文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
当グループは、以下の企業理念を掲げております。
オークマは、総合一貫した“ものづくりサービス”を通して、世界中のお客様の価値創造に貢献することで、オークマと共に歩むすべての人々の幸せを実現します。
当グループは、「お客様第一主義」を基本として、品質、信頼性に基軸を置き、世界中のお客様のニーズに応える製品・技術・サービスを提供していくことにより、収益力及び財務体質の強化を図ります。売上高営業利益率を主な経営指標とし、今後も需要変動に左右されない強固な企業体質の構築に努めてまいります。
そして、中長期的な経営戦略は以下の3点であります。
・差別化技術・製品を基軸に、世界のものづくりの高度化に貢献する“ものづくりサービス”を提供し、利益ある成長を進める。
・お客様の多様なニーズにきめ細かく対応するため、多品種少量でも量産並みの高効率で生産するスマートファクトリーを構築する。また、スマートファクトリー構築のノウハウをものづくりサービスとしてお客様に提供する。
・人材育成、熟練技術・技能の伝承、原価管理体制の強化、資産効率の向上等により、事業基盤を強化する。
このように、当グループは、企業価値を高めるため以上3点を経営の基本戦略として、世界中のお客様の生産性向上に繋がる付加価値の高い製品・技術・サービスを提供することにより、強固な企業体質を構築し、「世界最高のものづくりサービス企業」として、永続的に成長してまいります。
今後の世界経済の見通しにつきましては、保護貿易主義の拡大や金融市場の変動リスク等はありますが、世界同時好況と言える状況が続くと見られております。世界的な生産高度化の潮流により、工作機械の需要も好調が続くと予想されます。
北米市場では、自動車や航空機関連等の好調業種の設備投資は継続し、オイル・ガス掘削関連からの需要も発現してきています。そして、大型減税の効果により更に需要が拡大することも予想されます。欧州市場も自動車や航空機関連等を中心に需要の拡大が見込まれます。中国市場は、政府が進める「中国製造2025」の取り組みや、人件費上昇に伴い自動化・無人化ニーズが高まっており、高付加価値マシンの需要は今後も拡大すると予想されます。
国内市場では、半導体製造装置、ロボット、減速機等の好調業種からの旺盛な需要が続くと思われます。また良好な経済の中で生産性向上と労働力不足問題に対応するため、大手・中堅のみならず中小企業においても老朽設備の更新や自動化・無人化対応の投資が進むと予想されます。
このような経営環境の下、当グループは知能化技術を搭載したスマートマシンの提供と、IoTを活用した高度なソリューションの提供により、総合ものづくりサービス企業を目指してまいります。
販売戦略におきましては、国内外で開催される展示会に積極的に参加し、オークマブランドの浸透と拡販を図ってまいります。また、中国及び韓国、インドに新たなテクニカルセンターを建設し、技術提案の推進、アフターサービスの充実を図り、新規顧客開拓を進めます。
技術戦略におきましては、5軸制御マシニングセンタやレーザ応用超複合加工機、新基軸の量産加工対応機等の開発を強化してまいります。また、昨年から販売を開始しましたIoTソリューション「Connect Plan」やアプリケーションソフトを充実させ、高度なスマートマニュファクチャリングの提案を推進してまいります。
製造戦略におきましては、最新のスマートファクトリーDS1(Dream Site1)とDS2(Dream Site2)で高効率生産を加速してまいります。そして、部品加工から組立まで一つの工場内で行う一貫生産体制を全工場で展開してまいります。なお現在、可児工場に新たなスマートファクトリーの建設計画を進めております。
これらの取り組みにより、当グループの成長戦略を強力に進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、平成30年3月末日現在で当グループが判断したものであります。
工作機械の需要は、主要消費地域(日本、米州、欧州、中国を含むアジア)の経済状況と同地域における設備投資需要の変動に左右されます。特に、当グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度において56.9%、前連結会計年度においても54.6%といずれも高い比率となっており、海外消費地域の経済状況の悪化により需要が低下した場合は、当グループの業績への影響が懸念されます。
当グループは、中国及び台湾の子会社にて工作機械を製造しており、米州、欧州及びアジア・パシフィック地域の子会社を通じて製品の販売及びアフターサービスの提供をしておりますが、これらの国または地域において、政情の悪化、予期せぬ法律・規制の変更等があった場合は、当グループの業績への影響が懸念されます。
また、グループ会社間の取引価格に関しては、適用される日本及び相手国の移転価格税制を順守するよう細心の注意を払っておりますが、税務当局から取引価格が不適切であるなどの指摘を受ける可能性があります。さらに政府間協議が不調となるなどの場合、結果として二重課税や追加課税を受ける可能性があります。これらの事態が発生した場合は、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当グループはグローバルに販売及び生産活動を展開しているため、外貨建て商取引及び投資活動等は為替変動の影響を受けます。また、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化に努めておりますが、金利上昇は支払利息の増加を招き、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当グループは、為替変動及び金利の変動リスクを回避すべく、輸出地域の分散、社内管理規定に従ったヘッジ取引等を実施しておりますが、その影響を完全に回避できるとは限りません。また、当社は、取引先企業や金融機関等の株式を保有しており、株価が大幅に下落した場合は投資有価証券評価損が発生し、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社が複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約には、財務制限条項が定められており、条項に抵触した場合は、借入金利の上昇等により、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、事業環境の大幅な変動が生じた場合や土地等の固定資産価格が下落した場合には減損損失が発生し、当グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
工作機械の主要原材料として使われる鋳物・鋼材などは、原油価格の動向、国際的な需給の状況などにより価格が変動し、コストアップ要因となる場合があります。このコストアップに対しては、コストダウン推進や製品価格への転嫁によってカバーする方針でありますが、さらなる価格の高騰が続いた場合には、当グループの業績への影響が懸念されます。
当グループは製造、販売及びサービス拠点をグローバルに展開しているため、予測不可能な自然災害、コンピュータウィルス、テロといった多くの事象によって引き起こされる災害に影響を受ける可能性があります。
特に、当グループの本社機能及び主要な製造拠点があります愛知・岐阜両県は、東海大地震の防災強化地域であり、ひとたび大きな地震が発生した場合には、大きな損害が発生し、当グループの業績への甚大な影響が懸念されます。当グループといたしましては、建物等の耐震工事、防災訓練の実施及び従業員への啓蒙などの地震対策を逐次実施しており、リスクの極小化に努めております。
自然災害等によって調達先の生産が滞ることや、製造業の繁忙に伴い、工作機械の構成部品やユニットの調達難が生じ、安定した生産が阻害される可能性があります。調達部品の確保のために、調達難の要因となる事象の監視と対応、代替手段の確保等により、リスクの極小化に努めております。
原子力発電所の停止等により電力供給不足に陥った場合、節電対応により、安定した生産が阻害される可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期の世界各国の経済は緩やかながらも拡大基調で推移いたしました。米国経済は好調を維持し、欧州は適温経済が続きました。中国経済は安定成長が続き、アジア新興国の経済も緩やかに成長いたしました。我が国経済も海外経済の成長と為替の安定により好調に推移いたしました。
工作機械の需要動向につきましては、北米市場は自動車や航空機関連などにおいて非常に好調な受注が続きました。欧州市場は好調な輸出を背景に自動車や一般機械等の業種で設備投資が拡大いたしました。中国市場は電気・精密分野から高水準の需要が発現するとともに、自動車やロボット、建設機械等、幅広い業種で需要が急拡大いたしました。
日本市場では、自動車や半導体製造装置、ロボット、減速機、建設機械、油圧機器等、幅広い産業で積極的な設備投資が進みました。
このような経済情勢の下、当グループは付加価値の高い製品・サービスの提供と、生産性向上につながるIoTソリューションの提案を進め、受注・売上・収益の拡大に努めました。
販売戦略におきましては、世界各地の展示会に積極的に出展し、オークマブランドの浸透と拡販に努めました。ロシア最大の産業総合博覧会である「INNOPROM 2017」やタイの「METALEX 2017」など、新興国市場の展示会にも参加し、最新のスマートマシンとスマートマニュファクチャリング技術を積極的にPRいたしました。
そして、アジア市場で販売・サービス拠点の拡充を進めました。中国で2つ目のテクニカルセンターとなる広州テクニカルセンターを開設、また韓国にはOkuma Korea Corporationを設立し、顧客開拓を進めました。
国内では、本社工場で開催いたしました「創業120周年記念オークママシンフェア」の他、国内各拠点でマシンフェアを開催し、受注拡大を図りました。
技術戦略におきましては、世界的に高まる複合加工、5軸加工のニーズに対応した製品の拡充を図りました。省スペースで高い加工能力を持ち、また幅広い加工ニーズに対応するインテリジェント複合加工機「MULTUS B250Ⅱ」と、欧米市場でニーズの強い5軸制御立形マシニングセンタ「GENOS M460V-5AX」を開発いたしました。また、新開発の5軸制御立形マシニングセンタ「MU-S600V」は機内に搬送機能を内蔵し、多品種少量生産から量産加工まで対応可能な新基軸のスマートマシンであり、日刊工業新聞社主催の「第60回(2017年)十大新製品賞本賞」を受賞いたしました。2003年以来、過去15年間で14回の十大新製品賞の受賞となり、当社の技術力について高い評価を得てきています。
製造戦略につきましては、オークマスマートファクトリーの第2弾となるDS2(Dream Site2)の本稼働を開始いたしました。DS2では最新のスマートマシンとロボットや無人搬送装置等の自動化設備を駆使して高度な自動化・無人化を図るとともに、IoTを活用して工場全体の生産最適化を実現しております。また、新生産管理システムの導入と、全ての部品に識別タグ(RFID)を装着し、正確な所在管理と俊敏な作業指示を行う新工程管理システムを導入し、生産性向上を図りました。
なお、国内製造業の繁忙に伴い、一部の部材調達で遅れが続きました。当社は調達先の拡充や調達先との連携強化により部材確保に努め、顧客との約束納期の遵守に大注力いたしました。
これらの事業戦略を確実に実行してまいりました結果、当期の連結受注額は2,071億38百万円(前期比32.0%増)、連結売上高は1,821億30百万円(前期比12.0%増)、営業利益は224億93百万円(前期比44.6%増)、経常利益は225億83百万円(前期比41.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は142億26百万円(前期比38.9%増)となりました。
資産は、前連結会計年度末と比較して234億41百万円増加し、2,345億58百万円となりました。主な要因は、「現金及び預金」の増加131億39百万円、「投資有価証券」の増加52億11百万円、及び「受取手形及び売掛金」の増加31億70百万円などによるものであります。また、負債は前連結会計年度末と比較して、76億92百万円増加いたしました。主な要因は、「支払手形及び買掛金」の増加37億42百万円、及び「未払法人税等」の増加37億20百万円などによるものであります。純資産は、「利益剰余金」の増加114億55百万円、及び「その他有価証券評価差額金」の増加31億51百万円などにより、157億49百万円の増加となりました。この結果、当連結会計期間末の自己資本比率は65.8%となりました。
次に、セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 日本
日本経済は、海外経済の成長と為替の安定により好調に推移いたしました。工作機械需要は、自動車や半導体製造装置、ロボット、減速機、建設機械、油圧機器等、幅広い産業で積極的な設備投資が進みました。
業績につきましては、売上高は1,526億13百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。損益面では、DS2(Dream Site 2)部品工場の本格稼働、新生産管理システム、新工程管理システムの導入による生産効率向上、海外調達拡大によるコストダウン等を推進し、営業利益は164億59百万円(前連結会計年度比24.3%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して203億1百万円増加し、1,958億39百万円となりました。
② 米州
米国経済は、好調を維持しました。工作機械需要は、自動車や航空機関連などにおいて非常に好調な受注が続きました。
業績につきましては、売上高は479億31百万円(前連結会計年度比15.3%増)、営業利益は27億65百万円(前連結会計年度比121.3%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して42億96百万円増加し、376億30百万円となりました。
③ 欧州
欧州経済は、適温経済が続きました。工作機械需要は、好調な輸出を背景に自動車や一般機械等の業種で設備投資が拡大いたしました。
業績につきましては、売上高は270億45百万円(前連結会計年度比22.5%増)、営業利益は8億30百万円(前連結会計年度比61.0倍)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して6億47百万円増加し、179億68百万円となりました。
④ アジア・パシフィック
中国経済は安定成長が続き、アジア新興国の経済も緩やかに成長いたしました。中国の工作機械需要は電気・精密分野から高水準の需要が発現するとともに、自動車やロボット、建設機械等、幅広い業種で需要が急拡大いたしました。
業績につきましては、売上高は215億40百万円(前連結会計年度比18.5%増)、営業利益は19億4百万円(前連結会計年度比31.0%増)となりました。
セグメント資産につきましては、前連結会計年度末と比較して31億17百万円増加し、235億93百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比較して110億2百万円増加し、593億71百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、298億27百万円の収入となりました(前年同期は99億28百万円の収入)。主な資金の増加項目としては、税金等調整前当期純利益225億83百万円、及び仕入債務の増加額63億12百万円などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、124億41百万円の支出となりました(前年同期は96億33百万円の支出)。主な資金の減少項目としては、有形固定資産の取得による支出78億75百万円、定期預金の純増額19億87百万円、及び無形固定資産の取得による支出15億92百万円などであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、61億35百万円の支出となりました(前年同期は12億64百万円の支出)。主な資金の減少項目は、配当金の支払額28億87百万円、短期借入金の純減額25億94百万円、及びリース債務の返済による支出5億56百万円などであります。
(3) 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における当グループの連結生産実績は、1,880億3百万円(前年同期比15.6%増)であります。なお、日本での生産高が90%以上であるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
|
日本 |
108,345 |
23.6 |
40,353 |
53.7 |
|
米州 |
52,217 |
32.6 |
14,647 |
41.9 |
|
欧州 |
32,080 |
57.6 |
12,789 |
67.7 |
|
アジア・パシフィック |
14,496 |
51.5 |
3,999 |
55.3 |
|
合計 |
207,138 |
32.0 |
71,790 |
53.5 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高 |
前年同期比 |
|
日本 |
94,252 |
4.8 |
|
米州 |
47,889 |
15.3 |
|
欧州 |
26,918 |
22.4 |
|
アジア・パシフィック |
13,071 |
41.9 |
|
合計 |
182,130 |
12.0 |
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 主要な販売先については、総販売実績の100分の10以上を占める販売先がないため、記載を省略しておりま
す。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当グループは、過去の実績、または各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。
以下、当グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
① 貸倒引当金
当グループは、貸倒れによる損失に備えるため、連結会社間の債権債務を相殺消去した期末の金銭債権に対し、一般債権につきましては貸倒実績率により、また貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して貸倒見積り額を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
② たな卸資産
当グループは、たな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づく時価の見積り額と原価との差額に相当する陳腐化の見積り額について、評価損を計上しております。将来需要または市場状況が当グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産のうち、将来において回収が見込めない部分については評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りに依拠します。将来の課税所得が、経済環境の変化や収益性の低下により予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。
④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当グループは、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
⑤ 投資有価証券の減損
当グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。時価のある有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。時価のない有価証券につきましては、その有価証券の発行会社の1株当たり純資産額が、取得価額を50%程度以上下回った場合に回復可能性がないものとして判断し、30%以上50%未満下落の場合には、当該有価証券の発行会社の財務状況及び将来の展望などを総合的に勘案して回復可能性を判断しております。
将来の時価の下落または投資先の業績不振や財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑥ 固定資産の減損
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フローについて見積りを行っております。当グループは将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、予測不能な事業上の仮定の変化による将来キャッシュ・フローの見積りの変化が、固定資産の評価に影響する可能性があります。
当グループは、持続的な「利益ある成長」をすべく、収益性、効率性を高めていく考えで事業戦略を進めております。併せて、中長期的な視点で「利益ある成長」を続けるために、財務の健全性を維持し、企業価値の向上に繋げてまいりたいと考えております。このため、営業利益率を重要な指標として位置付けております。
なお、当連結会計年度における経営成績等の状況は以下の通りであります。
① 売上高
当グループは、オークマブランドの強化・浸透、生産性向上に結び付くソリューションの提案等、顧客拡大に向けた諸施策を進め、受注・売上高の拡大を図ってまいりました。
その結果、売上高は1,821億30百万円(前連結会計年度比12.0%増)となりました。
② 営業利益
生産効率向上、コストダウン施策に注力し、収益力の強化を進め、営業利益は224億93百万円(前連結会計年度比44.6%増)となり、営業利益率は、前連結会計年度に比較して2.8%増加の12.4%となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比較して1.7%増加の31.3%となり、販売費及び一般管理費の対売上高比率は、前連結会計年度に比較して1.0%減少の19.0%となりました。
③ 経常利益
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は89百万円の利益となりました。そのうち、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた金融収支は7億61百万円の利益となりました。また、その他の営業外収益として、受取地代家賃1億69百万円、その他の営業外費用として、寄付金3億78百万円等を計上し、経常利益は225億83百万円(前連結会計年度比41.5%増)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は225億83百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は142億26百万円(前連結会計年度比38.9%増)となりました。
当グループの運転資金需要のうち主なものは、部材の購入費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金調達は、将来の資金需要、資本コスト、資本構成等を総合的に勘案し、手元流動性資金の活用、金融市場からの調達も視野に入れ、最適な資金調達方法を選択しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は114億60百万円となってります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、593億71百万円となっております。
平成30年度の重要な資本的支出として、可児工場の新工場建設及び加工用設備機械の投資の一部を支出する予定であります。その資金の調達源は、全額自己資金の予定であります。
該当事項はありません。
当グループでは、基礎及び応用研究、そして、これらの研究により裏付けされた新製品の開発までの一連の研究開発活動を、当社の技術本部及びFAシステム本部を中心として行っております。当連結会計年度は、研究開発費として39億28百万円を支出いたしました。
研究開発活動の概要は、次のとおりであります。
グローバルに広がる情報活用を背景に拡大し続ける半導体産業、先進国・新興国ともに需要が広がる自動車産業、そして安定した成長を続ける航空機産業、並びに広範囲に亘る国内製造業の設備投資意欲が旺盛な状況が継続しています。2017年の日本の業界受注額は、1兆6,455億円と10年ぶりに過去最高額を更新いたしました。
このような市場において、製品競争力を一層高めていくためには、生産性の向上に貢献し、高付加価値加工・高精度加工が安定して実現でき、かつ、環境・エネルギーに配慮したスマートファクトリーに対応できる自律型工作機械「スマートマシン」の開発が必要となります。当グループは、このような市場要求に対して業界唯一の、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合技術を持つ強みを活かし、「高精度生産性」の追及と「省エネルギー」に貢献するオンリーワン技術・商品の開発を行っております。
当グループは、これまでにお客様の加工能率最大を支援する「加工ナビ」、安定した高精度加工が誰にでも実現できる「サーモフレンドリーコンセプト」、衝突を気にせず誰でも熟練の操作が実現できる「ぶつからない機械(アンチクラッシュシステム)」、5軸制御加工機の幾何誤差を自動計測・補正する「ファイブチューニング」高精度・安定動作を長期間維持する「サーボナビ」等の知能化技術を開発いたしました。
航空・宇宙、エネルギー、自動車、半導体、一般機械等幅広い業界で、部品の高精度化・軽量化を目的として複数部品の一体化が加速し、複雑形状化が進んでおります。そのため加工の工程集約のニーズが一層高まり、1回の段取りであらゆる加工ができる5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要がグローバルに増加しております。また、IoTを具現化するスマートファクトリーでは部品の流れが重要となり、さらなる工程集約やスループットを高める工作機械が求められております。
こうした需要に対して当グループは、ミーリング、旋削、研削加工に加え、レーザ加工技術を融合し、金属積層造形加工を対応可能にした「LASER EX」シリーズを開発いたしました。この金属積層技術は、複雑形状や難削材など切削による除去加工で時間がかかる部品を効率的に製作することが可能となるだけでなく、異種金属への積層が可能となるため、工具費、ランニングコスト、部品点数の削減にも貢献いたします。また、レーザ技術の応用により、焼入れ工程も集約することが可能となり、短時間かつ歪みの少ない焼入れ処理を実現し、スループットも向上させました。
5軸制御マシニングセンタでは、従来の概念を変える省スペースでコンパクトな「MU-S600V」を開発いたしました。単体での使い易さ・生産性と、2台以上の機械を連結した自動化ラインでは、テーブルがロボット機能を発揮する事で、機台間の搬送レスでのライン構成を可能としました。このラインでは、工程間で加工物が機外に出ることが無いため、切削液や切粉の飛散が無いクリーンな工場の実現を可能としました。多品種少量生産から量産部品加工までを1種類の機械で自在にこなす全く新しいコンセプトの機械で、製品ライフサイクルでの生産量の変化に合わせて、1台から複数台の連結に自在に組替を可能としました。この「MU-S600V」は、「2017年度十大新製品賞 本賞」(日刊工業新聞社主催)を受賞いたしました。
旋盤では、自動車部品に代表される量産加工に対応する並行2主軸タイプの「2SP-2500H」を開発いたしました。機械サイズのコンパクト化、ミーリング加工能力強化による面積生産性の向上と共に、工作物の交換時間を短縮する新開発の高速ローダを搭載し、スループットの向上を実現いたしました。更に、プレミアムエコプロダクトである GENOS Lシリーズの性能、メンテナンス性の向上を図り、全14機種の一斉モデルチェンジをいたしました。
当グループは今後とも、お客様の利益の最大化に向けて「高精度生産性」を追求し、また、お客様が求める「ソリューション(課題解決や付加価値向上のための提案)」を機械に組込むことにより、新しい差別化・成長製品の創出を目指してまいります。機械技術、加工技術、制御・ITの技術基盤をベースに、トータルレスポンシビリティの強みをさらに拡げて「最高のものづくりサービス」を提供してまいります。
この戦略は、当グループならではの強みであり、他社が容易に真似できない差別化戦略であります。オンリーワン技術・商品を間断なく開発し、その業界、対象ワークでグローバルに競争力をもつ生産手段を提供し、お客様の利益を創出し続けることにより、世界の工作機械のエクセレントカンパニーを目指してまいります。
当グループは、1963年(昭和38年)に自社製NC「OSP」の開発に成功して以来、機械とNC装置を一体でサポートする「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、現在では、機・電・情・知(機械・電気・情報・知識創造)の融合をコンセプトとして、お客様のものづくりを支えるソリューションを提供する先進技術と機能の開発を続けております。近年、グローバル競争が激化する中、ものづくり産業における生産革新、スマート化の流れが進展しております。こうしたスマートなものづくりを支えるのが、スマートマシンであり、スマートマニュファクチャリング(スマートなものづくりの仕組み)であります。
当連結会計年度における研究開発活動としては、高精度・高品質・高効率・安定加工を可能とするスマートマシンの制御技術開発、そしてスマートマシン及びスマートマニュファクチャリングの中核であるものづくりコントローラ「OSP suite」の開発強化、さらに自社工場DS1,DS2(Dream Site1,2)にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングの研究成果を活かして、お客様の工場のスマート化をサポートする製品・ソリューション開発を進めてまいりました。
1) スマートマシンの制御技術開発
高速で高精度かつ高品位で安定加工への要求に応えるため、スマートマシンの制御技術開発及び診断機能開発を強化してまいりました。
1-1) 新高速・高品位加工機能「Hyper-Surface」
近年、金型加工に対する要求はより高度なものとなっており、特に機械加工後に手作業で行われる磨き作業を短縮するために、加工面品位の向上に対する要求が高まっております。この加工面品位向上への要求に応えるため、曲面を認識して、エッジ部の形状精度を保ちながら滑らかに加工を可能とする「Hyper-Surface(ハイパー・サーフェス)」を開発いたしました。
「Hyper-Surface」は、加工パスの揺らぎを指令レベルで抑制する「指令位置平滑化機能」「送り速度平滑化機能」と、隣り合う加工パスのズレや不揃いを抑制する「隣接パス補整機能」を備えておりますので、加工面品位を大幅に向上させることができます。
1-2) 加工面品位向上機能「サーボナビ たわみ自動調整」
機械駆動系の経時変化に対する送り軸の追従性を維持する「サーボナビSF たわみ自動調整」を開発いたしました。機械を長期間使用しますと、送り軸駆動系のたわみ量が変化し、加減速時に追従遅れが発生し、加工面品位の劣化を招くことがあります。本機能は、駆動系の変化で発生する追従遅れを、サーボパラメータを自動学習で調整しサーボ制御で補正しますので、機械性能を最大限に引き出すことができ、高品位な加工で生産性向上に寄与いたします。
1-3)AI機械診断機能「OSP-AI」
高い生産性を維持するためには、生産設備の安定稼動と異常発生時のダウンタイム最小化が重要となります。AI機械診断機能は、当グループで培ってきた機械基礎特性の高度な知見と、ディープラーニングによるAI技術を融合し、世界で初めて工作機械用CNC装置にAI機能を内蔵いたしました。この診断機能により、ボールねじ、ボールねじ支持軸受の状態を見える化することで保全活動を支援いたします。
さらに、お客様の機械からAI診断結果を収集し、オークマクラウド上で機械学習を行う事により、AI診断精度を向上させるサービスも開始いたしました。
2) ものづくりコントローラ「OSP suite」の強化
ものづくりの情報化・ネットワーク化への要求に応えるため、開発強化を加速してまいりました。
2-1) 新suiteアプリ「3D-STEPビューア」「工程表作成」「工具寿命予測」
suiteアプリは、機械オペレータの1日の作業(機械点検、加工プログラム準備、段取り、加工、終了)を支援する事で生産効率向上を目指して開発してまいりました。今後はCAD/CAM、MES(製造実行システム)との連携を強化し、工場全体のスマート化を支援してまいります。
CAD/CAM連携を強化する新suiteアプリとして「3D-STEPビューア」「工程表作成」、MES連携を強化する新suiteアプリとして「工具寿命予測」を開発いたしました。「3D-STEPビューア」は、CADで作成した3D形状をOSPの画面で直接確認することで、機械オペレータが直感的に形状を認識し、思い込みによるミスを防止いたします。「工程表作成」は、加工で使用した工具毎の工具情報、切削条件、加工時間を記憶して工程表として作成する事で、加工実績を保管し改善結果の確認やノウハウの共有を支援いたします。「工具寿命予測」は加工途中での工具寿命アラームによる加工中断を防止し、機械停止時間の削減を支援いたします。
2-2) オペレータ認証機能
機械オペレータのレベルに応じて操作制限を設ける機能を開発いたしました。加工現場に様々なレベルの機械オペレータが混在する場合、レベルに応じて機械操作に制限を設ける事で、安心して機械操作を委ねる事が可能になります。管理者が機械オペレータ毎に可能な操作とパスワードを設定し、機械オペレータが自身のパスワードでログインする事で、操作制限が設定されます。
3) オークマスマートファクトリーの開発
ドイツの「Industrie4.0」や米国の「Industrial Internet」など、国を挙げて次世代のものづくりを推進するなか、当社は、自社工場DS1,DS2にて実証を進めてきたスマートマニュファクチャリングを機械の稼働状況を見える化する「Connect Plan」として、お客様へ導入しております。
「Connect Plan」は、IoTをスモールスタートで始めたいお客様向けのプランです。機械の稼働状況、実績を見える化し、さらに機械の停止理由分析にAIを活用して細分化するAI稼働分析機能により、時間を要する機械停止理由の原因分析の自動化と具体的改善項目を見える化する事で、カイゼンサイクルを促して稼働率向上を支援いたします。
さらに部品加工工場の生産計画、生産進捗を見える化する事で、工場内での不慮のトラブルや頻繁な需要の変動、多品種少量・初品の短納期対応など市場・需要の変化に柔軟に対応できる生産の構築を支援してまいります。
また、「Okuma App ストア」を立上げ、お客様のニーズにフィットするアプリ等のダウンロードサービス、加工プログラム作成代行サービス、ウィルス対策ファイルやAI機械診断機能の最新ファイル配信サービス、リモート診断サービスを開始いたしました。お客様と密着したサービスで、お客様のモノづくり全般をサポートしてまいります。
当グループでは、半世紀に渡る自社製NC開発の基本理念を今後も継承するとともに、オークマの強みである機・電・情・知融合のコンセプトを基盤として、先進のサーボ技術、先進の情報技術、オンリーワンの知能化技術の開発と強化を進め、自社製NCとIT製品のさらなる進化を促進し、「総合一貫した“ものづくりサービス”」を通じて世界中のお客様の価値創造に貢献できるように推進してまいります。