(1)業績
当連結会計年度(平成28年3月期)の世界経済は、米国では雇用改善や個人消費の増加など景気は回復基調にあり、欧州においても緩やかに回復に向かいました。国内経済は、中国など新興国の景気減速や原油価格下落などの影響が見受けられたものの、雇用や企業収益の改善など、全体としては緩やかな回復基調が続きました。
このような事業環境の下、OKIグループ(当社及び連結子会社)の業況は、情報通信システム事業及びプリンター事業での物量減により、売上高は4,903億円(前連結会計年度比499億円、9.2%減少)となりました。営業利益は、物量減やプリンター事業での為替変動の影響などにより186億円(同138億円減少)となりました。
経常利益は、前連結会計年度では営業外収支において為替差益を計上したものの、当連結会計年度では為替差損に転じたことなどにより114億円(同265億円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は、66億円(同265億円減少)となりました。
事業別の外部顧客に対する売上高及び営業利益は、以下の通りであります。
<情報通信システム事業>
売上高は、3,048億円(前連結会計年度比477億円、13.5%減少)となりました。ソリューション&サービスでは、法人向けに新規案件の獲得などが進み、概ね順調に推移したことから増収となりました。通信システムでは、通信キャリアの既存ネットワーク関連投資が終息し、当該案件の売上が当第1四半期で終了した影響などにより減収となりました。社会システムでは、航空管制システムや市町村向け防災システムなどの引き合いが堅調に推移した一方、消防無線のデジタル化需要が前期でピークアウトとなったことから減収となりました。メカトロシステムでは、国内では現金処理機が好調だったものの、海外向けATMは中国販売パートナー向けの出荷停止が継続し、ブラジルにおいても現地経済が減速している影響を受けて顧客の投資抑制が続いた結果、減収となりました。
営業利益は、固定費などの削減を行ったものの物量減の影響が大きく、165億円(同94億円減少)となりました。
<プリンター事業>
売上高は、1,246億円(前連結会計年度比47億円、3.6%減少)となりました。LEDプリンターでは、最も注力してきたカラーMFPなどの高付加価値の戦略商品については、販売サポート体制を強化した効果もあり概ね堅調に推移しました。一方で既存商品については、オフィス向けのカラーSFPを中心に市場全体が縮小傾向にあること、さらに市場での価格競争激化に対し、相対的に価格水準を維持したことも影響したため、販売台数が減少しました。しかし、第2四半期の半ば以降には、価格対応の見直しを選択的に行ったこともあり、販売台数の減少には歯止めがかかりました。また、2015年10月1日にセイコーインスツル株式会社から大判プリンター事業を取得しました。
営業利益は、物量減や為替の影響により14億円(同53億円減少)となりました。
<EMS事業>
EMS事業では、2015年4月1日付で横河電機株式会社より取得した横河マニュファクチャリング株式会社青梅事業所の取得効果もあり、特に回路基板事業が順調だったことなどから、売上高は424億円(前連結会計年度比21億円、5.1%増加)となりました。
営業利益は、23億円(同3億円増加)となりました。
<その他>
その他では、リードスイッチなど部品関連の好調が継続し、売上高は185億円(前連結会計年度比4億円、2.2%増加)、営業利益は42億円(同7億円増加)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少及び運転資金の増加により、36億円の支出(前年同期410億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、138億円の支出(同186億円の支出)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは174億円の支出(同224億円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金を増やしたこと等により、111億円の収入(同207億円の支出)となりました。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末残高の536億円から463億円となりました。
生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2013年11月に「中期経営計画2016」を発表し、目指す姿として、安全で快適な社会の実現に貢献する高付加価値創造企業グループになる、を掲げました。安定収益の確保により継続投資を行うことで持続的成長を実現することを目指して、着実に取り組んできた結果、最大セグメントである情報通信事業の営業利益率や、自己資本比率及びDEレシオの改善などの成果を出すことができた一方、新興国の景気減速や為替変動リスクの拡大、競争の激化など様々な環境変化の結果、最終年度である2016年度の目標数値を見直すこととなりました。
このような事業環境の変化に対応して持続的な成長を実現するため、あらためて事業基盤の強化を図ります。国内を中心とした安定的な収益事業についてはより磐石なものとし、さらなる収益拡大を目指します。また、新たな成長の種まきとして、情報通信分野の各事業を融合し、新しい成長事業を創出します。メカトロシステム事業は、独立した事業セグメントとしてさらに海外展開を強化します。プリンター事業では、従来からのハイエンド市場へのシフトを継続して収益率を高めていきます。さらに、EMS事業では、M&Aも継続しながら順調に国内の需要を開拓し、現在の成長を持続していきます。そして、それらをベースとした2017年度を初年度とする次期中期経営計画を策定いたします。
また、これらの施策をサポートする構造改革の実行に加えて、成長分野への人材シフトやグローバル人材採用、女性の活躍推進などの人材強化策も、引き続き確実に実行してまいります。
OKIグループ(当社及び連結子会社)の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。
なお、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。また、OKIグループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、その発生の回避を図るとともに、発生した場合の影響の最小化に取り組んでまいります。
(1)政治経済の動向
OKIグループの製品に対する需要は、OKIグループが製品を販売している国または地域の政治経済状況の影響を受けます。すなわち、日本、北米、欧州、アジア、南米を含むOKIグループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小、外国製品に対する輸出入政策の変更等は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)急激な技術革新
OKIグループの主要な事業領域である情報通信システム事業及びプリンター事業は、技術革新のスピードが著しい領域です。OKIグループは競争優位性を維持すべく新技術、新製品の開発に努めておりますが、将来において、急激な技術革新に追随できず、かつ、現有技術が陳腐化し、顧客に受け入れられる製品、サービスを提供できない場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)市場の動向
① OKIグループが属している各製品市場と地域市場においては、新規参入等の要因もあり厳しい競争が常態化しております。OKIグループはこの厳しい競争を克服すべく新商品開発やコスト削減等に最善の努力を傾けておりますが、将来において商品開発やコストダウン等の施策が有効に機能せず、シェアの維持や収益性の確保が十分にできない場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 金融機関が金融行政の変化や業績の悪化等の要因により投資動向を変更した場合、通信キャリアが通信行政の変化や事業戦略の変更等の要因で投資動向を変更した場合、国又は地方自治体の政策等の要因で公共投資が大きく減少した場合などは、情報通信システム事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ OKIグループが属するプリンター市場では、カラープリンターを中心に激しい価格競争がなされています。OKIグループは新製品開発やコストダウンにより、シェア拡大と収益性の確保に努めておりますが、想定を超える価格下落の進行などはプリンター事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料、部品の調達
OKIグループは生産活動のために多種多様な原材料、部品等を調達しておりますが、災害等の影響などによりそれらの安定的な調達及びその特殊性から仕入先または調達部品の切替えができない可能性があります。そのような場合、製品の出荷が遅れ、取引先への納入遅延や機会損失等が発生し、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、OKIグループは生産活動のため石油や金属などの原材料を直接あるいは間接的に必要としておりますが、これらの原材料価格の高騰はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥、納期遅延
OKIグループが提供する製品及びサービスについて、品質管理の徹底に努めておりますが、欠陥が生じる可能性は排除できません。この場合、欠陥に起因し顧客がこうむった損害の賠償責任が発生する可能性があります。また、欠陥問題によりOKIグループの評価が低下したことによりOKIグループの製品、サービスに対する需要低迷の可能性があります。いずれの場合もOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、OKIグループが提供する製品及びサービスについて、納期管理の徹底に努めておりますが、資材調達、生産管理、設計などにおける予期せぬ要因により納期遅延が生じる可能性は排除できません。この場合、納期遅延に起因し顧客がこうむった損害の賠償責任が発生する可能性があります。
(6)戦略的アライアンスの成否
OKIグループは、研究開発、製造、販売等あらゆる分野において他社とのアライアンスを積極的に推進しておりますが、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先との協力関係が維持できない場合や、十分な成果が得られない可能性があります。その場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外における事業活動
OKIグループはさまざまな国と地域において生産や販売活動を行っていますが、カントリーリスクや為替変動リスクなど海外事業特有のリスクが存在します。
OKIグループはタイ及び中国、ブラジルに生産拠点を有しますが、これらの国において政治経済状況の悪化、現地通貨価値の変動等、予期せぬ事象が発生した場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、為替変動リスクを最小化するために、OKIグループでは、米ドルやユーロの為替変動に対する為替先物予約や通貨スワップ等の手段を講じておりますが、完全にリスクを排除できるとは限らず、特に急激な為替変動はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)特許権等の知的財産権
OKIグループは、グループにて保有する特許の保護、他社との差別化のための特許の獲得に努めておりますが、これらが十分に行えない場合、関連する事業に悪影響を及ぼす可能性があります。また、OKIグループは製品の開発・生産に必要な第三者の特許の使用許諾権の確保に努めておりますが、将来、必要な許諾権が受けられない可能性や不利な条件での使用を余儀なくされる可能性があります。いずれの場合もOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、OKIグループは第三者の知的財産の尊重に努めておりますが、訴訟を提起される可能性を完全に排除できる保証はありません。訴訟が提起された場合の訴訟費用の増加、敗訴した場合の損害賠償等により、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)法令及び公的規制の遵守
OKIグループは事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、あるいは想定外の変更があった場合、OKIグループの活動が制限される可能性があります。従って、これらの規制はOKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害等による影響
OKIグループは事故あるいは災害等に起因する製造ラインの中断によるマイナス影響を最小化するため、定期的な事故、災害防止検査と設備点検を行っております。しかし、生産施設で発生する事故、災害等による悪影響を完全に防止できる保証はありません。地震、風水害、停電等による製造ラインの中断、さらには販売活動を行っている国々で発生した各種災害による経済活動に対する大きな影響は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)情報管理
OKIグループの社内システムについて情報漏洩対策やウィルス防御システムの導入など施しておりますが、人的ミスや新種のウィルス等に起因する情報漏洩やシステムダウンを完全に防御できる保証はありません。こうした事象が発生した場合、追加的に損失が発生する可能性があります。
(12)人材の確保及び育成
OKIグループが安定収益企業としてさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保及び育成する必要があります。このため、OKIグループは、新卒、キャリア採用問わず積極的に新規採用を行い、また、優秀な人材を育成するため、職場OJTや研修等様々な支援活動を行っておりますが、優秀な人材が確保及び育成できなかった場合、あるいは優秀な人材が大量離職した場合、OKIグループの今後の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)金利変動
OKIグループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが存在します。OKIグループはその影響を回避するために金利スワップ取引を行う等様々な対策を講じていますが、金利上昇が金利負担の増加や、将来の資金調達コスト上昇による運転資金調達への悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)会計制度の変更
OKIグループは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表及び財務諸表を作成していますが、会計基準等の設定や変更により、従来の会計方針を変更した場合に、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)債権回収
OKIグループは、顧客の財政状態を継続的に評価し、貸借対照表日後に発生すると予想される債権回収不能額を見積もり適正に引当金を計上していますが、顧客の財政状態が急激に悪化した場合には、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)固定資産の減損
OKIグループの所有する有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産について減損処理が必要となった場合には、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)繰延税金資産
OKIグループは、繰延税金資産について繰越欠損金及びその他の一時差異に対して適正な金額を計上していますが、将来の業績変動により課税所得が減少し、繰越欠損金及びその他の一時差異が計画通り解消できなかった場合の繰延税金資産の取崩しは、OKIグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)退職給付債務
OKIグループは、退職給付債務について数理計算上で設定される割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき適正な金額を計算しております。しかし、この前提条件は、市場金利や株式市場の影響を受けることから、実際の結果とは異なる場合があり、退職給付債務が増加する可能性もあります。その場合、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)株価の変動
OKIグループは、投資有価証券の一部として上場株式を保有しておりますが、当該株式の価格下落による評価損の計上や評価差額金の減少は、OKIグループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
平成28年3月31日現在における重要な技術援助契約及びその他の経営上の重要な契約は、下記のとおりであります。なお、契約会社はいずれも提出会社であります。
① 技術援助契約
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相手先 |
国名 |
契約対象機器 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
International Business Machines Corporation |
米国 |
情報処理機器 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許存続期間中 |
|
キヤノン(株) |
日本 |
プリンター、 FAX、複合機 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許存続期間中 |
② その他の経営上の重要な契約
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相手先 |
国名 |
契約の内容 |
|
Hewlett-Packard Company |
米国 |
平成4年4月7日に情報通信分野でのシステムインテグレーションビジネスを強化することを目的として、双方向かつ長期的な関係を維持・発展させるための基本契約を締結しました。 |
|
シスコシステムズ合同会社 |
日本 |
平成12年2月9日に、同社製品の再販及びこれに付加価値化を行い、トータルソリューションをエンドユーザーに提供するパートナーとして基本契約を締結しました。 |
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、「安全で快適な社会の実現」を目指し、OKIの成長戦略に基づいた技術開発を推進しています。
OKIの強みである「センシング」、「音響」、「ネットワーク」、「データ解析・処理」、及び「メカトロニクス」技術の融合と進化を目指した研究開発を実施しています。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は13,317百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。
<情報通信システム>
(1)電波到来方向推定技術をITSに適用し、車両・歩行者位置検出を実現した「次世代ITS路側インフラ無線技術」を開発しました。ETCなどのITS無線通信における電波の発信元の位置を特定する技術を路側機に搭載することで、既存車載器を変更することなく、DSRC通信中の車両の位置や走行車線を検出するシステムを構築できます。さらに通信端末を歩行者に展開することで、より一層の交通安全支援が可能となります。
(2)空中音響技術を利用して飛来するドローンを探知する「ドローン探知システム」を開発しました。ドローンが飛行音を隠匿することができない点に着目し、従来から培ってきた空中音響技術をベースに、ドローンの飛行音を複数のマイクロフォンで収集して音源位置分析を行い、接近を探知するとともに、飛来する方位・仰角、及び距離を測定して通知することができます。空中音響技術を利用するため昼夜問わず探知できるほか、オプションでカメラを組み込むことで映像と合わせてより確実な確認が行えます。
(3)小規模小売店舗向けに省スペース入出金機「USCOSⅡ-CV」を開発しました。従来の中型入出金機と小型紙幣硬貨つり銭機の基本機能を備えながら、設置幅42cmという省スペース化を実現した入出金機です。設置スペースの問題で導入を見合わせていた小規模小売店舗向けに開発したもので、店舗における現金管理の厳正化及び管理者作業の効率化をサポートします。
(4)戦略的な店舗運営を目的とした窓口サービス拡大ソリューション「ビデオテラーシステム」の実証実験を実施しました。金融機関を利用されるお客さまが操作する「ビデオテラーマシン」と遠隔地でオペレーターがお客さまからの問い合わせに対応する「ビデオテラーセンター」から構成され、テレビ電話の機能を備えた本邦初のATMになります。お客さまは、必要に応じて「ビデオテラーセンター」のオペレーターのサポートを受けながら「ビデオテラーマシン」を操作することで、口座開設の手続が可能となります。
当事業に係る研究開発費は、8,885百万円であります。
<プリンター>
プリンター・複合機のダウンタイムを大幅に削減する新サービス「COREFIDO3」を開発し、提供を開始しました。また、「COREFIDO3」対応の第一弾の商品として、A3カラーLED複合機「MC883dnwv」、「MC883dnw」、「MC863dnwv」、「MC863dnw」の4機種を開発しました。新サービス「COREFIDO3」は、従来のプリンター・複合機の常識を覆す全く新しいコンセプトで究極のセルフメンテナンスを実現するサービスです。「メンテナンスバリアフリー設計」の商品と「クラウドメンテナンスプラットフォーム」により、特別な技術がなくてもユーザー自身で簡単にメンテナンスやトラブル対処が可能になりました。これにより、プリンター・複合機のダウンタイムによる時間のムダ、メンテナンスや修理にともなう経費のムダ、これらの不満に伴うムダなストレスからユーザーを解放します。また新商品のA3カラーLED複合機は毎分35ページの連続印刷・複写速度、用紙重送検知センサーを装備した高速スキャナー、大型カラータッチパネルによる高い操作性を実現し、さらに「LEDプリンター・複合機のシンプル構造による高いメンテナンス性」を強化し、「新世代オペパネガイダンス」を搭載して新発想「メンテナンスバリアフリー設計」を実現しました。
当事業に係る研究開発費は、2,410百万円であります。
<EMS>
当事業に係る研究開発費は、23百万円であります。
<全社共通等>
(1)位置連動型メディア制御技術、エリア収音・エリア音再生技術、双方向インターフェース技術などを利用して、遠隔オフィスの注目エリアにアクセスして会話できる「超臨場感テレワークシステム」を開発しました。同システムを用いて埼玉県のセンターオフィス、京都府のサテライトオフィス及びホームオフィスを結ぶテレワーク実験オフィスを構築し、2015年6月から12月までの7ヶ月間、実際のオフィス業務を対象にした実証実験を行いました。実験の結果、離れたオフィス間におけるコミュニケーション活性化効果を確認しています。実験期間中、オープン・イノベーションを目的にサテライトオフィスを公開し、約300名の見学がありました。なお本研究の一部は、国立研究開発法人情報通信機構(NICT)の委託研究「革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」により実施しております。
(2)土砂災害の危険のある斜面に設置した傾斜センサーや土壌水分量センサーからの情報を、省電力920MHz帯マルチホップ無線でクラウドセンターに収集し、斜面崩壊の危険をリアルタイムに通知する「斜面監視システム」を開発しました。これは、電池駆動が可能な省電力型マルチホップ無線技術を搭載した傾斜センサーモジュールと、環境エネルギーから電力を創出することでシステムの長寿命化を実現するエナジーハーベスティング技術を組み合わせることにより実現しました。土砂崩れや地すべりなど崩壊の危険性のある斜面や法面に傾斜センサーと土壌水分量センサーを設置し、マルチホップ無線技術でセンサーデータを収集することで、遠隔地からの斜面状態のリアルタイム監視を実現します。
全社共通等に係る研究開発費は、1,999百万円であります。
財政状態及び経営成績の分析における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在(平成28年6月24日)において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表(財務諸表等)は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しており、重要な会計方針に基づき見積り及び判断を行っておりますが、特に以下の重要な会計方針については、見積りによる不確実性のため実際とは異なる結果となる場合があり、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
・売掛債権
貸借対照表日後に発生すると予想される貸倒損失に対して適正な引当金を計上しておりますが、顧客の財政状態が悪化した場合は、貸倒引当金の追加計上の可能性があります。
・たな卸資産
通常の販売目的で所有するたな卸資産のうち、営業循環過程にあるたな卸資産については主として期末における正味売却価額により、営業循環過程から外れたたな卸資産については主として規則的に帳簿価額を切り下げる方法により、収益性の低下を反映したうえで貸借対照表価額としておりますが、売価の下落により正味売却価額が低下した場合や、販売不振により営業循環過程から外れたたな卸資産が増加した場合、たな卸資産評価損の追加計上の可能性があります。
・有形固定資産及び無形固定資産
将来の収益獲得等が確実なものであると判断しておりますが、将来の収益獲得等が不確実になった場合は、減損損失計上の可能性があります。
・投資
回復可能性があると認められない株式等は評価減を実施しておりますが、株式市況の悪化等によりOKIグループ(当社及び連結子会社)が保有する株式等の時価が下落した場合や、投資先の財政状態が悪化した場合は、評価損の追加計上の可能性があります。
・繰延税金資産
将来の回収可能性を十分に検討して回収可能な額を計上しておりますが、今後の回収可能性の判断の結果、回収可能な額が減少した場合、費用が増加する可能性があります。
・退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務について数理計算上で設定される割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件に基づき適正な金額を計算しておりますが、前提条件の変化等により悪影響を受け退職給付債務及び退職給付費用が増加する可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析及び経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度の外部顧客に対する売上高は、前連結会計年度比499億円、9.2%減少の4,903億円となりました。情報通信システム事業では、通信キャリア向けの販売減や消防無線のデジタル化需要のピークアウトの影響がありました。プリンター事業では、オフィス向けプリンターの市場縮小などの影響がありました。これらのことから物量が減少しました。なお、セグメント別の内容は「1「業績等の概要」(1)業績」に記載の通りです。
売上原価については、前連結会計年度から383億円減少し、売上原価率は前連結会計年度比0.3ポイント良化の73.7%となり、売上総利益は1,291億円(同114億円減少)となりました。
販売費及び一般管理費については、前連結会計年度から24億円増加し1,105億円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度比2.5ポイント悪化の22.5%となりました。
その結果、営業利益については、売上物量の減少や為替の影響などにより、186億円(同138億円減少)となりました。
営業外損益については、主に為替差損の計上により72億円の損失(純額)となりました。この結果、経常利益については、114億円(同265億円減少)となりました。
特別損益については、投資有価証券の売却益などにより3億円の収益(純額)となりました。
税金等調整前当期純利益については、117億円(同258億円減少)となりました。法人税、住民税及び事業税については、19億円を計上しました。法人税等調整額については、45億円の費用を計上しました。非支配株主に帰属する当期純損失については、13億円を計上しました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益については、66億円(同265億円減少)となりました。
(3)経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題意識と今後の方針について
経営戦略の現状と見通し及び経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「3「対処すべき課題」」に記載の通りであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少及び運転資金の増加により、36億円の支出(前年同期410億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、138億円の支出(同186億円の支出)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは174億円の支出(同224億円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金を増やしたこと等により、111億円の収入(同207億円の支出)となりました。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末残高の536億円から463億円となりました。
②資金需要
OKIグループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入費、人件費、外注費等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。
③借入金及びリース債務
当連結会計年度末の概要は以下のとおりであります。
|
(単位:億円) |
|
契約債務 |
年度別要支払額 |
||||
|
合計 |
1年以内 |
1年超 3年以内 |
3年超 5年以内 |
5年超 |
|
|
短期借入金 |
506 |
506 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
715 |
221 |
382 |
112 |
- |
|
リース債務 |
82 |
25 |
32 |
16 |
10 |
なお、所有権移転外ファイナンス・リース取引のうち、リース取引開始日が平成20年3月31日以前のリース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理によっており、この未経過リース料期末残高相当額は0億円、オペレーティング・リース取引の未経過リース料は151億円であります。
OKIグループの第三者に対する保証は、従業員の住宅融資借入金に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間中に発生した場合、OKIグループが代わりに弁済する義務があります。当連結会計年度末のOKIグループの債務保証に基づく将来の潜在的な要支払額の合計は3億円であります。
④財務政策
OKIグループは現在、運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしています。このうち、運転資金については短期借入金及び長期借入金で調達しています。生産設備などの長期資金については長期借入金で調達しています。当連結会計年度末現在、金融機関他からの短期借入金の残高は506億円、長期借入金の残高は715億円となっています。長期資金については固定金利が中心ではありますが、金利情勢を勘案した上で変動金利も利用しています。
OKIグループは財務の健全化のため、今後もフリー・キャッシュ・フローを原資として有利子負債の圧縮に努めていきます。必要資金のリファイナンスについては、主に長期借入金と社債をバランスよく利用することを基本とします。
また、運転資金の効率的な調達を行うため、当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、226億円となっております。