第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

OKIグループ(当社及び連結子会社)は、"OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。"という企業理念のもとに、安定した収益を創出し確実に成長する企業を目指します。また社会、お客様、株主、従業員を含む全てのステークホルダーの信頼と期待に応えるように努めてまいります。

OKIグループが事業を展開する情報通信関連の市場では、変化が絶え間無く、また加速して起きております。このような環境変化に対応するためには、新商品の開発、成長分野への進出の加速、収益性の改善が大きな課題であると認識しております。

これらの課題に対処すべく、OKIグループは、安定的な収益の確保と持続的な企業価値向上を目指し、既存事業においては、コスト競争力の強化を中心に収益性の維持・改善に取り組みます。また、新商品開発及び新規事業化のための戦略投資を積極的に行い、事業拡大を図ります。OKIの得意とするネットワークやセンシング、高信頼性のモノづくりの技術を活かしたビジネスを展開するほか、成長のための事業提携やM&A投資も積極的に活用します。

また、多様化するマーケットニーズに対応した商品・サービスの充実、品質・生産性の向上に加え、国内外での生産拠点・販売拠点の連携強化、サービス体制の充実等に努めることで、市場への拡販を行います。あわせて、資産の効率化による資本効率の向上を図り、安定的な株主還元を実現してまいります。

一方、企業の社会的責任として、環境問題を重要な経営課題の一つと捉え、省エネルギー・省資源、廃棄物削減・リサイクル化、環境負荷の低減等に積極的に取り組んでまいります。

そして、あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えするための施策として、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制を強化して内部統制システムの充実を図り、リスク管理体制を強化することによって、安定した事業継続にも努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

OKIグループ(当社及び連結子会社)の業績及び財務状況等につき投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。

なお、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。OKIグループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、その発生の回避を図るとともに、発生した場合の影響の最小化に取り組んでまいります。

 

(1)政治経済の動向に係るもの

OKIグループの製品に対する需要は、OKIグループが製品を販売している国または地域の政治経済状況の影響を受けます。すなわち、日本、北米、欧州、アジア、南米を含むOKIグループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小、外国製品に対する輸出入政策の変更等は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法令及び公的規制に係るもの

OKIグループは事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、さまざまな政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、あるいは想定外の変更があった場合、OKIグループの活動が制限される可能性があります。したがって、これらの規制はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)急激な技術革新に係るもの

OKIグループの主要な事業領域では、技術革新のスピードが著しく速く、既存の技術や商品は急速に陳腐化します。OKIグループは事業を支える技術の優位性を維持すべく研究開発に努めておりますが、将来において、開発に遅れが発生し、顧客に受け入れられる製品、サービスを提供できない場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)市場の動向に係るもの

①競合の状況

OKIグループが事業を展開している各製品市場と地域市場においては、既存の競合他社に加えて新規参入者との競争も激化しております。OKIグループはこの厳しい競争を克服すべく新商品開発やコスト削減等に努め、競争力の維持に最善の努力を傾けておりますが、将来においてこのような施策が有効に機能せず、競争力を失う、あるいは収益性の確保が十分にできないことによって、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

②顧客の動向

OKIグループの売上高の一定割合を占める特定の主要顧客が、事業上もしくは財務上の理由などにより投資判断を変更し当社との取引が減少した場合、あるいは国の政策等が要因となって公共投資が大きく減少、またはその政策等の影響で主要顧客の投資が減少した場合には、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③価格の下落

OKIグループが提供している製品やサービスは、激しい競争によって適正な価格の維持が困難な状況に陥る可能性があります。OKIグループは新製品開発やコストダウンにより、収益性の確保に努めておりますが、価格の下落が想定を超えて進行した場合は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)海外における事業活動に係るもの

OKIグループはタイ及び中国、ブラジルに生産拠点を有し、さまざまな国・地域において販売活動を行っておりますが、これらの国において政治経済状況の悪化、現地通貨価値の変動、紛争・テロ等による社会的混乱等、予期せぬ事象が発生した場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、為替変動リスクを最小化するために、OKIグループでは、米ドルやユーロの為替変動に対する為替先物予約や通貨スワップ等の手段を講じておりますが、完全にリスクを排除できるとは限らず、特に急激な為替変動はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)内部統制に係るもの

OKIグループは、業務の適正並びに財務報告の正確性等を確保すべく内部統制システムを整備・運用し、その充実に努めておりますが、役員・従業員等の過失や不正、もしくはシステム構築時に想定していなかった事業環境等の変化など、さまざまな要因により内部統制システムが機能しなくなる可能性は皆無ではありません。結果として業務の適正が確保できず法令違反などの問題が発生した場合、あるいは財務報告に係る内部統制の有効性が維持できなかった場合は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)知的財産権に係るもの

OKIグループは、グループにて保有する特許の保護、他社との差別化のための特許の獲得に努めておりますが、これらが十分に行えない場合、関連する事業に悪影響を及ぼす可能性があります。また、OKIグループは製品の開発・生産に必要な第三者の特許の使用許諾権の確保に努めておりますが、将来、必要な許諾権が受けられない可能性や不利な条件での使用を余儀なくされる可能性があります。いずれの場合もOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、OKIグループは第三者の知的財産の尊重に努めておりますが、訴訟を提起される可能性を完全に排除できる保証はありません。訴訟が提起された場合の訴訟費用の増加、敗訴した場合の損害賠償等により、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報管理に係るもの

OKIグループは社内システムについて情報漏洩対策やウィルス防御システムの導入などを施しておりますが、人的ミスや新種のウィルス等に起因する情報漏洩やシステムダウンを完全に防御できる保証はありません。こうした事象が発生した場合、追加的に損失が発生する可能性があります。

 

(9)人材の確保及び育成に係るもの

OKIグループが安定収益企業としてさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保及び育成する必要があります。このため、OKIグループは、新卒、キャリア採用問わず積極的に新規採用を行い、また、優秀な人材を育成するため、職場OJTや研修等さまざまな支援活動を行っておりますが、優秀な人材が確保及び育成できなかった場合あるいは優秀な人材が大量離職した場合、OKIグループの今後の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)原材料、部品の調達に係るもの

OKIグループは生産活動のために多種多様な原材料、部品等を調達しておりますが、災害等の影響などによりそれらの安定的な調達及びその特殊性から仕入先または調達部品の切替えができない可能性があります。そのような場合、製品の出荷が遅れ、取引先への納入遅延や機会損失等が発生し、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、OKIグループは生産活動のため石油や金属などの原材料を直接あるいは間接的に必要としておりますが、これらの原材料価格の高騰はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)製品の欠陥、納期遅延に係るもの

OKIグループは提供する製品及びサービスについて、品質管理の徹底に努めておりますが、欠陥が生じる可能性は排除できません。この場合、欠陥に起因し顧客がこうむった損害の賠償責任が発生する可能性があります。また、欠陥問題によりOKIグループの評価が低下したことによりOKIグループの製品、サービスに対する需要低迷の可能性があります。いずれの場合もOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、OKIグループは提供する製品及びサービスについて、納期管理の徹底に努めておりますが、資材調達、生産管理、設計などにおける予期せぬ要因により納期遅延が生じる可能性は排除できません。この場合、納期遅延に起因し顧客がこうむった損害の賠償責任が発生する可能性があります。

 

(12)アライアンスに係るもの

OKIグループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において他社とのアライアンスを積極的に推進しておりますが、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先との協力関係が維持できない場合や、十分な成果が得られない可能性があります。その場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)会計制度の変更に係るもの

OKIグループは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表及び財務諸表を作成しておりますが、会計基準等の設定や変更により、従来の会計方針を変更した場合に、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)金利変動に係るもの

OKIグループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが存在します。OKIグループはその影響を回避するために金利スワップ取引を行う等さまざまな対策を講じておりますが、金利上昇が金利負担の増加や、将来の資金調達コスト上昇による運転資金調達への悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)株価の変動に係るもの

OKIグループは、投資有価証券の一部として上場株式を保有しておりますが、当該株式の価格下落による評価損の計上や評価差額金の減少は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)債権回収に係るもの

OKIグループは、顧客の財政状態を継続的に評価し、貸借対照日後に発生すると予想される債権回収不能額を見積もり適正に引当金を計上しておりますが、顧客の財政状態が急激に悪化した場合には、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)固定資産の減損に係るもの

OKIグループの所有する有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産について減損処理が必要となった場合には、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)繰延税金資産に係るもの

OKIグループは、繰延税金資産について繰越欠損金及びその他の一時差異に対して適正な金額を計上しておりますが、将来の業績変動により課税所得が減少し、繰越欠損金及びその他の一時差異が計画通り解消できなかった場合の繰延税金資産の取崩しは、OKIグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)退職給付債務に係るもの

OKIグループは、退職給付債務について数理計算上で設定される割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき適正な金額を計算しております。しかし、この前提条件は、市場金利や株式市場の影響を受けることから、実際の結果とは異なる場合があり、退職給付債務が増加する可能性もあります。その場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)災害・事故等に係るもの

OKIグループは災害・事故等に起因する製造ラインの中断等によるマイナス影響を最小化するため、定期的な防災検査や設備保守等を行い、防災体制の整備に努めております。しかしながら、地震、風水害、火災、大規模停電、その他の災害・事故や紛争・テロ等による悪影響を完全に防止できる保証はありません。これらの要因によりOKIグループの事業拠点が閉鎖、または事業活動が停止した場合は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 平成30年3月期の活動の成果は、次の通りであります。

 情報通信事業では、成長領域である社会インフラ関連のビジネスで、IoTを利用したビジネスの立ち上げができたこと。メカトロシステム事業では、ATMのフルアウトソーシングサービスが拡大したこと。プリンター事業では構造改革が概ね予定通りに進み、ベースとなる収益を確保できる構造を作りあげたこと。EMS事業では、沖電線株式会社を連結子会社としたことでファクトリーオートメーションなど新たに成長が期待できる領域を獲得したこと。そして当期純利益を確保し、安定した配当を継続したことであります。

 これらの一方で、連結決算数値としては期初に掲げた目標に届かなかったことが反省点であり、主たる要因となったメカトロシステム事業における海外ATMビジネスの不振の立て直しが大きな経営課題であると認識しております。

 

 平成30年3月期の業績については、売上高は4,380億円、前連結会計年度比136億円の減収となりました。営業利益は77億円、同52億円の増益となりました。これは、前連結会計年度決算において、中国で仲裁審理中となっている未回収の売上債権に対して計上した貸倒引当金繰入額109億円の影響がなくなったことによるものであります。前連結会計年度比では利益が改善したものの、海外ATMビジネスの不振による物量減少の影響により、改善効果が減殺される結果となりました。

 一方で営業外損益では、前連結会計年度に計上した為替差損48億円が、当連結会計年度では為替差益2億円に転じたこともあり、経常利益は前連結会計年度比で109億円改善し85億円となりました。

 特別損益については、前連結会計年度には連結子会社株式の売却による特別利益を126億円計上しましたが、当期は大きな特別利益、特別損失の計上が無いこともあり、親会社株式に帰属する当期純利益は59億円、前連結会計年度比12億円の増益となりました。

 

 事業別の業績状況は、以下の通りであります。

 情報通信事業の売上高は1,727億円、前連結会計年度比で47億円の減収となりましたが、これはNW関連などの案件が翌期へ期ずれした影響によるものです。売上高は減少したものの前連結会計年度に社会、通信、ソリューションサービスの3事業を融合したことにより業務の効率化を図っている効果や案件ミックスの改善などにより、営業利益は135億円、同9億円の減益に留まりました。

 メカトロシステム事業は、売上高935億円、前連結会計年度比で74億円の減収となりました。海外ATMビジネスにおいて、中国市場が踊り場であったことやブラジル市場の低迷の継続、さらに他の新興国での競争激化などによって物量が減少したことに加え、販売価格の下落影響がありました。これらの結果、営業損失は51億円となりました。

 プリンター事業の売上高は1,089億円、前連結会計年度比で35億円の減収となりました。当連結会計年度は、「中期経営計画2019」の中で構造改革を推進する位置付けの年であり、売上高伸長を図るよりも安定した収益基盤を構築することを優先したことから、営業利益は27億円、同17億円の増益となりました。プリンターの売上高のうちのおよそ40%はユーロ圏での販売によるものであり、前述の構造改革の効果に加えて対ユーロの円安の効果もありました。

 EMS事業の売上高は477億円、前連結会計年度比で45億円の増収となりました。半導体関連機器向けのプリント基板をはじめ、半導体関連装置メーカーのほか顧客のビジネスが全般に好調であったことを受けて、事業は総じて順調に推移しました。営業利益は22億円となり、前連結会計年度に対して増収増益となりました。

 その他事業の売上高は152億円となりました。当連結会計年度に沖電線株式会社を公開買付により連結子会社化した一方で、前連結会計年度末に行った電子部品製造販売子会社の売却により減収となりました。営業利益は20億円となりました。

 

 総資産は前連結会計年度末から111億円増加の3,718億円でした。沖電線株式会社を連結したことにより、固定資産を中心に増加しました。

 自己資本は、同33億円増加の1,002億円となりました。総資産は増加したものの経営指標の自己資本比率は26.9%、DEレシオは0.8倍となり、財務状態は非常に安定して良好な状態を維持しております。

 

 また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは51億円(前年同期496億円の収入)となりました。安定して当期利益を確保していることと運転資本の管理の徹底により、営業キャッシュ・フローは156億円(前年同期420億円の収入)となりました。KPIの管理を強化した初年度である前連結会計年度との対比では264億円の減少ではあるものの、適正で健全な水準を維持しております。

 投資キャッシュ・フローは、105億円の支出(前年同期76億円の収入)となりました。既存の事業を継続するために必要な水準の投資を行い、また沖電線株式会社の株式の公開買付に係る支出がありました。前連結会計年度比では181億円の減少となっておりますが、これは前連結会計年度数値に、連結子会社の株式を譲渡したことによる収入142億円が含まれているためであります。

 フリー・キャッシュ・フロー及び手元資金の一部取り崩しを合わせて、普通配当の実施及び借入金の返済に充当しております。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末520億円から455億円となり、借入金の残高は前連結会計年度の870億円から51億円減少の819億円となっております。

 

 事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。このうち、運転資金については短期借入金及び長期借入金で調達しております。また、生産設備などの長期資金については長期借入金により調達しております。長期資金については固定金利を中心に調達し、金融機関等との個別借入の他、シンジケートローンも合わせて利用しております。

 OKIグループ(当社及び連結子会社)は財務上の規律を重視し、今後も事業活動により創出されたフリー・キャッシュ・フローを基本的な原資としたうえで、必要な資金ついては複数の手段によるバランスのよい効率的な調達を行うことを基本としております。

 また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、316億円となっております。

 なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下の通りであります。

(単位:億円)

契約債務

年度別要支払額

合計

1年以内

1年超

3年以内

3年超

5年以内

5年超

短期借入金

370

370

長期借入金

450

220

170

60

リース債務

117

27

40

31

19

 注1)オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は115億円であります。

2)OKIグループの債務保証に基づく将来の潜在的な要支払額の合計は2億円となっております。OKIグループの第三者に対する保証は、従業員の住宅融資借入金に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間中に発生した場合、OKIグループが代わりに弁済する義務があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 平成30年3月31日現在における重要な技術援助契約及びその他の経営上の重要な契約は、下記のとおりであります。なお、契約会社はいずれも提出会社であります。

 

① 技術援助契約

相手先

国名

契約対象機器

契約の内容

契約期間

International Business

Machines Corporation

米国

情報処理機器

特許実施許諾

(クロスライセンス)

契約特許存続期間中

キヤノン(株)

日本

プリンター、

FAX、複合機

特許実施許諾

(クロスライセンス)

契約特許存続期間中

 

② その他の経営上の重要な契約

相手先

国名

契約の内容

Hewlett-Packard Company

米国

平成4年4月7日に情報通信分野でのシステムインテグレーションビジネスを強化することを目的として、双方向かつ長期的な関係を維持・発展させるための基本契約を締結しました。

シスコシステムズ合同会社

日本

平成12年2月9日に、同社製品の再販及びこれに付加価値化を行い、トータルソリューションをエンドユーザーに提供するパートナーとして基本契約を締結しました。

 

5【研究開発活動】

OKIグループ(当社及び連結子会社)は、平成29年5月に発表した「中期経営計画2019」のとおり、「スマートセンシング」と「人にやさしいメカトロ」を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は8,350百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

<情報通信事業>

(1)人と自然な対話を実現するAI対話エンジン「Ladadie®(ラダディ®)」を開発しました。「Ladadie®」は、ユーザー自身では気付かなかった真のニーズを引き出すコンサルタントのラダリング技法を用いた対話や、キーワードの掘り下げでFAQを効率的に検索するための対話など、性質の異なる対話を同一エンジンで行うことができます。また、LINE®やFacebook®などに代表されるSNS上のテキストチャットによる対話や、コンタクトセンターなどで利用されている音声認識エンジンとの連携による音声対話にも対応することが可能となります。

(2)通信市場で長年取り組んできた映像監視・画像処理・映像配信技術を活かし、H.264符号化形式の高画質映像データを最大1/10に圧縮する映像配信の効率化技術と、IoT市場において今後ニーズが拡大する顔認識、物体認識などの画像センシング技術を搭載した、映像IoTシステム「AISION™(アイシオン)」を開発しました。本システムは、AI及びアナリティクス技術を融合させることにより、幅広い分野における業務改革の実現を可能とします。

 当事業に係る研究開発費は、2,420百万円であります。

 

<メカトロシステム事業>

(1)海外市場向けの新型紙幣還流型ATM「ATM-Recycler G8」を開発しました。これまで国内外で培ってきたノウハウを活用し、現金需要拡大に向けた高速大容量化と将来への拡張性強化に対応しております。今後、市場の拡大が見込まれるインドや東南アジアなどの新興国地域などに向けて販売することで、海外市場におけるメカトロシステム事業のさらなる拡大を図っていきます。

(2)流通・小売業、飲食業の店舗向けに、お釣り紙幣の出金も可能な電子マネーチャージ機「CZ-20シリーズ」を開発しました。小型で卓上への設置を可能にするとともに、専用の置き台と組み合わせてスタンドアロンで設置することも可能です。タッチパネルにより操作が簡単になり、入金された現金を出金に利用できる紙幣還流型であるため、お客様の利便性向上とレジ周り業務の効率化に貢献します。

(3)一般車両に搭載できる「モジュール型ATM」を開発しました。従来のATMを3つのモジュール(基本部、通帳部、紙幣部)に分割し、無線対応を可能にしたことにより、一般車両に搭載できる機動力を実現しており、これまでATMの設置が困難だった場所でのATM取引を可能にしました。また、蒲郡信用金庫(理事長:竹田 知史、本店:愛知県蒲郡市)の協力のもと、車いす利用者が自然な動作で利用可能なATMを設置しました。基本部と通帳部を台の上に設置することにより、足元が機械に当たりにくい、画面を見やすい、現金を取りやすいなどの利便性を実現しております。

 当事業に係る研究開発費は、1,995百万円であります。

 

<プリンター事業>

   AIを用いてプリンターの印刷品質を改善するための印刷設定値を予測する技術開発に取り組みました。特定業種で使用される特殊な印刷用紙への印刷時にしばしば発生する印刷不良状態を学習データと共にAIに認識させ、対象の特殊印刷用紙に最適な印刷設定値を自動的に求めることができます。従来は、お客様から印刷不良改善依頼を受けて、対象の特殊印刷用紙を受領後に当社技術者が最適設定値を探索的に求めるという方法をとっており、回答までに数日から数週間の時間を要しておりましたが、本技術をサービスとして提供することで、お客様自身で最適設定値をオンデマンドで求めることができ、お客様のビジネス生産性向上に寄与いたします。さらに今後は、種々の印刷設定値データの学習により、予測精度の向上に取り組みます。

 当事業に係る研究開発費は、1,981百万円であります。

 

<EMS事業>

 当事業に係る研究開発費は、8百万円であります。

 

<全社共通等>

(1)ATM利用者の行動が正常な取引行動か否かを画像認識AI技術により判別するATM異常行動検知技術を開発しました。ATMの上に取り付けたカメラの映像から、利用者の操作の様子を解析し不審な動きを検知します。カード受付待ちなどATM機器の状態毎に正常行動を学習することで、不正な装置の取り付けなどの異常行動を高い精度で見つけることが可能となりました。

(2)本店と支店、オフィスと自宅など分散したオフィス間でも円滑なコミュニケーションを実現する次世代バーチャルオフィスを開発しました。遠隔オフィス映像の常時表示機能、名前の呼びかけによる会話開始機能、人物位置の検知機能等により、疎遠になりやすい分散化された業務環境下でも普段と同じような感覚でインフォーマルコミュニケーションが行えるようにしました。メンバー同士の相互理解を支援することで、離れていてもエンゲージメント(職場と社員の絆)の高い職場を実現します。

 全社共通等に係る研究開発費は、1,943百万円であります。