(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動減による影響が和らいできているものの、個人消費が伸び悩むなど景気回復の動きは依然緩慢な状況の中で推移しました。
世界経済に目を転じますと、米国経済では年初の厳しい寒波など外部要因の影響はあったものの、堅調な個人消費や安定した雇用などに支えられ回復基調が続きました。一方、中国では投資の低迷などから景気減速傾向の中で推移し、欧州でも失業率の高止まりなど依然として懸念材料が多く、景気は全般的に緩やかな回復基調ながら力強さに欠ける状況が続いております。
このような経済状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、連結範囲の拡大によるアジア地域での事業基盤強化を図ったことや円安による影響、これに加えて車載用リチウムイオン電池の販売が増加したことにより、3,697億60百万円と前連結会計年度に比べて217億64百万円増加(6.3%)しました。
当連結会計年度の利益は、車載用リチウムイオン電池の販売増加に伴う利益改善や、海外における売価改善への取り組みなどにより、営業利益は209億14百万円と前連結会計年度に比べて27億16百万円増加(14.9%)しました。これに伴い、経常利益は223億57百万円と前連結会計年度に比べて20億24百万円増加(10.0%)しました。当期純利益は、連結子会社における減損損失44億円を計上したこともあり、100億43百万円と前連結会計年度に比べて61百万円の増加(0.6%)にとどまりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(国内自動車電池)
売上高は、自動車用鉛電池の総需要低迷や、自動車関連部品の販売が減少したことにより、517億47百万円と前連結会計年度に比べて51億58百万円減少(△9.1%)しました。セグメント損益は、主原料である鉛相場が上昇したことなどにより、23億97百万円と前連結会計年度に比べて9億12百万円減少(△27.6%)しました。
(国内産業電池及び電源装置)
売上高は、電力会社の接続保留の問題などにより太陽光発電用電源装置の販売が低迷しているものの、携帯電話の基地局向け電源装置の販売が増加したことや、セグメント情報においてその他に含めていた照明・膜事業を組織変更に伴い国内産業電池及び電源装置セグメントに移管したことにより、798億22百万円と前連結会計年度に比べて5億80百万円増加(0.7%)しました。セグメント損益は、主原料である鉛相場の上昇や、太陽光発電用電源装置の販売減少などにより、86億57百万円と前連結会計年度に比べて35億41百万円減少(△29.0%)しました。
(海外)
売上高は、タイの持分法適用関連会社を前第2四半期より連結子会社化したことに加え、インドネシアの持分法適用非連結子会社を当連結会計年度より連結子会社化したこと、さらに円安による影響などにより、1,837億59百万円と前連結会計年度に比べて195億7百万円増加(11.9%)しました。セグメント損益は、各国の経済状況の影響などで販売数量は伸び悩んだものの、売価改善への取り組みや、主原料である鉛相場の下落などにより、107億86百万円と前連結会計年度に比べて17億90百万円増加(19.9%)しました。
(リチウムイオン電池)
売上高は、主としてハイブリッド車用及びプラグインハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売増加により、451億81百万円と前連結会計年度に比べて126億80百万円増加(39.0%)しました。セグメント損益は、26億26百万円の損失となりましたが、操業度が改善したことや合理化の促進により前連結会計年度に比べて46億17百万円改善しました。
(その他)
売上高は、照明・膜事業が国内産業電池及び電源装置セグメントに移管されたことなどにより、92億48百万円と前連結会計年度に比べて58億45百万円減少(△38.7%)しました。全社費用等調整後のセグメント損益は、16億98百万円と前連結会計年度に比べて7億62百万円増加(81.4%)しました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は257億8百万円と前連結会計年度末に比べて23億16百万円増加(9.9%)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少及び法人税等の支払額がありましたが、税金等調整前当期純利益と減価償却費により、197億29百万円のプラス(前年同期は197億4百万円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得により、145億19百万円のマイナス(前年同期は97億86百万円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、連結子会社である㈱リチウムエナジー ジャパンの増資に伴う収入がありましたが、借入金の返済及び配当金の支払いにより、57億98百万円のマイナス(前年同期は5億89百万円のプラス)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成26年4月 1日 至 平成27年3月31日 |
前年同期比(%) |
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国内自動車電池(百万円) |
36,442 |
100.1 |
|
国内産業電池及び電源装置(百万円) |
55,900 |
110.4 |
|
海外(百万円) |
124,686 |
111.7 |
|
リチウムイオン電池(百万円) |
43,042 |
103.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
260,072 |
108.3 |
|
その他(百万円) |
8,129 |
75.2 |
|
合計(百万円) |
268,202 |
106.9 |
(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、組織変更に伴い従来「その他」に含めていた照明・膜事業を「国内産業電池及び電源
装置」に区分変更しております。
(2)受注状況
当社グループは、大型蓄電池及び大型電源装置等の一部を除き、主として見込生産を行っておりますので、受注高及び受注残高について特記すべき事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 平成26年4月 1日 至 平成27年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
国内自動車電池(百万円) |
51,747 |
90.9 |
|
国内産業電池及び電源装置(百万円) |
79,822 |
100.7 |
|
海外(百万円) |
183,759 |
111.9 |
|
リチウムイオン電池(百万円) |
45,181 |
139.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
360,512 |
108.3 |
|
その他(百万円) |
9,248 |
61.3 |
|
合計(百万円) |
369,760 |
106.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、組織変更に伴い従来「その他」に含めていた照明・膜事業を「国内産業電池及び電源
装置」に区分変更しております。
(1)対処すべき課題
当社を取り巻く経済環境は、国内では金融緩和政策の継続や米国の利上げに対する期待の高まりにより、円安基調が維持されると見込まれ、輸出企業には追い風となっております。しかしながら、輸入原材料費の高騰や、東日本大震災以後の化石燃料の輸入拡大に伴う電力コストの増加など、国内売上を主体とする企業には不利な点もあり、また、デフレ脱却と経済の好循環継続に向けた政府の取り組みで、多くの企業がベースアップに踏み切ったことで人件費も上昇傾向にあります。一方、海外では、依然として先行きが不透明な欧州経済の影響、シェールオイルの開発による原油価格の急落、あるいは地域紛争リスクの高まりなどによって、為替及び株式市場が激しく変動し、不安定な状況が続いております。
国内の製造コストが上昇しても収益を確保するには、弛みない技術革新や生産性向上により高付加価値製品の開発を行うとともに、より質の高いサービスを提供していくことが必要となります。また、事業の拡大・成長を続けるためにはグローバル市場への展開が必須となる中、多様なニーズを的確に捉え、素早く対応できる柔軟性とスピードが求められます。
このような変化の激しい市場環境の下で、平成27年度は当社にとって第三次中期経営計画の最終年度となりますが、当初の計画の達成は困難な見通しとなっております。引き続き難しい舵取りが求められますが、「品質」をキーワードにお客様との信頼関係を深め、経営目標の必達に向けて確実に事業を推進してまいります。
事業別では、国内自動車電池事業においては、製販一体で合理化を推進し、収益を確保できる体制を構築するとともに、一歩先を行く高付加価値製品の提供と勝てる販売活動の実行を推進してまいります。
国内産業電池電源事業においては、既存事業領域の拡大と新エネルギー分野の事業基盤の構築に向け、新市場・新技術・新商品への取り組みを強化してまいります。
海外事業においては、当社が強みを発揮しているアセアン市場での事業拡大と収益拡大、成長余力のある新興国市場や未参入市場での事業育成を進めてまいります。
リチウムイオン電池事業においては、事業の自立化を確実なものとするため、これまで培ってきた技術や経験を生かして、品質及びコストの市場優位性を確立し、事業の健全化に努めてまいります。また、各事業部門との連携をより一層緊密にし、広範囲の市場で積極的にビジネスチャンスの獲得を目指してまいります。
また、研究開発・技術部門においては、エネルギー・デバイス・カンパニーへの脱皮に向けた、次世代の研究・開発と既存技術をブレイクスルーする新技術の開発に取り組んでまいります。
(2)株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値、株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。
株式公開会社である当社の株式については、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付け行為に応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものと考えております。なお、当社は、当社株式について大規模な買付けがなされる場合、これが当社の企業価値、株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながらその一方で、企業買収の中には、その目的などから見て重要な営業用資産を売却処分するなど企業価値を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要する仕組みをとるもの、買収提案の内容や買収者自身について十分な情報を提供しないもの、被買収会社の取締役会が買収提案を検討し代替案を株主に提供するための時間的余裕を与えないもの、被買収会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議、交渉を必要とするものなど、不適切なものも少なくありません。
当社の経営にあたっては、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉並びにお客様、取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、これらに対する十分な理解がなければ、当社の企業価値、株主共同の利益を確保、向上させることはできません。特に、当社の企業価値の源泉は、イ.信頼と実績に基づく技術開発力と市場開発力、ロ.リチウムイオン電池事業を支える高度な技術開発力、ハ.長年の実績並びに上記イ.及びロ.の技術力を背景に、仕入先、販売先等、関係者とのパートナーシップが支えるブランド力と高い競争力、ニ.当社の企業理念を十分に理解し、高度な技術力を維持伝承する従業員の存在であると考えており、かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠であります。当社株式の大規模な買付けを行う者が、かかる当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値、株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値、株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、大規模な買付けに際して当社及び買付け者等が守るべき一定のルールを定めるとともに、当社の企業価値、株主共同の利益に資さない大規模な買付けに対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値、株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②具体的な取り組み
イ.会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、経営統合以来、経営の効率化、事業構造や組織体制の改革に取り組み、基幹事業である自動車電池事業、産業電池電源事業、海外事業の収益基盤の改善を実現いたしました。とりわけ海外事業においては、成長著しいアジア市場を中心に拡大基調を継続し、現在も堅調に事業が拡大しております。
また当社は、リチウムイオン電池事業において先行開発を進め事業を展開しております。自動車用途では有力なパートナーと連携して量産体制を整備し、販売を行っております。産業用途では宇宙、航空、鉄道等の様々な分野で新規開拓に取り組み、着実な拡大につなげております。
現在、低環境負荷、低炭素化に向けた環境対応型社会への転換ニーズが一層高まってきており、当社が長年培ってきた電池電源技術は、環境対応型社会を拓くための最も重要な技術のひとつです。他方、既存事業においても新興地域での経済成長に伴うオートバイ・自動車の普及、社会インフラの整備充実による電池需要の拡大が期待されます。
このように、中長期にわたり世界的な蓄電池需要の拡大が見込まれる中、当社は、既存事業の収益力を強化し、海外事業及びリチウムイオン電池事業の拡大を推し進めるとの成長シナリオを変更することなく、社会、環境に貢献するグローバルな高収益企業グループを形成することが、企業価値の向上、株主共同の利益の最大化につながるものと考えております。当社経営陣は、世界のお客様へ快適さと安心を提供するエネルギー・デバイス・カンパニー「新生GSユアサ」を目指して、事業領域の拡大と継続的成長を実現するため、特に、(イ).リチウムイオン電池事業においては次世代リチウムイオン電池の開発と既存リチウムイオン電池のグローバルマーケットへの展開による事業規模の拡大、(ロ).国内産業電池電源事業における新エネルギー分野においては太陽光発電用パワーコンディショナの製品ラインナップの拡充と産業用リチウムイオン電池のさらなる用途拡大による事業基盤強化、(ハ).海外事業においてはASEAN地域におけるさらなる事業拡大と収益拡大、また成長余力のある新興国市場や未参入市場における事業育成の推進による、グローバル市場でのポジション・アップ、(ニ).国内自動車電池事業においてはアイドリングストップ車用鉛蓄電池などの高付加価値商品投入や新製品市場の開拓による事業規模拡大と収益力強化に、重点的に取り組んでまいります。
ロ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成27年5月8日開催の取締役会において、当社の企業価値、株主共同の利益の確保、向上のための取り組みとして、当社に対する不適切な買収などを未然に防止することを目的として、現行ルールを一部改定した当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下、「本ルール」といいます。)を、株主総会において承認されることを条件に継続的に導入することを決議し、平成27年6月26日開催の定時株主総会において、本ルールを導入することの承認を得ました。
本ルールは、当社株式に対する大規模な買付け等について、買付け等の内容及びそれに対する当社の考え方や代替案(もしあれば)を適時かつ公正に株主の皆様に対し開示し、また買付け条件等を巡る買付け者等との協議・交渉が可能となるよう、必要な手続きを定めるとともに、当社の企業価値、株主共同の利益を毀損するおそれがあると認められる場合に当該買付け等を阻止するために当社が発動する対抗措置の内容を定めるものです。
本ルールにおいては、当社取締役会の恣意的判断を排して手続きの公正性を確保し、当社の企業価値、株主共同の利益に関する実質的な判断を客観的に行う機関として、企業価値評価委員会を設置いたします。同委員会は、企業価値評価委員会規則に基づき、当社経営陣から独立した(イ).当社社外取締役、(ロ).当社社外監査役、または(ハ).社外の有識者(実績ある会社経営者、官庁出身者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者など)のいずれかに該当する者のみから構成されます。なお、同委員会は、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができ、これにより、同委員会による判断の公正性と客観性がより強く担保されることとなります。
企業価値評価委員会は、当社の企業価値、株主共同の利益の確保、向上の観点から、買付け者等及び当社取締役会から取得した情報の比較検討、買付け者等との協議・交渉を行い、当社取締役会に対して対抗措置の発動または不発動の勧告を行います。なお、対抗措置の発動の要件については、当該買付け等がⅰ)本ルールに定められた手続きに従わないものである場合またはⅱ)当社の企業価値、株主共同の利益に明白な侵害をもたらすおそれのある買付け等である場合等のいずれかに該当し、かつ、対抗措置を発動することが相当であることと定めております。
当社取締役会は、企業価値評価委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動または不発動の決議を行います。ただし、企業価値評価委員会が対抗措置の発動に関し予め株主意思の確認を得るべき旨の留保を付した場合または当社取締役会が善管注意義務に照らし株主意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主意思確認総会を開催し、当該株主意思確認総会において対抗措置の発動または不発動についての決定を行うものとします。
本ルールにおける手続きの過程の透明性を確保するため、当社取締役会及び企業価値評価委員会は、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行います。
なお、対抗措置は、当該買付け者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付け者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てるものです。仮に、本ルールに従って対抗措置が発動され本新株予約権の無償割当てがなされた場合において、買付け者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引き換えに、買付け者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合には、当該買付け者等の有する当社株式の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
本ルールの有効期間は平成29年6月開催予定の第13期定時株主総会の終結の時までとされておりますが、その有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本ルールを廃止する旨の決議が行われた場合、または当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本ルールを廃止する旨の決議が行われた場合には、本ルールはその時点で廃止されることになります。当社取締役会は、本ルールが廃止された場合には、速やかにその旨の情報開示を行います。
③具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
イ.上記②イ.に記載した「会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み」について
本取り組みは、当社の企業価値、株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
ロ.上記②ロ.に記載した「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み」について
本ルールは、当社株式等に対する買付け等が開始されるよりも前に、当該買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付け者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿う、必要性の高い取り組みであると考えております。
また、当社取締役会は、以下の理由により、本ルールは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えており、その内容の公正性及び合理性は強く担保されているものと考えております。
(イ).買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること
本ルールは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則((ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性の原則)を完全に充足しております。また、本ルールの策定に当たっては、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論などを踏まえております。
(ロ).透明性と公正性を確保するための仕組みがあること
本ルールにおいては、その透明性と公正性を確保するため、以下の仕組みを設けております。
a.独立した企業価値評価委員会の設置
本ルールにおいては、当社経営陣から独立した者のみから構成される企業価値評価委員会が設置されます。
企業価値評価委員会は、買付け者等からの情報と当社取締役会からの情報及び代替案などの比較検討を行い、さらには対抗措置の発動の是非を検討し当社取締役会に対し勧告を行います。同委員会は検討に際して、当社の費用で第三者専門家の意見を取得することができ、これにより判断の公正性・客観性がより強く担保されることとなります。
また、株主の皆様への情報開示を企業価値評価委員会が主体となって行い、手続きの透明性を確保することもできる仕組みとなっております。
b.株主の皆様の意思の反映
本ルールは、株主の皆様の意思を反映させるため、本定時株主総会において承認可決されることを条件として継続的に導入いたします。
また、対抗措置の発動の是非についても、一定の場合には、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認することができるものとしております。
加えて、本ルールには、有効期間を2年間とするいわゆるサンセット条項が付されており、かつ、その有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本ルールを廃止する旨の決議が行われた場合、または当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本ルールを廃止する旨の決議が行われた場合には、本ルールはその時点で廃止されることになります。その意味で、本ルールの消長には、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。
c.株主の皆様への情報開示
当社取締役会及び企業価値評価委員会は、本ルールにおける手続きの過程について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。
(ハ).合理的な客観的発動要件の設定
本ルールは、予め定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
(ニ).デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本ルールは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買い付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本ルールを廃止することが可能です。
従って、本ルールは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の任期を一年としているため、本ルールはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成27年6月26日)現在において当社が判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループの製品の需要は当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、アジア、北米、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格競争の激化
当社グループは、各事業を展開するそれぞれの市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況になっております。特に自動車電池(補修製品)に関しては、国内の同業他社に加え、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、競争が激化しております。当社グループとしては、あらゆるコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しておりますが、将来的に市場シェアの維持、拡大、収益性保持が容易でない可能性があります。
(3)為替レートの変動
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループは生産及び販売活動を日本、アジア、北米、欧州等で行っております。これらの海外市場での活動には以下に掲げるようなリスクが内在しており、これらの事象は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律または規制の変更
②人材の採用と確保の難しさ
③未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に影響を及ぼす、または当社グループの製品に対する顧客の支持を低下させる可能性
④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(5)原材料の市況変動に関するリスク
当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますが、鉛相場が変動した場合もただちに製品価格に反映することができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自動車電池(補修製品)販売量の季節要因について
当社グループの主要製品である自動車電池(補修製品)の販売量は、季節的な要因、特に天候に左右されます。例えば、冷夏・暖冬といった寒暖差の少ない気候は、電池の性能維持の面では好条件となるため取替え需要が減少し、通常よりも販売量が減少する要因となります。
これら季節的な要因は完全に予測することができず事前に十分な対策を打つことは困難であるため、季節的な要因により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)金利変動について
当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。
(8)訴訟その他の法的手続について
当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起され、または規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
(9) 環境規制について
中国の中央政府より、中国国内の鉛蓄電池メーカー及び鉛精錬メーカーに対する環境規制強化の動きがあり、当社グループ企業においても一部生産活動に影響を与える可能性があります。
当社の連結子会社である㈱GSユアサは、当社グループが第三次中期経営計画に掲げる「海外成長市場を基軸としたグローバル展開」の一環として、鉛蓄電池の需要が順調に伸びるトルコ共和国国内での販売拡大を図るとともに、欧州、アジア、中東、北アフリカなどの地域へのさらなる輸出拡大を実現するため、自動車用、フォークリフト用及び据置鉛蓄電池の製造・販売を行っているトルコ共和国にあるInci Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiの発行済株式の50%を取得することを決定し、平成27年6月10日に既存株主であるInci Holding Anonim Sirketi他との間で株式譲渡契約を締結しました。
当社グループは、国内自動車電池、国内産業電池及び電源装置、海外、リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。
国内自動車電池の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門が実施しております。国内産業電池及び電源装置の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門及び産業電池技術部、電源システム生産本部開発部、特機本部技術開発部、ライティング本部光源開発グループ、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。海外の研究開発は、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、リチウムイオン電池事業部開発本部、㈱リチウムエナジー ジャパンの技術部、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他の研究開発は、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部が実施しております。
当連結会計年度における研究開発費は67億25百万円であります。
当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)国内自動車電池
国内自動車電池事業では、自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。
自動車用鉛蓄電池の分野では、環境対応としてアイドリングストップ車の普及が進んでおり、アイドリングストップ車用電池では、回生充電エネルギーを回収して燃費をより向上するため、高い充電受入性能が求められております。当社グループのアイドリングストップ車用電池は、従来の独自技術による優れたエンジン始動性能と長寿命性能に加えて、リチウムを配合した新しい電解液を採用することによって、充電受入性能を当社グループの従来品との比較において約300%向上させました。
これらの技術を補修市場向けの電池にも順次適用し、アイドリングストップ車と従来車の両方に対応できる、国内初となる互換性を持った、「ECO. R LONG LIFE」(エコ.アール ロングライフ)シリーズに、新たに「K-42/50B19」、「T-110/120D31」電池を開発し、2つの新製品を追加することによって、国内の全ての自家用乗用車において、アイドリングストップ車と従来車の両方に対応できるフルラインナップ化を完了させました。
二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車などの低燃費車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池を新車採用頂いております。
今後もさらに改良に取り組み、次世代の環境対応車両に適応した新製品を開発し、市場に展開していく予定であります。
この分野に係る研究開発費は、6億85百万円であります。
(2)国内産業電池及び電源装置
国内産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、航空機用リチウムイオン電池、特機、施設照明、紫外線応用機器、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。
産業用鉛蓄電池の分野では、再生可能エネルギーの普及やスマートグリッドの構築のため、今後市場の拡大が期待される大容量蓄電システム向けサイクル用据置鉛蓄電池として、従来の長寿命タイプの「SLE形」電池に対して、サイクル寿命性能を2.5倍に向上した世界最高水準の超長寿命タイプの「SLR形」電池を新たに開発しました。また、バッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池において、電池性能を大幅に向上させる添加剤を新たに開発し、その添加剤を用いた製品の量産化に向けた準備を進めております。
電源装置の分野では、高効率と高信頼性を両立したパラレルプロセッシング方式を採用したUPS「BIDSTAR(ビッドスター)」シリーズ(三相入力、7.5~50kVA出力)を開発しました。また、移動体通信におけるブロードバンドの高速化とトラフィックの急増により、需要が増加している通信基地局向けに、小型・高効率化を達成した電源装置を開発しました。
太陽光発電用パワーコンディショナの分野では、近い将来の太陽光発電設備に求められる機能を凝縮した蓄電池一体型のパワーコンディショナシステム「パワーソーラーⅢ」(定格出力容量4.5kW)を開発しました。「パワーソーラーⅢ」は、通常の太陽光発電システムとリチウムイオン電池を組み合わせることによって、3つの運転モード(夜間電力利用運転、太陽電池電力充電運転、停電対応運転)を設定することができ、夜間電力や太陽光発電を有効活用することが可能であるとともに、災害などによる停電時は、太陽光発電と蓄電池に蓄えたエネルギーを使用して電気を利用することができる防災システムとしての機能も備えております。今後も電力の変動吸収やピークカット、ピークシフトなど、様々なニーズに柔軟に対応していくため、開発に取り組んでいく予定であります。
産業用リチウムイオン電池の分野では、瞬時に大電流充放電が可能な高出力タイプの「LIM25H-8」モジュールを開発しました。本モジュールは、エネルギー密度や内部抵抗の改良によって、高い入出力特性が求められる幅広い用途での使用が可能になりました。港湾向けガントリークレーンや無人搬送車などに採用頂いており、省エネ化や排ガス削減に寄与することによって、環境負荷低減に貢献しております。
航空機用リチウムイオン電池の分野では、諸機関における調査が完了し、ボーイング787型機に航空機用リチウムイオン電池を引き続き採用頂いております。
特機の分野では、各種の電池を応用した機器や小型電源装置、充電器の研究開発を行っております。今回新たに、従来の自動車用、アイドリングストップ車用、ハイブリッド車補機用、二輪車用など、各用途に適応した鉛蓄電池それぞれの特性に応じた最適な条件で補充電を行える高性能小型充電器「Circuito(シルクィート)」を開発しました。また、電池分野以外についても将来の市場拡大を目指して酸素センサーや水素発生装置の開発に取り組んでおります。なお、新製品はもとより全ての製品においてRoHS規制(有害物質規制)などの環境規制対応や安全規格認証取得を行っております。
施設照明の分野では屋外、工場などを中心にLED照明器具のラインナップ拡充に取り組んでおります。
紫外線応用機器の分野では、有機EL等の次世代ディスプレイに対応できるエキシマランプの開発を進めております。
環境関連機器の分野では、銅めっき装置に使用することで、めっき品位の向上とめっき液の光沢剤の消費を抑制できる、電解隔膜の応用製品の改良を行なっております。また、RO膜(逆浸透膜)を用いて工場排水を再利用するクローズドシステムの実証試験を行っております。さらに、MBR(膜分離活性汚泥法)向けにファウリング(目詰まり)の少ない膜の開発を進めております。
この分野に係る研究開発費は、22億58百万円であります。
(3)海外
海外事業では、自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池、産業用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。
自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車向け鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めております。
二輪車用鉛蓄電池の分野では、東南アジア地域での輸出向け中型二輪車の生産拡大に伴い、中型二輪車用の中容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、同地域のそれぞれの生産拠点において順次生産を開始しました。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用の小容量クラスの制御弁式鉛蓄電池を開発し、インド国内の生産拠点において生産を開始しました。
産業用鉛蓄電池の分野では、英国の電力大手であるScottish and Southern Energy Power Distribution Ltd.に、サイクル用据置鉛蓄電池を納入し、シェトランド諸島にて、大容量蓄電システムの実証試験を開始しました。また、バッテリー式フォークリフトのアジアを中心とした世界的需要の拡大に対して、中国及びタイにおいてバッテリー式フォークリフト用鉛蓄電池の生産体制増強を進めるとともに、各地域で要求されるニーズに応えるべく開発を進めております。
この分野に係る研究開発費は、6億43百万円であります。
(4)リチウムイオン電池
リチウムイオン電池事業では、リチウムイオン電池基礎研究、車載用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。
リチウムイオン電池基礎研究の分野では、中大型電池の信頼性、安全性及びエネルギー密度の向上を目的として様々な研究を実施しております。また、リチウムイオン電池のさらなる性能向上を図るため、次世代正極、次世代負極材料の探索並びにその性能評価を進めております。さらにポストリチウムイオン電池の研究を実施しております。
車載用リチウムイオン電池の分野では、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)用リチウムイオン電池を増産するとともに、品種展開と増産対応に向けてさらなる改良と信頼性、安全性の向上を行っております。
㈱リチウムエナジー ジャパンでは、平成27年3月末までの累計で、EV用電池約3万7千台分、PHEV用電池約7万6千台分を販売しました。平成24年4月から栗東第一工場を稼働しており、栗東第二工場も平成25年10月より生産を開始しました。生産能力はEV用電池が年間約1万台分、PHEV用電池が年間約5万台分となり、三菱自動車工業㈱のEV、PHEV向けを中心に生産していく計画であります。
㈱ブルーエナジーでは、引き続き世界最高水準の出力性能と耐久性能を両立する電池の開発及び生産能力拡大に取り組んでおり、㈱本田技術研究所と連携して様々な車両への搭載検討も順調に進んでおります。
この分野に係る研究開発費は、30億6百万円であります。
(5)その他
その他事業では、宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。
宇宙用リチウムイオン電池の分野では、H-ⅡA 8号機(平成18年1月24日打ち上げ)から、これまで連続25回(H-ⅡB 4機分を含む)の打ち上げ成功に、ロケット用リチウムイオン電池が貢献しております。今年度は、H-ⅡA 24~28号機に搭載されました。また、H-ⅡA 25号機にて軌道へ投入された、静止気象衛星「ひまわり8号」に、人工衛星用リチウムイオン電池が搭載されました。
この分野に係る研究開発費は、1億31百万円であります。
文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(平成27年6月26日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
①売上高
売上高は、3,697億60百万円と前連結会計年度に比べ217億64百万円の増加(6.3%)となりました。これは、連結範囲の拡大によるアジア地域での事業基盤強化を図ったことや円安による影響、これに加えて車載用リチウムイオン電池の販売が増加したことなどによるものであります。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の増加に伴い、2,894億33百万円と前連結会計年度に比べ168億66百万円の増加(6.2%)となりました。
販売費及び一般管理費は、海外子会社を中心に経費が増加したために、594億13百万円と前連結会計年度と比べ21億82百万円の増加(3.8%)となりました。
③営業外収益、営業外費用
営業外収益は、38億23百万円と前連結会計年度に比べ4億81百万円の減少(△11.2%)となり、営業外費用は、23億79百万円と前連結会計年度に比べ2億10百万円の増加(9.7%)となりました。
これは、前年度計上していた為替差益7億91百万円に対し、当期は為替差損を3億2百万円計上したため、為替差損益が前連結会計年度と比べ10億93百万円悪化したことによるものであります。
④特別利益、特別損失
特別利益は、9億47百万円と前連結会計年度と比べ23億61百万円の減少(△71.4%)となりました。これは、前年度計上していた退職給付信託設定益などが当期は発生しなかったことによるものであります。
特別損失は、57億1百万円と前連結会計年度と比べ20億80百万円の減少(△26.7%)となりました。これは、当期に連結子会社において減損損失を計上しましたが、前年度計上していたリコール関連損失が当期は発生しなかったことによるものであります。
(3)当連結会計年度の資産、負債、純資産の状況に関する分析
総資産は、現金及び預金の増加や保有株式の時価評価及び持分法による投資利益により、3,595億22百万円と前連結会計年度末に比べて190億60百万円増加しました。
負債は、仕入債務及び設備投資代金の支払いにより、1,773億35百万円と前連結会計年度末に比べて84億25百万円減少しました。
純資産は、配当金の支払がありましたが、当期純利益及び為替換算調整勘定の増加等により、1,821億87百万円と前連結会計年度末に比べて274億85百万円増加しました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しく、とりわけ各事業分野での激しい価格競争が続いております。また、当社グループの主要製品である自動車用鉛蓄電池の販売数量は、季節の変化、特に(冷夏、暖冬など)気候の変化による影響を大きく受けます。一方、コストの面では、当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますので、この鉛価格の変動は製造コストに影響を与えます。
(5)経営戦略の現状と見通し
今後のわが国経済は、円安基調の定着により企業収益が改善し、賃金の増加や雇用の拡大を通じた景気の回復基調が見込まれます。一方、海外の主要地域の経済動向においては、中国において安定成長への移行から景気は引き続き減速傾向で推移することが見込まれ、欧州においても緊縮財政や失業率の高止まりから、当面低成長が続くことが予想されます。これに対し、米国経済は輸出が伸び悩むなど厳しい状況が続くものの、賃金の伸びなどを背景に個人消費が堅調に推移するなど回復基調が見込まれます。
このような経済状況において、当社グループとしては、これまで培った事業基盤をもとに、さらなる成長を目指してまいります。既存事業の国内自動車電池、国内産業電池電源、海外の各事業においては、その事業領域の拡大と収益力の強化を図るとともに、リチウムイオン電池事業の事業基盤の安定化に取り組んでまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。
なお、当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
|
|
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
43.2 |
41.0 |
44.9 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
54.2 |
66.3 |
62.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
4.0 |
4.2 |
4.3 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
12.65 |
16.54 |
17.36 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。ただし、平成26年3月期より、無利子の転換社債型新株予約権付社債も含めて計算しております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、企業理念及び経営ビジョンを次のとおり定めております。
[企業理念]
『革新と成長』-GS YUASAは、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献します。
[経営ビジョン]
GS YUASAは、電池で培った先進のエネルギー技術で世界のお客様へ快適さと安心をお届けします。
第三次中期経営計画では、当社グループが長年培ってきた電池・電源技術によって、低環境負荷社会、低炭素化社
会、防災・減災社会の実現に貢献するため、企業理念に掲げる「革新と成長」の具現化を志し、総力を挙げて次の経
営方針を重点的に取り組んでまいります。
[経営方針]
世界のお客様へ快適・安心を提供するエネルギー・デバイス・カンパニーを目指して、事業領域の拡大と継続的
成長を図り“新生GSユアサ”へ飛躍します。
①新規事業(リチウムイオン電池・新エネルギー分野)の事業基盤強化
②グローバル市場でのポジション・アップ
③既存事業の更なる収益力の強化