第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループは金属加工機械の総合メーカーとして板金部門、精密溶接部門、切削部門、プレス部門、工作機械部門をもとに、世界のお客さまの「モノづくり」に貢献すべく、最適なソリューションの提案を進めるとともに、激しい競争環境で勝ち抜く商品力とコスト競争力の強化に努めてまいりました。
 当連結会計年度の連結経営成績につきましては、受注高275,881百万円(前期比10.0%減)、売上高278,840百万円(同8.3%減)とそれぞれ前連結会計年度を下回る実績となりました。国内売上高は前連結会計年度に実施された省エネ補助金による需要増の反動減により、131,203百万円(同6.1%減)となりました。海外売上高は、米国での新政権発足による政策の不確実性や英国のEU離脱問題による欧州全体への経済影響が懸念されましたが、設備投資の回復や個人消費の拡大により、回復基調となりました。しかし、前連結会計年度と比較して円高に推移したため147,637百万円(同10.1%減)となりました。
 損益面につきましては、新商品の投入による販売価格の改善や製造合理化によるコスト削減に取り組みましたが、国内での減収や円高による収益性の悪化により、営業利益は33,030百万円(前期比22.3%減)、経常利益は34,307百万円(同20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は25,894百万円(同5.6%減)といずれも減益となりました。
 事業別の概況につきましては、以下の通りです。
 
① 金属加工機械事業
 金属加工機械事業の売上高は229,499百万円(前期比8.5%減)となりました。板金部門では、主力のファイバーレーザ商品や急速に進む省力化ニーズに対応したベンディング自動化商品が欧米のみならずアジアでも拡大しました。しかしながら国内での省エネ補助金による需要増の反動減により、売上高206,051百万円(同9.6%減)となりました。一方、溶接部門では自動車や通信機器向けにレーザ溶接装置の販売が拡大し、売上高23,441百万円(同2.7%増)となりました。営業利益はファイバーレーザの新商品投入による販売価格の改善や製造合理化によるコスト削減に取り組みましたが、国内での減収と円高による収益性の悪化により、25,007百万円(同27.6%減)となりました。
 当連結会計年度に実施した主な施策は次のとおりであります。
 
・戦略ビジネスであるファイバーレーザの拡販に向けた新商品の投入(ACIES-AJシリーズ、ML-6811C/ML-6810C)
・省力化ニーズに対応したベンディング自動化商品の拡販
・IoT技術を活用したV-factory「つながる工場」によるモノづくり改革の提唱
・ソリューション提案営業の拠点としての海外テクニカルセンターの新設(タイ・台湾)
・AESAN地域統括本部アマダ・アジア・パシフィック社設立によるASEAN一体化戦略の推進
・国内外での積極的なトレードショーへの出展(JIMTOF、EuroBLECH、Fabtech、CeBIT他)
・米国レーザ発振器メーカーとの提携関係強化による原価低減の推進
 
② 金属工作機械事業
 金属工作機械事業の売上高は48,088百万円(前期比6.6%減)、営業利益は7,607百万円(同1.8%減)となりました。国内で産業機械や電気電子機器向けに研削盤商品の販売が回復し、中国ではプレスの販売が拡大しましたが、アジアでの販売が低調に推移し、円高による為替の影響もあり、減収減益となりました。
 当連結会計年度に実施した主な施策は次のとおりであります。
 
・超硬丸鋸盤の2倍の生産性を実現した新商品バンドソー「HPSAW‐310」の市場投入
・超硬ブレードのラインナップ拡充(AXCELAシリーズ)
・デジタル電動サーボプレス「SDEシリーズGORIKI」による高付加価値成形、高精度加工の提案
・国内外での積極的なトレードショーへの出展(JIMTOF、INTERMOLD、IMTS、MWCS他)
・タイ現地法人の集約による板金、溶接部門と一体となった販売強化及び効率的な事業運営

 

(2) キャッシュ・フローの状況

連結キャッシュ・フローにつきましては、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ23,513百万円減少し76,723百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は前連結会計年度と比較し26,709百万円減少26,023百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が減益だったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は18,005百万円であり、前連結会計年度と比較しますと3,840百万円支出額が減少しております。この主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入の増加によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は27,972百万円であり、前連結会計年度と比較しますと3,136百万円の支出額が増加しました。その主な要因は、短期借入金の返済によるものであります。
 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 金属加工機械事業

158,245

81.5

154,719

82.3

  板金部門

138,426

71.3

133,580

71.1

  溶接部門

19,818

10.2

21,139

11.2

 金属工作機械事業

36,006

18.5

33,273

17.7

  切削部門

24,505

12.6

24,011

12.8

  プレス部門

4,793

2.5

4,032

2.1

  工作機械部門

6,707

3.4

5,230

2.8

合計

194,251

100.0

187,993

100.0

 

 

(2) 受注状況

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

受注高

受注残高

受注高

受注残高

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

 金属加工機械事業

253,272

82.6

42,618

87.4

228,152

82.7

40,466

89.8

  板金部門

229,973

75.0

38,801

79.6

204,252

74.0

36,190

80.3

  溶接部門

23,299

7.6

3,816

7.8

23,900

8.7

4,276

9.5

 金属工作機械事業

51,407

16.8

6,157

12.6

46,439

16.8

4,619

10.2

  切削部門

34,329

11.2

2,682

5.5

31,368

11.4

2,273

5.0

  プレス部門

9,717

3.2

1,862

3.8

8,929

3.2

1,374

3.0

  工作機械部門

7,360

2.4

1,611

3.3

6,140

2.2

971

2.2

 その他

1,722

0.6

6

0.0

1,289

0.5

4

0.0

合計

306,402

100.0

48,782

100.0

275,881

100.0

45,089

100.0

 

 

(3) 販売実績

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

 金属加工機械事業

250,825

82.5

229,492

82.3

  板金部門

228,001

75.0

206,051

73.9

  溶接部門

22,823

7.5

23,441

8.4

 金属工作機械事業

51,470

16.9

48,056

17.2

  切削部門

33,827

11.1

31,888

11.4

  プレス部門

9,919

3.3

9,423

3.4

   工作機械部門

7,724

2.5

6,744

2.4

 その他

1,722

0.6

1,291

0.5

合計

304,018

100.0

278,840

100.0

 

(注) (イ)「生産、受注及び販売の状況」における各項目の金額には、消費税等は含まれておりません。

   (ロ)「生産実績」の金額は販売価格で表示しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは「お客さまとともに発展する」、「事業を通じた国際社会への貢献」、「創造と挑戦を実践する人づくり」、「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」、「人と地球環境を大切にする」という5つの経営理念の下、市場環境の変化とともに急速に多様化するユーザーニーズに迅速・的確に対応し、社内外の経営資源を戦略的・効率的に活用することにより、金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で最高のソリューションを提供し続けることで、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、昨年9月に創業70周年を迎え、次の10年そしてその先の100年企業を見据えた強固な体制構築に取り組むため、2016年度から2020年度までの中期経営計画「Task 321」を策定しております。

「Task 321」で目指すべき3つの水準は次のとおりです。
・売上高30%増加(2020年度 4,000億円)
・経常利益率20%(2020年度 800億円)
・ROE10%

 

(3)中長期的な会社の経営戦略 

この「Task 321」の実現に向けて、積極的な戦略投資を実施し、販売ネットワークの拡大や商品力の強化、新たなビジネスモデルの確立による成長戦略の実行、開発・製造一体となったモノづくり改革の推進やIoTを活用したサプライチェーン・マネジメント(SCM)構築によるさらなる収益性と効率性の向上、バランスシート改革による資本生産性の向上を図っていきます。またコーポレート・ガバナンス体制の強化をはじめ、環境活動や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいきます。
 具体的な施策といたしましては、次のとおりであります。

① 成長戦略の実行(売上高30%増加)
 ・省エネ・高精度加工に対応したファイバーレーザの商品力強化によるレーザビジネスの拡大
 ・省力化ニーズに対応するため、ロボットやソフトウエアの技術を駆使した自動化ビジネスの推進
 ・IoT技術を活用したV-factory「つながる工場」によるモノづくり改革の提唱
 ・蓄積されたノウハウの活用やM&A・アライアンスによる新素材分野をはじめとする新規市場の開拓
 
 ② 強固な収益体質の確立(経常利益率20%)
 ・開発・製造一体となったモノづくり改革の推進によるQCDの追求
 ・製造IoTの構築によりグローバルでの高品質なモノづくりを実現
 ・ビッグデータ解析を活用した予防保全・予知保全によるサービス品質の向上と効率化
 ・ソリューション提案営業拠点を活用した高付加価値なエンジニアリング提案による差別化戦略
 
 ③ 資本の生産性向上による企業価値向上(ROE10%) 
 ・現地生産化の推進によるリードタイム短縮や、地域SCM体制構築による棚卸資産の最適化
 ・販売金融ビジネスの再構築による売掛債権の流動化
 ・収益評価に基づく賃貸不動産、有価証券等のノンコア資産の整理・売却
 

 

④ ESGへの積極的な取り組み
 ・"AMADA GREEN ACTION"に基づく環境に配慮した商品の企画と生産体制の構築
 ・地域社会・文化・教育・スポーツなど幅広い分野での社会貢献活動を通じて、社会に必要とされる会社を
  目指す
 ・高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行うためのコーポレート・ガバナンス体制の構築

 

当社グループといたしましては、以上のような諸施策を着実に推進・実行することにより、中期経営計画「Task 321」を達成することで、強固な体制構築とさらなる企業価値の向上を図るとともに、金属加工機械の世界トップメーカーとしての地位を不動のものとしてまいりたいと存じます。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては少子高齢化による製造現場での後継者問題や技術伝承が課題となっております。また海外におきましては、労働賃金の高騰による省力化への対応や、世界的な課題である環境問題に対応した省エネ・省資源化への取り組みが課題となっております。
 このような状況の中、当社グループは社会と企業が持続的に発展していく経営を目指し、これまで培ってきたエンジニアリング力を最大限に活用し、時代のニーズに合った商品の開発・製造・販売・サービス活動を継続していくことで、社会に必要とされる企業を目指してまいります。
 

① 最適なソリューション提案
 ・省エネ、省資源化に対応したファイバーレーザ商品やサーボモーター搭載商品の積極的な市場投入
 ・長時間連続運転に対応したベンディング自動化ロボットや前後装置による省力化ニーズへの対応
 ・V-factory「つながる工場」により製造現場のIoT化を実現し、モノづくり全体をサポート
 ・板金エンジニアリングシステム「VPSS3i」によりプログラム工程における最適工程と最適プログラムの提案
 
 ② 最適なサプライチェーンの構築
 ・グローバル生産拠点での適地適産体制を構築し、最適なQCDを実現
 ・お客さまの課題に対して、最適な商品や加工技術の提案を実現するエンジニアリング体制の構築
 ・お客さま設備の稼動をサポートするパーツセンターやサービス拠点網の拡充によるサービス体制の強化
 
 ③ 「AMADA GREEN ACTION」に基づく環境保全への取り組み
 ・環境保全に資する商品・サービスの提供により、商品ライフサイクル全体の環境負荷を低減
 ・ゼロエミッション率の向上や自然エネルギーの活用による環境負荷の低いエコ工場の実現
 ・地域社会と協調し、生物多様性を育む社会づくりへの貢献
  
 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。当社グループでは以下のようなリスクを認識し、発生の回避や発生した場合は万全の対応を行い、リスクの最小化に努めます。
 

(1) 経済及び市場環境の動向について

当社グループの販売する製品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外展開について

当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上高に占める海外売上高の比率は、当連結会計年度で52.9%であります。このため、進出国の経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制などの変更により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 価格競争について

当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替相場の変動について

当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで製品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めておりますが、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や製品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 資材調達について

当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の品質について

当社グループは、国際標準化機構(ISO)の認証取得により、品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 環境問題の対応について

当社グループは、独自の環境方針のもと環境保全に資する生産体制の構築や、製品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の製品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 知的財産権について

当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や製品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報セキュリティーについて

当社グループでは、事業活動に必要な顧客情報や個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスや情報漏えいが発生した場合は、当社グループの信頼の低下や損害賠償請求により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や紛争、テロなどについて

当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震や水害等の自然災害や紛争・テロにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 金融市場の変動について

当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、年金資産の期待収益率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材について

当社グループは、製造・開発・販売等に携わる優秀な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、採用や育成に失敗した場合、また優秀な社員が退職または流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、技術部門を中心に国内外の研究開発拠点において、マシン、ソフト、周辺装置等の新商品開発並びに未来志向型の基礎・応用研究を行っております。
 商品開発におきましては、「品質の向上」、「コストの低減」及び「リードタイムの短縮」の追求を基本としており、その推進強化を図るため、開発におけるフロントローディング化を促進しております。さらにすべての開発商品に対し「省エネルギー」、「省資源」、「再資源化」、「使用時の環境への配慮」等の環境に関する項目について、製品アセスメントを行っております。
 当連結会計年度におきましては、市場創造のための技術開発の推進や、市場競争力のある商品の早期市場投入のため、開発の効率化・スピード化を図りながら7,112百万円の研究開発費を投下しました。主な新商品は次のとおりです。

(1) ファイバーレーザ搭載のブランク工程統合ソリューション「ACIES-AJ」シリーズ(金属加工機械事業:板金商品) 

(2) 精密加工・高品質化・安定化を追求したファバーレーザ溶接機「ML-6811C/ML-6810C」(金属加工機械事業:精密溶接商品)

(3) 超硬丸鋸盤の2倍の生産性を実現した新型バンドソー「HPSAW-310」(金属工作機械事業:切削商品)

(4) 冷間鍛造順送加工専用の高剛性タイプ「SDEシリーズGORIKI」(金属工作機械事業:メカニカルプレス)

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ31,833百万円減少し、533,433百万円となりました。

このうち、流動資産につきましては、主に有価証券や受取手形及び売掛金、棚卸資産の減少により、前連結会計年度比40,438百万円減少331,909百万円となり、また固定資産につきましては、建設仮勘定やソフトウェアが増加したことにより、前連結会計年度末比8,605百万円増の201,523百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して32,422百万円減の113,462百万円となりました。

このうち、流動負債につきましては短期借入金の減少などにより、前連結会計年度比21,180百万円減の96,743百万円となり、また固定負債につきましては退職給付に係る負債の減少などにより、前連結会計年度比11,242百万円減16,719百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末比589百万円増加419,970百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の73.6%から78.1%となりました。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度の営業成績につきましては、受注高275,881百万円(前期比10.0%減)、売上高278,840百万円(同8.3%減)とそれぞれ前期を上回りました。
 損益面におきましては、減収と円高の影響などにより、営業利益33,030百万円(前期比22.3%減)、経常利益34,307百万円(同20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益25,894百万円(同5.6%減)といずれも減益となりました。

 

(イ)主な事業別営業の概況

事業別売上高の状況は下表のとおり、金属加工機械事業は8.5%減、金属工作機械事業は6.6%減となりました。


 (事業別売上高の状況)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率
(%)

売 上 高
(百万円)

構成比
(%)

売 上 高
(百万円)

構成比
(%)

 

 

 

 

 

 

金属加工機械事業

250,825

82.5

229,492

82.3

△8.5

 (板金部門)

(228,001)

(75.0)

(206,051)

(73.9)

(△9.6)

 (溶接部門)

(22,823)

(7.5)

(23,441)

(8.4)

(2.7)

金属工作機械事業

51,470

16.9

48,056

17.2

△6.6

 (切削部門)

(33,827)

(11.1)

(31,888)

(11.4)

(△5.7)

 (プレス部門)

(9,919)

(3.3)

(9,423)

(3.4)

(△5.0)

  (工作機械部門)

(7,724)

(2.5)

(6,744)

(2.4)

(△12.7)

その他(注)

1,722

0.6

1,291

0.5

△25.0

合   計

304,018

100.0

278,840

100.0

△8.3

 

        (注)その他は、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業及びカーリース等であります。

 

 ① 金属加工機械事業

当事業は、レーザマシン、パンチプレス、プレスブレーキ等の板金市場向け商品群の分野である板金部門と、精密レーザ機器・抵抗溶接機器等の商品群の分野である溶接部門とで構成されており、板金部門は株式会社アマダ(連結子会社)及び株式会社アマダエンジニアリング(連結子会社)が、溶接部門は株式会社アマダミヤチ(連結子会社)が主な事業会社であります。

なお、当連結会計年度に実施した施策の主なものは、前記「1 業績等の概要 (1)業績」の報告セグメント別の主な施策に記載のとおりであります。

 

 ② 金属工作機械事業

当事業は、金切帯鋸盤をはじめとした切削市場向け商品群の分野である切削部門と、メカニカルプレスを中心としたプレス市場向け商品群の分野であるプレス部門、さらに研削盤等の金属工作機械商品群の分野である工作機械部門で構成されており、主たる事業会社は株式会社アマダマシンツールであります。
 なお、当連結会計年度に実施した施策の主なものは、前記「1 業績等の概要 (1)業績」の報告セグメント別の主な施策に記載のとおりであります。
 

(ロ)主な地域別営業の概況

地域別売上高の状況は、下表のとおりであります。国内外の別では日本6.1%減、海外10.1%減となりました。
  海外の地域別では、北米は9.5%減、欧州は7.6%減、アジア他では13.3%減となりました。
 海外売上高比率に関しましては、前連結会計年度の54.0%から52.9%となりました。

(地域別売上高の状況)

地   域

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率
(%)

売 上 高
(百万円)

構成比
(%)

売 上 高
(百万円)

構成比
(%)

 

 

 

 

 

 

日   本

139,762

46.0

131,203

47.1

△6.1

海   外

164,256

54.0

147,637

52.9

△10.1

(北米)

(57,235)

(18.8)

(51,810)

(18.6)

(△9.5)

(欧州)

(53,232)

(17.5)

(49,205)

(17.6)

(△7.6)

(アジア他)

(53,788)

(17.7)

(46,621)

(16.7)

(△13.3)

合   計

304,018

100.0

278,840

100.0

△8.3

 

(注)本表の地域別売上高は、顧客の所在地別の売上高であります。

 

① 日本

日本では、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復に向かったものの、英国のEU離脱や米国の大統領選挙等の影響により、為替相場や株式相場が不安定に推移しました。そのような中、当社グループでは工作機械部門が産業機械や電気電子機器向けに回復し、切削部門や溶接部門では概ね前期並みに推移しました。一方で主力の板金部門では、前年度に実施された省エネ補助金による需要増の反動減で販売が減少し、売上高は131,203百万円(前期比6.1%減)となりました。

 

② 北米

北米では、米国の大統領選挙の様子見などがありましたが、雇用や所得環境の改善を背景に堅調に推移しました。そのような中、当社グループでは、米国が堅調に推移し、カナダも回復したことから現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替が円高に推移した影響により、売上高は51,810百万円(前期比9.5%減)となりました。 

 

 

③ 欧州

欧州では、英国のEU離脱問題の影響はありましたが、緩やかな回復基調で推移しました。そのような中、当社グループでは、英国が減速したものの、ドイツやイタリアが堅調に推移したため現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替が円高に推移した影響により、売上高は49,205百万円(同7.6%減)となりました。

 

④ アジア他

アジア及びその他の地域では、中国が各種政策により景気減速に底打ち感がみられましたが、資源国では引き続き低調に推移しました。そのような中、当社グループでは、タイにテクニカルセンターを新設したASEANやインドで拡大しましたが、南米や中東などの資源国の回復が遅れたため、売上高は46,621百万円(同13.3%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  1 業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
 

 なお、連結キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

 

第75期

第76期

第77期

第78期

第79期

自己資本比率(%)

77.1

74.9

73.8

73.6

78.1

時価ベースの自己資本比率(%)

48.5

50.2

75.3

71.0

87.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

652.5

127.8

156.7

64.7

67.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

17.2

73.2

85.3

180.0

170.1

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 * 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 * 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。

* 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。