第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度の日本経済は、経済政策への期待感や金融緩和策の効果等から、円安・株高が進行する中、個人消費・企業収益が改善し、景気が緩やかに回復しました。世界経済も、中国・インド等新興国の成長に減速感がみられたものの、米国経済が底堅く推移し、欧州経済も持ち直しの動きがみられるなど、全体としては緩やかな回復となりました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、海外を中心にワイヤーハーネスの需要が引き続き堅調で、電力ケーブル、巻線、電気工事や電力用機器等の環境エネルギー関連事業、自動車用の超硬工具ほか産業素材関連事業の需要も堅調に推移した結果、当連結会計年度の連結決算は、売上高が2,568,779百万円(前連結会計年度2,159,942百万円、18.9%増)と前連結会計年度比で増収となりました。また、営業利益も、減価償却費及び研究開発費が先行投資に伴い増加しましたものの、円安の効果やコスト低減ほかにより、120,058百万円(前連結会計年度76,790百万円、56.3%増)、経常利益は145,354百万円(前連結会計年度94,116百万円、54.4%増)、当期純利益は66,748百万円(前連結会計年度37,955百万円、75.9%増)と、それぞれ前連結会計年度に比べ増益となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

自動車関連事業

ワイヤーハーネスは北米・アジア等海外が好調で、円安効果・コスト低減もあり増収増益、事業買収により連結範囲が拡大した東海ゴム工業㈱も増収増益となり、売上高は1,351,049百万円と279,881百万円(26.1%)の増収、営業利益も18,665百万円増益の71,781百万円となりました。売上高営業利益率は5.3%と0.3ポイント上昇しました。

 

情報通信関連事業

アクセス系ネットワーク機器が売上数量減及び円安による海外調達部品等のコストアップにより減収減益となりましたが、光・電子デバイスで100Gbpsの新製品などが寄与、また、円安・コスト低減による効果もあり、売上高は164,893百万円と9,761百万円(6.3%)の増収、営業利益は1,155百万円の損失と、依然として赤字となりましたが、9,100百万円の赤字圧縮となりました。

 

エレクトロニクス関連事業

FPC(フレキシブルプリント回路)は携帯機器用、電子ワイヤーは自動車用電線やプリンタ・ゲーム機用テープ電線等の需要が増加したことから、売上高は45,053百万円(20.7%)増収の262,624百万円となりました。営業利益は、円安効果とコスト低減が奏功し、5,327百万円増益の5,332百万円となりました。売上高営業利益率は2.0%と2.0ポイント上昇しました。

 

環境エネルギー関連事業

銅価が上昇したことに加え、銅荒引線や巻線の需要が引き続き堅調に推移し、住友電設㈱で電気工事、日新電機㈱で高精細・中小型FPD(フラットパネルディスプレイ)製造用イオン注入装置、太陽光発電用パワーコンディショナの需要が増加したことから、売上高は564,157百万円と52,975百万円(10.4%)の増収、営業利益も24,134百万円と5,050百万円の増益となりました。売上高営業利益率は4.3%と0.6ポイント上昇しました。なお、工事・プラント受注高は285,498百万円と、前連結会計年度比19,026百万円(7.1%)増加しました。

なお、当連結会計年度より、セグメントの名称を「電線・機材・エネルギー関連事業」から「環境エネル  ギー関連事業」に変更しております。

 

産業素材関連事業他

自動車用の超硬工具、焼結部品等の需要が堅調で、円安の効果もあり、売上高は30,775百万円(11.3%)増収の303,299百万円となり、営業利益につきましても、20,509百万円と5,409百万円の増益となりました。売上高営業利益率は6.8%と1.3ポイント上昇しました。

 

なお、セグメント利益又は損失は連結損益計算書の営業利益に対応しております。

(2) キャッシュ・フロー

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より16,414百万円減少し、160,129百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は、147,705百万円(前連結会計年度比22,856百万円の収入増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益123,833百万円や減価償却費110,441百万円などから運転資金の増減を差し引いたことなどによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、174,102百万円(前連結会計年度比2,036百万円の支出増加)になりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得142,662百万円などがあったことによるものです。

  なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッ

シュ・フローについては、26,397百万円のマイナス(前連結会計年度は47,217百万円のマイナス)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度の財務活動の結果、資金は113百万円増加(前連結会計年度は64,922百万円の増加)しました。これは、有利子負債の増加額から、配当金の支払を差し引いたことなどによるものです。

(注)本報告書の「第2  事業の状況」から「第5  経理の状況」までの金額には、特に記載のない限り消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2【生産、受注及び販売の状況】

当社及び連結子会社の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

3【対処すべき課題】

今後の世界経済は、中国・東南アジア諸国等で引き続き経済成長の鈍化が見込まれますものの、全体では緩やかに景気が回復すると予想されます。日本経済も消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が見込まれますが、景気は回復基調が緩やかに継続することが期待されます。しかしながら、新興国等経済の不確実性によって景気が変動するリスクは依然存在しており、世界経済は引き続き不透明な展開が予想されます。

このような情勢のもと、当社グループは、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)の一層の強化に努めながら、2013年度からスタートした中期経営計画

「17VISION」の実現に向け取り組んでおり、各事業においては次の施策を進めてまいります。

まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスで、自動車の軽量化に寄与するアルミハーネスや環境対応車向けの高電圧ハーネス等の開発・拡販に引き続き注力し、グローバル総合部品メーカーを目指してまいります。東海ゴム工業㈱は、防振ゴム・ホースにおいて、2013年に買収した事業との相乗効果の最大化を図るとともに、グローバルサプライヤーとして世界各地での供給体制を確立してまいります。

情報通信関連事業では、収益性を高めるため、光ファイバ・光機器で海底ケーブル用の極低損失ファイバ・アンプ等の拡販に取り組むほか、40/100Gbpsの高速光デバイス、携帯基地局用GaNデバイスや高度道路交通システム等にも注力してまいります。

エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCで更なる高精細・極薄化に取り組むとともに、高速伝送ケーブルを応用した省スペース高速配線材、2013年に150℃の高耐熱を実現したFPCや電気自動車向けタブリード等への事業拡大にも注力してまいります。

環境エネルギー関連事業では、日立金属㈱と折半で出資していた㈱ジェイ・パワーシステムズを2014年4月より100%子会社といたしましたが、海底ケーブルでは2014年2月と3月の米国・欧州における受注に続き、大型プロジェクトの受注獲得に向け取り組んでまいります。このほか、電池用多孔質部材や環境対応車向けのモーター用巻線などにも注力してまいります。今後は、環境負荷の低減、電力品質の維持・向上、セキュリティの確保を実現するためのスマートエネルギーシステムで新しい電力・エネルギー社会に対応してまいります。

産業素材関連事業では、超硬工具で、当社グループ内において粗原料から完成品まで一貫生産できる体制を目指し、北米に当社初の鉱石精錬事業を立ち上げました。また、現地需要に対応した生産拠点の構築とともに、コア技術の強化・革新という観点では、超硬工具でナノ多結晶ダイヤモンド、焼結部品で自動車電動化対応製品等といった新領域の開拓も、引き続き進めてまいります。

研究開発におきましては、2013年はレドックスフロー電池を用いた大型蓄電システムの実証事業を北海道電力㈱とともにスタートしたほか、マグネシウム合金板材が㈱東芝のノートパソコンに採用されました。今後も、集光型太陽光発電装置、超電導製品、溶融塩電解液電池、バラスト水処理装置やデータセンター向け大容量配線材等、事業化に向けた開発に注力し、さらに将来に向けては、先進交通安全システムや先端医療向け機器など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を生かした新製品の開発に取り組んでまいります。

当社は、東京電力㈱向け架空送電工事の受注に関し、独占禁止法に違反する行為があったとして、公正取引委員会から、2013年12月に排除措置命令等を受けました。また、海外の競争当局の関係では、自動車用ワイヤーハーネス関連製品の取引に関し、2013年7月に欧州委員会から当社及び英国子会社において欧州競争法に違反する行為があったとする決定を受領したほか、高圧・特別高圧電力ケーブルの取引に関し、2014年4月に欧州委員会の処分が決定され、当社は㈱ジェイ・パワーシステムズとともに課徴金を課されております。これらの欧州委員会の処分は、調査開始から3年ないし5年を経て決定されたものであり、新たな違反行為が発見されたものではありませんが、長期に亘りご心配とご迷惑をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。なお、当社及び子会社は、欧州委員会の調査への協力により、自動車用ワイヤーハーネス関連製品については課徴金を免除され、高圧・特別高圧電力ケーブルについては課徴金の減額を受けております。当社は、既に「競争法コンプライアンス規程」を制定し、専任組織等による運用体制を構築するなど、グループ全体の競争法コンプライアンス体制を強化してまいりましたが、改めて事態を深刻かつ厳粛に受け止め、公正な事業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。本項の将来に関する記載は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)

当社グループは、自動車関連、情報通信関連、エレクトロニクス関連、環境エネルギー関連及び産業素材関連他の各需要分野にわたって事業を展開しております。また、地域的には、日本の他、米州、アジア、欧州、北アフリカ等に進出しております。このため、当社グループの経営成績、財政状態ならびにキャッシュ・フローは、特定の取引先・製品・技術等に過度に依存する状況にはありませんが、各分野や各地域に特有の需要変動や、技術革新に起因する製品ライフサイクル短期化、また、各国の政治情勢などの影響を受けることがあります。なお、当社グループ製品の多くは、最終消費財の部品や社会インフラ用の素材・システムなどであるため、景気循環の影響を受けることはもとより、顧客の購買政策の変化や設備投資に対する政策的判断などの影響を受けることがあります。

 

(法律・規制の変更等によるリスク)

当社グループは、日本以外にも世界各地に製造子会社、販売子会社等を有しております。各市場において、下記のように完全には回避することの困難なリスクが存在しており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・輸入規制や関税率の引き上げ等により、売上が減少、もしくは原価率が悪化するリスク

・各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更等により税金コストが上昇するリスク

・外貨規制、ハイパーインフレーション、テロ、新型インフルエンザ等の感染症等により投資資金の回収が不可能となるリスク

 

 

(訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に係るリスク)

当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社から、2001年10月に開発・製造・輸出事業を、2004年10月に国内電力会社向け販売事業を、日立電線㈱との折半出資会社である㈱ジェイ・パワーシステムズ(以下、JPSと略す)に譲渡・統合した高圧・特別高圧電力ケーブルに関し、2009年1月以降、海外の競争当局が調査を行っております。このうち、欧州委員会が2014年4月に欧州競争法に違反する行為があったとする決定を行い、当社および同年4月に当社の完全子会社となったJPSが課徴金(当社:2,630千ユーロ、JPS:20,741千ユーロ)を課せられております。

また、自動車関連事業において、ワイヤーハーネス関連製品の取引に関し、海外の競争当局の調査を受けており、このうち、欧州委員会が2013年7月に競争法違反に伴う処分を決定し、当社グループは、欧州委員会の調査への協力により課徴金を免除されております。加えて、米国、カナダ、豪州でも競争当局の調査に協力してまいりましたが、今後これらの当局より、同取引に関し、刑事処分や行政処分を受けることはないと認識しております。なお、同分野の競争法違反行為により損害を被ったとして、米国等において集団訴訟が当社及び当社子会社に対して提起されているほか、一部の自動車メーカーと損害賠償に関する交渉を行っております。

また、当社は東京電力㈱向け架空送電線工事に関し、2013年12月に公正取引委員会の課徴金納付命令(30百万円)等を受け、これに伴い、建設業法に基づき、2014年4月に国土交通省から、全国における電気工事業に関する営業のうち、民間工事に係るものについて、30日間の営業停止処分を受けております。また、住友電設㈱は東京電力㈱向け地中送電線工事並びに関西電力㈱向け架空送電線及び地中送電線工事に関し、2013年12月及び2014年1月に公正取引委員会の課徴金納付命令(合計344百万円)等を受け、これに伴い、建設業法に基づき、2014年4月及び5月に国土交通省から、当社と同範囲の営業について、それぞれ60日間、30日間の営業停止処分を受けております。

(災害等のリスク)

当社グループは、阪神・淡路大震災や東日本大震災により被害を受けた経験を踏まえ、地震等の防災対策を実施しております。しかしながら、当社グループの拠点の一部は東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の想定被災地域あるいは、沿岸地域等に存在していることもあり、大規模な地震が発生した場合には津波や液状化等による重大な被害を受ける可能性があります。また、グローバルな事業展開を拡大していることから、各国・各地域において地震や風水害等の直接的な被害を受ける可能性があることに加え、顧客の被災や物流網の寸断、大幅な電力不足等により、生産活動が計画通り進まない可能性があります。

(産業事故等のリスク)

当社グループの製造拠点において、火災・爆発等の産業事故や環境汚染等の公害事故が発生し、当社グループの業務及び地域社会に大きな影響を及ぼした場合、これに伴い生ずる社会的信用の失墜、補償等を含む事故対応費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(金利の変動によるリスク)

当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を実施しております。当社グループでは、設備投資のための長期安定的な資金を必要とするため、長期固定金利の長期借入や社債発行による調達が中心となっております。そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくくなっておりますが、金利が中長期的に上昇した場合は、長期借入等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(為替レートの変動によるリスク)

当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成しており、連結財務諸表の作成時に円換算しております。従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは世界各地で製造・販売活動を展開しております(当連結会計年度における海外売上高比率55.2%)。為替予約取引等の手段により主要通貨の短期的な為替変動による影響を最小限にとどめるようにしておりますが、中長期にわたる大幅な為替変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(原材料等の調達に係るリスク)

当社グループは、電線ケーブルなど銅を主たる原材料とした製品を多数有しております。このうち主要な製品の販売価格については、ロンドン金属取引所の市況価格を反映した銅建値に基づいて決定するという商慣習が普及しており市況価格変動リスクを回避しております。しかし一部の製品についてはこのような価格決定方法を採用していないため、急激な市況価格の上昇は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他の非鉄金属、鉄鋼、石油化学製品類等の原材料や副資材の調達についても、当社グループでの共同購買など有利購買活動を強化しておりますが、急激な市況価格の上昇が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料等の在庫について、市場価格の急落が、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また希少金属については、産地や供給者が限定されていること等により必要量の調達が困難となる可能性があります。さらに、他の原材料や副資材についても、供給者の倒産、自然災害、戦争、テロ、ストライキ、交通機能の障害等により、必要量の調達が困難となる可能性があります。

(保有有価証券の時価の下落によるリスク)

当社グループは、安定した原材料調達や販売先との取引関係の安定化を目的として、関係取引先等の株式を保有しております。売買目的の株式は保有していないため、株式市況の変動が経営に直接与えるリスクは比較的小さいですが、大幅な株式市況の悪化は自己資本比率を低下させる可能性があります。

(知的財産に係るリスク)

当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図ると共に、他社の知的財産権に対しても細心の注意を払っております。しかし、製品の構造・製造技術の多様化や、海外での事業活動の拡大、それに伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があります。また、各国の法制度や執行状況の相違により、他社が当社グループの知的財産権を侵害しても常に必要な保護が得られるとは限らず、当社グループの製品が十分な市場を確保できない可能性があります。

(情報の流出によるリスク)

当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を有しております。

これらの情報の秘密保持については、最大限の対策を講じておりますが、予期せぬ事態により、情報が外部に流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、当社グループのイメージの低下や損害賠償の発生などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(製品およびサービスの欠陥によるリスク)

当社グループは、所定の品質基準に基づき、製品およびサービスの品質保持に万全の注意を払っておりますが、予期せぬ事態により、大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような品質問題が発生する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当社は、平成26年2月3日開催の取締役会において、当社及び日立金属株式会社が折半出資する持分法適用関連会社の株式会社ジェイ・パワーシステムズを当社の完全子会社とするための株式譲渡契約を締結することを決議し、同日、同契約を締結しました。なお、詳細は「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」及び「2 財務諸表等」における注記事項(重要な後発事象)を参照してください。

6【研究開発活動】

当社及び連結子会社は「技術を創造し、変革を生み出し、絶えざる成長に努めます」という経営理念の下、伸長分野に焦点を合わせ、オリジナリティがありかつ収益力のある新事業・新製品の開発に努めております。また、将来の技術ニーズを踏まえ、当社グループの次代の成長を担う新規研究テーマの発掘・育成にも積極的に取り組んでおります。

自動車関連事業、情報通信関連事業、エレクトロニクス関連事業、環境エネルギー関連事業、産業素材関連事業他の各主要事業分野における当連結会計年度の主な成果は以下のとおりであります。

また、当連結会計年度における研究開発費の総額は99,520百万円であります。

(1) 自動車関連事業

ワイヤーハーネス及び車載エレクトロニクス機器については、当社、住友電装㈱、及び両社の共同出資による㈱オートネットワーク技術研究所を中心に、当社固有の材料技術・解析技術を活かして安全、快適、環境のニーズに対応した新製品の開発を行っております。

ワイヤーハーネスについては、次世代車載システムに対応できるハーネスアーキテクチャーを構築し、それに必要な要素技術の開発を進めております。また、環境対応としてハーネスの軽量化に取り組んでおり、銅に比べ軽量なアルミを使ったワイヤーハーネスを量産し、さらに適用範囲拡大の取り組みを進めております。市場規模が拡大してきたEV(Electric Vehicle)・HEV(Hybrid Electric Vehicle)用高圧ハーネスやコネクタ、バッテ

リー内配線モジュールの開発等にも取り組んでおります。車載エレクトロニクス機器に関しては、電源系、情報系のネットワーク化に対応すべく、PD(Power Distributor)等のエレクトロニクス機器や半導体デバイス、ボ

ディ制御ECU、次世代の車載LAN(Local Area Network)の開発を、ソフトウェアを含め進めております。

一方、新製品の開発効率化や高いレベルの品質確保に向け、要素技術開発や信頼性確保に不可欠な試験・分析・評価・解析技術の開発を推進しております。環境試験装置や分析装置等の評価設備の充実を図るとともに、コネクタ接点の接触メカニズム解析や電子機器の熱・振動解析等、CAE(Computer-Aided Engineering)技術を用いたシミュレーション技術を充実させております。

東海ゴム工業㈱では、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、将来の成長に結びつく新事業の創出に向けて、コア技術をベースに外部技術の融合・協業を促進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しております。自動車分野においては、低コスト化、環境対応、乗り心地性向上、さらにはグローバル対応を目指して先進的な技術開発に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は62,069百万円であります。

 

(2) 情報通信関連事業

光通信関連製品、ネットワーク・システム製品などの分野において、総合的に研究開発を行っております。

光通信関連製品では、光ファイバ通信のさらなる高速化・長距離化に向けて、海底ケーブル用途の低損失低非線形光ファイバの研究開発を進め、2012年度、伝送損失の世界記録を更新(0.149デシベル/km)しております。また、伝送容量の飛躍的な拡大に向けて、1本の光ファイバに複数本のコアが形成されたマルチコア型光ファイバの開発に取組み、光ファイバ構造・製造方法の検討、複数のコアへの光入出力デバイスなど、実使用上の課題解決に向けた研究を進めております。さらに、アクセス系ネットワークを効率よく構築するための曲げに強い光

ファイバや光コネクタ部品を開発し、FTTHの普及促進に貢献しております。一方で、データセンタにおける情報機器内や情報機器間、サーバ間等を10Gbps以上の伝送速度で接続するデータセンタ用大容量配線技術の開発に取り組み、光ケーブル/電気ケーブルをそれぞれ適材適所で活用した高速大容量配線群の製品化を進めております。そのほか、光ファイバ製造技術を活用した新材料の開発、光実装・光モジュール技術を活用した高機能モ

ジュール製品等の開発を進めており、エレクトロニクスやライフサイエンスなどの新たな分野への光技術の展開を図っております。

伝送デバイス関連製品では、2009年4月、ユーディナデバイス㈱の完全子会社化による住友電工デバイス・イノベーション㈱の設立以降、2012年3月のEmcore社VCSEL部門買収による技術導入も果たし、数十mの短距離伝送から数千kmの長距離伝送に対応するハイエンドの光通信デバイス及び無線通信用電子デバイス技術を活かした新製品開発・市場投入を積極的に展開し、事業拡大に努めております。

光通信デバイス製品においては、40/100Gbps以上の伝送速度に対応した製品開発に注力しております。

2km/10km/40km版のラインナップを整備するとともに、小型省電力化を目指し、40Gbps対応QSFP+(容積1/10以下、消費電力1/3以下)を実現し、100Gbps対応CFP4(容積約1/10、消費電力約1/3)を開発しております。CFP4は2014年3月の国際展示会(OFC)で動態展示を行いました。これらは、イーサネット及びOTNと呼ばれる標準通信仕様に準拠しております。また、VCSELを用いた10Gbps×10chのパラレル伝送製品も開発し、数十mの建屋内大容量配線市場への展開も進めております。さらに、伝送距離数千

km、伝送速度100Gbpsを超える次世代長距離大容量通信の期待に応えるべく、コヒーレント伝送技術、それに対応した高速高機能半導体デバイスや波長可変半導体レーザの開発も行っております。

電子デバイスでは、世界に先駆けて高効率・高出力のGaN(窒化ガリウム)トランジスタを開発し、携帯基地局用途に製品化しました。低消費電力化やLTEへの移行など市場の要請に対応して、更なる効率改善、出力改善を図っております。更に、10GHz帯でのレーダ用途や、20GHz超での基地局間通信・衛星通信用GaN-MMIC(Microwave Monolithic IC)の製品開発を進め、GaNトランジスタ技術を無線用途に広く展開しております。

これらデバイス技術の蓄積を活かし、ライフサイエンス、環境関連への応用を目指した赤外光源、赤外センサーの開発も進めております。

ネットワーク・システム関連分野では、情報通信技術の革新により、安全・安心・快適かつ持続可能な社会の実現を目指した情報通信機器の研究開発を推進しております。

有線通信システム関連では、10G-EPON等、より高速化した次世代システムの研究開発を、無線通信システム関連では、携帯電話基地局用屋外無線ユニットの新ジャンルであるアクティブアンテナの開発、並びにIoT(Internet of Things)に向けたモノとモノ(Machine to Machine:M2M)との通信による高度なサービス実現の基盤となる無線通信技術に取り組んでおります。また、エネルギーネットワーク関連分野では、配電網を遠隔制御する光通信ネットワーク機器の開発、電力需給逼迫時に素早く自動的に使用電力量の調整を行うクラウド型デマンドレスポンスシステムや、宅内の電力使用量を最適化するシステム(HEMS)の研究開発、定置用蓄電池システムの開発に取り組んでおります。安全・安心に関する技術分野では、交通社会の安全のために、交通システム制御アルゴリズムや路車協調による安全運転支援システムの開発を、防犯・見守り分野では画像センサーや電波センサーの開発を行っております。インフラ・プラント構造物等の劣化監視のために自社センサー技術を用いた分析技術の研究にも取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は12,564百万円であります。

 

(3) エレクトロニクス関連事業

マイクロ・ナノテクノロジーを駆使して、化合物半導体やエレクトロニクス関連部材などの広範な新材料や部品の開発を行っております。

化合物半導体では、情報通信を支える高速通信用の光デバイスや無線用電子デバイスなどに用いられるインジウムリン及びガリウムヒ素基板の高品質化開発を進めております。また、青紫色レーザダイオードや白色LED、パワーデバイス等に応用されるGaN基板の高品質化に加え、緑色レーザに適した基板の開発にも成功し、世界初の純緑色レーザ発振を実現しました。さらに、新しい光デバイスや電子デバイス用途の半導体材料の開発にも取り組んでおります。

エレクトロニクス関連部材では、独自の液相還元プロセスによる金属ナノ粒子粉末を用いた高導電性ペーストや回路形成用ナノインキ、ファインピッチ電極に対応した異方性導電膜などの高密度実装部材を開発しております。さらに、固有の接着材料技術や微細回路形成技術を活用した携帯機器用の電子回路基板、高耐熱電子回路基板、モジュール部品や放熱部材などの開発に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は4,616百万円であります。

 

(4) 環境エネルギー関連事業

超電導や次世代送電網の分野でのネットワーク技術を活用したエネルギーソリューション事業など、新しい分野への進出を図るとともに、蓄電池などエネルギー分野での積極的な開発を推進しております。

超電導分野では、ビスマス系高温超電導線材の特性と量産性を大幅に向上させ、世界各国のケーブルプロジェクトやモータ、マグネット開発用などに線材を納入するなど、商業ベースでの販売本格化を図りつつあります。超電導ケーブルシステムでは2007年から独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の「高温超電導ケーブル実証プロジェクト」に参画し、2012年10月から2013年12月まで1年以上にわたり、日本初の系統連系試験を成功裏に完了いたしました。また当社大阪製作所内においても高温超電導配電システムの長期実証運転の他、2013年3月より、経済産業省委託事業「高温超電導直流送電システムの実証研究」へ参画する等、高温超電導ケーブルシステムの実用化に向け技術力の向上に注力していきます。一方、産業応用では超電導マグネットシステムの開発を進め、2012年には船舶用3MWモータ用コイルの開発、永久磁石を評価するBHカーブト

レーサ用プロト機の納入の他、5テスラ級の磁場中熱処理炉用マグネットを2013年に製作出荷しました。現在、産業界での実用化を狙った開発、用途開拓に注力しているところであります。またビスマス系とは異なる次世代の超電導線材の研究も行っており、結晶配向した金属基板、中間層、超電導層からなる薄膜超電導線の特性向上にも注力しております。

次世代送電網の分野では、自然エネルギーの導入、省エネルギー、電力網の分散管理といった社会ニーズに対応すべく、2011年6月から、当社大阪製作所において、自社開発の集光型太陽光発電装置(CPV)を含む複数の自然エネルギー発電装置と小型レドックスフロー電池(蓄電池)等を直流電力ケーブルで連結したマイクロス

マートグリッドシステムの実証試験を実施しております。さらに、2012年7月から、当社横浜製作所において、メガワット級の出力・容量を有するレドックスフロー電池と定格出力100kWのCPVから成る大規模蓄発電システムを開発し、実際の工場電力運用の中で、製品化のための実証運転を実施しております。また、次世代超電導線材、電力線通信(PLC)によるメガソーラー監視システムの開発、非常用の小型蓄電池やパワーコンディ

ショナ等の開発にも注力しております。

蓄電池分野では、難燃性材料で構成し、小型の組電池が実現可能な溶融塩電解液電池を開発中で、顧客からの情報を基により多くのニーズに対応可能な電池を設計し、評価を進めております。また蓄電池の集電材料として、高性能化に貢献できる金属多孔体「アルミセルメット」を開発しており、リチウムイオン電池やキャパシタなどの蓄電デバイス用途として、量産に向けた生産技術開発に注力しております。

住友電設㈱では、市場の多様化するニーズに応えるべく、太陽光発電システム用保守監視システム、エネルギー管理等のビル・マネジメントシステム技術、超電導冷却システム、蓄電池システムなど、最新技術、情報化技術を活用し、省エネ技術、新工法、各種システムの開発に取り組んでおります。

日新電機㈱では、電力機器をはじめ、新エネルギー・環境関連製品、及びビーム・真空応用装置などの次世代装置に重点を置いて研究開発を進めております。電力機器分野においては、海外市場に向けた製品開発や保守性・拡張性に優れた製品の開発を行うとともに、電力貯蔵関連の技術研究に取り組みました。ビーム・真空応用事業では、薄膜コーティング装置や半導体製造用イオン注入装置、電子線照射装置などの次世代製品の研究開発に注力しております。また、新エネルギー・環境分野においては、太陽光発電用パワーコンディショナの製品開発に注力するとともに、EMS(エネルギー管理システム)関連の技術研究並びに実証検証を進めております。

当事業に係る研究開発費は12,602百万円であります。

 

(5) 産業素材関連事業他

超硬合金、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素、コーティング薄膜、特殊鋼線、セラミックスや鉄系焼結部品に関する当社固有の材料技術とプロセス技術を駆使し、切削用工具や超精密加工用工具、各種自動車機構部品・機能部品、家電部品等の開発を進めております。

ダイヤモンドでは、15万気圧、2000℃以上の新しい超高圧技術と独自の新プロセスにより合成した、数十nmサイズの超微細粒よりなる高硬度ナノ多結晶ダイヤモンドが従来のダイヤモンドを大きく凌駕する機械的特性を有することを実証、次世代の高性能精密加工用工具として実用化開発に注力しております。

焼結部品の関連では、ディーゼルエンジン用燃料噴射装置部品など高周波域で優れた磁気特性を持つ圧粉軟磁性材応用製品の開発、EV・HEVなどの自動車の電動化に対応した高性能圧粉軟磁性材料の製品開発に注力しております。

また切削工具分野で培った超硬合金技術、コーティング技術を展開すべく、新接合手法として注目されている摩擦撹拌接合ツールの開発に取り組み、非切削分野での新市場開拓を目指しております。

なお、今後の成長を担う新規分野としまして、水ビジネス関連では、バラスト水処理装置開発に注力しております。また、ライフサイエンスの分野では、当社の半導体や通信用デバイス技術の応用により、近赤外光を使って組成の微妙な違いやわずかな変化を画像化する組成イメージングシステム「Compovision®」を開発し、工場での品質検査などの用途での製品化、並びに近赤外光の技術を応用した医療機器の開発を推進しております。

当事業に係る研究開発費は7,669百万円であります。

 

以上の5分野の研究開発及びグループ全体の生産、品質などを支える解析技術の分野では、ナノスケールの構造解析や、ポリマーの分子構造解析など、世界トップレベルの分析・解析技術に加え、大型放射光施設(SPring-8)を用いた最先端の原子レベル解析技術の研究開発を行っております。ここで開発された解析技術は、レアメタルのリサイクル技術、高性能半導体デバイス等の開発や知的財産権の強化に寄与しております。また、高度な計算機シミュレーションを用いたCAE技術の開発にも注力しており、2012年度には、社内のCAE用並列計算サーバを増強し、処理能力を4倍以上に高めました。加えて、国立大学法人 東京工業大学が保有する「TSUBAME」や公益財団法人 計算科学振興財団が保有する「FOCUS」など、外部のスーパーコンピュータも利用しながら、生産プロセスの改善や各種新製品の設計にCAE技術を活用することで他社との差別化につながる解析技術の開発を推進しております。

 

なお、当社では、創業110周年の記念事業の一環として研究本館「WinD  Lab」を建設、2010年4月に竣工しました。この「WinD  Lab」を研究・開発活動の中核とし、さらなる事業の成長を目指します。また、グループ全体として、これらの研究開発成果を早期に確保すべく努めるとともに、企業の社会的責任を自覚し、省エネ、省資源、環境保護に関する研究にも注力してまいります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表を作成する際には、当連結会計年度末日時点の資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用を認識・測定するため、合理的な見積り及び仮定を使用する必要があります。当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5  経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しております。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

2013年度の日本経済は、経済政策への期待感や金融緩和策の効果等から、円安・株高が進行する中、個人消費・企業収益が改善し、景気が緩やかに回復しました。世界経済も、中国・インド等新興国の成長に減速感がみられたものの、米国経済が底堅く推移し、欧州経済も持ち直しの動きがみられるなど、全体としては緩やかな回復となりました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、海外を中心にワイヤーハーネスの需要が引き続き堅調で、電力ケーブル、巻線、電気工事や電力用機器等の環境エネルギー関連事業、自動車用の超硬工具ほか産業素材関連事業の需要も堅調に推移しました。この結果、売上高は前連結会計年度比18.9%増の2,568,779百万円、営業利益も減価償却費及び研究開発費の先行投資に伴う増加があったものの、円安効果やコスト低減により、前連結会計年度比56.3%増の120,058百万円、営業利益率は1.1ポイント上昇の4.7%となりました。営業外収益は、持分法による投資利益の増加により8,120百万円増の44,725百万円、営業外費用は150百万円増の19,429百万円となり、経常利益は前連結会計年度比54.4%増の145,354百万円となりました。特別利益では退職給付信託返還益1,487百万円を計上しました。特別損失では、固定資産除却損3,668百万円、投資有価証券評価損1,170百万円、販売用ソフトウェアなどの減損損失5,430百万円、事業拠点の再編に伴う事業構造改善費用2,742百万円に加え、和解金9,998百万円を計上し、合計では23,008百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は123,833百万円となりました。ここから法人税等44,218百万円及び少数株主利益12,867百万円を差し引いた結果、当期純利益は、前連結会計年度比75.9%増の66,748百万円となりました。

また、各セグメントの売上高・営業利益に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。

自動車関連事業は、ワイヤーハーネスが北米・アジア等海外で好調であったことや、円安・コスト低減による効果に加え、東海ゴム工業㈱が事業買収により連結範囲を拡大したこともあり、売上高・営業利益ともに増加しました。情報通信関連事業は、アクセス系ネットワーク機器で売上数量減や円安による海外調達部品等のコストアップがありましたが、光・電子デバイスで100Gbpsの新製品などが寄与したことに加え、円安・コスト低減による効果もあり売上高は増加し、営業損失は縮小しました。エレクトロニクス関連事業は、FPCは携帯機器用、電子ワイヤーは自動車用電線やプリンタ・ゲーム機用テープ電線等の需要が増加したことに加え、円安・コスト低減による効果もあり売上高・営業利益ともに増加しました。環境エネルギー関連事業は、銅価が上昇したことに加え、銅荒引線や巻線の需要が引き続き堅調に推移し、住友電設㈱で電気工事、日新電機㈱で高精細・中小型FPD製造用イオン注入装置、太陽光発電用パワーコンディショナの需要増加もあり売上高・営業利益ともに増加しました。産業素材関連事業他は、自動車用の超硬工具、焼結部品等の需要が堅調であったことに加え、円安の効果もあり売上高・営業利益ともに増加しました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの当連結会計年度における資金の状況は下記のとおりであります。

まず、営業活動によるキャッシュ・フローで147,705百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前当期純利益123,833百万円と減価償却費110,441百万円との合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが234,274百万円あり、これに運転資産の増減などを加え、法人税等の支払を差し引いた結果であります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、174,102百万円の資金を使用しました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得142,662百万円などがあったことによるものであります。

なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、26,397百万円のマイナスとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、113百万円の資金を獲得しました。これは、有利子負債の増加額から、配当金の支払を差し引いたことなどによるものであります。

以上により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より16,414百万円減少(9.3%)し、160,129百万円となりました。また、当連結会計年度末における有利子負債は534,641百万円と前連結会計年度末比49,072百万円増加し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、65,486百万円増加し374,512百万円となりました。