第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期の世界経済は、新興国で景気の減速があったものの、米国の好況に牽引され、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。わが国の経済は、企業収益が高水準で推移するとともに、各企業の景気見通しが改善したことを背景に、設備投資が増加基調を維持し、加えて雇用・所得の改善が続くなど、堅調に景気が拡大しました。
 このような環境の下、当社グループでは、中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」に基づき、重点領域であるインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化に取り組んでまいりました。インフラ関連では、情報通信分野において、光ファイバ・ケーブル製造設備をはじめとして設備投資を積極的に行ったほか、エネルギー分野においては、㈱ビスキャスより地中および海底送電線の国内事業を譲り受け、国内外の電力ケーブルの製造・販売ならびに敷設を一体的に運営する体制を構築しました。自動車分野では、自動車軽量化に貢献する自動車用アルミワイヤハーネスおよびアルミ防食端子の採用車種拡大や、日本企業では初となる先進運転支援システム向けレーダの量産化など、新製品の受注に努めてまいりました。

当期の業績につきましては、円高や銅地金価格下落の影響によりグループ全体の売上高は減少しましたが、情報通信量の増大や半導体市場の伸長を背景として、情報通信ソリューション事業やAT・機能樹脂製品事業が好調であり、自動車部品事業における海外拠点の生産効率改善や銅箔事業の構造改革の効果も順調に現れました。

これらの結果、連結売上高は8,433億円(前期比3.6%減)、連結営業利益は386億円(前期比42.4%増)となりました。また、円高による為替差損がありましたが、連結経常利益は360億円(前期比92.5%増)となりました。さらに、固定資産処分益41億円および㈱ビスキャスからの事業譲受による負ののれん発生益53億円などを特別利益に、持分法適用の関連会社である㈱UACJの公募増資に伴う持分変動損失17億円、環境対策引当金繰入額13億円、当社子会社製自動車部品を組み込んだ製品における市場回収措置(リコール)に関連した製品補償引当金繰入額131億円などを特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は176億円(前期比75.6%増)となりました。なお、海外売上高は3,900億円(前期比3.8%減)で、海外売上高比率は46.2%(前期比同水準)となりました。

単独の業績につきましては、売上高は3,988億円(前期比同水準)、営業利益は62億円(前期比13.6%増)、経常利益は212億円(前期比73.8%増)、当期純利益は109億円(前期比164億円改善)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社は、当連結会計年度を初年度とする新中期経営計画の戦略に基づき、平成28年4月1日付で組織改正を実施いたしました。これに伴い、報告セグメントを「インフラ」、「電装エレクトロニクス」、「機能製品」及び「サービス・開発等」の4つの区分に変更しております。
 以下の前年同期比較の数値については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値との比較となっております。

 

〔インフラ〕

当セグメントでは、主に情報通信、電力ケーブル等のインフラマーケット向け製品の事業を行なっております。

情報通信ソリューション事業では、欧米や中国を中心に光ファイバ・ケーブル需要が旺盛であり、これらを背景に価格水準が好転したほか、高付加価値品である海底ケーブル用低伝送損失光ファイバの売上が増加しました。また、デジタルコヒーレント関連製品の販売も堅調に推移しました。エネルギーインフラ事業では、 ㈱ビスキャスからの事業譲受により売上が増加した一方、一時的な業務統合費用の発生や、国内電力事業者向け送配電部品の需要低下が利益を圧迫しました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は2,638億円(前期比4.4%増)、連結営業利益は143億円(前期比85.8%増)となりました。また、単独売上高は755億円(前期比18.4%増)となりました。

情報通信ソリューション事業では、本年4月に、NTTエレクトロニクス㈱との合弁により、光半導体デバイスの製造会社(当社出資比率60%)および平面光波回路製品の製造会社(当社出資比率20%)をそれぞれ設立しました。各々の特徴ある技術を組み合わせるとともに互いの経営資源を効率的に配分し、光部品の需要増に対応できる生産体制の構築および収益力の強化を図ります。

エネルギーインフラ事業では、昨年10月に、㈱ビスキャスから地中および海底送電線事業の国内部門を譲り受けました。一昨年4月に譲り受けた海外部門と一体的に運営することで、超高圧電力事業の案件受注活動を国内外で加速してまいります。

 

〔電装エレクトロニクス〕

当セグメントでは、主に自動車部品、電池、銅線、巻線、銅条や銅管などの伸銅品等の電装エレクトロニクスマーケット向け製品の事業を行なっております。

銅条・高機能材事業において、伸銅品の販売数量が平成26年に発生した日光事業所での雪害以前の水準まで回復したものの、銅地金価格下落の影響により売上高が減少したほか、一部製品について開発費用の一時的な増加もありました。自動車部品事業では、国内向けワイヤハーネスの販売が低調であったものの、前年度から取り組んできたメキシコ製造拠点などの生産効率改善活動の効果が現れてまいりました。

これらの結果、当セグメントの連結売上高は4,555億円(前期比7.3%減)、連結営業利益は128億円(前期比22.2%増)となりました。また、単独売上高は2,611億円(前期比3.6%減)となりました。

自動車部品事業では、中国およびタイにおける設計・営業を行う統括会社により、中国・ASEANでの売上拡大を推進するほか、各地域でのワイヤハーネス生産体制の最適化を進め、収益性の向上に努めてまいります。

巻線事業において、本年3月にSuperior Essex Inc.(米国)グループとの合弁により、自動車の駆動モーターなどに用いられる耐高電圧の平角巻線の製造・販売会社(当社出資比率49%)を、ドイツに設立しました。同製品を需要地で製造・販売できる体制を構築し、欧州のEV・PHV車向け巻線市場へ参入していきます。

 

〔機能製品〕

当セグメントでは、主に機能樹脂、放熱用部品、アルミ基板材、電解銅箔等の機能製品の事業を行なっております。

AT・機能樹脂製品事業において半導体製造用テープの販売増があったほか、銅箔事業における需要増や台湾への製造移管などによる構造改革効果、高周波用箔など高付加価値品の売上増がありました。一方、サーマル・電子部品事業においては、パソコン用放熱製品などの需要が低迷しました。
 これらの結果、当セグメントの連結売上高は1,315億円(前期比3.5%減)、連結営業利益は117億円(前期比38.1%増)となりました。また、単独売上高は599億円(前期比1.8%減)となりました。

当セグメントでは、発泡製品について、ドイツ子会社のTrocellen GmbHを中心に、欧州・北米において建材および自動車向けの市場開拓を図ってまいります。

 

〔サービス・開発等〕

当セグメントでは、主に物流、情報処理・ソフトウェア開発、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート、不動産の賃貸、水力発電、新製品研究開発等を行なっております。

昨年3月に不動産賃貸物件を売却したことによる賃料収入の大幅減少があり、当セグメントの連結売上高は497億円(前期比3.6%減)、連結営業損失は1億円(前期比6億円悪化)となりました。単独売上高は23億円(前期比31.5%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、461億円(前連結会計年度比55億円の減少)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益+280億円、減価償却費+234億円等により
+404億円(前連結会計年度比△12億円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△284億円、短期貸付金の増加△80億円等により△364億円(前連結会計年度比△383億円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の削減等により△104億円(前連結会計年度比+106億円)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしておりません。このため、生産、受注及び販売の状況については、「1[業績等の概要]」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

 

 

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、2007年に下記の「古河電工グループ理念」を制定し、これを基本方針として、グローバルに成長して企業価値を高めるよう努力してまいります。

 

基本理念

世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。

 

経営理念

私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、

・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。

・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。

・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。

・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。

 

行動指針

・ 常に高い倫理観を持ち、公正、誠実に行動します。

・ あらゆる業務において革新、改革、改善に挑戦し続けます。

・ 現場・現物・現実を直視し、ものごとの本質を捉えます。

・ 主体的に考え、互いに協力して迅速に行動し、粘り強くやり遂げます。

・ 組織を超えて対話を重ね、高い目標に向けて相互研鑽に努めます。

 

グループビジョン

このようなグループ理念をベースとして、素材力を基礎とした商品開発力でグローバル企業を目指すため、当社グループビジョンとして「技術革新を志向し、創造的で世界に存在感のある高収益な企業グループへ」を掲げております。

 

(2)目標とする経営指標

平成28年5月に中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」を策定し、公表しております。当社グループ経営理念およびビジョンの実現に向けて、本中期経営計画を着実に推進してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

前述しました中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」では、"ゆるぎない成長の実現"というスローガンを掲げ、以下の3つのテーマに取り組んでまいります。

 

Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth -

Ⅰ. 事業の強化と変革

Ⅱ. グローバル市場での拡販推進

Ⅲ. 新事業での開拓加速

 

 

 

(4)会社の対処すべき課題

1)中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の推進

平成28年策定の中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」において掲げた次の3つの施策を引き続き実行してまいります。

 

 ① 事業の強化と変革

 重点領域と位置付けているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化を、引き続き図ってまいります。
 情報通信分野では、通信トラフィックの増大や世界的なデータセンタの建設増加に伴い光通信関連製品の需要が引き続き旺盛であり、光ファイバ・ケーブルやデジタルコヒーレント通信の主要部品である小型波長可変半導体レーザ(μITLA)の生産能力増強を進めることで、収益力を更に強化していきます。 
 エネルギー分野では、エンジニアリング力を更に強化し、海外の海底線・地中線の案件受注に取り組んでいきます。国内においても電力会社の経年設備更新需要を着実に取り込み、また新エネルギー用海底線・地中線の受注活動を強化することで、電力事業を安定した利益を創出する事業へと変革していきます。
 自動車分野では、アルミ防食端子やアルミワイヤハーネス等、自動車の軽量化に貢献する製品や、先進運転支援システムで必須となる周辺監視レーダ、大容量かつ長寿命の鉛バッテリーやバッテリー状態検知センサ等で構成される電源マネジメント関連製品など、当社グループが先端技術を有する領域を中心に、積極的に事業を展開していきます。

 

 ② グローバル市場での拡販推進

世界を5地域に区分し、各地域の特徴に応じた拡販戦略を展開するグローバルエリア戦略を推進しております。第一段階として、中国や東南アジアを対象とし、市場・顧客情報の収集・分析および事業部門への展開を行なうなど、各地域における当社グループのマーケティング活動を統合的にコーディネートする拠点を設けていきます。

 

 ③ 新事業の開拓加速

重点領域であるインフラ/自動車分野では、直流海底電力ケーブルや光海底ケーブル用低伝送損失光ファイバ、先進運転支援システム用周辺監視レーダの高機能化など、次世代製品・技術の開発を進めています。さらに、医療材料・医療機器などの分野を中心に、産官学連携による共同研究を継続して推進するとともに、横浜事業所内に設けたオープンラボ「Fun Lab」を活用することで、他企業や大学、公的研究機関等との協業によるオープンイノベーションの強化を図るなど、新事業創出に向けた施策を更に推進します。

 

中期経営計画に掲げた平成32年(2020年)度の各種財務目標値は以下の通りであります。

 

連結営業利益

400億円以上

親会社株主に帰属する当期純利益

200億円以上

ROE

8%以上

海外売上高比率

60%

 

 

 

2)コーポレートガバナンスの強化

当社では、コーポレートガバナンスの強化を重要な経営基盤強化施策の一つと位置づけ、その充実に取り組んでおります。当期は、業績連動性を高めるように役員報酬制度を見直すなどコーポレートガバナンスの強化に向けた改革を行ないました。
 また、平成27年に設置した委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬委員会では、最高経営責任者である社長のサクセッション・プランに関する審議を重ねてきました。本年4月1日付で社長が交代しましたが、新社長は、同プランに基づき複数の候補者の中から指名・報酬委員会の審議を経て選定されました。今後も、指名・報酬委員会における公正かつ透明性の高いプロセスを通じて、最高経営責任者たる社長をはじめ、業務執行に当たる取締役や執行役員を選定・選任するなど、経営陣に対する監督機能を更に強化していきます。
 前期に続いて当期も実施した取締役会実効性評価においては、前期の分析・評価結果を踏まえた課題への取組み結果も含め、より実質的な分析・評価を行ないました。取締役会では当社のコーポレートガバナンスの在り方を議論し、取締役会付議・報告基準の見直しや運営方法の改善など、取締役会がより戦略的な議論に集中できる体制への転換等を進めており、その実効性が前年度より改善されていることを確認しております。今後も取締役会の運営全般について更に改善を積み重ねるとともに、今回の取締役会実効性評価において重要課題として指摘された、中期経営計画達成度の検証や関係会社運営の課題に関する審議を充実させることで、引き続き取締役会の実効性向上を図ってまいります。
 

3)働き方改革・ダイバーシティ推進

① 働き方改革

従業員個々人の生活(人生)の充実と会社の持続的成長の両立を目指し、生産性の高い働き方の実現に向け取り組んでおります。当期は、勤務場所を柔軟に選択できることで個々の事情に応じた働き方を可能とするテレワーク勤務制度を本社などで開始しており、今後これを全社展開することによって、仕事と生活の調和をより一層進めていきます。

 

② ダイバーシティ推進

女性活躍推進活動「Furukawa “V” Challenge!!」の一環として、若手女性従業員向けネットワーキング活動を実施しました。若手女性従業員同士の関係構築やキャリア形成の支援を行ない、女性の活躍を推進する職場環境の構築を図っており、今後も当社グループの経営理念「多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループ」の実現へ向け、活動を加速していきます。
 
 当社では、働き方の見直しや女性活躍推進をはじめとする各種施策の実施により、多様な人材・働き方・価値観を尊重するマインドの醸成を図り、従業員一人ひとりが生き生きと活躍し持続的に成長する企業を目指しております。

 

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受けます。

 当社グループの業績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1)知的財産権、その他第三者の権利侵害

 当社グループでは、製品やソフトウェア等の開発、製造、使用および販売、その他の事業活動によって、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行ない、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じております。しかし、第三者から知的財産権、その他の権利を侵害したとして訴訟を提起された場合、あるいは、第三者から当社グループの知的財産権、その他の権利を侵害された場合には、第三者との間にそれらの権利に関する交渉や係争が生じます。知財係争では、製造・販売等の差し止めや多額の損害賠償金や和解金が発生することがあり、当社グループにそれら差し止めや支払義務が生じた場合には、業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。また、体制を整備しているものの、当社グループの製造技術(ノウハウ)が第三者に漏洩した場合には、企業競争力が低下する可能性があります。

2)製品の欠陥

 当社グループは、国内外の各種規格・基準及び永年の経験に培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行なっております。しかし、その全てについて欠陥が無く、将来に予期せぬ損失補償が発生しないという保証はありません。とりわけ、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等に関連する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。大規模な損失補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

 なお、当社連結子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行なわれており、当社および当社連結子会社が部品の販売先から費用の一部の分担に関して協力を要請され、交渉を行なっております。

3)原料及び燃料価格の変動

 当社グループの主要原料である銅・アルミ等の非鉄金属、ポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNGは、世界情勢や市場の動向で予想外の価格変動を起こす可能性があり、この場合には一部の製品の売値への転嫁が遅れあるいは滞ることが想定され、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。

4)為替変動

 当社グループは、調達および販売活動を様々な通貨で行なっており、為替相場の変動による影響を最小限に抑えるよう努めておりますが、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

5)金利の上昇リスク

 金利が上昇した場合は、支払利息が増加し、当社グループの業績が悪化する可能性があります。

6)格付け低下

 当社グループの今後の業績によっては、格付機関から付与されている当社の長期債務格付け及びコマーシャル・ペーパー等の格付けが低下し、資金の調達条件が悪くなり、支払利息が増加する可能性があります。

7)資産の減損

 市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や、資産の収益性が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生する可能性があります。

8)税務に関わるリスク

 当社グループは、国内外で事業展開する上で、各国の国内および国際間取引に係る租税制度の変更や税務当局との見解の相違等により税金コストが変動するリスクを有しており、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

9)事業用地の土壌汚染

 当社グループが所有する土地について、「土壌汚染対策法」により、有害物質による土壌汚染の状況の調査・報告や、汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。これら措置に要する費用の発生のほか、当社グループにおける土地の使用・処分等に制限が生じるリスクがあります。

10)海外での活動

 当社グループの生産および販売活動は、米国やヨーロッパ、ならびにアジアや南米の発展途上市場や新興市場等の日本国外でも行なわれております。これらの海外市場では予期しない法律または規制の変更や労働争議発生及び突発的な伝染病の流行などの各種リスクが内在しており、それらは当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 特に、中国においては、当社は広州・上海及び北京・天津地区を中心に多数の進出拠点を有しております。中国国内での投資や為替、金融、輸出入に関わる法制や諸規定の変更、電力供給の停止、疫病の流行等の回避不能な事象の発生により事業運営に支障をきたす可能性があります。例えば、人民元のレート調整などが発生した場合、当初の事業計画から大きく逸脱する可能性があります。また、中国企業向けの売掛金回収期間は比較的長く、現地子会社のキャッシュ・フローに影響を与える可能性もあります。

 これらに加えて、当社グループの事業活動に関連する国、地域における国際関係の緊張の高まり、紛争・政情不安、金融システム不安等により、治安・安全面のみならず、生産・販売活動等への影響を通じ、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

11)法令違反等

 当社グループは、国内外で事業展開する上で、規制当局から様々な法規制を受けております。法規制の強化や法令解釈の厳格化があった場合には、事業の制限や費用の増加等の可能性があります。また、法令違反等の事象が生じた場合には、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等により、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、自動車用部品カルテルに関し、ブラジル競争法当局の調査を受けております。また、電力ケーブルカルテルに関し、当社の持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスに対しブラジル当局による調査が行なわれております。

 加えて、米国での一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める複数の集団訴訟や、自動車用部品カルテルに関して米国の一部の州の司法当局から提起された州法違反に基づく訴訟などにおいて、当社や当社子会社がその被告となっております。このほか、自動車用部品カルテルを含む過去の競争法違反行為に関して、自動車メーカーなどの顧客から現在請求されているものも含め、当社または当社関係会社が民事賠償金を支払う可能性があります。

12)自然災害等の影響

 当社グループは、国内外に、調達、製造、物流、販売、研究開発拠点等を有しております。大規模な地震や津波、火災、台風、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や新型インフルエンザ等の感染症の発生、戦争、テロ行為、サイバー攻撃等が起こった場合、直接的損害のほか、サプライチェーンを通じた間接的な損害により、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)過去の自動車用ワイヤハーネスおよび同関連製品の取引に係る米国競争法違反に関し米国において提起されていた集団民事訴訟について、当社および連結子会社のAmerican Furukawa Inc.は、平成28年8月に、和解金56百万米ドルを支払うことを内容とする和解契約を、同訴訟の原告の一部である自動車ディーラー原告および最終購入者原告と締結いたしました。

 

(2)当社は、平成28年9月26日開催の取締役会において、株式会社フジクラ(以下、「フジクラ」という)との合弁会社で、当社の持分法適用の関連会社である株式会社ビスキャス(以下、「ビスキャス」という)からの事業譲受について決議を行い、平成28年9月30日付でビスキャスとの間で事業譲渡契約を締結いたしました。

この契約に基づき、当社は、平成28年10月1日をもって、ビスキャスの事業のうち「地中及び海底送電線事業」を譲り受けました。なお、同日付で、フジクラもビスキャスの「配電線・架空送電線事業」を譲り受けております。また、ビスキャスは、受注済み工事案件契約の履行のほか事業の終息に向けた業務が完了するまで存続いたします。

 (注)地中及び海底送電線事業の主な内容:地中線(66kV以上)・海底線、それらの部品の製造および販売ならびにこれらに関連する工事の請負

 配電線事業の主な内容:地中および架空配電線(66kV未満)の製造および販売

 架空送電線事業の主な内容:架空送電線・同部品の製造および販売

 

(3)当社は、平成28年12月22日開催の取締役会において、当社とNTTエレクトロニクス株式会社(以下「NTTエレクトロニクス」という)との間で、平面光波回路製品の製造事業を行う合弁会社であるNTTエレクトロニクスオプテック株式会社および光半導体製品の製造事業を行う合弁会社である古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社を、それぞれ共同新設分割により設立することを、決議いたしました。

1)本件の目的

 光部品の需要増大に対応するため、当社およびNTTエレクトロニクスの平面光波回路製品および光半導体製品の生産リソースを有効活用し、効率的かつ安定的な生産体制を構築することを目的としております。

2)本件の概要

① 共同新設分割の方式および株式の割当て

 本件において、当社とNTTエレクトロニクスは、平成29年4月3日を効力発生日として、以下の共同新設分割を行いました。

i. NTTエレクトロニクスオプテック株式会社設立に係る共同新設分割

 当社およびNTTエレクトロニクスを新設分割会社として、両社の平面光波回路製品の製造事業の一部を承継するNTTエレクトロニクスオプテック株式会社を新設分割設立会社とする、共同新設分割を行いました。NTTエレクトロニクスオプテック株式会社は、普通株式1,000株を発行し、当社に200株、NTTエレクトロニクスに800株を割当てております。

ii. 古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社設立に係る共同新設分割

 当社およびNTTエレクトロニクスを新設分割会社として、両社の光半導体製品の製造事業の一部を承継する古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社を新設分割設立会社とする、共同新設分割を行いました。古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社は、普通株式1,000株を発行し、当社に600株、NTTエレクトロニクスに400株を割当てております。

② 株式割当ての算定根拠

 本共同新設分割はいずれも、当社およびNTTエレクトロニクスから承継する事業それぞれに関する売上高、人員、純資産額その他諸般の事情を総合的に勘案したうえで、当事者間で協議し割当て株式数を算定しました。

 

3)承継させる資産および負債の状況

 ①  NTTエレクトロニクスオプテック株式会社設立に係る共同新設分割          (単位:百万円)

 

資産

負債

       当社

               390

              なし

   NTTエレクトロニクス

              1,560

              なし

 

 

 ②  古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社設立に係る共同新設分割         (単位:百万円)

 

資産

負債

       当社

              1,950

              なし

   NTTエレクトロニクス

              1,300

              なし

 

 

4)新設分割設立会社の概要

 

新設分割設立会社

新設分割設立会社

(1)名称

 NTTエレクトロニクスオプテック株式会社

 古河ファイテルオプティカルデバイス株式会社

(2)事業内容

 平面光波回路製品の製造

 光半導体製品の製造

(3)資本金

 100百万円

 100百万円

(4)出資比率

 当社 20%

 NTTエレクトロニクス 80%

 当社 60%

 NTTエレクトロニクス 40%

 

 

(4)技術導入契約の主なものは、次のとおりであります。

契約技術

契約の相手方(国籍)

契約期間

対価

化合物半導体デバイスおよび化合物半導体材料に関する技術(特許実施)(注)1

ALCATEL-LUCENT

(アメリカ)

自 平成5年7月14日

至 実施許諾特許の満了日

実施料 一定料率

MT-RJコネクタの製造に関する技術
(特許実施)

THE WHITAKER CORPORATION

(アメリカ)

自 平成10年4月23日

至 実施許諾特許の満了日

頭金  定額

MPXコネクタ技術

(特許実施、商標使用)

TYCO ELECTRONICS CORPORATION

(アメリカ)

自 平成12年10月17日

至 実施許諾特許の満了日

頭金  定額

実施料 一定料率

 

(注)1.原契約はAMERICAN TELEPHONE AND TELEGRAPH COMPANYと締結しましたが、同社の事業分割により、平成8年9月23日よりLUCENT TECHNOLOGIES社(現ALCATEL-LUCENT社)が契約の相手方となっております。

2.以下の契約は、平成28年4月23日をもって契約期間が終了しました。
 契約技術:LC コネクタ技術(特許実施)
 契約の相手方(国籍):OFS Fitel, LLC(アメリカ)
 契約期間:自 平成13年3月2日 至 実施許諾特許の満了日
 対価:頭金 定額、実施料 一定料率

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社4研究所(コア技術融合研究所、先端技術研究所、自動車・エレクトロニクス研究所、情報通信・エネルギー研究所)および海外のOFS Laboratories, LLC (米国)、Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)を中心とする研究体制を有し、積極的に研究開発を進めております。
 当連結会計年度における研究開発費は17,454百万円であり、各セグメントの主な成果等は次のとおりであります。

 

(1)インフラ

①光通信ネットワークにおいて波長チャネルを柔軟に運用するための次世代CDC-ROADMシステムの主要部品であるマルチキャストスイッチ(MCS)について、小型化、低消費電力化を実現すべく、比屈折率差5%以上となる高Δ(デルタ)石英導波路技術を適用したMCSチップの開発を進め、試作品の特性評価を進めております。

②次世代の400Gbps・1Tbps大容量光デジタルコヒーレント伝送向け制御回路付信号光源について、更なる高出力化、狭線幅化を実現すべく、構成要素である半導体レーザチップ、パッケージ技術、制御回路の開発および特性評価を進めております。

③信号ルート切替え装置の主要部品である波長選択スイッチ(WSS)に関する国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)プロジェクトからの委託研究「エラスティック光アグリゲーションネットワークの研究開発」において最大1x93chの多ポート低損失の帯域可変WSSの開発に成功いたしました。WSSはサービス毎に性質の異なる通信トラフィックを効率よく集約し、用途に合わせデータ容量を伸縮するエラスティック光アグリゲーションネットワークに不可欠の部品であり、帯域可変特性やスイッチング特性の評価および実証試験を進めております。

④将来の超大容量光通信における空間多重技術として、NICTプロジェクトからの委託研究「革新的光通信インフラの研究開発」および「革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発」を活用しつつ、1本の光ファイバに複数(7個あるいは19個)のコアを含むマルチコアファイバおよびその周辺技術としてマルチコア光増幅ならびにマルチコア光接続技術の開発に取り組み、長距離幹線系、加入者アクセス系、光インターコネクションへの適用に向けた技術検討を引き続き実施しております。

⑤データセンターの低消費電力化や高速化を実現する光インターコネクション分野では、機器内ボードを接続する高密度光配線用接続部材の開発を進め、ユーザーにおいてサンプル評価を継続して実施しております。

⑥開発したピーク光出力6kWまでのファイバレーザ発振機を用いて、加工試験実施による製品技術検討とアプリケーション開発を行うと共に、ユーザーにおける加工評価を進めております。

⑦イットリウム系(Y系)高温超電導電力ケーブルについては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託プロジェクト「次世代送電システムの安全性・信頼性に係る実証研究」に参画し、ケーブル破壊時の周囲環境への影響について、評価と検討を行っております。

⑧Y系超電導薄膜を応用した超電導応用機器については、NEDOの委託プロジェクト「高温超電導実用化促進技術開発」(高磁場マグネットシステム開発)に参画しており、高磁場特性に優れたY系超電導線材を活用し、超電導MRI装置などに用いられる高安定磁場コイルシステム基盤技術の研究開発を進めております。

⑨NEDOの助成プロジェクト「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」にて公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同で開発したフライホイール用高温超電導軸受を高性能化し、回転運動と電力の相互変換により電力の貯蔵を可能とするフライホイール蓄電システムに組み込んだうえ、大規模太陽光発電所と電力系に連係させる実証試験を進めております。

⑩経済産業省の委託事業「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」に受託コンソーシアムの一員として参画し、浮体式設備の動きや波・潮流に追従し水中で浮遊する浮体式風力発電用ライザーケーブルの開発を担当しております。同事業における平成27年の7MW用風車および平成28年の5MW用風車設置に伴い、それぞれ22kVの大容量ライザーケーブルの施工を完了いたしました。

 

 以上、当該事業に係る研究開発費は8,763百万円であります

 

 

(2)電装エレクトロニクス

①アルミ電線を使用したワイヤハーネスについては、車両軽量化の要請を背景とした更なる適用部位拡大に向け、高強度アルミ電線の開発や防食端子などの関連技術開発を進めております。

②自動車用バッテリーセンサーについては、過充電抑制での燃費向上および過放電によるバッテリー上がり 防止などへの貢献が期待されており、拡販および受注活動とともに、高機能化に向けた開発を進めております。また、今後予測される車載電子機器の増加・電動化に対して、電源品質を維持する電源マネージメントシステムに関連した製品の開発を継続して実施しております。

③パルス方式により人・複数物標などの対象物を正確に認識可能な自動車搭載用の24GHz帯周辺監視レーダにつき、国内初の量産品をリリースしました。先進運転支援システム(ADAS)を支える計測技術として、更に高機能・高性能化を目指し開発を継続していきます。

④産業用や車載用のモーターに使用される巻線については高効率化を、スマートフォンをはじめとする電子部品分野で使用される高機能巻線については省スペース化を志向した研究開発を行っております。

⑤非接触の電力給電方法として期待される、電界方式のワイヤレス給電システムの開発を継続して進めております。

⑥GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスは、同製品市場の有力事業者で資本提携先のTransphorm,Inc.(米国)との相互連携を図り、継続して両社のGaNパワーデバイス応用製品群の強化、育成を進めております。

⑦平成28年度に終了したNEDOの「低炭素社会を実現する炭素材料実用化プロジェクト」助成事業の成果をもとに、カーボンナノチューブを用いた超軽量電線の実用化に向けて開発を継続していきます。

⑧研究開発の効率化のため、シミュレーション技術等の有効活用を推進しております。ワイヤハーネス開発においては構造シミュレーション、電子機器の開発においては振動・熱流体シミュレーション、レーダ開発においては電磁界シミュレーションを活用したほか、車載ソフト用アルゴリズム構築に際してのモデルベース開発により、試作回数・費用の削減や設計の最適化を行っております。

⑨自動車の電動化・電子化及び電子機器の小型化・高機能化に伴い、ワイヤハーネスの高電圧化、大電流化やコネクタの微細化、多極化が進行しており、これらの技術動向に対応する高機能な銅合金および貴金属めっきの開発及び製品化を進めております。

⑩銅ナノ粒子を用いたエレクトロニクス向け接合・配線材料の開発を引き続き行い、顧客にてサンプル評価を進めております。

 

 以上、当該事業に係る研究開発費は4,711百万円であります。

 

(3)機能製品

①食料品包装用フィルムなどに用いられる植物性由来のセルロースナノファイバー(CNF)の軽くて硬い特徴を活かし、自動車分野をはじめ様々な用途が期待されるCNF強化樹脂の高効率製造法の開発を行い、その基礎を確立しました。

②ヒートパイプ技術を活用した熱マネジメント(均熱・放熱)技術システムについては、ハイブリッド電気自動車など次世代自動車への搭載に向けて、リチウムイオンバッテリーやインバータなどによる発熱量の増大に対応する製品の開発を進めております。

③リチウムイオン電池用銅箔として高強度銅箔を開発し、顧客にてサンプル評価を進めております。また、通信、ネットワークの高速化に対応した高周波プリント基板用銅箔を製品化いたしました。

 

 以上、当該事業に係る研究開発費は1,837百万円であります。

 

 

(4)サービス・開発等

 新事業分野等に関するものであります。

 米国研究子会社SuperPower Inc.において、Y系高温超電導線材の研究開発を行い、特に超高磁場超電導マグネット開発に貢献しております。同社の超電導線材は、米国フロリダ州タラハシーの国立高磁場研究所(NHMFL)で開発した超電導試験マグネットシステムにおいて、平成28年4月に、世界最高磁場(40.2T)を達成いたしました。

 

 以上、当該事業に係る研究開発費は2,141百万円であります

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ444億円増加して7,501億円となりました。流動資産は、前連結会計年度末比184億円増加3,824億円、固定資産は、前連結会計年度末比260億円増加3,677億円でした。受取手形及び売掛金が118億円、たな卸資産が112億円、投資有価証券が162億円それぞれ増加しました。

流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は、前連結会計年度末に比べ243億円増加して890億円となりました。

有形・無形固定資産は、資本的支出で316億円の増加、減価償却で234億円の減少のほか、除売却による減少等により変動しております。

負債の部では、長期借入金、短期借入金、社債を合計した有利子負債が2,525億円と前連結会計年度末比で53億円の減少となりました。

純資産の部では、利益剰余金が136億円、その他の包括利益累計額が202億円それぞれ増加しました。その結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比3.1ポイント上昇し27.6%となりました。

なお、キャッシュ・フローの概況については、「1[業績等の概要]」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度比3.6%減8,433億円、連結営業利益は、前連結会計年度比42.4%増の386億円となりました。円高や銅地金価格下落の影響によりグループ全体の売上高は減少しましたが、情報通信量の増大や半導体市場の伸長を背景として、情報通信ソリューション事業やAT・機能樹脂製品事業が好調であり、自動車部品事業における海外拠点の生産効率改善や銅箔事業の構造改革の効果も順調に現れました。

営業外損益では、持分法による投資損益が58億円改善しました。この結果、連結経常利益は360億円前連結会計年度比92.5%増)となりました。

特別損益は、81億円の損失(純額)となりました。固定資産処分益41億円および㈱ビスキャスからの事業譲受による負ののれん発生益53億円等を特別利益に計上した一方、当社子会社製自動車部品を組み込んだ製品における市場回収措置(リコール)に関連した製品補償引当金繰入額131億円等を特別損失に計上しました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は176億円前連結会計年度比75.6%増)となりました。

なお、セグメント別の概況は、「1[業績等の概要]」に記載しております。