文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを企業理念とし、電池で培った先進のエネルギー技術で世界のお客様へ快適さと安心をお届けしてまいります。以下の経営の基本方針に従って、経営目標を達成し、企業価値の最大化を目指してまいります。
・GS YUASAは、お客様を第一に考え、お客様から選ばれる会社になります。
・GS YUASAは、品質を重視し、環境と安全に配慮した製品とサービスを提供します。
・GS YUASAは、法令を遵守し、透明性の高い公正な経営を実現します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、長年培ってきた電池・電源技術によって、低環境負荷社会、低炭素化社会、防災・減災社会の実現に貢献するため、企業理念に掲げる「革新と成長」の具現化を志し、総力を挙げて次の経営方針を重点的に取り組んでまいります。
①新規事業(リチウムイオン電池)の黒字を確実なものとし、安定的成長軌道へ乗せる
②成長事業(海外事業)のさらなる事業領域の拡大と収益性の向上を図る
③既存事業(自動車電池・産業用電池電源事業)のキャッシュ・フローを拡大・安定化させ、成長投資を行う
エネルギー・デバイス・カンパニー「新生GSユアサ」を目指し、長期的・持続的成長を確固たるものとします。
(3)目標とする経営指標
経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点からROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、総還元性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案の上、長期安定的な株主の利益を確保することを基本方針として、30%以上を目標とし、安定配当の継続に努めてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く環境としては、英国のEU離脱による欧州経済の今後、米国のトランプ政権の動向や為替の変動など、世界情勢の先行きが不透明であり、当社の事業運営に対する経済的あるいは安全上のリスクに対し、引き続き注意を払うべき状況にあります。一方、世間の技術動向に目を向けると、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の発展が目覚ましく、自動車、各種産業分野あるいは社会の様相の変化が現実的となり、当社の事業においても製品の用途やニーズ面について影響が現われつつあります。
このような中、平成30年度は当社グループにとって第四次中期経営計画の最終年度となります。また当社の前身である日本電池㈱が昨年、㈱ユアサコーポレーションが本年それぞれ設立100周年に当たる節目の年でもあります。当社は、これまで培った事業基盤を活かし、お客様が期待する価値と品質の提供を続けてまいります。
事業別では、自動車電池事業においては、昨年より海外事業を担う部門との一体化を行ない、製品を軸としてグローバルな対応を推進しており、世界各地のニーズに沿った商品やサービスを迅速に提供出来る仕組みの強化を進めてまいります。また、国内外の最適生産体制の整備とコスト低減を推進しており、一層激化する自動車電池市場へ立ち向かう力を強化してまいります。製品分野でみると、アイドリングストップ車やハイブリッド車など環境対応車向け電池への世界的ニーズが高まってきていることから、当社の強みである技術力を背景に、様々な高付加価値の製品を市場へ展開してまいります。引き続き成長が見込まれる海外市場においては、アジアや新興国におけるニーズの増加および多様化に対し、生産体制の強化あるいは新製品の投入による対応を続けてまいります。
産業電池電源事業においては、国内既存分野であるバックアップ用電源システムなどについては市場規模の拡大見込が難しい環境にあることから、コスト構造の見直しや組織の最適化、IoTやAIを活用した革新的な「モノ・コトづくり」等により、収益性の改善を進めてまいります。一方で、世界的な通信市場を含む各種インフラ向け産業用リチウムイオン電池や、再生可能エネルギー関連設備および機器については、ニーズが高まりがあることから、最適な生産と販売の体制整備を進めてまいります。
リチウムイオン電池事業においては、車載向けニーズの高まりへの対応に加え、各種産業用途のニーズ獲得に向け積極的に提案活動を行なってまいります。また、有人潜水調査船や宇宙分野を含む次世代の製品については市場で採用実績を積み重ねてきておりますが、当社の成長分野として更に育成するべく、基礎技術の研究開発に対しても力を注いでまいります。
当社といたしましては、企業理念に掲げる「革新と成長」のもと、品質重視を事業活動の原点とし、お客様に安心と信頼を提供することを軸に、品質に裏打ちされた競争力のある製品をグローバルに展開することで、これらの重要課題を達成し、今後の更なる成長に向けて全力を傾注してまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社が判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループの製品の需要は当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、アジア、北米、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争の激化
当社グループは、各事業を展開するそれぞれの市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況になっております。特に自動車電池(補修製品)に関しては、国内の同業他社に加え、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、競争が激化しております。当社グループとしては、あらゆるコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しておりますが、将来的に市場シェアの維持、拡大、収益性保持が容易でない可能性があります。
(3)為替レートの変動
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループは生産及び販売活動を日本、アジア、北米、欧州等で行っております。これらの海外市場での活動には以下に掲げるようなリスクが内在しており、これらの事象は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律または規制の変更
②人材の採用と確保の難しさ
③未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に影響を及ぼす、または当社グループの製品に対する顧客の支持を低下させる可能性
④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(5)M&Aに関するリスク
当社グループは、将来の事業拡大においてM&Aは重要かつ有効な手段であると考えております。M&Aを実施する場合においては、対象企業の財務状況等の調査や当社グループの事業への相乗効果など、様々な観点から十分に検討しております。しかしながら、事業環境の著しい変化等により、買収事業が当初の計画通りに推移せず、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料の市況変動に関するリスク
当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますが、鉛相場が変動した場合もただちに製品価格に反映することができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自動車電池(補修製品)販売量の季節要因について
当社グループの主要製品である自動車電池(補修製品)の販売量は、季節的な要因、特に天候に左右されます。例えば、冷夏・暖冬といった寒暖差の少ない気候は、電池の性能維持の面では好条件となるため取替え需要が減少し、通常よりも販売量が減少する要因となります。
これら季節的な要因は完全に予測することができず事前に十分な対策を打つことは困難であるため、季節的な要因により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)金利変動について
当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。
(9)訴訟その他の法的手続について
当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起され、または規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
(10)環境規制について
中国の中央政府より、中国国内の鉛蓄電池メーカー及び鉛精錬メーカーに対する環境規制強化の動きがあり、当社グループ企業においても一部生産活動に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用所得環境の改善が続くなか、個人消費が緩やかな回復基調を維持しました。また、世界的な設備投資意欲の改善により,輸出も堅調を維持したことで、内外需共に底堅く推移しました。
世界経済に目を転じますと、中国においては国内の消費市場規模の緩やかな拡大が続いており、米国においては継続的な雇用情勢の改善を受けた内需の回復により個人消費も緩やかに回復しております。欧州は、Brexitに伴う経済をめぐる先行き不透明感があるものの全体では堅調に推移しております。以上の各国の景気動向に見られるように、世界経済は概ね回復基調で推移しました。
このような経済状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、自動車電池事業において国内の新車用需要が好調に推移したほか、当期決算においては、期初よりPanasonicの国内鉛蓄電池事業を連結対象に組み込んだ影響等により、4,109億51百万円と前連結会計年度に比べて513億45百万円増加(14.3%)し、過去最高となりました。
当連結会計年度の利益は、上記のとおり国内の自動車電池事業が堅調に推移したものの、産業電池事業や海外の自動車電池事業において主要材料である鉛価格の上昇により利益が減少したほか、のれん等償却の影響により営業利益は219億20百万円(のれん等償却前営業利益は240億76百万円)と前連結会計年度に比べて11億86百万円減少(△5.1%)しました。経常利益は上記の営業利益の減少に伴って213億87百万円と前連結会計年度に比べて11億57百万円減少(△5.1%)しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、114億49百万円(のれん等償却前親会社株主に帰属する当期純利益は138億94百万円)と前連結会計年度に比べて7億79百万円減少(△6.4%)しました。
当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(自動車電池)
国内における売上高は、新車メーカーへの販売が好調であったことに加え、Panasonicの国内鉛蓄電池事業譲受による売上が増加したことにより、892億40百万円と前連結会計年度に比べて216億42百万円増加(32.0%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、上記の事業譲受の影響等により、61億43百万円と前連結会計年度に比べて4億66百万円増加(8.2%)しました。
海外における売上高は、主として東南アジアでの販売が増加したほか、為替の円換算評価の影響により、1,876億25百万円と前連結会計年度に比べて170億12百万円増加(10.0%)しました。一方でセグメント損益は、主要材料である鉛価格の上昇等により、94億7百万円と前連結会計年度に比べて10億52百万円減少(△10.1%)しました。
これにより、国内・海外合算における売上高は、2,768億66百万円と前連結会計年度に比べて386億54百万円増加(16.2%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、155億51百万円と前連結会計年度に比べて5億85百万円減少(△3.6%)しました。
(産業電池電源)
売上高は、産業用鉛蓄電池の販売低迷に加え、産業用リチウムイオン電池の前年における特需が一段落したこと等により、721億87百万円と前連結会計年度に比べて5億78百万円減少(△0.8%)しました。セグメント損益は、上記の販売減少や鉛価格の上昇等により、69億17百万円と前連結会計年度に比べて17億84百万円減少(△20.5%)しました。
(車載用リチウムイオン電池)
売上高は、ハイブリッド車用リチウムイオン電池やプラグインハイブリッド車用リチウムイオン電池がいずれも増加したことにより、447億84百万円と前連結会計年度に比べて54億78百万円増加(13.9%)しました。これに伴いセグメント損益は、13億20百万円と前連結会計年度に比べて12億74百万円増加しました。
(その他)
売上高は、特殊用途電池の販売が増加したほか潜水艦搭載リチウムイオン電池の生産開始により、171億13百万円と、前連結会計年度に比べて77億90百万円増加(83.6%)しました。全社費用等調整後のセグメント損益は、管理部門の経費が減少したこともあり、2億87百万円と前連結会計年度に比べて9億87百万円改善しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は197億76百万円と前連結会計年度末に比べて48億96百万円減少(△19.8%)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払いがありましたが、税金等調整前当期純利益及び減価償却費により、219億34百万円のプラス(前年同期は348億46百万円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得に伴う支出により、208億10百万円のマイナス(前年同期は329億12百万円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債発行による収入がありましたが、借入金の返済、配当金の支払い等により、67億2百万円のマイナス(前年同期は37億15百万円のマイナス)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
68,447 |
150.7 |
|
自動車電池海外(百万円) |
130,411 |
117.2 |
|
産業電池電源(百万円) |
51,358 |
105.5 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
40,158 |
116.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
290,375 |
121.1 |
|
その他(百万円) |
13,904 |
148.5 |
|
合計(百万円) |
304,280 |
122.1 |
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループは、大型蓄電池及び大型電源装置等の一部を除き、主として見込生産を行っておりますので、受注高及び受注残高について特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
89,240 |
132.0 |
|
自動車電池海外(百万円) |
187,625 |
110.0 |
|
産業電池電源(百万円) |
72,187 |
99.2 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
44,784 |
113.9 |
|
報告セグメント計(百万円) |
393,837 |
112.4 |
|
その他(百万円) |
17,113 |
183.6 |
|
合計(百万円) |
410,951 |
114.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載しております。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、現預金が減少したものの、売上増加に伴う売上債権の増加、株高による保有株式の評価額増加及び退職給付に係る資産の増加により、3,913億24百万円と前連結会計年度末に比べて208億15百万円増加しました。
負債は、借入金や設備関係支払手形、未払金が減少したものの、社債の発行、仕入債務の増加により、1,856億85百万円と前連結会計年度末に比べて33億32百万円増加しました。
純資産は、配当金の支払、自己株式の取得による減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益に加え、保有株式の時価評価および円安による為替換算調整勘定の増加により、2,056億38百万円と前連結会計年度末に比べて174億83百万円増加しました。
以上の結果、自己資本比率は44.9%と前連結会計年度末に比べて1.3ポイント改善しました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しく、とりわけ各事業分野での激しい価格競争が続いております。また、当社グループの主要製品である自動車用鉛蓄電池の販売数量は、季節の変化、特に(冷夏、暖冬など)気候の変化による影響を大きく受けます。一方、コストの面では、当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますので、この鉛価格の変動は製造コストに影響を与えます。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
b.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。
営業キャッシュ・フロー及び手元資金を中長期的な成長のための投融資、成長を支えるための財務基盤の強化、適正な株主還元、これらにバランス良く配分し企業価値の向上を図ってまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
|
|
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
44.4 |
43.6 |
44.9 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
57.3 |
57.8 |
60.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.5 |
2.2 |
3.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
26.27 |
36.92 |
25.46 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成の状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、「第四次中期経営計画」において 連結売上高4,800億円、のれん等償却前営業利益率8%以上、ROE 10% 以上、総還元性向 30% 以上を平成31年3月期最終目標に設定し、収益性や資産効率の向上に取り組んでおります。
当年度における進捗状況は、連結売上高 4,109億円、のれん等償却前営業利益率5.9%、ROE 8.2%、総還元性向 36.9% であり、引き続き目標達成に向け総力を挙げて努めてまいります。
(セグメント別の状況)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載の通りであります。
該当事項はありません。
当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。
自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、特機本部技術開発部、ライティング本部製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、リチウムイオン電池事業部開発本部、㈱リチウムエナジー ジャパンの技術部、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。
当連結会計年度における研究開発費は111億70百万円であります。
当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)自動車電池
自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。
国内自動車用鉛蓄電池の分野では、アイドリングストップ車用鉛蓄電池の主要劣化モードであるサルフェーションを格段に抑制する技術を開発し、アイドリングストップ車両及び一般車両を兼用する「ECO.R Revolution」シリーズの販売を開始しました。また、欧州車両向けEN規格(欧州統一規格)電池は日本車への採用が広がっており、一昨年に販売を開始した「ECO.R ENJ」シリーズのラインナップ拡充を図っています。
国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。
海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、2015年に株式取得をしたトルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けのアイドリングストップ車用鉛蓄電池の開発を進めております。また、中国の天津杰士電池有限公司での国内補修向けやGSユアサ日本製の海外輸出向けにアイドリングストップ車用鉛蓄電池の新商品を投入し、更なる販売拡大を図ります。
海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次生産を開始しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。
この分野に係る研究開発費は、26億15百万円であります。
(2)産業電池電源
産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、特機、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。
産業用鉛蓄電池の分野では、大容量蓄電システム向けサイクル用据置鉛蓄電池において、世界最高水準のサイクル寿命性能である超長寿命タイプの「SLR形」電池のラインナップ拡充に取り組んでおります。1000AhのSLR-1000に加えて、2017年度にはSLR-500を発売しました。2018年度には、新たに小容量タイプを発売する予定です。また、バッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池において、電池性能を大幅に向上させる添加剤を新たに開発し、これを用いた製品を2018年度には市場に展開する予定であります。
電源装置分野では、産業用リチウムイオン電池を搭載した直流電源装置「TRUSTAR-LIM」を開発しました。鉛蓄電池やアルカリ蓄電池搭載品と同様、消防法認定品であるため、消防用設備等のバックアップ電源としても使用できます。また、産業用リチウムイオン電池を搭載した交流無停電電源装置「BACSTAR-LIM」シリーズもリニューアルしており、停電や災害から重要機器を守るための直流電源装置や交流無停電電源装置のラインアップを充実させることで、安心・安全な社会の実現に貢献します。
太陽光発電用パワーコンディショナの分野では、中規模の太陽光発電設備に最適な、壁掛タイプの太陽光発電用パワーコンディショナ「単相ラインバックαⅣ」(10kVA )を開発しました。高い変換効率や優れた耐久性能により、さまざまなニーズに対応できると共に、停電時にも太陽電池で発電した電力を有効に使用することができる自立運転出力回路も内蔵しています。
産業用リチウムイオン電池の分野では、瞬時に大電流充放電が可能な高出力タイプの「LIM25H-8」モジュールが港湾向けガントリークレーンや無人搬送車などに採用されており、省エネ化や排ガス削減に寄与することによって、環境負荷低減に貢献しております。
特機の分野では、各種の電池を応用した機器や小型電源装置、バッテリー充電器、テスターの研究開発を行っております。また、将来の市場拡大を目指して酸素センサーや水素発生装置の開発に取り組んでおります。
照明の分野では屋外、工場などを中心にLED照明器具のラインナップ拡充に取り組んでおります。
環境関連機器の分野では、MBR(膜分離活性汚泥法)向けにファウリング(目詰まり)の少ない膜や安価な膜の開発を進めており、アジア市場に向けて拡販しております。また、水素発生器向けグラフト膜セパレータを開発し、2018年度から販売を計画しています。
この分野に係る研究開発費は、20億55百万円であります。
(3)車載用リチウムイオン電池
車載用リチウムイオン電池事業では、リチウムイオン電池基礎研究、車載用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。
リチウムイオン電池基礎研究の分野では、中大型電池の信頼性、安全性及びエネルギー密度の向上を目的として様々な研究を実施しております。また、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を図るため、次世代正極、次世代負極材料の探索並びにその性能改善を進めております。さらにポストリチウムイオン電池の研究を実施しております。
車載用リチウムイオン電池の分野では、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池を増産するとともに、品種展開と増産対応に向けてさらなる改良と信頼性、安全性の向上に取り組んでおります。
この分野に係る研究開発費は、60億86百万円であります。
(4)その他
その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。
航空用途では米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「 H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しています。2016年12月には、宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機」によって、宇宙ステーションの電源として搭載される当社のリチウムイオン電池の輸送が開始されております。
この分野に係る研究開発費は、4億12百万円であります。