(1) 業績
当期の世界経済は、米国においては、住宅市場の回復や失業率の改善を背景に個人消費が堅調に推移するなど、緩やかな景気回復が継続し、また、欧州においても、債務問題の克服と経済成長を促す政策の実施や輸出の好調な推移により、景気低迷から脱却する兆しが見られた。一方、新興国においては、先進国からの投資減少などもあり、全般的には成長に陰りが見えてきた。わが国においては、日本銀行による量的・質的緩和策の導入以降、公共投資の増加により、雇用・所得環境が改善する中で個人消費も底固く推移しており、景気は回復を続けてきた。
このような環境の下、当社グループにおいては、昨年4月よりグループ全体の事業遂行力の強化を目的とした事業部門制に移行し、新中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」で掲げた「インフラ/自動車市場」での成長に向けた施策を着実に実行してきた。インフラ市場においては、ブラジルにおける光ケーブル拠点の拡充など、新興国市場の旺盛な需要を確実に取り込む活動を引き続き実施してきた。自動車市場においても、アジアや中米において生産拠点の開設や増強を行なったほか、営業・設計・調達を行なう地域統括会社を中国に設立するなど、顧客のニーズにきめ細かく対応できる体制を整えてきた。このほか、構造改革も引き続き推進しており、拠点集約による生産体制の効率化や一部製品の海外生産シフトなど、収益力強化への取組みを継続して実施してきた。また、昨年11月に運転を開始した福島県での「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」において採用された浮体式風力発電用ライザーケーブルや、自動車の軽量化を促進させるアルミワイヤハーネスといった「新技術・新製品」の開発のほか、ブラジルでの「古河電工グループ総合技術展」の開催といった、当社技術や製品をグローバルにアピールする活動も行なってきた。
なお、本年2月の関東地方における大雪により当社日光事業所の建屋が一部損壊し、銅条などの製造工場で操業停止を余儀なくされた。復旧には本年末までかかる見込みだが、お客様の要請に応えるべく全力で対応している。このほか、当社グループの軽金属部門を担っていた古河スカイ㈱は、昨年10月1日に住友軽金属工業㈱と合併し、両社統合後の社名を㈱UACJと改め、新たなスタートを切った。これに伴い、当社の連結子会社であった同社は当社の持分法適用の関連会社となった。
当期の業績については、上述の㈱UACJ発足により、昨年10月から軽金属部門が当社連結の範囲から外れたことによる影響や、自動車向けリチウムイオン電池用銅箔の需要低迷などがあったものの、円安効果に加え、ワイヤハーネスが好調に推移した自動車用部品の売上が増加したことなどから、連結売上高は9,318億円と前期比0.8%の増収となった。海外売上高は3,841億円(前期比11.1%増)で、海外売上高比率は41.2%となり、前期比3.8%増と大幅に増加した。損益面については、液晶テレビ向け反射板MCPETや銅箔などの需要低迷による影響はあったものの、徹底した経費削減活動の成果に加え、前期低迷した情報通信分野の需要が復調し、自動車用部品の売上も好調に推移したことなどにより、連結営業利益は255億円(前期比43.3%増)、連結経常利益は255億円(前期比45.0%増)となった。また、特別損益において事業構造改革費用や固定資産の減損などによる特別損失172億円、保有する投資有価証券の売却などによる特別利益89億円を計上し、連結当期純利益は56億円(前期比56.8%増)となった。
なお、単独の業績については、売上高は4,283億円(前期比8.1%増)、営業利益は22億円(前期比56億円改善)、経常利益は92億円(前期比48.9%減)、当期純利益は29億円(前期比80.8%減)となった。
セグメント別の業績は次のとおりである。
〔情報通信部門〕
情報通信部門においては、中国で光ファイバの売上が低迷したほか、北米でも低調だったが、ブラジルなど南米における光ケーブル需要の回復やタイでの携帯電話工事関連事業が拡大したことなどにより、当部門の連結売上高は1,540億円(前期比5.4%増)となった。損益については、引き続き生産拠点等の集約による生産性向上などに努め、連結営業利益は72億円(前期比277.2%増)となった。また単独売上高は573億円(前期比12.6%増)となった。
当部門では、世界的なブランド力を有する米国OFS社や、現地市場で着実に事業規模を拡大しているブラジルFISA社を有しており、今後も本事業の更なるグローバル展開を図っていくとともに、次世代型光通信のキー技術となる小型ITLA(波長可変半導体レーザ)などの高機能部品、機器、システムを開発することで、通信インフラ大容量化へのニーズに貢献していく。
〔エネルギー・産業機材部門〕
エネルギー・産業機材部門においては、液晶テレビ向け反射板MCPETの売上が大きく後退したものの、昨年に引き続きスマートフォンなどに使用される半導体製造用テープの売上が堅調であったことや、太陽光発電設備の増加により管路製品や各種ケーブル類の売上が好調に推移したことなどにより、当部門の連結売上高は2,989億円(前期比12.5%増)となった。損益については、国内におけるケーブル価格の低下やMCPETの売上減少などが影響し、連結営業利益は17億円(前期比15.0%減)となった。また、単独売上高は1,371億円(前期比6.3%増)となった。
当部門では、「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」の成果や、着実に販売実績を上げている太陽光発電設備向け管路材などの製品により、引き続き国内外における次世代エネルギーをも含めた電力インフラ市場での事業規模拡大を図っていく。
〔電装・エレクトロニクス部門〕
電装・エレクトロニクス部門においては、世界規模での自動車販売台数の増加を背景に自動車用部品が売上を伸ばし、また、国内市場においても軽自動車や新車種向けを中心にワイヤハーネスが好調を維持したことや、ハードディスク用アルミ基板材が安定して売上を伸ばしたことなどから、当部門の連結売上高は2,910億円(前期比19.4%増)となった。損益についても、ワイヤハーネスを中心に自動車用部品が堅調に推移したことなどから連結営業利益は140億円(前期比50.5%増)となった。また、単独売上高は1,585億円(前期比13.6%増)となった。
当部門では、アジア各国やメキシコにおいて、ワイヤハーネスの製造会社や販売会社を設立するなど、グローバルな拡大を見せる自動車用部品需要を着実に取り込む施策を引き続き展開していく。
〔金属部門〕
金属部門においては、円安の影響から、当部門の連結売上高は1,307億円(前期比1.0%増)と前年より増加したものの、国内電力料金の上昇による採算性の悪化や、競争激化による価格低下の影響を受けたこと、また、本年2月に発生した日光事業所における大雪被害による操業停止の影響などもあり、連結営業損失は31億円(前期比18億円悪化)となった。また、単独売上高は728億円(前期比1.7%減)となった。
当部門の銅箔事業では、国内における製造拠点の集約と、台湾の古河銅箔股份有限公司や台日古河銅箔股份有限公司への製造移管を更に加速し、競争が激化する市場において安定した利益を生み出す体制の構築を進めていく。
〔軽金属部門〕
軽金属部門においては、前述のとおり、当部門を構成していた古河スカイ㈱(現 ㈱UACJ)が、昨年10月から当社の持分法適用の関連会社となった。当期における昨年4月から同年9月までの当部門の累計連結売上高は966億円、同連結営業利益は44億円となった。
〔サービス等部門〕
サービス等部門においては、情報処理・ソフトウェア開発、物流、各種業務受託等による当社グループ各事業のサポートのほか、不動産の賃貸や水力発電等を行なっている。当部門の連結売上高は438億円(前期比18.4%増)、連結営業利益は10億円(前期比31.2%減)となった。また、単独売上高は28億円(前期比4.3%減)となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、253億円(前連結会計年度比52億円の減少)となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益173億円を計上したこと等により、+189億円(前連結会計年度比△360億円)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、△403億円(前連結会計年度比+46億円)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入による資金調達を行ったこと等により、+299億円(前連結会計年度比+413億円)となった。
当社グループの生産・販売品目は、広範かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額または、数量で示すことはしていない。このため、生産、受注及び販売の状況については、「1[業績等の概要]」におけるセグメントの業績に関連付けて示している。
1)コンプライアンスの徹底
当社は、かねて関係当局の調査を受けていた自動車用部品のカルテルに関して、昨年4月にカナダで同国競争法違反により罰金を課され、同年7月には欧州委員会から欧州競争法違反により制裁金を課す決定を受けた。また、昨年12月および本年1月には、架空送電工事に係るカルテルについて、公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受け、これに伴い、本年4月および5月には、電気工事業の一部について、国土交通省より建設業法に基づく処分を受けている。このほか、国内外の電力ケーブル事業者等を対象に平成21年1月に開始された欧州委員会による調査の結果として、本年4月に持分法適用の関連会社である㈱ビスキャスとともに、同委員会から制裁金を課す決定を受けた。
当社グループでは、平成20年以降の公正取引委員会の立ち入り検査などを契機として、社外有識者の意見も取り入れながら独占禁止法・競争法違反行為の根絶を図ってきた。今後も、同業他社との接触や価格決定に関する社内ルールの徹底など再発防止のための活動を継続するとともに、独占禁止法・競争法遵守にとどまらず、他の法領域においても、各国・地域における近時の法規制の強化に対応した国内外グループ役職員への教育の充実や、内部監査部門によるモニタリングの強化といった活動をグループを挙げて展開し、コンプライアンスの徹底と信頼の回復に努めていく。
2)日光事業所における大雪被害について
本年2月の関東地方における大雪により、重要な設備に大きな被害はなかったものの、伸銅品を製造する当社日光事業所の工場建屋の一部が損壊する被害が発生した。伸銅品のうち線・棒製品については同2月中に製品の製造および供給を再開したが、条関連製品については中間工程の一部を他社に委託し製造・供給を行なっており、復旧には本年末までかかる見込みである。
当社では、社長を本部長とする「日光雪害復旧対策本部」を中心に、お客様への対応と操業の早期復旧に現在全力で取り組んでいる。また、グループ全体で災害時に備えた事業継続計画の見直しを行ない、今後も安定した製品供給体制の構築を図っていく。
3)中期経営計画 「Furukawa G Plan 2015」の推進
当社グループにおいては、昨年4月に策定した中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」において掲げた施策を、今後も着実に実行していく。
本計画を開始した昨年4月から戦略事業単位としての事業部門制に移行し、各事業の運営および収益責任の明確化を図った。当社の各事業を取り巻く環境は国内外で日々変化しており、各事業部門がそれぞれの環境変化に応じ事業戦略を柔軟に見直し、収益力強化へ向けた施策を迅速に実行することにより、当社グループ全体の持続的成長へ向けた基盤構築を図っていく。また、電力・通信インフラ/自動車関連分野における各製品についても、更なる研究開発および新製品開発を進めるとともに、各事業部門がこれらを事業化する施策を着実に実施し、市場での確固たるポジションを早期に構築し、中期経営計画で掲げた成長戦略の実現を目指していく。
このほか、本計画における「グループ・グローバル経営の強化」施策を実行するため、昨年11月には社長を本部長とする「グループ・グローバル経営推進本部」を設置した。この組織を中心に、グローバルに広がる当社グループ各社・各拠点に対する運営の基盤整備と支援を推進する体制を整え、グループ一体となった経営の更なる強化を進めるとともに、各事業の連携や製品の組み合わせ、グループ横断的な営業活動の展開といった取組みも加速させていく。
以上のように、本計画の策定時に掲げた施策を徹底的に遂行し、当社グループの更なる企業価値向上に努めていく。
当社は、平成19年3月9日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を次のとおり定めている。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。 もっとも当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。 しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主が買付の条件等について検討したり、当社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもありえます。 このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。 |
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する」ことを基本理念としている。当社グループの事業領域は、「情報通信」、「エネルギー・産業機材」、「金属」、「電装・エレクトロニクス」など多岐にわたるが、これらの事業は明治17年の創業以来培ってきた素材の加工・応用技術を基盤に、産業の発展に伴い創造してきたものである。その事業創造の過程で、当社グループは、独自の技術、経験および経営ノウハウ等を積み重ねるとともに、顧客、取引先、地域社会、従業員などの様々なステークホルダーとの間の良好な関係の維持、発展に努めてきた。これらは、当社グループの有形・無形の貴重な財産であり、これらを毀損することなく、中長期的な視野で企業価値と株主共同の利益の一層の向上に結びつけるよう努めている。
以上の方針を事業へ展開していくにあたり、当社では、上記「(1)当面の対処すべき課題」に記載のとおり、2015年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Furukawa G Plan 2015」を策定し、新興国を中心とした電力・通信といったインフラ市場の旺盛な需要への対応、自動車関連分野におけるアジアを中心とした製造・販売体制の構築のほか、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善に取り組んでいる。
当社では、多数の株主および投資家による当社への長期的な投資を促進するため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以上のような施策を実施しており、これらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現にも資するものと考えている。
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、平成19年6月26日開催の第185回定時株主総会決議により、買収防衛策として「当社株式の大規模買付行為への対応策」を導入し、以降、一部内容を変更するとともに、買収防衛策を更新してきている。現在の買収防衛策は平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により、更新されたものである。(以下、現在の買収防衛策を「本プラン」という。)
本プランは、当社株式の大規模買付が行われる場合の手続きを明確にし、株主が適切な判断をするために必要な情報や時間を確保したり、買付者との交渉等が一定の合理的ルールにしたがって行われることを確保することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としており、その概要は次のとおりである。
当社の発行済株式総数の20%以上となる株式の買付または公開買付を実施しようとする買付者には、必要な情報を当社に提出していただき、当該大規模買付行為は取締役会による評価期間(大規模買付行為の方法により、買付者からの必要情報の提供後60日または90日とする。)経過後にのみ開始されるものとし、買付者が本プランの手続きを遵守しない場合や当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう買付であると取締役会が判断した場合、例外的に対抗措置(大規模買付者等による権利行使は認められないとの行使条件を付した新株予約権の無償割当等)を発動する場合がある。ただし、取締役会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役および社外有識者からなる第三者委員会を設置し、第三者委員会は外部専門家の助言を得たうえで、買付内容の検討等を行う。取締役会は対抗措置の発動に先立ち、第三者委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、第三者委員会は十分検討した上で対抗措置の発動の是非について勧告を行う。取締役会は、判断に際して第三者委員会の勧告を最大限尊重するものとする。
当社は、前述のとおり、厳しい経営環境の下、持続的成長に向けた基盤の構築や財務体質の改善等に努めている。これらは当社の業績、経営指標を向上させ、企業価値の増大、株主共同の利益の向上につなげようとする取組みである。また、本プランは、次の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致しており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではない。
本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足している。
本プランは、平成25年6月25日開催の第191回定時株主総会決議により導入したもので、株主の意思が反映されたものとなっている。
本プランにおける対抗措置は、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえる。
本プランにおける対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される第三者委員会により行われることとされている。また、その判断の概要については株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されている。
株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしていることから、取締役の選任議案に関する議決権の行使を通じて、本プランに対する株主の意思を反映させることが可能となっている。したがって、本プランは、いわゆる「デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)」ではない。また、当社は、取締役の任期を1年とし、期差任期制を採用しておらず、経営陣の株主に対する責任をより明確なものとしている。したがって、本プランは、いわゆる「スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)」でもない。
当社グループの経営成績は、当社グループが製品販売・サービス提供をしている様々な市場における経済状況の影響を受ける。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
1)知的財産権、その他第三者の権利侵害
当社グループでは、製品やソフトウェア等の開発、製造、使用および販売、その他の事業活動によって、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行い、必要に応じて実施許諾を受ける等の措置を講じている。しかし、第三者から知的財産権、その他の権利を侵害したとして訴訟を提起された場合、あるいは、第三者から当社グループの知的財産権、その他の権利を侵害された場合には、第三者との間にそれらの権利に関する交渉や係争が生じる。知財係争では、製造・販売等の差し止めや多額の損害賠償金や和解金が発生することがあり、当社グループにそれら差し止めや支払義務が生じた場合には、業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。また、体制を整備しているものの、当社グループの製造技術(ノウハウ)が第三者に漏洩した場合には、企業競争力が低下する可能性がある。
2)製品の欠陥
当社グループは、国内外の各種規格・基準及び永年の経験に培われた品質管理基準に従って各種製品の製造、サービスの提供を行っている。しかし、その全てについて欠陥が無く、将来に予期せぬ損失補償が発生しないという保証はない。とりわけ、電力ケーブル、通信ケーブル、自動車用部品等に関連する製品については、欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性がある。大規模な損失補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。
なお、当社子会社が製造した自動車用部品に関連し、当該部品を組み込んだ自動車について市場回収措置(リコール)が行なわれており、当社または当社連結子会社が部品の販売先などから費用の一部の分担を求められる可能性がある。
3)原料及び燃料価格の変動
当社グループの主要原料である銅・アルミ等の非鉄金属、ポリエチレン等合成樹脂及び燃料である重油やLPG、LNGは、世界情勢や市場の動向で予想外の価格変動を起こす可能性があり、この場合には一部の製品の売値への転嫁が遅れ或いは滞ることが想定され、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性がある。
4)為替変動
当社グループは、調達および販売活動を様々な通貨で行なっており、為替相場の変動を最小限に抑えるよう努めているが、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性がある。
5)金利の上昇リスク
支払利息については、その増加を出来る限り抑えるよう努めているが、金利が上昇した場合、当社グループの業績が悪化する可能性がある。
6)格付け低下
当社グループの今後の業績によっては、格付機関から付与されている当社の長期債務格付け及びコマーシャル・ペーパー等の格付けが低下し、資金の調達条件が悪くなり、支払利息が増加する可能性がある。
7)資産の減損
市況や事業環境の悪化によって、当社グループが保有する資産の市場価格が著しく低下する場合や、資産の収益性が低下する場合には、当該資産について減損損失が発生する可能性がある。
8)事業用地の土壌汚染
当社が小山地区に所有する土地については、同地に保管する廃棄物の処分と底地の土壌汚染に対する環境改善工事の一部が終了したが、未処分の廃棄物及び未着手の工事がある。その他、当社グループが保有する土地に関しても転用・売却する際の土壌調査の結果により、土壌汚染対策費用が発生する可能性がある。
9)海外での活動
当社グループの生産および販売活動は、米国やヨーロッパ、ならびにアジアや南米の発展途上市場や新興市場等の日本国外でも行われている。これらの海外市場では予期しない法律または規制の変更や労働争議発生及び突発的な伝染病の流行などの各種リスクが内在しており、それらは当社グループの経営成績に影響を与える可能性がある。
特に、中国においては、当社は広州・上海及び北京・天津地区を中心に多数の進出拠点を有している。中国国内での投資や為替、金融、輸出入に関わる法制や諸規定の変更、電力供給の停止、疫病の流行等の回避不能な事象の発生により事業運営に支障をきたす可能性がある。例えば、人民元のレート調整などが発生した場合、当初の事業計画から大きく逸脱する可能性がある。また、中国企業向けの売掛金回収期間は比較的長く、現地子会社のキャッシュ・フローに影響を与える可能性もある。
これらに加えて、東アジアにおける外交関係の緊張の高まりにより、治安・安全面のみならず、生産・販売活動等への影響を通じ、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性がある。
10)法令違反等
当社は、自動車用ワイヤハーネス・カルテルによる競争法違反により、平成23年11月に米国において、また平成25年4月にカナダにおいて、有罪判決を受け罰金を支払っているほか、平成25年7月には当社子会社である古河AS株式会社とともに、欧州委員会より競争法違反行為にともなう制裁金を課す決定を受けている。日本においては、同製品カルテルについて平成24年1月に公正取引委員会の命令が公表されているが、当社は、同委員会に対して課徴金減免制度の適用を申請しこれが認められたこと等から、排除措置命令、課徴金納付命令のいずれも受けていない。
上記に関連して、米国およびカナダにおいて当局が捜査対象とする一連の自動車部品カルテルによる損害の賠償を求める複数の集団訴訟が提起されており、当社および当社子会社が自動車用ワイヤハーネスその他一部の自動車部品カルテルにかかる訴訟において被告となっている。また、一部の自動車メーカーとは、自動車用ワイヤハーネス・カルテルに関する損害賠償の交渉を行っている。
上記のほか、当社は、平成25年12月に東京電力株式会社の発注する架空送電工事に関し、平成26年1月に関西電力株式会社の発注する架空送電工事に関し、独占禁止法に違反する行為があったとして公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けている。これに伴い、当社の電気工事業に関する営業のうち民間工事に係るものについて国土交通省より建設業法に基づく30日間の営業停止処分を本年4月および5月に受けた。また、電力ケーブルおよび同関連製品カルテルに関し、当社の持分法適用関連会社である株式会社ビスキャスが平成25年4月に豪州において制裁金の支払を命じられ、平成26年4月には同社および当社が欧州委員会より制裁金を課す決定を受けたほか、株式会社ビスキャスに対してはブラジル当局による調査が継続中である。なお、電力ケーブルおよび同関連製品カルテルに関する欧州委員会決定に対し、当社および株式会社ビスキャスは、事実認定や法令の適用に疑義があるとして制裁金の取消しまたは減額を求め、欧州普通裁判所に提訴している。これら関係当局の捜査・調査および違反認定に起因し、今後、損害賠償を求める民事訴訟が提起される可能性がある。
11)自然災害等の影響
当社グループは、国内外に、調達、製造、物流、販売、研究開発拠点等を有している。大規模な地震や津波、火災、台風、洪水等の災害(気候変動によって発生するものも含む)や新型インフルエンザ等の感染症の発生、戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(1)当社の連結子会社であった古河スカイ株式会社(以下「古河スカイ」という。)は、平成25年4月26日、住友軽金属工業株式会社(以下「住友軽金属」という。)との間で、古河スカイを吸収合併存続会社、住友軽金属を吸収合併消滅会社とする合併契約を締結し、同年10月1日、吸収合併により株式会社UACJ(以下「UACJ」という。)となった(以下「本合併」という。)。UACJに対する当社の持株比率は28.1%となり、同社は当社の持分法適用関連会社となった。
①合併の方法
古河スカイを吸収合併存続会社、住友軽金属を吸収合併消滅会社とする吸収合併。
②合併の目的
両社の本合併の目的は、競争激化が進むアルミニウム圧延業界において、統合新会社が、更なる顧客満足度の向上と、経営資源の効率的活用やスケールメリットの確保等によるコスト削減などを通じて事業基盤を強化するとともに、グローバル化を加速させ「世界的な競争力を持つアルミニウムメジャー会社」となることを目指すものである。
③合併の効力発生日
平成25年10月1日
④合併に際して交付する株式および割当
本合併により交付する古河スカイの株式は201,181,934株であり、本合併の効力発生日の前日における最終の住友軽金属の株主名簿に記載または記録された各株主に対し、その有する住友軽金属の株式(ただし、会社法第785条第1項に基づく株式買取請求に係る株式を除く。)1株に対して古河スカイの株式0.346株を割当て交付する。ただし、住友軽金属が保有する自己株式については、割当てを行わない。
⑤合併比率の算定根拠
古河スカイはみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」という。)および野村證券株式会社(以下「野村證券」という。)、住友軽金属はSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」という。)および大和証券株式会社(以下「大和証券」という。)を第三者算定機関として起用し、合併比率の算定を依頼した。
両社の株式価値について、みずほ証券は市場株価基準法およびディスカウンテッド・キャッシュフロー法(以下「DCF法」という。)、野村證券は市場株価平均法、類似会社比較法およびDCF法、SMBC日興証券は市場株価法およびDCF法、大和証券は市場株価法およびDCF法を、それぞれ採用して分析を行い、1株あたりの株式価値を算定した。
以上の算定結果を参考にして、それぞれ両社の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、両社で合併比率について慎重に協議を重ねた結果、合併比率について上記④のとおり合意した。
⑥吸収合併存続会社の合併後の資本金、事業の内容等
名 称 :株式会社UACJ
資本金 :45,000百万円
事業内容:アルミニウム・銅等の非鉄金属およびその合金の圧延製品・鋳物製品・鍛造製品ならびに加工品の製造・販売等
契約技術 | 契約の相手方(国籍) | 契約期間 | 対価 |
化合物半導体デバイスおよび化合物半導体材料に関する技術(特許実施)(注)1 | アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー(アメリカ) | 自 平成5年7月14日 至 実施許諾特許の満了日 | 実施料 一定料率 |
MT-RJコネクタの製造に関する技術(特許実施) | ウィテカー・コーポレーション (アメリカ) | 自 平成10年4月23日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 |
レーザーモジュール技術 (特許実施) | コーニング・インコーポレイテッド(アメリカ) | 自 平成11年2月23日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
ファイバー・ブラッグ・グレーティング技術(特許実施) | ユナイテッド・テクノロジーズ (アメリカ) | 自 平成11年3月2日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
MPXコネクタ技術 (特許実施、商標使用) | タイコ エレクトロニクス コーポレーション(アメリカ) | 自 平成12年10月17日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
LC コネクタ技術 (特許実施)(注)2 | ルーセント・テクノロジー (アメリカ) | 自 平成13年3月2日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
ポリプロピレンビース発泡製シャーシ技術 (特許実施)(注)3 | ディーエムティー ゲーエムベーハーファインヴェルクテクニッシェ コンプレットローシュンゲン(ドイツ) | 自 平成13年2月1日 至 実施許諾特許の満了日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
高効率半導体発光デバイス及び方法 (特許実施) | サンディア国立研究所 (アメリカ) | 自 平成15年5月9日 至 平成26年12月21日 | 頭金 定額 実施料 一定料率 |
(注)1.アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニーの3分割により、同社との契約は、平成8年9月23日をもってルーセント・テクノロジー社(現アルカテル・ルーセント社)に承継されている。
2.ルーセント・テクノロジー社(現アルカテル・ルーセント社)の光ファイバ・ケーブル部門の事業譲渡に伴い、本契約の相手方は平成13年11月16日にFITEL USA CORP.(平成15年12月19日FURUKAWA ELECTRIC NORTH AMERICA, INC.に商号変更)になり、また同社解散に伴いOFS Fitel, LLCとなっている。
3.契約締結日は平成13年4月16日であるが、効力発生日は平成13年2月1日に遡及されている。
4.以下の契約は、平成26年3月9日をもって契約期間が終了した。
契約技術:同軸ケーブル、コネクター、コードユニット、陸上線、光ファイバ、光ファイバ・ケーブル及び導波管(特許実施)
契約の相手方(国籍):アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー(アメリカ)なお、(注)1に記載のとおり、アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニーの3分割により、本契約は、平成8年9月23日をもってルーセント・テクノロジー社(現アルカテル・ルーセント社)に承継された。
契約期間:自 平成元年2月3日 至 実施許諾特許の満了日
対価:実施料 一定料率
当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社の6研究所(横浜研究所、メタル総合研究所、高分子技術研究所、ファイテルフォトニクス研究所、自動車電装技術研究所、パワー&システム研究所)とグループ会社の研究所、および海外のOFS Laboratories, LLC (米国)、Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)からなる研究体制を有し、積極的に研究開発を進めている。当連結会計年度における研究開発費は17,461百万円であり主な成果等は次のとおりである。
①実導入が開始された100Gbps光デジタルコヒーレント伝送に用いる、位相変調と偏波多重により多値化された信号を光の強度信号に変換するレシーバ部品については、新しい石英導波路技術を用いることにより現行サイズの1/25の小型チップの開発を進めている。
②100Gbpsデジタルコヒーレント伝送機器の小型化要求に伴い開発した標準制御回路付信号光源用半導体レーザについて、伝送装置メーカー向けに製品出荷を行っている。
③信号ルート切替え装置の主要部品である波長選択スイッチ(WSS)について、情報通信ネットワークの効率的な利用、低消費電力化に寄与するため、帯域を任意で変更できる製品の開発を進めている。
④将来の超大容量光通信における空間多重技術として、1本の光ファイバに複数(7個あるいは19個)のコアを含むマルチコアファイバを作製し、長距離幹線系、加入者アクセス系、光インターコネクションへの適用に向けた技術検討を引き続き実施している。
⑤光インターコネクション分野では、アクティブオプティカルケーブル(AOC)搭載用に開発した小型低消費電力光エンジンについて、次期規格である伝送速度28Gbpsでの伝送特性を評価している。また、機器内ボードを接続する高密度光配線の開発を進め、ユーザーにおいてサンプル評価を実施している。
⑥光出力1kWのシングルモードファイバレーザを複数合波することにより、ピーク出力6kWのファイバレーザ発振器を開発し加工試験を開始した。
以上、当該事業に係る研究開発費は6,399百万円である。
①ポリフェニレンサルファイド樹脂発泡体(MCPPS)については、従来の5~6倍を大きく上回る30倍超の発泡倍率でMCPPSの試作に成功し、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の特長に加え圧縮復元性や高断熱性を付与する技術を確立した。現在、量産に向けて準備を進めている。
②イットリウム系(Y系)高温超電導電力ケーブルについては独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託プロジェクト「Y系超電導電力機器技術開発」に参画し、継続して研究を行っている。将来的に超高圧電力ケーブルに替わる超高圧超電導ケーブルの開発を引き続き推進しており、国内外の実証プロジェクトへの参画を積極的に進めている。
③Y系超電導薄膜を応用した超電導応用機器については、経済産業省の委託プロジェクト「高温超電導コイル基盤技術開発プロジェクト」に参画し、高安定磁場コイルシステム基盤技術の研究開発を推進している。
④NEDOの委託プロジェクト「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」に参画し、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同で、次世代フライホイール向け高温超電導マグネットの開発に成功した。
⑤経済産業省の委託事業「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」に参画し、ライザーケーブルの開発を担当している。平成25年11月、第1期工事として設置した2MW浮体式洋上風力発電設備1基および浮体式洋上サブステーションが運転を開始し、2期工事に向けて66kVの大容量ライザーケーブルの開発を行っている。
以上、当該事業に係る研究開発費は1,300百万円である。
①アルミ電線を使用したワイヤハーネス(アルミワイヤハーネス)については、拡販および受注活動とともに、適用部位拡大に向けた関連技術の開発を進めている。
②自動車用バッテリーセンサーについては、バッテリー電力を管理することにより自動車のエネルギー利用効率化への貢献が期待されており、拡販および受注活動とともに、高性能化に向けた開発を進めている。
③24GHz帯を使用したレーダーについては、自動車の安全機能の向上に有用な車両周辺監視センサーとしての利用が期待されており、引き続き開発を進めている。
④産業用モータ他多くの分野から要求される、巻線の絶縁皮膜の薄膜化に向けた研究開発を加速している。
⑤電界方式のワイヤレス給電システムの開発を進めている。非接触での電力給電方法として期待されており、システムメーカーと技術協議を進めている。
⑥GaN(窒化ガリウム)は、富士電機グループと共同で設立した次世代パワーデバイス技術研究組合においてトランジスタとダイオードの開発を進め、技術的な目標を達成し、実用化検討を開始できる技術レベルであることが確認できたため、平成25年9月に解散した。本組合において得られたパワーデバイスの技術については、実用化に向けた開発を行っている。
⑦NEDOの委託事業「カーボンバンドルをユニットとする新規軽量導体の研究開発」に参画し、カーボンナノチューブのみからなる線材についての電気伝導度の低抵抗化を達成した。
以上、当該事業に係る研究開発費は4,343百万円である。
①自動車の次期ワイヤハーネス向けにアルミ合金電線を開発し、顧客への提案を進めている。
②金属ナノ粒子は、エレクトロニクス向け接合・配線材料としての開発を進め、顧客においてサンプル評価を実施している。
③リチウムイオン電池用電解銅箔の特性向上に取り組み、顧客の要求特性に関して改善効果を実現できた。
以上、当該事業に係る研究開発費は931百万円である。
①リチウムイオン電池に関して、正極集電体や外装材用のアルミ箔および板を開発、国内外に供給した。また、負極用集電体に用いられる圧延銅箔の開発を行った。
②自動車熱交換機器用材料につき、薄肉・高機能化材料の開発を行った。
以上、当該事業に係る研究開発費は1,374百万円である。
なお、軽金属部門においては、当部門を構成していた古河スカイ㈱(現㈱UACJ)が、平成25年10月から当社の持分法適用関連会社となったため、平成25年4月から同年9月までの研究開発費および主な成果等を記載している。
主に新事業分野に関するものである。
①米国ニューヨーク州を拠点とするY系高温超電導線材の開発・製造会社SuperPower Inc.で、超電導線材の研究開発と供給を推進しており、同社の超電導線材はEUのECCOFLOWプロジェクトにおける超電導限流器に採用された。同社は米国、日本、欧州など世界の多くの実証プロジェクトへの線材供給を行っているほか、超電導応用機器の開発、事業化を加速している。
②経済産業省より先端技術実証・評価設備整備費等補助金を受け、リチウムイオン電池用負極材料の製造設備開発を実施した。
以上、当該事業に係る研究開発費は3,112百万円である。
総資産は、前連結会計年度末に比べ1,049億円減少して7,148億円となった。流動資産は、前連結会計年度末比326億円減少の3,600億円、固定資産は、前連結会計年度末比722億円減少の3,548億円であった。売掛債権、仕掛品、原材料及び貯蔵品等のたな卸資産、有形・無形固定資産が減少した。
正味の運転資本は、売掛債権の減少、及び、たな卸資産の減少等により、減少している。
有形・無形固定資産は、資本的支出で374億円の増加、減価償却で281億円の減少のほか、減損損失の計上による減少等により変動している。
負債の部では、長期借入金、短期借入金、社債を合計した連結有利子負債が2,779億円と前連結会計年度末比で426億円の減少となった。
純資産の部では、利益剰余金が31億円増加した。また、円安・株高等の影響により、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加し、その他の包括利益累計額が84億円増加となった。自己資本比率は、前連結会計年度末比4.6ポイント上昇して24.8%となった。
なお、キャッシュ・フローの概況については、「1[業績等の概要]」に記載している。
連結売上高は、前連結会計年度比0.8%増の9,318億円となった。連結営業利益は255億円。液晶テレビ向け反射板MCPETや銅箔などの需要低迷による影響はあったものの、徹底した経費削減活動の成果に加え、前期低迷した情報通信分野の需要が復調し、自動車用部品の売上も好調に推移したことなどにより、前連結会計年度比43.3%増の増益となった。
営業外損益では、前連結会計年度比で持分法による投資損益が9億円、為替差損益が6億円減少した一方、償却債権取立益を10億円計上した。この結果、連結経常利益は255億円(前連結会計年度比45.0%増)となった。
当連結会計年度の特別損益は、82億円の損失(純額)となった。投資有価証券売却益、退職給付信託設定益等による特別利益を89億円計上した一方、減損損失、事業構造改革費用、カルテル関連費用、災害による損失等による特別損失を172億円計上した。
以上の結果、連結当期純利益は56億円(前連結会計年度比56.8%増)となった。
なお、セグメント別の概況は、「1[業績等の概要]」に記載している。