(1) 業績
当連結会計年度の経営環境は、日本経済が個人消費を中心に弱い回復に留まり、中国や一部の新興国においても景気の減速がみられた一方で、米国の堅調な景気拡大に加え、欧州経済も持ち直してきたことから、総じて緩やかな景気拡大が続いた。また、為替については、対ドルでは円安基調、対ユーロでは円高基調で推移した。
かかる中、三菱電機グループは、これまでの事業競争力強化・経営体質強化に加え、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて取り組んできた。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は、全てのセグメントにおいて増収となり、前連結会計年度比2,686億円増の4兆3,230億円となった。
連結営業利益は、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門、電子デバイス部門及び家庭電器部門の増益などにより、前連結会計年度比824億円増の3,176億円となった。また、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比739億円増の3,229億円、当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比812億円増の2,346億円となった。
なお、当社単独の受注高は2兆5,990億円(前年度比103%)、売上高は2兆6,756億円(前年度比108%)となった。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりである。
①重電システム
社会インフラ事業は、国内の電力事業・公共事業の減少などにより、受注は前連結会計年度を下回ったが、海外の交通事業の増加などにより、売上は前連結会計年度並みとなった。
ビル事業は、中国・ASEAN等の海外の昇降機新設事業の増加に加え、円安の影響もあり、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比4%増の1兆2,289億円、営業利益は、売上案件の変動などにより、前連結会計年度比38億円減の724億円となった。
なお、当社単独の受注高は7,376億円(前年度比96%)、売上高は7,402億円(前年度比102%)となった。
②産業メカトロニクス
FAシステム事業は、スマートフォン関連及び自動車関連の設備投資や、国内製造業等での設備更新の増加に加え、円安の影響もあり、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。
自動車機器事業は、北米・中国等の新車販売市場が好調なことに加え、円安の影響もあり、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比17%増の1兆2,827億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比479億円増の1,459億円となった。
なお、当社単独の受注高は1兆253億円(前年度比113%)、売上高は1兆335億円(前年度比115%)となった。
③情報通信システム
通信事業は、通信インフラ機器の需要減少などにより、受注・売上とも前連結会計年度を下回った。
情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション事業等の減少により、売上は前連結会計年度を下回った。
電子システム事業は、防衛システム事業及び宇宙システム事業の大口案件の減少により、受注は前連結会計年度を下回ったが、防衛システム事業の既受注案件の進捗により、売上は前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比2%増の5,595億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比134億円増の189億円となった。
なお、当社単独の受注高は2,513億円(前年度比83%)、売上高は3,240億円(前年度比103%)となった。
④電子デバイス
電子デバイス事業は、ハイブリッド車・電気自動車市場の拡大に伴う自動車用パワー半導体の需要増加や、中国を中心とした電鉄用・民生用・産業用パワー半導体、通信用光デバイス等の需要増加などに加え、円安の影響もあり、受注・売上とも前連結会計年度を上回った。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比22%増の2,384億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比201億円増の301億円となった。
なお、当社単独の受注高は1,992億円(前年度比139%)、売上高は1,923億円(前年度比140%)となった。
⑤家庭電器
家庭電器事業は、前年の消費税率引上げ前の駆け込み需要の影響があったが、アジア・北米・欧州向け空調機器、国内向け業務用空調機器の増加に加え、円安の影響もあり、売上高は前連結会計年度並みの9,448億円、営業利益は、円安の影響などにより、前連結会計年度比14億円増の542億円となった。
なお、当社単独の受注高は3,854億円(前年度比96%)、売上高は3,854億円(前年度比96%)となった。
⑥その他
資材調達の関係会社を中心に、売上高は前連結会計年度比10%増の7,405億円、営業利益は、売上増加などにより、前連結会計年度比39億円増の237億円となった。
所在地別セグメントの業績は、次のとおりである。
①日本
FAシステム事業、自動車機器事業及び半導体事業の増等により、売上高は前連結会計年度比6%増の3兆5,789億円、営業利益は、前連結会計年度比488億円増の2,261億円となった。
②北米
FAシステム事業及び自動車機器事業の増等により、売上高は前連結会計年度比19%増の3,880億円、営業利益は、前連結会計年度比34億円増の51億円となった。
③アジア
FAシステム事業、自動車機器事業及び空調機器の増等により、売上高は前連結会計年度比18%増の1兆477億円、営業利益は、前連結会計年度比233億円増の824億円となった。
④欧州
FAシステム事業、自動車機器事業及び空調機器の増等により、売上高は前連結会計年度比9%増の3,839億円、営業利益は、前連結会計年度比70億円増の118億円となった。
⑤その他
その他所在地には豪州子会社等が含まれており、売上高は494億円、営業利益は4億円となった。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動により増加した純キャッシュが3,783億円となった一方、投資活動に投入した純キャッシュが1,981億円となったため、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度より1,301億円減少の1,801億円の収入となった。これに対し、財務活動により減少した純キャッシュは496億円となったことから、現金及び預金等期末残高は、前連結会計年度比1,504億円増加の5,685億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分控除前当期純利益2,480億円の計上があるものの、棚卸資産の増加や受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度比621億円減少の3,783億円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得の増加や有価証券の売却収入等の減少等により、前連結会計年度比679億円増加の1,981億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いの増加等はあるものの、社債及び借入金による資金調達の増加等により、前連結会計年度比1,593億円増加の496億円の支出となった。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
853,875 |
105 |
|
産業メカトロニクス |
1,207,349 |
117 |
|
情報通信システム |
407,565 |
103 |
|
電子デバイス |
240,927 |
149 |
|
家庭電器 |
725,401 |
100 |
|
その他 |
1,933 |
111 |
|
計 |
3,437,050 |
110 |
(注) 上記金額は、仕込製品については仕切予定価格、注文製品については受注価格で示している。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載している。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
事業の種類別セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
重電システム |
1,228,958 |
104 |
|
産業メカトロニクス |
1,282,749 |
117 |
|
情報通信システム |
559,521 |
102 |
|
電子デバイス |
238,402 |
122 |
|
家庭電器 |
944,830 |
100 |
|
その他 |
740,517 |
110 |
|
消去 |
△671,936 |
- |
|
計 |
4,323,041 |
107 |
(注) 各種類別セグメントの金額には、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示している。
中国における一段の景気減速や、一部新興国の景気停滞長期化に加え、日本においても個人消費や設備投資等の回復遅れが懸念されるものの、米国や欧州を中心に、総じて緩やかな景気拡大基調の継続が見込まれる。
かかる中、三菱電機グループは、「バランス経営」の3つの視点(「成長性」「収益性・効率性」「健全性」)に基づく持続的成長を追求する上で、「強い事業をより強く」「新たな強い事業の創出」「強い事業を核としたソリューション事業の強化」にそれぞれ取り組み、遅くとも2020年度までに「連結売上高5兆円以上」「営業利益率8%以上」を達成すべく、もう一段高いレベルの成長を目指す。これまでと同様に、継続的に達成すべき経営指標である「ROE10%以上」「借入金比率15%以下」についても取り組んでいく。
グローバルでの更なる事業拡大に向けては、グローバル及びグループトータルでの最適な事業推進体制の構築・強化等を通じて、グローバル環境先進企業として「環境・エネルギー」「社会インフラシステム」関連事業の更なる展開に取り組み、欧米や中国における事業力を強化するとともに、インド・東南アジア・中南米等の成長市場における需要獲得に注力していく。
また、「質のよい」成長を実現する経営基盤強化策として、成長牽引事業への資源投入の強化や、事業の継続的な新陳代謝を通じた経営資源の最適な配分、「ものづくり力」の強化に資する開発・生産力の強化、開発設計段階からの品質作り込み、Just In Time改善活動をはじめとする生産性向上策、人材構造適正化及び最適配置、更なる財務体質の改善等に引き続き取り組むとともに、中長期視点で、総合的な事業効率性を向上させていく。
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)については、「企業理念*1」及び「7つの行動指針*2」に基づき、三菱電機グループ一丸となった活動を推進していく。特に、企業経営の基本を成すものと位置づけてきた「倫理・遵法」については、コンプライアンス方針の徹底、内部統制の強化、教育を核とした更なるコンプライアンス活動の強化に引き続き取り組んでいく。併せて、「コーポレートガバナンス」については、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応を図るなど、継続的な向上策に取り組み、「環境」についても、低炭素社会や循環型社会の形成等に向けた取り組みを推進することにより、社会・顧客・株主等とのより高い信頼関係の確立に一層努めていく。
三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指していく。
*1 「企業理念」:三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の実現に貢献する。
*2 「7つの行動指針」:
・「信頼」:社会・顧客・株主・社員・取引先等との高い信頼関係を確立する。
・「品質」:最良の製品・サービス、最高の品質の提供を目指す。
・「技術」:研究開発・技術革新を推進し、新しいマーケットを開拓する。
・「貢献」:グローバル企業として、地域、社会の発展に貢献する。
・「遵法」:全ての企業行動において規範を遵守する。
・「環境」:自然を尊び、環境の保全と向上に努める。
・「発展」:適正な利益を確保し、企業発展の基盤を構築する。
三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内及び北米、欧州、アジア等の海外において展開されている。そのため、様々な要素が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
具体的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりだが、新たな要因が発生する可能性もある。
(1) 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向
世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 為替相場
為替相場の変動は、主に当社における米ドル建てもしくはユーロ建て輸出売上や輸入部材購入、アジア地域の製造拠点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入について影響を及ぼす可能性がある。
(3) 株式相場
株式相場の下落は、当社が保有する市場性のある株式の評価減による損失の計上、年金資産公正価値の減少に伴う退職給付費用の増加をもたらす可能性がある。
(4) 製品需給状況及び部材調達環境
製品需給状況の変動による価格の下落や出荷数量の減少及び部材調達環境の悪化による原価の上昇は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 資金調達環境
特に円の金利上昇は、当社の支払利息の増加をもたらす。
(6) 重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等
重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等が起こった場合は、当該案件の関係する事業へ影響を及ぼす可能性がある。
(7) 環境に関連する規制や問題の発生
環境に関連する規制の動向や問題の発生は、損失の計上や規制に対応するための費用等の増加を伴う可能性がある。また、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 製品やサービスの欠陥や瑕疵等
製品やサービスの欠陥や瑕疵等により、損失計上を伴う場合がある。また、当社グループの製品やサービスの品質に対する評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 訴訟その他の法的手続き
当社グループに対する訴訟その他の法的手続きは、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
(10) 急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期
急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(11) 事業構造改革
事業構造改革の実行内容によっては、損失計上を伴う場合がある。
(12) 情報セキュリティー
当社グループの保有する個人情報や当社グループの技術・営業等の事業に関する機密情報等が、コンピューターウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、滅失もしくは社外に漏洩した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
(13) 地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生
地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生は、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性がある。
(14) テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生
テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性がある。
なお、上記における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年6月26日)現在において当社が判断したものである。
(1) 技術供与契約
|
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約締結日 |
期限 |
|
三菱電機コンシューマー・ プロダクツ(タイ)社 |
ルームエアコン・パッケージエアコン 製造技術使用許諾 |
平成 2. 6. 1 |
自動延長 |
|
上海三菱電機 上菱空調機電器有限公司 |
ルームエアコン・パッケージエアコン・換気扇製造技術使用許諾 |
平成22. 6.25 |
平成29. 6.25 |
|
三菱電機(広州)圧縮機有限公司 |
空調用圧縮機の製造技術使用許諾 |
平成23.12.28 |
自動延長 |
|
三菱電機 エア・コンディショニング・ システムズ・ヨーロッパ社 |
空調機の製造技術使用許諾 |
平成17.10. 1 |
自動延長 |
|
三菱エレベーター・アジア社 |
昇降機の製造技術使用許諾 |
平成 4. 6.15 |
自動延長 |
(注) 1 上記契約は、すべて当社を契約会社としている。
2 上記契約に基づく報償料は、売上に応じた金額を受領する。一部の契約については、所定金額を受領する。
三菱電機グループ(当社及び連結子会社)は、国内研究所、海外研究所(米・欧)及び製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研究、製品化開発、更には生産技術開発に至る積極的な研究開発活動を推進している。また、国内外の大学・研究機関などと連携し、広範かつ先進的な研究開発活動をグローバルに展開している。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,953億円(製造費用へ計上した改良費等を含む)であり、事業セグメントごとの研究開発活動の目的・内容・成果及び開発費は以下のとおりである。
(1) 重電システム
発電機・電動機などの回転機、開閉機器・変圧器などの送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システム、ビル管理システム、映像情報システムなどIT応用システムの開発を行っている。主な成果は、3画面対応トレインビジョンシステム、高信頼性光イーサネットスイッチ「MELNET-ES1200」、鉄道車両向け寒冷地対応ヒートポンプ暖房技術、自励式無効電力補償装置「SVC-Diamond」、スマートメーター向け通信ユニットとHEMS機器間の3つの通信規格認証取得、高効率タービン発電機「VP-Xシリーズ」検証試験完了、インド中低層建物向けエレベーター「NEXIEZ-LITE」、エレベーター行先予報システム「ELE-NAVI(エレ・ナビ)」、入退室管理システム「MELSAFETY-Pχ」などである。当該分野における研究開発費は314億円である。
(2) 産業メカトロニクス
FA制御システム機器、サーボモーターなどの駆動機器、配電制御機器、メカトロ機器、産業用ロボット、電動パワーステアリングなどの自動車用電装品、カーマルチメディア機器などの競争力強化に向けた開発を行っている。主な成果は、シーケンサ「MELSEC iQ-Rシリーズ」、マイクロシーケンサ「MELSEC iQ-Fシリーズ FX5」、汎用インバーター「FREQROL-F800シリーズ」、数値制御装置「M800Sシリーズ・M80シリーズ」、ワイヤ放電加工機「MPシリーズ」、オーディオナビシステム「DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ90シリーズ」、車載用DIATONEスピーカー「DS-G500」、3モーターシステム用パワーユニット、第8世代エアバッグコントロールユニット、新世代ブラシレスオルタネータなどである。当該分野における研究開発費は705億円である。
(3) 情報通信システム
情報通信インフラやネットワークソリューション機器及び宇宙関連システムなどの開発を行っている。主な成果は、通信ゲートウェイ「smartstar」、「メルックμⅡ」レコーダ機能拡張、10G-EPONシステムのPONプロテクション機能、スマートグリッド向けGE-PON、100Gメディアコンバータ、3板式HD複合一体型カメラ「HM-3000」、スマート制御クラウドサービス「DIAPLANET」、ウェブサイトソリューション「DIASITE」、タブレットの手軽さとPCの機能を併せ持った「MINDタブレットノート」などである。当該分野における研究開発費は163億円である。
(4) 電子デバイス
様々な事業分野を支える半導体デバイスなどの開発を行っている。主な成果は、超小型フルSiC DIPPFCなどのSiCパワー半導体モジュール、3レベルインバーター対応パワー半導体モジュール、自動車用パワー半導体モジュール「J1 シリーズ」、3.5GHz帯 第4世代移動通信システム基地局用GaN HEMT、100Gbps DWDM通信用DFBレーザーアレー型波長可変レーザー、産業用カラーTFT液晶モジュール「DIAFINE®*」堅牢性7.0型WVGAなどである。当該分野における研究開発費は109億円である。
(5) 家庭電器
空調機器、調理家電、家事家電、照明機器、デジタル映像機器、電材住設機器、太陽光発電システムなどの開発を行っている。主な成果は、窓上の狭いスペースに設置できるルームエアコン「霧ヶ峰」Lシリーズ、氷点下ストッカー搭載の冷蔵庫「置けるスマート大容量」JXシリーズ、コードレススティッククリーナー「iNSTICK」、4K高精細レーザーバックライト搭載液晶テレビ「REAL 4K」LS1シリーズ、スマートハウス関連事業のトータルブランド「ENEDIA」などである。当該分野における研究開発費は373億円である。
(6) その他・共通
グローバルな事業競争力強化、新事業創出を目指す技術開発、全社的な共通基盤技術開発及び基礎的研究に取り組んでいる。主な成果は、粒子線治療装置(陽子タイプ)向け多機能照射技術、レーダーによる津波監視支援技術、気液界面放電による水処理技術、IoT 時代に向けたセキュリティー技術、工作機械向け工具位置の制御技術、仮設用途対応監視カメラ向け無線ネットワーク技術、多層階生産棟における生産システム確立などである。当該分野における研究開発費は286億円である。
* DIAFINEは三菱伸銅㈱の登録商標であるが、平成20年1月17日から10年間の使用許諾を得ている。
三菱電機グループが当連結会計年度中にとった主な施策及び翌連結会計年度以降に向けての施策については、「1 業績等の概要 (1) 業績」及び「3 対処すべき課題」に記載のとおりであるが、これらの施策の実施状況を踏まえた当連結会計年度に関する財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりである。
なお、当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に基づいて作成している。当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っており、それらの仮定と見積りは資産、負債、収益、費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示金額に影響を及ぼし、実際の結果がそれらの見積りと異なることもあり得る。主要な会計方針の要約は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (平成25年度及び平成26年度連結財務諸表に対する注記)」に記載している。
事業の種類別セグメントの業績と所在地別セグメントの業績については「1 業績等の概要 (1) 業績」に、キャッシュ・フローについては「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載している。
(1) 資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比4,464億円増加の4兆594億円となった。現金及び預金等が1,504億円、棚卸資産が1,030億円、株価上昇等を背景に投資有価証券及びその他が873億円、受取手形及び売掛金と長期営業債権の合計が658億円、有形固定資産が570億円増加した。
負債の部は、借入金及び社債残高が前連結会計年度末比85億円増加の3,819億円となり、借入金比率は9.4%(前連結会計年度末比△0.9ポイント)となった。また、退職給付引当金が株価上昇等に伴う年金資産の増加等により303億円減少した一方、支払手形及び買掛金が483億円増加、その他の流動負債が346億円増加したこと等により、負債残高は前連結会計年度末比1,166億円増加の2兆1,292億円となった。
資本の部は、配当金の支払い429億円による減少等があったものの、当社株主に帰属する当期純利益2,346億円の計上、為替円安・株価上昇等を背景としたその他の包括利益累計額の増加1,221億円等により、株主資本は、前連結会計年度末比3,178億円増加の1兆8,422億円となり、株主資本比率は45.4%(前連結会計年度末比+3.2ポイント)となった。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、4兆3,230億円と前連結会計年度比2,686億円の増収となった。これは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器及びその他のすべてのセグメントにおいて増収となったことによるものである。
② 売上原価及び費用並びに営業利益
売上原価は、前連結会計年度比1,175億円増加の3兆321億円となり、売上高に対する比率は1.8ポイント改善の70.1%となった。販売費及び一般管理費・研究開発費は、前連結会計年度比693億円増加の9,701億円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度比0.3ポイント悪化の22.5%となった。固定資産減損損失は、前連結会計年度比7億円減少の30億円となった。
この結果、営業利益は産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器及びその他のセグメントにおいて増益となり、前連結会計年度比824億円増加の3,176億円となった。
③ 営業外収益及び営業外費用
受取利息及び受取配当金と支払利息を合わせた金融費用は、前連結会計年度並みの33億円の収入超過となった。
持分法による投資利益は、前連結会計年度比45億円増加の277億円の利益となった。
その他の収益は、前連結会計年度比187億円増加の433億円となった。その他の費用は、前連結会計年度比318億円増加の690億円となった。
④ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比739億円増加の3,229億円(売上高に対する比率7.5%)となった。これは、前述のとおり営業利益が824億円増加したこと等によるものである。
⑤ 当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益の増加等により、前連結会計年度比812億円増加の2,346億円(売上高に対する比率5.4%)となった。
(注) 「第2 事業の状況」の各記載金額には消費税等を含んでいない。