(1) 業績
当期の世界経済は、米国においては、個人消費や雇用環境が改善を続け、これが企業部門にも波及するなど、着実な景気回復が継続した一方、欧州においては、ギリシャ債務問題の再燃などにより、回復が徐々に鈍化してきた。新興国においては、中国などのアジアは成長を維持しているものの、ブラジルやロシアなどでは景気後退が続いており、全体として成長に勢いを欠いた。
わが国の経済は、雇用・所得環境が着実に改善を続ける中、個人消費も底堅く推移し、景気は総じて緩やかに回復した。しかし、昨年4月からの消費増税の影響により、自動車など耐久消費財の売行き不振が予想以上に長引き、関連業界において在庫調整が行なわれるなどの動きが一部で見られた。
このような環境の下、当社グループにおいては、2年目を迎えた中期経営計画『Furukawa G Plan 2015』に基づき、重点市場である「インフラ/自動車市場」への注力、「グループ・グローバル経営の強化」を進めてきた。すなわち、南米コロンビアに光ファイバ・ケーブル工場を新設、中国およびメキシコでワイヤハーネス工場を新増設するなど、拡大し続ける需要に対応する製造体制を整えたほか、メキシコにLAN通信ソリューション関連製品の販売会社を、ブラジルに自動車用ステアリング・ロール・コネクタの販売会社を設立したことに加え、㈱UACJとの間で、本年4月にハードディスク用アルミ基板材の販売・技術サービス等を行なう合弁会社を設立することに合意するなど、国内外で販売体制を強化してきた。さらに「次世代事業の育成」施策として、昨年11月には、当社グループの有する多様な技術の融合により、顧客満足度のより高い製品開発の加速と新規事業創出を図ることを目的に、研究開発組織の見直しを行い、これまでの製品別研究から、基礎研究・要素技術開発・製品開発というステージ別の研究へと、研究開発体制の抜本的改革を行なった。なお、昨年2月の記録的な大雪の被害により製造工程の一部を停止していた日光事業所の銅条製品については、当初の予定どおり昨年12月に完全復旧し、本年1月より一貫生産を再開した。
当期の業績については、スマートフォン等に使用される半導体の製造用テープ、ハードディスク用アルミ基板材などの売上が好調に推移したほか、米国・欧州における光ファイバ・ケーブルの需要や中国における高圧電力ケーブルの受注が回復した一方、銅箔事業の不振が継続したほか、自動車部品について、円安による海外工場からの逆輸入製品のコスト上昇等があったこと、銅条製品について、雪害に伴う操業の一部停止に伴い、売上の減少や製造工程の一部を外部委託せざるを得なかったことによるコスト増が発生した。これらの結果、連結売上高は8,678億円(前期比6.9%減)、連結営業利益は179億円(前期比29.8%減)、連結経常利益は186億円(前期比27.2%減)となった。海外売上高は3,853億円(前期比0.3%増)で、海外売上高比率は44.4%となり、前期比3.2ポイント増となった。上記に加え、投資有価証券や不動産の売却益などによる特別利益157億円、米国の超電導開発・製造子会社株式の評価損などによる特別損失181億円を計上し、連結当期純利益は74億円(前期比31.1%増)となった。
なお、単独の業績については、売上高は4,174億円(前期比2.5%減)、営業損失は13億円(前期比35億円悪化)、経常利益は47億円(前期比48.5%減)、当期純利益は43億円(前期比50.5%増)となった。
セグメントの業績を示すと、次のとおりである。
なお、第1四半期連結会計期間より、従来「情報通信」に含めていた一部事業について、開発を更に加速すべく管理所管の見直しを行い、報告セグメントの区分を「サービス等」に変更した。
また、報告セグメントの位置づけをより適切に表示するため、「サービス等」の名称を「サービス・開発等」に変更している。
これに伴い、前年同期比較の数値は、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組替えて算出した。
〔情報通信部門〕
北米・欧州における光ファイバ・ケーブルの需要回復や、円安による光ファイバ輸出の収益改善があったこと、さらにタイの携帯電話関連工事が引き続き活況を呈したこと、次世代型光通信であるデジタルコヒーレント関連製品の売上が増加するなど、海外事業や高機能製品は概ね好調に推移した一方、国内における光ケーブルの競争激化やネットワーク関連製品の需要低迷による収益悪化等により、当部門の連結売上高は1,552億円(前期比0.9%増)、連結営業利益は57億円(前期比27.6%減)となった。また単独売上高は502億円(前期比11.1%減)となった。
当部門では、本年4月1日付けで、情報通信分野における統合的なソリューション事業を推進するため、関連する複数の事業部門を統括する情報通信ソリューション統括部門を新設した。また、ロシアやインドなど今後も光ファイバ・ケーブル需要の拡大が見込まれる地域への供給体制を拡充するとともに、デジタルコヒーレント通信における主要部品である小型ITLA(波長可変半導体レーザ)など、当社グループが競争力を有する高機能部品を供給することで、収益の拡大を図っていく。
〔エネルギー・産業機材部門〕
半導体製造用テープの売上が好調であったこと、中国の電力ケーブル事業子会社において、同国内向けおよび輸出品の受注が増加したことならびに構造改革を進めたことなどにより損益が改善し、当部門の連結売上高は2,932億円(前期比1.9%減)、連結営業利益は43億円(前期比158.2%増)となった。また、単独売上高は1,370億円(前期比同水準)となった。
なお、当社は、本年4月1日付けで、持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスから、地中および海底送電線に関する海外事業を譲り受けた。今後、当社グループが有する海外販売拠点を活用することで新興国等での電力ケーブル需要を取り込み、事業の拡大を図っていく。
〔電装・エレクトロニクス部門〕
ハードディスク用アルミ基板材や電子機器・鉄道車両用放熱部品は売上を伸ばしたが、自動車部品事業において、円安の影響により海外工場からの逆輸入製品コストが増加したこと、さらに自動車用バッテリーの主原料である鉛の価格上昇が収益を圧迫したことなどにより、当部門の連結売上高は3,082億円(前期比5.9%増)、連結営業利益は129億円(前期比7.7%減)となった。また、単独売上高は1,640億円(前期比3.5%増)となった。
当部門では、グローバルな拡大を見せるワイヤハーネスやバッテリーなどの自動車部品需要を着実に取り込むため、海外での製造・販売拡充に向けた施策を引き続き展開するとともに、アルミワイヤハーネスやハイブリッド自動車向け平角巻線、バッテリー状態検知センサなど、今後の成長が見込まれる分野において、当社グループの技術を結集し競争力を高めていく。
〔金属部門〕
海外での売上高増加や銅箔事業の台湾子会社の生産性が向上した効果があったものの、自動車用リチウムイオン電池用の銅箔について、電気自動車の需要低迷などによる受注減少に伴う国内工場の操業低下があったほか、銅条製品に関する日光事業所での操業一部停止の影響などにより損益が悪化し、当部門の連結売上高は1,337億円(前期比2.3%増)、連結営業損失は49億円(前期比19億円悪化)となった。また、単独売上高は628億円(前期比13.7%減)となった。
当部門では、本年1月より日光事業所において一貫生産を再開した高機能銅条製品などの販売を拡大していくとともに、銅箔事業における国内の生産拠点の規模を最適化する構造改革を加速し、採算性を高めることで競争が激化する市場においても安定した利益を創出する体制を構築していく。
〔軽金属部門〕
当部門を構成していた古河スカイ㈱(現㈱UACJ)は、平成25年10月から当社の持分法適用の関連会社となった。なお、前年同期の連結売上高は966億円、連結営業利益は44億円であった。
〔サービス・開発等部門〕
当部門においては、物流、情報処理・ソフトウェア開発、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポート、不動産の賃貸、水力発電、新製品研究開発等を行なっている。
当部門の連結売上高は535億円(前期比21.3%増)、連結営業損失は1億円(前期比5億円悪化)となった。また、単独売上高は34億円(前期比3.6%減)となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、295億円(前連結会計年度比42億円の増加)となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益162億円を計上したこと等により、+415億円(前連結会計年度比+226億円)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、△235億円(前連結会計年度比+168億円)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の削減等により、△155億円(前連結会計年度比△455億円)となった。
当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしていない。このため、生産、受注及び販売の状況については、「1[業績等の概要]」におけるセグメントの業績に関連付けて示している。
1)持続的成長へ向けた収益力の強化
平成27年度を最終年度とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」については、想定外の円安の進行による自動車部品事業でのコスト増や、銅箔事業における更なる事業環境の悪化により、当初計画どおりの収益達成は非常に厳しい状況にあるが、当社グループが活力・収益性・成長性を備えた企業集団となるという方針のもと、以下の追加施策を進めていく。
① 銅条事業の強化
日光事業所で製造している無酸素銅や当社オリジナル銅合金などの銅条製品は、当社が長年培ってきた技術やノウハウが凝縮されており、競合他社の追随を許さない品質・機能により、半導体やコンデンサのリードフレーム材など多岐にわたる分野で使用されている。同製品については、昨年2月の雪害による一部工程の停止から復旧し、本年1月から一貫生産を再開しているが、今後は、これらの製品群が有する技術優位性を最大限に活かしながら、精密機器の放熱部品用途などの新規分野での需要を掘り起こすとともに、需要拡大が見込まれるコネクタ材などの自動車部品用途への販売をさらに促進していく。加えて、国外コイルセンターの活用やOEM連携の強化を進めることで、海外市場への供給体制を充実させ、海外での事業拡大も図っていく。
② グループ・グローバル経営の更なる加速
今後も世界規模で需要の拡大が見込まれる自動車市場や通信・電力のインフラ関連市場でのニーズに応えるため、東南アジアや中南米、アフリカなどの新興国において、製造拠点の拡充および供給体制の整備を継続していく。また、本年4月1日に改組した「グローバル事業推進部門」を中心に、当社グループが一体となった販売戦略を立案・遂行する体制を構築するとともに、海外販売会社との連携を強化し、グループでのグローバル展開を加速していく。
③ 既存事業の構造改革および高収益品へのシフト
電力事業において、当社が㈱ビスキャスから譲り受けた海外電力事業と同事業の中国子会社である瀋陽古河電纜有限公司を中心に、超高圧電力ケーブル事業のグローバル展開を加速させるほか、銅箔事業における汎用製品製造の海外拠点への移管ならびに国内製造拠点の高付加価値製品および新製品開発への特化や、産業電線・機器事業におけるノンハロゲン耐燃性架橋ポリエチレン電線等の高機能ケーブル製品への注力など、国内外での競争激化により収益性が低下している事業分野について、構造改革および高収益品へのシフトを進めていく。更に、自動車関連事業に携わる複数事業間の連携の強化や、情報通信分野における統合的なソリューションビジネスの展開など、当社グループの多様な製品や技術を結集して付加価値を高めることで、利益拡大を図っていく。
2)コンプライアンスの徹底
当社グループでは、平成20年以降、社外有識者の意見も取り入れながら独占禁止法・競争法違反行為の根絶を図ってきた。ただ、過去に行われた行為に対し、当社および持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスが、電力ケーブル事業に関し欧州競争法違反があったとして、昨年4月に欧州委員会より制裁金を科す決定を受けた。同決定に対して、両社は、制裁金の取消しまたは減額を求めて欧州普通裁判所に提訴している。また、同じく過去の自動車用部品取引に関するカルテルに関し、同年8月に中国で同国独占禁止法違反により制裁金を科す決定を受けた。
今後も、独占禁止法・競争法のみならず、贈収賄防止等、他の法領域を含む近時の各国・地域における規制強化に対応すべく、役職員への教育の充実や内部監査部門によるモニタリング強化といった活動をグループ全体で展開し、コンプライアンスの徹底と信頼の回復に努めていく。
3)コーポレート・ガバナンスの強化
わが国においては、金融庁と東京証券取引所によりコーポレートガバナンス・コードが策定されるなど、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に主眼をおいた、いわゆる「攻めのガバナンス」の強化を求められている。
当社では、多様な知識・経験・能力に基づいた経営への貢献に期待して、様々な分野から社外役員を招聘していることに加え、平成22年5月には、社外役員2名を含む4名の委員で構成される報酬委員会を設置して取締役等の報酬等について審議・決定するようにするなど、従来からコーポレート・ガバナンスを重視してきた。今後、資本効率を重視した経営を目指し、成長戦略投資や次世代新事業育成、財務体質の改善ならびに株主還元のバランスを基本とする資本政策の考え方につき、社外役員を交えた議論を積み重ね、平成28年度から開始する次期中期経営計画において具体化させるなど、上記コードの趣旨・精神を尊重し、より一層のコーポレート・ガバナンス強化に努めていく。
なお、上記コードの趣旨を踏まえ、本年5月の取締役会において、当社としての社外役員の独立性基準を定めた。また、従来の報酬委員会に代えて、取締役、監査役および執行役員の選任等について審議する機能も有する指名・報酬委員会を新たに設置するとともに、委員の過半数を社外取締役とするなど、コーポレート・ガバナンスの強化、充実を図っていく。
当社は、平成19年3月9日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を次のとおり定めている。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。 もっとも当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。 しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付の条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえます。 このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。 |
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する」ことを基本理念としている。当社グループの事業領域は、「情報通信」、「エネルギー・産業機材」、「金属」、「電装・エレクトロニクス」など多岐にわたるが、これらの事業は明治17年の創業以来培ってきた素材の加工・応用技術を基盤に、産業の発展に伴い創造してきたものである。その事業創造の過程で、当社グループは、独自の技術、経験および経営ノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員などの様々なステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてきた。これらは、当社グループの有形・無形の貴重な財産であり、これらを毀損することなく、中長期的な視野で企業価値と株主共同の利益の一層の向上に結びつけるよう努めている。
以上の方針を事業へ展開していくにあたり、当社では、上記「(1)当面の対処すべき課題」に記載のとおり、2015年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」を策定し、新興国を中心とした電力・通信といったインフラ市場の旺盛な需要への対応、自動車関連分野におけるアジアを中心とした製造・販売体制の構築のほか、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善に取り組んでいる。
当社では、多数の株主および投資家による当社への長期的な投資を促進するため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以上のような施策を実施しており、これらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現にも資するものと考えている。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、平成19年6月26日開催の第185回定時株主総会決議により、買収防衛策として「当社株式の大規模買付行為への対応策」を導入し、以降、一部内容を変更するとともに、買収防衛策を更新してきている。現在の買収防衛策は平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により、更新されたものである。(以下、現在の買収防衛策を「本プラン」という。)
本プランは、当社株式の大規模買付が行われる場合の手続きを明確にし、株主が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保したり、買付者との交渉等が一定の合理的ルールにしたがって行われることを確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としており、その概要は次のとおりである。
当社の発行済株式総数の20%以上となる株式の買付または公開買付を実施しようとする買付者には、必要な情報を当社に提出していただき、当該大規模買付行為は取締役会による評価期間(大規模買付行為の方法により、買付者からの必要情報の提供後60日または90日とする。)経過後にのみ開始されるものとし、買付者が本プランの手続きを遵守しない場合や当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう買付であると取締役会が判断した場合、例外的に対抗措置(大規模買付者等による権利行使は認められないとの行使条件を付した新株予約権の無償割当等)を発動する場合がある。ただし、取締役会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役および社外有識者からなる第三者委員会を設置し、第三者委員会は外部専門家の助言を得たうえで、買付内容の検討等を行う。取締役会は対抗措置の発動に先立ち、第三者委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、第三者委員会は十分検討した上で対抗措置の発動の是非について勧告を行う。取締役会は、判断に際して第三者委員会の勧告を最大限尊重するものとする。
当社は、前述のとおり、厳しい経営環境の下、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善等に努めている。これらは当社の業績、経営指標を向上させ、企業価値の増大、株主共同の利益の向上につなげようとする取組みである。また、本プランは、次の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではない。
本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足している。
本プランは、平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により導入したもので、株主の意思が反映されたものとなっている。
本プランにおける対抗措置は、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえる。
本プランにおける対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される第三者委員会により行われることとされている。また、その判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されている。
株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしていることから、取締役の選任議案に関する議決権の行使を通じて、本プランに対する株主の意思を反映させることが可能となっている。したがって、本プランは、いわゆる「デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)」ではない。また、当社は、取締役の任期を1年とし、期差任期制を採用しておらず、経営陣の株主に対する責任をより明確なものとしている。したがって、本プランは、いわゆる「スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)」でもない。
当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受ける。
当社グループの業績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
1)知的財産権、その他第三者の権利侵害
当社グループでは、製品やソフトウェア等の開発、製造、使用および販売、その他の事業活動によって、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行い、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じている。しかし、第三者から知的財産権、その他の権利を侵害したとして訴訟を提起された場合、あるいは、第三者から当社グループの知的財産権、その他の権利を侵害された場合には、第三者との間にそれらの権利に関する交渉や係争が生じる。知財係争では、製造・販売等の差し止めや多額の損害賠償金や和解金が発生することがあり、当社グループにそれら差し止めや支払義務が生じた場合には、業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。また、体制を整備しているものの、当社グループの製造技術(ノウハウ)が第三者に漏洩した場合には、企業競争力が低下する可能性がある。
2)製品の欠陥
当社グループは、国内外の各種規格・基準及び永年の経験に培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行なっている。しかし、その全てについて欠陥が無く、将来に予期せぬ損失補償が発生しないという保証はない。とりわけ、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等に関連する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性がある。大規模な損失補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。
なお、当社子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行なわれており、当社または当社連結子会社が部品の販売先などから費用の一部の分担を求められる可能性がある。
3)原料及び燃料価格の変動
当社グループの主要原料である銅・アルミ等の非鉄金属、ポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNGは、世界情勢や市場の動向で予想外の価格変動を起こす可能性があり、この場合には一部の製品の売値への転嫁が遅れ或いは滞ることが想定され、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。
4)為替変動
当社グループは、調達および販売活動を様々な通貨で行なっており、為替相場の変動による影響を最小限に抑えるよう努めているが、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性がある。
5)金利の上昇リスク
金利が上昇した場合は、支払利息が増加し、当社グループの業績が悪化する可能性がある。
6)格付け低下
当社グループの今後の業績によっては、格付機関から付与されている当社の長期債務格付け及びコマーシャル・ペーパー等の格付けが低下し、資金の調達条件が悪くなり、支払利息が増加する可能性がある。
7)資産の減損
市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や、資産の収益性が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生する可能性がある。
8)税務に関わるリスク
当社グループは、国内外で事業展開する上で、各国の国内および国際間取引に係る租税制度の変更や税務当局との見解の相違等により税金コストが変動するリスクを有しており、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
9)事業用地の土壌汚染
当社グループが所有する土地について、「土壌汚染対策法」により、有害物質による土壌汚染の状況の調査・報告や、汚染の除去等の措置を命ぜられることがある。これら措置に要する費用の発生のほか、当社グループにおける土地の使用・処分等に制限が生じるリスクがある。
10)海外での活動
当社グループの生産および販売活動は、米国やヨーロッパ、ならびにアジアや南米の発展途上市場や新興市場等の日本国外でも行われている。これらの海外市場では予期しない法律または規制の変更や労働争議発生及び突発的な伝染病の流行などの各種リスクが内在しており、それらは当社グループの経営成績に影響を与える可能性がある。
特に、中国においては、当社は広州・上海及び北京・天津地区を中心に多数の進出拠点を有している。中国国内での投資や為替、金融、輸出入に関わる法制や諸規定の変更、電力供給の停止、疫病の流行等の回避不能な事象の発生により事業運営に支障をきたす可能性がある。例えば、人民元のレート調整などが発生した場合、当初の事業計画から大きく逸脱する可能性がある。また、中国企業向けの売掛金回収期間は比較的長く、現地子会社のキャッシュ・フローに影響を与える可能性もある。
これらに加えて、当社グループの事業活動に関連する国、地域における国際関係の緊張の高まり、紛争・政情不安、金融システム不安等により、治安・安全面のみならず、生産・販売活動等への影響を通じ、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
11)法令違反等
当社グループは、国内外で事業展開する上で、規制当局から様々な法規制を受けている。法規制の強化や法令解釈の厳格化があった場合には、事業の制限や費用の増加等の可能性がある。また、法令違反等の事象が生じた場合には、各規制当局からの処分・制裁、取引先等関係者からの損害賠償請求、社会的評価の悪化等により、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
なお、米国およびカナダにおいて、一連の自動車用部品カルテルによる損害の賠償を求める複数の集団訴訟が提起されており、当社および当社子会社がその被告となっている。また、一部の自動車メーカーとは、自動車用ワイヤハーネス・カルテルに関する損害賠償の交渉を行なっている。
上記のほか、電力ケーブル・カルテルに関し、当社の持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスに対しブラジル当局による調査が行なわれている。
12)自然災害等の影響
当社グループは、国内外に、調達、製造、物流、販売、研究開発拠点等を有している。大規模な地震や津波、火災、台風、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や新型インフルエンザ等の感染症の発生、戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった場合、直接的損害のほか、サプライチェーンを通じた間接的な損害により、当社グループの業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
①当社は、ビスキャスの海外電力ケーブル事業に関する営業権を譲り受ける。
注)本件事業譲受実施後も、譲渡対象事業に関する電力ケーブル等の製造は、ビスキャスが行なっている。
②ビスキャスに在籍する従業員のうち、譲渡対象事業に従事する従業員の一部は、平成27年4月1日をもって当社に帰属する。
契約技術 | 契約の相手方(国籍) | 契約期間 | 対価 |
化合物半導体デバイスおよび化合物半導体材料に関する技術(特許実施)(注)1 | ALCATEL-LUCENT (アメリカ) | 自 平成5年7月14日 至 実施許諾特許の満了日 | 実施料 一定料率 |
MT-RJコネクタの製造に関する技術(特許実施) | THE WHITAKER CORPORATION (アメリカ) | 自 平成10年4月23日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 |
MPXコネクタ技術 (特許実施、商標使用) | TYCO ELECTRONICS CORPORATION (アメリカ) | 自 平成12年10月17日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
LC コネクタ技術 (特許実施)(注)2 | OFS Fitel, LLC (アメリカ) | 自 平成13年3月2日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
ポリプロピレンビース発泡製シャーシ技術 (特許実施) | Dmt Gmbh, Feinwerktechnische Komplettlösungen (ドイツ) | 自 平成13年2月1日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
(注)1.原契約はAMERICAN TELEPHONE AND TELEGRAPH COMPANYと締結したが、同社の事業分割により、平成8年9月23日よりLUCENT TECHNOLOGIES社(現ALCATEL-LUCENT社)が契約の相手方となっている。
2.原契約はLUCENT TECHNOLOGIES社(現ALCATEL-LUCENT社)と締結したが、同社の光ファイバ・ケーブル部門の事業譲渡に伴い、本契約の相手方は平成13年11月16日より当社子会社のFITEL USA CORP.(平成15年12月19日FURUKAWA ELECTRIC NORTH AMERICA, INC.に商号変更したのち、平成20年12月31日に解散)となり、さらに平成20年12月31日から同契約の相手方はOFS Fitel, LLCとなっている。
3.以下の契約は、平成26年7月14日をもって契約期間が終了した。
契約技術:レーザーモジュール技術(特許実施)
契約の相手方(国籍):CORNING INCORPORATED(アメリカ)
契約期間:自 平成11年2月23日 至 実施許諾特許の満了日
対価:頭金 定額、実施料 一定料率
4.以下の契約は、平成26年12月21日をもって契約期間が終了した。
契約技術:高効率半導体発光デバイス及び方法(特許実施)
契約の相手方(国籍):SANDIA CORPORATION(アメリカ)
契約期間:自 平成15年5月9日 至 平成26年12月21日
対価:頭金 定額、実施料 一定料率
5.以下の契約は、平成27年2月16日をもって契約期間が終了した。
契約技術:ファイバー・ブラッグ・グレーティング技術(特許実施)
契約の相手方(国籍):UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION(アメリカ)
契約期間:自 平成11年3月2日 至 実施許諾特許の満了日
対価:頭金 定額、実施料 一定料率
当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社研究所、グループ会社の研究所、および海外のOFS Laboratories, LLC (米国)、Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)からなる研究体制を有し、積極的に研究開発を進めている。このうち国内の当社研究所については、平成26年11月、従来の製品別の研究開発から研究ステージ(基礎研究・要素技術開発・製品開発)別の研究開発体制への移行を目的として、6研究所から4研究所へ再編する研究開発組織の改革を行なった。新体制は、当社グループのコア技術を集結し、技術力の向上、技術融合により新たな価値を創出し新製品開発に繋げる研究を行なう「コア技術融合研究所」、新事業の実現・成長を目指した先端技術の研究に取り組む「先端技術研究所」、現中期経営計画におけるターゲット領域(自動車、インフラ)での製品開発に注力する「自動車・エレクトロニクス研究所」および「情報通信・エネルギー研究所」の4研究所で構成されている。
当連結会計年度における研究開発費は16,599百万円であり主な成果等は次のとおりである。
①次世代大容量通信システムを構成する100Gbps光デジタルコヒーレント伝送に用いる、位相変調と偏波多重により多値化された信号を光の強度信号に変換するレシーバ部品については、比屈折率差5%以上となる新しい石英導波路技術を用いた小型チップの技術開発を進め、試作品の特性評価を実施している。
②100Gbpsデジタルコヒーレント伝送機器の小型化要求に伴い開発した標準制御回路付信号光源用半導体レーザについては、伝送装置メーカー向けに本格量産を開始し、続いて次世代の超高速400Gbps光デジタルコヒーレント伝送向けの開発を進めている。
③信号ルート切替え装置の主要部品である波長選択スイッチ(WSS)について、情報通信ネットワークの効率的な利用、低消費電力化に寄与するため、情報通信研究機構(NICT)プロジェクトからの委託研究「エラスティック光アグリゲーションネットワークの研究開発」にて、多ポートで帯域を任意で変更できる製品の開発を進めている。
④将来の超大容量光通信における空間多重技術として、1本の光ファイバに複数(7個あるいは19個)のコアを含むマルチコアファイバ、およびその周辺技術としてマルチコア光増幅、マルチコア光接続技術の開発に取り組み、長距離幹線系、加入者アクセス系、光インターコネクションへの適用に向けた技術検討を引き続き実施している。
⑤データセンターの低消費電力化や高速化を実現する光インターコネクション分野では、アクティブオプティカルケーブル(AOC)搭載用に開発した小型低消費電力光エンジンについて、次期規格である伝送速度28Gbpsでの伝送特性を評価している。また、機器内ボードを接続する高密度光配線の開発を進め、ユーザーにおいてサンプル評価を継続して実施している。
⑥光出力1kWのシングルモードファイバレーザを複数合波することにより、ピーク出力6kWのファイバレーザ発振器を開発し加工試験を実施している。
以上、当該事業に係る研究開発費は6,749百万円である。
①内閣府が推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の課題の一つである革新的構造材料推進委員会に参画し、セルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂の高効率製造法を開発している。
②イットリウム系(Y系)高温超電導電力ケーブルについては独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託プロジェクト「次世代送電システムの安全性・信頼性に係る実証研究」に参画し、実用化に向けた技術検討を行なっている。
③Y系超電導薄膜を応用した超電導応用機器については、経済産業省の委託プロジェクト「高温超電導コイル基盤技術開発プロジェクト」に継続して参画し、高磁場特性に優れたY系超電導線材を活用し、高安定・高磁場を実現するコイルシステムの基盤技術開発を進めている。
④NEDOの委託プロジェクト「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」に参画し、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同で、フライホイール用高温超電導軸受を開発した。完成した高温超電導軸受は、回転運動と電力の相互変換により電力の貯蔵が可能なフライホイール蓄電システムに組み込まれ、試験運転を開始している。
⑤経済産業省の委託事業「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」に受託コンソーシアムの一員として参画し、浮体式風力発電用ライザーケーブルの開発を担当している。平成25年11月、同事業の第1期工事として設置した2MW浮体式洋上風力発電設備1基および浮体式洋上サブステーションが運転を開始し、7MW用風車の2期工事に向けて22kVの大容量ライザーケーブルの開発を行なっている。
以上、当該事業に係る研究開発費は1,349百万円である。
①アルミ電線を使用したワイヤハーネスについては、車両軽量化の要請を背景とした更なる適用部位拡大に向け、高強度なアルミ電線の開発や防食端子などの関連技術開発を進めている。
②自動車用バッテリーセンサーについては、バッテリー電力を管理することにより自動車のエネルギー利用効率化への貢献が期待されており、拡販および受注活動とともに、高機能化に向けた開発を進めている。また、今後予測される車載電子機器の増加・電動化に対して、電源品質を維持する電源マネージメントシステムに関連した製品の開発を行なっている。
③24GHz帯を使用したレーダーについては、自動車の予防安全システムに用いられる車両周辺監視センサー用に開発を進めている。自動車メーカーの基本的な機能要求を満たすとともに、機能拡張性のある製品開発を推進している。
④ヒートパイプ技術を活用した熱マネジメント(均熱・放熱)技術システムについては、HEV(ハイブリッド電気自動車)など次世代自動車への搭載に向けて、リチウムイオンバッテリーやインバータなどの発熱量の増大に対応するべく開発を進めている。
⑤産業用モータ他多くの分野から要求される、巻線の絶縁皮膜の薄膜化に向けた研究開発を行なっている。
⑥非接触の電力給電方法として期待される、電界方式のワイヤレス給電システムの開発を進めている。
⑦GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスは、これまでの研究開発活動の成果を活かすべく、平成26年4月に同製品市場の有力事業者であるTransphorm, Inc.(米国)に出資を行なった。これにより両社のGaNパワーデバイス応用製品群の強化、育成を図っている。
⑧NEDOからの委託事業である省エネルギー革新新技術開発事業「カーボンバンドルをユニットとする新規軽量導体の研究開発」に参画し、カーボンナノチューブのみからなる線材について、世界最小値となる電気伝導度の低抵抗化を達成した。
⑨研究開発の効率化のため、シミュレーション技術等を有効に活用している。ワイヤハーネス開発においては構造シミュレーション、電子機器の開発においては振動・熱流体シミュレーション、レーダー開発においては電磁界シミュレーションを活用したほか、アルゴリズム構築の際にモデルベース開発などを行い、試作回数・費用の削減や設計の最適化を行なった。
以上、当該事業に係る研究開発費は4,292百万円である。
①自動車の次期ワイヤハーネス向けにアルミ合金電線を開発し、顧客提案および製品化を進めている。
②銅ナノ粒子を用いたエレクトロニクス向け接合・配線材料としての開発を進め、顧客にてサンプル評価を実施している。
③リチウムイオン電池用電解銅箔の評価技術の確立に取り組み、顧客の要求特性を満たすための銅箔設計指針を構築した。
以上、当該事業に係る研究開発費は896百万円である。
主に新事業分野に関するものである。
米国研究子会社のSuperPower Inc.において、Y系高温超電導線材の研究開発を行なっており、同社の超電導線材が米国Applied Materials, Inc.の超電導限流器システムに採用され、システム試験が実施されている。同社ではこのほか実証プロジェクトへの線材供給や超電導応用機器の開発などを行なっている。
以上、当該事業に係る研究開発費は3,311百万円である。
総資産は、前連結会計年度末に比べ193億円増加して7,341億円となった。流動資産は、前連結会計年度末比88億円増加の3,688億円、固定資産は、前連結会計年度末比105億円増加の3,653億円であった。商品及び製品、仕掛品等のたな卸資産、有形固定資産が増加した。
正味の運転資本は、売掛債権の減少、及び、買掛債務の増加等により、減少している。
有形・無形固定資産は、資本的支出で307億円の増加、減価償却で225億円の減少のほか、減損損失の計上による減少等により変動している。
負債の部では、長期借入金、短期借入金、社債を合計した連結有利子負債が2,745億円と前連結会計年度末比で33億円の減少となった。
純資産の部では、利益剰余金が40億円増加した。また、円安・株高等の影響により、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加し、その他の包括利益累計額が95億円増加となった。自己資本比率は、前連結会計年度末比1.2ポイント上昇して26.0%となった。
なお、キャッシュ・フローの概況については、「1[業績等の概要]」に記載している。
連結売上高は、前連結会計年度比6.9%減の8,678億円となった。連結営業利益は179億円。スマートフォン等に使用される半導体の製造用テープ、ハードディスク用アルミ基板材等の需要が好調に推移したほか、米国・欧州における光ファイバ・ケーブルの需要や中国における高圧電力ケーブルの受注が回復した一方、銅箔事業の不振が継続したほか、自動車部品について、円安による海外工場からの逆輸入製品のコスト上昇等があったこと、銅条製品について、雪害に伴う操業の一部停止に伴い、売上の減少や製造工程の一部を外部委託せざるを得なかったことによるコスト増などにより、前連結会計年度比29.8%減の減益となった。
営業外損益では、前連結会計年度比で為替差損益が21億円減少した一方、持分法による投資損益が27億円増加したほか、環境対策引当金戻入益を10億円計上した。この結果、連結経常利益は186億円(前連結会計年度比27.2%減)となった。
当連結会計年度の特別損益は、24億円の損失(純額)となった。投資有価証券売却益、退職給付信託設定益等による特別利益を157億円計上した一方、災害による損失、投資有価証券評価損、カルテル関連費用、減損損失等による特別損失を181億円計上した。
以上の結果、連結当期純利益は74億円(前連結会計年度比31.1%増)となった。
なお、セグメント別の概況は、「1[業績等の概要]」に記載している。