性の向上を実現しました。
昨年搭載した「温冷感センサー」との組み合わせで、「暑い」と感じている人、「ちょうどいい」「寒い」と感じている人、それぞれに応じた温風を同時に届けることで、より速く無駄なく快適な温度空間を実現します。
(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・部屋の明るさ感を向上するLEDシーリングライトの配光制御技術を開発
シーリングライト本体に2つのLED発光部を搭載し、各々の光を異なる2つの方向へ効率よく導く独自の配光制御技術を開発しました。直下を照らす直射用LED発光部と、導光クリアパネルを用いて上下左右に広く拡散し壁面や天井面も照らす発光部を有する独自構造により、これまでの直射タイプLEDシーリングライトより部屋の明るさ感が向上しました。
・美しい天然石の表情を再現した有機ガラス系人造大理石を開発
アクリル素材をベースとした特殊な樹脂の有機ガラス系素材に、天然の雲母を配合し、深みと透明感のある天然石の表情を再現するとともに、凹凸のある表面加工と硬度9Hという硬さで、傷に対する強さを実現しました。さらにはっ水・はつ油成分を配合することで汚れにくくお手入れがしやすくなりました。
これにより、システムキッチンやシステムバス、洗面化粧台などの幅広い水周り設備への採用で空間価値を向上させます。
・空気清浄機の花粉除去性能を従来品の約2倍に向上する気流制御技術を開発
2本の気流を生み出す新形状の「ツインルーバー」を採用した気流制御技術を開発しました。気流を1方向から2方向にするため、吸引がよりスムーズになり、従来は吸い込む気流が吹き出す気流に誘引されて一部発生していた花粉の舞い上がりを軽減し、花粉除去性能が従来品の約2倍向上しました。
これにより、ハウスダストの中でも、特に大きく重い花粉をパワフル吸引します。
(3) AVCネットワークス
主に当社の研究開発部門を中心として、AVとICTとを融合し、企業・法人向けの機器やソリューションの研究開発を行っています。主な成果としては、
・メガホン型多言語音声翻訳サービス基盤を開発
大きな騒音下でも正確に入力できる高性能な音声認識機能を搭載したメガホン型多言語音声翻訳機「メガホンヤク」を開発しました。発話した日本語を英語・中国語・韓国語にその場で翻訳します。「メガホンヤク」には約300の定型文をあらかじめ登録しています。また、頻繁に変更が想定される数字などの単語を含む文章は、いくつかのパターンから選択できるワード選択機能にも対応し、全体で約1800パターンの文章が利用可能です。さらに、定型文の管理や更新、ソフトウエアのアップデートなどメンテナンスを行うためのクラウドサービスも構築しました。
これにより、空港、駅といった交通機関や、展示会、イベントなどホールやスタジアムのほか、テーマパークや観光地等、さまざまな場所や場面で来場者やお客様の誘導をスムーズに行うことができます。
・高コントラストな画質を実現する透明スクリーンを開発
特殊ポリマーとカプセルを入れた透明-白濁スイッチング層と、色調コントロール層からなる「高コントラスト調光フィルム」をガラスに内蔵し、設置時に最適なコントラスト画質に調整できる、透明スクリーンを開発しました。電圧をかけることで透明モード、電圧オフでスクリーンモードに変化させ、ショーウィンドーのガラスをデジタルサイネージとしても活用できます。さらに、水平方向に複数枚をつなげて大型スクリーンとしても使用ができ、さまざまな場面で効果的な演出が可能になります。
・独自のセンシング技術を活用した「ダム維持管理システム」を開発
独自のセンシング・イメージング技術により、これまで人が水中でダム壁面を目視点検していた作業を、人に代わって水中に潜り、網羅的なダム点検を実現する「ダム維持管理システム」を開発しました。濁度が高い水中の撮影でも点検箇所をクリアに再現する画像処理技術、撮影カメラ画面全体を一様輝度で均一化する均一照明技術、つねに壁面勾配と正対した状態を自動でキープする自律制御技術を搭載し、老朽化するダムを高精度に点検することが可能になります。
(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのインフォテインメント関連機器、二次電池をはじめとした電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・自動運転に貢献する技術を開発、電動コミューターを試作し技術検証を実施
電源回路、インバーター、モーターなどを一つの筐体に高密度実装した独自の統合電動化システムを開発、あわせて家電で培ったデジタルAV、画像認識、人工知能技術を活用し、自動運転にチャレンジ。道路の状況を車両が自ら把握し、停車中のクルマを避けたり、設定されたルートを自動運転する機能を搭載した自動運転電動コミューターを試作しました。すでにテストコースや公道に近い環境のある当社敷地内での試験走行を開始しています。
これらの開発を通して、自動運転関連技術を蓄積するとともに先進運転支援システム(ADAS)関連事業の強化、加速を図ってまいります。
・業界初の完全自動セルフレジ機「レジロボ」の実証実験を実施
IoTを活用したセンシング技術で商品とレジを紐づけ、製造業で培ったロボティクス関連技術も駆使し、商品を入れた「スマートバスケット」を専用レジに設置すると自動的に精算と袋詰めができる自動セルフレジ機「レジロボ」を開発しました。この「レジロボ」は、まず社内の共創の場 Wonder Lab Osakaでの試験運用でお客様の声を得て進化させた後、㈱ローソンと共同で次世代型コンビニエンスストア店舗にて実証試験を実施しました。
「レジロボ」の導入により、精算とレジ作業の大幅な時間短縮を図り、今後も、技術でお客様の豊かな生活をサポートしてまいります。
・ロボット用「モーションセンシングユニット」を開発
高精度に加工した超小型素子を用いたセンサーと、そのセンサーの長所を生かすアルゴリズム技術の開発により、XYZ方向の回転運動や直進運動を6軸検出し、精度が高い姿勢情報を高速に出力するユニットを開発しました。また、用途に応じたパラメータ値を設定した提供が可能で、ロボットメーカー側での開発負担の軽減に貢献できます。
これにより、縦方向、横方向、斜め方向に取り付けても、複雑な動きを検出することができ、多様な使用環境や設置環境に対応し、ロボット用途を拡大します。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記3「重要な会計方針」に記載しています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
平成28年度の世界経済は、米国が堅調な個人消費や設備投資の改善などを背景に回復しつつあり、中国も過度な減速懸念が和らぐなど、概ね緩やかな景気回復が続きました。日本では、個人消費の回復が足踏みを続ける一方、海外経済の改善を背景として輸出や設備投資に持ち直しの動きが見られました。各国の政治や金融政策、為替動向など、経営環境には大きな変化もありましたが、経済全体としては緩やかな回復基調となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、平成28年度を、平成30年度およびその先に目指す姿の実現のための「成長への足場固めの年」と位置づけ、成長事業の仕込みを行ってまいりました。具体的な取り組みとしては、住宅事業では、平成28年4月に当社とパナホーム㈱のリフォームブランドを「Panasonic リフォーム」に統一しました。さらに、パナホーム㈱の普通株式に対する公開買付け及びその後の完全子会社化手続によりパナホーム㈱を当社の完全子会社とすることを発表するなど、両社の経営資源を最大限に活用した事業戦略を推進していきます。また12月には、テスラ社と提携し、太陽電池セルとモジュールを米国で生産することも発表しました。車載事業では、スペインの自動車部品メーカー、フィコサ社を連結子会社化することを平成29年3月に発表しました。今後は両社がより一体となって、電子ミラーをはじめとする協業商品の事業化を加速させていきます。B2B事業では、中核の一つである食品流通事業において米国のハスマン社を買収し、平成28年4月に連結子会社としました。また、12月には、海外での物流ソリューションの拡大を目的として、ベルギーのゼテス社を連結子会社化することを発表しました。このほか、 平成29年3月にパナソニック デバイスSUNX㈱を完全子会社化し、FA機器事業の一層の強化を図っています。
① 売上高
当年度の連結売上高は、円高による影響が大きく、前年度の7兆6,263億円に比べて減少し、7兆3,437億円となりましたが、実質ベースでは増収となりました。国内売上高は、家電販売や車載向け事業は堅調でしたが、住宅用太陽光発電システムの販売が苦戦し、全体ではわずかに減収となりました。海外売上高は、新規連結のハスマン社の寄与に加え、二次電池、メカトロニクスの販売が好調でしたが、為替が影響し、全体では減収となりました。為替の影響を除く実質ベースでは、連結売上高は、前年度比で2%の増収となりました。
地域別売上高については、国内は、前年度の3兆7,004億円に比べて1%減少し、3兆6,591億円となりました。海外は、前年度の3兆9,259億円に比べて6%減少し、3兆6,846億円となりましたが、為替の影響を除く実質ベースでは、前年度比で5%の増加となりました。米州は、1兆2,722億円と前年度から2%増加、実質ベースでも12%の増加となりました。欧州は、6,077億円と前年度から13%減少、実質ベースでも3%の減少となりました。アジア・中国は、1兆8,047億円と前年度から9%減少しましたが、実質ベースでは3%の増加となりました。
② 営業利益
売上原価は、前年度の5兆3,677億円に比べて減少し、5兆1,572億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆8,454億円に比べて減少し、1兆8,429億円となりました。持分法による投資損益は、前年度から微減し、84億円でした。その他の損益は、事業構造改革費用および二次電池やブラウン管等に関する訴訟関連費用が減少したことなどにより、前年度の1,914億円の損失に対して、752億円の損失となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の2,303億円に比べて増加し、2,768億円となりました。将来の成長に向けた先行投資としての固定費増加や、為替の影響がありましたが、合理化取組みの効果や、上述のその他の損益の改善などにより、増益となりました。営業利益率も、前年度の3.0%から良化し、3.8%となりました。
③ 税引前利益
金融収益については、前年度の236億円から減少し、218億円となりました。金融費用については、前年度の264億円から減少し、235億円となりました。
この結果、税引前利益は、前年度の2,275億円に対し、2,751億円となりました。
④ 親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の363億円に対し、1,027億円となりました。前年度の法人所得税費用には、足元の収益状況の改善および国内連結納税導入の決定による利益の安定性の向上により、パナソニック㈱における繰延税金資産の回収可能性を見直したことによる再計上の影響(法人所得税費用の減少)が含まれています。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の1,652億円に対し、1,494億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の71円30銭に対し、64円33銭となりました。
⑤ セグメントの業績
当社グループのセグメントは、「アプライアンス」、「エコソリューションズ」、「AVCネットワークス」、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」、「その他」の5セグメントで構成されています。セグメントごとの業績は以下のとおりです。なお、平成28年4月1日に、一部の事業をセグメント間で移管しており、以下の分析では、当年度の形態に合わせた前年度数値と比較しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で2%増加し、2兆3,245億円となりました。
当年度は、国内の家電販売が堅調に推移するとともに、米国ハスマン社の新規連結などにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、エアコンカンパニーは、ルームエアコンと大型空調ともに国内では販売を伸ばし、海外ではアジアを中心に好調であったものの、為替の影響により減収となりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、ドラム式洗濯乾燥機の新商品を中心に、国内での販売は伸長しましたが、北米市場からの撤退により、減収となりました。
テレビ事業部では、4Kテレビのラインナップを拡大した国内の販売が好調に推移しましたが、欧州市場では販売が伸びず、減収となりました。
冷蔵庫事業部では、高付加価値商品が好調で、国内で販売は伸長し、海外ではアジアで販売を伸ばすも、為替の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,043億円となりました。国内の白物家電や4Kテレビなどの高付加価値商品へのシフトによる収益性改善に加えて、ハスマン社の新規連結などにより、前年度から447億円増加しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で3%減少し、1兆5,457億円となりました。
当年度は、国内の住宅用太陽光発電システムの市場縮小による販売減少と為替の影響により、全体では減収となりました。
主な事業部の状況では、ハウジングシステム事業部は、材料調達に一部支障をきたし、内装建材は伸びなやみましたが、一方、水まわり設備、外装建材が好調で、前年度並みの販売となりました。
エナジーシステム事業部では、太陽光発電の電力買取り価格引下げによって国内市場が縮小したことなどにより、減収となりました。今後の太陽電池事業の拡大に向け、米国電気自動車メーカーとの協業をスタートさせました。
ライティング事業部では、国内はオフィスや学校など様々な施設向けの販売拡大、海外では中国での販売が伸長し、LED照明器具などの機器事業は増収となりましたが、国内既存光源の市場縮小、欧米デバイス事業の販売減少により、減収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、中国における空気清浄機と換気システムの販売、北米における換気システムの販売が好調でしたが、為替の影響により、減収となりました。
また、介護サービス拠点数の拡大に伴いエイジフリー事業が伸長しました。
当セグメントの営業利益は、625億円となりました。ハウジングシステム事業、ライティング事業が増益を達成した一方で、国内住宅用太陽光発電システムの販売減少が影響し、前年度から138億円減少しました。
c AVCネットワークス
当セグメントの売上高は、前年度比で11%減少し、1兆407億円となりました。
当年度は、航空機内エンターテインメントシステムにおいて既存機体の内装替え特需があった前年度からの反動や、固定電話・従来型アナログPBX(構内交換機)の市場縮小、さらには為替や熊本地震の影響を受けて、全体では減収となりました。
主な事業の状況では、ソリューション事業は、業界特化の取り組みが好調で、国内の流通・物流や公共、海外では北米のエンターテインメント業界を中心に販売が伸長したものの、前年度の特需反動や為替の影響が大きく、減収となりました。
映像・イメージング事業では、高付加価値商品のミラーレス一眼・高級コンパクトカメラ、高輝度プロジェクターなどの販売が伸長しましたが、為替や熊本地震の影響により、減収となりました。
モビリティ事業では、ITプロダクツ事業部で、国内向けノートパソコンの販売好調に加え、前年度販売不振であった北米市場が、販売体制の強化や顧客密着型の活動により回復したものの、為替の影響とストレージ事業部の既存商品の減販により、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、296億円となりました。高付加価値商品へのシフトにより収益性は向上しましたが、為替の影響や、航空機内エンターテインメントシステムの特需の反動で、前年度から394億円減少しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で5%減少し、2兆5,612億円となりました。
当年度は、車載および産業分野への事業転換が着実に進展しましたが、為替の影響により、全体では減収となりました。
主な事業の状況では、オートモーティブ事業は、グローバル市場での自動車販売の好調を受け、車載カメラやセンサー、スイッチなどの電装品の販売が伸長しましたが、為替の影響により減収となりました。カーナビなどのインフォテインメントシステムの販売は、欧州などで低調であったものの、国内および中国での販売が好調でした。
エナジー事業では、米国電気自動車メーカー向けリチウムイオン電池の販売が好調に推移し、増収となりました。
インダストリアル事業では、車載リレーやモーター、電子材料など車載・産業向け商品の販売が伸長したものの、テレビ用液晶パネル事業からの撤退などが影響して、減収となりました。
ファクトリーソリューション事業では、実装機のみならず、検査機などの周辺機器まで含めた工程全体を管理する一貫ライン・システムにもビジネスが拡がりましたが、為替の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,093億円となりました。為替の影響はあったものの、インダストリアル事業を中心とした車載・産業向け増販益の拡大などにより、前年度から591億円増加しました。
e その他
当セグメントの売上高は、前年度比で1%増加し、6,566億円となりました。
当年度は、パナホーム㈱では、新築請負事業でネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの推進や多層階住宅の販売促進、賃貸アパートの受注が堅調であったことに加え、分譲戸建てやマンション販売も堅調に推移し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は80億円となりました。パナホーム㈱の固定費増加の影響などにより、前年度から61億円減少しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載しています。
(4)財政状態及び流動性
① 流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としております。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の1兆127億円から増加し、1兆2,708億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、社債発行等により、前年度末の7,248億円から当年度末には1兆1,240億円へ増加しました。
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:安定的)、A-2 (短期)
ムーディーズ:A3 (長期、アウトルック:安定的)
② キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは3,854億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは4,201億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス347億円(対前年度差1,603億円減)となりました。フリーキャッシュ・フローの前年度差の主な要因は、前年度に運転資本の大幅な減少があったことや、今年度のハスマン社の取得によるものです。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細については、「1 業績等の概要」に記載しています。
③ 設備投資額と減価償却費
当社グループは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方のもと、設備投資を行っています。
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の2,529億円から23%増加し、3,116億円となりました。主要な設備投資は、車載用リチウムイオン電池の生産設備(米国)です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,382億円から6%減少し、2,244億円となりました。
④ 資産、負債及び資本
当社グループの当年度の連結総資産は、前年度末から4,949億円増加し、5兆9,830億円となりました。これは、ハスマン社の取得に伴うのれんなどの非流動資産の増加や、社債発行に伴う現金及び現金同等物の増加などによるものです。
負債は、普通社債の発行などにより前年度末に比べ3,822億円増加し、4兆2,230億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、円高などに伴うその他の資本の構成要素の悪化はありましたが、当期純利益の計上などにより前年度末に比べ1,274億円増加し、1兆5,719億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末と同水準の26.3%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は1兆7,599億円となりました。