(1)業績
当年度の業績(セグメントの業績を含む)は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは5,820億円(対前年度差2,432億円増)となりました。前年度差の主な要因は、営業利益の増加です。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の投資活動により増加したキャッシュ・フローは121億円(対前年度差43億円減)となりました。前年度差の主な要因は、設備投資の抑制やヘルスケア事業の譲渡に伴う収入があったものの、投資及び貸付金の売却及び回収に伴う収入が減少したことなどによるものです。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
当年度の財務活動に使用したキャッシュ・フローは5,323億円(対前年度差412億円増)となりました。前年度差の主な要因は、短期社債や長期債務等の有利子負債の圧縮を加速したことなどによるものです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、当年度末の現金及び現金同等物の残高は5,925億円(対前年度末差962億円増)となりました。
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また製品の性質上、原則として見込生産を主体とする生産方式を採っています。
なお、当社グループは製品の在庫を一定の必要水準に保つように生産活動を行っていることから、生産状況は販売状況に概ね類似しています。
(1) 対処すべき課題
平成26年度の世界経済は、地政学的リスクや米国の金融緩和縮小の影響、日本の消費税増税などの不安要因があるものの、欧米経済の回復進展や新興国の成長に加え、日本では設備投資や公共投資が高水準とみられることなどから、全体としては緩やかな成長が見込まれます。
こうしたなか、当社は平成26年度を、中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」の2年目として「CV2015達成への基盤を固める」年、そして「平成30(2018)年の『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」年と位置づけ、これまでの取り組みをさらに進化させてまいります。
「CV2015達成への基盤を固める」につきましては、「事業部基軸の経営」により、事業構造改革を完遂すると同時に、各事業部の「営業利益率5%以上」の達成に向けた変革を加速してまいります。
事業構造改革は、平成25年度に主要事業課題への対策の手を打ち終えるため、前倒しで取り組んでまいりました。これに対し平成26年度は将来に向け、強い事業体になるための改革を進めてまいります。
また、経営の基軸として平成25年度より49事業部でスタートした「事業部制」につきましては、1つひとつの事業の将来性をしっかりと見極めつつ、課題事業においては必要な対策を行ってきた結果、平成26年度は43事業部でスタートいたします。各事業部が、事業の立地を変える「転地」などの取り組みを通じて変化、進化を続け、収益性を高めてまいります。
「『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」につきましては、平成30(2018)年の売上高として、家電事業、住宅関連事業、車載事業でそれぞれ2兆円、BtoBソリューション事業で2.5兆円、デバイス事業で1.5兆円と、これら5つの事業領域において、非連続な施策も含め、収益を伴った成長を目指します。そしてこれらを合計した「売上高10兆円規模」を目指す姿として取り組んでまいります。
①家電事業:
アプライアンス社とAVCネットワークス社の家電事業を一元化いたします。これにより、アプライアンス社が持つ世界各地域におけるお客様の生活への適応力や、AVCネットワークス社が持つグローバル推進力やデジタル技術といった、両社の強みを結集し、掛け合わせることで、競争力のある新たな家電事業を創り出してまいります。
②住宅関連事業:
日本では、成長が見込まれるリフォーム市場へ攻勢をかけてまいります。全国のショウルームをリフォーム対応に刷新し、新たなお客様の獲得を目指すとともに、平成25年度に設立したパナホーム リフォーム㈱なども通じ、施主様への直接提案を強化してまいります。また海外につきましても、トルコの電設資材製造会社、ヴィコ エレクトリック㈱の買収で獲得した販路を活用し、トルコ、CIS、中近東などで住宅関連事業の拡大を図ってまいります。
③車載事業:
車載電池では、米国電気自動車メーカー向けの円筒形リチウムイオン電池に加え、角形リチウムイオン電池などでも機を逃さない投資を行い、積極的に事業を拡大してまいります。インフォテインメント分野においても、当社が持つ最先端のデジタルAV・IT技術を投入したヘッドアップディスプレイやコックピットシステムなどで他社との差別化を図ってまいります。
④BtoBソリューション事業:
大きな成長が期待できる業界に焦点を当て、アビオニクスのように開製販一体となってお客様に向き合う事業や、各地域にエンジニアリング会社を設置し、地域ごと、お客様ごとに、あらゆる商材を組み合わせ、最適なソリューションを提供できるような事業を新たに生み出してまいります。
⑤デバイス事業(車載向け除く):
これまでに培った幅広い事業領域でのソリューション提案力をもとに、エナジーデバイスを中心とするコア技術の強みを活かして、小型化・集積化、モジュール化・システム化が求められる産業分野を重点的に攻略し、事業を拡大してまいります。
平成30(2018)年「売上高10兆円規模」の実現に向け、これまでの「事業軸中心」の経営に、お客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、さらに進化させてまいります。具体的には、5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、どの領域に経営資源を集中していくのかを明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。特に成長余力が大きい海外戦略地域市場の攻略に向けては、平成26年4月より「戦略地域事業推進本部」を設置し、「脱・日本依存」でこの市場の成長を取り込んでまいります。
平成26年度は、中期経営計画「CV2015」と、平成30(2018)年に目指す姿を見据えつつ、「成長力あふれる、新しいパナソニック」をつくる、その基盤を固める年として、グループ全体で攻勢を強めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。
②基本方針の実現のための具体的な取り組み
(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み
従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせております。「CV2015」では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて、当社が力強く進んでいける道筋をつけるよう取り組んでおります。具体的には「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指しております。
平成25年4月より、事業部制・カンパニー制を導入し、「事業軸」を中心とした経営を進めておりますが、さらにお客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、進化させてまいります。具体的には「家電」「住宅関連」「車載」「BtoBソリューション」「デバイス」の5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、経営資源を集中すべき領域を明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。
特に、成長余力の大きい海外戦略地域市場を攻略するため、平成26年4月に「戦略地域事業推進本部」を設置いたしました。このように、グループの体制をさらに進化させながら、引き続きスピードを上げて「CV2015」に取り組んでまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み
当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成25年は5月10日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成26年4月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
ESVプランの詳細については、平成26年4月28日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)-ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要-」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140428-4/jn140428-4.pdf)
をご参照ください。
③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものであり、当社取締役・監査役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(参考)
株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要
1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件
取締役会で定め公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てます。なお、株主割当てにより募集新株予約権を発行する方法による場合と、新株予約権無償割当ての方法による場合とがあります。
2.新株予約権の目的である株式の種類及び数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。
3.発行する新株予約権の総数
新株予約権の発行総数は、50億個を上限として、取締役会が定める数とします。取締役会は、発行する新株予約権の総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の発行を行うことがあります。
4.募集新株予約権を発行する方法による場合の募集新株予約権の払込金額
金銭の払込みを要しません。
5.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とします。
6.新株予約権の譲渡制限
譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとします。
7.新株予約権の行使条件
大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。
8.新株予約権の行使期間等
新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとします。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがあります。
当社グループでは、年1回、事業活動に影響を与えるリスクを洗い出し、それらについてグローバル共通の基準(経営への影響度と発生可能性他)で評価を行い、対策すべきリスクの優先順位を決定するというリスクアセスメントを行っています。これらに基づき重要と判断したリスクは、当社グループの各レベル(全社、カンパニー、事業部等)において、当該リスクの内容に応じた対策を立案・実行し、対策の進捗状況をモニタリングし、継続的に改善する活動を展開しています。
これらのリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。当社グループの事業、業績および財政状態は、かかるリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成26年6月27日)現在において判断したものです。
(1) 経済環境に関するリスク
経済状況の変動
当社グループの製品・サービスに対する需要は、それらの販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受けるため、世界の市場における景気後退およびこれに伴う需要の減少により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。平成26年度の世界経済については、欧米経済の回復進展や新興国の成長に加え、日本では設備投資や公共投資が高水準とみられることなどから、全体としては緩やかな成長が見込まれます。その一方で、地政学的リスクや米国の金融緩和縮小の影響、日本の消費税増税などの不安要因等から経営環境が悪化する可能性もあり、このような状況に対処するため、新たに事業構造改革の実施が必要となった場合、それによる費用の増大等の可能性があります。また、世界経済が想定に反して悪化する場合などには、当社グループを取り巻く経営環境が現在の予想よりも厳しくなる可能性もあり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
為替相場の変動
外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコストおよび価格は為替相場の変動により影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。加えて、海外の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成の際には円換算されるため、為替相場の変動による影響を受けます。一般的に、現地通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼしますが、一部の事業で生産拠点の海外シフト等を進めてきた結果、事業部によっては、円安は、輸入商品価格の上昇を通じて、業績に悪影響を及ぼすこともあります。平成25年度は、前年度に米ドル及びユーロに対する過度な円高進行に歯止めがかかった後、総じて円安傾向が継続しましたが、前述の生産拠点の海外シフトを進めてきたこともあり、為替相場が当社グループ全体の業績に与える影響は減少しています。しかしながら、今後、過度な相場変動があった場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
金利の変動
金利の変動により営業費用、支払利息、受取利息あるいは金融資産および負債の価値が影響を受けるため、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
資金調達環境の変化
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入および社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。当社グループは、金融市場が不安定となり、または悪化した場合、金融機関が貸出を圧縮した場合、あるいは格付機関による当社の信用格付の引下げ等の事態が生じた場合、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
株式価値の下落
当社グループは、投資有価証券の一部として国内外の企業等の株式を保有していますが、株式価値の下落により保有株式の評価損の計上が必要となる可能性があります。また、上場株式の場合、株価下落が、有価証券未実現損益を悪化させることにより、当社株主資本の減少を引き起こす可能性があります。
(2) 当社グループの事業活動に関するリスク
競合他社との競争
当社グループは、広範多岐にわたる製品・サービスの開発・生産・販売を行っており、国際的な大企業から小規模ながら急成長中の専門企業まで、さまざまなタイプの企業と競合しています。当社グループは、戦略事業への投資を推進していますが、特定の事業に対する投資を、競合他社と同程度に、またはタイムリーに、場合によっては全く実施できない可能性もあります。また、競合他社がそれぞれの競合事業において当社グループよりも大きな財務力、技術力およびマーケティング資源を有している可能性があります。
製品価格の下落
当社グループは、国内外の市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって十分に利益を確保できる製品価格を設定することが困難な場合があります。当社グループはコスト削減、高付加価値商品の開発に取り組んでいますが、これらの企業努力を上回る価格下落圧力は、当社グループの利益の維持・確保に深刻な影響を与えるものであり、この影響は特に製品の需要が低迷した場合に顕著となります。BtoC(一般消費者向け)分野においては、新興国市場・低価格品への需要シフトや、市場構造変化が進むなか、デジタル家電機器をはじめとする当社グループの事業分野で製品価格が下落する可能性があります。他方、BtoB(企業向け)分野においては、依存度の高い特定の取引先からの企業努力を上回る価格下落圧力や製品需要の減少・設備投資圧力等により、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
国際的な事業活動における障害
当社グループは、海外市場での事業拡大を戦略のひとつとしていますが、海外では為替リスクに加え、政情不安(戦争・内乱・紛争・暴動・テロを含む)、経済動向の不確実性、宗教および文化の相違、現地における労使関係等のリスクに直面する可能性があります。また、売掛金の回収や、取引相手との関係構築・拡大などの点で、海外での商慣習に関する障害に直面する可能性があります。さらに、投資規制、収益の本国送金に関する規制、現地産業の国有化、輸出入規制や外国為替規制の変更、税制または税率の変更等といったさまざまな政治的、法的あるいはその他の障害に遭う可能性があります。輸出製品については、関税その他の障壁、あるいは輸送費用により、当社グループの製品の競争力が弱まる可能性があります。また海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性があります。
技術革新・業界標準における競争
当社グループは、新製品やサービスをタイムリーに開発・提供できない可能性があります。当社グループの主要事業においては、BtoC(一般消費者向け)分野およびBtoB(企業向け)分野のいずれにおいても技術革新が重要な競争要因になっており、当社グループが将来の市場ニーズに応えるための新技術を正しく予想し開発できない場合や、当社グループが開発・提供した技術が業界において主流とならず、競合他社が開発した技術が業界標準となった場合には、新しい市場での競争力を失う可能性があります。
有能な人材確保における競争
当社グループの将来の成功は、研究・開発・技術、マネジメント分野などでの優秀な人材の確保に大きく依存しています。しかし、各分野での有能な人材は限られているため、人材確保における競争は高まっています。こうした状況下、在籍している従業員の流出の防止や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
他社との提携・M&Aの成否
当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立、他社への戦略投資、外部資本導入等を通じた事業展開などを行っており、他社との提携戦略の重要性は増加傾向にあります。新しい製品やサービスを提供するために、このような提携等が不可欠な場合がありますが、相手先とのコラボレーションが円滑に進まない可能性や、当初期待した効果が得られない可能性があります。また、事業展開の過程で相手先が当社グループの利益に反する決定を行う可能性があります。加えて、これらの相手先が事業戦略を変更した場合などには、当社グループは提携関係を維持することが困難になる可能性があります。
また、当社は、平成23年4月1日にパナソニック電工㈱および三洋電機㈱をそれぞれ株式交換により完全子会社化し、その後も事業体制を再編していますが、当初期待した成果が十分に得られない可能性があります。
原材料や電力等の供給不足・供給価格の高騰
当社グループの製造事業にとって、十分な品質の原材料、部品、機器、サービス等をタイムリーに必要なだけ入手することが不可欠であり、当社グループは、信頼のおける供給業者を選定しています。しかし、災害・事故や供給業者の倒産などにより、供給が不足または中断した場合や業界内で需要が増加した場合には、供給業者の代替や追加、他の部品への変更が困難な場合があります。それにより当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定していますが、需給環境の変化・投資資金の流入などにより鉄鋼・樹脂・非鉄金属などの原材料および部品価格が高騰する可能性があります。原材料や部品により特定の業者しか供給できないものもあり、この場合には当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。加えて、国内の原子力発電所の稼働停止等に起因する電力供給不足に伴い、電力の使用制限や計画停電が発動された場合、当社グループの国内の一部の生産拠点において操業度が低下または生産が停止する可能性があり、さらに、電力料金の上昇により、電力調達コストが増加する可能性があります。これらにより当社グループの生産活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。
顧客の資金状況・財政状態
当社グループの顧客のなかには、代金後払の条件で当社グループより製品・サービスを購入している場合があります。当社グループが多額の売掛債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払いを得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(3) 将来の見通し等の未達リスク
当社グループは、平成25年度から平成27年度までの中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」(平成25年3月28日発表)を設定し、その実現に向けた具体施策を推進しています。これらの計画は、当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定されていますが、事業環境の悪化や、これに対応するための追加的な事業再編、固定資産の減損および雇用構造改革を中心とした事業構造改革費用の発生などの要因により、期待される成果の実現に至らない可能性があります。
(4) 法的規制・訴訟に関するリスク
製造物責任や補償請求による直接・間接費用の発生
製品の欠陥による品質問題(不安全事故等)が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む)に対して、当社グループは生産物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題に関する報道により、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
知的財産権に関連した損害
当社グループは、自らが出願する特許に対して権利が付与されない場合もあり、知的財産権による十分な保護が得られない可能性があります。加えて、国によっては知的財産権の一部またはすべてが保護されない場合があります。また、第三者が保有している知的財産権については、その技術を利用したい場合でも利用できないことや不利な条件で利用せざるをえないこともあり得ます。現状、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来使用できなくなったり、ライセンス条件が不利に変更されたりする可能性があります。加えて、当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権保全のために訴訟等を提起しなければならない可能性があります。かかる訴訟等には、多額の費用と経営資源が費やされる可能性があり、また当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが重要な技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性があります。
会計制度・税制の変更等
当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績や財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
環境に関する規制や問題の発生
当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物、製品リサイクルおよび土壌・地下水汚染などに関するさまざまな環境関連法令の適用を受けており、環境に関連する費用負担や賠償責任が発生する可能性があります。将来、環境に関する規制がより厳しくなり、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合や、CSRの観点から当社グループが任意に環境問題に取り組んだ場合には、法令違反による賠償やかかる取り組みへの支出により当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
個人情報等の営業秘密の漏洩
当社グループは、事業の過程で、顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報を含む)を入手することがあり、また、他社等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤ってまたは避けられない理由で若しくはシステムの不正アクセス等を含む第三者等の行為により外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合には、それに起因して被害を受けた方に対して損害賠償責任を負ったり、当社グループの事業やイメージが悪影響を受けたりする可能性があります。また、顧客情報以外の営業秘密(当社グループの技術情報等)が第三者等の行為により不正に、または過失により流出する危険性もあり、その結果、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
その他の法的規制等による不利益および法的責任
当社グループは、日本および諸外国・地域の規制に従って事業を行っています。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、労使関係、金融取引、内部統制および事業者への課税に関する法規制に加え、事業および投資を行うために必要とされる政府の許認可、電気通信事業および電気製品の安全性に関する法規制、国の安全保障に関する法規制、および輸出入に関する法規制等があります。より厳格な法規制が導入されたり、当局の法令解釈が従来よりも厳しくなったりすることにより、技術的観点や経済的観点などから当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業の継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業は制限を受けることになります。また、これらの法規制等を順守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。さらに、当社グループがこれらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、当社グループが、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また当社グループの社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。
(5) 災害・事故等に関するリスク
当社グループは、製造、販売、研究開発等の活動をグローバルに展開しており、世界中に拠点を有しています。地震、津波、火災、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった場合やそれにより情報システムおよび通信ネットワークの停止または誤動作などが発生した場合に、当社グループの拠点の設備等が大きな損害を被り、その一部の操業が中断し、生産・出荷が遅延する可能性および損害を被った設備等の修復費用が発生する可能性があります。また、強力な新型インフルエンザなどの感染症が世界的に流行した場合には、当社グループの生産活動および販売活動等に大きな支障をきたす可能性があります。加えて、これらの災害・事故等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな悪影響を受ける可能性があります。
(6) その他のリスク
年金債務
当社グループは、一定の受給資格を満たす日本国内の従業員について外部積立による退職年金制度を設けています。当社および一部の国内子会社の確定給付年金制度を、平成25年7月1日以降の積立分(将来分)について確定拠出年金制度に移行していますが、今後も、過去の積立分については、金利の低下により退職給付債務に関する割引率を引き下げる必要が生じる可能性や、株価の下落により年金資産の目減りをもたらす可能性があり、その結果、年金数理上の損失が増加し、将来、年金制度の期間退職給付費用が増加する可能性があります。
長期性資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれんなど多くの長期性資産を保有しています。当社グループは、長期性資産の連結貸借対照表計上額について、当該資産の公正価値が、資産の帳簿価額を上回っているかどうかを定期的に検討しています。当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は減損を認識しなければならない可能性があります。
繰延税金資産および法人税等の不確実性の認識
当社グループは、将来の課税所得の予測等に基づく繰延税金資産および不確実な税務ポジションの評価に基づく認識済の税務ベネフィットの一部または全部が実現しない可能性がより確からしいかを検討し、繰延税金資産の回収可能性および法人税等の不確実性を評価しています。今後、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、一時差異および繰越欠損金が将来減算される期間における課税所得により回収できない、あるいは認識済の税務ベネフィットが実現されないと判断された場合には、繰延税金資産に対し評価引当金を認識することおよび未認識税務ベネフィットに対する債務を認識することにより、法人税等が増加する可能性があります。
持分法適用関連会社の業績・財政状態
当社は、複数の持分法適用関連会社の株式を保有しています。各関連会社は各々の事業および財務に関する方針のもとで経営を行っており、当社はその方針に一定の影響を及ぼすことはできますが、通常、方針そのものの決定は行いません。当社の関連会社には、損失を計上している会社もあり、こうした関連会社の業績・財政状態により当社グループの業績・財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(1)技術受入契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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MPEG LA LLC. |
アメリカ |
MPEG-2に関する特許実施の許諾 |
自 平成23年1月 至 特許満了日 |
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QUALCOMM INC. |
アメリカ |
3G携帯電話及び基地局に関する特許実施の許諾 |
自 平成13年3月 至 特許満了日 |
(2)技術援助契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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MPEG LA LLC. |
アメリカ |
MPEG-2に関する特許実施の許諾 |
自 平成9年7月 至 特許満了日 |
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MPEG-4Visualに関する特許実施の許諾 |
自 平成12年1月 至 特許満了日 |
(3)クロスライセンス契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
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Texas Instruments Inc. |
アメリカ |
半導体・その他製品に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成18年4月 至 平成28年3月 |
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Eastman Kodak Company |
アメリカ |
デジタルカメラ等に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成19年12月 至 平成29年12月 |
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Koninklijke Philips Electronics N.V. |
オランダ |
携帯電話・AV製品に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成19年3月 至 特許満了日 |
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SAMSUNG Electronics Co., Ltd. |
韓国 |
半導体特許に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成20年1月 至 特許満了日 |
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パイオニア㈱ |
日本 |
主要AV製品に関する特許実施の相互許諾 |
自 平成18年4月 至 平成30年3月 |
(4) パナソニック ロジスティクス㈱の株式の一部譲渡に関する株式譲渡契約書等の締結
当社は、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック ロジスティクス㈱の普通株式の一部を日本通運㈱に譲渡することに関して、平成25年5月24日付で、日本通運㈱との間で株式譲渡契約書及び株主間協定書を締結しました。
上記に従い、当社は、平成26年1月20日に、パナソニック ロジスティクス㈱の普通株式の66.6%を日本通運㈱に譲渡しました。
(5) パナソニック ヘルスケア㈱の株式の譲渡に関する株式譲渡契約書等の締結
当社は、平成25年9月27日開催の取締役会において、当社100%出資の連結子会社であるパナソニック ヘルスケア㈱(以下、「PHC」)の全株式及び関連資産を、コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー・エルピーの関連者である投資ファンドが実質的に全株式を保有するパナソニック ヘルスケアホールディングス㈱(以下、「PHCHD」)に譲渡等することを決議し、同日付でPHCHD及びその株主であるケーケーアール・ピーエイチシー・インベストメント・エルピー(以下、「KKR PHCインベストメント」)との間で株式譲渡契約書を、KKR PHCインベストメントとの間で株主間契約書を、それぞれ締結しました。
上記に従い、当社は、平成26年3月31日に、PHCHDの株式の20%を取得するとともに、PHCの全株式をPHCHDに譲渡しました。
(6) トルコ電設資材メーカー買収に関する株式売買契約等の締結
当社は、平成25年10月31日開催の取締役会において、トルコ共和国の電設資材メーカーであるヴィコ エレクトリック㈱の株主との間で、株式売買契約書及び株主間契約書を締結することを決議し、同日付で株式売買契約書及び平成26年2月28日付で株主間契約書をそれぞれ締結しました。ヴィコ エレクトリック㈱の概要は、次のとおりです。
所在地 トルコ共和国 イスタンブール市
事業内容 配線器具、低電圧電路機器、スマートメータ、ビル・オートメーション・システムなど電設資材の
製造及び販売
資本金 0.16億トルコリラ(平成25年12月31日現在)
総資産 2.55億トルコリラ(平成25年12月31日現在)
売上高 3.03億トリコリラ(平成25年12月期)
上記に従い、当社は、平成26年2月28日に、ヴィコ エレクトリック㈱の株式の90%を取得しました。
(7) 半導体事業に関する合弁会社設立契約書等の締結
当社は、平成25年12月20日開催の取締役会において、北陸地区に展開する3工場(魚津・砺波・新井)の半導体ウェハ製造工程に係る事業を、当社が新たに設立する株式会社(名称:パナソニック・タワージャズセミコンダクター㈱、以下、「TPSC」)に、平成26年4月1日付で譲渡し、次いで同日付でTPSCの株式の51%をイスラエルの半導体ウェハの受託製造専業企業であるタワーセミコンダクター社(ブランド名:タワージャズ、以下、「TJ社」)に譲渡し、TPSCを合弁会社とするため、TJ社との間で合弁会社設立契約書を、TPSCとの間で事業譲渡契約書を、TJ社及びTPSCとの間で株主間契約書をそれぞれ締結することを決議しました。TPSCの概要は、次のとおりです。
所在地 富山県 魚津市
事業内容 半導体ウェハの受託製造、当社からの生産請負
設立 平成26年2月
資本金 7.5億円
上記に従い、当社は、平成26年4月1日に、TPSCに上記半導体ウェハ製造工程に係る事業を譲渡するとともに、TPSCの株式の51%をTJ社に譲渡しました。
(8) 半導体事業に関する新会社設立及び吸収分割契約の締結等
当社は、平成26年2月4日開催の取締役会において、同年6月1日を効力発生日として、当社のセミコンダクター事業部の半導体等の開発・製造・販売に関する事業を吸収分割により、当社が新たに設立する株式会社(名称:パナソニック セミコンダクターソリューションズ㈱、以下、「PSCS」)に承継させることを決議しました。そのうえで、平成26年3月27日開催の取締役会において、PSCSとの間で吸収分割契約書を締結することを決議し、同日付で吸収分割契約書を締結しました。その概要は、次のとおりです。
①吸収分割の目的
商品開発・マーケティングを基軸とした事業一元化によるソリューション力の強化を図ります。
②分割の方法
当社を分割会社とし、PSCSを承継会社とする吸収分割です。なお、この吸収分割に際して対価の交付は行いません。
③分割する資産・負債の額
資産合計 869億円、負債合計 428億円(平成26年3月31日現在)
④PSCSの概要
所在地 京都府 長岡京市
事業内容 半導体事業および関連事業の開発、製造、販売
設立 平成26年3月
資本金 4億円
また、平成26年2月4日開催の取締役会において、同年6月1日を効力発生日として、PSCSを存続会社とし、当社の100%子会社である、パナソニック デバイスディスクリートセミコンダクター㈱およびパナソニック デバイスオプティカルセミコンダクター㈱の2社をそれぞれ消滅会社とする吸収合併を行うことを決議しました。
上記に従い、PSCSは、平成26年6月1日に、吸収分割により当社の半導体等の開発・製造・販売に関する事業を承継するとともに、当社子会社2社を吸収合併しました。
(9) 半導体事業の海外工場に係る子会社株式の譲渡契約の締結
当社は、平成26年2月4日開催の取締役会において、シンガポール、インドネシアおよびマレーシアで半導体組立工程を営む工場に係る子会社3社の全株式を、半導体組立専業メーカーであるUTACホールディングス社の100%子会社 UTACマニュファクチャリングサービシーズ社に譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約書を締結しました。
上記に従い、当社は、平成26年6月2日に、子会社3社の全株式をUTACマニュファクチャリングサービシーズ社に譲渡しました。
当社グループは、「家電」、「住宅」、「車」の領域からインフラ関連まで、将来の快適なくらし、安全な社会に向けた技術開発に注力しました。
グループ全体の取り組みは、主に以下のとおりです。
・クラウド・コンピューティングを活用し、話し言葉による対話処理技術と人の声を選択的に集音するマイク技術を開発しました。TV、調理機器、照明などが音声で操作でき、天気予報が雨ならば洗濯機が乾燥まで行うことをお勧めする機能も実現しました。この結果、家電や住宅設備は、誰でも対話を通して簡単に使えるようになりました。
・リアルタイムに空間の位置情報が得られるセンシング技術を開発しました。4Kディスプレイの最適視聴距離(ディスプレイの高さの1.5倍)で、空中に浮かびだされた操作画面を、タッチパネルのように指先で簡単かつ正確に操作できるようになりました。この結果、ショウウインドウ越しにリアリティのあるサイネージ画像を眺めながら、空中の操作画面でお好みの商品を検索することが可能になりました。
・レーダー反射が車に比べ微弱な歩行者を正確に分離して測位する技術と、広視野に複数配置したレーダーの相互干渉を抑制するフィルタリング技術を開発しました。車両の20cm近傍にいる歩行者を40m先でも0.1秒以下で検知することが可能になりました。この結果、交差点内の事故を未然に防ぐ検知センサーとして設置することで、夜間や悪天候時でも機能する安全支援システムの進化と普及を加速します。
・二酸化チタン光触媒と沸石粒子を静電引力で結合した光触媒粒子の開発に成功しました。微粉末の光触媒が水を浄化し、沸石粒子とともに沈殿することで、光触媒粒子を小規模かつ簡便な設備で回収可能にしました。この結果、太陽光を利用した小規模の独立型水浄化装置が実現でき、新興国などで有害金属を含む地下水が飲料水源になるなど、安全で低コストの飲料水の確保へ大きく前進しました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,788億円となりました。主な内訳は、「アプライアンス」678億円、「エコソリューションズ」544億円、「AVCネットワークス」1,611億円、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」1,700億円です。各セグメントの主な成果は以下のとおりです。
(1) アプライアンス
主に当社の研究開発部門を中心として白物家電や空調機器等の研究開発を行っています。主要な成果としては、
・「自然冷媒」のCO2(二酸化炭素)を用いた省エネ性能の高いノンフロン冷凍システムを開発しました。地球温暖化係数(GWP)の小さく、熱搬送能力の大きいCO2冷媒の特性を利用し、冷却器の冷却パイプ径を約25%細径化するとともに冷却パイプ間ピッチの最適化設定と、電子膨張弁による最適な冷媒制御技術を適用しました。この結果、熱交換効率を向上させ、業務用冷凍空調機器の省エネ性能をはかる事ができ、平成25年度 省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。
・欧州向け燃料電池コジェネレーションシステムを開発しました。発電性能が低下する要因となる不純物を多く含む欧州の天然ガスに対応する技術を適用しました。新しい触媒を用いて、天然ガス中に含まれる多くの硫黄成分を水素との反応により除去する技術と、ガス中に含まれる窒素より発生するアンモニアの量を極めて少なくできる燃焼処理機を新たに導入し、この結果、欧州の天然ガスでも安定した発電ができるようになりました。
・冷蔵庫の前面フレームレス「フルフラットガラスドア」を実現するガラス固定工法を開発しました。専用の強力接着部材に加え、ウレタンの高い密着性を活かしてガラスを冷蔵庫のフレームに直接固定する工法を新たに適用しました。この結果、ガラスの端面を見せ、ドア前面にフレームによる段差のないフラット感のあるデザインを実現し、汚れがたまらずドアをサッと拭くことができ、お手入れが簡単になるとともに、上質な輝きと透明感を併せ持った洗練されたキッチン空間の演出が可能となりました。
(2) エコソリューションズ
主に当社の研究開発部門とパナソニック エコシステムズ㈱を中心として、エネルギーマネジメントをはじめ、住宅設備や建材、環境空質機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・停電時にエネファームも活用できる住宅用「創蓄連携システム」を開発しました。太陽光発電システムに加え、当社製エネファームとも連携可能なシステムとして「停電時 100/200V 出力タイプ」を新たに開発し、停電時でも、エネファームの発電電力を活用することで、より安定した電力供給を実現しました。停電時には、あらかじめ設定しておいた機器に自動での電力供給も可能となりました。この結果、「もしも」に備える安心や、環境負荷の軽減と快適な暮らしの両立が目指せるようになりました。
・本来の色味をより美しく引き立てるLED照明光のスペクトル技術を開発しました。光による物の見え方に着目した当社独自の光のスペクトル制御技術は、580nm(ナノメートル)前後の光の波長を調整することで、黄みを抑え、物の色が鮮やかに見え、肌の色も美しく見える光を実現しました。この結果、食べ物やインテリア部材は色鮮やかに、花などの植物は生き生きとして、人の肌の色を引き立たせ、顔色をよく見せることが可能となりました。
・無電化地域向けの太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」を開発しました。同時に、当社製太陽電池モジュールと鉛蓄電池を採用した「パワーサプライコントロールユニット」を新たに開発しました。鉛蓄電池の残量を見ながら、需給コントロールを行うことで鉛蓄電池の劣化を極力抑制することが可能となりました。その結果、蓄電池のライフサイクルコストとメンテナンス工数を削減しました。
(3) AVCネットワークス
主に当社の研究開発部門を中心として、AVC機器等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・独自のRGBオール印刷方式による高画質を進化させた曲面型4K OLEDを開発しました。4Kの動きの速い映像も、より美しく、忠実に再現することが可能となりました。平成26年のコンシューマーエレクトロニクスショーでは、なめらかに湾曲したパネル6枚(凹面3枚、凸面3枚)を長さ約6mに渡って並べた開発品を展示し、OLEDをサイネージに活用する可能性を示すことができました。
・クラウドとペンダント型のウェアラブルデバイスが、ホームゲートウェイを介して家電とつながるプロトタイプシステムを開発しました。ユーザーとの対話などからウェアラブルデバイスは行動・嗜好を学習し、支援や助言を行うとともに、ユーザーからの語りかけにより複数機器の一括制御、遠隔操作が可能となりました。
・民生機器や業務機器で培ってきた動画圧縮技術および映像処理技術のノウハウを活かし、4Kの映像伝送で期待されている国際標準規格HEVCに準拠しつつも、標準エンコーダに比べ、処理時間約1/20、同等画質以上を可能とする画像コーデックを開発しました。この結果、機器間の連携やコンテンツ共用の利便性を上げ、4K映像の価値を高める事が可能となりました。
(4) オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
主に当社の研究開発部門を中心として、車載向けなどのマルチメディア関連機器、二次電池、電子部品、電子材料等の研究開発を行っています。主な成果としては、
・近紫外半導体レーザと蛍光体を用いた高輝度白色光源を開発しました。発光源の近紫外レーザを当社従来比10倍に高出力化することで60ワットの光出力が可能となりました。新規開発の蛍光体を採用することにより青色発光出力を40%向上し、1種類のレーザ光から赤・緑・青の光を生成させることで、光学系を簡素化した上で、1万ルーメン級の高光束白色光源を実現することができました。
・高速伝送に最適なHDMI Ver.2.0規格準拠の通信LSIを開発しました。4Kに対応した大画面モニタなどの放送・産業機器や、車載用表示機器などの4K機器の適応分野拡大が見込まれる中、現在広く普及しているフルHD伝送と比較して4倍速い6Gbps伝送をこの通信LSIで実現しました。HDMI Ver.2.0規格準拠の4K 50/60p伝送に対応し、フルHD画質をリアルタイムに4K映像へ高解像度化する超解像回路を搭載しました。この結果、従来のカテゴリー2 HDMIケーブル1本で4K 50/60p映像伝送が容易に可能となりました。
・竹由来の「プラントオパール」を混練した樹脂振動板を用いたスピーカを開発しました。音響機器のスピーカにはひずみが小さく再生帯域が広い特性が要求されています。天然繊維である、竹に含有している植物由来オパールに着目し、独自技術により抽出した竹プラントオパールを竹材料(竹繊維、竹炭)と配合して樹脂と混練、分散させた新しい振動板を開発しました。この結果、ひずみの少ないクリアな原音に忠実な音質再生が可能となりました。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は米国で一般に公正妥当と認められた会計原則に基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、貸倒引当金、棚卸資産の評価、長期性資産の減損、のれんの減損、環境負債、繰延税金資産の評価、不確実な税務ポジション、退職給付債務、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
① 長期性資産の減損
当社は、長期性資産の減損または処分に関する会計処理について、会計基準編纂書360「有形固定資産」の規定を適用しています。同規定に基づき、有形固定資産や償却対象となる無形固定資産を含む長期性資産について、当該資産または資産グループの帳簿価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を行っています。会社が保有及び使用している資産の回収可能性は、帳簿価額と資産から生じる割引前の将来の見積りキャッシュ・フローとを比較することによって判定されます。資産の帳簿価額が将来のキャッシュ・フローを上回った場合、資産の帳簿価額が公正価値を上回った金額について減損が認識されます。
平成25年度に計上した長期性資産の減損損失は1,038億円であり、主として薄型テレビ事業、回路基板事業、半導体事業に関連するものです。
② のれんの減損
取得した事業に対する投資額がその事業の純資産の公正価値を超える部分が、のれんとして認識されます。当社は、会計基準編纂書350「無形資産―のれん及びその他の無形資産」の規定を適用しています。のれんについては、償却を行わずに少なくとも年1回の無形固定資産の公正価値の評価に基づく減損テストを実施しています。のれんが配分されたレポーティングユニットの減損テストの基準日は1月1日です。
のれんの減損テストは2段階で行っています。第1段階では、レポーティングユニットごとの公正価値を、のれんを含む帳簿価額と比較します。当該公正価値が当該帳簿価額を下回る場合は、のれんの減損兆候があると判断し、第2段階の減損金額の測定を行うこととなり、上回る場合は第2段階の減損金額の測定は不要となります。第2段階において、のれんの減損金額は、帳簿価額が公正価値を超過する分として認識されます。のれんの公正価値は、企業結合における買収価値の配賦に準じた方法でレポーティングユニットの公正価値を配賦し、決定されます。当該配賦後の余剰公正価値は、レポーティングユニットののれんの公正価値となります。
レポーティングユニットの公正価値は、類似取引法、類似上場会社比較法及び将来の割引キャッシュ・フロー分析等により決定されます。
平成25年度に計上したのれんの減損損失は81億円であり、平成25年度末現在、当社はのれんを4,612億円計上していますが、現在の事実及び仮定の変更に応じて、将来の期間において減損を認識する可能性があります。
③ 繰延税金資産の評価
法人税等は、資産・負債法に基づいて計上しており、連結財務諸表上での資産及び負債の計上額とそれらに対応する税務上の金額との差異、並びに繰越欠損金及び税額控除の繰延べに関連する将来の見積り税効果について、繰延税金資産及び負債が認識されます。
繰延税金資産及び負債は、それらの一時差異が解消すると見込まれる年度の課税所得に対して適用される法定税率を使用して測定しています。税率変更による繰延税金資産及び負債への影響は、その税率変更に関する法律の制定日を含む期間の損益として認識されます。
予測される将来の課税所得に基づく繰延税金資産の実現可能性の評価において、当社は繰延税金資産の一部または全部が実現しない可能性が50%超であるか否かを考慮しています。繰延税金資産の最終的な実現については、一時差異が解消するまでの期間における将来の課税所得の評価に依存します。繰延税金資産の評価に際しては、繰延税金負債の解消スケジュール、将来課税所得、タックス・プランニングを考慮しています。
平成25年度末現在の繰延税金資産・負債(純額)は1,147億円(借方)です。
④ 退職給付債務
年金制度及び一時金制度について、当社は、会計基準編纂書715「報酬―退職給付」の規定を適用しています。同規定に基づき、年金制度の財政状況(すなわち、年金資産と退職給付債務の差額)を連結貸借対照表で認識しており、対応する調整を税効果調整後で、「その他の包括利益(損失)累積額」に計上しています。年金数理上の純損益については、下記を除いて、回廊(退職給付債務と年金資産の公正価値のいずれか大きい方の10%)を超える部分について、従業員の平均残存勤務年数で、定額償却しています。
当社及び一部の国内子会社は、従来の確定給付年金制度について、平成25年7月1日以降の積立分(将来分)を確定拠出年金制度へ移行しました。この決定に伴い、平成25年度に、過去の制度改定により減少した退職給付債務の全額798億円を、営業外収益として計上しています。また、従来の確定給付年金制度(過去分)に基づく年金数理上の純損益については、回廊を超える部分について、従業員及び退職者の平均余命年数で、定額償却しています。
当社は安全な固定利付債券の利回りを元に割引率を決定し、また、年金資産の運用先ごとの過去及び将来の収益率だけでなく、現在及び予想される資産配分を考慮して、期待収益率を決定しています。割引率の減少は給付債務の増加をもたらし、その結果、数理計算上の差異の償却を通じて償却費の増加につながります。0.5%の割引率の減少は約7%の退職給付債務の増加につながります。市場の株式価値の下落は、一般的に、期待収益率の低下をもたらし、その結果、将来の退職給付費用の増加につながります。
平成25年度末現在の年金資産を上回る退職給付債務(予測給付債務)は4,228億円です。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
平成25年度の世界経済は、インドなど新興国の一部で伸び悩みがみられましたが、欧州で持ち直しの動きがみられたほか、米国の株高や堅調な個人消費、日本においても株高、円安の進展に加え、消費税増税前の駆け込み需要などがあり、全体としては緩やかな景気拡大が続きました。
このような経営環境のもと、当社グループでは、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせ、事業部制を軸とした新たなグループ基本構造のもとで、以下の4つの重点施策に取り組んでまいりました。既存の枠組みを超え、異なる強みを掛け合わせる「Cross-Value Innovation」のもと、より大きなお客様価値が生み出せる姿へとグループ全体が変わりつつあります。
「赤字事業の止血」
テレビ・パネル、半導体、回路基板、光デバイス、携帯電話の、5つの主要課題事業については、事業の見極めや事業の立地を変える「転地」、アセットライト化、拠点再編など、大きな判断・方向づけを実施しました。また、新たな課題事業と位置づけたエアコン、デジタルカメラも、黒字化に向けて必要な手を打ちました。しかしながら、平成25年度には合計で1,000億円規模の赤字が残りました。今後、赤字事業止血に向け、しっかりと改革をやり切っていきます。
「財務体質改善」
ネット資金については、本業の回復に加え、全社をあげた資金創出の取り組みによって476億円のマイナスとなり、中期計画の目標である2,200億円のマイナスを上回る大幅な良化となりました。また、株主資本比率も29.7%と前年度末の23.4%から大きく改善しました。
(注)ネット資金は、「現金及び現金同等物」、定期預金(1年超含む)等の資金から有利子負債(「短期負債及び一年以内返済長期負債」と「長期負債」の合計)を差し引いて算出しております。
「脱・自前主義による成長・効率化」
5つの課題事業のうち、半導体事業については、大きな構造改革を実施しました。その中で、北陸の3工場は、イスラエルのタワージャズ社と合弁化、アジアの3工場は、シンガポールのUTAC社へ譲渡し、ファブレス化を進めていきます。半導体は、今後、我々が車載や産業分野での事業を伸ばしていく上で、極めて重要なキーデバイスです。脱・自前主義のもと、パートナー企業と手を組み、あらゆる手を尽くして競争力を強化していきます。
「お客様からの逆算による成長戦略」
パートナーであるコンビニエンスチェーンとの協業プロジェクト「次世代コンビニエンスストアの実験店舗」や、Fujisawaサスティナブル・スマートタウンの街づくり事業など、徐々にその成果が具体的な形となって出始めています。次世代コンビニエンスストアの実験店舗では、環境配慮型の設備・システムやデジタルサイネージ機器を導入したほか、購買行動分析を実施することで新たなソリューション創出に取り組んでいます。
今後も、さまざまな産業のパートナー企業と一緒になって新たな価値を創造する事例を次々に生み出していきます。
① 売上高
当年度の連結売上高は、円安による押し上げ効果もあり、前年度の7兆3,030億円に対して6%増加し、7兆7,365億円となりました。住宅関連事業が国内の消費税増税前の需要を着実に刈り取って伸長し、また、車載関連事業もグローバルでの市況回復を背景に伸長しました。一方で、デジタルコンシューマー関連事業は、収益重視の事業展開を進めていることから、減収となりました。為替の影響を除く実質ベースでは、連結売上高は、前年度比で3%の減少となりました。
地域別売上高については、国内は前年度の3兆7,904億円に比べて3%増加し、3兆8,979億円となりました。海外は、前年度の3兆5,126億円に比べて9%増加し、3兆8,386億円となりましたが、為替の影響を除く実質ベースでは、前年度比で9%の減少となりました。米州は、1兆1,346億円と前年度からは増加しましたが、実質ベースでは7%の減少となりました。欧州は、7,403億円と前年度からは増加しましたが、実質ベースでは10%の減少となりました。アジア・中国は、1兆9,637億円と前年度からは増加しましたが、実質ベースでは9%の減少となりました。
② 営業利益
売上原価は、前年度の5兆4,199億円に比べて増加し、5兆6,388億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆7,222億円に比べて増加し、1兆7,926億円となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の1,609億円に比べて増加し、3,051億円となりました。主に、赤字事業の収益改善や、全社を挙げた固定費削減および材料合理化の取り組みなどが寄与しました。営業利益率も、前年度の2.2%から良化し、3.9%となりました。
③ 税引前利益
営業外収益については、受取利息は、前年度の93億円から増加し、106億円となりました。受取配当金は、前年度の37億円に比べて減少し、20億円となりました。また、年金制度変更に伴う一時益798億円やヘルスケア事業の売却益787億円を計上しました。
営業外費用については、支払利息は、前年度の256億円から減少し、219億円となりました。また、事業構造改革費用2,074億円を計上しました。この中には、長期性資産の減損1,038億円(回路基板関連で217億円、半導体関連で201億円)や、早期退職一時金320億円等が含まれています。
これらの結果、営業外損益は、のれん・長期性資産の減損を含む事業構造改革費用5,088億円を計上した前年度の5,593億円の損失に対し、989億円の損失となり、税引前利益は、前年度の3,984億円の損失に対し、2,062億円の利益となりました。
④ 当社株主に帰属する当期純利益
法人税等は、前年度の3,847億円に比べて減少し、897億円となりました。この減少は、前年度に、米国会計基準に基づき連結決算におけるパナソニック㈱等の繰延税金資産に対して評価引当金を計上したことによるものです。
持分法による投資利益は、前年度の79億円から減少し、51億円となりました。非支配持分帰属利益は前年度の209億円の損失に対し、12億円の利益となりました。
これらの結果、当社株主に帰属する当期純利益は、前年度の7,543億円の損失に対し、1,204億円の利益となりました。また、基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、前年度の326円28銭の損失に対し、52円10銭の利益となりました。
⑤ セグメントの業績
平成25年4月1日にグループ体制の再編を実施したことに伴い、従来の8セグメントから5セグメントへ変更しており、以下の分析では、当年度の形態に合わせた前年度数値と比較しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で10%増加し、1兆1,966億円となりました。
当年度は、海外でエアコンが苦戦したほか、国内の自動販売機、調理小物なども伸び悩みましたが、国内で消費税増税前の駆け込み需要が発生したほか、円安による効果もあり、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、エアコン事業部が、在庫過多の中国、経済が低迷した欧州で売上が落ち込んだものの国内やその他のアジア地域で伸長し、売上は堅調に推移しました。ランドリー・クリーナー事業部では、アジアにおける洗濯機の競争激化などにより伸び悩みましたが、円安の効果により増収となりました。キッチンアプライアンス事業部では、IHクッキングヒーターや食器洗い乾燥機、炊飯器の売上が特に国内で好調に推移しました。冷蔵庫事業部では、国内はガラスドアモデルが好評を博し、さらには猛暑による特需や消費税増税前の駆け込み需要により販売が拡大し、売上は好調でした。
当セグメントの営業利益は285億円となりました。材料合理化やコスト削減に努めましたが、海外工場から輸入した製品の円安による収支悪化などから、前年度から79億円減少しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で10%増加し、1兆8,466億円となりました。
当年度は、国内で消費税増税前の駆け込み需要により売上が好調に推移するとともに、海外でも電材事業を中心に中国・インド・その他のアジア地域などで販売が拡大し、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、ハウジングシステム事業部が、国内市場の活況を受け、システムキッチンなどの水廻り設備や内装建材、外廻り建材が好調に推移しました。エナジーシステム事業部では、太陽光発電システムや配線器具、分電盤を中心に売上が増加するとともに、家庭用エネルギーマネジメントシステム商品も好調に推移しました。海外では、中国やインドにおいて、配線器具やブレーカの売上が伸長しました。ライティング事業部では、国内ではLED照明が商品ラインアップ拡充により販売が拡大し、海外では中国の住宅照明が好調に推移しました。パナソニック エコシステムズ㈱では、国内で空気清浄機の売上が減少しましたが、換気扇などは堅調に推移し、海外では中国で空気清浄機が、中近東・北米・中南米で換気扇が伸長しました。
当セグメントの営業利益は950億円となりました。売上増や固定費削減などで円安のマイナス影響を相殺し、前年度から322億円増加しました。
c AVCネットワークス
当セグメントの売上高は、前年度比で3%減少し、1兆5,734億円となりました。
当年度は、円安による増収効果はあったものの、一般消費者向けスマートフォンやプラズマパネルおよびプラズマテレビセット事業の撤退など抜本改革を進めたため、全体では減収となりました。
主な事業部の状況では、テレビ事業部が、米国・中国における商品の絞り込みなど利益優先の施策を実施した結果、売上は減少しました。アビオニクス事業部では、航空機内AVシステムなどの企業向け事業が、円安の効果もあり伸長しました。ITプロダクツ事業部では、欧州や国内で法人向けノートパソコンの売上が伸長し、円安の効果もあったことから、売上は好調に推移しました。セキュリティシステム事業部では、法人顧客ニーズに応えた監視カメラなどの商品・サービスが好調に推移し、売上を押し上げました。
当セグメントの営業利益は215億円となりました。企業向け事業が好調であることに加え事業構造改革効果もあり、前年度から132億円増加しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で9%増加し、2兆7,376億円となりました。
当年度は、パソコン用デバイスの販売減などでICT(情報通信技術)分野の売上が落ち込みました。一方、自動車産業が堅調に推移したことから車載分野は総じて好調だったことに加え、設備投資の回復で産業分野も堅調に推移し、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、インフォテインメント事業部が、欧米・中国市場でディスプレイオーディオの販売が好調に推移したことに加え、国内でもカーディーラールートのカーナビゲーションの増販により、大きく売上を伸ばしました。小型二次電池事業部では、米国電気自動車メーカー向けの動力用リチウムイオン電池の納入が順調に推移し、売上増となりました。制御機器事業部では、ハイブリッド自動車、電気自動車向け車載リレーや、工場の省エネ・自動化に貢献する産業デバイスなどの伸長により、売上は順調でした。セミコンダクター事業部では、AV機器向けなどの需要の縮小により売上減となりました。
当セグメントの営業利益は857億円となりました。車載関連の売上増や小型二次電池事業の黒字転換、円安による増収効果などにより、前年度から562億円増加しました。
e その他
当セグメントの売上高は、前年度比で5%減少し、9,580億円となりました。
当年度は、パナホーム㈱が消費税増税前の駆け込み需要により好調でしたが、前年度に実施した三洋電機㈱子会社の事業譲渡の影響などにより、全体では減収となりました。
パナホーム㈱では、戸建請負事業において太陽光発電パネルで屋根を構成した住宅の販売を推進したほか、分譲事業ではエネルギー自立を実現する街づくりの展開や大型スマートマンションの竣工もあり、売上は好調に推移しました。パナソニック ヘルスケア㈱では、市場拡大や消費税増税前の駆け込み需要などにより、売上は堅調に推移しました。
当セグメントの営業利益は200億円となりました。徹底した固定費削減などにより、前年度から166億円増加しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載しています。
(4)経営戦略の現状と見通し
「3 対処すべき課題」に記載しています。
(5)財政状態及び流動性
① 流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資等のため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の4,963億円から増加し、5,925億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、前年度末に1,406億円であった短期社債の発行残高が当年度末はゼロとなったこと、また、第18回無担保普通社債100億円(平成15年6月三洋電機㈱発行、平成24年1月に当社承継)、第2回無担保普通社債200億円(平成16年2月旧松下電工㈱発行、平成24年1月に当社承継)、および第7回無担保普通社債2,000億円(平成21年3月発行)を満期到来によりそれぞれ償還したこと等から、前年度末の1兆1,434億円から当年度末には6,421億円へ減少しました。
なお、平成24年10月1日付で複数の取引銀行と締結した、無担保の借入設定上限を総額6,000億円とするコミットメントライン契約は、平成25年8月30日をもって終了しました。当該契約における借入実績はありませんでした。
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A- (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:BBB (長期、アウトルック:ポジティブ)、A-2 (短期)
ムーディーズ:Baa3 (長期、アウトルック:安定的)
② キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な在庫削減、設備投資の絞込み、保有資産の見直し等によるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローの合計)は5,941億円のプラス(対前年度差2,389億円増)となりました。これは、営業利益の増加や設備投資の抑制に加え、ヘルスケア事業の譲渡に伴う収入があったこと等によるものです。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細については、「1 業績等の概要」に記載しています。
③ 設備投資額と減価償却費
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の3,109億円から30%減少し、2,170億円となりました。主要な設備投資は、マレーシアにおける太陽電池の生産設備や国内(大阪府)における車載用を中心とする小型二次電池の生産設備です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,776億円とほぼ同額の、2,788億円となりました。
④ 資産、負債及び資本
当社グループの当年度末の連結総資産は、前年度末から1,848億円減少し、5兆2,130億円となりました。これは、円安の影響はありましたが、主に有形固定資産の減損やヘルスケア事業等の譲渡によるものです。
負債については、短期社債や第7回無担保普通社債の償還等の有利子負債の圧縮に加え、退職給付引当金の減少により前年度末に比べて4,669億円減少し、3兆6,266億円となりました。
当社株主資本については、前年度末から2,842億円増加し、1兆5,482億円となりました。これは、当期純利益の計上に加え、円安に伴うその他の包括利益(損失)累積額の良化によるものです。当社株主資本に非支配持分を加味した資本合計は、1兆5,864億円となりました。