第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期のわが国経済は、消費増税前の駆け込み需要の反動による減速から回復が遅れたものの、円安進行等を背景にした企業業績の改善に伴い設備投資は比較的堅調に推移しました。海外では米国の景気回復基調が鮮明になりましたが、欧州経済はウクライナ情勢等を背景に減速し、また、中国経済は投資抑制姿勢が強まる中、成長鈍化が持続するなど世界経済全体としては総じて緩やかな減速基調にありました。

このような経営環境のもと、当社グループは、新たな「中期経営計画2016」をスタートさせ、当期は以下の項目を重点施策として事業運営を行ってまいりました。

 

① 持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」
(a) 「グローバル化(拡がる)」

プラスチック加工機械事業では、ドイツの子会社のSUMITOMO(SHI)DEMAG PLASTICS MACHINERY GmbHとの間で欧州での電動式射出成形機の販売、開発の連携を強化し、減・変速機事業では、ベルギーの子会社のHANSEN INDUSTRIAL TRANSMISSIONS NVとの間で製品プラットフォームの統一を進めてまいりました。また、建設機械事業においては、CNH Industrial N.V.との間で油圧ショベルの技術供与など提携関係の強化を図ってまいりました。

 

(b) 「イノベーション(変わる)」

減・変速機事業では、省エネ法による効率規制(プレミアム効率IE3クラス)に対応したギヤモータの販売を開始し、産業機器事業では、当社が納入した世界初の上下配置式小型陽子線治療システムによる治療が開始されるなど、商品開発の成果が着実に出ております。また、各事業部門において中期経営計画の重点課題であるアフターマーケット・ビジネスの強化に努めてまいりました。

 

(c) 「グループ内の連携シナジー(つながる)」

グループ内で培ったシステム制御技術で差別化を実現したハイブリッド油圧ショベルの販売拡大が進みました。また、グループ内の各事業の競争力強化を図るため、愛媛製造所内に技術研究所棟を新設し、材料や表面処理などの技術研究を一層強化する基盤を構築いたしました。

 

(d) エネルギー関連分野の成長

中期経営計画で成長領域と定めているエネルギー関連分野では、国内最大、最高効率の木質チップを主燃料としたバイオマス発電設備を受注するなど、受注拡大が進みました。

 

② 「高収益への反転」

プラスチック加工機械事業では、前期に市場投入した導光板専用電動成形機がスマートフォン向けの需要を捉え、売上、利益に寄与するなど精密機械セグメントをはじめ、売上高利益率の改善が進みました。

 

③ 「たゆみなき業務品質改善」

当社グループの製品品質管理機能を強化するため、本社経営品質推進室を経営品質本部に格上げし、組織体制を強化いたしました。安全への取組みにつきましても、当期は安全衛生改革基本計画の第二次実行計画をスタートさせ、安全衛生管理力の強化と労働災害撲滅に努めております。

 

④ コンプライアンスの徹底

「コンプライアンスは全てに優先する」という基本原則のもと、当期は、海外事業におけるコンプライアンス体制強化のため、海外子会社の社員にコンプライアンス教育を行いました。また日本では、ディスカッション方式のコンプライアンス教育や、独占禁止法等の教育を行いました。

 

 

これらの経営施策に取り組みました結果、当社グループの当期の受注高は、前期比13%増で過去最高の7,408億円、売上高につきましても、前期比8%増で過去最高の6,671億円となりました。

損益面につきましては、売上高の増加により、営業利益は前期比34%増の460億円、経常利益は前期比37%増の451億円となり、当期純利益は前期比36%増の243億円となりました。また、税引後のROICは6.5%となりました。

 

各部門状況は概ね次のとおりであります。

① 機械コンポーネント部門

欧州、中国が低迷したものの、国内市況の好調が持続し、北米などその他地域での市況も好調であったことから、受注、売上ともに増加いたしました。

この結果、受注高は前期比6%増の1,047億円、売上高は前期比3%増の1,026億円、営業利益は前期比9%増の66億円となりました。

 

② 精密機械部門

プラスチック加工機械事業は、アジアでのIT関連市況が好調に推移し、また国内や欧州の市況も堅調に推移したことから、受注、売上ともに増加いたしました。

その他事業は、半導体関連機種の需要回復を受け、受注、売上ともに増加いたしました。

この結果、受注高は前期比15%増の1,546億円、売上高は前期比10%増の1,464億円、営業利益は前期比43%増の135億円となりました。

 

③ 建設機械部門

油圧ショベル事業は、中国市場の需要減少があったものの、国内向け需要が堅調であったことや、在庫調整が一巡した欧米向け製品などの好調が持続したことから、受注、売上ともに増加いたしました。

建設用クレーン事業は、受注が増加したものの、北米市場で期初の寒波の影響による低迷からの回復が遅れ、売上は減少となりました。

この結果、受注高は前期比7%増の2,065億円、売上高は前期比5%増の2,020億円、営業利益は前期比25%増の119億円となりました。

 

④ 産業機械部門

運搬機械事業は、国内造船業界の投資意欲の回復を受け好調に推移したことから、受注が増加いたしました。

タービン・ポンプ事業は、タービン事業で海外発電向けが好調であったことなどから、受注、売上ともに増加いたしました。

この結果、受注高は前期比6%増の896億円、売上高は前期比4%減の758億円、営業利益は前期比46%増の58億円となりました。

 

⑤ 船舶部門

船舶市況は、全般に低調なものの、当社が特化している中型タンカー市場の回復や円安進行もあり、当期は、前期より4隻多い9隻の新造船を受注いたしました。また、売上は前期より2隻多い3隻の引渡しとなりました。

この結果、受注高は前期比95%増の619億円、売上高は前期比76%増の261億円、営業損失は12億円となりました。

 

 

⑥ 環境・プラント部門

エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電ボイラ案件が引き続き好調であったことから、受注、売上ともに増加いたしました。

水処理プラント事業は、新規の維持管理サービス案件が少なかったことから、受注、売上ともに減少いたしました。

この結果、受注高は前期比9%増の1,134億円、売上高は前期比22%増の1,055億円、営業利益は前期比24%増の75億円となりました。

 

⑦ その他部門

受注、売上ともに前期を下回り、受注高は前期比11%減の101億円、売上高は前期比9%減の86億円、営業利益は前期比9%減の19億円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動による資金の増加は622億円(前期は637億円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益387億円、減価償却費163億円、仕入債務の増加額98億円です。支出の主な内訳は法人税等の支払額163億円です。

投資活動による資金の減少は141億円(前期は276億円の資金の減少)となりました。これは、主として固定資産の取得による支出173億円によるものです。

財務活動による資金の減少は369億円(前期は95億円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金の返済による支出(借入による収入との純額)295億円、配当金の支払による支出55億円によるものです。

これらの要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億円増加し、903億円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

103,911

1.5

精密機械

147,264

7.1

建設機械

209,101

9.3

産業機械

75,324

△3.8

船舶

26,547

75.3

環境・プラント

107,605

24.5

その他

9,620

△13.4

合計

679,371

9.2

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

104,690

6.3

32,166

6.9

精密機械

154,625

15.0

50,832

19.2

建設機械

206,461

6.8

32,073

16.1

産業機械

89,623

6.1

93,994

17.2

船舶

61,923

95.1

64,384

125.5

環境・プラント

113,406

8.8

115,374

7.3

その他

10,096

△11.4

5,253

39.5

合計

740,824

12.5

394,076

23.0

 

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機械コンポーネント

102,624

2.6

精密機械

146,424

9.7

建設機械

202,002

4.9

産業機械

75,817

△3.8

船舶

26,085

76.1

環境・プラント

105,539

22.5

その他

8,608

△9.1

合計

667,099

8.4

 

(注) 1 セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

事業を取り巻く経済環境は、国内においては政府の景気対策効果や円安による輸出の増大、生産の回復に伴う設備投資の増加などにより、全体として回復傾向にありながら、個人消費や設備投資の十分な回復には時間を要する状況にあります。海外においては、米国経済は継続して回復傾向を示しているものの、世界経済を牽引してきた中国をはじめとする新興国の景気が減速し、欧州経済にも債務問題の影響による回復の遅れが見られるなど、不透明な状況にあります。

 

(1) 「中期経営計画2016」

昨年度スタートを切った「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標としております。また、経営指標のROICは、7%以上の確保を目指しております。

当社グループは、上記の目標達成のため、「一流商品を提供し続ける企業」をめざし、単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実に成長してまいります。

注力する分野としては、当社グループの広範囲な事業領域の中でも、特に需要が拡大するエネルギー関連分野を成長領域と定め、同分野への積極的展開を図ってまいります。

計画遂行においては、引き続き、財務規律を維持するとともに、中期経営計画期間3か年における配当性向は30%を目標に設定しております。

 

(2) 平成27年度の重点課題

「中期経営計画2016」の中間年となる平成27年度は、前期の好調な受注で、事業成長に明るい兆しが見えてまいりました。景気動向はなお予断を許しませんが、計画の達成に向けて以下の施策を実行してまいります。

 

① 持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」

事業拡大に向けた施策として、これまでの量産機械系事業を中心とした海外ネットワーク投資を国内外の他の拠点、機能と有機的に連携させ、事業機会拡大に繋げてまいります。必要な重点投資をタイムリーに実施し、連携強化の迅速化を図ってまいります。各拠点の置かれている外部環境、事業環境によって、それぞれ施策は異なりますが、グループの全体最適の視点で具体化を推進してまいります。

重機械系事業の拡大に向けては、機種ごとに培った固有技術のブラッシュアップに加え、材料、制御などの共通技術による商品力強化を推進してまいります。製造の基盤である接合、加工等の生産技術の継続的改善、生産革新とともに、エンジニアリングの強化を狙いとするイノベーション活動を推進してまいります。

また、事業部門間連携の施策として、アフターマーケット・ビジネスの強化をグループ共通課題と位置づけ、拠点ネットワーク、人材及び情報化等のサービス基盤を強化し、事業拡大に向けた営業プロセス変革を推進してまいります。

 

② 「高収益への反転」

ポートフォリオ・マネジメントを継続し、各事業の成長段階や外部環境を踏まえて目標利益と重点課題を明確にし、経営資源の再配分と事業構造改革を推進してまいります。機械コンポーネント事業や精密機械事業などの当社グループをリードする事業群においては、高い目標を設定して高収益を牽引するとともに、全ての事業部門、機種、地域において達成すべき下限目標を設定し、高収益体質への変革を推進してまいります。

 

③ 「たゆみなき業務品質改善」
(a) 製品品質の向上

本社と事業部門が協業し、総力を挙げて製品品質の向上に取り組むなど、品質第一の経営を実践してまいります。

(b) コンプライアンスの徹底

当社グループは、コンプライアンスを最重要課題の一つとして捉え、国内外のグループ企業を対象に活動を行っております。今後も引き続き、当社及びグループ各社の役員及び社員に対して教育啓蒙を行い、グループ全体にコンプライアンスを浸透させてまいります。

 

(c) 安全への取組み

当社グループは、安全衛生改革基本計画を策定しており、平成27年度は第二次実行計画の2年目の年となります。計画の目標達成に向けて、安全衛生管理力の強化、労働災害撲滅に取り組んでまいります。

 

(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

1  基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方につきましては、最終的には、株主の皆様により、当社の企業価値の向上ひいては株主の皆様共同の利益の確保を図るという観点から決せられるべきものと考えております。従って、会社支配権の異動を伴うような大規模な株式等の買付けの提案に応じるか否かといった判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づいて行われるべきものと考えております。

しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、買収の目的や買収後の経営方針などに鑑み、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に対して買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるものなど、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益に重大な影響を及ぼすものも想定されます。当社といたしましては、このような大規模買付行為を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。

当社の企業価値は、「一流商品」の提供、事業間価値連鎖によるシナジー及びグローバルネットワークと、住友の事業精神に則った経営によって維持、強化されてきた株主の皆様をはじめとして、顧客、取引先、従業員、社会との信頼関係を源泉としており、さらにはこれらが有機的一体となって機能することによって、より大きな価値を生み出しております。

当社といたしましては、企業価値を増大させること及び生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで株主の皆様共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じ当社株主となられた方々にお支えいただくことを原則としつつも、当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式の取得をめざす者による当社株式の取得により、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、このような当社株式の取得をめざす者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、必要かつ相当な範囲において、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保ないし向上のための措置を講じることをその基本方針といたします。

 

2  基本方針の実現に資する特別な取組み

当社グループは、上記基本方針の実現のため、以下の取組みを行ってまいります。

 

①  中期経営計画及びその実践

「中期経営計画2016」では、平成28年度に売上高7,000億円、営業利益率7.5%を達成することを財務目標といたします。なお、ROICを引き続き当社グループの財務目標とし、ROIC>WACCを継続するとともに、ROIC7%以上の確保をめざします。

上記の財務目標達成のため、(a)持続的成長の基盤を構築するための「着実な成長」、(b)「高収益への反転」、(c)「たゆみなき業務品質改善」を計画の目的に掲げ、「一流商品を提供し続ける企業」をめざします。単なる成長ではなく、高収益へ向けた反転を実行すべく、足元を固め、着実な成長を達成することが重要です。

なお、計画期間3か年における配当性向の目標は30%であります。

②  コーポレートガバナンスの強化

当社は、かねてよりコーポレートガバナンスの強化に取り組んでおります。具体的には、平成11年の執行役員制の導入や平成14年以降の社外取締役の選任、さらには平成19年には取締役の任期を2年から1年に短縮するなどして取締役会の活性化や経営の透明性の確保に努めております。

監査役は、グループ会社監査役会議を定期的に開催し、グループ全体の監査機能の充実を図っており、また、海外子会社に対する実地監査を毎年行うなど、グローバル化に対応した監査を実施しております。

さらに、当社は、社外役員全員について、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外役員であると判断し、当社が上場する株式会社東京証券取引所に対し、独立役員として届け出ております。これら独立役員につきましては、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主への利益への配慮がなされるよう必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが求められております。

 

③  株主の皆様に対する還元策

当社は、以上述べてきた施策、戦略の遂行により、事業の一層の成長による企業価値の増大及び継続的な増配による利益還元を通じて、株主の皆様共同の利益の向上を実現するべく、一層の努力を続けてまいります。

 

3  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を導入することに関して平成20年6月27日開催の第112期定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただき、平成23年6月29日開催の第115期定時株主総会及び平成26年6月27日開催の第118期定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続することにつき、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認をいただきました(以下、継続後の対応方針を「本プラン」といいます)。

本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付ルールに従うことを求めるものであります。大規模買付ルールとは、大規模買付者が事前に取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会が当該大規模買付行為について評価検討し、企業価値委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動、不発動又は中止に関して取締役会又は必要に応じて株主総会による決議を行い、対抗措置不発動又は中止に係る決議がなされた場合に初めて大規模買付行為が開始されるべきというものであります。

対抗措置は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、又は②大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を守るために発動される場合があります。当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の最大化を確保し、その他これを防衛するために必要かつ相当な、会社法第277条以下に規定される新株予約権無償割当て、又は、企業価値委員会の意見などを踏まえてその時点で最も適切と取締役会が判断した方法といたします。

 

4  具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社の中期経営計画及びその実践は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させる具体的方策として、当社の基本方針に沿うものと考えます。

また、本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮、交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断できること、当社取締役会が企業価値委員会の勧告を受けて当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益の確保、向上を目的として導入されるものであり、当社の基本方針に沿うものと考えます。

特に、本プランは、事前の開示を充実させたものであること、株主意思の重視が図られているものであること、外部専門家の意見を取得することを認めていること、企業価値委員会の設置により当社取締役会の恣意的判断を排除していること、ガイドラインの設定により、対抗措置の発動、不発動又は中止に関する判断の際に拠るべき基準の客観性、透明性が高いこと、デッドハンド型買収防衛策又はスローハンド型買収防衛策ではないことなどから、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足し、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当連結会計年度における海外売上高の比率は54%であります。為替相場の変動が業績に与える影響を軽減するために、為替先物予約などのリスクヘッジを行っておりますが、これにより全てのリスクを排除することは困難であります。このことから、当社グループの業績は為替相場の変動に影響を受ける可能性があります。

 

(3) 海外事業

当社グループは特に機械コンポーネント部門、精密機械部門及び建設機械部門において北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。

 

(4) 製品の品質

当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 減損会計の影響

当社は、「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成13年3月31日公布法律19号)に基づき、平成14年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は192億円(下落率21%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産または資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個別受注契約

当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 環境保全

当社グループは「グループ環境方針」のもと、環境リスクの回避や廃棄物のミニマム化など環境負荷低減に取り組んでおります。環境汚染防止に対しては万全の体制をもって臨んでおりますが、不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。環境汚染が発生した場合は多額なコストの発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害

当社グループは火災、地震、台風及び風水害などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。また、これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 主要技術導入契約

(提出会社)

契約締結先(国籍)

契約項目

対価

契約有効期間

FN Herstal S.A.
(ベルギー)

5.56ミリ機関銃の製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成5年7月22日~
平成35年7月8日

General Electric Company
(米国)

医療診断用粒子加速器の
設計・製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) アディショナルペイメント

平成10年12月29日~
無期限

AMEC Foster Wheeler
North America Corporation
(米国)

循環流動層ボイラの設計・
製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成13年12月7日~
平成33年12月6日

BAE Systems Bofors AB
(スウェーデン)

40ミリ機関砲の設計・
製作技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師招聘費

平成15年6月18日~
平成30年6月17日

 

 

(2) 主要技術輸出契約

(連結子会社)

会社名

契約締結先
(国籍)

契約項目

対価

契約有効期間

住友重機械
エンバイロメント㈱

Valmet AB
(スウェーデン)

緑液清澄装置(スミシックナー)の設計・製造技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

(3) 技師派遣費

平成17年10月19日~
平成27年10月18日

住友建機㈱

CNH Industrial N.V.
(オランダ)

油圧ショベルの製造・組立技術

(1) イニシャルペイメント

(2) ロイヤルティ

平成26年5月12日~
平成33年6月30日

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「垂直統合型価値連鎖モデル」に基づいた技術開発、商品開発を推進しております。当社技術研究所が開発した基盤技術、要素技術を、コンポーネント、装置、システムへと順に連鎖させ、さらにそれらを当社グループの製品群と組み合わせることで、一流商品の開発に効果的に取り組んでおります。

「中期経営計画2016」(平成26~28年度)におきましては、『着実な成長』『高収益への反転』『たゆみなき業務品質改善』を計画の目的に掲げ、「一流商品を創出し続ける企業」を目指しております。具体的には、『着実な成長』『高収益への反転』に関しましては、主要課題として「一流商品の創出」「エネルギー、医療などの新成長分野への注力」を掲げ、「商品一流化プロジェクト」に着手しております。本プロジェクトにおきましては、顧客の収益性向上に繋がるような「知性に富んだ魅力的な商品」の創出に、当社グループ一丸で取り組んでおります。また、『たゆみなき業務品質改善』に関しましても、開発・設計品質向上を目的とするプロセス変革活動を、精力的に推し進めております。

当連結会計年度の研究開発投資総額は115億円であり、セグメント毎の主な研究成果は次のとおりであります。

 

(1) 機械コンポーネント

減・変速機につきましては、ギヤモータ、ギヤボックスの新商品開発、生産技術開発に着々と取り組んでおります。

当該部門に係る研究開発費は18億円であります。

 

(2) 精密機械

プラスチック加工機械につきましては、最新の全電動射出成形機「SE-EV」シリーズにおいて、特に厚肉品の精密成形に適した「SE-EV-HD」をシリーズ追加し、市場投入しました。また、顧客のカスタマイズ要求に対応して、2種類の樹脂材料を同時に成形する電動2材射出成形機の駆動要素高速化を図り、成形サイクルを向上させる技術を開発しました。2色成形などの生産性向上に貢献します。更に、スマートフォン、タブレットでの薄肉化要求に対して、充填速度をさらに向上させた射出装置や高速圧縮を可能とした型締駆動制御技術を開発しました。

精密機器につきましては、冷凍システムの効率を大幅に向上させることにより、従来モデルと比較して消費電力を40%削減した次世代クライオポンプを開発しました。

制御コンポーネントにつきましては、パワーコンポーネント市場向けに電圧変換段数を削減し高効率化を図った電池検査装置「BU200」を投入しました。また、グラビア印刷機向け制御装置では、適用モータの種類を増やし、製品ラインナップを拡充しました。

電子機械につきましては、パワーデバイスアニール用のレーザアニール装置、プリント基板穴あけ用のCO2レーザドリル装置の製品ラインナップを拡充しました。

クーラント装置につきましては、超高性能タイプFINEMAG(ドラ表面磁力:0.9T)を開発し、市場投入しました。超硬・放電加工等、超微細かつ難磁性のスラッジに対応しました。

当該部門に係る研究開発費は49億円であります。

 

(3) 建設機械

建設機械につきましては、経済性、環境保全性及び安全性を追求した市場・顧客ニーズに応える新商品開発、研究に取り組んでおります。

油圧ショベルにつきましては、後方超小旋回型油圧ショベル「SH135X-6」および油圧ショベルの周辺確認支援システム「フィールドビューモニター(FVM)」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2014年度グッドデザイン賞」を受賞しました。「SH135X-6」は更に「グッドデザイン・ベスト100」にも選定されております。また、2009年に発売した、世界初のハイブリッド式油圧ショベルのリフティングマグネット機「SH200HB-5LM」が、お客様の現場で10,000時間稼働を達成しました。アクティブハイブリッドショベル「SH200HB-6」にも採用している、キャパシタ、発電電動機など、ハイブリッドシステムの高い耐久性、信頼性を実証することができました。

道路機械につきましては、暫定第4次排出ガス規制対応エンジンを搭載する「HA50W-8」、「HA45W-8」を国内市場へ投入しました。

当該部門に係る研究開発費は33億円であります。

 

 

(4) 産業機械

医療機器につきましては、国内民間病院に納入した小型陽子線がん治療装置により2014年9月、患者への前立腺がん治療が開始され、12月には先進医療として承認を受けました。

鍛造プレスにつきましては、自動車・エネルギー関連業界の活性化の中、5000t自動鍛造プレスラインおよび6300t・8000tクラスの大型プレスを市場投入しました。

蒸気タービンにつきましては、大型化開発が完了し、事業領域を100MWクラスまで拡大しました。海外自家発市場を中心に、展開を開始しております。

搬送システムにつきましては、1970年代に1100台以上の納入実績を持つマスコットクレーンの後継機として、より優れた品質・性能を追及したマスコットⅡを開発し市場投入しました。

当該部門に係る研究開発費は8億円であります。

 

(5) 船舶

船舶につきましては、将来の環境規制に対応し、かつ、シェール革命に代表される市場の変化にも対応した、顧客収益性の高い中型タンカーを開発、市場投入し、多くの顧客から好評を博しております。生産技術開発の面では、塗装技術や溶接技術のほか、生産管理の高度化にも取り組み、さらなる品質と生産性の向上を実現しました。

当該部門に係る研究開発費は2億円であります。

 

(6) 環境・プラント

水環境プラントにつきましては、民間向けには、固液分離の基本技術である凝集沈殿装置に関して、新型高速シックナーで、製鉄所の循環水処理の高速化と処理水質の清澄化、および安定処理が可能なことを実証しました。また下水処理場の汚泥処理において自治体との共同研究を実施し、新型ベルトプレス脱水機により汚泥の含水率を低減し、汚泥処分費が削減できることを実証しました。

化工機につきましては、化学プラント撹拌反応槽に使用される「マックスブレンド翼」などの大型撹拌翼に加え、反応槽の前後工程に用いられる小型撹拌翼(低粘度用:「LvBLEND」、気液用:「RfBLEND」)を開発、市場投入し、撹拌翼のラインナップを充実させました。

塑性加工機につきましては、拡大する新興国の自動車部品市場向けに、マフラー等の排気系部品の製造用パイプ加工機「SRS150-T4」を市場投入し、スピニングマシンの品揃えを増やしました。ワーク固定方式を採用することで高い生産性を維持しながら、新機構の採用により低価格を実現しました。さらに、顧客要望の高い省スペース性を実現しました。

当該部門に係る研究開発費は5億円であります。

 

(FINEMAGは、住友重機械ファインテック㈱の登録商標です。)

(FVMは、住友重機械工業㈱の登録商標です。)

(アクティブ ハイブリッド ショベルは、住友建機㈱の登録商標です。)

(マスコットは、住友重機械工業㈱の登録商標です。)

(マックスブレンドは、住友重機械プロセス機器㈱の登録商標です。)

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上高

売上高は、前期比518億円増の6,671億円となりました。これは、産業機械部門及びその他部門を除くすべての部門において売上が前期を上回ったことによります。

②  売上原価

売上原価は、売上高の増加に伴い、前期比336億円増の5,167億円となりました。売上原価率は前期比1.0ポイント減少の77.5%となりました。

③  販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前期比65億円増の1,044億円となりました。

④  営業外損益

営業外損益は、9億円の損失となり、前期比では4億円の好転となりました。営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前期比6億円増の68億円となりました。営業外費用は、前期比1億円増の77億円となりました。

⑤  特別損益

特別損益は、64億円の損失となり、前期比では47億円の悪化となりました。特別利益は、前期、当期ともに発生しませんでした。特別損失は、減損損失が18億円増加したことなどにより、前期比47億円増の64億円となりました。

⑥  法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計)

法人税等は、前期比9億円増の144億円となりました。

⑦  少数株主損失

少数株主損失は、0億円となり、前期比では1億円の好転となりました。

⑧  当期純利益

当期純利益は、前期比65億円増の243億円となりました。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末と比べて、現金及び預金が104億円減少した一方、受取手形及び売掛金が130億円、有価証券が250億円、たな卸資産が96億円、有形固定資産が80億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて618億円増の7,860億円となりました。

負債合計は、有利子負債が238億円減少(対総資産比率は10.6%と4.2ポイント減少)した一方、支払手形及び買掛金が162億円、前受金が142億円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて278億円増の4,209億円となりました。

純資産は、利益剰余金が187億円、為替換算調整勘定が146億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて340億円増の3,651億円となりました。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度比0.7ポイント増加し、45.8%となりました。

 

(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは現在、運転資金及び設備資金につきましては、借入金並びに内部資金により調達しております。

営業活動による資金の増加は622億円(前期は637億円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益387億円、減価償却費163億円、仕入債務の増加額98億円です。支出の主な内訳は法人税等の支払額163億円です。

投資活動による資金の減少は141億円(前期は276億円の資金の減少)となりました。これは、主として固定資産の取得による支出173億円によるものです。

財務活動による資金の減少は369億円(前期は95億円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金の返済による支出(借入による収入との純額)295億円、配当金の支払による支出55億円によるものです。