当連結会計年度における事業環境は、米国において景気は緩やかに回復しており、政府債務問題により動きの弱かったヨーロッパにおいても持ち直しの動きが見られました。アジアでは、一部に見られた景気の減速が下げ止まりを見せ、全体的に緩やかな拡大傾向が続きました。国内では、公共部門の投資が堅調に推移するとともに、民間部門においても設備投資に加えて個人消費や住宅建設に持ち直しが見られ、景気は着実かつ緩やかに回復してきました。
このような経済情勢のもと、当社グループは平成25年度を目標年度とする3ヵ年の中期経営計画「E-Plan2013」の最終年度として、①重点地域での“域産域消”を推進すると同時にグローバルな視点に基づく最適地生産及び製品供給体制を確立する、②中核事業の領域拡大により新市場への進出を図る、③科学的アプローチにより“ものづくり”プロセスの最適化を図る、④事業領域のグローバル化に即して本社機能を拡充する、という4つの基本方針のもと、より確実で安定した事業構造の確立に取り組んできました。
この結果、当連結会計年度の受注高及び売上高は、全ての事業で前年度を上回りました。営業利益は、エンジニアリング事業では微減となったものの、風水力事業と精密・電子事業では前年度を上回り、全体としては増益となりました。
当連結会計年度の売上高は4,486億57百万円(前年度比5.2%増)、営業利益は321億94百万円(前年度比28.3%増)、経常利益は313億11百万円(前年度比22.0%増)、当期純利益は189億73百万円(前年度比24.0%増)となりました。
ポンプ事業は、海外において、石油・ガス市場における石油精製プラント案件、化学市場におけるシェールガス生産拡大等に伴う肥料プラント案件、電力市場における発電プラント案件の引合いが増加しており、受注が好調でした。国内においても、民間部門では建設投資が緩やかな回復基調にあり、公共部門では社会インフラの更新・補修に対する投資の伸びを受け、受注は好調に推移しました。
コンプレッサ・タービン事業では、エネルギー需要の増加やシェールガス生産拡大を背景に、中東、中国・インド等のアジア地域や北米での石油・ガス市場の案件が増加しており、受注は好調に推移しました。
冷熱機械事業では、中国における需要の伸びは減速傾向にあるもののヒートポンプの引合いが増加しており、受注は全体として好調に推移しました。
当連結会計年度における同事業の売上高は3,221億75百万円(前年度比5.4%増)、セグメント利益は221億74百万円(前年度比39.1%増)となりました。
エンジニアリング事業では、新規建設工事(EPC)や施設建設から運転管理・事業運営までを含めた事業型案件(DBO)に関しては、発注量は前年度よりもやや縮小しました。廃棄物処理施設の維持管理(O&M)においては、既存施設に対する大規模な補修、温暖化ガス排出抑制のための基幹的設備改良工事や長期包括運営契約等を含めて、発注量はほぼ例年通りに推移しました。このような状況の中、3件の事業型案件の受注計上に加え、基幹的設備改良工事の受注は好調に推移しました。
当連結会計年度における同事業の売上高は529億83百万円(前年度比0.9%増)、セグメント利益は47億67百万円(前年度比7.9%減)となりました。
精密・電子事業では、半導体市場において、スマートフォンやタブレット型等のモバイル端末に対する需要が引き続き好調であり、年度を通して市場全体を牽引してきました。一方で、パソコンやサーバに対する需要は低迷した状態が続きました。また、フラットパネルディスプレイや太陽電池、LED等の市場も低調な状態が続きました。
このような状況の中、モバイル端末に対する好調な需要を受けたメモリメーカやファウンダリ等における半導体設備投資回復の動きに伴い、受注は回復しました。
当連結会計年度における同事業の売上高は718億10百万円(前年度比8.0%増)、セグメント利益は46億50百万円(前年度比40.7%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を310億19百万円計上したものの、売上債権の増加等により、266億15百万円の収入超過(前年度比73億98百万円の収入減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出164億円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入272億65百万円等により、35億40百万円の収入超過(前年度比366億70百万円の収入増加)となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、301億55百万円の収入超過(前年度比292億71百万円の収入増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入100億円、社債の償還による支出200億円、短期借入金及び長期借入金を純額で114億80百万円返済したこと等により、253億36百万円の支出超過(前年度比286億2百万円の収入減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年度末から85億48百万円増加し、1,023億41百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
報告セグメント |
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風水力事業 | 322,657 | 6.8 |
エンジニアリング事業 | 11,643 | 5.7 |
精密・電子事業 | 49,365 | 10.4 |
報告セグメント計 | 383,666 | 7.2 |
その他 | - | - |
合計 | 383,666 | 7.2 |
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
報告セグメント |
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風水力事業 | 341,002 | 14.4 | 182,734 | 18.8 |
エンジニアリング事業 | 98,690 | 48.1 | 151,429 | 45.4 |
精密・電子事業 | 70,893 | 14.0 | 8,090 | △2.4 |
報告セグメント計 | 510,587 | 19.6 | 342,253 | 28.5 |
その他 | 1,689 | △0.5 | 0 | - |
合計 | 512,276 | 19.5 | 342,254 | 28.5 |
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
報告セグメント |
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風水力事業 | 322,175 | 5.4 |
エンジニアリング事業 | 52,983 | 0.9 |
精密・電子事業 | 71,810 | 8.0 |
報告セグメント計 | 446,969 | 5.3 |
その他 | 1,688 | △1.6 |
合計 | 448,657 | 5.2 |
(注) 上記(1)から(3)の金額は、いずれも販売価格によっており、消費税等は含まれていません。また、セグメント間取引消去後の金額です。
当社グループは、平成28年度を目標年度とする3ヵ年の中期経営計画「E-Plan2016」に基づき、世界的規模で事業展開を行う中でグローバルに存在感を発揮する高収益体質を構築し、各事業領域において確固たる地位を確保するため、内外リソースの機動的・集中的な活用によるスピード感を持った変化の実現と成長の加速を図ります。
また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底により経営の透明性と客観性を確保し、グローバルに展開する企業グループ体制を構築していきます。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
当社グループが事業を展開している市場は競争が激しく、当社グループのほとんどの製品及びサービスが価格低下の圧力に直面しており、価格低下の圧力が当社グループの事業、業績を悪化させる可能性があります。また、エンジニアリング事業では公共事業割合が高く公共事業費支出動向の影響を受け、精密・電子事業ではシリコンサイクルに伴う市況変動等の影響を大きく受けることがあります。
当社グループは、国内外での大型プロジェクトにおいて機械・プラントの設計・製作、据付・施工等を行っていますが、これらの中には技術的難易度が高いものが含まれ、不適合や所定の能力への到達期間が長期化すること等により追加コストが発生する可能性があります。また、海外事業にはカントリーリスク等国内と異なる事業環境に伴うリスクがあり、海外グループ会社及びその従業員のコンプライアンスには困難が伴う場合があります。これらのリスクに対する管理は万全を期していますが、適切に対処できない場合には当社グループの業績や社会的信用等に影響を与える可能性があります。
当社グループは不断に経営基盤の強化に取り組んでおり、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行うことがありますが、かかる事業再編が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
海外における事業活動に係る外貨建取引等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらは換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの有利子負債は固定金利と変動金利からなっており、金利の高下が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが借入契約の財務制限条項に抵触した場合は、金利の上昇を請求されたり期限の利益を喪失したりする可能性があり、当社の格下げや市場の混乱といった事態が生じた場合は、当社グループの借入コストや資金調達能力に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業所が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合は操業に支障を来たすことがあり、また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止や制約等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの繰延税金資産については、将来の課税所得見込額から回収可能性を判定し、回収が不確実と考えられる部分(回収懸念額)に対しては評価性引当額を計上しています。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
当社グループは製造や建設等のために部品・資材・工事の調達を行っており、市況の変動による影響を受けます。素材価格又は工事費の高騰は当社グループの調達コストの増加につながり、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは国内外で事業を展開しており、許認可、製造物責任、貿易、租税、競争、汚職、知的財産、環境、労務等に関する各国の法的規制を受けているため、当社グループがかかる法的規制に違反した場合、当社グループの業績及び社会的信用等に影響を与える可能性があります。また、法令の制定、改廃等により計画の前提条件が変更になる場合があります。それらの前提条件の変更が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業活動において、製造物責任、知的財産、環境保全、労務問題等に関し訴訟を提起されたり訴訟を提起する場合があり、また、当社グループの製品による知的財産権の侵害を理由に製品供給先から訴訟提起等をされる場合があります。これらの動向によっては当社グループの業績及び社会的信用等に影響を与える可能性があります。
旧本社・羽田工場の跡地については、ヤマト運輸株式会社との譲渡契約に従い、明渡しが完了しています。その後、同社の物流ターミナル建設工事に伴い石綿含有スレート片が発見され、同社より譲渡契約における債務不履行又は瑕疵担保責任を理由に約74億円及び遅延損害金の支払いを求める損害賠償請求訴訟を提起されていますが、請求金額が確定し85億5百万円及び遅延損害金の支払いを求める訴えに変更されました。当該スレート片は債務不履行又は瑕疵には該当しないとの当社の結論には変更はなく、法律事務所からも当社の見解を支持する法的意見書を入手していますので当社見解の正当性を主張していますが、今後の事態の進展によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは中東地域等へ製品を輸出していますが、国際的な協調政策や地域政情変動等の政治要因により輸出債権の回収不能が見込まれる恐れがあります。回収不能が発生する場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
退職給付制度に関する費用負担の変動(年金資産の時価や運用利回りの変動等)が、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、数理計算上の差異及び過去勤務費用の変動が、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
契約会社名 | 契約の相手方 | 契約の目的 | 契約期間 | 対価の支払 |
㈱荏原製作所 | Flowserve Corp. (米国) | 原子炉冷却材循環ポンプ、液体金属ポンプ、溶融塩ポンプの製造販売 | 昭和63年5月17日から 平成30年5月16日まで | 頭金のほか契約製品の正味販売高に対する一定の実施料 |
| Idreco USA, Ltd. (米国) | イオン交換濾過装置の製造技術 | 昭和60年4月25日から 平成26年12月22日まで | 頭金のほか処理水の流量の比例額に対し一定の実施料(ミニマムの規定あり) |
| Fläkt Woods AB (スウェーデン) | 高圧可変ピッチ軸流送風機の製造販売 | 平成4年1月15日から 平成27年1月14日まで | 頭金のほか契約製品の正味販売価格に対する一定の実施料 |
記載すべき重要な契約はありません。
記載すべき重要な契約はありません。
当社グループの研究開発は、①事業を支える共通基盤技術とその融合による製品コア技術の研究開発、②中長期的展望に基づいた技術シーズの探索、③現有技術の拡張、新技術の実用化・新製品応用のための研究開発、④製品の改良・改善のための研究開発、に区分されます。①と②はコーポレートとカンパニーが密接に連携を取り、外部研究機関との共同研究等も利用しながら進め、③と④については個別の事業部門及びグループ各社が主体となって実施しました。当連結会計年度の研究開発費は64億65百万円です。
なお、これまで開発拠点を各カンパニー及び子会社の事業分野に直結する部門に配置し、主に事業化・製品化に重点を置いた研究開発活動を行ってきましたが、平成26年4月にグループ全体の共通基盤技術、製品コア技術の研究開発を行う組織を当社コーポレート部門に設置しました。
セグメントごとの研究開発活動の状況は、以下のとおりです。
風水力事業分野では、中長期的に成長の持続が期待される、水インフラ、エネルギー(電力、石油・ガス)、環境(省エネ)などのグローバル市場向け製品のラインナップ拡充や製品力強化に取り組みました。また、海外グループ会社との共同開発を含め、「域産域消」に適した製品開発を推進しています。標準ポンプでは、引き続き省エネ・省資源・環境負荷低減を指向した製品群の開発と市場浸透などを図りました。国内および中国市場への投入を完了したターボ冷凍機については、応用開発に取り組み製品拡充を図りました。基盤技術に関しては、開発スループットの一層の向上を目指した数値シミュレーション技術や最適化技術の強化、解析エンジニアリングの標準化、そして製品ライフサイクルを支えるサービス&サポート向け技術の開発・応用などに取り組みました。当連結会計年度の研究開発費は42億30百万円です。
エンジニアリング事業分野では、事業の中心が新設プラント建設から運営・維持管理(O&M)へ移行していることから、これまで以上に既存施設の更新、並びにO&Mに対する提案力とコスト競争力強化が求められる時代に移ってきています。このような状況を踏まえ、施設更新に伴う機能強化とライフサイクルコスト低減を可能とする新技術・新製品開発、並びに既存製品・保守運営技術の改良開発を推進しています。当連結会計年度の研究開発費は89百万円です。
精密・電子事業分野では、半導体デバイス製造プロセス用装置において、ウェーハの大口径化やチップの更なる微細化、3次元集積化などの要求に対応できるよう、装置の改良・改善及び新機種の開発に取り組んでいます。コンポーネント製品においては、半導体製造工場の省エネ化・省資源化を目指すグリーンファブ構想に対応すべく、更なる省エネ化及び環境負荷低減に貢献できる製品の開発に取り組んでいます。また、顧客との共同開発・コンソーシアムへの参画、さらには各大学との共同研究などを通して、次世代半導体プロセス技術における研究も継続しています。当連結会計年度の研究開発費は21億45百万円です。
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度末における資産総額は、流動資産が168億29百万円増加し、固定資産が88億5百万円増加した結果、前年度末に比べて256億35百万円増加し、5,302億11百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
流動資産は、有価証券が180億38百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が266億18百万円、現金及び預金が70億86百万円ぞれぞれ増加したこと等により、168億29百万円増加しました。
有形固定資産と無形固定資産は、資本的支出181億52百万円の実施、減価償却費121億17百万円の計上等の結果、88億65百万円増加しました。
投資その他の資産は、繰延税金資産の減少等により、59百万円減少しました。
当連結会計年度末における負債総額は、流動負債が83億29百万円減少し、固定負債が107億4百万円増加した結果、前年度末に比べて23億75百万円増加し、3,151億63百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
流動負債は、支払手形及び買掛金が74億52百万円増加したものの、1年内償還予定の新株予約権付社債が200億円減少したこと等により、83億29百万円減少しました。
固定負債は、社債100億円の発行等により、107億4百万円増加しました。
当連結会計年度末における純資産は、配当金を23億21百万円支払ったほか、退職給付に係る調整累計額75億84百万円を計上したものの、当期純利益を189億73百万円計上したこと及び為替換算調整勘定の増加113億40百万円等により、前年度末に比べて232億59百万円増加し、2,150億48百万円となりました。自己資本は2,080億37百万円で、自己資本比率は39.2%となりました。
売上高は、全ての事業で前年度を上回ったことにより、前年度比223億55百万円増加して4,486億57百万円となりました。
売上原価は、前年度比68億68百万円増加し、3,290億59百万円となりました。売上原価率は円安等の影響で売上が増加したこと等により、2.3ポイント改善して75.6%から73.3%となり、売上総利益は前年度比154億87百万円増加し1,195億97百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前年度比83億76百万円増加し、874億3百万円となりました。主な要因は、人件費の増加30億82百万円及び研究開発費の増加14億39百万円等です。その結果、営業利益は71億10百万円増加し321億94百万円となりました。
営業外損益の純額は、前年度比14億62百万円悪化し、8億83百万円のマイナスとなりました。営業外収益は、その他が7億33百万円減少したこと等により、前年度比4億92百万円減少し36億7百万円となりました。営業外費用は、海外プロジェクト租税公課を22億39百万円計上したこと等により、前年度比9億69百万円増加し44億90百万円となりました。その結果、経常利益は前年度比56億47百万円増加し313億11百万円となりました。
特別損益の純額は、前年度比14億83百万円改善し、2億92百万円のマイナスとなりました。特別利益は、固定資産売却益が前年度比4億5百万円増加したこと等により、前年度比4億44百万円増加し4億94百万円となりました。特別損失は、前年度に計上した投資有価証券評価損、出資金評価損及び特別退職金の減少等により、前年度比10億38百万円減少し7億86百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は、前年度比71億31百万円増加し310億19百万円となりました。
また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は前年度比31億77百万円増加したほか、少数株主利益は17億38百万円となりました。その結果、当期純利益は前年度比36億69百万円増加し189億73百万円となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積もりと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
完成工事高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
製品売上高に対して将来予想される瑕疵担保費用を一定の比率で算定し、製品保証引当金として計上しています。
引当金の見積りにおいて想定していなかった製品の不具合による保証義務の発生や、引当の額を超えて保証費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の保証費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。
工事契約について、未引渡工事のうち損失の発生する可能性が高く、工事損失額を期末において合理的に見積もることが出来る工事については、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しています。
技術的難易度の高い長期請負工事や海外でのカントリー・リスク等のある工事等において、工事の進行に伴い見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
財務基盤の強化については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としています。当連結会計年度においては、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、301億55百万円の収入超過となり、前年度比292億71百万円の収入増加となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローは前年度比73億98百万円の収入減少となったものの、投資活動によるキャッシュ・フローが前年度比366億70百万円の収入増加となったことが原因です。なお、当社は平成25年12月に第8回普通社債の発行により100億円を調達しました。
また、当連結会計年度末において、有利子負債残高は1,196億72百万円(短期有利子負債635億44百万円、長期有利子負債561億27百万円)で、前年度末の有利子負債残高1,389億14百万円からは192億41百万円減少しました。
資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしています。また、金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結することで手許流動性を確保しています。なお、グループ内の資金効率を高めるため、余資は当社に集中し、不足するグループ会社に配分する制度を運用しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,023億41百万円であり、金融機関との間で当座貸越契約50億円、コミットメントライン450億円の契約を締結しています。これら契約に基づく当座貸越極度額及びコミットメントラインの総額500億円に対し、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当社グループは、平成26年5月に平成28年度を最終年度とする中期経営計画「E-Plan2016」を策定しました。当計画では、投下資本利益率(ROIC)を重要経営指標と位置付け、その改善を図っていきます。また、D/Eレシオ(安定性指標)と自己資本利益率(ROE)(効率性指標)を経営管理上の重点指標と位置づけ、それらの均衡の取れた改善を図っていきます。上記を踏まえ、各事業部門としては売上高営業利益率を事業遂行上の重点指標と位置付け、その管理を行っていきます。
セグメントごとの見通しと個別戦略は、以下のとおりです。
(風水力事業)
風水力事業では、平成26年度の世界経済について先進国、新興国ともに持ち直しが予測される中、世界的なエネルギー需要の拡大などにより事業環境は緩やかに改善するものと見込んでいます。
ポンプ事業では、石油・ガス市場における石油精製プラント向けポンプやLNG液化プラント・LNG受入基地・運搬船で使用されるクライオジェニックポンプ等の需要が見込まれ、更にシェールガスの生産拡大等により化学市場での肥料プラント向けポンプの需要増加が想定されます。電力市場では、中国、中東、東南アジア、インドを中心に、大型石炭火力発電、LNGコンバインド火力発電の活発な建設に伴う需要が続く見通しです。また、一般産業・建築設備市場は、国内において消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動や景気減速のリスクはあるものの、新興国を中心に需要は堅調に伸びるものと見込まれます。
コンプレッサ・タービン事業では、北米のシェールガスを利用したLNGプラント、エチレンプラントやPDH(プロパン脱水素)プラント、中国での石炭化学プラントなど、世界各地の石油精製・石油化学プラントに使用されるコンプレッサの需要増加を見込んでいます。
冷熱機械事業では、中国でのヒートポンプ需要に加えて東南アジアでの需要の拡大が見込まれます。
このような状況から、海外では、地域ごとのニーズに合った製品開発の推進と、グローバルな生産・販売体制及びサービス&サポート体制の充実を図ることにより、事業範囲の拡大を進めていきます。また、国内では引き続き復興再開発事業に最優先で取り組むとともに、顧客ニーズに対応した販売・サービス体制の拡充を図ります。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業では、公共部門において、堅調な施設更新需要が見込まれ、既存施設に対する大規模な補修や温暖化ガス排出抑制のための基幹的設備改良工事等の需要も堅調に推移すると予想されます。また、国や地方公共団体の財政逼迫や技術系職員の不足により、O&Mの長期包括契約化の進展や施設建設から運転管理・事業運営までを含めたDBO案件の増加が引き続き見込まれます。また、国のエネルギー政策の見直しに伴い、廃棄物発電への注目が高まっています。
このような状況において、O&M事業を通じて把握したマーケットニーズに対しO&MとEPCの技術を組み合わせることにより、DBO案件や基幹的設備改良工事等の積極的な提案を行い、市場環境と顧客ニーズの変化に的確に対応していきます。また、受注残案件の遂行においては、業務改善による効率化等をより一層進めていきます。
(精密・電子事業)
精密・電子事業では、半導体市場において、引き続きモバイル端末への需要が景気の牽引役として伸び続けていくものと思われます。それに伴いDRAMやNANDフラッシュメモリの需要が回復基調を見せており、設備投資の動きが徐々に活気を取り戻してくるものと想定されます。また、フラットパネルディスプレイや太陽電池、LED等の市場においても製品への需要は徐々に回復基調にあり、来年以降には設備投資も回復してくるものと期待されます。
このような状況において、生産革新活動によるリードタイム短縮及び海外生産・海外調達を推進して原価低減を図るとともに、顧客に密着したサービス&サポート体制を強化することで安定的な収益構造の実現を目指します。また、更なる微細化・新デバイス用・三次元実装用・大口径化などの顧客ニーズに対応した開発を継続していき、事業の拡大を図ります。